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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023121096
(43)【公開日】2023-08-30
(54)【発明の名称】内容物排出装置
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/76 20060101AFI20230823BHJP
   A47K 5/00 20060101ALI20230823BHJP
【FI】
B65D83/76 300
A47K5/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022036669
(22)【出願日】2022-02-18
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】522092675
【氏名又は名称】▲今▼▲柳▼田 愛
(72)【発明者】
【氏名】▲今▼▲柳▼田 愛
【テーマコード(参考)】
3E014
【Fターム(参考)】
3E014KC09
(57)【要約】
【課題】シャンプー等で使用されるパウチからボトル等へ、液体を残さず容易に移し替える内容物排出装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る内容物排出装置1は、軸線周りに回転自在で軸線方向Sと直交する外周面をらせん状としたらせん部3を形成すると共に端部に把持部4を形成した回転体2と、パウチPと回転体2を載置自在に形成した載置体5と、からなり、載置体5は、回転体2の外径と略同等以下の曲率からなる載置用湾曲部7を形成した下半部6と、回転体2の外径と略同等以下の曲率からなる押圧用湾曲部10を形成した上半部9と、で構成し、下半部6と上半部9の各々の湾曲部7,10が近接するよう対向配置することで回転体2を内部に収容自在とする略円管状の内周壁を現出するよう構成したことを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パウチ内の内容物を外部に排出する内容物排出装置であって、
軸線周りに回転自在で軸線方向と直交する外周面をらせん状としたらせん部を形成すると共に端部に把持部を形成した回転体と、
パウチと前記回転体を載置自在に形成した載置体と、からなり、
前記載置体は、前記回転体の外径と略同等以下の曲率からなる載置用湾曲部を形成した下半部と、前記回転体の前記外径と略同等以下の前記曲率からなる押圧用湾曲部を形成した上半部と、で構成し、
前記下半部と前記上半部の各々の前記湾曲部が近接するよう対向配置することで前記回転体を内部に収容自在とする略円管状の内周壁を現出するよう構成したことを特徴とする内容物排出装置。
【請求項2】
前記下半部は、前記載置用湾曲部から外方に貫通した排出部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の内容物排出装置。
【請求項3】
前記下半部と前記上半部の各々の前記湾曲部が近接・離反して前記下半部と前記上半部を開閉蓋自在とする連結部を形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の内容物排出装置。
【請求項4】
前記載置用湾曲部は、平滑な曲面状に形成したことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の内容物排出装置。
【請求項5】
前記載置用湾曲部又は(及び)前記押圧用湾曲部の端部には、前記載置体の内部に収容した前記回転体の脱落を防止するための脱落防止壁を形成したことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の内容物排出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャンプー等のレトルトパウチ(以下、パウチとする。)からボトル等へ、液体等を残さず容易に移し替える技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シャンプー等の詰め替えで、パウチにどうしても残ってしまう液体を出そうとして、パウチを指と指で挟むばかりでなく、パウチを折り曲げたりして隈なく液体を移動させようと努力する。
【0003】
しかし、そのことばかりに一生懸命になると、パウチの注ぎ口が充填用のボトルの口から外れて液体が飛び散ったりするが、これといった改善方法もなく、毎回同じことを繰り返していて、詰め替えを煩わしく思ったりする。(図9にパウチの例を示す。)
【0004】
また、器用に手指を使ってパウチ内のすべての液体をほぼ確実に取り出すことは可能かもしれないが、疲労を伴うほど作業性が悪く煩雑であり、作業者の力量によって取り出せる液体の量も大きく変化してしまう。
【0005】
このような状況において、現状では、パウチをそのままボトル代わりに使用して液体を取り出す技術が見受けられ、また、特許文献1のような装置に代表されるように、既に市販されているパウチの排出口に手動ポンプを装着して内容物の液体を取り出す技術や、特許文献2や特許文献3のようなパウチの注ぎ口と充填用のボトルの口が容易に脱落しないように繋ぐ方法に関する技術が見受けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009-214933号公報
【特許文献2】特表2007-523804号公報
【特許文献3】特開2019-064738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
確かに特許文献1に係る技術によれば、パウチ内の液体を取り出すために手動ポンプを使用することで作業性の向上を図ることは可能かもしれないが、パウチ内のすべての液体をほぼ確実に取り出すことは困難であり、しかも手動ポンプのような複雑な装置を用いることで高価になり価格的に不利なものとなってしまう。
【0008】
また、特許文献2、3に係る技術によれば、パウチの注ぎ口が充填用のボトルの口から外れ難いことで液体の飛び散りを防止できる点で優れているが、依然として手指を使ってパウチ内の液体を取り出す必要があるため、作業時の疲労や作業者の力量による液体の取り出し量のバラツキについては問題を有している。
【0009】
このように、現状ではパウチ内のすべての液体を容易に確実に取り出す技術がなく、その課題を解決することで、詰め替えの煩わしさも解決することができる。
【0010】
本発明は、シャンプー等の詰め替え用パッケージ等のパウチから充填用のボトル等へ、液体を残さず容易に移し替えるための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以上のような目的を達成するために、本発明は以下の技術を提供する。
【0012】
請求項1に係る発明では、パウチ内の内容物を外部に排出する内容物排出装置であって、軸線周りに回転自在で軸線方向と直交する外周面をらせん状としたらせん部を形成すると共に端部に把持部を形成した回転体と、パウチと前記回転体を載置自在に形成した載置体と、からなり、前記載置体は、前記回転体の外径と略同等以下の曲率からなる載置用湾曲部を形成した下半部と、前記回転体の前記外径と略同等以下の前記曲率からなる押圧用湾曲部を形成した上半部と、で構成し、前記下半部と前記上半部の各々の前記湾曲部が近接するよう対向配置することで前記回転体を内部に収容自在とする略円管状の内周壁を現出するよう構成したことを特徴とする内容物排出装置を提供する。
【0013】
請求項2に係る発明では、前記下半部は、前記載置用湾曲部から外方に貫通した排出部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の内容物排出装置を提供する。
【0014】
請求項3に係る発明では、前記下半部と前記上半部の各々の前記湾曲部が近接・離反して前記下半部と前記上半部を開閉蓋自在とする連結部を形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の内容物排出装置を提供する。
【0015】
請求項4に係る発明では、前記載置用湾曲部は、平滑な曲面状に形成したことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の内容物排出装置を提供する。
【0016】
請求項5に係る発明では、前記載置用湾曲部又は(及び)前記押圧用湾曲部の端部には、前記載置体の内部に収容した前記回転体の脱落を防止するための脱落防止壁を形成したことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の内容物排出装置を提供する。
【発明の効果】
【0017】
請求項1記載の発明によれば、軸線周りに回転自在で軸線方向と直交する外周面をらせん状としたらせん部を形成すると共に端部に把持部を形成した回転体と、パウチと回転体を載置自在に形成した載置体と、からなり、載置体は、回転体の外径と略同等以下の曲率からなる載置用湾曲部を形成した下半部と、回転体の外径と略同等以下の曲率からなる押圧用湾曲部を形成した上半部と、で構成し、下半部と上半部の各々の湾曲部が近接するよう対向配置することで回転体を内部に収容自在とする略円管状の内周壁を現出するよう構成することより、載置体の内径とぴったり合って回転する回転体において、ある程度まで液体が出て厚みがなくなったパウチが、載置体の内壁と回転体のらせん部との間でしっかりと挟まった状態となり、回転体を回転させると、回転体がパウチの表面を次から次へとパウチ全体を隈なく動き、結果として、パウチ内の液体をほぼ確実に充填用のボトルに移し替えることができる。
【0018】
また、作業者は把持部を持って回転体を回すだけで良いため疲労することはなく、また、作業者によらずパウチ内の液体をほぼ確実に取り出すことができ、しかも、回転体を回す作業はパウチの注ぎ口を注視しながら行なうことができるので、充填用のボトルの口にパウチの注ぎ口を常に合致させながら作業ができるため液体の飛び散りを防止することができる。
【0019】
更に、載置用湾曲部にパウチと回転体を載置した下半部に対して上半部を近接させるように載置体を把持するだけで回転体を安定して回転させることができ、しかも、載置体を強く把持すれば回転体によるパウチへの押圧力を容易に高めることができるため、液体の取り出し時間の短縮やパウチ内の液体の確実な取り出しを容易に行なうことができる。
【0020】
請求項2記載の発明によれば、下半部は、載置用湾曲部から外方に貫通した排出部を形成したことより、パウチを載置用湾曲部に載置すると共にパウチの注ぎ口を排出部に挿入するだけで注ぎ口が排出部に略固定されるので、液体を外部の充填用のボトルに安定して充填させることができる。
【0021】
請求項3記載の発明によれば、下半部と上半部の各々の湾曲部が近接・離反して下半部と上半部を開閉蓋自在とする連結部を形成したことより、上半部と下半部による略円管状の内周壁を確実に現出させることができるので、精度よく液体を取り出すことができる。
【0022】
また、載置体を強く把持して回転体によるパウチへの押圧力を高める際でも、下半部に対する上半部のズレを防止することができる。
【0023】
請求項4記載の発明によれば、載置用湾曲部は、平滑な曲面状に形成したことより、パウチを載置体の内壁に対して隙間なくしっかりと載置することができるので、回転体がパウチの表面を次から次へと動く際にパウチ全体をスムーズに隈なく動くことでパウチ内の液体をほぼ確実に取り出すことができる。
【0024】
請求項5記載の発明によれば、載置用湾曲部又は(及び)押圧用湾曲部の端部には、載置体の内部に収容した回転体の脱落を防止するための脱落防止壁を形成したことより、回転体の回転操作を容易に行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施形態の内容物排出装置を示すもので、載置体とその内径とぴったり合って回転する回転体を示した斜視部分透視図である。
図2図1に示す内容物排出装置の載置体であり、パウチや回転体を備える前の状態を説明した斜視図である。
図3図2に示す載置体に、パウチを装着した様子を示した斜視部分透視図である。
図4図3に示す載置体にパウチと回転体を装着した様子を示した斜視部分透視図である。
図5図4に示す状態から、上半部を閉めた様子を示した斜視図である。
図6図5に示す状態から、パウチ内の液体が少なくなり、パウチに厚みがなくなって上半部が完全に閉まった様子を示した斜視部分透視図である。
図7】載置体に備えた排出部を示した斜視図である。
図8】載置体に備えた脱落防止壁を示した斜視図である。
図9】従来のパウチを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明に係る内容物排出装置の要旨は、軸線周りに回転自在で軸線方向と直交する外周面をらせん状としたらせん部を形成すると共に端部に把持部を形成した回転体と、パウチと回転体を載置自在に形成した載置体と、からなり、載置体は、回転体の外径と略同等以下の曲率からなる載置用湾曲部を形成した下半部と、回転体の外径と略同等以下の曲率からなる押圧用湾曲部を形成した上半部と、で構成し、下半部と上半部の各々の湾曲部が近接するよう対向配置することで回転体を内部に収容自在とする略円管状の内周壁を現出するよう構成したことを特徴とする。すなわち、シャンプーやリンス等に使用されているパウチから充填用のボトル等へ、液体を残さず容易に移し替えるための内容物排出装置の提供を図ろうとするものである。
【0027】
以下、本発明に係る内容物排出装置1の一実施形態について図面を参照しながら説明する。また、本説明中において左右同一又は左右対称の構造や部品については、原則として同一の符号を付し、左右何れか一方のみを説明して、他方については説明を適宜省略する。
【0028】
本発明の実施形態に係る内容物排出装置1は、図1図2図5に示すように、軸線周りに回転自在で軸線方向Sと直交する外周面をらせん状としたらせん部3を形成すると共に端部に把持部4を形成した回転体2と、パウチPと回転体2を載置自在に形成した載置体5と、からなり、載置体5は、回転体2の外径と略同等以下の曲率からなる載置用湾曲部7を形成した下半部6と、回転体2の外径と略同等以下の曲率からなる押圧用湾曲部10を形成した上半部9と、で構成し、下半部6と上半部9の各々の湾曲部7,10が近接するよう対向配置することで回転体2を内部に収容自在とする略円管状の内周壁を現出するよう構成している。
【0029】
また、下半部6は、載置用湾曲部7から外方に貫通した排出部8を形成すると共に、下半部6と上半部9の各々の湾曲部7,10が近接・離反して下半部6と上半部9を開閉蓋自在とする連結部11を形成し、載置用湾曲部7は、平滑な曲面状に形成している。
【0030】
具体的には、図1に示すように、内容物排出装置1は、パウチ内の液体を詰め替える装置であり、水平方向を長手方向とする円管を上下に略1/2ずつ分割したような下半部6と上半部9とで略円管状の載置体5を構成し、載置体5の内部にらせん状のらせん部3を有する回転体2が収容できるように構成されている。
【0031】
下半部6の湾曲した上面をなす載置用湾曲部7は平滑な曲面状に形成し、下半部6の端部近傍に載置用湾曲部7から外方に貫通する円形の排出部8を形成することで図3に示すように載置用湾曲部7の上にパウチPを載置しつつ注ぎ口eを排出部8に挿入して外部に露出させることができるよう形成している。
【0032】
なお、排出部8の形状は、図9に示すようにパウチPの注ぎ口eが角(コーナー)に位置しているパウチPaもあれば、中央(センター)に位置しているパウチPbもあるため、注ぎ口eの位置や形状に応じて、図7に示すように円を斜めに横切るような切欠き部8aを形成することや、円からV字状に拡開した切欠き部8aを形成する等、任意に形成することができる。
【0033】
このように、パウチPの注ぎ口eの位置や形状に応じて排出部8の形状が合致していれば、パウチPがよれることなく綺麗に置くことができ、液体の移動を妨げることを防止することができる。
【0034】
また、排出部8は、図7に示すように、下半部6の端部近傍であれば複数個所に設けることもできる。
【0035】
また、図1に示すように、上半部9の湾曲した上面をなす側は押圧用湾曲部10であり、本実施形態では載置用湾曲部7と同様に平滑な曲面状に形成しているが、載置体5の内部で回転体2をスムーズに回転可能であれば押圧用湾曲部10に凹凸や空隙を有していても良い。
【0036】
また、下半部6と上半部9を連結する連結部11は、図2に示すように、2つの蝶番により開閉蓋自在としているが、湾曲部7,10が近接・離反して下半部6と上半部9が開閉蓋自在となる限り、連結部11は蝶番に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形・変更が可能である。
【0037】
回転体2は、図1に示すように、軸線周りに回転自在で軸線方向Sと直交する外周面をらせん状としたらせん部3を載置体5の長さ程度に形成すると共に端部に把持部4を形成し、本実施形態では金属丸棒を屈曲してらせん状に形成すると共に、端部は人手で把持可能な程度の略正三角形状に形成している。
【0038】
なお、回転体2は金属丸棒に限定されず、また、軸線周りに回転自在で軸線方向Sと直交する外周面をらせん状に形成できれば良いため、例えば、円柱の外側面にらせん状の凹凸を形成する等、回転体2にらせん部3を形成していれば良い。
【0039】
また、把持部4の形状等は本実施形態に限定されず、載置体5の内部で回転体2を回転させることができれば如何なる形状等であっても良い。
【0040】
そして、載置体5と回転体2は、載置体5の載置用湾曲部7と押圧用湾曲部10が回転体2の外径と略同等以下の曲率からなることで、載置用湾曲部7にパウチPを載置しつつ回転体2を内部に収容自在とすることができる。
【0041】
また、載置用湾曲部7又は(及び)押圧用湾曲部10の端部には、載置体5の内部に収容した回転体2の脱落を防止するための脱落防止壁12を形成することもできる。
【0042】
具体的には、脱落防止壁12は、図8に示すように、上半部9や下半部6の端部に壁部を形成すれば良く、図8においては、上半部9に2箇所、下半部6に2箇所の脱落防止壁12を形成しているが、何れか1箇所に形成するだけでも良い。
【0043】
なお、把持部4の側に脱落防止壁12を形成する場合、回転体2の軸が干渉する程度に壁部を形成するのであれば、軸が干渉しないように脱落防止壁12の一部を切り欠いた回転軸挿通部12aを形成すれば良い。
【0044】
また、本実施形態に係る内容物排出装置1は、人手で把持しながら作業を行なうものとして説明しているが、例えば、下半部6を所定高さに略固定できるような脚部を別途形成することで、排出部8から突出した注ぎ口eの真下に充填用のボトルの口が位置するようボトルをセットすれば、回転体2を回すだけで作業を行なうことができる。
【0045】
なお、この場合、上半部9を下半部6側に押圧する力が必要であれば、人手で上半部9を上方から押圧することや、上半部9と下半部6を締付けるような環状の輪ゴム等の付勢部材を載置体5に巻回しておく等で対応することが可能となる。
【0046】
このような内容物排出装置1の使用に際しては、まず、図2に示すように、載置体5を開蓋し、図3のように、下半部6の載置用湾曲部7にパウチPを置き、パウチPの注ぎ口eを排出部8から出す。なお、図3は、プラスチック製の注ぎ口eが付いている製品を例に示した。
【0047】
次に、回転体2を図4のように、注ぎ口eの反対側に回転体2の把持部4が位置するようにして回転体2をパウチPの上に置く。
【0048】
そして、最後に、上半部9を閉める。パウチPは液体で膨らんでいるので、上半部9は図5のように完全には閉まらないが、この状態で上半部9を手で軽く押さえると、回転体2を回さなくても注ぎ口eからシャンプーやリンス等の液体が出てくる。
【0049】
ある程度まで液体が出てパウチPに厚みがなくなると、図6のように、上半部9が完全に閉まる。そうすると、パウチPは、内容物排出装置1の内壁と回転体2の間でしっかりと挟まった状態となる。
【0050】
この状態で回転体2を回転させると、回転体2が、パウチPの表面を次から次へとパウチP全体を隈なく動くので、結果として、液体は残さず全てボトル等に移し替えられる。
【0051】
以上の説明のように構成された内容物排出装置1は、軸線周りに回転自在で軸線方向Sと直交する外周面をらせん状としたらせん部3を形成すると共に端部に把持部4を形成した回転体2と、パウチPと回転体2を載置自在に形成した載置体5と、からなり、載置体5は、回転体2の外径と略同等以下の曲率からなる載置用湾曲部7を形成した下半部6と、回転体2の外径と略同等以下の曲率からなる押圧用湾曲部10を形成した上半部9と、で構成し、下半部6と上半部9の各々の湾曲部7,10が近接するよう対向配置することで回転体2を内部に収容自在とする略円管状の内周壁を現出するよう構成することより、載置体5の内径とぴったり合って回転する回転体2において、ある程度まで液体が出て厚みがなくなったパウチPが、載置体5の内壁と回転体2のらせん部3の間でしっかりと挟まった状態となり、回転体2を回転させると、回転体2がパウチPの表面を次から次へとパウチ全体を隈なく動き、結果として、パウチ内の液体をほぼ確実に充填用のボトルに移し替えることができる。
【0052】
また、作業者は把持部4を持って回転体2を回すだけで良いため疲労することはなく、また、作業者によらずパウチ内の液体をほぼ確実に取り出すことができ、しかも、回転体2を回す作業はパウチPの注ぎ口eを注視しながら行なうことができるので、充填用のボトルの口にパウチPの注ぎ口eを常に合致させながら作業ができるため液体の飛び散りを防止することができる。
【0053】
更に、載置用湾曲部7にパウチPと回転体2を載置した下半部6に対して上半部9を近接させるように載置体5を把持するだけで回転体2を安定して回転させることができ、しかも、載置体5を強く把持すれば回転体2によるパウチPへの押圧力を容易に高めることができるため、液体の取り出し時間の短縮やパウチ内の液体の確実な取り出しを容易に行なうことができる。
【0054】
また、下半部6は、載置用湾曲部7から外方に貫通した排出部8を形成したことより、パウチPを載置用湾曲部7に載置すると共にパウチPの注ぎ口eを排出部8に挿入するだけで注ぎ口eが排出部8に略固定されるので、液体を外部の充填用のボトルに安定して充填させることができる。
【0055】
また、下半部6と上半部9の各々の湾曲部7,10が近接・離反して下半部6と上半部9を開閉蓋自在とする連結部11を形成したことより、上半部9と下半部6による略円管状の内周壁を確実に現出させることができるので、精度よく液体を取り出すことができる。
【0056】
また、載置体5を強く把持して回転体2によるパウチPへの押圧力を高める際でも、下半部6に対する上半部9のズレを防止することができる。
【0057】
更に、載置用湾曲部7は、平滑な曲面状に形成したことより、パウチPを載置体5の内壁に対して隙間なくしっかりと載置することができるので、回転体2がパウチPの表面を次から次へと動く際にパウチ全体をスムーズに隈なく動くことでパウチ内の液体をほぼ確実に取り出すことができる。
【0058】
しかも、載置用湾曲部7又は(及び)押圧用湾曲部10の端部には、載置体5の内部に収容した回転体2の脱落を防止するための脱落防止壁12を形成したことより、回転体2の回転操作を容易に行なうことが可能となる。
【0059】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0060】
e 注ぎ口
P パウチ
Pa 注ぎ口がコーナーに位置するパウチ
Pb 注ぎ口がセンターに位置するパウチ
S 軸線方向
1 内容物排出装置
2 回転体
3 らせん部
4 把持部
5 載置体
6 下半部
7 載置用湾曲部
8 排出部
8a 切欠き部
9 上半部
10 押圧用湾曲部
11 連結部
12 脱落防止壁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2022-07-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パウチ内の内容物を外部に排出する内容物排出装置であって、
軸線周りに回転自在で軸線方向と直交する外周面をらせん状としたらせん部を形成すると共に端部に把持部を形成した回転体と、
前記回転体をパウチの上に載置してこれらを収容自在に挟持する載置体と、からなり、
前記載置体は、前記回転体の前記らせん部の外径と略同等の曲率からなりパウチを載置自在とする載置用湾曲部を内側に形成すると共に前記載置用湾曲部から外方に貫通してパウチの注ぎ口を外部に露出させる排出部を一端側に形成した下半部と、前記回転体の前記らせん部の前記外径と略同等の前記曲率からなる押圧用湾曲部を内側に形成した上半部により前記載置用湾曲部と前記押圧用湾曲部が近接するよう前記らせん部を内部に収容して前記下半部と前記上半部を対向配置することで前記らせん部の前記外径に近似し前記回転体の前記軸線と略同軸で略円管状の内周壁を現出するよう構成し
前記排出部から注ぎ口を露出させて前記下半部に載置したパウチの上に前記下半部の他端側に前記回転体の前記把持部が位置するように前記回転体を載置して前記下半部と前記上半部との間で挟持し、
前記上半部を前記下半部に向けて押圧することで前記らせん部がパウチを押圧してパウチ内の内容物を注ぎ口から排出してパウチの厚みを低下させ、前記内周壁が略円管状となった前記載置体に対して前記把持部で前記回転体を回転させることで前記らせん部がパウチ内に残った内容物を順次排出可能に構成したことを特徴とする内容物排出装置。
【請求項2】
前記下半部と前記上半部の各々の前記湾曲部が近接・離反して前記下半部と前記上半部を開閉蓋自在とする連結部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の内容物排出装置。
【請求項3】
前記載置用湾曲は、平滑な曲面状に形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の内容物排出装置。
【請求項4】
前記載置用湾曲部(及び)前記押圧用湾曲部の端部には、前記載置体の内部に収容した前記回転体の脱落を防止するための脱落防止壁を形成したことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の内容物排出装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
請求項1に係る発明では、パウチ内の内容物を外部に排出する内容物排出装置であって、軸線周りに回転自在で軸線方向と直交する外周面をらせん状としたらせん部を形成すると共に端部に把持部を形成した回転体と、前記回転体をパウチの上に載置してこれらを収容自在に挟持する載置体と、からなり、前記載置体は、前記回転体の前記らせん部の外径と略同等の曲率からなりパウチを載置自在とする載置用湾曲部を内側に形成すると共に前記載置用湾曲部から外方に貫通してパウチの注ぎ口を外部に露出させる排出部を一端側に形成した下半部と、前記回転体の前記らせん部の前記外径と略同等の前記曲率からなる押圧用湾曲部を内側に形成した上半部により前記載置用湾曲部と前記押圧用湾曲部が近接するよう前記らせん部を内部に収容して前記下半部と前記上半部を対向配置することで前記らせん部の前記外径に近似し前記回転体の前記軸線と略同軸で略円管状の内周壁を現出するよう構成し、前記排出部から注ぎ口を露出させて前記下半部に載置したパウチの上に前記下半部の他端側に前記回転体の前記把持部が位置するように前記回転体を載置して前記下半部と前記上半部との間で挟持し、前記上半部を前記下半部に向けて押圧することで前記らせん部がパウチを押圧してパウチ内の内容物を注ぎ口から排出してパウチの厚みを低下させ、前記内周壁が略円管状となった前記載置体に対して前記把持部で前記回転体を回転させることで前記らせん部がパウチ内に残った内容物を順次排出可能に構成したことを特徴とする内容物排出装置を提供する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
請求項に係る発明では、前記下半部と前記上半部の各々の前記湾曲部が近接・離反して前記下半部と前記上半部を開閉蓋自在とする連結部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の内容物排出装置を提供する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
請求項に係る発明では、前記載置用湾曲部は、平滑な曲面状に形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の内容物排出装置を提供する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
請求項に係る発明では、前記載置用湾曲部又は(及び)前記押圧用湾曲部の端部には、前記載置体の内部に収容した前記回転体の脱落を防止するための脱落防止壁を形成したことを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の内容物排出装置を提供する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
請求項1記載の発明によれば、軸線周りに回転自在で軸線方向と直交する外周面をらせん状としたらせん部を形成すると共に端部に把持部を形成した回転体と、回転体をパウチの上に載置してこれらを収容自在に挟持する載置体と、からなり、載置体は、回転体のらせん部の外径と略同等の曲率からなりパウチを載置自在とする載置用湾曲部を内側に形成すると共に載置用湾曲部から外方に貫通してパウチの注ぎ口を外部に露出させる排出部を一端側に形成した下半部と、回転体のらせん部の外径と略同等の曲率からなる押圧用湾曲部を内側に形成した上半部により載置用湾曲部と押圧用湾曲部が近接するようらせん部を内部に収容して下半部と上半部を対向配置することで、らせん部の外径に近似し回転体の軸線と略同軸で略円管状の内周壁を現出するよう構成し、排出部から注ぎ口を露出させて下半部に載置したパウチの上に下半部の他端側に回転体の把持部が位置するように回転体を載置して下半部と上半部との間で挟持し、上半部を下半部に向けて押圧することでらせん部がパウチを押圧してパウチ内の内容物を注ぎ口から排出してパウチの厚みを低下させ、内周壁が略円管状となった載置体に対して把持部で回転体を回転させることでらせん部がパウチ内に残った内容物を順次排出可能に構成することより、載置体の内径とぴったり合って回転する回転体において、ある程度まで液体が出て厚みがなくなったパウチが、載置体の内壁と回転体のらせん部との間でしっかりと挟まった状態となり、回転体を回転させると、回転体がパウチの表面を次から次へとパウチ全体を隈なく動き、結果として、パウチ内の液体をほぼ確実に充填用のボトルに移し替えることができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
しかも、下半部は、載置用湾曲部から外方に貫通した排出部を形成したことより、パウチを載置用湾曲部に載置すると共にパウチの注ぎ口を排出部に挿入するだけで注ぎ口が排出部に略固定されるので、液体を外部の充填用のボトルに安定して充填させることができる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
請求項記載の発明によれば、下半部と上半部の各々の湾曲部が近接・離反して下半部と上半部を開閉蓋自在とする連結部を形成したことより、上半部と下半部による略円管状の内周壁を確実に現出させることができるので、精度よく液体を取り出すことができる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
請求項記載の発明によれば、載置用湾曲部は、平滑な曲面状に形成したことより、パウチを載置体の内壁に対して隙間なくしっかりと載置することができるので、回転体がパウチの表面を次から次へと動く際にパウチ全体をスムーズに隈なく動くことでパウチ内の液体をほぼ確実に取り出すことができる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
請求項記載の発明によれば、載置用湾曲部又は( 及び)押圧用湾曲部の端部には、載置体の内部に収容した回転体の脱落を防止するための脱落防止壁を形成したことより、回転体の回転操作を容易に行なうことが可能となる。