IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 積水化学工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-地盤調査方法 図1
  • 特開-地盤調査方法 図2
  • 特開-地盤調査方法 図3
  • 特開-地盤調査方法 図4
  • 特開-地盤調査方法 図5
  • 特開-地盤調査方法 図6
  • 特開-地盤調査方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023121185
(43)【公開日】2023-08-31
(54)【発明の名称】地盤調査方法
(51)【国際特許分類】
   E02D 1/02 20060101AFI20230824BHJP
   G01V 1/40 20060101ALI20230824BHJP
【FI】
E02D1/02
G01V1/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022024377
(22)【出願日】2022-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】二川 和貴
(72)【発明者】
【氏名】仁科 勇輝
【テーマコード(参考)】
2D043
2G105
【Fターム(参考)】
2D043AA03
2D043AB02
2D043AC01
2D043BB01
2G105AA02
2G105BB01
2G105DD02
2G105EE01
2G105LL03
2G105LL04
(57)【要約】
【課題】最小限の計測装置による効率的な地盤調査によって、即時に地盤の硬軟を判定することができるようになる地盤調査方法を提供する。
【解決手段】地盤の硬軟を調査する地盤調査方法である。そして、ロッドを地盤に貫入させるときに得られる貫入速度又はそれに相当する指標と地盤定数との関係が設定された判定データベースを予め準備する工程(ステップS1)と、調査対象地盤においてロッドの貫入時に稼働させる加振機を操作するとともに、ロッドが所定の貫入量に達するまでの経過時間を測定する工程(ステップS3,S4)と、貫入量及び経過時間と判定データベースとによって、調査対象地盤の硬軟を判定する工程(ステップS6)とを備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤の硬軟を調査する地盤調査方法であって、
ロッドを地盤に貫入させるときに得られる貫入速度又はそれに相当する指標と地盤定数との関係が設定された判定データベースを予め準備する工程と、
調査対象地盤において前記ロッドの貫入時に稼働させる加振機又は起振機を操作するとともに、前記ロッドが所定の貫入量に達するまでの経過時間を測定する工程と、
前記貫入量及び前記経過時間と前記判定データベースとによって、前記調査対象地盤の硬軟を判定する工程とを備えたことを特徴とする地盤調査方法。
【請求項2】
前記貫入量を、前記ロッドに予め設けられた単位長さ毎の区切り箇所に基づいて検知させることを特徴とする請求項1に記載の地盤調査方法。
【請求項3】
前記貫入量を、変位計によって検知させることを特徴とする請求項1に記載の地盤調査方法。
【請求項4】
前記貫入量を、サンプリング周期の短い動的な記録装置によって記録することを特徴とする請求項1に記載の地盤調査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不同沈下が起きるか否かなどの地盤の硬軟を調査する地盤調査方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地盤上に住宅などの建物を建てる際には、建物の重量を支持できるだけの地耐力(支持力)があるか否かを調査することに加えて、不同沈下によって被害を受ける地盤でないかどうかを調査する必要がある。また、地震によって被害を受ける地盤でないかどうかを調査することが望ましい。
【0003】
例えば、特許文献1には、加振機を用いてケーシングを貫入することにより、地盤の液状化判定と支持性能の評価とを行うことができる、対象地盤を調査する地盤調査装置及び地盤調査方法が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、特許文献1に対してスウェーデン式サウンディング試験機などを利用して、貫入量を測定する変位計や、貫入させるロッドにひずみゲージを備える手法が開示されている。これらの方法では、たとえば荷重と貫入量との関係から地盤の剛性に関わるインデックスを得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-17112号公報
【特許文献2】特開2019-178490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記した地盤調査装置などのように、複数の計測装置を使用したり高精度な計器が必要になったりすると、コストや故障のリスクが増えるとともに、最終的なインデックスを得るためのデータの処理などに費用がかかるようになる。
【0007】
そこで、本発明は、最小限の計測装置による効率的な地盤調査によって、即時に地盤の硬軟を判定することができるようになる地盤調査方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明の地盤調査方法は、地盤の硬軟を調査する地盤調査方法であって、ロッドを地盤に貫入させるときに得られる貫入速度又はそれに相当する指標と地盤定数との関係が設定された判定データベースを予め準備する工程と、調査対象地盤において前記ロッドの貫入時に稼働させる加振機又は起振機を操作するとともに、前記ロッドが所定の貫入量に達するまでの経過時間を測定する工程と、前記貫入量及び前記経過時間と前記判定データベースとによって、前記調査対象地盤の硬軟を判定する工程とを備えたことを特徴とする。
【0009】
ここで、前記貫入量を、前記ロッドに予め設けられた単位長さ毎の区切り箇所に基づいて検知させることができる。また、前記貫入量を、変位計によって検知させることもできる。さらに、前記貫入量を、サンプリング周期の短い動的な記録装置によって記録することもできる。
【発明の効果】
【0010】
このように構成された本発明の地盤調査方法は、既往の貫入速度に関わる指標と地盤定数との関係に基づいて設定された判定データベースを、予め準備しておく。そのうえで調査対象地盤において地盤調査を行う。
【0011】
そして、地盤調査によって得られた、貫入量ごとに要した経過時間と判定データベースとによって、地盤の各層などの貫入させた範囲の地盤の硬軟を判定する。
【0012】
このため、特別な計測装置を設けない、あるいは必要最低限の計測装置による地盤調査によって、地盤の硬軟を直ちに判定することができる。すなわち、従来の手法と異なり、調査で得られたインデックスに対して、特別な解析の処理が不要となり、現場で即時に判定することも可能になるので効率的である。
【0013】
また、ロッドに単位長さ毎に区切り箇所が設けられていれば、その区切り箇所を検知させることで、区間ごとに経過時間を確認することが簡単にできるようになる。さらに、変位計を利用することで、さらに細かい単位で地盤の硬軟の判定を行うことができるようになる。
【0014】
また、貫入量を、サンプリング周期の短い動的な記録装置によって記録するのであれば、調査対象地盤が軟弱地盤であっても、地盤の硬軟の判定を、現場で即時に行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施の形態の地盤調査方法の処理の流れを説明するフローチャートである。
図2】判定データベースを可視化して例示した説明図である。
図3】地盤調査装置の構成及びそれを使用して行われる地盤調査状況を例示した説明図である。
図4】実施例1の地盤調査装置の構成を示した説明図である。
図5】実施例1の地盤調査結果を例示した説明図である。
図6】実施例2の地盤調査装置の構成を示した説明図である。
図7】実施例2の地盤調査結果を例示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本実施の形態の地盤調査方法は、住宅などの建物を建設する調査対象地盤に対して適用される。調査対象地盤に対しては、通常は、1地点又は複数地点において、直接、貫入試験などの地盤調査が行われる。
【0017】
貫入試験には、例えば標準貫入試験のように、対象層までボーリングによる掘削を行い、当該層に対して錘を落下させ、一定の貫入量を得るまでの回数(N値)でその地層の硬軟を評価する動的貫入試験がある。
【0018】
また、スウェーデン式サウンディング試験のように、ロッドに錘を載荷したときの沈下の有無や回転貫入させたときの抵抗度合いから、間接的に当該層の支持性能を評価する静的貫入試験などがある。
【0019】
ここで、ボーリングやスウェーデン式サウンディング試験の貫入試験機に加振機を取り付けて、調査対象となる地層を動的に打撃する機構とした場合、地盤を破壊しながら掘進していくことになるので、強度と関係性がある指標(インデックス)を得ることができる。
【0020】
本実施の形態の地盤調査方法では、図2に可視化して例示したように、強度に関わる地盤定数の1つである標準貫入試験のN値や、標準貫入試験のN値とスウェーデン式サウンディング試験の貫入抵抗値の関係から求められる換算N値と、貫入速度又はそれに相当する指標との関係性が設定された判定データベースを予め準備しておく。
【0021】
詳細には、図2(a)は、横軸の「N値」と、縦軸の「1m貫入するのに要した時間(秒)」との関係性が設定された判定データベースである。「1m貫入するのに要した時間(秒)」は、貫入速度に換算することもできるので、貫入速度に相当する指標である。
【0022】
同様に、図2(b)は、横軸の「N値」と、縦軸の「20cm貫入するのに要した時間(秒)」との関係性が設定された判定データベースである。そして、図2(c)は、横軸の「N値」と、縦軸の「1cm貫入するのに要した時間(秒)」との関係性が設定された判定データベースである。
【0023】
以下、図3を参照しながら、本実施の形態の地盤調査方法で使用する地盤調査装置1の構成を説明する。この地盤調査装置1は、住宅などの建物を建設する調査対象地盤(対象地盤G)に対して、直接、適用される。すなわち、建物の建設現場における現地踏査、その建設現場に関する資料調査、対象地盤Gの1地点又は複数地点に対して、後述する試験などが実施される。
【0024】
図3に例示したスウェーデン式サウンディング試験(SWS試験)の貫入試験機2は、ベースマシン21と、ロッド22と、ロッド22の先端に取り付けられるスクリューポイント23とによって主に構成される。ベースマシン21は、小規模建築物の地盤調査で実績があるスウェーデン式サウンディング試験機である。
【0025】
ロッド22は、1mや50cmの単位ロッド221を連結して構成される。すなわち地盤調査は、単位ロッド221を継ぎ足しながら進められる。そして、貫入試験機2に加振機3を取り付けて打撃を加えることで、スウェーデン式サウンディング試験よりも効率的に地盤の硬軟を評価することができるようになる。
【0026】
本実施の形態の地盤調査方法では、先端にスクリューポイント23を取り付けたロッド22を、1mごとに継ぎ足しながら貫入させていく。加振機3は、スイッチ31により操作することで、起動と停止といった稼動を制御することができる。
【0027】
スイッチ31を入れて加振機3を起動するとロッド22の貫入が開始され、所定の貫入量(単位ロッド221の長さ1m)に到達した完了時に、スイッチ31を切って加振機3を停止させる。この際に、貫入の開始から完了までの経過時間を確認し、図2(a)に例示した判定データベースに当てはめることによって、1m平均の地盤の強度(N値)を確認することができる。
【0028】
次に、本実施の形態の地盤調査方法について説明する。
図1の地盤調査方法の処理の流れを説明するフローチャートに示したように、ステップS1では、判定データベースを作成する。
【0029】
判定データベースを作成するための基礎となるデータは、それまでに蓄積されてきた既存の地盤調査結果や、文献などから得られる地盤データなどを利用することができる。また、地盤調査装置1を使って、様々な土質の地盤に対して予備試験を行い、その調査結果から予め判定データベースを作成しておくこともできる。すなわち、この判定データベースの基になるデータは、調査対象地盤の地盤調査結果ではない。
【0030】
続いてステップS2では、実際に住宅を建設する調査対象地盤において、地盤調査を行う。地盤調査は、例えば上述した地盤調査装置1を使って行われる。すなわち、図3に示すように、調査対象地盤となる対象地盤Gに対して、経過時間の計測を行いながら加振機3による打撃の付与が続けられる(ステップS3)。
【0031】
加振機3によって最上部の単位ロッド221の上端が打撃されると、その荷重はロッド22を伝達して、先端のスクリューポイント23が対象地盤Gからの抵抗を受けながら推進していくことになる。
【0032】
そこで、加振機3を起動して貫入が開始された時刻(図3の左図参照)から、単位ロッド221の全長が貫入されるまでの時刻(図3の右図参照)までの時間を測定する。要するに単位ロッド221の長さ1mを所定の貫入量にして、単位ロッド221の全長の貫入が完了した時点で、スイッチ31を操作して加振機3を停止させる(ステップS4)。
【0033】
こうした地盤調査装置1による地盤調査の結果(貫入量と経過時間)に基づいて、ステップS5では、地盤定数との関係性を確認する。要するに、図2(a)に示した判定データベースとの比較を行う。
【0034】
そして、ステップS6では、図2(a)の判定データベースに経過時間を当てはめることで得られたN値に基づいて、対象地盤Gの各層の地盤の硬軟の判定を行う。
【0035】
次に、本実施の形態の地盤調査方法の作用について説明する。
このように構成された本実施の形態の地盤調査方法では、既往の貫入速度に関わる指標と地盤定数との関係に基づいて設定された判定データベースを、予め準備しておく。そのうえで調査対象地盤において地盤調査を行う。
【0036】
そして、対象地盤Gに加振機3の打撃によってロッド22を貫入させる地盤調査で得られた、貫入量ごとに要した経過時間と判定データベースとに基づいて、地盤の各層などの貫入させた範囲の地盤の硬軟を判定する。
【0037】
このため、高精度の計器など特別な計測装置を設けない、あるいは必要最低限の計測装置による地盤調査によって、地盤の硬軟を直ちに判定することができる。すなわち、従来の手法と異なり、調査で得られた貫入速度に関するインデックス(所定の貫入量に要する経過時間など)に対して、特別な解析処理などが不要となり、現場で即時に判定することも可能になるので効率的である。
【実施例0038】
以下、前記した実施の形態の地盤調査方法とは別の実施形態について、図4図5を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語又は同一符号を付して説明する。
【0039】
図4は、実施例1の地盤調査装置1Aの構成を示した説明図である。実施例1の地盤調査装置1Aの貫入試験機2に取り付けられたロッドは、複数の区切り箇所41が設けられた加工ロッド4である。
【0040】
詳細には、加工ロッド4には、軸方向に20cm毎に、円柱状の軸部を1周する凹溝が区切り箇所41として設けられている。要するに、1mの単位ロッドに対して、20cmという単位長さ毎に区切りが設けられている。
【0041】
こうした加工ロッド4を使用して地盤調査を行う場合は、加振機3の起動させて貫入を開始した後に、20cm毎の区切り箇所41で加振機3の稼働を停止させて、それぞれの区間にかかった時間を確認することになる。
【0042】
また、地盤調査装置1Aには、区切り箇所41を検知させるための検知装置5を設けることもできる。例えば、加工ロッド4を打撃した際の衝撃力を受けにくい貫入試験機2の台座部24に、物理的な機構や最小限の光学的な計測器によって区切り箇所41を検知することが可能な検知装置5を取り付ける。例えば、検知装置5の検知信号によって、加振機3が自動的に停止するようにしておくことができる。
【0043】
図5は、加工ロッド4が取り付けられた地盤調査装置1Aによって行われた、実施例1の地盤調査方法による地盤調査結果を例示した説明図である。この例では、区切り箇所41毎に加振機3を停止させるのではなく、経過時間の記録に、検知装置5によって発生させた区切り検知の信号を記録した結果となっている。
【0044】
図5に凸状の区切り検知信号が現れている箇所が、区切り箇所41を通過した時刻であって、それぞれ貫入量が20cm、40cm、60cm、80cm、100cmに至るまでの区間ごとの経過時間を算出することができる。
【0045】
算出された区間ごとの経過時間は、図2(b)に示した判定データベースと比較を行い、経過時間の当てはめによって得られたN値が、その区間の地盤(地層)の硬軟の程度を示す判定結果となる。
【0046】
要するに、貫入量は、対象地盤Gの深度によって特定できる地層に対応させることができ、区間の経過時間が短い地層は、N値が小さい軟らかい地盤であり、区間の経過時間が長くなった地層は、N値が大きい硬い地盤であると判定できる。
【0047】
このような実施例1の地盤調査方法であれば、対象地盤Gの20cm平均の地盤の強度(N値)を、高精度の計器などを使わなくても確認することができる。すなわち、加工ロッド4のように20cm毎に区切り箇所41が設けられたロッドを使用することで、区間ごとの経過時間を確認することが、簡単にできるようになる。また、区切り箇所41を検知させる検知装置5を組み合わせることで、効率的に地盤調査を実施することができるようになる。
【0048】
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
【実施例0049】
以下、前記した実施の形態及び実施例1の地盤調査方法とは別の実施形態について、図6図7を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態又は実施例1で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語又は同一符号を付して説明する。
【0050】
図6は、実施例2の地盤調査装置1Bの構成を示した説明図である。実施例2の地盤調査装置1Bの貫入試験機2には、最小限の簡易なポテンショメータ式の変位計6が取り付けられている。
【0051】
詳細には、ロッド22を打撃した際の衝撃力を受けにくい貫入試験機2の台座部24に、ポテンショメータ式の変位計6を設置し、ロッド22の貫入に伴って降下するベースマシン21のステージに、変位計6から引き出されたワイヤ61の上端を連結する。
【0052】
このように変位計6を設置することで、例えば1cm毎の貫入量を、変位計6による計測によって検知させることができる。そして、1cm毎の貫入に要した時間を記録していくことで、対象地盤Gの1cm平均の、深さ方向にほぼ連続的な地盤の強度(N値)を確認することができる。
【0053】
図7は、変位計6が設置された地盤調査装置1Bによって行われた、実施例2の地盤調査方法による地盤調査結果を、一覧表形式で例示した説明図である。この図を見ると分かるように、貫入量1cm毎に測定された経過時間から、区間ごとに経過時間を算出することができる。
【0054】
そして、算出された区間ごとの経過時間を、図2(c)に示した判定データベースと比較し、経過時間の当てはめによって得られたN値を、その区間の地盤(地層)の硬軟の程度を示す判定結果とすることができる。
【0055】
このような実施例2の地盤調査方法であれば、1mの単位ロッドの長さという単位よりも、さらに細かい単位(例えば1cm)で、地盤の硬軟の判定を、現場で即時に行うことができるようになる。
【0056】
この場合、貫入抵抗がほとんど無い、落下に近い速さでロッド22が貫入されていく軟弱地盤を想定した場合でも、たとえばサンプリング周期が1000分の1秒以下の動的な記録装置を用いれば、充分に判定を行うことができるようになる。
【0057】
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
【0058】
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態又は実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0059】
例えば、前記実施の形態及び実施例では、調査対象地盤の地盤調査を、スウェーデン式サウンディング試験の貫入試験機2に加振機3を取り付けて実施する場合について説明したが、これに限定されるものではない。
【0060】
例えば、ロッド22を振動で貫入させる起振機と、当該起振機と地表面との間の距離を測定するレーザー変位計とを使用して、調査対象地盤の地盤調査を行うこともできる。要するに調査対象地盤の地盤調査は、直接的にロッドで地盤を打撃し、所定の貫入量に達するのに要する時間から、地盤の強度(硬軟)を確認する手法であればよい。
【符号の説明】
【0061】
G :対象地盤(調査対象地盤)
1 :地盤調査装置
22 :ロッド
3 :加振機
1A :地盤調査装置
4 :加工ロッド(ロッド)
41 :区切り箇所
5 :検知装置
1B :地盤調査装置
6 :変位計
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7