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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023121172
(43)【公開日】2023-08-31
(54)【発明の名称】鼓膜刺激器具
(51)【国際特許分類】
   A61F 11/00 20220101AFI20230824BHJP
【FI】
A61F11/00 350
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022024346
(22)【出願日】2022-02-20
(71)【出願人】
【識別番号】592242143
【氏名又は名称】東洋レヂン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205512
【弁理士】
【氏名又は名称】出雲 暖子
(72)【発明者】
【氏名】井出 茂昭
(72)【発明者】
【氏名】深澤 聡
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 広明
(72)【発明者】
【氏名】加藤木 均
(72)【発明者】
【氏名】井出 康太
(57)【要約】
【課題】本発明は、外耳道を挿通させ鼓膜の外耳道側表面を刺激することにより、耳の不具合の軽減、耳の不具合が原因となる体の不具合の軽減、それら耳や体等の不具合が原因となるストレスの緩和・軽減などができる鼓膜刺激器具を提供する。
【解決手段】本発明の鼓膜刺激器具5は、弾性を有する棒状部11と、鼓膜刺激部13と、把持部15と、を備える外耳道挿通具1と、前記鼓膜刺激部13に密着し弾性を有する複数の凸状体33を備える薄膜シート3とを組み合わせてなる。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性を有する棒状部と、鼓膜刺激部と、把持部と、を備える外耳道挿通具であって、
前記棒状部の径は外耳道の内径より小さく、前記棒状部の長さは外耳道の入口から鼓膜までの長さより長く、
前記棒状部の一端には前記鼓膜刺激部を備え、
前記棒状部の他端には把持部を備える、
外耳道挿通具。
【請求項2】
請求項1に記載の鼓膜刺激部に密着する薄膜シートであって、
前記薄膜シートは、基板と、前記基盤の一方の面から起立する複数の凸状体を備え、
前記複数の凸状体は弾性を有し、
前記凸状体により鼓膜の外耳道側表面を刺激する薄膜シート。
【請求項3】
請求項1に記載の外耳道挿通具と請求項2に記載の薄膜シートとを組み合わせてなる鼓膜刺激器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は鼓膜を刺激することにより体の不具合を改善できる鼓膜刺激器具に関する。詳述すると、前記鼓膜刺激器具は、外耳道の入口より挿通する外耳道挿通具と複数の凸状体を備える薄膜体とを組み合わせてなるものである。
【背景技術】
【0002】
耳の不具合としては、難聴、耳鳴りなどがある。耳や鼓膜等の不具合からめまい、ふらつきなどの体の不具合が生じたりすることもある。また、それらの不具合からストレスが引き起こされたりするという問題がある。
【0003】
特許文献1には、所要磁界強度に着磁された磁石部材を内蔵させ、該磁石部材から耳内部の周辺に放射形成される磁場により、耳の各感覚器官部および付属組織等を刺激することで活性化を助長させ、該活性化に伴う影響で該当部分の磁気治療を図る耳部疾患治療補助具が開示されているが、磁力の調整が困難であり、効果が限定的であるという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-94615号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、外耳道を挿通させ鼓膜の外耳道側表面を刺激することにより、外耳、中耳、内耳などの耳の不具合の軽減、耳の不具合が原因となる体の不具合の軽減、それら耳や体等の不具合が原因となるストレスの緩和・軽減などができる鼓膜刺激器具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する本発明は次の内容のものである。
【0007】
外耳道挿通具は、
弾性を有する棒状部と、鼓膜刺激部と、把持部と、を備え、
前記棒状部の径は外耳道の内径より小さく、前記棒状部の長さは外耳道の入口から鼓膜までの長さより長く、
前記棒状部の一端には前記鼓膜刺激部を備え、
前記棒状部の他端には把持部を備える。
【0008】
前記鼓膜刺激部に密着する薄膜シートは、基板と、前記基盤の一方の面から起立する複数の凸状体を備え、
前記複数の凸状体は弾性を有し、
前記凸状体により鼓膜の外耳道側表面を刺激する。
【0009】
鼓膜刺激器具は、前記外耳道挿通具と前記薄膜シートとを組み合わせてなる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の鼓膜刺激器具は、外耳道挿通具の棒状部を外耳道に挿通させ、鼓膜刺激部に密着する薄膜シートの凸状体を鼓膜の外耳道側表面に接触させて刺激することにより、耳や鼓膜等の不具合の軽減、耳や鼓膜等の不具合が原因となる体の不具合の軽減、三叉神経支配領域が原因となる体の不具合の軽減、それら耳等や体等の不具合が原因となるストレスの緩和・軽減などの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の外耳道挿通具の一例を示す正面図である。
図2】本発明の外耳道挿通具の別の例を示す正面図である。
図3】本発明の外耳道挿通具の更に別の例を示す正面図である。
図4図1の平面図の一例である。
図5図2の平面図の一例である。
図6図3の平面図の一例である。
図7図1の右側面図の一例である。
図8図2の右側面図の一例である。
図9図3の右側面図の一例である。
図10】本発明の薄膜シートの一例を示す正面図である。
図11】本発明の薄膜シートの一例を示す背面図である。
図12】本発明の薄膜シートの一例を示す平面図である。
図13】本発明の薄膜シートの一例を示す拡大部分平面図である。
図14】本発明の鼓膜刺激器具の一例を示す正面図である。
図15】本発明の鼓膜刺激器具の一例を示す右側面図である。
図16】本発明の鼓膜刺激器具において、鼓膜刺激部に薄膜シートが密着した状態の一例を示す部分拡大正面図である。
図17】本発明の鼓膜刺激器具において、鼓膜刺激部に薄膜シートが密着した状態の一例を示す部分拡大断面図である。
図18】本発明の鼓膜刺激器具の使用状態の一例を示す参考図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態の例について図を参照しながら説明する。尚、本発明は、以下の形態の例に限定されるものではない。
【0013】
本発明の外耳道挿通具1は、弾性を有する棒状部11と、鼓膜刺激部13と、把持部15と、を備える。前記棒状部11の径は外耳道91より小さく、前記棒状部11の径は外耳道91の内径より小さく、前記棒状部11の長さは外耳道91の入口から鼓膜93までの長さより長い。前記棒状部11の一端には前記鼓膜刺激部13を備え、前記棒状部11の他端には把持部15を備える(図1~9)。
【0014】
一例として、前記棒状部11の径は約2mm~約3mm、棒状部11の長さは約50mm~約80mmとする。前記把持部15を把持して外耳道91に前記棒状部11を挿通させることにより、前記鼓膜刺激部13は鼓膜93の外耳道側表面931に接触するものとする(図18)。
【0015】
棒状部11は弾性を有すればその材質に特に限定はなく、外耳道91及び鼓膜931に接触しても、外耳道91及び鼓膜931等に炎症を生じさせない等、衛生的で安全に使用できるものが好ましい。一例として、合成樹脂、エラストマー、シリコーン等を用いる。鼓膜刺激部13は、一例として弾性を備えさせ、合成樹脂、エラストマー、シリコーン等を用いる。
【0016】
鼓膜刺激部13は、棒状部11の一端に備え、外耳道91に挿通可能な形状および大きさとする。鼓膜刺激部13は、一例として、端部131と側壁部133とを備えさせる。端部131の少なくとも一部は、鼓膜93の外耳道側表面931に接触可能な形状とし、一例として、略平面状、中央部が外方に膨らんだ形状とする。側壁部133の径は、外耳道91の内径より小さいものとする。一例として、鼓膜刺激部13は、略楕円級状、略半球状、略円柱状などとする(図1~6)。
【0017】
把持部15は、棒状部11を外耳道に挿通するために把持するものであって、指等で把持できる形状であれば、特に限定はない。一例として、把持部15には、把持しやすくするための透孔151を設ける(図1~6)。
【0018】
本発明の薄膜シート3は、外耳道挿通具11の鼓膜刺激部13に密着させるものである。薄膜シート3は、基板31と、基盤31の一方の面から起立する複数の凸状体33を備える。複数の凸状体33は弾性を有し、凸状体33により鼓膜93の外耳道側表面931を刺激する(図10~13)。
【0019】
一例として、基盤31の上面311から凸状体33の先端部331までの長さxは約500μm以上約1000μm以下とし、隣り合う前記凸状体33の先端部331は相互に間隔yを備える(図12、13)。
【0020】
一例として、凸状体33は、弾性を有するものであって、凸状体33は、鼓膜93及び外耳道91に接触するものとする。すなわち、凸状体33の先端部332は、鼓膜93及び外耳道91の表面から内部に侵入して刺さることのないものとする。一例として、凸状体33は合成樹脂、エラストマー、シリコーン等を用いる。また、一例として、外耳91及び鼓膜93等に接触しても、外耳道91及び鼓膜93等に炎症を生じさせない等、衛生的で安全に使用できるものとする。
【0021】
凸状体33の形状は特に限定はなく、一例として、正面視形状は略円形、略楕円形、略多角形等とし、平面視形状は略多角形、多角形の上部に略半楕円又は略半円が結合した形状、略多角形の両側辺が湾曲した形状等とし、基板31と接する面から先端部331に向かうにつれて細くなるよう形状等とする(図10~13)。
【0022】
隣り合う凸状体33の先端部331の相互の間隔yは特に限定はないが、一例として、約300μm以上約500μm以下とする。凸状体33の先端部331の径は特に限定はないが、一例として、約60μm以上約100μm以下とする(図13)。
【0023】
基板31の形状は特に限定はなく、鼓膜刺激部13に密着するものとする。一例として、略円形、略楕円形、略矩形等とする。基板31は、外耳91及び鼓膜93等に接触しても、外耳91及び鼓膜93等に炎症を生じさせない等、衛生的で安全に使用できるものであれば特に限定はない。一例として、弾性を備えさせて、合成樹脂、エラストマー、シリコーン等を用いる。一例として、基板31と凸状体33とは、一体に形成する。
【0024】
鼓膜刺激器具5は、外耳道挿通具1と薄膜シート3とを組み合わせてなる。外耳道挿通具1の鼓膜刺激部13の全体又は一部に薄膜シート3を密着させるものであって、少なくとも鼓膜刺激部13の端部131には薄膜シート3が密着するものとする(図14~17)。
【0025】
鼓膜刺激器具5は、外耳道挿通具1の把持部15を把持し、耳9の外側から外耳道91に棒状部11を挿通し、鼓膜刺激部13に密着する薄膜シート3の凸状体33により、鼓膜93の外耳道側表面931を刺激する。一例として、側壁部133に薄膜シート3を密着させ、凸状体33により外耳道91の表面を刺激する(図18)。
【0026】
鼓膜刺激部13に薄膜シート3を密着させる方法は、特に限定はない。一例として、薄膜シート3と鼓膜刺激部13とが密着する性質を有する素材を使用する。薄膜シート3をシリコーンとし鼓膜刺激部13をポリプロピレン等とすると、シリコーンとポリプロピレンは接着剤等を用いなくても接触させるだけで密着する。他の例としては、鼓膜刺激部13に爪部を儲け、そこに薄膜シート3を掛止するなどする。別の例としては、接着剤を用いるなどし、一例として、薄膜シート3の基盤31の下面313に接着層を設けるなどする。
【0027】
本発明の鼓膜刺激器具5は、外耳道挿通具1の棒状部11を外耳道91に挿通させ、鼓膜刺激部13に密着する薄膜シート3の凸状体33を鼓膜93の外耳道側表面931に接触させて刺激することにより、耳や鼓膜等の不具合の軽減、耳や鼓膜等の不具合が原因となる体の不具合の軽減ができる。鼓膜は三叉神経に近いことから、三叉神経の支配領域にも作用し、三叉神経系の不具合が原因となる体の不具合の軽減できる。そして、耳等や体等の不具合が原因となって生じるストレスを緩和・軽減する。
【符号の説明】
【0028】
1 外耳道挿通具
11 棒状部
13 鼓膜刺激部
131 端部
133 側壁部
15 把持部
151 透孔
3 薄膜シート
31 基板
311 上面
313 下面
33 凸状体
331 先端部
5 鼓膜刺激器具
9 耳
91 外耳道
93 鼓膜
931 外耳道側表面
95 耳介
97 中耳
長さ x
間隔 y
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18