(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023121123
(43)【公開日】2023-08-30
(54)【発明の名称】ロボタクシーの走行モード制御装置及びその方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20230823BHJP
G06Q 50/30 20120101ALI20230823BHJP
【FI】
G08G1/00 X
G06Q50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185969
(22)【出願日】2022-11-21
(31)【優先権主張番号】10-2022-0021686
(32)【優先日】2022-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
2.DLNA
3.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(72)【発明者】
【氏名】オー、ダイェ
【テーマコード(参考)】
5H181
5L049
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181AA14
5H181BB04
5H181BB05
5H181CC12
5H181FF05
5H181LL09
5H181MB01
5L049CC42
(57)【要約】 (修正有)
【課題】特定の位置で運営者モードと自律走行モードの間の切り替えを行うことにより、複数のロボタクシーの効率的な運営ができるようにするロボタクシーの走行モード制御装置及びその方法を提供する。
【解決手段】本発明は、ロボタクシーの走行モード制御装置及びその方法に関し、複数のロボタクシーに運営者専用スマートキーをマスターキーとして登録し、前記マスターキーからの制御信号に基づいてロボタクシーの走行モードを切り替え、この際、特定の位置で運営者モードと自律走行モードの間の切り替えを行うことにより、複数のロボタクシーの効率的な運営ができるようにするロボタクシーの走行モード制御装置及びその方法の提供を図る。このために、本発明は、マスターキーとの通信インターフェースを提供する通信部、及び、前記マスターキーからの制御信号に基づいてロボタクシーの走行モードを切り替える制御部を含むことができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスターキーとの通信インターフェースを提供する通信部、及び
前記マスターキーからの制御信号に基づいてロボタクシーの走行モードを切り替える制御部
を含むロボタクシーの走行モード制御装置。
【請求項2】
前記走行モードは、
マニュアルモード、自律走行モード、運営者モードのうち少なくとも1つを含む、請求項1に記載のロボタクシーの走行モード制御装置。
【請求項3】
前記通信部は、
前記マスターキーから前記ロボタクシーの走行モードを運営者モードから自律走行モードに切り替えさせる制御信号を受信することを特徴とする、請求項2に記載のロボタクシーの走行モード制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記ロボタクシーの現在位置が既設定された位置である場合、前記ロボタクシーの走行モードを運営者モードから自律走行モードに切り替えることを特徴とする、請求項3に記載のロボタクシーの走行モード制御装置。
【請求項5】
前記通信部は、
前記マスターキーから、前記ロボタクシーの走行モードを自律走行モードから運営者モードに切り替えさせる制御信号を受信することを特徴とする、請求項2に記載のロボタクシーの走行モード制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記ロボタクシーの現在位置が既設定された位置である場合、前記ロボタクシーの走行モードを自律走行モードから運営者モードに切り替えることを特徴とする、請求項5に記載のロボタクシーの走行モード制御装置。
【請求項7】
車両ネットワークとの接続インターフェースを提供する車両ネットワーク接続部をさらに含む、請求項2に記載のロボタクシーの走行モード制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記車両ネットワーク接続部を介して前記ロボタクシーの走行モードを自律走行モードから運営者モードに切り替えることを許可する制御信号を受信した場合、前記ロボタクシーの現在位置に関わらず、前記ロボタクシーの走行モードを自律走行モードから運営者モードに切り替えることを特徴とする、請求項7に記載のロボタクシーの走行モード制御装置。
【請求項9】
通信部がマスターキーから制御信号を受信する段階、及び
制御部が前記マスターキーからの制御信号に基づいてロボタクシーの走行モードを切り替える段階
を含むロボタクシーの走行モード制御方法。
【請求項10】
前記走行モードは、
マニュアルモード、自律走行モード、運営者モードのうち少なくとも1つを含む、請求項9に記載のロボタクシーの走行モード制御方法。
【請求項11】
前記制御信号を受信する段階は、
前記マスターキーから、前記ロボタクシーの走行モードを運営者モードから自律走行モードに切り替えさせる制御信号を受信する段階
を含む、請求項10に記載のロボタクシーの走行モード制御方法。
【請求項12】
前記ロボタクシーの走行モードを切り替える段階は、
前記ロボタクシーの現在位置が既設定された位置である場合、前記ロボタクシーの走行モードを運営者モードから自律走行モードに切り替える段階
を含む、請求項11に記載のロボタクシーの走行モード制御方法。
【請求項13】
前記制御信号を受信する段階は、
前記マスターキーから、前記ロボタクシーの走行モードを自律走行モードから運営者モードに切り替えさせる制御信号を受信する段階
を含む、請求項10に記載のロボタクシーの走行モード制御方法。
【請求項14】
前記ロボタクシーの走行モードを切り替える段階は、
前記ロボタクシーの現在位置が既設定された位置である場合、前記ロボタクシーの走行モードを自律走行モードから運営者モードに切り替える段階
を含む、請求項13に記載のロボタクシーの走行モード制御方法。
【請求項15】
前記ロボタクシーの走行モードを切り替える段階は、
前記制御部が車両ネットワークを介して前記ロボタクシーの走行モードを自律走行モードから運営者モードに切り替えることを許可する制御信号を受信した場合、前記ロボタクシーの現在位置に関わらず、前記ロボタクシーの走行モードを自律走行モードから運営者モードに切り替える段階
を含む、請求項10に記載のロボタクシーの走行モード制御方法。
【請求項16】
運行待機時間が既設定された時間を超過した場合、サーバに案内メッセージを伝送し、前記サーバから走行モードを自律走行モードから運営者モードに切り替えることを許可する制御信号を受信し、マスターキーから、走行モードを自律走行モードから運営者モードに切り替えさせる制御信号を受信した場合、現在位置に関わらず走行モードを自律走行モードから運営者モードに切り替えるロボタクシー、及び
前記ロボタクシーから案内メッセージを受信した場合、前記ロボタクシーに走行モードを自律走行モードから運営者モードに切り替えることを許可する制御信号を伝達し、前記ロボタクシーの運営者のスマートフォンに前記案内メッセージを伝達する前記サーバ
を含むロボタクシーの走行モード制御システム。
【請求項17】
前記サーバは、
前記ロボタクシーと既設定された距離以内に位置した運営者のスマートフォンに前記案内メッセージを伝達することを特徴とする、請求項16に記載のロボタクシーの走行モード制御システム。
【請求項18】
前記ロボタクシーは、
前記サーバから、走行モードを自律走行モードから運営者モードに切り替えることを許可する制御信号を受信することができなかった場合、前記ロボタクシーの現在位置が既設定された位置である場合にのみ、前記ロボタクシーの走行モードを運営者モードから自律走行モードに切り替えることを特徴とする、請求項16に記載のロボタクシーの走行モード制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のロボタクシーを運営する過程において、各ロボタクシーの走行モードを効率的に設定し切り替える技術に関する。
【背景技術】
【0002】
米国を含めた世界各国においては、既に制限的自律走行運行と自律走行自動車の臨時運行制度の施行を介して自律走行自動車の時代を準備している。自律走行自動車とは、周辺環境を自ら認識して危険に対する判断をするとともに、目的地まで経路を走行する自動車であって、運転手は、最小限の走行操作をするだけで自ら安全走行が可能な自動車を意味する。
【0003】
現在、米国、ドイツ、シンガポールなどを中心にレベル3以上の自律走行自動車の運行が法的に可能な状況であり、技術開発の速度に合わせて徐々に制限的な自律走行自動車の運行を拡大している。我が国も板橋と世宗市で自律走行バスの導入を準備しており、国内の車両共有サービス業者であるSOCARも、SKテレコムとともに自律走行自動車の商用サービスを準備中であって、2018年11月にはカーシェアリング用の自律走行自動車を試演したりもした。カーシェアリング用の自律走行人工知能が最も近い位置の顧客と車両を連結して最適の走行経路を探し出し、車両は自ら運転して走行中に内部に搭載された通信モジュールを介して管制センター及び信号灯と情報を交換しながら安全に走行した。
【0004】
このような自律走行自動車の商用サービスと関連し、既存の乗車共有サービス業者だけでなく、自律走行技術を研究中であるIT企業も自律走行タクシーの商用化を積極的に準備している。グーグル(Google)の親会社であるアルファベットのウェイモ(Waymo)は、米国アリゾナ州フェニックスの一部地域において、2018年12月に許可を受けた一部の住民等を対象として世界で初めて商用無人自動車サービスを施行した。我が国の現代モービスもロシア最大のインターネット検索エンジン事業者「ヤンデックス(Yandex)」と手を組んで2020年ロシア全域に新型ソナタ基盤の無人ロボタクシー100台を投入する予定である。
【0005】
自律走行自動車の商用化は、交通と物流だけではなく保険など多様な分野で多くの変化をもたらすものと予想されており、人々が所有の対象として考えていた自動車を共有の対象として認識するようになるものと予測されている。自律走行自動車の市場は、2025年から2035年の間に急成長するものと予想され、自律走行自動車を活用したタクシーサービスの商用化において初期にはレベル3段階の自律走行タクシーから順次に導入されるであろうし、自律走行タクシーの安定性が充分に検討された後にレベル5段階の完全自律走行タクシーである「ロボタクシー(robotaxi)」の商用化がなされるものと予想される。
【0006】
今後、ロボタクシーが乗車共有サービスに活用されると、自律走行タクシーの輸送分担率が50%以上になるものと展望されている。制限された地域内でロボタクシーを活用する場合、移動コストを大幅に下げることができ、搭乗人員によっては地下鉄やバスのような大衆交通の水準まで引き下げることが可能なので、乗客輸送の主軸となるものと予想される。それだけではなく、伝統的なタクシー会社と違ってロボタクシーは運転手が必要ないため、新たな形態の多様な旅客運送仲介プラットホーム(Transportation Network Company、TNC)が登場するようになるものと予想される。
【0007】
このような複数のロボタクシーを運営する過程において、ロボタクシーの走行モードを効率的に設定し切り替えることができる方案に対する論議が活発に行われているが、いまだに具体的な方案は提案されていない。
【0008】
この背景技術の部分に記載された事項は、発明の背景に対する理解を増進するために作成されたものであって、本技術の属する分野において通常の知識を有する者に既に知られている従来の技術ではない事項を含むことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、複数のロボタクシーに運営者専用スマートキーをマスターキーとして登録し、前記マスターキーからの制御信号に基づいてロボタクシーの走行モードを切り替え、この際、特定の位置で運営者モードと自律走行モードの間の切り替えを行うことにより、複数のロボタクシーの効率的な運営ができるようにするロボタクシーの走行モード制御装置及びその方法を提供することにその目的がある。
【0010】
本発明の目的は、以上で言及した目的に制限されず、言及されていない本発明の他の目的及び長所は、以下の説明により理解できるはずであり、本発明の実施形態により更に明らかに分かるようになるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示した手段及びその組み合せにより実現することができることが容易に分かるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するための本発明の一実施形態によるロボタクシーの走行モード制御装置は、マスターキーとの通信インターフェースを提供する通信部、及び、前記マスターキーからの制御信号に基づいてロボタクシーの走行モードを切り替える制御部を含むことができる。
【0012】
本発明の一実施形態において、前記走行モードは、マニュアルモード、自律走行モード、運営者モードのうち少なくとも1つを含むことができる。
【0013】
本発明の一実施形態において、前記通信部は、前記マスターキーから前記ロボタクシーの走行モードを運営者モードから自律走行モードに切り替えさせる制御信号を受信することができる。
【0014】
本発明の一実施形態において、前記制御部は、前記ロボタクシーの現在位置が既設定された位置である場合、前記ロボタクシーの走行モードを運営者モードから自律走行モードに切り替えることができる。
【0015】
本発明の一実施形態において、前記通信部は、前記マスターキーから、前記ロボタクシーの走行モードを自律走行モードから運営者モードに切り替えさせる制御信号を受信することができる。
【0016】
本発明の一実施形態において、前記制御部は、前記ロボタクシーの現在位置が既設定された位置である場合、前記ロボタクシーの走行モードを自律走行モードから運営者モードに切り替えることができる。
【0017】
本発明の一実施形態には、車両ネットワークとの接続インターフェースを提供する車両ネットワーク接続部をさらに含むことができる。
【0018】
本発明の一実施形態において、前記制御部は、前記車両ネットワーク接続部を介して前記ロボタクシーの走行モードを自律走行モードから運営者モードに切り替えることを許可する制御信号を受信した場合、前記ロボタクシーの現在位置に関わらず、前記ロボタクシーの走行モードを自律走行モードから運営者モードに切り替えることができる。
【0019】
前記目的を達成するための本発明の一実施形態によるロボタクシーの走行モード制御方法は、通信部がマスターキーから制御信号を受信する段階、及び、制御部が前記マスターキーからの制御信号に基づいてロボタクシーの走行モードを切り替える段階を含むことができる。
【0020】
本発明の一実施形態において、前記制御信号を受信する段階は、前記マスターキーから前記ロボタクシーの走行モードを運営者モードから自律走行モードに切り替えさせる制御信号を受信する段階を含み、前記ロボタクシーの走行モードを切り替える段階は、前記ロボタクシーの現在位置が既設定された位置である場合、前記ロボタクシーの走行モードを運営者モードから自律走行モードに切り替える段階を含むことができる。
【0021】
本発明の一実施形態において、前記制御信号を受信する段階は、前記マスターキーから前記ロボタクシーの走行モードを自律走行モードから運営者モードに切り替えさせる制御信号を受信する段階を含み、前記ロボタクシーの走行モードを切り替える段階は、前記ロボタクシーの現在位置が既設定された位置である場合、前記ロボタクシーの走行モードを自律走行モードから運営者モードに切り替える段階を含むことができる。
【0022】
本発明の一実施形態において、前記ロボタクシーの走行モードを切り替える段階は、前記制御部が車両ネットワークを介して前記ロボタクシーの走行モードを自律走行モードから運営者モードに切り替えることを許可する制御信号を受信した場合、前記ロボタクシーの現在位置に関わらず、前記ロボタクシーの走行モードを自律走行モードから運営者モードに切り替える段階を含むことができる。
【発明の効果】
【0023】
前記のような本発明の一実施形態によるロボタクシーの走行モード制御装置及びその方法は、複数のロボタクシーに運営者専用スマートキーをマスターキーとして登録し、前記マスターキーからの制御信号に基づいてロボタクシーの走行モードを切り替え、この際、特定の位置で運営者モードと自律走行モードの間の切り替えを行うことにより、複数のロボタクシーの効率的な運営を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の一実施形態によるロボタクシー走行モード制御システムに対する構成図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるロボタクシーの走行モード制御装置に対する構成図である。
【
図3】本発明の一実施形態によるロボタクシーの走行モード制御装置に備えられた制御部がロボタクシーの走行モードを切り替える過程を示す第1例示図である。
【
図4】本発明の一実施形態によるロボタクシーの走行モード制御装置に備えられた制御部がロボタクシーの走行モードを切り替える過程を示す第2例示 図である。
【
図5】本発明の一実施形態によるロボタクシーの走行モード制御装置に備えられた制御部がロボタクシーの走行モードを切り替える過程を示す第3例示 図である。
【
図6】本発明の一実施形態によるロボタクシーの走行モード制御方法に対するフローチャートである。
【
図7】本発明の一実施形態によるロボタクシーの走行モード制御方法を行うためのコンピュータシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の一部の実施形態を例示的な図を介して詳細に説明する。各図の構成要素に参照符号を付加することにおいて、同一の構成要素に対しては、たとえ他の図上に表示されていても、できるだけ同一の符号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、本発明の実施形態を説明するにあたり、関連する公知の構成または機能に対する具体的な説明が本発明の実施形態に対する理解を妨げると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0026】
本発明の実施形態の構成要素を説明するにあたり、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。かかる用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語によって当該構成要素の本質や順番または順序などが限定されない。また、別に定義されない限り、技術的もしくは科学的な用語をはじめ、ここで使用されるすべての用語は、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有するものと解釈されなければならず、本出願で明らかに定義しない限り、理想的もしくは過度に形式的な意味に解釈されない。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態によるロボタクシー走行モード制御システムに対する構成図である。
【0028】
図1に示されているように、本発明の一実施形態によるロボタクシー走行モード制御システムは、走行モード制御装置100、ナビゲーション機器110、VIC(Vehicle Interface Controller)120、マスターキー200、サーバ300、スマートフォン400を含むことができる。
【0029】
前記各構成要素に対して検討してみる。先ず、走行モード制御装置100は、一例として、IBU(Integrated Body control Unit)に具現化されてよく、ナビゲーション機器110及びVIC120と連動することによりロボタクシーの走行モードを切り替えることができる。すなわち、走行モード制御装置100は、サーバ300からの制御命令の伝達をVIC120を介して受け、マスターキー200から、運営者モードから自律走行モードへの切り替えを要請する信号が受信されると、車庫地からオートドライブ開始地点までの自律走行を要請する信号をVIC120に伝送することができる。このとき、走行モードは、運転手がロボタクシーを運転するマニュアルモード、VIC120がロボタクシーを運転する自律走行モード、VIC120が運営者の運転を補助する運営者モードなどを含むことができる。
【0030】
また、走行モード制御装置100は、マスターキー200と通信することができ、併せてマスターキー200の認証を行うことができる。
【0031】
このような走行モード制御装置100は、複数のロボタクシーに運営者専用スマートキーをマスターキー200として登録し、前記マスターキー200からの制御信号に基づいてロボタクシーの走行モードを切り替え、この際、特定の位置で運営者モードと自律走行モードの間の切り替えを行うことにより、複数のロボタクシーの効率的な運営を可能とする。このとき、走行モード制御装置100は、走行モード切替の条件としてロボタクシーの始動オン状態及び停車状態を考慮することができる。すなわち、走行モード制御装置100は、ロボタクシーの始動がオン状態でありつつ停車状態である場合にロボタクシーの走行モードを切り替えることができる。
【0032】
ナビゲーション機器110は、ロボタクシーに備えられるモジュールであって、GPS受信機と精密地図を備えているため、ロボタクシーの現在の位置座標を検出することができ、併せて、ロボタクシーの現在の位置座標に相応する地名、ランドマーク、住所を提供することができる。このようなナビゲーション機器110は、AVN(Audio Video Navigation)システムで代替されてもよい。
【0033】
VIC120は、ロボタクシーの自律走行を専担する制御機であって、サーバ300からの各種制御命令(ドアロック/アンロック、走行モード切替など)を走行モード制御装置100に伝達することができる。
【0034】
このようなVIC120は、サーバ300との通信インターフェースを提供するモジュールであって、移動通信モジュール、無線インターネットモジュール、近距離通信モジュールのうち少なくとも1つを含むことができる。
【0035】
前記移動通信モジュールは、移動通信のための技術標準又は通信方式(例えば、GSM(Global System for Mobile communication)、CDMA(Code Division Multi Access)、CDMA2000(Code Division Multi Access 2000)、EV-DO(Enhanced Voice-Data Optimized or Enhanced Voice-Data Only)、WCDMA(Wideband CDMA)、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)、HSUPA(High Speed Uplink Packet Access)、LTE(Long Term Evolution)、LTEA(Long Term Evolution-Advanced)など)、4G(4th Generation mobile telecommunication)、5G(5th Generation mobile telecommunication)により構築された移動通信網を介してサーバ300と通信することができる。
【0036】
前記無線インターネットモジュールは、無線インターネット接続のためのモジュールであって、WLAN(Wireless LAN)、Wi-Fi(Wireless-Fidelity)、Wi-Fi(Wireless Fidelity)Direct、DLNA(Digital Living Network Alliance)、WiBro(Wireless Broadband)、WiMAX(World Interoperability for Microwave Access)、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)、HSUPA(High Speed Uplink Packet Access)、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(Long Term Evolution-Advanced)などを介してサーバ300と通信することができる。
【0037】
前記近距離通信モジュールは、ブルートゥース(BluetoothTM)、RFID(Radio Frequency Identification)、赤外線通信(Infrared Data Association、IrDA)、UWB(Ultra Wideband)、ZigBee、NFC(Near Field Communication)、Wireless USB(Wireless Universal Serial Bus)技術のうち少なくとも1つを用いてサーバ300との近距離通信を支援することができる。
【0038】
マスターキー200は、運営者専用スマートキーとして複数のロボタクシーに登録されてよく、各ロボタクシーの走行モードを切り替える制御信号を生成することができる。
【0039】
サーバ300は、管制センターに備えられて複数のロボタクシーを管制するサーバであって、スマートフォン400と通信することができる。すなわち、サーバ300は、スマートフォン400からの要請メッセージをVIC120を介して走行モード制御装置100に伝達するか、スマートフォン400に各種の案内メッセージを伝送することができる。例えば、サーバ300は、VIC120からの要請に従って運営者のスマートフォン400に第1ロボタクシーの移動を案内するメッセージを伝送することができる。このとき、案内メッセージの内容は、「第1ロボタクシーの待機時間が既設定された(a predetermined)時間(一例として、15分)を超過したので、第1ロボタクシーを利用客が多い地域に移動させてください。」となり得る。ここで、サーバ300は、第1ロボタクシーの現在の位置から既設定された距離(一例として、10km)以内に位置した運営者のスマートフォン400に案内メッセージを伝送することもできる。
【0040】
スマートフォン400は、ロボタクシー使用者のスマートフォンはもちろん、ロボタクシー運営者のスマートフォンを含み、サーバ300と案内メッセージを送受信することができる。
【0041】
図2は、本発明の一実施形態によるロボタクシーの走行モード制御装置に対する構成図である。
【0042】
図2に示されているように、本発明の一実施形態によるロボタクシーの走行モード制御装置100は、貯蔵部10、車両ネットワーク接続部20、LF/RF(Low Frequency/Radio Frequency)通信部30、及び制御部(Controller)40を含むことができる。このとき、本発明の一実施形態によるロボタクシーの走行モード制御装置100を実施する方式に従い、各構成要素は互いに結合されて1つに具現化されてもよく、一部の構成要素が省略されてもよい。
【0043】
前記各構成要素に対して検討する。先ず、貯蔵部10は、複数のロボタクシーに運営者専用スマートキーをマスターキー200として登録し、前記マスターキー200からの制御信号に基づいてロボタクシーの走行モードを切り替え、この際、特定の位置で運営者モードと自律走行モードの間の切り替えを行う過程で要求される各種ロジックとアルゴリズム及びプログラムを貯蔵することができる。
【0044】
貯蔵部10は、車庫地の位置情報とオートドライブ開始地点の位置情報及びオートドライブ終了地点の位置情報を貯蔵することができる。ここで、車庫地は、ロボタクシーの走行モードが運営者モードから自律走行モードに切り替えられるか、自律走行モードから運用者モードに切り替えられる位置を示し、オートドライブ開始地点はロボタクシーの運行開始地点を示し、オートドライブ終了地点はロボタクシーの運行終了地点を示す。このとき、オートドライブ終了地点は、ロボタクシーの走行モードが自律走行モードから運用者モードに切り替られる位置に設定されてもよい。
【0045】
貯蔵部10は、フラッシュメモリタイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ(hard disk type)、マイクロタイプ(micro type)、及びカードタイプ(例えば、SDカード(Secure Digital Card)又はXDカード(eXtream Digital Card))などのメモリと、ラム(RAM、Random Access Memory)、SRAM(Static RAM)、ロム(Read-Only Memory)、PROM(Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable PROM)、磁気メモリ(MRAM、Magnetic RAM)、磁気ディスク(magnetic disk)、及び光ディスク(optical disk)タイプのメモリのうち少なくとも1つのタイプの記録媒体(storage medium)を含むことができる。
【0046】
車両ネットワーク接続部20は、ロボタクシーに備えられた車両ネットワークとの接続インターフェースを提供するモジュールであって、制御部40は、車両ネットワークを介してナビゲーション機器110及びVIC120から各種情報を獲得することができる。例えば、制御部40は、車両ネットワークを介してナビゲーション機器110から現在の位置情報を獲得するか、VIC120からロボタクシーの走行モードを自律走行モードから運営者モードに切り替えることを許可する制御信号、又は運営者モードから自律走行モードに切り替えることを許可する制御信号を受信することができる。
【0047】
ここで、車両ネットワークは、CAN(Controller Area Network)、CAN FD(Controller Area Network with Flexible Data-rate)、LIN(Local Interconnect Network)、フレックスレイ(FlexRay)、MOST(Media Oriented Systems Transport)、イーサネット(Ethernet)などを含むことができる。
【0048】
LF/RF通信部30は、マスターキー200との通信を担当するモジュールであって、マスターキー200からロボタクシーの走行モードを運営者モードから自律走行モードに切り替えさせる制御信号(一例として、LOCKボタン入力信号)、ロボタクシーの走行モードを自律走行モードから運営者モードに切り替えさせる制御信号(一例として、UNLOCKボタン入力信号)を受信することができる。
【0049】
制御部40は、前記各構成要素が本来の機能を正常に行うことができるように全般的な制御を行うことができる。このような制御部40は、ハードウェアの形態に具現化されるか、又はソフトウェアの形態に具現化されるか、又はハードウェア及びソフトウェアが結合された形態に具現化されてよい。好ましくは、制御部40は、マイクロプロセッサーに具現化されてよいが、これに限定されるものではない。
【0050】
特に、制御部40は、複数のロボタクシーに運営者専用スマートキーをマスターキー200として登録し、前記マスターキー200からの制御信号に基づいてロボタクシーの走行モードを切り替え、この際、特定の位置で運営者モードと自律走行モードの間の切り替えを行う過程で各種制御を行うことができる。
【0051】
以下、
図3から
図5を参照しつつ、制御部40の動作に対して詳細に検討する。
【0052】
図3は、本発明の一実施形態によるロボタクシーの走行モード制御装置に備えられた制御部がロボタクシーの走行モードを切り替える過程を示す第1例示図である。
【0053】
先ず、ロボタクシーの走行モードは、運営者モードに設定されている(301)。
【0054】
その後、ロボタクシーの始動がオン状態(IGN ON)であり停車中である場合(302)、制御部40は、マスターキー200が動作可能な状態であるものと決定する(303)。
【0055】
その後、マスターキー200からロボタクシーの走行モードを運営者モードから自律走行モードに切り替えさせる制御信号(一例として、LOCKボタン入力信号)が受信された場合(304)、制御部40は、ロボタクシーの現在の位置が車庫地であるか否かを判断する(305)。
【0056】
その後、ロボタクシーの現在の位置が車庫地である場合(305)、制御部40は、ロボタクシーの走行モードを運営者モードから自律走行モードに切り替える(306)。このとき、制御部40は、ロボタクシーの現在の位置が車庫地でない場合、ロボタクシーの走行モードを運営者モードから自律走行モードに切り替えない。
【0057】
図4は、本発明の一実施形態によるロボタクシーの走行モード制御装置に備えられた制御部がロボタクシーの走行モードを切り替える過程を示す第2例示図である。
【0058】
先ず、ロボタクシーの走行モードは、自律走行モードに設定されている(401)。
【0059】
その後、ロボタクシーの始動がオン状態(IGN ON)であり停車中である場合(402)、制御部40は、マスターキー200が動作可能な状態であるものと決定する(403)。
【0060】
その後、マスターキー200からロボタクシーの走行モードを自律走行モードから運営者モードに切り替えさせる制御信号(一例として、UNLOCKボタン入力信号)が受信された場合(404)、制御部40は、ロボタクシーの現在の位置が車庫地であるか否かを判断する(405)。このとき、制御部40は、ロボタクシーの現在の位置がオートドライブ終了地点であるか否かを更に決定することもできる。
【0061】
その後、ロボタクシーの現在の位置が車庫地である場合(405)、制御部40は、ロボタクシーの走行モードを自律走行モードから運営者モードに切り替える(406)。このとき、制御部40は、ロボタクシーの現在の位置がオートドライブ終了地点である場合にも、ロボタクシーの走行モードを自律走行モードから運営者モードに切り替えることができる。
【0062】
図5は、本発明の一実施形態によるロボタクシーの走行モード制御装置に備えられた制御部がロボタクシーの走行モードを切り替える過程を示す第3例示図である。
【0063】
先ず、ロボタクシーの走行モードは、自律走行モードに設定されている(501)。
【0064】
その後、ロボタクシーの運行待機時間(顧客を待機する時間)が既設定された時間(一例として、15分)を超過した場合(502)、VIC120は、管制センターのサーバ300に案内メッセージを伝送する(503)。このとき、案内メッセージの内容は、「ロボタクシーを利用客が多い地域に移動させてください。」となり得る。
【0065】
一方、VIC120は、走行モード制御装置100との通信が不可能である場合、管制センターのサーバ300に案内メッセージを伝送することができる。このとき、案内メッセージの内容は、「VIC120と走行モード制御装置100の間の通信が不可なので、ロボタクシーを回収してください。」となり得る。
【0066】
そうすると、サーバ300は、運営者のスマートフォン400に前記案内メッセージを伝達する(504)。このとき、サーバ300は、VIC120を介して制御部40に、ロボタクシーの走行モードを自律走行モードから運営者モードに切り替えることを許可する制御信号を伝達することができる。また、サーバ300は、ロボタクシーと既設定された距離(一例として、10km)以内に位置した運営者のスマートフォン400に前記案内メッセージを伝達することができる。
【0067】
その後、ロボタクシーの始動がオン状態(IGN ON)であり停車中である場合(505)、制御部40は、マスターキー200が動作可能な状態であるものと決定する(506)。
【0068】
その後、マスターキー200から、ロボタクシーの走行モードを自律走行モードから運営者モードに切り替えさせる制御信号(一例として、UNLOCKボタン入力信号)が受信された場合(507)、制御部40は、ロボタクシーの現在の位置が車庫地であるか否かを判断する(508)。
【0069】
前記判断の結果(508)、ロボタクシーの現在の位置が車庫地である場合、制御部40は、ロボタクシーの走行モードを自律走行モードから運営者モードに切り替える(510)。
【0070】
前記判断の結果(508)、ロボタクシーの現在の位置が車庫地でない場合、制御部40は、サーバ300から、ロボタクシーの走行モードを自律走行モードから運営者モードに切り替えることを許可する制御信号を受信したのかを判断する(509)。
【0071】
その後、前記制御信号を受信した場合(509)、制御部40は、ロボタクシーの走行モードを自律走行モードから運営者モードに切り替える(510)。
【0072】
図6は、本発明の一実施形態によるロボタクシーの走行モード制御方法に対するフローチャートである。
【0073】
先ず、LF/RF通信部30がマスターキー200から制御信号を受信する(601)。
【0074】
その後、制御部40が前記マスターキー200からの制御信号に基づいてロボタクシーの走行モードを切り替える(602)。
【0075】
図7は、本発明の一実施形態によるロボタクシーの走行モード制御方法を行うためのコンピュータシステムを示すブロック図である。
【0076】
図7を参照すると、前述した本発明の一実施形態によるロボタクシーの走行モード制御方法は、コンピュータシステムを介しても具現化されてよい。コンピュータシステム1000は、システムバス1200を介して連結される少なくとも1つのプロセッサ1100、メモリ1300、使用者インターフェース入力装置1400、使用者インターフェース出力装置1500、ストレージ1600、及びネットワークインターフェース1700を含むことができる。
【0077】
プロセッサ1100は、中央処理装置(CPU)又はメモリ1300及び/又は、ストレージ1600に貯蔵された命令語に対する処理を行う半導体装置であってよい。メモリ1300及びストレージ1600は、多様な種類の揮発性又は不揮発性貯蔵媒体を含むことができる。例えば、メモリ1300は、ROM(Read Only Memory)1310及びRAM(Random Access Memory)1320を含むことができる。
【0078】
したがって、本明細書に開示されている実施形態に関して説明された方法又はアルゴリズムの段階は、プロセッサ1100により実行されるハードウェア、ソフトウェアモジュール、又はその2つの組み合わせに直接具現化されてよい。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスター、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、リムーバブルディスク、CD-ROMのような貯蔵媒体(すなわち、メモリ1300及び/又はストレージ1600)に常在することもできる。例示的な貯蔵媒体はプロセッサ1100に結合され、そのプロセッサ1100は、貯蔵媒体から情報を読み取ることができ、貯蔵媒体に情報を書き込むことができる。他の方法として、貯蔵媒体は、プロセッサ1100と一体型であってもよい。プロセッサ及び貯蔵媒体は、注文型集積回路(ASIC)内に常在することもできる。ASICは、使用者端末機内に常在することもできる。他の方法として、プロセッサ及び貯蔵媒体は、使用者端末機内に個別コンポネントとして常在することもできる。
【0079】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したことに過ぎないものであって、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から外れない範囲で様々な修正及び変形が可能であろう。
【0080】
したがって、本発明に開示されている実施形態は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく、説明するためのものであり、このような実施形態により本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は、下記の特許請求の範囲により解釈されるべきであり、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。