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特開2023-121111GHG排出量導出装置、GHG排出量導出方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023121111
(43)【公開日】2023-08-30
(54)【発明の名称】GHG排出量導出装置、GHG排出量導出方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230823BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130384
(22)【出願日】2022-08-18
(62)【分割の表示】P 2022024220の分割
【原出願日】2022-02-18
(71)【出願人】
【識別番号】516140214
【氏名又は名称】booost technologies株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永野 雄三
(72)【発明者】
【氏名】平原 匡哲
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】温室効果ガス(GHG)排出量を導出するGHG排出量導出装置、GHG排出量導出方法及びGHG排出量導出装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムを提供する。
【解決手段】GHG排出量導出装置100は、温室効果ガス(GHG)排出量の導出対象である活動内容及び活動内容毎の活動量を示す第1活動量データを取得する取得部と、活動量データの種別毎に予め定められた活動内容毎の排出原単位を示す複数の排出原単位フォーマットの中から、第1活動量データの種別に対応する第1排出原単位フォーマットを選択する選択部と、第1排出原単位フォーマットに基づいて、第1活動量データに示される活動内容毎に、少なくとも1つの排出原単位を決定する決定部と、少なくとも1つの排出原単位に基づいて、第1活動量データに示される活動内容毎の活動量のそれぞれについて、GHG排出量を導出する導出部と、を備える。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温室効果ガス(GHG)排出量の導出対象である活動内容及び活動内容ごとの活動量を示す第1活動量データを取得する取得部と、
活動量データの種別ごとに予め定められた活動内容ごとの排出原単位を示す複数の排出原単位フォーマットの中から、前記第1活動量データの種別に対応する第1排出原単位フォーマットを選択する選択部と、
前記第1排出原単位フォーマットに基づいて、前記第1活動量データに示される活動内容ごとに、少なくとも1つの排出原単位を決定する決定部と、
前記少なくとも1つの排出原単位に基づいて、前記第1活動量データに示される活動内容ごとの活動量のそれぞれについて、GHG排出量を導出する導出部と
を備えるGHG排出量導出装置。
【請求項2】
前記活動量データの種別は、活動量データの作成に用いられたアプリケーションの種別に対応する、請求項1に記載のGHG排出量導出装置。
【請求項3】
前記活動量データの種別は、活動主体の業種にさらに対応する、請求項2に記載のGHG排出量導出装置。
【請求項4】
前記活動内容は、活動に関わる業者に関する業者情報を含む、請求項1から3の何れか1つに記載のGHG排出量導出装置。
【請求項5】
前記活動内容は、活動に関わる場所に関する地点情報を含む、請求項1から4の何れか1つに記載のGHG排出量導出装置。
【請求項6】
前記第1活動量データに示される活動内容のうち、前記決定部が少なくとも1つの排出原単位を前記第1排出原単位フォーマットに基づいて決定できない活動内容を提示する提示部と、
提示された前記活動内容についての排出原単位をユーザから受け付ける受付部と
を備える、請求項1から5の何れか1つに記載のGHG排出量導出装置。
【請求項7】
前記受付部は、
活動内容ごとの排出原単位を示す複数の排出原単位データベースの中から、提示された前記活動内容について排出原単位を決定するために参照する排出原単位データベースの指定をユーザから受け付け、受け付けられた前記排出原単位データベースに示される排出原単位の中から、提示された前記活動内容についての前記排出原単位をユーザから受け付ける、請求項6に記載のGHG排出量導出装置。
【請求項8】
前記GHG排出量は、事業者がエネルギーを購入することで間接的に排出されたGHG排出量を示す間接排出量に含まれない事業者の活動により排出されたGHG排出量を示す他の間接排出量を少なくとも含み、
前記排出原単位フォーマットは、活動内容が前記他の間接排出量の対象に該当する場合、前記他の間接排出量の活動内容に応じた少なくとも1つのカテゴリに対応する少なくとも1つの排出原単位を示す、請求項1から5の何れか1つに記載のGHG排出量導出装置。
【請求項9】
前記第1活動量データに示される活動内容のうち、前記決定部が少なくとも1つの排出原単位を前記第1排出原単位フォーマットに基づいて決定できない活動内容に対応する、前記他の間接排出量に関する少なくとも1つのカテゴリ及び少なくとも1つの排出原単位の少なくとも1つのセットを、前記第1活動量データの種別に対応する他の既存の排出原単位フォーマットから、抽出する抽出部と、
前記少なくとも1つのセットの中から、前記決定できない活動内容についてのセットをユーザから受け付ける受付部と
をさらに備える、請求項8に記載のGHG排出量導出装置。
【請求項10】
前記GHG排出量は、事業者がエネルギーを購入することで間接的に排出されたGHG排出量を示す間接排出量に含まれない事業者の活動により排出されたGHG排出量を示す他の間接排出量を少なくとも含み、
前記GHG排出量導出装置は、
新たな活動量データの種別に対応する既存の排出原単位フォーマットから、前記新たな活動量データに示されるそれぞれの活動内容に対応する、他の間接排出量に関する少なくとも1つのカテゴリ及び少なくとも1つの排出原単位の少なくとも1つのセットを抽出する抽出部と、
前記少なくとも1つのセットの中から、ユーザの指示に応じて、前記新たな活動量データに示されるそれぞれの活動内容に対する1つのセットをそれぞれ特定することで、新たな活動量データに対する新たな排出原単位フォーマットを生成する生成部と
をさらに備える、請求項1から5のいずれか1つに記載のGHG排出量導出装置。
【請求項11】
前記抽出部は、
既存の排出原単位フォーマットから特定される、活動量データの種別及び活動内容と、他の間接排出量に関する少なくとも1つのカテゴリ及び少なくとも1つの排出原単位との組合せを教師データとして機械学習させた学習モデルに従って、信頼度が高い順に予め定められた数のセットを、前記少なくとも1つのセットとして抽出する、請求項10に記載のGHG排出量導出装置。
【請求項12】
取得部が、温室効果ガス(GHG)排出量の導出対象である活動内容及び活動内容ごとの活動量を示す第1活動量データを記憶部から取得する段階と、
選択部が、前記記憶部に記憶された、活動量データの種別ごとに予め定められた活動内容ごとの排出原単位を示す複数の排出原単位フォーマットの中から、前記第1活動量データの種別に対応する第1排出原単位フォーマットを選択する段階と、
決定部が、前記第1排出原単位フォーマットに基づいて、前記第1活動量データに示される活動内容ごとに、少なくとも1つの排出原単位を決定する段階と、
導出部が、前記少なくとも1つの排出原単位に基づいて、前記第1活動量データに示される活動内容ごとの活動量のそれぞれについて、GHG排出量を導出する段階と
を備えるGHG排出量導出方法。
【請求項13】
請求項1から11の何れか1つに記載のGHG排出量導出装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GHG排出量導出装置、GHG排出量導出方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電気機器ごとの二酸化炭素排出量を算出する二酸化炭素排出量算出システムが開示されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開2013-25487号公報
【発明の概要】
【0003】
本発明の一態様に係るGHG排出量導出装置は、温室効果ガス(GHG)排出量の導出対象である活動内容及び活動内容ごとの活動量を示す第1活動量データを取得する取得部を備えてよい。前記GHG排出量導出装置は、活動量データの種別ごとに予め定められた活動内容ごとの排出原単位を示す複数の排出原単位フォーマットの中から、前記第1活動量データの種別に対応する第1排出原単位フォーマットを選択する選択部を備えてよい。前記GHG排出量導出装置は、前記第1排出原単位フォーマットに基づいて、前記第1活動量データに示される活動内容ごとに、少なくとも1つの排出原単位を決定する決定部を備えてよい。前記GHG排出量導出装置は、前記少なくとも1つの排出原単位に基づいて、前記第1活動量データに示される活動内容ごとの活動量のそれぞれについて、GHG排出量を導出する導出部を備えてよい。
【0004】
前記活動量データの種別は、活動量データの作成に用いられたアプリケーションの種別に対応してよい。
【0005】
前記活動量データの種別は、活動主体の業種にさらに対応してよい。
【0006】
前記活動内容は、活動に関わる業者に関する業者情報を含んでよい。
【0007】
前記活動内容は、活動に関わる場所に関する地点情報を含んでよい。
【0008】
前記GHG排出量導出装置は、前記第1活動量データに示される活動内容のうち、前記決定部が少なくとも1つの排出原単位を前記第1排出原単位フォーマットに基づいて決定できない活動内容を提示する提示部を備えてよい。前記GHG排出量導出装置は、提示された前記活動内容についての排出原単位をユーザから受け付ける受付部を備えてよい。
【0009】
前記受付部は、活動内容ごとの排出原単位を示す複数の排出原単位データベースの中から、提示された前記活動内容について排出原単位を決定するために参照する排出原単位データベースの指定をユーザから受け付け、受け付けられた前記排出原単位データベースに示される排出原単位の中から、提示された前記活動内容についての前記排出原単位をユーザから受け付けてよい。
【0010】
前記GHG排出量は、事業者がエネルギーを購入することで間接的に排出されたGHG排出量を示す間接排出量に含まれない事業者の活動により排出されたGHG排出量を示す他の間接排出量を少なくとも含んでよい。前記排出原単位フォーマットは、活動内容が前記他の間接排出量の対象に該当する場合、前記他の間接排出量の活動内容に応じた少なくとも1つのカテゴリに対応する少なくとも1つの排出原単位を示してよい。
【0011】
前記GHG排出量導出装置は、前記第1活動量データに示される活動内容のうち、前記決定部が少なくとも1つの排出原単位を前記第1排出原単位フォーマットに基づいて決定できない活動内容に対応する、前記他の間接排出量に関する少なくとも1つのカテゴリ及び少なくとも1つの排出原単位の少なくとも1つのセットを、前記第1活動量データの種別に対応する他の既存の排出原単位フォーマットから、抽出する抽出部を備えてよい。前記GHG排出量導出装置は、前記少なくとも1つのセットの中から、前記決定できない活動内容についてのセットをユーザから受け付ける受付部をさらに備えてよい。
【0012】
前記GHG排出量は、事業者がエネルギーを購入することで間接的に排出されたGHG排出量を示す間接排出量に含まれない事業者の活動により排出されたGHG排出量を示す他の間接排出量を少なくとも含んでよい。前記GHG排出量導出装置は、新たな活動量データの種別に対応する既存の排出原単位フォーマットから、前記新たな活動量データに示されるそれぞれの活動内容に対応する、他の間接排出量に関する少なくとも1つのカテゴリ及び少なくとも1つの排出原単位の少なくとも1つのセットを抽出する抽出部を備えてよい。前記GHG排出量導出装置は、前記少なくとも1つのセットの中から、ユーザの指示に応じて、前記新たな活動量データに示されるそれぞれの活動内容に対する1つのセットをそれぞれ特定することで、新たな活動量データに対する新たな排出原単位フォーマットを生成する生成部をさらに備えてよい。
【0013】
前記抽出部は、既存の排出原単位フォーマットから特定される、活動量データの種別及び活動内容と、他の間接排出量に関する少なくとも1つのカテゴリ及び少なくとも1つの排出原単位との組合せを教師データとして機械学習させた学習モデルに従って、信頼度が高い順に予め定められた数のセットを、前記少なくとも1つのセットとして抽出してよい。
【0014】
本発明の一態様に係るGHG排出量導出方法は、取得部が、温室効果ガス(GHG)排出量の導出対象である活動内容及び活動内容ごとの活動量を示す第1活動量データを記憶部から取得する段階を備えてよい。前記GHG排出量導出方法は、選択部が、前記記憶部に記憶された、活動量データの種別ごとに予め定められた活動内容ごとの排出原単位を示す複数の排出原単位フォーマットの中から、前記第1活動量データの種別に対応する第1排出原単位フォーマットを選択する段階を備えてよい。前記GHG排出量導出方法は、決定部が、前記第1排出原単位フォーマットに基づいて、前記第1活動量データに示される活動内容ごとに、少なくとも1つの排出原単位を決定する段階を備えてよい。前記GHG排出量導出方法は、導出部が、前記少なくとも1つの排出原単位に基づいて、前記第1活動量データに示される活動内容ごとの活動量のそれぞれについて、GHG排出量を導出する段階を備えてよい。
【0015】
本発明の一態様に係るプログラムは、GHG排出量導出装置としてコンピュータを機能させてよい。
【0016】
上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】活動量データの例であるCSVファイルの一例を示す図である。
図2】排出原単位フォーマットの入力画面を示すユーザインタフェースの一例を示す図である。
図3】活動量データを排出原単位フォーマットに割り当てた後、GHG排出量を算出した結果を示す図である。
図4】排出原単位フォーマットのユーザインタフェースの一例を示す図である。
図5図4の排出原単位フォーマットのユーザインタフェースの続きを示す図である。
図6】活動量データをGHG排出量導出装置に読み込んだ後のユーザインタフェースの一例を示す図である。
図7】活動内容が電気の場合における、排出原単位フォーマットのユーザインタフェースの一例を示す図である。
図8】活動内容が電気の場合における、活動量データをGHG排出量導出装置に読み込んだ後のユーザインタフェースの一例を示す図である。
図9】本実施形態によるGHG排出量導出装置の一例を示す図である。
図10】GHG排出量導出装置を構成する各部の一例を示す図である。
図11】GHG排出量導出装置によるGHG排出量を導出する手順の一例を示すフローチャートである。
図12】GHG排出量導出装置により新しい排出原単位フォーマットを作成する手順の一例を示すフローチャートである。
図13】ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0019】
近年、事業者自らの温室効果ガスの排出量(GHG排出量)だけでなく、事業活動に関わる全てのサプライチェーンのGHG排出量を示すサプライチェーン排出量を導出することにより、企業活動全体を把握、管理することが試みられている。サプライチェーン排出量は、事業者の原料調達、製造、物流、販売、廃棄等の一連の流れ全体における組織活動に伴って発生するGHG排出量(千t-CO)を示す。サプライチェーン排出量は、スコープ1、スコープ2、及びスコープ3から構成される。
【0020】
スコープ1は、事業者自身により直接的に排出された温室効果ガスの排出量を示す直接排出量を示す。スコープ2は、事業者が電力会社等の他社から電気、熱、蒸気等のエネルギーを購入し、購入したエネルギーを使用することに伴う間接的に排出された温室効果ガスの排出量を示す間接排出量(エネルギー起源の間接排出)を示す。スコープ3は、スコープ1及びスコープ2に含まれない事業者のサプライチェーンにおける活動により排出された温室効果ガスの排出量を示す他の間接排出量を示す。スコープ3は、活動内容によりさらに15のカテゴリに分類される。
【0021】
カテゴリ1は、「購入した製品・サービス」を示す。カテゴリ2は、「資本財」を示す。カテゴリ3は、「スコープ1及びスコープ2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動」を示す。カテゴリ4は、「輸送、搬送(上流)」を示す。カテゴリ5は、「事業活動から出る廃棄物」を示す。カテゴリ6は、「出張」を示す。カテゴリ7は、「雇用者の通勤」を示す。カテゴリ8は、「リース資産(上流)」を示す。カテゴリ9は、「輸送、配送(下流)」を示す。カテゴリ10は、「販売した製品の加工」を示す。カテゴリ11は、「販売した製品の使用」を示す。カテゴリ12は、「販売した製品の廃棄」を示す。カテゴリ13は、「リース資産(下流)」を示す。カテゴリ14は、「フランチャイズ」を示す。カテゴリ15は、「投資」を示す。スコープ3は、15のカテゴリに含まれない間接的なGHG排出量を示す「その他」をさらに含む。「その他」に該当するGHG排出量は、例えば、従業員または消費者の日常生活に関するGHG排出量等を含む。
【0022】
サプライチェーン排出量は、スコープ1排出量、スコープ2排出量及びスコープ3排出量を合計したものである。スコープ1~スコープ3を通して、基本式は、活動量×排出原単位である。スコープ3排出量においては、基本式を15のカテゴリごとに導出し、合計して導出する。基本式中の活動量とは、事業者の活動の規模に関する量である。例えば、電気の使用量、貨物の輸送量、廃棄物の処理量、各種取引金額等が該当する。活動量は、社内の各種データ、文献データ、業界平均データ、製品の設計値等から収集する。排出原単位とは、活動量あたりのCO排出量である。例えば、電気1kWh使用あたりのCO排出量、貨物の輸送量1トンキロあたりのCO排出量、廃棄物の焼却1tあたりのCO排出量等が該当する。排出原単位は、基本的には既存のデータベースから選択して使用するが、排出量を直接計測する方法または取引先から排出量の導出結果の提供を受ける方法もある。
【0023】
ところで、サプライチェーン排出量の導出は容易ではない。なぜなら、事業者の膨大な量の各種データから個々の活動内容を抽出し、各活動内容を3種類のスコープに分類し、スコープ3の場合はさらにカテゴリに分類し、さらに適切な排出原単位を選択するという一連の行為を伴うからである。特に排出原単位は多岐にわたり、手作業で1つ1つ適切な排出原単位を選択することは大変な労力を要する。
【0024】
そこで、本実施形態により、サプライチェーン排出量(以降、GHG排出量という場合がある)を容易に算出できるGHG排出量導出装置、GHG排出量導出方法、およびプログラムを提供する。
【0025】
最初に、本実施形態におけるGHG排出量算出の流れについて概説する。ユーザは、まず、図1に示されるような、事業者の活動内容及び活動量を含む各種データが記録された会計系システム、業務系システム、人事システム、ERPシステム等のファイルをCSVファイル10に変換したものを準備する。CSVファイル10は、活動量データの一例である。活動量データは、事業者の活動内容及び活動量などの各項目の内容を予め定められた形式で示されるデータであれば、CSVファイル以外の予め定められた形式のファイルでもよい。
【0026】
GHG排出量導出装置は、ユーザにより指定されたCSVファイルを読み込み、CSVファイルに応じた排出原単位フォーマットを生成するための入力画面を表示させる。図2は、排出原単位フォーマットを生成するための入力画面を示すユーザインタフェース20の一例を示す。ユーザインタフェース20は、少なくとも活動内容21、活動量22、スコープ23、カテゴリ24(スコープ3に該当する場合のみ)、及び排出原単位25の項目を含む。
【0027】
GHG排出量導出装置は、CSVファイル10に基づき、各項目に必要な情報の入力をユーザから受け付ける。画面下のOKボタン26が押下されると、GHG排出量導出装置は、入力が完了したと判断する。これにより、活動内容21、スコープ23、カテゴリ24及び排出原単位25の対応付けがなされる。この排出原単位フォーマット20は、新たなCSVファイルがGHG排出量導出装置に読み込まれるときに再利用され得る。ここでは、CSVファイルをGHG排出量導出装置に読み込むこととしたが、本実施形態ではこの点において限定はされない。例えばGHG排出量導出装置に、人により個別にデータ入力してもよい。あるいはセンサ等によるデータの直接取得またはAPI連携による他システムからのデータの直接取得であってもよい。
【0028】
図3は、活動量データに排出原単位フォーマットを適用した後、GHG排出量を算出した結果画面を示すユーザインタフェース30の一例を示す。図2に示す入力画面のユーザインタフェース20のOKボタン26が押されると、GHG排出量導出装置は、各活動内容の活動量に各活動内容の排出原単位を乗じて各活動内容のGHG排出量を算出し、ユーザインタフェース30を出力する。
【0029】
図4は、GHG排出量導出装置を具現化したアプリケーションにおける排出原単位フォーマットを作成するための作成画面を示すユーザインタフェース40の一例である。作成画面40の領域41に示される[項目名1]及び[項目名2]が活動内容を表わすデータに相当する。ここでは[項目名1]にCSVファイル内の列番号「5」が、[項目名2]にCSVファイル内の列番号「4」が指定されている。ユーザインタフェース40の領域42に示される[活動量]が活動量を表わすデータに相当する。ここでは[活動量]にCSVファイル内の列番号「6」が指定されている。図2に示すユーザインタフェース20ではわかりやすさのため、1レコード内に活動内容の列が1つ含まれている。しかしながら、活動内容を表わす列の数は1つに限定されず、2つ以上でもよい。活動内容を表わす列の数は、例えば3つでよい。
【0030】
図5図4の排出原単位フォーマットの作成画面のユーザインタフェース40に続いて表示される排出原単位フォーマットの作成画面のユーザインタフェース50の一例を示す。ユーザインタフェース50の領域51に示される[対応する排出原単位1]には、「石油製品(tCO/kl)」が指定されている。ユーザインタフェース50の領域54には、[対応する排出原単位2]が示される。このように、1つの活動内容に対し複数の排出原単位を指定可能である。
【0031】
例えば、本実施形態においては、排出原単位を3つ指定することが可能である。活動内容と排出原単位との対応付けは、作成画面40の領域43に示される[項目名と排出原単位の対応表]を用いて記憶できる。例えば、1つの活動内容について、項目名1~3及び排出原単位1~3の対応関係を指定して記憶できる。また、図2の排出原単位フォーマットの入力画面のユーザインタフェース20では、1つの活動内容に対してスコープ、カテゴリ及び排出原単位が1つ対応付けられた例を示す。
【0032】
しかしながら、1つの活動内容に対して複数のスコープ・カテゴリ及び複数の排出原単位が対応付けられてよい。例えば、「ガソリン販売」という1つの活動内容に対し、スコープ3のカテゴリ10(販売した製品の加工)、カテゴリ11(販売した製品の使用)及びカテゴリ12(販売した製品の廃棄)が対応付けられ、且つ、それぞれ異なる3つの排出原単位が対応付けられてよい。これは、スコープ3は同一の活動内容から複数のカテゴリに亘ってGHG排出量を算出するケースがあることによる。ユーザインタフェース50の領域52に示される[対象スコープ/カテゴリ]には、「スコープ3及びカテゴリ1」が指定されている。ユーザインタフェース50の領域53に示される[排出原データベース]には、活動内容に応じた排出原単位を示すデータベースが示される。より具体的には、領域53には、環境省による排出原単位データベース、IDEAによる排出原単位データベースが示されている。領域53には、ユーザ自身で作成及び管理する独自の排出原単位を示す独自排出原単位データベースがさらに示されている。図4及び図5における排出原単位フォーマットの作成画面であるユーザインタフェース40及びユーザインタフェース50は例示に過ぎず、実際には図4及び図5に示された項目が省略されても、あるいは追加されてもよい。
【0033】
図6は、図4及び図5においてCSVファイルを排出原単位フォーマットへ割り当てを済ませ、CSVファイルをGHG排出量導出装置に読み込んだ後のユーザインタフェース60の一例を示す。ユーザインタフェース60では、活動内容を表わすデータを[項目名1]及び[項目名2]として2つ含めているので、[項目名1]ガソリン+[項目名2]取引先A、[項目名1]ガソリン+[項目名2]取引先Bのように表示されている。このようにすることで、GHG排出量導出装置は、同じガソリンであっても取引先ごとに活動内容を区別して、それぞれのGHG排出量を算出できる。活動内容を表わす列を複数含めることにより、活動内容を表わすデータをより細かく設定して、GHG排出量を算出できる。ユーザインタフェース60の領域61には、CSVファイルをGHG排出量導出装置に取り込んだときの表示名が表示されている。ユーザインタフェース60の領域61において、活動内容として複数の項目を指定した場合に、それらの項目のうち、表示名として表示させる項目が指定される。ここでは、項目名1で指定した列番号と同じ列番号「5」が指定されている。ユーザはCSVファイルが正しく読み込まれていることを確認したら、[承認する]ボタン62を押す。すると、GHG排出量導出装置は、活動量に排出原単位を乗じてGHG排出量を算出する。
【0034】
図7は、特に活動内容が電気の場合における、排出原単位フォーマットの作成画面のユーザインタフェース70の一例を示す。ユーザインタフェース70の領域72に示される[供給地点名1]及び[供給地点名2]が、活動内容を表わすデータに相当する。ここでは[供給地点名1]にCSVファイル内の列番号「2」が指定されている。
【0035】
電気の場合、1つの供給地点特定番号(22桁の番号)に対し、例えば3つの供給地点名を含めることができる。これは図4について先述したように、活動内容を表わす列の数は1つに限定されないことと同様である。例えば、[供給地点名1]店舗A+[供給地点名2]関東エリアと、[供給地点名1]店舗B+[供給地点名2]関東エリアといったように、同じ関東エリアであっても、店舗A及び店舗BごとにGHG排出量を算出できる。
【0036】
また、電気の場合も、1つの活動内容に対して複数のスコープ、複数のカテゴリ・カテゴリ及び複数の排出原単位が対応付けられてよい。ユーザインタフェース70の領域74に示される[使用量]が、活動量を表わすデータに相当する。ここでは、[使用量]にCSVファイル内の列番号4が指定されている。図8は、図7に示すユーザインタフェース70を介してCSVファイルを排出原単位フォーマットへ割り当てを済ませ、CSVファイルをGHG排出量導出装置に読み込んだ後のユーザインタフェース80の一例を示す。ユーザインタフェース80の領域81の[対応地点追加]は、供給地点情報を追加するためのものである。
【0037】
以上が、本実施形態における排出原単位フォーマットの作成、及びGHG排出量の算出の流れについての概説である。一旦、排出原単位フォーマットが作成されると、以降は、別のユーザであっても、ユーザの業種及びアプリケーション種別が以前に排出原単位フォーマットを作成したユーザのものと同一であれば、作成済みの排出原単位フォーマットからスコープ、カテゴリ及び排出原単位が提示される。これにより、ユーザが逐一手動で活動内容に対し、スコープ、カテゴリ及び排出原単位を割り当てる手間が省ける。
【0038】
ユーザの業種は、GHG排出量導出装置へのユーザ登録時に、ユーザ情報として入力させればよい。またアプリケーション種別は、GHG排出量導出装置においてCSVファイルの作成元アプリケーションを指定させればよい。
【0039】
作成済みの排出原単位フォーマットからスコープ、カテゴリ及び排出原単位を提示する場合、例えば、複数のユーザによる複数の排出原単位フォーマットを集計し、同一の業種、同一のアプリケーション種別及び同一の活動内容を有するスコープ、カテゴリ及び排出原単位の対応付けのセットをソートしてカウントし、件数の多い順に、例えば上位5個のセットを提示してよい。このようにして、ユーザは既存の排出原単位フォーマットを再利用して、CSVファイルをGHG排出量導出装置に素早く読み込みができるようになる。
【0040】
さらにまた、GHG排出量導出装置は、ユーザの業種及び活動内容を入力、スコープ、カテゴリ及び排出原単位を出力とした教師データを用いて訓練させた学習モデルに従って、提示すべきスコープ、カテゴリ及び排出原単位を特定してよい。この場合の学習モデルは分類器である。GHG排出量導出装置は、訓練済みの学習モデルに対し、業種及び活動内容が入力されると、複数のスコープ、カテゴリ及び排出原単位の対応付けセットの信頼度を導出し、信頼度が高いものから順に、例えば上位5個のセットを提示してもよい。このようにすると、ユーザは排出原単位フォーマットを作成していなくても、提示されるスコープ、カテゴリ及び排出原単位のセットから適切なセットを選択するだけで済む。
【0041】
以下、本実施形態に即した具体的な内容について説明する。図9は、本実施形態によるGHG排出量導出装置100の一例を示す。GHG排出量導出装置100は、ネットワーク150を介して排出原単位データベース200と通信する。GHG排出量導出装置100は、排出原単位データベース200に登録された排出原単位を活動量に乗じてGHG排出量を算出する。排出原単位データベースは、例えば、環境省による排出原単位データベース、IDEAによる排出原単位データベース、産業連関表による環境負荷原単位データブック(3EID)、LCA日本フォーラムによるLCAデータベース等である。
【0042】
図10は、GHG排出量導出装置100を構成する各部の一例を示す。GHG排出量導出装置100は、生成部102、取得部104、選択部106、決定部108、導出部110、記憶部112、提示部114、受付部116、及び抽出部118を有する。本実施形態によるGHG排出量導出装置100はコンピュータであってよい。生成部102、取得部104、選択部106、決定部108、導出部110、提示部114、受付部116、及び抽出部118は中央処理装置で実装されてよい。記憶部112はメモリで実装されてよい。
【0043】
取得部104は、GHG排出量の導出対象である活動内容及び活動内容ごとの活動量を示す第1活動量データを取得する。第1活動量データは、活動内容及び活動内容ごとの活動量を含む。活動量データは、例えば、会計系システム等のファイルをGHG排出量導出装置100に読み込み可能な形式に変換したファイル(例えば、CSVファイル)であってよい。活動内容は、GHGの排出に直接的または間接的に関与する事業者の活動を示す。活動内容は、例えば、「従業員による出張」であってよい。例えば、導出の仕方として、従業員数から出張によるGHG排出量を導出することとした場合、活動量は例えば「500人(従業員数)」であってよい。
【0044】
選択部106は、記憶部112に記憶された、活動量データの種別ごとに予め定められた活動内容ごとの排出原単位を示す複数の排出原単位フォーマットの中から、第1活動量データの種別に対応する第1排出原単位フォーマットを選択する。活動量データの種別は、活動量データの作成に用いられたアプリケーションの種別に対応する。また、活動量データの種別は、活動主体の業種に対応する。活動主体とは、GHGを直接または間接的に排出する活動を行う主体であり、例えば、自身の活動に伴うGHG排出量を導出することを希望している事業者である。
【0045】
例えば、活動量データの種別は、ユーザの業種及び活動量データの作成元アプリケーションの種別で特定される。アプリケーションは、会計系システム、業務系システム、人事システム、またはERPシステムをコンピュータ上で動作させるためのプログラムでよい。作成元のアプリケーションの種別は、活動量データに示されてよい。ユーザの業種も、活動量データに示されてよい。または、記憶部112は、ユーザを識別するユーザ識別情報と、ユーザの業種を示す業種情報とを関連付けて記憶してよい。活動量データは、ユーザ識別情報を含んでよい。そして、選択部106は、活動量データを参照して、作成元のアプリケーションの種別を特定し、記憶部112を参照して、ユーザ識別情報に対応するユーザの業種を特定してよい。記憶部112は、ユーザ識別情報と関連付けて、ユーザが使用するアプリケーション種別を記憶してもよい。選択部106は、複数のユーザによる予め作成された複数の排出原単位フォーマットの中から、ユーザの業種及び活動量データの作成元のアプリケーション種別が同一である排出原単位フォーマットを第1排出原単位フォーマットとして選択する。
【0046】
決定部108は、第1排出原単位フォーマットに基づいて、第1活動量データに示される活動内容ごとに、少なくとも1つの排出原単位を決定する。第1排出原単位フォーマットは、活動内容と関連付けて排出原単位を示す。活動内容が「従業員による出張」である場合、第1排出原単位フォーマットは、「従業員による出張」の排出原単位として、従業員あたりの排出原単位である「0.103t‐CO/人・年」を示す。
【0047】
導出部110は、少なくとも1つの排出原単位に基づいて、第1活動量データに示される活動内容ごとの活動量のそれぞれについて、GHG排出量を導出する。導出部110は、例えば、活動内容「従業員による出張」のGHG排出量として、従業員数×従業員あたりの排出原単位=500人×0.130t‐CO/人・年=65t‐COを導出する。
【0048】
活動内容は、活動に関わる業者に関する業者情報を含む。業者情報は、例えば、取引先、電気の購入先等の情報である。活動内容は、活動に関わる場所に関する地点情報を含む。地点情報は、例えば、店舗名、建物名、地理エリア等の情報である。
【0049】
GHG排出量は、事業者がエネルギーを購入することで間接的に排出されたGHG排出量を示す間接排出量に含まれない事業者の活動により排出されたGHG排出量を示す他の間接排出量を少なくとも含む。先述の通り、サプライチェーン排出量には、スコープ1排出量、スコープ2排出量及びスコープ3排出量が含まれる。事業者がエネルギーを購入することで間接的に排出されたGHG排出量を示す間接排出量とは、スコープ2排出量である。事業者の活動により排出されたGHG排出量を示す他の間接排出量とは、スコープ3排出量である。
【0050】
排出原単位フォーマットは、活動内容が他の間接排出量の対象に該当する場合、他の間接排出量の活動内容に応じた少なくとも1つのカテゴリに対応する少なくとも1つの排出原単位を示す。すなわち、排出原単位フォーマットは、活動内容がスコープ3に該当する場合、スコープ3の活動内容に応じた少なくとも1つのカテゴリに対応する少なくとも1つの排出原単位を示す。特にスコープ3の場合は、1つの活動内容に対して、複数のカテゴリ及び複数の排出原単位が対応付けられる場合がある。
【0051】
提示部114は、第1活動量データに示される活動内容のうち、決定部108が第1排出原単位フォーマットに基づいて少なくとも1つの排出原単位を決定できない活動内容を提示する。選択された第1排出原単位フォーマットから、決定部108が第1活動量データに示される活動内容のうち、排出原単位を決定できない場合があり得る。これは、ユーザの業種及びアプリケーション種別が同一である、選択された第1排出原単位フォーマットで指定済みの活動内容が、第1活動量データの活動内容と一致しない場合に生じ得る。
【0052】
例えば、選択された第1排出原単位フォーマットで指定済みの活動内容が「従業員による出張」ではなく、「ガソリンの販売」であった場合、決定部108は排出原単位を決定できない。あるいは、ユーザの業種及びアプリケーション種別が同一である、選択された第1排出原単位フォーマットで指定済みの活動内容が、第1活動量データのものと同一であっても、活動量の単位が一致しない場合には、決定部108は排出原単位を決定できない。第1排出原単位フォーマットで、従業員数から出張によるGHG排出量を導出することを規定している場合、活動量は従業員数である。
【0053】
これに対し、従業員による出張の活動量として、第1活動量データに移動距離が示されている場合、第1排出原単位フォーマットには、従業員による出張という活動内容に対して、出張旅費金額に対する排出原単位が対応付けられている必要がある。しかし、第1排出原単位フォーマットには、出張旅費金額に対する排出原単位が対応付けられていない。この場合、決定部108は、従業員による出張に対する排出原単位を決定できない。
【0054】
受付部116は、提示された活動内容についての排出原単位をユーザから受け付ける。ユーザは、提示された活動内容、すなわち従業員による出張について、例えば、旅客鉄道の排出原単位である出張旅費金額あたりの排出原単位「0.00137kg‐CO/円」を指定する。
【0055】
任意で、提示部114が、第1排出原単位フォーマットに基づいて決定できない活動内容を提示するときに、アプリケーションの種別および活動主体の業種の一方のみが同一で、且つ、同一の活動内容が指定された他の排出原単位フォーマットを検索してもよい。他の排出原単位フォーマットが見つかった場合、提示部114は他の排出原単位フォーマットに入力された排出原単位を、決定できない活動内容と共にユーザに提示してもよい。ユーザは、他の排出原単位フォーマットに入力された排出原単位が適切であれば、それを選択してよい。
【0056】
また、受付部116は、活動内容ごとの排出原単位を示す複数の排出原単位データベースの中から、提示された活動内容について排出原単位を決定するために参照する排出原単位データベースの指定をユーザから受け付けてよい。例えば、ユーザは、表示された環境省による排出原単位データベース、IDEAによる排出原単位データベース、産業連関表による環境負荷原単位データブック(3EID)、LCA日本フォーラムによるLCAデータベースの中から指定してよい。あるいは、ユーザは独自の排出原単位データベースを指定してもよい。さらに、受付部116は、受け付けた排出原単位データベースに示される排出原単位の中から、提示された活動内容についての排出原単位をユーザから受け付けてよい。
【0057】
抽出部118が、第1活動量データに示される活動内容のうち、決定部108が第1排出原単位フォーマットに基づいて決定できない活動内容に対応する、他の間接排出量に関する少なくとも1つのカテゴリ及び少なくとも1つの排出原単位の少なくとも1つのセットを、第1活動量データの種別に対応する他の既存の排出原単位フォーマットから、抽出する。選択された第1排出原単位フォーマットに基づいて決定部108により排出原単位が決定できない場合に、抽出部118は、ユーザの業種、アプリケーション種別及び活動内容が同一である、第1排出原単位フォーマットとは異なる他の既存の排出原単位フォーマットから、少なくとも1つのカテゴリ及び少なくとも1つの排出原単位の少なくとも1つのセットを抽出して、提示部114が、抽出された少なくとも1つのセットをユーザに対し提示する。受付部116は、少なくとも1つのセットの中から、決定できない活動内容についてのセットをユーザから受け付ける。ユーザは、提示された少なくとも1つのカテゴリ及び少なくとも1つの排出原単位の少なくとも1つのセットの中から適切なセットを選択して、決定できない活動内容に対し指定する。
【0058】
抽出部118は、同一の業種、同一のアプリケーション種別及び同一の活動内容を持つ既存の他の複数の排出原単位フォーマットの中から、カテゴリ及び排出原単位の対応付けのセットを同一セットごとに並べ替えてカウントし、件数の多い順に特定の上位までのセットを抽出し、提示部114は、抽出された特定の上位のセットを表示してよい。例えば、提示部114は、上位5個のセットを提示してよい。あるいは、抽出部118は、同一の業種及び同一の活動内容、または、同一のアプリケーション種別及び同一の活動内容を有する既存の他の複数の排出原単位フォーマットの中から、カテゴリ及び排出原単位の対応付けのセットを同一セットごとに並べ替えてカウントして、件数の多い順に上位5個のセットを抽出し、提示部114は、上位5個のセットを提示してもよい。あるいは、抽出部118は、同一の活動内容を有する既存の他の複数の排出原単位フォーマットの中からカテゴリ及び排出原単位の対応付けのセットを同一セットごとに並べ替えてカウントして、件数の多い順に上位5個のセットを抽出し、提示部114は、上位5個のセットを提示してもよい。
【0059】
ここまでは、GHG排出量導出装置が、予め作成済みの排出原単位フォーマットから排出原単位を決定してGHG排出量を導出することについて説明した。これに対し、以下では、ユーザがGHG排出量導出装置に新たな活動量データを読み込むときに、排出原単位フォーマットを新しく生成する場合について述べる。活動量データにおける活動内容は、スコープ3の任意のカテゴリに相当することを前提とする。
【0060】
取得部104は、GHG排出量の導出対象である活動内容及び活動内容ごとの活動量を示す新たな活動量データを取得する。取得部104は、ユーザにより指定されたファイル名に対応する活動量データを記憶部112から取得してよい。取得部104は、電子メールなどに添付されて他の装置から送信された新たな活動量データを、ネットワーク150を介して取得してよい。抽出部118は、新たな活動量データを参照して、作成元のアプリケーションの種別を特定し、記憶部112を参照して、ユーザ識別情報に対応するユーザの業種を特定することで、新たな活動量データの種別を特定してよい。抽出部118は、新たな活動量データの種別に対応する既存の排出原単位フォーマットから、新たな活動量データに示されるそれぞれの活動内容に対応する、他の間接排出量に関する少なくとも1つのカテゴリ及び少なくとも1つの排出原単位の少なくとも1つのセットを抽出する。次に、生成部102は、少なくとも1つのセットの中から、ユーザの指示に応じて、新たな活動量データに示されるそれぞれの活動内容に対する1つのセットをそれぞれ特定することで、新たな活動量データに対する新たな排出原単位フォーマットを生成する。
【0061】
抽出部118は、複数のユーザによる予め作成された複数の排出原単位フォーマットのうち、ユーザの業種及びアプリケーションの種別が同一である排出原単位フォーマットから、活動内容が同一である少なくとも1つのカテゴリ及び少なくとも1つの排出原単位の少なくとも1つのセットを抽出して、提示部114は、抽出された少なくとも1つのセットをユーザに対して提示する。
【0062】
抽出部118は、カテゴリ及び排出原単位の対応付けのセットを同一セットごとに並べ替えてカウントし、件数の多い順に特定の上位までのセットを抽出し、提示部114は、抽出された特定の上位までのセットを提示してよい。提示部114は、例えば、上位5個のセットを提示してよい。ユーザの業種、アプリケーション種別及び活動内容が同一である既存の排出原単位フォーマットの中から、活動内容が同一である少なくとも1つのカテゴリ及び少なくとも1つの排出原単位の少なくとも1つのセットを抽出できない場合、抽出部118は、アプリケーション種別が異なり、かつ同一の業種の既存の複数の排出原単位フォーマットの中から、活動内容が同一である少なくとも1つのカテゴリ及び少なくとも1つの排出原単位の少なくとも1つのセットを抽出してよい。
【0063】
または、抽出部118は、ユーザの業種が異なり、かつアプリケーション種別が同一の既存の複数の排出原単位フォーマットの中から、活動内容が同一である少なくとも1つのカテゴリ及び少なくとも1つの排出原単位の少なくとも1つのセットを抽出してよい。依然として少なくとも1つのセットを抽出できない場合は、抽出部118は、ユーザの業種及びアプリケーション種別が異なる既存の排出原単位フォーマットの中から、活動内容が同一である少なくとも1つのカテゴリ及び少なくとも1つの排出原単位の少なくとも1つのセットを抽出してよい。ユーザは、提示された少なくとも1つのセットの中から、活動内容に対し適切なセットを指定する。
【0064】
もし、抽出部118が少なくとも1つのカテゴリ及び少なくとも1つの排出原単位のセットを抽出できない場合は、受付部116は、ユーザから活動内容に対する適切なカテゴリ及び排出原単位のセットの指定を受け付けてよい。このとき、提示部114は、さらにユーザに対し、活動内容について排出原単位を決定するために参照する排出原単位データベースを提示してよい。生成部102が、ユーザの指定に応じて、活動内容に対するセットを特定することで、新たな活動量データに対する新たな排出原単位フォーマットを生成する。
【0065】
上記では、抽出部118が、既存の複数の排出原単位フォーマットの中から、活動内容が同一である件数の多い上位の少なくとも1つのカテゴリ及び少なくとも1つの排出原単位の少なくとも1つのセットを抽出する例について説明した。これに対し、以下では、抽出部118は、訓練済みの学習モデルにより、活動量データに示される活動内容に応じて、少なくとも1つのカテゴリ及び少なくとも1つの排出原単位の少なくとも1つのセットを抽出する態様について説明する。
【0066】
抽出部118は、既存の排出原単位フォーマットから特定される、活動量データの種別及び活動内容と、他の間接排出量に関する少なくとも1つのカテゴリ及び少なくとも1つの排出原単位との組み合わせを教師データとして機械学習させた学習モデルに従って、信頼度が高い順に予め定められた数のセットを、少なくとも1つのセットとして抽出してよい。学習モデルは、深層学習モデルでよい。
【0067】
抽出部118は、Softmax関数の出力などを用いて信頼度を導出してよい。生成部102は、例えば、ユーザの業種及び活動内容を入力、スコープ、カテゴリ及び排出原単位を出力とする教師データを用いて、活動量データの種別及び活動内容と、他の間接排出量に関する少なくとも1つのカテゴリ及び少なくとも1つの排出原単位との関係を示す学習モデルを教師あり学習のアルゴリズムに従って訓練し、訓練済み学習モデルを生成し、記憶部112に記憶させてよい。アルゴリズムは、ニューラルネットワーク、サポートベクターマシン、重回帰分析、決定木などの任意の方式のアルゴリズムでよい。ここで、学習モデルへのデータ入力は、人による個別入力またはセンサ等によるデータの直接取得であってよい。業種及び活動内容が入力されると、抽出部118は、訓練済み学習モデルに従って、スコープ、カテゴリ及び排出原単位の対応付けのセットの信頼度を導出し、信頼度が高いセットから順に特定の上位までのセットを抽出してよい。抽出部118は、例えば、上位5個までのセットを抽出してよい。
【0068】
図11は、本実施形態によるGHG排出量導出装置によるGHG排出量を導出する手順の一例を示すフローチャートである。
【0069】
S100において、取得部104は、アプリケーション種別、ユーザの業種及び活動量データを取得する。取得部104は、活動量データを参照して、作成元のアプリケーションの種別を取得し、記憶部112を参照して、ユーザ識別情報に対応するユーザの業種を取得してよい。
【0070】
S102において、選択部106は、予め作成済みの既存の複数の排出原単位フォーマットから、アプリケーション種別及びユーザの業種に応じた排出原単位フォーマットを選択する。選択部106は、既存の複数の排出原単位フォーマットから、ユーザの業種及びアプリケーション種別が同一の排出原単位フォーマットを選択する。
【0071】
S104において、決定部108は、選択された排出原単位フォーマットに従って、活動量データに示されるそれぞれの活動内容について、少なくとも1つの排出原単位を決定する。活動内容がスコープ3に該当する場合、決定部108は、活動内容に対応する複数のカテゴリのそれぞれについて、1つずつ排出原単位を決定してよい。
【0072】
S106において、決定部108は、少なくとも1つの排出原単位が決定されていない活動内容が有るかどうかを決定する。
【0073】
有りの場合、S108に進む。S108において、受付部116が、ユーザから、決定されていない活動内容について少なくとも1つの排出原単位を受け付ける。ここで、抽出部118は、既存の複数の排出原単位フォーマットのうち、ユーザの業種及びアプリケーションの種別が同一である排出原単位フォーマットの中から、カテゴリ及び排出原単位の対応付けのセットを同一セットごとに並べ替えてカウントし、件数の多い順に特定の上位までのセットを抽出し、提示部114は、抽出された特定の上位までのセットを提示してよい。そして、受付部116は、提示されたセットの中から、決定されていない活動内容についてのセットを受け付けることで、少なくとも1つの排出原単位を受け付けてよい。
【0074】
無しの場合、S110に進む。S110において、導出部110が活動量データのそれぞれの活動内容のそれぞれの排出原単位に従って、それぞれの活動内容のGHG排出量を導出する。
【0075】
以上の手順により、既存の排出原単位フォーマットの中から、ユーザの業種及び活動量データの作成元のアプリケーション種別を考慮して、新たな活動量データについて、最適な排出原単位フォーマットを選択できる。よって、新たな活動量データについて、手作業で1つ1つ適切な排出原単位を選択して、排出原単位フォーマットを新たな作成する手間を削減できる。また、新たな排出原単位フォーマットを作成する際のGHG排出量導出装置100の処理負担を低減できる。
【0076】
図12は、本実施形態によるGHG排出量導出装置100により、新たな排出原単位フォーマットを作成する手順の一例を示すフローチャートである。
【0077】
S200において、取得部104は、アプリケーション種別、ユーザの業種及び活動量データを取得する。取得部104は、活動量データを参照して、作成元のアプリケーションの種別を取得し、記憶部112を参照して、ユーザ識別情報に対応するユーザの業種を取得してよい。
【0078】
S202において、抽出部118は、アプリケーションの種別及びユーザの業種に対応する既存の排出原単位フォーマットを抽出する。抽出部118は、既存の複数の排出原単位フォーマットのうち、ユーザの業種及びアプリケーションの種別が同一である既存の排出原単位フォーマットを抽出してよい。
【0079】
S204において、抽出部118は、抽出された既存の排出原単位フォーマットから、活動量データに示されるそれぞれの活動内容に対応する、スコープ3の少なくとも1つのカテゴリ及び少なくとも1つの排出原単位の少なくとも1つのセットを抽出する。抽出部118は、既存の排出原単位フォーマットの中から、スコープ3のカテゴリ及び排出原単位の対応付けのセットを同一セットごとに並べ替えてカウントし、件数の多い順に特定の上位までのセットを抽出してよい。抽出部118は、活動量データの種別及び活動内容と、スコープ3の少なくとも1つのカテゴリ及び少なくとも1つの排出原単位との関係を示す訓練済み学習モデルに従って、信頼度が高い順に予め定められた数のセットを、少なくとも1つのセットとして抽出してよい。
【0080】
S206において、生成部102は、ユーザの指示に応じて、活動内容ごとに少なくとも1つのセットから1つのセットを特定する。提示部114が、抽出部118により抽出されたスコープ3の少なくとも1つのカテゴリ及び少なくとも1つの排出原単位の少なくとも1つのセットを、活動内容ごとに提示してよい。受付部116は、活動内容ごとに提示される少なくとも1つのセットの中から、1つのセットを活動内容ごとにユーザの指示として、受け付けてよい。
【0081】
S208において、生成部102は、活動内容ごとに特定されたそれぞれのセットに基づいて、新たな排出原単位フォーマットを生成する。
【0082】
以上の手順の通り、新たな排出原単位フォーマットを作成する場合にも、既存の排出原単位フォーマットに従って、活動内容ごとに、スコープ3の少なくとも1つのカテゴリ及び少なくとも1つの排出原単位の少なくとも1つのセットが提示される。新たな活動量データについて、手作業で1つ1つ適切な排出原単位を選択して、排出原単位フォーマットを新たな作成する手間を削減できる。
【0083】
図13は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化してよいコンピュータ1300の一例を示す。コンピュータ1300にインストールされたプログラムは、コンピュータ1300に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーションまたは当該装置の1または複数の「部」として機能させることができる。または、当該プログラムは、コンピュータ1300に当該オペレーションまたは当該1または複数の「部」を実行させることができる。当該プログラムは、コンピュータ1300に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1300に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつかまたは全てに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1312によって実行されてよい。
【0084】
本実施形態によるコンピュータ1300は、CPU1312、及びRAM1314を含み、それらはホストコントローラ1310によって相互に接続されている。コンピュータ1300はまた、通信インタフェース1322、入力/出力ユニットを含み、それらは入力/出力コントローラ1320を介してホストコントローラ1310に接続されている。コンピュータ1300はまた、ROM1330を含む。CPU1312は、ROM1330及びRAM1314内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。
【0085】
通信インタフェース1322は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブが、コンピュータ1300内のCPU1312によって使用されるプログラム及びデータを格納してよい。ROM1330はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1300によって実行されるブートプログラム等、及び/またはコンピュータ1300のハードウェアに依存するプログラムを格納する。プログラムが、CD-ROM、USBメモリまたはICカードのようなコンピュータ可読記録媒体またはネットワークを介して提供される。プログラムは、コンピュータ可読記録媒体の例でもあるRAM1314、またはROM1330にインストールされ、CPU1312によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1300に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ1300の使用に従い情報のオペレーションまたは処理を実現することによって構成されてよい。
【0086】
例えば、通信がコンピュータ1300及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1312は、RAM1314にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1322に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1322は、CPU1312の制御の下、RAM1314、またはUSBメモリのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
また、CPU1312は、USBメモリ等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM1314に読み取られるようにし、RAM1314上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1312は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0087】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1312は、RAM1314から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1314に対しライトバックする。また、CPU1312は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1312は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0088】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ1300上またはコンピュータ1300近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1300に提供する。
【0089】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよい。その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM(登録商標))、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0090】
コンピュータ可読命令は、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードの何れかを含んでよい。ソースコードまたはオブジェクトコードは、従来の手続型プログラミング言語を含む。従来の手続型プログラミング言語は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語でよい。コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供されてよい。プロセッサまたはプログラマブル回路は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0091】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0092】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0093】
100 GHG排出量導出装置
200 排出原単位データベース
102 生成部
104 取得部
106 選択部
108 決定部
110 導出部
112 記憶部
114 提示部
116 受付部
118 抽出部
1300 コンピュータ
1310 ホストコントローラ
1312 CPU
1314 RAM
1320 入力/出力コントローラ
1322 通信インタフェース
1330 ROM
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13