(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023121174
(43)【公開日】2023-08-31
(54)【発明の名称】選別装置
(51)【国際特許分類】
B07B 13/04 20060101AFI20230824BHJP
B07B 13/08 20060101ALI20230824BHJP
【FI】
B07B13/04 D
B07B13/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022024349
(22)【出願日】2022-02-20
(71)【出願人】
【識別番号】000237466
【氏名又は名称】富士車輌株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100191189
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100199761
【弁理士】
【氏名又は名称】福屋 好泰
(74)【代理人】
【識別番号】100182121
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 紘子
(72)【発明者】
【氏名】望月 安久
【テーマコード(参考)】
4D021
【Fターム(参考)】
4D021JA01
4D021JA04
4D021JB10
4D021KA20
4D021KB01
4D021LA01
4D021NA10
(57)【要約】
【課題】投入物を長尺物と他の投入物とに選別することが可能な選別装置を提供する。
【解決手段】選別装置10は、長尺廃棄物を排出する排出口24に向かって廃棄物を搬送する搬送路22を含み搬送路22にはゴミ袋入り廃棄物を落下させるための落下口26A~26Dが排出口20よりも上流側に設けられる本体20と、各落下口26A~26Dに向かって上流側から搬送される長尺廃棄物を下流側の搬送路22に案内するとともに長尺廃棄物を案内するガイド位置よりも下方に変位可能に本体20に取り付けられたガイドプレート28とガイドプレート28をガイド位置の方に付勢する弾性バネSP1とを備え、ガイドプレート28はゴミ袋入り廃棄物が落下口26A~26Dに嵌まり込んだ場合にゴミ袋入り廃棄物に付勢されることにより下方に変位する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入物に含まれる長尺物を他の投入物と分離する選別装置であって、
前記長尺物を排出するための排出口に向かって前記投入物を搬送する搬送路を含み、前記搬送路には前記他の投入物を落下させるための落下口が前記排出口よりも上流側に設けられている本体と、
前記落下口に向かって上流側から搬送される前記長尺物を前記落下口よりも下流側の前記搬送路に案内する機能を有するとともに、前記長尺物を案内するガイド位置よりも下方に変位可能に前記本体に取り付けられるガイド部材と、
前記ガイド部材を前記ガイド位置の方に付勢する付勢部材と、
を備え、
前記ガイド部材は、前記他の投入物が前記落下口に嵌まり込んだ場合に前記他の投入物に付勢されることにより前記付勢部材の付勢力に抗して下方に変位することで前記他の投入物が前記落下口から落下するのを妨げないように構成される、
選別装置。
【請求項2】
前記ガイド部材は、上面視において前記落下口の下流側部分を覆うように前記本体に取り付けられている、
請求項1に記載の選別装置。
【請求項3】
前記ガイド部材は、上面視において前記落下口の上流側部分を覆うように前記本体に取り付けられている、
請求項1または2に記載の選別装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投入物を選別する選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、一般家庭や事業所から回収される廃棄物などの埋め立て処理および焼却処理を低減するため廃棄物を素材や燃料として再利用する取り組みがなされている。このような廃棄物の再利用を行うためには回収された廃棄物を、例えば、素材ごとに仕分ける必要がある。
【0003】
また、回収された廃棄物の中に、例えば、ゴミ袋入りのものや長尺のものなど異なる態様の廃棄物が混在している場合もあるが、このような異なる態様の廃棄物が混在した状態では廃棄物の仕分作業を効率よく行うことができない。このため、上記仕分作業を行う前に異なる態様の廃棄物ごとに選別する作業を行うことが望ましい。
【0004】
この点に関し、特許文献1には、原料の供給方向に互いに間隔を空けて延在する複数のロッドを備えたフィルターを振動篩機内に配置し、フィルター上に線状物と板状物とを含む原料を配置してフィルターに振動を与えることにより、線状物を篩い分けする線状物の除去(選別)装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載の選別装置では、選別対象物である板状物から線状物を取り除くことはできるものの、例えば、選別対象の廃棄物をゴミ袋など袋に収容された状態の廃棄物(他の投入物)と長尺の廃棄物(長尺物)とに選別することはできないという問題がある。
【0007】
本発明は、投入物を長尺物と他の投入物とに選別することが可能な選別装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の選別装置は、投入物に含まれる長尺物を他の投入物と分離する選別装置であって、長尺物を排出するための排出口に向かって投入物を搬送する搬送路を含み、搬送路には他の投入物を落下させるための落下口が排出口よりも上流側に設けられている本体と、落下口に向かって上流側から搬送される長尺物を落下口よりも下流側の搬送路に案内する機能を有するとともに、長尺物を案内するガイド位置よりも下方に変位可能に本体に取り付けられるガイド部材と、ガイド部材をガイド位置の方に付勢する付勢部材と、を備え、ガイド部材は、他の投入物が落下口に嵌まり込んだ場合に他の投入物に付勢されることにより付勢部材の付勢力に抗して下方に変位することで他の投入物が落下口から落下するのを妨げないよう構成されるものである。
【0009】
本発明の選別装置において、ガイド部材は、上面視において落下口の下流側部分を覆うように本体に取り付けられてもよい。
【0010】
また、本発明の選別装置において、ガイド部材は、上面視において落下口の上流側部分を覆うように本体に取り付けられてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の選別装置によれば、ガイド部材が落下口に向かって上流側から搬送される長尺物を落下口よりも下流側の搬送路に案内するとともに、他の投入物が落下口に嵌まり込んだ場合に嵌まり込んだ他の投入物に付勢されることにより下方に変位することで他の投入物が落下口から落下するのを妨げないように構成される。このため、ガイド部材によって落下口よりも下流側の搬送路に長尺物を案内しつつ他の投入物を落下口から落下させることができる。これにより、投入物を長尺物と他の投入物とに選別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態である選別装置の構成を示す平面図である。
【
図3】
図3(a)は、
図1に示す搬送路の落下口周辺の構成を示す部分拡大図である。
図3(b)は、
図3(a)に示すA―A線で切断したときの断面の構成を模式的に示す図である。
【
図4】
図4(a)は、長尺廃棄物の先端部がガイドプレート上面に当接したときの状態を模式的に示す図である。
図4(b)は、
図4(a)の状態からガイドプレートによって長尺物の先端部が搬送路下流側に案内されたときの状態を模式的に示す図である。
【
図5】
図5(a)および
図5(b)は、ゴミ袋入りの廃棄物が落下口にはまり込んだときのガイドプレートの動作を時間経過の順に模式的に示す図である。
【
図6】
図6(a)は、上記実施形態の変形例における搬送路の落下口周辺の構成を示す部分拡大図である。
図6(b)は、
図6(a)に示すB―B線で切断したときの断面の構成を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態である選別装置10について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態における選別装置10の上面側の構成を示す図である。
図2は、
図1に示す選別装置10の側面の構成を示す図である。
図2において、
図1に含まれるベルトコンベアの図示を省略している。以下の説明において、選別装置10の長手方向に略平行な水平方向を水平方向Xとし、選別装置の幅方向に略平行な水平方向を幅方向Yとし、上下方向を上下方向Zと適宜表記する。
【0014】
図1および
図2に示すように、選別装置10は、上流側に設置されたベルトコンベアCVを介して投入される一例として、ゴミ袋入りの廃棄物(以下、必要に応じて「袋入り廃棄物」と適宜表記する)や細長いプラスチック樹脂などの長尺の廃棄物(以下、必要に応じて「長尺廃棄物」と適宜表記する)、その他、細かな破砕片などの廃棄物を搬送しつつ選別する機能を有する。このベルトコンベアCVは、伸縮可能に構成されており、伸縮することにより実線で示す手前側の位置と破線で示す奥側の位置に廃棄物の投入位置を適宜変更しつつ廃棄物を搬入する役割を有する。これにより、選別装置10における廃棄物の選別処理を効率よく行うことができるようにしている。本実施形態では、袋入り廃棄物と長尺廃棄物と細かな破砕片とを選別する例を挙げて説明しているが、袋入り廃棄物と長尺廃棄物のみを選別するようにしてもよいし、袋入り廃棄物以外の他の態様の投入物と長尺廃棄物とを選別するようにしてもよい。
【0015】
一方、選別装置10は、所定の投入エリア21に投入される廃棄物を袋入り廃棄(他の投入)物と長尺廃棄物とに選別する機能を有する本体20と、本体20を支持する支持部30と、本体20を加振することにより本体20に投入された廃棄物を搬送方向Rに沿って移動させる役割を有する加振部42,44とを備える。
【0016】
本体20は、上面視において略長方形状の外観を有し、廃棄物を搬送する搬送路22が中央部を一端側から他端側に向かって横断するよう設けられている。この搬送路22は、本体20の一端側に設けられた投入エリア21に投入される廃棄物を他端側に設けられた排出口24に向かって搬送しつつ袋入り廃棄物と長尺廃棄物とにふるい分ける役割を有する。また、投入エリア21には、ほぼ全域に亘って小径の貫通孔H1,H2,H3,・・・,(以下、特に区別する必要が無い場合は適宜、貫通孔「H」と表記)が多数設けられている。これにより、投入された廃棄物に含まれる小さなサイズの廃棄物を貫通孔Hから下方にふるい落とすことができる。搬送路22の幅は、袋入り廃棄物が2つ並列状態で搬送方向Rに沿って搬送可能な長さに設定されている。
【0017】
また、
図1に示すように、搬送路22において投入エリア21と排出口24の間には、略同一の構成を具備する落下口26A,26B,26C,26Dが設けられている。各落下口26A~26Dは、上面視略四角形状の開口であり、袋入り廃棄物が嵌まり込んで下方に落下する大きさに形成され、手前側に落下口26A,26C、奥側に落下口26B,26Dが各々搬送方向Rに沿って設けられている。また、搬送方向Rにおける第1列目の2つの落下口26A,26Bの間の間隔と、搬送方向Rにおける第2列目の2つの落下口26C,26Dの間の間隔も同じ距離となるように設けられている。
【0018】
さらに、幅方向Yにおける1列目の落下口26A,26Bの位置と第2列目の落下口26C,26Dの位置は、距離αだけずれるように(オフセット)配置されている。このように第1列目の落下口26A,26Bと第2列目の落下口26C,26Dの位置を幅方向Yにおいて距離αだけずらすことにより、上流側から搬送されてくるゴミ袋入り廃棄物が搬送路22のどの位置を通過したとしてもいずれかの落下口26A~26Dから下方に落下しやすくしている。各落下口26A~26Dにおける周辺構成はほぼ同一であるため、以下の説明では主に落下口26Aの周辺構成について説明を行うとともに他の落下口26B~26Dの周辺構成については適宜説明を省略する。
【0019】
図3(a)は、落下口26Aの構成を示す部分拡大図である。
図3(b)は、
図3(a)に示すA―A線で切断したときの断面構成を模式的に示す図である。
図3(b)において、頻雑な図示となることを避けるため一部の断面図示を省略して示している。
図3(a)および
図3(b)に示すように、本体20の落下口26Aの直下流側に位置する搬送路22の路面22Sには固定金具BLがボルトを用いて固定されている。
【0020】
この固定金具BLの上流側端部BL-1は落下口26A内に嵌まり込むように折れ曲げられており、この上流側先端部BL―1にヒンジ27を介してガイドプレート(ガイド部材)28が取り付けられている。より具体的には、固定金具BLは、搬送路22に下流側端部BL-2を路面22Sに固定されており、反対側の上流側端部BL-1が搬送路22の路面22Sに対して角度βだけ下方に傾斜するように折り曲げられている。本実施形態では、一例として角度β=10度に設定されている。
【0021】
このガイドプレート28は、金属製の板材により構成される。そして、ガイドプレート28は、
図3(b)に実線で示す下流側端部BL-2と側面視において略直線状をなすガイド位置と
図3(b)に破線で示す下方位置との間で回転可能に支持される。また、このヒンジ27には、弾性バネ(付勢部材)SP1が取り付けられており、同バネSP1の弾性力によりガイドプレート28はガイド位置の方に付勢される。ガイドプレート28は、
図3(b)に実線で示すガイド位置にある状態で、上面視において落下口26Aの下流側約1/4~1/2の領域を覆う略長方形状の外観形状を有する。また、
図3(b)に実線で示すように搬送路22に対してガイドプレート28を角度βだけ傾斜させることにより、落下口26Aに嵌まり込みつつある長尺物の下流側先端部に対してガイドプレート28の上面が当接することとなる。これにより、長尺物を直下流側の搬送路22の路面22Sに案内することができる。
【0022】
この弾性バネSP1の弾性力は、ゴミ袋入り廃棄物が落下口26Aに嵌まり込んだときに同廃棄物に付勢されることによりガイドプレート28が下方に押し下げられる大きさの弾性力に設定される。これにより、ゴミ袋入り廃棄物が落下口26Aから落下するのを妨げないようにできる。
【0023】
また、
図3(a)および
図3(b)に示すように、搬送路22の裏面22L側には、落下口26Aの搬送方向Rに略平行をなす辺に沿うように規制板RB1,RB2を立設させるようにしてもよい。この規制板RB1,RB2は、側面視において略長方形状をなす板材であり、上述したガイドプレート28と落下口26Aの隙間から長尺廃棄物が落下口26Aに落下することを防ぐ機能を有する。これにより、長尺廃棄物が落下口26Aから落下するのをより確実に防ぐことができる。
【0024】
図1および
図2に示すように、支持部30は、本体20の両端側を各々支持する4つの脚部32A,32B,34A,34Bを有する。一端側に配置された脚部32A,32Bは、本体20の搬送路22が他端側に向かって下方に予め設定された角度だけ傾斜するように他端側に配置された脚部34A,34Bよりも全長が所定の長さだけ長くなるように設定してもよい。ここで、以下の説明において、各脚部32A,32B,34A,34Bの構成はほぼ同一であるため、脚部32Aについて主に説明を行うものとし、他の脚部32B,34A,34Bについては構成の共通する部分については適宜説明を省略し、構成の異なる部分についてのみ適宜説明を行うものとする。
【0025】
脚部32Aは、本体20との間には弾性バネ36A,36Bが介装されており、本体20を上下方向Zに変位可能な状態で支持している。これにより、後述する加振部42,44の加振力が本体20を介して脚部32Aに伝わるのを緩和している。
【0026】
図1に示すように、加振部42,44は、同一構成を備える加振装置であり、本体20の両側面に各々取り付けられている。重複説明を避けるため以下の説明では、加振部42,44のうち、主として加振部42について説明を行う。
図2に示すように、加振部42は、モータMによって内蔵するおもりが回転駆動されることにより本体20を、一例として、斜め上方、より具体的には、搬送方向Rの下流側上方に向かって繰り返し突き上げるような振動を発生させる機能を有する。これにより、本体20の搬送路22に投入された廃棄物を排出口24に向かって移動させることが可能となる。この加振部42には、例えば、ユーラステクノス株式会社製の「ユーラスバイブレータ」など公知のものを用いることができる。
【0027】
続いて、上述したガイドプレート28の動作について
図4(a)および
図4(b)を用いて説明を行う。
図4(a)および
図4(b)は、プラスチックなどの長尺廃棄物Wが上流側から落下口26Aに向かって送り出されてきたときのガイドプレート28の動作を模式的に示す図である。なお、
図4(a)および
図4(b)において、煩雑な図示となることを避けるため一部の断面図示を省略して示している。
図4(a)に示すように、ガイドプレート28は加振部42,44の加振によって本体20が振動するのに伴って実線で示すガイド位置と破線で示す下方位置との間で繰り返し回動(揺動)している。ガイド位置および下方位置のいずれの位置であっても搬送路22の路面22よりも低い位置に位置しているため、
図4(a)に示すように上流側の搬送路22から送り出されてくる長尺廃棄物Wの先端部が落下口26A側、すなわち、下方に垂れ下がった状態で搬送されてきた場合でも、長尺廃棄物Wの先端部がガイドプレート28の上面側に当接して下流側に案内されることとなる。そして、
図4(b)に示すように、長尺廃棄物Wの先端部はガイドプレート28、固定金具BL1の上流側端部BL-1の順に案内され下流側の搬送路22の路面22Sに誘導される。これにより、長尺廃棄物Wが落下口26Aを通過する際に同落下口26Aから落下してしまうのを防ぐことができる。
【0028】
次に、
図5(a)および
図5(b)を用いてゴミ袋入り廃棄物が落下口26Aを通過するときのガイドプレート28の動作について説明を行う。
図5(a)および
図5(b)は、ゴミ袋入り廃棄物PGが上流側から落下口26Aに向かって送り出されてきたときのガイドプレート28の動作を模式的に示す図である。なお、
図5(a)および
図5(b)において、煩雑な図示となることを避けるため一部の断面図示を省略して示している。
図5(a)に示すように、ゴミ袋入り廃棄物PGが落下口26Aを通過する場合、ゴミ袋入り廃棄物PGは上述した長尺廃棄物Wの先端部よりもガイドプレート28に対する付勢力が比較的大きい。このため、
図4(b)に示すように、ガイドプレート28は、弾性バネSP1の付勢力に抗してゴミ袋入り廃棄物PGの付勢力によって下方に回動する。これにより、ガイドプレート28に進路を妨げられることなくゴミ袋入り廃棄物PGを落下口26Aから下方に落下させることができる。
【0029】
本実施形態の選別装置10によれば、ガイドプレート28は搬送路22に設けられた落下口26A~26Dのいずれかに向かって搬送路22の上流側から搬送される長尺廃棄物Wを落下口26A~26Dよりも下流側の搬送路22に案内するとともに、ゴミ袋入り廃棄物PGが落下口26A~26Dのいずれかに嵌まり込んだ場合にゴミ袋入り廃棄物PGに付勢されることにより下方に変位することで落下口26A~26Dからゴミ袋入り廃棄物PGが落下するのを妨げないように構成される。このため、ガイドプレート28によって落下口26A~26Dよりも下流側の搬送路22を経て排出口24に長尺廃棄物Wを案内しつつゴミ袋入り廃棄物PGを落下口26A~26Dから落下させることができる。この結果、長尺廃棄物Wとゴミ袋入り廃棄物PGとを別々に選別することができる。
【0030】
上記実施形態では、落下口26Aの開口のうち下流側部分を上面視において覆うようにガイドプレート28を取り付ける例を挙げて説明しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、落下口26Aの開口の上流側部分を覆うようにさらにガイドプレート110を配置するものとしてもよい。この場合のガイドプレート110の構成について、
図6(a)および
図6(b)を用いて説明を行う。以下の説明においては、上記実施形態における選別装置10と構成の異なる部分について主に説明を行い、構成の共通する部分については適宜同一の符号を付して示すとともに適宜説明を省略する。
【0031】
図6(a)は、本変形例における落下口26A周辺の構成を示す部分拡大図である。
図6(b)は、
図6(a)に示すB-B線で切断したときの断面構成を模式的に示す図である。なお、
図6(b)において、煩雑な図示となることを避けるため一部の断面図示を省略して示している。
【0032】
図6(a)および
図6(b)に示すように、落下口26Aの上流側部分を覆うようにガイドプレート(ガイド部材)110が設けられている。このガイドプレート110は、搬送路22の裏面22Lに取り付けられたヒンジ112を介して回転可能に取り付けられている。ガイドプレート110は、ガイドプレート28とほぼ同一の構成を備え、上面視において、落下口26Aの上流側の1/2~1/4の領域を覆うように取り付けられている。また、
図6(b)に示すようにガイドプレート110の厚みtは、搬送路22の厚みよりも薄く形成され、搬送路22の表面側、換言すると、路面22S側に突き出さないように取り付けられている。これにより、上流側から送り出されてくる廃棄物がガイドプレート110に引っ掛かるのを防ぐことができる。
【0033】
また、ヒンジ112には、弾性バネSP1と同様の機能および構成を具備する弾性バネ(付勢部材)SP2が取り付けられている。弾性バネSP2の弾性力によって
図6(b)に実線で示す上方側のガイド位置にガイドプレート110が付勢される。この弾性バネSP2およびガイドプレート28を付勢する弾性バネSP1は、ゴミ袋入り廃棄物PG(
図5(a)および
図5(b)参照)が落下口26Aに嵌まり込むときに同廃棄物PGの付勢力によりガイドプレート28,110が下方に回動しゴミ袋入り廃棄物PGの落下を妨げない程度の弾性力を作用させる大きさに設定される。本変形のガイドプレート110を用いる場合においても、上記実施形態の選別装置10と同様に、長尺廃棄物W(
図4(a)および
図4(b)参照)を排出口24に案内しつつ各落下口26A~26Dからゴミ袋入り廃棄物PG(
図5(a)および
図5(b)参照)を落下させることができる。
【0034】
また、上記変形例では、ガイドプレート28とともにガイドプレート110を用いているが、ガイドプレート110のみを落下口26Aに取り付けるものとしてもよい。この場合においても、上記実施形態の選別装置10と同様の効果を得ることができる。
【0035】
上記実施形態では、ヒンジ27と弾性バネSP1を用いてガイドプレート28を弾性変形可能な状態で本体20の搬送路22に取り付ける例をあげているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ヒンジ27の代りに、弾性変形可能なゴムやプラスチック素材で構成された部材を搬送路22に取り付けて用いるようにしてもよい。この場合においても、ゴムやプラスチック素材で構成された部材を介してガイドプレート28を回転可能に支持することにより上記実施形態の選別装置10と同様の効果を得ることができる。
【0036】
また、上記実施形態では、落下口26A~26Dからゴミ袋入り廃棄物を落下させる例を挙げているが、ゴミ袋入り廃棄物に加えて、或いは、ゴミ袋入り廃棄物に代えて、例えば、プラスチック製容器を落下口26A~26Dから落下させるといったことも考えられる。この場合にも上記実施形態におけるゴミ袋入り廃棄物と同様に、ガイドプレート28に対する付勢力が長尺廃棄物と比較して大きければプラスチック製容器が26A~26Dに嵌まり込むときにガイドプレート28を下方に回転させることができるため落下口26A~26Dから落下させて選別することができる。
【0037】
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々なる改良、修正、又は変形を加えた態様でも実施できる。また、同一の作用又は効果が生じる範囲内で、何れかの発明特定事項を他の技術に置換した形態で実施しても良い。
【符号の説明】
【0038】
10 選別装置
20 本体
22 搬送路
26A,26B,26C,26D 落下口
27,112 ヒンジ
28,110 ガイドプレート(ガイド部材)
SP1,SP2 弾性バネ(付勢部材)
42,44 加振部
RB1,RB2 規制板