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特開2023-121154キャビネットエアダムエンクロージャ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023121154
(43)【公開日】2023-08-30
(54)【発明の名称】キャビネットエアダムエンクロージャ
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/16 20060101AFI20230823BHJP
   H05K 7/18 20060101ALI20230823BHJP
【FI】
G06F1/16 312M
H05K7/18 B
G06F1/16 312B
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023023514
(22)【出願日】2023-02-17
(31)【優先権主張番号】63/311,529
(32)【優先日】2022-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/342,677
(32)【優先日】2022-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/105,908
(32)【優先日】2023-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】507202736
【氏名又は名称】パンドウィット・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・エル・ケリー
(72)【発明者】
【氏名】ケヴィン・エー・マーレイ
(72)【発明者】
【氏名】ショーン・ティー・ケンプ
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・アール・マッチャ
(72)【発明者】
【氏名】エリック・ダブリュー・サンダーズ
(57)【要約】
【課題】キャビネット内に機器を取り付けるための追加のラックユニット(RU)スペースをキャビネット内に提供する。
【解決手段】本発明によるキャビネットは、前部垂直支柱、後部垂直支柱、及び前部垂直支柱から後部垂直支柱まで延在する前後梁を備えたフレームによって画定される。キャビネットの前部及び後部でフレームに機器レールが固定されている。機器レールは、レールを通って延びる垂直配向穴を含む。前部機器レールの1つにある垂直配向穴が、後部機器レールの1つにある垂直配向穴と位置合わせされて、垂直配向穴の間に通路を作る。位置合わせされた垂直配向穴の間の通路にエンクロージャが設置され、それによって前部機器レールが後部機器レールに接続される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1対の前部垂直支柱、1対の後部垂直支柱、上部左右梁、下部左右梁、及び前記前部垂直支柱の1つから前記後部垂直支柱の1つまで延在する前後梁を備えたフレームと、
前記フレームに固定された少なくとも1つの前部機器レール、及び前記フレームに固定された少なくとも1つの後部機器レールであって、前記少なくとも1つの前部機器レール及び前記少なくとも1つの後部機器レールがそれぞれ各レールを通って延びる少なくとも1つの垂直配向穴を有しており、前記少なくとも1つの前部機器レールの前記少なくとも1つの垂直配向穴が、前記少なくとも1つの後部機器レールの前記少なくとも1つの垂直配向穴と位置合わせされて、前記垂直配向穴の間に通路を作る、前記少なくとも1つの前部機器レール及び前記少なくとも1つの後部機器レールと、
前記少なくとも1つの前部機器レール及び前記少なくとも1つの後部機器レールの前記位置合わせされた垂直配向穴の間の前記通路に設置されたエンクロージャと、
を備え、
それによって前記エンクロージャが、前記少なくとも1つの前部機器レールを前記少なくとも1つの後部機器レールに接続する、キャビネット。
【請求項2】
前記キャビネットの前部に設置された前記少なくとも1つの前部機器レールが、前記キャビネットの第1の側に設置された1つの機器レールと、前記キャビネットの前記第1の側の反対側の第2の側に設置された第2の機器レールと、を含み、前記キャビネットの後部に設置された前記少なくとも1つの後部機器レールが、前記キャビネットの前記第1の側に設置された1つの機器レールと、前記キャビネットの前記第1の側の反対側の前記第2の側に設置された第2の機器レールと、を含む、請求項1に記載のキャビネット。
【請求項3】
前記キャビネットの前記第1の側に設置された前記少なくとも1つの前部機器レールと前記少なくとも1つの後部機器レールとが位置合わせされており、前記キャビネットの前記第2の側に設置された前記少なくとも1つの前部機器レールと前記少なくとも1つの後部機器レールとが位置合わせされている、請求項2に記載のキャビネット。
【請求項4】
前記エンクロージャが、第1の部材と、前記第1の部材を受けてオープンダクトを形成する第2の部材と、を含み、
前記第1の部材が上部と下部とを有し、前記第2の部材が上部と下部とを有し、
前記第1の部材の前記上部と前記第1の部材の前記下部とが、前記第1の部材を前記少なくとも1つの前部機器レールに固定する留め具を受けるための複数の穴を含み、
前記第2の部材の前記上部と前記第2の部材の前記下部とが、前記第2の部材を前記少なくとも1つの後部機器レールに固定する留め具を受けるための複数の穴を含む、請求項1に記載のキャビネット。
【請求項5】
前記第1の部材が内側と外側とを有し、前記第2の部材が内側と外側とを有し、
前記第1の部材の前記内側及び前記第2の部材の前記内側がそれぞれC字形ブラケットを含む、請求項4に記載のキャビネット。
【請求項6】
各C字形ブラケットが、第1の側面と、主部材と、前記機器レールの1つの穴に係合して、留め具が前記第1の部材の前部及び前記第2の部材の後部に取り付けられるまで、前記エンクロージャを所定の位置に保持するための下方に延びるフックを備えた第2の側面と、を含む、請求項5に記載のキャビネット。
【請求項7】
前記第1の部材の前記外側と前記第2の部材の前記外側とがそれぞれ、前記第1の部材及び前記第2の部材を、互いに対して調節するとともに、前記少なくとも1つの前部機器レール及び前記少なくとも1つの後部機器レールに対して調節するためのハンドルを含む、請求項5に記載のキャビネット。
【請求項8】
格納式の作業スペースを提供するための調節可能なトレイが前記エンクロージャ内に設置される、請求項1に記載のキャビネット。
【請求項9】
前記調節可能なトレイが、前記格納式の作業スペースを提供するために、前記エンクロージャに出入りするようスライドすること、回転すること、及び垂直方向に調節されることを行う、請求項8に記載のキャビネット。
【請求項10】
前記調節可能なトレイが、前記エンクロージャに固定されたトラックと、第1のセクション及び第2のセクションを有する拡張可能な棚と、を含み、前記第2のセクションが前記トラックに固定されており、前記第1のセクション及び前記第2のセクションが前記トラックに沿って拡張位置までスライドする、請求項8に記載のキャビネット。
【請求項11】
ヒンジが、前記第2のセクションを前記第1のセクションに取り付ける、請求項10に記載のキャビネット。
【請求項12】
前記調節可能なトレイが、前記第2のセクションに固定された伸縮脚をさらに含み、支持部材が前記伸縮脚の遠位端に固定されており、作業面がヒンジによって前記支持部材に回転可能に固定されている、請求項10に記載のキャビネット。
【請求項13】
予備パーツ及び予備機器を収納するための収納トレイが、前記エンクロージャに設置される、請求項1に記載のキャビネット。
【請求項14】
前記収納トレイが、外面を有する上部、外面を有する下部、側面、前部及び後部を含み、
前記収納トレイが前記エンクロージャから滑り出ることができるようにするために、前記収納トレイの前記上部の前記外面及び前記下部の前記外面にトラックが設置されている、請求項13に記載のキャビネット。
【請求項15】
前記収納トレイの前記前部が、前記収納トレイに係合して前記収納トレイを前記エンクロージャに対してスライドさせるためのハンドルを含む、請求項14に記載のキャビネット。
【請求項16】
前記収納トレイが、予備パーツ及び予備機器を収納するためのロッドを備えた複数のコンパートメントを含む、請求項13に記載のキャビネット。
【請求項17】
トレイを収納するためにキャビネットのエアダムに設置されるエンクロージャであって、
第1の部材と、
前記第1の部材を受けてオープンダクトを形成する第2の部材と、
を含み、
前記第1の部材が上部と下部とを有し、前記第2の部材が上部と下部とを有し、前記第1の部材の前記上部と前記第1の部材の前記下部とが、前記第1の部材を前記キャビネットの前部機器レールに固定する留め具を受けるための複数の穴を含み、
前記第2の部材の前記上部と前記第2の部材の前記下部とが、前記第2の部材を前記キャビネットの後部機器レールに固定する留め具を受けるための複数の穴を含む、前記エンクロージャ。
【請求項18】
前記第1の部材が内側と外側とを有し、前記第2の部材が内側と外側とを有し、
前記第1の部材の前記内側及び前記第2の部材の前記内側がそれぞれC字形ブラケットを含む、請求項17に記載のエンクロージャ。
【請求項19】
各C字形ブラケットが、第1の側面と、主部材と、前記機器レールの1つの穴に係合して、留め具が前記第1の部材の前部及び前記第2の部材の後部に取り付けられるまで、前記エンクロージャを所定の位置に保持するための下方に延びるフックを備えた第2の側面と、を含む、請求項18に記載のエンクロージャ。
【請求項20】
前記第1の部材の前記外側と前記第2の部材の前記外側とがそれぞれ、前記第1の部材及び前記第2の部材を、互いに対して調節するとともに、前記前部機器レール及び前記後部機器レールに対して調節するためのハンドルを含む、請求項18に記載のエンクロージャ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年2月18日に出願された米国仮特許出願第63/311,526号、及び2022年5月17日に出願された米国仮特許出願第63/342,677号に対する利益を主張するものであり、これらの米国仮特許出願の全体を参照により本明細書に援用する。
【0002】
本発明は、キャビネットに関し、より詳細には、キャビネットのエアダムに設置されるエンクロージャに関する。
【背景技術】
【0003】
データセンタでは、設置されているキャビネットや機器を保護するために、湿度、温度、及びほこりに対する高度な調整及び管理が行われている。典型的なデータセンタでは、キャビネットは、データセンタ内の利用可能な床面積を最大限に有効活用するようにデータセンタ内に配置される。キャビネットは、サーバ、スイッチなどの機器のラッキングを提供する。図1に示すように、機器を収容するキャビネット20内のスペースは、ラックユニット24(RU)と呼ばれる。ラックユニット(RU)は、キャビネットの両側に設置された2つの機器レール22の間に延在する。ラックユニット24(RU)スペースは、水平方向では1.75インチ×19インチである。データセンタのオペレータは、データセンタのスペースを最大限に活用するために、利用できる全てのラックユニット(RU)スペースを使用する。キャビネット内の全てのラックユニット(RU)が使い果たされると、データセンタのオペレータは、別のキャビネットを設置するか、または機器をラッキングもしくは支持する別の方法を再び考える必要がある。一例として、一部のデータセンタではキャビネットの上に機器が設置されている。しかし、キャビネット上への設置は、ほとんどの用途で適切なソリューションではない。
【0004】
したがって、キャビネット内に機器を取り付けるための追加のラックユニット(RU)スペースをキャビネット内に提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
1対の前部垂直支柱、1対の後部垂直支柱、上部左右梁、下部左右梁、及び前部垂直支柱の1つから後部垂直支柱の1つまで延在する前後梁を備えたフレームによって画定されるキャビネット、である。少なくとも1つの前部機器レールがフレームに固定され、少なくとも1つの後部機器レールがフレームに固定される。前部機器レール及び後部機器レールはそれぞれ各レールを通って延びる垂直配向穴を有する。前部機器レールの垂直配向穴は、後部機器レールの垂直配向穴と位置合わせされて、垂直配向穴の間に通路を作る。前部機器レール及び後部機器レールの位置合わせされた垂直配向穴の間の通路に、エンクロージャが設置される。エンクロージャは、前部機器レールを後部機器レールに接続する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】キャビネット内の典型的なラックユニット(RU)の水平方向の正面図である。
図2】ドアが取り除かれ、機器レールがキャビネットに固定された状態でのキャビネットの正面図である。
図3】ラックユニット(RU)の垂直配向穴を機器レールに形成した図2のキャビネットの正面図である。
図4図3の機器レールに形成されたラックユニット(RU)の垂直配向穴にエアダムエンクロージャを設置したキャビネットの斜視図である。
図5】ラックユニット(RU)の垂直配向穴にエアダムエンクロージャを取り付けた図4の位置合わせされた機器レールの斜視図である。
図6図5のエアダムエンクロージャを右から見た斜視図である。
図7図5のエアダムエンクロージャを左から見た斜視図である。
図8図4のエアダムエンクロージャからラップトップトレイが延びている状態でのキャビネットの斜視図である。
図9図8のラップトップトレイの斜視図である。
図10】延ばした位置にある図8のラップトップトレイの斜視図である。
図11】上昇位置にある図8のラップトップトレイの斜視図である。
図12図4のエアダムエンクロージャからラップトップトレイが延び、下降位置に位置付けられた状態でのキャビネットの斜視図である。
図13】下降位置にある図12のラップトップトレイの斜視図である。
図14図4のエアダムエンクロージャ内に収納トレイを配置したキャビネットの斜視図である。
図15図14の収納トレイの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図2は、前部垂直支柱54、上部左右梁58、及び下部左右梁60を有するフレーム52を備えた典型的なキャビネット50の正面図を示す。フレーム52には機器レール70が固定される。図2に示すように、機器レール70は、キャビネット内に機器を取り付ける留め具を受けるための複数の開口部72を有する。
【0008】
図3は、各機器レール70を通って延びる垂直配向穴74を備えた機器レール70を示す。垂直配向穴74は、幅1.75インチ、高さ19インチである。したがって、垂直配向穴74は、ラックユニット(RU)のサイズである。
【0009】
図4は、前部垂直支柱54、後部垂直支柱56、上部左右梁58、下部左右梁60、及び前部垂直支柱54から後部垂直支柱56へ延在する前後梁62を備えたキャビネット50及びフレーム52を示す。キャビネット50は、キャビネットの前部に配置された2つの機器レール70を含み、1つの機器レール70がキャビネットの左側に配置され、1つがキャビネットの右側に配置される。キャビネット50はまた、キャビネットの後部に配置された2つの機器レール70を含み、1つの機器レール70がキャビネットの左側に配置され、1つの機器レールがキャビネットの右側に配置される。図3に示すように、キャビネット内の機器レール70は、垂直配向穴74を有する。図4に示すように、キャビネットの左側の機器レール70とキャビネットの右側の機器レール70とは、垂直配向穴74の間に通路80を作るように位置合わせされる。このようにして、通路80が、キャビネット内に追加のラックユニット(RU)スペースを提供する。このラックユニット(RU)スペースは、フレーム52と複数の開口部72との間で、キャビネット50の機器レール70に位置して、キャビネットエアダム82内に位置する。
【0010】
図4図5に示すように、エアダムエンクロージャ100は、機器レール70内の位置合わせされた垂直配向穴74の間の通路80に設置される。エアダムエンクロージャ100は、前部機器レールの1つを後部機器レールの1つに接続する。エアダムエンクロージャ100は、キャビネットの機器レール70が通常は水平方向に提供する熱的及び構造的機能を垂直に取り付けられた方向に提供する。
【0011】
図6図7は、本発明のエアダムエンクロージャ100を示す。エアダムエンクロージャ100は、第1の部材102と、第1の部材102を受ける第2の部材132と、を含む。第1の部材102及び第2の部材132は、オープンダクトであるエンクロージャを形成する。第1の部材102の前部は、前部機器レール70に形成された垂直配向穴74と一致するようにサイズ決めされる。第2の部材132の後部は、後部機器レール70に形成された垂直配向穴74と一致するようにサイズ決めされる。第1の部材102の上部104及び下部106は、エアダムエンクロージャ100の第1の部材102を前部機器レール70に固定するための留め具を受けるために、それぞれ複数の穴108、110を含む。第2の部材132の上部134及び下部136もまた、エアダムエンクロージャ100の第2の部材132を後部機器レール70に固定するための留め具を受けるために、それぞれ複数の穴138、140を含む。
【0012】
あるいは、必要に応じて、第2の部材をキャビネットの前部にある前部機器レールに固定し、第1の部材をキャビネットの後部にある後部機器レールに固定して、エアダムエンクロージャをキャビネットに設置することも可能である。
【0013】
図6に示すように、第1の部材102の内側112及び第2の部材132の内側142はどちらもそれぞれC字形ブラケット116、146を含む。ブラケット116、146は、第1の部材102の上部104及び下部106、ならびに第2の部材132の上部134及び下部136の近くに配置される。ブラケット116、146はまた、第1の部材102の前部及び第2の部材132の後部の近くに配置される。C字形ブラケット116、146は、第1の側面118、148、主部材120、150、及び第2の側面122、152を含む。各C字形ブラケット116、146の第1の側面118、148は、留め具を介してエアダムエンクロージャ100の第1の部材102または第2の部材132に固定される。各C字形ブラケット116、146の第2の側面122、152は、下方に延びるフック124、154を含む。各上部C字形ブラケット116、146の第2の側面122、152はまた、下方に延びるフック124、154の上方に位置するピン125、155を含む。下方に延びるフック124、154は、機器レール70の穴に付着して、留め具が第1の部材102の前部及び第2の部材132の後部に取り付けられるまで、エアダムエンクロージャ100を所定の位置に保持する。ピン125、155もまた、エンクロージャ100を所定の位置に保持するとともに、エンクロージャ100が第1の部材102の前部及び第2の部材132の後部に取り付けられる留め具によって固定される前に適所から引き出されないようにするのに役立つ。
【0014】
図7に示すように、第1の部材102の外側114及び第2の部材132の外側144はそれぞれ、キャビネット50にエアダムエンクロージャ100を設置するときに、第1の部材102及び第2の部材132を、互いに対してかつ機器レール70に対して容易に調節するためのハンドル126、156を含む。
【0015】
エアダムエンクロージャ100はオープンダクトであるため、数種類の装備品をそれぞれ個々のエアダムエンクロージャ100に設置することができる。一例は、図8図13に示すようなラップトップトレイ160である。ラップトップトレイ160は、本発明のエアダムエンクロージャ100に出入りするようスライドする。ラップトップトレイ160は、ラップトップもしくは類似デバイス、またはキャビネット内で使用できる他の装備品を支持することができる作業スペースを提供する。エアダムエンクロージャ100及びラップトップトレイ160は、キャビネット50内の様々な垂直配向ラックユニット(RU)位置のいずれかに設置することができる。ラップトップトレイ160は、オペレータの要求に対応するために、回転ならびに上方及び下方への移動を行うように設計されている。結果的に、調節可能なラップトップトレイ160を、オペレータが使用するのに最適な高さに配置されるように調節することができる。ラップトップトレイ160は、用途に応じて、キャビネットの前部または後部に設置することができる。
【0016】
ラップトップトレイ160は、エアダムエンクロージャ100に固定されるトラック162を含む。トラック162には、第1のセクション164及び第2のセクション166を有する拡張可能な棚が固定されている。図9及び図10に示すように、第1のセクション164及び第2のセクション166は、トラック162に沿ってスライドし、所望の位置まで拡張することができる。第2のセクション166は、ヒンジ168を介して第1のセクション164に回転可能に取り付けられている。結果的に、第2のセクション166は、図10に示すように、第1のセクション164の上に配置したままにすることができ、または図13に示すように、下方へ回転させることができる。第2のセクション166には、伸縮脚170が固定されている。支持部材172が伸縮脚170の遠位端に固定されており、作業面176がヒンジ174を介して支持部材172に回転可能に固定されている。
【0017】
ラップトップトレイ160は、どのコンピュータ機器とも一体化されていない。キャビネット50内の機器レール70に形成された垂直ラックユニット(RU)空間に設置されたエアダムエンクロージャ100を利用することにより、キャビネットの前部または後部から一時的な格納式の作業スペースを提供することを意図している。
【0018】
図14図15は、エアダムエンクロージャ100に収納されるように設計された別の装備品の例である収納トレイ180を示す。収納トレイ180は、エアダムエンクロージャ100から滑り出て、キャビネット50で使用できる多くの異なる種類の予備パーツ及び予備機器の収納を可能にする。収納トレイ180は、上部182、下部184、側面186、前部188、及び後部190によって画定される。伸縮式トラックがエアダムエンクロージャ100に固定されており、トラック192が収納トレイ180の上部182及び下部184の外面に設置されている。トラック192は、収納トレイ180がエアダムエンクロージャ100に対してスライドできるようにする。収納トレイ180の前部188は、ユーザが収納トレイ180をエアダムエンクロージャ100に対してスライドできるようにするためのハンドル194を含む。収納トレイ180は、ロッド198またはバーを備えた複数のコンパートメント196を含む。あるいは、収納トレイ180は、キャビネット内への収納を促進するために、任意の構成のコンパートメント、マウント、ストラップ、タイ、または他の締め付け具もしくは固定装置を含んでもよい。収納トレイ180は、キャビネットの左側または右側に設置することができる。収納トレイ180は、所望の用途に応じて、キャビネットの前部または後部から取り付けることもできる。
【0019】
機器レールの垂直配向穴と、キャビネットエアダム内の機器レールに固定されたエアダムエンクロージャと、により、データセンタのオペレータは、オペレータが利用できる潜在的なラックユニット(RU)スペースを拡張することが可能になる。本発明のエアダムエンクロージャによって画定される新しい垂直ラックユニット(RU)スペースには、垂直方向に向けることができる任意の機器を配置することができる。
【0020】
なお、本発明の特定の好適な実施形態を示し、説明してきたが、本発明の教示から逸脱することなく変更及び修正を行い得ることは、当業者にとって明らかであろう。上記の説明及び添付の図面に明らかにされている事項は、例証としてのみ提供され、限定として提供されるものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【外国語明細書】