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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023121158
(43)【公開日】2023-08-30
(54)【発明の名称】レンズモジュール
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/04 20210101AFI20230823BHJP
   G02B 7/08 20210101ALI20230823BHJP
【FI】
G02B7/04 E
G02B7/08 B
G02B7/04 D
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023850
(22)【出願日】2023-02-17
(31)【優先権主張番号】111201709
(32)【優先日】2022-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(31)【優先権主張番号】111120703
(32)【優先日】2022-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】512152743
【氏名又は名称】信泰光學(深セン)有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】598001814
【氏名又は名称】亞洲光學股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ASIA OPTICAL CO.,INC.
【住所又は居所原語表記】NO.22-3 South 2nd Road,T.E.P.Z,Taichung,Taiwan R.O.C.
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】其阿弥 一隆
【テーマコード(参考)】
2H044
【Fターム(参考)】
2H044BD11
2H044BD13
2H044BE02
2H044BE10
2H044BE14
2H044BE17
2H044BE18
2H044DA01
2H044DA02
2H044DB02
(57)【要約】
【課題】レンズモジュールを提供する。
【解決手段】レンズモジュールは、ベース、可動レンズ群、磁石部、および、コイル部を有する。可動レンズ群は、光軸を有し、且つ、第一方向に沿って可動であり、第一方向と光軸は平行である。磁石部は、ベースと可動レンズ群の一者に設置され、コイル部は、磁石部に対応し、ベースと可動レンズのもう一者に設置される。
【選択図】図21
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズモジュールであって、
ベースと、
光軸を有し、第一方向に沿って可動であり、前記第一方向と前記光軸が平行である可動レンズ群と、
前記ベースと前記可動レンズ中の一者上に設置される磁石部と、
前記磁石部に対応し、前記ベースと前記可動レンズ中のもう一者に設置されるコイル部と、
を有することを特徴とするレンズモジュール。
【請求項2】
さらに、磁性体、前記ベース上に設置される定位磁石、前記可動レンズ群に設置され、前記定位磁石の位置、あるいは、移動距離を感知するセンサー、前記センサーから、前記定位磁石の前記位置、あるいは、前記移動距離の信号を受信するとともに、それに応じて、前記コイル部に供給される電流を調整する駆動ユニット、を有し、
前記コイル部は、二個のコイルから形成され、前記コイルは、前記第一方向に沿って配列され、前記磁石部は、少なくとも三個の磁石を有し、前記磁石は、単極磁石で、極性が交錯する方式で、前記第一方向に沿って配列され、且つ、前記磁性体に接着される、あるいは、前記磁石部は、多極電磁石を有し、前記コイルは、前記第一方向に沿って配列され、前記磁石の磁極は、極性が交錯する方式で、前記第一方向に沿って配列されることを特徴とする請求項1に記載のレンズモジュール。
【請求項3】
前記磁石は:
w(p)≧w(m)、
w(c)=(1.5+n)w(p)、n=0、1、2…、
w(ecーec)=w(p)、
1.0mm≦w(m)≦1.35mm、の条件の少なくとも一つを満たし、
式中、前記w(p)は、前記磁石の磁石ピッチ、前記w(m)は、前記の各磁石の幅、前記w(c)は、前記コイルの中心間の距離、前記w(ecーec)は、前記のコイル中の推力生成部分(すなわち、巻き線の中心部分)の中心間の距離であり、
前記コイルは、第一コイル、および、第二コイルを有し、前記第一コイル、および、前記第二コイルに供給される電流は:
【数1】

式中、前記I_c1 は、前記第一コイルに供給される電流、前記I_c2 は、前記第二コイルに供給される電流、前記Icomは、前記第一コイルと前記第二コイルのコモン電流、前記Pは、前記コイル部の位置、前記θは、P=0時の位相シフト量であることを特徴とする請求項2に記載のレンズモジュール。
【請求項4】
さらに、第一レンズ群、および、バッファユニットを有し、
前記第一レンズ群は、前記ベース中に固定して設置され、
前記バッファユニットは、前記ベース中に設置され、
前記可動レンズ群は、第二レンズ群であり、
前記第一レンズ群、および、前記第二レンズ群は、前記光軸に沿って配列され、
前記第二レンズ群が、前記第一レンズ群に向かって移動して、停止するとき、前記バッファユニットは、前記第一レンズ群と接触し、
前記バッファユニットは、前記第一レンズ群、前記第二レンズ群、および、前記ベースの少なくとも一者上に設置されることを特徴とする請求項1に記載のレンズモジュール。
【請求項5】
さらに、前記ベース中に設置される開口絞りを有し、
前記バッファユニットは、前記第二レンズ群上に設置され、且つ、前記第一レンズ群に向かって延伸する第一抵接部、および、前記開口絞りに向かって延伸する第二抵接部を有し、
前記第二レンズ群が、前記第一レンズ群に向かって移動して、停止するとき、前記第一抵接部は、前記第一レンズ群に抵接し、
前記第二レンズ群が、前記開口絞りに向かって移動して、停止するとき、前記第二抵接部は、前記開口絞りに抵接することを特徴とする請求項4に記載のレンズモジュール。
【請求項6】
前記バッファユニットは、ポリオキシメチレンの材質で形成される、あるいは、前記バッファユニットの表面上に、ポリオキシメチレン材質を設置し、
前記レンズモジュールは、さらに、バッファリング材料を有し、前記バッファ材料は、前記第一レンズ群、あるいは、前記第二レンズ群上に設置され、前記第二レンズ群が、前記第一レンズ群に向かって移動して、停止するとき、前記バッファユニットは、前記バッファリング材料と接触することを特徴とする請求項4、あるいは、5に記載のレンズモジュール。
【請求項7】
さらに、駆動装置、および、位置センサーを有し、
前記駆動装置は、前記第二レンズ群を駆動するのに用いられ、前記駆動装置は、前記第二レンズ群上に設置される磁石部、および、前記ベース中に設置され、且つ、前記磁石部に対応するコイル部を有し、
前記コイル部は、複数のコイル、フレキシブル回路基板、および、キャリアを有し、前記フレキシブル回路基板は、電力を前記コイルに供給して、磁界を生成して、前記磁石部で作用させ、前記コイルが通電時、前記磁石部上で作用する磁力を生成して、前記第二レンズ群を駆動して、前記光軸方向に沿って移動させ、前記キャリアは、ほぼ、平板状であり、その上に、複数個の凸柱を設置して、前記コイルを固定し、前記フレキシブル回路基板は、湾曲して、前記キャリア上に連結され、
前記磁石部が、前記第二レンズ群上に設置され、前記コイル部が、前記ベース上に設置され、前記フレキシブル回路基板は、延伸部を有し、前記第二レンズ群の方向に延伸し、前記位置センサーが、前記延伸部上に設置され、前記フレキシブル回路基板は、電気的接続部を有し、前記第二レンズ群から離れる方向に延伸し、外部電源を接続することを特徴とすることを特徴とする請求項4、あるいは、5に記載のレンズモジュール。
【請求項8】
さらに、第三レンズ群、第四レンズ群、および、開口絞りを有し、前記開口絞りは、前記ベース中に固定され、且つ、前記第一レンズ群と前記第四レンズ群間に位置し、前記第一レンズ群、および、前記第四レンズ群は、固定レンズ群であり、前記第二レンズ群、および、前記第三レンズ群は、可動レンズ群である、あるいは、前記第一レンズ群、および、前記第四レンズ群は、可動レンズ群であり、前記第二レンズ群、および、前記第三レンズ群は、固定レンズ群である、あるいは、前記第一レンズ群、および、前記第四レンズ群の一者が、可動レンズ群であり、もう一者が、固定レンズ群であり、および、前記第二レンズ群、および、前記第三レンズ群の一者が、可動レンズ群であり、もう一者が、固定レンズ群であることを特徴とする請求項4に記載のレンズモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学分野に関するものであって、特に、レンズモジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的なレンズモジュールは、開口絞り、および、複数のレンズ群を有し、オートフォーカス(AF)操作、ズーミング操作(ZOOM)、あるいは、光学手ブレ補正(OIS)操作時、いくつかのレンズ群は、移動が必要であり、開口絞り、その他のレンズ群、あるいは、その他の素子に衝突して、ノイズを生成し、さらにひどくなると、素子を損壊する。また、レンズモジュールはさらに、一駆動装置を有して、レンズ群を駆動し、駆動装置のコイルが、レンズモジュールのベースに取り付けられるとき、位置決め精度要求、および、組み立てラインの制限を受け、装着作業を困難に、組み立て品質を不安定にする。このほか、電源をコイルに供給するため、コイルの導線を、フレキシブル回路基板(FPC)にはんだ付けすることが必要であるが、作業難度が高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、レンズモジュールを提供して、操作工程中のノイズを減少させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のレンズモジュールは、ベース、可動レンズ群、磁石部、および、コイル部を有する。可動レンズ群は、光軸を有し、且つ、第一方向に沿って可動であり、第一方向と光軸は平行である。磁石部は、ベースと可動レンズ群の一者に設置され、コイル部は、磁石部に対応し、ベースと可動レンズのもう一者に設置される。
【0005】
本発明のもう一つの実施形態によるレンズモジュールは、さらに、磁性体、ベース上に設置される定位磁石、可動レンズ群に設置され、定位磁石の位置、あるいは、移動距離を感知するセンサー、センサーから、定位磁石の位置、あるいは、移動距離の信号を受信するとともに、それに応じて、コイル部に供給される電流を調整する駆動ユニット、を有し、コイル部は、二個のコイルから形成され、コイルは、第一方向に沿って配列され、磁石部は、少なくとも三個の磁石を有し、磁石は、単極磁石で、極性が交錯する方式で、第一方向に沿って配列され、且つ、磁性体に接着される、あるいは、磁石部は、多極電磁石を有し、コイルは、第一方向に沿って配列され、磁石の磁極は、極性が交錯する方式で、第一方向に沿って配列される。
【0006】
本発明のもう一つの実施形態によるレンズモジュールにおいて、磁石は、以下の条件の少なくとも一つが満たされる:
w(p)≧w(m)、
w(c)=(1.5+n)w(p)、n=0、1、2…、
w(ecーec)=w(p)、
1.0mm≦w(m)≦1.35mm、
式中、w(p)は、磁石の磁石ピッチ、w(m)は、の各磁石の幅、w(c)は、コイルの中心間の距離、w(ecーec)は、のコイル中の推力生成部分(すなわち、巻き線の中心部分)の中心間の距離であり、コイルは、第一コイル、および、第二コイルを有し、第一コイル、および、第二コイルに供給される電流は:
【0007】
【数1】
式中、I_c1 は、第一コイルに供給される電流、I_c2 は、第二コイルに供給される電流、Icom は、第一コイルと第二コイルのコモン電流、Pは、前記コイル部の位置、θは、P=0時の位相シフト量である。
【0008】
本発明のもう一つの実施形態によるレンズモジュールは、さらに、第一レンズ群、および、バッファユニットを有し、第一レンズ群は、ベース中に固定して設置され、バッファユニットは、ベース中に設置され、可動レンズ群は、第二レンズ群であり、第一レンズ群、および、第二レンズ群は、光軸に沿って配列され、第二レンズ群が、第一レンズ群に向かって移動して、停止するとき、バッファユニットは、第一レンズ群と接触し、バッファユニットは、第一レンズ群、第二レンズ群、および、ベースの少なくとも一者上に設置される。
【0009】
本発明のもう一つの実施形態によるレンズモジュールは、さらに、ベース中に設置される開口絞りを有し、バッファユニットは、第二レンズ群上に設置され、且つ、第一レンズ群に向かって延伸する第一抵接部、および、開口絞りに向かって延伸する第二抵接部を有し、第二レンズ群が、第一レンズ群に向かって移動して、停止するとき、第一抵接部は、第一レンズ群に抵接し、第二レンズ群が、開口絞りに向かって移動して、停止するとき、第二抵接部は、開口絞りに抵接する。
【0010】
本発明のもう一つの実施形態によるレンズモジュールにおいて、バッファユニットは、ポリオキシメチレンの材質で形成される、あるいは、バッファユニットの表面上に、ポリオキシメチレン材質を設置し、レンズモジュールは、さらに、バッファリング材料を有し、バッファ材料は、第一レンズ群、あるいは、第二レンズ群上に設置され、第二レンズ群が、第一レンズ群に向かって移動して、停止するとき、バッファユニットは、バッファリング材料と接触する。
【0011】
本発明のもう一つの実施形態によるレンズモジュールは、さらに、駆動装置、および、位置センサーを有し、駆動装置は、第二レンズ群を駆動するのに用いられ、駆動装置は、第二レンズ群上に設置される磁石部、および、ベース中に設置され、且つ、磁石部に対応するコイル部を有し、コイル部は、複数のコイル、フレキシブル回路基板、および、キャリアを有し、フレキシブル回路基板は、電力をコイルに供給して、磁界を生成して、磁石部で作用させ、コイルが通電時、磁石部上で作用する磁力を生成して、第二レンズ群を駆動して、光軸方向に沿って移動させ、キャリアは、ほぼ、平板状であり、その上に、複数個の凸柱を設置して、コイルを固定し、フレキシブル回路基板は、湾曲して、キャリア上に連結され、磁石部が、第二レンズ群上に設置され、コイル部が、ベース上に設置され、フレキシブル回路基板は、延伸部を有し、第二レンズ群の方向に延伸し、位置センサーが、延伸部上に設置され、フレキシブル回路基板は、電気的接続部を有し、第二レンズ群から離れる方向に延伸し、外部電源を接続する。
【0012】
本発明のもう一つの実施形態によるレンズモジュールは、さらに、第三レンズ群、第四レンズ群、および、開口絞りを有し、開口絞りは、ベース中に固定され、且つ、第一レンズ群と第四レンズ群間に位置し、第一レンズ群、および、第四レンズ群は、固定レンズ群であり、第二レンズ群、および、第三レンズ群は、可動レンズ群である、あるいは、第一レンズ群、および、第四レンズ群は、可動レンズ群であり、第二レンズ群、および、第三レンズ群は、固定レンズ群である、あるいは、第一レンズ群、および、第四レンズ群の一者が、可動レンズ群であり、もう一者が、固定レンズ群であり、および、第二レンズ群、および、第三レンズ群の一者が、可動レンズ群であり、もう一者が、固定レンズ群である。
【発明の効果】
【0013】
本発明のレンズモジュールにより、操作工程中に生じるノイズを減少させるとともに、組み立て作業の難度を低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第一実施形態によるレンズモジュールの構造を示す図である。
図2】本発明の第一実施形態によるレンズモジュールを別の角度から観察した構造を示す図である。
図3図1、および、図2のレンズモジュールの一レンズ群を示す図である。
図4図1、および、図2のレンズモジュール一レンズ群を別の角度から観察した構造を示す図である。
図5図1、および、図2のレンズモジュール一レンズ群をさらに別の角度から観察した構造を示す図である。
図6図1、および、図2のレンズモジュールのベースの構造を示す図である。
図7図1、および、図2のレンズモジュールのベースを別の角度から観察した構造を示す図である。
図8】本発明の第二実施形態によるレンズモジュールの構造を示す図である。
図9】本発明の第二実施形態によるレンズモジュールを別の角度から観察した構造を示す図である。
図10図8、および、図9のレンズモジュールの一レンズ群の構造を示す図である。
図11図8、および、図9のレンズモジュールの一レンズ群を別の角度から観察した構造を示す図である。
図12図8、および、図9のレンズモジュールのベースの構造を示す図である。
図13】本発明の第一実施形態によるレンズモジュールのコイル部と磁石部の前面図である。
図14】本発明の第一実施形態によるレンズモジュールのコイル部と磁石部の下面図である。
図15】本発明の第一実施形態によるレンズモジュールの磁石部が磁性体に取り付けられた構造を示す図である。
図16】本発明の第一実施形態によるレンズモジュールの磁石部が磁性体に取り付けられた構造を別の角度から観察した図である。
図17】本発明の第一実施形態によるレンズモジュールの磁石部が多極電磁石である構造を示す図である。
図18図17の磁石部の前面図である。
図19】フレミングの左手の法則により、本発明の第一実施形態のレンズモジュールのコイル部がどのように受力するかを示す図である。
図20】本発明の第一実施形態によるレンズモジュールのコイル部の移動状況、および、対応する電流分布比率を示す図である。
図21】本発明の第一実施形態によるレンズモジュールのブロック図である。
図22】本発明において、磁石部の磁束密度を測定する位置を示す図である。
図23図22のコイル部と磁石部の上面図である。
図24】異なる磁石幅の異なる位置で測定して得られた磁束密度を示す図である。
図25】磁石幅w(m)=1.2mmの磁束密度の許容範囲を示す図である。.
図26】コイル位置の違いによって、その受力が±3%の振動値を有することを示す図である。
図27】許容範囲と磁石幅の相関性を示す図である。
図28】磁石幅が1.2mmである状況下で、コイルの移動期間中、磁石の異なる位置で測定されて得られた磁束密度(T)、および、許容範囲(%)の相関性を示す図である。
図29図28の後のコイルの移動期間中、磁石の異なる位置で測定されて得られた磁束密度(T)、および、許容範囲(%)の相関性を示す図である。
図30図29の後のコイルの移動期間中、磁石の異なる位置で測定されて得られた磁束密度(T)、および、許容範囲(%)の相関性を示す図である。
図31図30の後のコイルの移動期間中、磁石の異なる位置で測定されて得られた磁束密度(T)、および、許容範囲(%)の相関性を示す図である。
図32】本発明の第三実施形態によるレンズモジュールの構造を示す図である。
図33】本発明の第三実施形態によるレンズモジュールの局部構造を示す図である。
図34】本発明の第三実施形態によるコイル部の立体図である。
図35】本発明の第三実施形態によるコイル部を別の角度から観察した立体図である。
図36】本発明の第三実施形態によるレンズモジュールの組み立て時、コイル部をベースに装着することを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の目的、技術的解決法、および、メリットをさらに分かりやすくするため、以下で、添付図面と実施形態により、本発明を詳細に説明する。理解できることは、ここで記述される実施形態は、本発明の解釈のためだけに用いられ、本発明は、それらに制限されないことである。
【0016】
図1、および、図2を参照すると、本発明の第一実施形態によるレンズモジュール30は、ベース303を有し、ベース303中に、第一方向Xに沿って、複数のレンズ群が設置され、これらのレンズ群は、第一方向Xに沿って延伸する光軸OAを有し、あるレンズ群は、固定レンズであり、あるレンズ群は、可動レンズであり、図1、および、図2では、一個の可動レンズ群302を代表としている。レンズ群302は、レンズフレーム3021、および、レンズフレーム3021中に設置される一つ以上のレンズ3022を有する。
【0017】
全レンズ群は、ガイドユニットにより支持される。この実施形態において、ガイドユニットは、二個の平行なガイドロッド304を有し、ガイドロッド304は、複数のレンズ群の両側で、第一方向Xに沿って延伸して、レンズ群を支持する。理解できることは、ガイドユニットは、異なる数量のガイドロッドを有することができる、あるいは、ガイドユニットは、ガイドレール、ガイドスロット等、その他の構造で代替して、支持作用を提供することができることである。
【0018】
図3図5を参照すると、レンズフレーム3021の一側辺は、抵接部3021a、および、スリーブ部分3021bを設置し、もう一側辺は、突起3021c、および、保持部分3021dを設置する。ガイドロッド304は、スリーブ部分3021bを貫通して、ガイドロッド304の支持と引導下で、レンズ群302を、第一方向Xに沿って滑動させる。抵接部3021aは、コイル部3052を支持する。コイル部3052は、巻きつかせる(twining)、吊り下げる(hanging)、接着(gluing)、あるいは、その他の任意の方式で、抵接部3021aに固定される。保持部分3021dは、第一方向Xに沿って延伸して、定位磁石3082を固定する。突起3021cの断面は、C字型であり、よって、横向きの開口を有し、別のガイドロッド304を収容する。突起3021c下方に、フレキシブル回路基板3071を設置し、フレキシブル回路基板3071は、コイル部3052に電気的に接続される。
【0019】
図6、および、図7を参照すると、ベース303は、第二方向Yに沿って延伸する二個の側壁3031、3032を有し、第二方向Yは、第一方向Xに垂直である。一側壁3031に、磁石部3051が設置され、もう一つの側壁3032に、回路板3083が設置される。回路板3083上に、センサー (たとえば、ホールセンサー)3081が設置される。フレキシブル回路基板3071も、この回路板3083に電気的に接続される。また、側壁3032から外側に、電気接続部分3072が延伸して、電気接続部分3072と外部電源(図示しない)が、電気的に接続され、電流を導入するのに用い、電力を、回路基板上のセンサー3081に提供し、および、フレキシブル回路基板3071により、電力を、レンズフレーム3021上のコイル部3052に提供する。
【0020】
この実施形態において、コイル部3052は、レンズ群302上に設置される。磁石部3051は、ベース303上に設置される。コイル部3052、および、磁石部3051は、レンズモジュール30の駆動ユニット305を構成する。磁石部3051は、磁界を生成し、通電時、コイル部3052は、力を受けて移動するとともに、レンズ群302を駆動して、第一方向Xに沿って移動する。さらに、側壁3032上に設置されるセンサー3081は、レンズフレーム3021上の定位磁石3082に対応して設置され、センサー3081と定位磁石3082は、位置感知ユニット308を構成する。レンズ群302が移動するとき、センサー3081は、同時に、定位磁石3082の位置、あるいは、移動距離を感知することができ、よって、コイル部3052に加えられる電流も調整され、これにより、コイル部3052が受ける力の大きさが変化する。詳細は後述する。
【0021】
理解できることは、コイル部3052と磁石部3051の位置は、交換することができることである。つまり、コイル部3052が、ベース303上に設置されるように、磁石部3051が、レンズ群302上に設置されるように変更することができる。図8図12を参照すると、図8図12は、本発明の第二実施形態によるレンズモジュールを示す図で、図1図7と同じ素子は、同じ参照符号で示されるとともに、それらの説明は省略する。図のように、コイル部3052’は、ベース303の側壁3031上に設置され、磁石部3051’は、レンズ群302のレンズフレーム3021’上に設置されるように変更され、コイル部3052’、および、磁石部3051’は、駆動ユニット305’を構成して、レンズ群302を駆動する。
【0022】
また、図12に示されるように、ベース303の側壁3031から外側に、電気接続部分3072’が延伸し、フレキシブル回路基板3071’は、ベース303の側壁3031上に設置される。特に、フレキシブル回路基板3071’は湾曲するとともに、ベース303の側壁3031を跨ぎ、フレキシブル回路基板3071’は、側壁3031の外側で、電気接続部分3072’に電気的に接続され(図9)、側壁3031の内側で、ほぼL字状に延伸し(図12)、センサー (ホールセンサー)3081’は、フレキシブル回路基板3071’上に設置される。外部電源(図示しない)は、電気接続部分3072’、および、フレキシブル回路基板3071’により、センサー3081’、および、コイル部3052’に電力を供給することができる。
【0023】
図10、および、図11を参照すると、レンズフレーム3021’の一側は、スリーブ部分3021b’、および、保持部分3021d’を設置し、もう一側は、突起3021c’が設置される。スリーブ部分3021b’、および、突起3021c’は、それぞれ、二個の平行なガイドロッド304を貫通、および、収容し、保持部分3021d’は、第一方向Xに沿って延伸して、磁石部3051’を固定するので、磁石部3051’は、コイル部3052’の位置に対応し、保持部分3021d’上で、同時に、定位磁石3082’を固定するとともに、センサー(ホールセンサー)3081’の位置に対応する。センサー3081’、および、定位磁石3082’は、位置感知ユニット308’を構築する。注意すべきことは、磁石部3051’、および、定位磁石3082’が、保持部分3021d’の反対側に設置されることである。
【0024】
以下で、コイル部、および、磁石部が詳細に記述され、第一実施形態のコイル部3052、および、磁石部3051を代表として説明しているが、第二実施形態のコイル部3052’、および、磁石部3051’は、第一実施形態と類似するので、説明を省略する。図13、および、図14を参照すると、コイル部3052は、第一コイル3052a、および、第二コイル3052bを有する。磁石部3051は、少なくとも三個の磁石を有し、磁石、および、コイルは、第一方向X(レンズ群302の駆動方向)で配列される。磁石は、単極磁石であり、いわゆる単極磁石は、通常は、一個の磁極だけを用いることを指すが、実際は、もう一つの磁極が存在する。本発明の磁石は、N極、S極、N極(あるいは、S極、N極、S極)の順序で、交互に配列される。磁気性能を改善するとともに、組み立てを便利にするため、これらの磁石を、磁性体3053に接着することができ、図15、および、図16に示されるように、磁性体3053は、SPCC冷延鋼板で形成される磁気ヨーク(magnetic yoke)である。このほか、図17、および、図18に示されるように、複数の単極磁石は、多極電磁石3055で代替することができる。
【0025】
図13を参照すると、w(m)は単極磁石の幅、w(p)は磁気ピッチ(manet pitch)、つまり、単極磁石の中心間の距離、あるいは、多極電磁石の状況下で、各磁極の境界線間の距離、w(c)は、二個のコイルの中心間の距離、w(ecーec)は、第一コイル3052aと第二コイル3052bの推力生成部分(すなわち、巻き線の中心部分)の中心間の距離であると仮定すると、本発明は、以下の条件の少なくとも一つが満たされる:
w(p)≧w(m) (1)
w(c)=(1.5+n)w(p), n=0、1、2….(2)
w(ecーec)=w(p) (3)
【0026】
したがって、w(p)>w(m)の時、単極磁石の間に、ギャップが存在することを表し、w(p)=w(m)の時、良い磁気回路効率が得られる。w(m)が、1.00mm~1.35mmの範囲であるとき、コイルと磁石の相対位置を制御するのに有利であり、好ましくは、w(m)=1.2mmである。n=0の時、最小化された尺寸を得ることができる。
【0027】
注意すべきことは、上述の設計中は、実際の素子精度、および、組み立て精度により生成される誤差を含まないことである。
【0028】
コイルと磁石の相対位置を制御するため、電流極性と電流分布比率間の関係を考慮して、コイル部に電流を供給する必要があり、レンズ群の位置がどこであっても、レンズ群を駆動する作用力の安定が要求されるとともに、シームレス、且つ、安定した制御が要求される。本発明において、電流極性、および、電流分布比率は、コイル部の位置を変数とした正弦波波形であり、且つ、二個のコイルの位相差は90°である。I_c1が、第一コイル3052aに供給される電流、I_c2 が、第二コイル3052bに供給される電流、Icomが、第一コイル、および、第二コイルのコモン電流、Pが、コイル部の位置、θが、P=0の時の位相シフトの量(コイル部と磁石部間の相対位置に基づく)であると仮定すると、本発明中、第一コイル、および、第二コイルに供給される電流は以下のようである。
【0029】
【数2】
【0030】
コモン電流Icomの設定は、レンズ群の移動位置を制御する以外に、さらに、重力、および、外部擾乱(たとえば、衝撃)の状況下でも、レンズ群を所望の位置で維持することを考慮する必要がある。
【0031】
位相シフト量θ=0の時、式(4)と(5)は以下のように書き換えられる:
【0032】
【数3】
式中、α1、α2は、電流分布比率(current distribution rate)であり、且つ:
【0033】
【数4】
である。
【0034】
図19は、フレミングの左手の法則(Fleming’s Left Hand Rule)に基づき、人差し指は磁界の方向を表し、中指は電流を表し、親指は受ける力の向きを表す。よって、コイルが、磁石により生じる磁界B中に位置する場合、電流Iがコイルを通過するとき、コイルは、Fの作用を受け、且つ、F=I×B、式中、F、I、および、Bはベクトルであり、×は、外積(cross product)である。
【0035】
図20を参照すると、電流Icom・α1が第一コイル3052aに供給され、電流Icom・α2が第二コイル3052bに供給されるとき、第一コイル3052a、および、第二コイル3052bは、力Fの作用を受け、その後、位置P=0から、右に移動を開始する。図20は、同時に、第一コイル3052aと第二コイル3052bが、異なる位置にあるとき、対応する電流分布比率α1とα2 の変化を示す。
【0036】
図21を参照すると、図21は、本発明の第一実施形態によるレンズモジュールのブロック図である。図のように、駆動ユニット (たとえば、駆動チップ)301が、ズーム比信号(zoom ratio signal)、あるいは、所定位置信号(predetermined position signal)S1を受信時、それぞれ、対応する電流Icom・α1・dirとIcom・α2・dirを、第一コイル3052a、および、第二コイル3052bに出力し、dirは、移動方向係数であり、第一方向Xに沿って移動する時、dirは+1であり、第一方向Xと反対の方向で移動するとき、dirは、-1である。図19、および、図20に示されるように、第一コイル3052a、および、第二コイル3052bが力受けて、移動を開始し、その後、レンズ群のレンズフレーム3021は、第一方向X、あるいは、第一方向Xと反対の方向で移動し、センサー3081は、レンズフレーム3021上の定位磁石3082の位置や移動距離を感知するとともに、即時位置信号S2を、駆動ユニット301に出力するので、駆動ユニット301は、第一コイル3052a、および、第二コイル3052bに出力される電流Icom・α1・dirとIcom・α2・dirを調整することができ、電流の不断の調整により、精確に、レンズ群のレンズフレーム3021を、所定の位置まで移動するように制御する。
【0037】
図22、および、図23を参照すると、本発明において、磁石部3051の中間位置の磁束密度が測定される。これらの測定点は、直線3054で配列されるとともに、直線3054は、第一方向X(つまり、第一コイル3052a、および、第二コイル3052bの移動方向)と平行である。図24は、異なる幅の磁石の異なる位置で測定された磁束密度を示す図であり、図中、七個の異なる幅w(m)=0.8mm、1.0mm、1.15mm、1.2mm、1.3mm、1.5mm、1.8mmの磁石の磁束密度は、同一画面中で比較しやすい。設計上、磁束密度の波形は、正弦波に近ければ近いほどよく、且つ、磁束密度の最大値も大きい必要がある。研究の後、磁石幅が小さいほど、磁束密度の波形は、正弦波に近づき、正弦波に近づいた程度を評価するため、まず、“45°点誤差(45°Point Error)”が定義される。図25は、磁石の幅w(m)=1.2mmの異なる位置で測定された磁束密度の結果を示す図で、理想の正弦波と現実の波形が、四点,,,で比較される。四点,,,の誤差は、許容範囲45°点(Tolerance of45°Point )を超過しないことが要求され、許容範囲45°点= ((測定点での現実の値) - (測定点の理想値)) / (現実のピーク値)である。本発明において、許容範囲45°点は、9.7%に設定される。図25から理解できることは、四点 ,,, の誤差は、9.7%内であるので、磁石の幅w(m)=1.2mmの磁石密度の波形は、正弦波に近似するとみなされる。
【0038】
さらに、コイルが、位置の違いによって受ける力は、±3%に等しい振動値(Pulsation Value)を有する。図26に示されるように、コイルが受ける力の振動値が、平均の力の±3%であり、コイルの駆動電流が、正弦波の形式である状況下で、磁束密度の許容範囲とコイルが受ける力の振動幅値間に、1/4倍の相関性があり、よって、本発明は、許容範囲量を、最大3% ×4=12%に設定する。
【0039】
注意すべきことは、磁石幅がある値より小さいとき、磁束密度が急減することである。図27に示されるように、磁石幅が1.0mmより小さいとき、磁束密度が急減する。一方、磁石幅が別の値まで増加するとき、磁束密度は、ほぼ飽和になり、よって、正弦波に接近させるために、磁石幅の大きさは制限があり、図27から分かるように、磁石幅は、1.5mmを超えることはできない。さらに、図27から分かるように、許容範囲値が、最大で12%である状況下で、磁石幅は、1.35mm以下である必要があり、よって、本発明の磁石の幅は、1.0mm≦w(m)≦1.35mmに符合する必要がある。
【0040】
表1~7は、本発明の磁石幅w(m)と対応する電流分布比率α1、α2の詳細データである。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】
【表5】

【0046】
【表6】
【0047】
【表7】
【0048】
図28は、磁石幅が1.2mmである状況下、コイルの移動期間中、磁石の異なる位置で測定される磁束密度(T)、および、許容範囲(%)の相関性を示す図で、面積 I と II は、それらの対称な形状によって相殺され、面積 III と IV も、それらの対称な形状によって相殺される。表8、および、表9は、異なる位置の磁石のデータを示す。注意すべきことは、表9において、コイルー力の最大値は0.248であり、最小値は0.237、中心値は0.2425である。
【0049】
【表8】

【0050】
【表9】

【0051】
コイルが前進し続けるとき、コイルが磁界により経験する磁束密度はわずかに変化し、図29は、コイルの移動期間の磁束密度(T)、および、許容範囲(%)の相関性を示す図であり、表10は、磁石の異なる位置の対応する各データを示す。
【0052】
【表10】
【0053】
コイルがさらに前進し続けるとき、磁束密度の変化は図30で示される。表11は、移動期間中、磁石の異なる位置の対応する各データを示す。
【0054】
【表11】

【0055】
コイルがさらに前進し続けるとき、磁束密度の変化は、図31で示される。
【0056】
図32は、本発明の第三実施形態によるレンズモジュール40の構造を示す図である。図示されるように、本発明のレンズモジュール40は、ベース403を有し、ベース403中に、第一方向Xに沿って、順に、第一レンズ群4021、第二レンズ群4022、開口絞り4026、第三レンズ群4023、および、第四レンズ群4024が設置される。第一レンズ群4021、第二レンズ群4022、第三レンズ群4023、および、第四レンズ群4024は、第一方向Xに沿って延伸する光軸OAを有し、且つ、ガイドユニット404により支持される。この実施形態において、ガイドユニット404は、二本の平行なガイドロッドを有し、ガイドロッドは、第一方向Xで延伸し、且つ、第一レンズ群4021、第二レンズ群4022、開口絞り4026、第三レンズ群4023、および、第四レンズ群4024の両側に設置されて、それらへの支持を提供する。理解できることは、ガイドユニット404は、異なる数量のガイドロッドを有する、あるいは、ガイドユニット404は、ガイドレール、ガイドスロット等の異なる構造で代替して、支持を提供することができることである。
【0057】
第一レンズ群4021は、第一レンズフレーム4021a、および、第一レンズフレーム4021a中に設置される一つ以上の第一レンズ4021bを有する。第二レンズ群4022は、第二レンズフレーム4022a、および、第二レンズフレーム4022a中に設置される一つ以上の第二レンズ4022bを有する。第三レンズ群4023は、第三レンズフレーム4023a、および、第三レンズフレーム4023a中に設置される一つ以上の第三レンズ4023bを有する。第四レンズ群4024は、第四レンズフレーム4024a、および、第四レンズフレーム4024a中に設置される一つ以上の第4レンズ4024bを有する。この実施形態において、第一レンズ群4021、および、第四レンズ群4024は、ベース403に固定される。第二レンズ群4022、および、第三レンズ群4023は、それぞれ、駆動装置405、405’により駆動されて、第一方向Xに沿って移動する。開口絞り4026は、固定して、ベース403中、および、第二レンズ群4022と第三レンズ群4023間に設置される。
【0058】
理解できることは、この実施形態は、四個のレンズ群を有し、第一レンズ群4021、および、第四レンズ群4024は、固定レンズ群であり、第二レンズ群4022、および、第三レンズ群4023は、可動レンズ群である。しかし、本発明は、それらに制限されず、レンズ群の数量は、3個、5個、あるいは、それ以上である。また、第一レンズ群4021、および、第四レンズ群4024は、可動レンズ群であり、第二レンズ群4022、および、第三レンズ群4023は、固定レンズ群である。あるいは、第一レンズ群4021と第四レンズ群4024の一者が可動レンズ群で、第一レンズ群4021と第四レンズ群4024の別の一者が固定レンズ群で、第二レンズ群4022と第三レンズ群4023の一者が可動レンズ群で、第二レンズ群4022と第三レンズ群4023の別の一者が固定レンズ群である。つまり、固定レンズ群、および、可動レンズ群は、第一レンズ群4021、第二レンズ群4022、第三レンズ群4023、および、第四レンズ群4024の任意レンズ群により、組み合わされる。さらに、開口絞り4026の位置は、この限りではなく、ベース403内に固定され、且つ、第一レンズ群4021と第四レンズ群4024間に設置されてもよい。よって、上述のすべての変化は、本発明の領域に属する。
【0059】
上記のように、第一レンズ群4021、開口絞り4026、および、第四レンズ群4024は固定され、それらの間に設置された第二レンズ群4022、および、第三レンズ群4023は可動である。第二レンズ群4022、および、第三レンズ群4023は、移動時、第一レンズ群4021、開口絞り4026、あるいは、第四レンズ群4024と接触した状態になって、ノイズを生成し、さらには衝突によって損壊したり、傷になったりする。さらに、第二レンズ群4022、および、第三レンズ群4023を駆動されないとき(駆動装置405、405’が通電しないとき)、自由に滑動して、第一レンズ群4021、開口絞り4026、あるいは、第四レンズ群4024と接触し、この時も、ノイズを生成する。以下で、第二レンズ群4022を例とし、図33を参照しながら、以下の問題を解決する本発明の技術スキームを記述する。
【0060】
図33を参照すると、図33は、本発明の第三実施形態によるレンズモジュールの局部構造を示す図である。図のように、第二レンズ群4022の側辺に、バッファユニット4027が設置され、第二レンズ群4022の移動時に、第一レンズ群4021、あるいは、開口絞り4026に接触して生成されるノイズを減少させるとともに、緩衝効果があり、同時に、素子間の衝突により生じるダメージや傷を防止して、耐衝撃性、および、信頼性を向上させるとともに、傷によって、ほこりが付着しやすくなる問題を回避する。詳細には、バッファユニット4027は、第一レンズ群4021に沿って延伸する第一抵接部4027a、および、開口絞り4026に沿って延伸する第二抵接部4027bを有する。つまり、バッファユニット4027(第一抵接部4027a、および、第二抵接部4027b)は、第一方向Xに沿って延伸する。第二レンズ群4022が、第一レンズ群4021のほうに移動して、停止するとき、第一抵接部4027aは、第一レンズ群4021に抵接する。第二レンズ群4022が、開口絞り4026のほうに移動して、停止するとき、第二抵接部4027bは、開口絞り4026に抵接する。バッファユニット4027(第一抵接部4027a、および、第二抵接部4027b)の設計により、緩衝、および、停止機能を提供し、レンズ群の作動の衝突によって損傷するのを回避することができ、同時に、レンズ群の作動のその他の素子との衝突により生じるノイズが減少し、バッファユニット4027は、低強度、且つ、衝撃吸収特性が強い材料、たとえば、ポリオキシメチレン(POM)を採用する、あるいは、POMを、貼るか、その他の方式で、バッファユニット4027の表面に形成して、緩衝、および、ノイズ減少機能を提供する。
【0061】
駆動装置405が未通電時、第二レンズ群4022の位置は、制御されず、自由に滑動することができ、バッファユニット4027も、同時に、第二レンズ群4022が自由に滑動して、第一レンズ群4021、あるいは、開口絞り4026に衝突して生成されるノイズを減少させることができる。
【0062】
このほか、本発明は、さらに、第一レンズ群4021、および、開口絞り4026とバッファユニット4027が対応する接触部分4021c、4026c上に、バッファリング材料(たとえば、液体シリコーンゴム)を塗布して固化させ、すなわち、バッファユニット4027と対応する素子上に、バッファリング材料を設置し、シリコーンゴム材料の特性によって、衝突によるノイズが減少する。さらに、シリコーンゴム材料は、変形しにくい特性を有し、第二レンズ群4022が、第一レンズ群4021、あるいは、開口絞り4026と衝突するとき、シリコーンゴム材料は、ほぼ変形しないので、第二レンズ群4022は、正確な位置で留まることができる。さらに、シリコーンゴム材料は、粘性が少なく、第二レンズ群4022が、第一レンズ群4021、あるいは、開口絞り4026から分離されるとき、その分離への影響がなく、よって、衝突により生成されるノイズが減少し、作動精密度に影響しない。
【0063】
この実施形態において、バッファユニット4027は、第二レンズ群4022上に設置されているが、本発明は、それらに制限されない。いくつかの実施形態において、バッファユニットは、第一レンズ群4021、開口絞り4026、あるいは、さらに、ベース403上に設置されて、緩衝、および、ノイズ減少機能を提供する。いくつかのその他の実施形態において、バッファユニットは、また、複数の独立した抵接部を有し、それぞれ、第一レンズ群4021、第二レンズ群4022、開口絞り4026、および/あるいは、ベース403上に設置されて、緩衝、および、ノイズ減少機能を提供する。さらに、第二レンズ群4022が、停止時に、シリコーンゴムに接触しさえすれば、シリコーンゴムは、バッファユニットに対応して、第一レンズ群4021、第二レンズ群4022、および/あるいは、開口絞り4026上に設置されてもよい。この実施形態において、第三レンズ群4023は、第二レンズ群4022と同じ構造を有して、ノイズを抑制するので、その説明は省略する。
【0064】
図32を再度参照すると、第二レンズ群4022を駆動する駆動装置405は、磁石部406、および、コイル部407を有する。磁石部406は、第二レンズ群4022の第二レンズフレーム4022aの側辺に設置され、コイル部407は、ベース403の内側表面に設置されるとともに、磁石部406に対応し、コイル部407が通電時、磁力作用を磁石部406上で生成して、第二レンズ群4022を駆動し、第一方向Xで移動させる。
【0065】
図34、および、図35を参照すると、図34は、本発明の第三実施形態によるコイル部407の立体図であり、図35は、本発明の第三実施形態による別の角度で観察したコイル部407の別の立体図である。図のように、コイル部407は、キャリア4072、フレキシブル回路基板4071、および、複数のコイル4073を有する。キャリア4072は、ほぼ平板状である。複数の円柱状突起4072aがキャリア4072上に設置されて、コイル4073を固定する。コイル4073は、巻きつかせる(twining)、吊り下げる(hanging)、接着(gluing)、あるいは、その他の固定方式で、円柱状突起4072aに固定される。フレキシブル回路基板4071は湾曲し、キャリア4072に連結され、且つ、第二レンズ群4022から離れる方向で、電気接続部分4071aから延伸し、反対方向 (すなわち、第二レンズ群4022の方向)で、延伸部分4071bを延伸する。電気接続部分4071aは、電気的に、外部電源 (図示しない)と接続して、電流を導入し、電流は、フレキシブル回路基板4071上のボンディングパッド4071c、および、導線4071dから、コイル4073に流れ、磁界変化を生成して、磁石部406上で作用し、第二レンズ群4022を駆動して、第一方向Xに移動させる。さらに、本発明は、フレキシブル回路基板4071の延伸部分4071b上に、位置センサー (たとえば、ホールセンサー)408が設置されて、第二レンズ群4022の移動距離、あるいは、位置を感知する。
【0066】
上述から理解できることは、本発明のフレキシブル回路基板4071、および、コイル4073は、あらかじめ、一部(つまり、コイル部407)にモジュール化され、位置センサー408をその中に設置し、図36に示されるように、組み立て時、コイル部407は、直接、ベース403に装着され、ベース403上のコイル4073の定位が、簡潔、且つ、便利になり、従来の煩雑なコイル定位作業が省略されて、組み立て効率と製品の品質が向上する。
【0067】
図32を再度参照すると、駆動装置405が、第二レンズ群4022の駆動に用いられることに相対して、本発明は、別の駆動装置405’を提供し、第三レンズ群4023を駆動する。駆動装置405’は、磁石部406’、および、コイル部407’を有し、その構造は、駆動装置405(磁石部406、および、コイル部407を有する)と同じであり、よって、それらの記述は省略される。
【0068】
本発明では好ましい実施例を前述の通り開示したが、これらは決して本発明に限定するものではなく、当該技術を熟知する者なら誰でも、本発明の思想を脱しない範囲内で各種の変形を加えることができる。
【符号の説明】
【0069】
30、40…本発明のレンズモジュール
301、305、305’…駆動ユニット
302…可動レンズ群3021、3021’…レンズフレーム
3021a…抵接部3021b、3021b’…スリーブ部分
3021c、3021c’…突起3021d、3021d’…保持部分
3022…レンズ303、403…ベース
3031、3032…側壁304…ガイドロッド
3051、406、406’、3051’…磁石部
3052、3052’、407、407’…コイル部
3052a…第一コイル3052b…第二コイル
3053…磁性体3054…直線
3055…多極電磁石
3071、3071’、4071…フレキシブル回路基板
3072、3072’、4071a…電気接続部分
308、308’…位置感知ユニット
3081、3081’、408…センサー
3082、3082’…定位磁石3083…回路板
404…ガイドユニット405、405’…駆動装置
4021…第一レンズ群4021a…第一レンズフレーム
4021b…第一レンズ4021c、4026c…接触部分
4022…第二レンズ群4022a…第二レンズフレーム
4022b…第二レンズ4023…第三レンズ群
4023a…第三レンズフレーム4023b…第三レンズ
4024…第四レンズ群4024a…第四レンズフレーム
4024b…第4レンズ4026…開口絞り
4027…バッファユニット4027a…第一抵接部
4027b…第二抵接部4071b…延伸部分
4071c…ボンディングパッド4071d…導線
4072…キャリア4072a…円柱状突起
4073…複数のコイルw(m)…単極磁石の幅
w(p)…磁気ピッチ(manet pitch)w(c)…二個のコイルの中心間の距離
w(ecーec)…第一コイル3052aと第二コイル3052bの推力生成部分(すなわち、巻き線の中心部分)の中心間の距離
X…第一方向Y…第二方向
OA…光軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36