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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023121190
(43)【公開日】2023-08-31
(54)【発明の名称】子守帯および携帯用子守帯
(51)【国際特許分類】
   A47D 13/02 20060101AFI20230824BHJP
   A45F 3/04 20060101ALI20230824BHJP
【FI】
A47D13/02
A45F3/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022024383
(22)【出願日】2022-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】393000733
【氏名又は名称】フミオ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129104
【弁理士】
【氏名又は名称】舩曵 崇章
(72)【発明者】
【氏名】大友 隆
【テーマコード(参考)】
2E181
【Fターム(参考)】
2E181AA07
2E181BA04
2E181BD02
(57)【要約】
【課題】使用時にはクッション性を確保することが可能でありながらも、不使用時にはコンパクトに収納することができて持ち運びしやすい子守帯などを提供する。
【解決手段】乳幼児を収容し保持するための子守帯1であって、乳幼児の収容部を構成する子守帯本体2と、着用者の肩にかける左右一対の肩ベルト3と、この肩ベルト3にクッション性を付与する肩クッション3Bと、を備えており、前記肩クッション3Bが前記肩ベルト3に着脱するように構成した、子守帯1とした。このとき、肩ベルト3は、表生地31と、この表生地31の下側に位置する裏生地32と、を有し、前記表生地31と前記裏生地32は、左右方向の一方端部で連続するとともに、左右方向の他方端部が解放されて開口部30を形成しており、前記表生地31と前記裏生地32の間に前記開口部30から肩クッション3Bを入れ出しすることで、肩クッション3Bが肩ベルト3に着脱するように構成することができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳幼児などを収容し保持するための子守帯であって、
乳幼児などの収容部を構成する子守帯本体と、
着用者の肩にかける左右一対の肩ベルトと、
この肩ベルトにクッション性を付与する肩クッションと、を備えており、
前記肩クッションが前記肩ベルトに着脱するように構成した、
子守帯。
【請求項2】
肩ベルトは、
表生地と、
この表生地の下側に位置する裏生地と、を有し、
前記表生地と前記裏生地は、左右方向の一方端部で連続するとともに、左右方向の他方端部が解放されて開口部を形成しており、
前記表生地と前記裏生地の間に前記開口部から肩クッションを入れ出しすることで、肩クッションが肩ベルトに着脱するように構成した、
請求項1に記載の子守帯。
【請求項3】
肩ベルトは、
裏生地の左右方向の他方端部から延びるとともに表生地の表面側に折り返される折り返し片と、
この折り返し片を表生地の表面に着脱自在に係止する係止手段と、をさらに有している、
請求項2に記載の子守帯。
【請求項4】
肩ベルトは、
表生地の裏側の前後両端部にそれぞれ設けられて肩クッションの前後両端部をそれぞれ支持する前後の肩クッション支持部を、さらに有している、
請求項2又は請求項3に記載の子守帯。
【請求項5】
着用者の胴体部に装着する胴ベルトと、
この胴ベルトにクッション性を付与する胴クッションと、をさらに備えており、
前記胴クッションが前記胴ベルトに着脱するように構成した、
請求項1~4のいずれか1項に記載の子守帯。
【請求項6】
胴ベルトは、
表生地と、
この表生地の裏側に位置する裏生地と、を有し、
前記表生地と前記裏生地は、上下方向の一方端部で連続するとともに、上下方向の他方端部が解放されて開口部を形成しており、
前記表生地と前記裏生地の間に前記開口部から胴クッションを入れ出しすることで、胴クッションが胴ベルトに着脱するように構成した、
請求項5に記載の子守帯。
【請求項7】
胴ベルトは、
裏生地の他方端部から延びるとともに表生地の表面側に折り返される折り返し片と、
この折り返し片を表生地の表面に着脱自在に係止する係止手段と、をさらに有している、
請求項6に記載の子守帯。
【請求項8】
裏生地は、左右方向の概ね中央部で左右に分割されており、
折り返し片は、左右に分割された裏生地の他方端部からそれぞれ延びるとともに表生地の表面側にそれぞれ折り返され、
係止手段は、左右に分割された裏生地の他方端部からそれぞれ延びる折り返し片を、表生地の表面にそれぞれ着脱自在に係止する、
請求項7に記載の子守帯。
【請求項9】
胴ベルトは、
表生地の裏側の左右両端部にそれぞれ設けられて胴クッションの左右両端部をそれぞれ支持する左右の胴クッション支持部を、さらに有している、
請求項6~8のいずれか1項に記載の子守帯。
【請求項10】
子守帯本体の底面部にクッション性を付与する底クッション、をさらに備えており、
前記底クッションが子守帯本体の底面部に着脱するように構成した、
請求項1~9のいずれか1項に記載の子守帯。
【請求項11】
子守帯本体の底面部は、
内生地と、
この内生地の下側に位置する外生地と、
前記内生地と前記外生地の間に底クッションを入れ出しする開口部と、を有し、
前記内生地と前記外生地の間に前記開口部から底クッションを入れ出しすることで、子守帯本体の底面部に底クッションが着脱するように構成した、
請求項1~10のいずれか1項に記載の子守帯。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の子守帯と、
この子守帯を収納する収納袋と、を備えた、
携帯用子守帯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抱っこ紐やおんぶ紐などの子守帯および携帯用子守帯に関する。
【背景技術】
【0002】
乳幼児などを保持するための抱っこ紐やおんぶ紐などの子守帯が知られている。このような子守帯は、通常、乳幼児などの収容部を構成する子守帯本体と、着用者の肩にかける左右一対の肩ベルトを備えている。
【0003】
例えば、特許文献1には「乳幼児の胴部を包み込む子守帯本体と、前記子守帯本体の両端部に連結され、乳幼児を担ぐ者の肩に掛けられる肩ベルトと、前記子守帯本体の下端部に連結され、乳幼児を担ぐ者の腰に装着される腰ベルトと、前記腰ベルトに設けられ、乳幼児を担ぐ者の腰に当接する腰パッドとを備え、前記腰パッドは、乳幼児を担ぐ者の背骨に沿って上下方向に延び、背骨を挟むように背骨と直行する幅方向に間隔をあけて設けられた一対の第1芯材を含む、子守帯。」が記載され、これによって、「乳幼児を担ぐ者の腰への負担を軽減することが可能な子守帯を提供することができる。」とある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021‐141970号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されているような従来の子守帯は、装着時の快適性を向上させるなどの目的で、通常、クッション材が使用されている。例えば、肩ベルトや腰ベルト(胴ベルト)にクッション材を内包させて装着者の快適性を向上させたり、子守帯本体の底面部(座面)にクッション材を内包させて乳幼児の快適性を向上させたりすることが行われていた。
【0006】
一方、よちよち歩きが始まって抱っこしたり降ろしたりを繰り返す時期や、ベビーカーの使用頻度が高いときなど、子守帯の持ち歩き(携帯)が必要な場合があり、できるだけコンパクトに収納できて持ち運びが簡単な子守帯のニーズがあった。
【0007】
しかしながら、装着時の快適性を向上させるため肩ベルトなどにクッション材を用いた場合、かさばるとともに折り曲げにくくなってしまい、子守帯をコンパクトに収納しにくくなっていた。
【0008】
本発明は、上述の事柄に留意してなされたものであって、使用時にはクッション性を確保することが可能でありながらも、不使用時にはコンパクトに収納することができて持ち運びしやすい子守帯などに関する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、乳幼児などを収容し保持するための子守帯であって、 乳幼児などの収容部を構成する子守帯本体と、着用者の肩にかける左右一対の肩ベルトと、この肩ベルトにクッション性を付与する肩クッションと、を備えており、前記肩クッションが前記肩ベルトに着脱するように構成した、子守帯とした。
ここで、子守帯には、抱っこ紐やおんぶ紐が含まれる。また、肩クッションには、クッション性を有する材料、例えば、発泡ゴムや発泡ウレタンなどの発泡樹脂のほか、タオルや手ぬぐいなども含まれる(後述する胴クッションや底クッションも同様)。
【0010】
この子守帯は、肩ベルトに肩クッションが着脱するように構成したことで、子守帯の使用時には肩ベルトにクッション材を取り付けてクッション性を確保することができる一方で、子守帯の収納時にはクッション材を取り出すことによって、子守帯をコンパクトに収納することができる。
【0011】
肩ベルトは、表生地と、この表生地の下側に位置する裏生地と、を有し、前記表生地と前記裏生地は、左右方向の一方端部で連続するとともに、左右方向の他方端部が解放されて開口部を形成しており、前記表生地と前記裏生地の間に前記開口部から肩クッションを入れ出しすることで、肩クッションが肩ベルトに着脱するように構成した、子守帯とすることができる。
【0012】
この子守帯は、肩クッションを表生地と裏生地の間に入れ出しすることができるため、肩クッションが外れにくく、また、長期間の使用において肩クッションが痛みにくい。
また、乳幼児と過ごす親は、一般的に、タオルを持ち歩いている。そこで、子守帯の使用時には肩ベルトの表生地と裏生地の間に肩クッションとしてのタオルを取り付けてクッション性を確保することもできる。
【0013】
肩ベルトは、裏生地の左右方向の他方端部から延びるとともに表生地の表面側に折り返される折り返し片と、この折り返し片を表生地の表面に着脱自在に係止する係止手段と、をさらに有している、子守帯とすることもできる。係止手段としては、例えば、折り返し片と表生地に割り振って設けた面テープを用いることができる。
【0014】
この子守帯は、肩クッションをしっかりと取り付けることができる。
【0015】
肩ベルトは、表生地の裏側の前後両端部にそれぞれ設けられて肩クッションの前後両端部をそれぞれ支持する前後の肩クッション支持部を、さらに有している、子守帯とすることもできる。肩クッション支持部で肩クッションを支持し、表生地と裏生地の間に肩クッションを挟み込んだ状態で開口部を閉じることで、肩ベルトに肩クッションを取り付けることができるのである。
【0016】
この子守帯は、より一層、肩クッションをしっかりと取り付けることができる。
【0017】
着用者の胴体部に装着する胴ベルトと、この胴ベルトにクッション性を付与する胴クッションと、をさらに備えており、 前記胴クッションが前記胴ベルトに着脱するように構成した、子守帯とすることもできる。
【0018】
この子守帯は、胴ベルトに胴クッションが着脱するように構成したことで、子守帯の使用時には胴ベルトに胴クッションを取り付けてクッション性を確保することができる一方で、子守帯の収納時には胴クッション材を取り外すことによってコンパクトに収納することができる。
【0019】
胴ベルトは、表生地と、この表生地の裏側に位置する裏生地と、を有し、前記表生地と前記裏生地は、上下方向の一方端部で連続するとともに、上下方向の他方端部が解放されて開口部を形成しており、前記表生地と前記裏生地の間に前記開口部から胴クッションを入れ出しすることで、胴クッションが胴ベルトに着脱するように構成した、子守帯とすることができる。
【0020】
この子守帯は、胴クッションを表生地と裏生地の間に入れ出しすることができるため、胴クッションが外れにくく、また、長期間の使用において胴クッションが痛みにくい。また、子守帯の使用時には胴ベルトに胴クッションとしてのタオルを取り付けてクッション性を確保することもできる。
【0021】
胴ベルトは、裏生地の他方端部から延びるとともに表生地の表面側に折り返される折り返し片と、この折り返し片を表生地の表面に着脱自在に係止する係止手段と、をさらに有している、子守帯とすることもできる。係止手段としては、例えば、折り返し片と表生地に割り振って設けた面テープを用いることができる。
【0022】
この子守帯は、胴クッションをしっかりと取り付けることができる。
【0023】
裏生地は、左右方向の概ね中央部で左右に分割されており、折り返し片は、左右に分割された裏生地の他方端部からそれぞれ延びるとともに表生地の表面側にそれぞれ折り返され、係止手段は、左右に分割された裏生地の他方端部からそれぞれ延びる折り返し片を、表生地の表面にそれぞれ着脱自在に係止する、子守帯とすることもできる。
【0024】
この子守帯は、表生地と裏生地の間に胴クッションを入れ出ししやすくなるとともに、胴クッションをしっかりと取り付けることができる。
【0025】
胴ベルトは、表生地の裏側の左右両端部にそれぞれ設けられて胴クッションの左右両端部をそれぞれ支持する左右の胴クッション支持部を、さらに有している、子守帯とすることもできる。
【0026】
この子守帯は、より一層、胴クッションをしっかりと取り付けることができる。
【0027】
子守帯本体の底面部にクッション性を付与する、底クッション、をさらに備えており、
前記底クッションが子守帯本体の底面部に着脱するように構成した、子守帯とすることもできる。
【0028】
この子守帯は、子守帯本体の底面部に底クッションが着脱するように構成されていることで、子守帯の使用時には子守帯本体の底面部に底クッションを取り付けてクッション性を確保することができる一方で、子守帯の収納時には底クッション材を取り外すことによってコンパクトに収納することができる。
【0029】
子守帯本体の底面部は、内生地と、この内生地の下側に位置する外生地と、前記内生地と前記外生地の間に底クッションを入れ出しする開口部と、を有し、前記内生地と前記外生地の間に前記開口部から底クッションを入れ出しすることで、子守帯本体の底面部に底クッションが着脱するように構成した、子守帯とすることもできる。
【0030】
この子守帯は、底クッションを内生地と外生地の間に入れ出しすることができるため、底クッションが外れにくく、また、長期間の使用においても、底クッションが痛みにくい。
【0031】
また、上記いずれかに記載の子守帯と、この子守帯を収納する収納袋と、を備えた、携帯用子守帯によっても、前記課題は解決される。さらに、乳幼児を収容し保持するための子守帯であって、前記子守帯にクッション性を付与するクッションを備えており、前記クッションが着脱するように構成した子守帯によっても、前記課題は解決される。
【発明の効果】
【0032】
本発明により、使用時にはクッション性を確保することが可能でありながらも、不使用時にはコンパクトに収納することができて持ち運びしやすい子守帯などを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】子守帯を装着した状態を例示する前方斜視図(写真)である。
図2】子守帯を装着した状態を例示する後方斜視図(写真)である。
図3図1において左側の肩ベルトの開口部を開けた状態を例示する拡大前方斜視図(写真)である。
図4図3の子守帯を取り外して開口部を開けた肩ベルトを裏生地側から見た状態を例示する拡大図(写真)である。
図5】胴ベルトの開口部を開けた状態の子守帯を例示する部分正面図(写真)である。
図6図5の胴ベルトの開口部を大きく開いた状態を斜め下方から見た状態を例示する部分拡大下方斜視図(写真)である。
図7図5の背面図(写真)である。
図8図7において、左側の裏生地を持ち上げた状態を例示する背面図(写真)である。
図9】子守帯本体の底面部から底クッションを取り外す様子を例示する前方斜視図(写真)である。
図10】各クッションを取り外した子守帯を折りたたんで収納袋に入れる様子を説明するための図(写真)である。
図11】各クッションを取り外した子守帯を収納袋に入れた状態を例示する斜視図(写真)である。
図12】各クッションを例示する正面図(写真)である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図を用いて子守帯を例示説明する。子守帯1は、乳幼児などを収容し保持するためのものであり、子守帯本体2と肩ベルト3と肩クッション3Bを備えている。加えて、本実施携帯の子守帯は、胴ベルト5、胴クッション5Bおよび底クッション2Bも備えている。
【0035】
以下、特定の実施形態を挙げて例示説明するが、本発明及びその構成要素は、以下の説明に限定されるものではない。なお、図1図3では、説明の都合上、子守帯をトルソーに装着するとともに、乳幼児などを収容していない状態で例示してある。
【0036】
1.子守帯本体
子守帯本体2は、乳幼児などの収容部を構成する。本実施形態の子守帯本体2は、図1などに例示するように、底面部22と、この底面部22の前縁から立ち上がる正面部21と、前記底面部22の後縁から立ち上がる仕切り部23を有しており、側面視で概ねU字状に構成されている。
【0037】
本実施形態では、子守帯本体2の底面部22は、内生地221と、この内生地の下側に位置する外生地222と、内生地221と外生地222の間に底クッション2B(詳細は後述する)を入れ出しする開口部220と、を有している。そして、この開口部220から、内生地221と外生地222の間に底クッション2Bを入れ出しすることで、子守帯本体2の底面部22に底クッション2Bが着脱するように構成してある。
開口部220は、底面部22の側縁に設けることが好ましい。本実施形態においては、開口部220は、底面部22の左側縁に設けてある。
【0038】
2.底クッション
底クッション2Bは、子守帯本体2の底面部22にクッション性(緩衝性)を付与する。本実施形態では、底クッション2Bは、厚手の発泡ウレタンと、この発泡ウレタンを包む外装布とからなる。
【0039】
3.肩ベルト
肩ベルト3は、左右一対であり、着用者の肩にかけられる。本実施形態では、左右の肩ベルト3の前端が子守帯本体2の左右上端に取り付けられ、左右の肩ベルト3の後端が、平ロープ63を介して子守帯本体2の左右中央部に取り付けられている。平ロープ63には長さ調整手段(図示せず)が設けてある。
【0040】
本実施形態では、肩ベルト3は、表生地31と、この表生地31の下側に位置する裏生地32と、を有している。そして、図3に例示するように、表生地31と裏生地32は、左右方向の一方端部(図3の例示では、図中右側の端部であり首側の端部である内端部310)で連続するとともに、左右方向の他方端部(図3の例示では、図中左側の端部である外端部311)が解放されて開口部30を形成している。この開口部30から、表生地31と裏生地32の間に肩クッション3B(詳細は後述する)を入れ出しすることで、肩クッション3Bが肩ベルト3に着脱するように構成してある。
【0041】
また、本実施形態では、図3に例示するように、肩ベルト3が、折り返し片33と係止手段34と、をさらに有している。折り返し片33は、裏生地32の左右方向の他方端部(図3の例示では外端部311)から延びるとともに表生地31の表面側に折り返される。また、係止手段34は、折り返し片33を表生地31の表面に着脱自在に係止する。
本実施形態では、係止手段34として、折り返し片33と表生地31に割り振って設けた面テープを用いてある。
【0042】
さらに、本実施形態では、図3および図4に例示するように、肩ベルト3は、前後の肩クッション支持部35を、さらに有している。前後の肩クッション支持部35は、表生地31の裏側の前後両端部にそれぞれ設けられて肩クッション3Bの前後両端部をそれぞれ支持する。本実施形態では、前後の肩クッション支持部35は、表生地31の裏面の前後両端部にそれぞれ設けられて、肩クッション3Bの前後両端部それぞれを包むポケット状となっている。
【0043】
4.肩クッション
肩クッション3Bは、肩ベルト3にクッション性(緩衝性)を付与する。本実施形態では、肩クッション3Bは、厚手の発泡ウレタンからなり、肩ベルト3の大きさよりも若干小さな形状に形成されている。
本実施形態では、肩クッション3の長手方向概ね中央部に、肩クッションを折り曲げ易くするための、折り曲げ容易化加工が施されている。本実施形態では、図12に例示するように、折り曲げ容易化加工として、肩クッション3Bの長手方向概ね中央部を溝状に圧縮して折り曲げ溝3B1を設けてある。
【0044】
5.胴ベルト
胴ベルト5は、着用者の胴体部に装着される。本実施形態では、胴ベルト5の左右方向一方端から平ロープ65が延びており、この平ロープ65の先端と胴ベルトの左右方向他方端に割り振って互いに着脱自在のバックルが設けてある。平ロープ65には長さ調整手段が設けてある。
【0045】
本実施形態では、胴ベルト5は、図6などに例示するように、表生地51と、この表生地51の裏側に位置する裏生地52L,52Rと、を有している。そして、表生地51と裏生地52L,52Rは、上下方向の一方端部(本実施形態では上端部)で連続するとともに、上下方向の他方端部(本実施形態では下端部)が解放されて開口部50を形成している。この開口部50から、表生地51と裏生地52L,52Rの間に胴クッション5Bを入れ出しすることで、胴クッション5Bが胴ベルト5に着脱するように構成してある。
【0046】
また、本実施形態では、胴ベルト5は、折り返し片53L,53Rと係止手段54L,54Rと、をさらに有している。折り返し片53L,53Rは、裏生地52L,52Rの他方端部(本実施形態では下端部)から延びるとともに表生地51の表面側に折り返される。また、係止手段54L,54Rは、折り返し片53L,53Rを表生地51の表面に着脱自在に係止する。
本実施形態では、係止手段54L,54Rとして、折り返し片53L,53Rと表生地51に割り振って設けた面テープを用いてある。
【0047】
さらに、本実施形態では、図7に例示するように、裏生地52L,52Rは、左右方向の概ね中央部で左右に分割されている。そして、折り返し片53L,53Rは、左右に分割された裏生地52L,52Rの他方端部(本実施形態では下端部)からそれぞれ延びており、表生地51の表面側にそれぞれ折り返される。そして、図6に例示するように、係止手段54L,54Rは、左右に分割された裏生地52L,52Rの他方端部からそれぞれ延びる折り返し片53L,53Rを、表生地51の表面にそれぞれ着脱自在に係止する。
【0048】
加えて、本実施形態では、図7に例示するように、胴ベルト5は、左右の胴クッション支持部55を、さらに有している。左右の胴クッション支持部55は、表生地51の裏側の左右両端部にそれぞれ設けられて胴クッション5Bの左右両端部をそれぞれ支持する。本実施形態では、左右の胴クッション支持部55は、表生地51の裏面の左右両端部にそれぞれ設けられて、胴クッション5Bの左右両端部それぞれを包むポケット状となっている。
【0049】
6.胴クッション
胴クッション5Bは、胴ベルト5にクッション性(緩衝性)を付与する。本実施形態では、胴クッション5Bは、厚手の発泡ウレタンからなり、胴ベルト5の大きさよりも若干小さな形状に形成されている。
本実施形態では、胴クッション5Bの長手方向概ね中央部に、胴クッションを折り曲げ易くするための、折り曲げ容易化加工を施してある。本実施形態では、折り曲げ容易化加工として、図12に例示するように、胴クッション5Bの長手方向概ね中央部を溝状に圧縮して折り曲げ溝5B1を設けてある。
【0050】
7.子守帯及び携帯用子守帯
この子守帯1は、肩クッション3B、胴クッション5Bおよび底クッション2Bにより、クッション性が確保されており、装着感に優れる。
上記子守帯1と、この子守帯を収納する収納袋8と、を備えたものが携帯用子守帯である。以下、携帯用子守帯の使用方法について例示する。子守帯1を使用しない場合などには、まず、子守帯1から、肩クッション3B、胴クッション5Bおよび底クッション2Bを取り外すことができる。取り外した各クッションを図12に例示する。次に、図10に例示するように、これら各クッションを取り外した子守帯10を小さく折りたたむなどして、収納袋8にコンパクトに収納することができる(図11)。
また、肩クッション3B、胴クッション5Bおよび底クッション2Bも図12に例示するような折り曲げ溝で折り曲げることでコンパクトに収納することができる。このとき、クッション用収納袋を準備して収納することができる。また、外出先などでは、肩ベルト、胴ベルト、子守帯本体の底面部に、各クッションとしてのタオルを取り付けてクッション性を確保することもできるのである。
【0051】
以上、特定の実施形態を参照して本発明を例示説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、当該技術分野における熟練者等により、本出願の願書に添付された特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変更及び修正が可能である。
【0052】
例えば、上記実施形態では、子守帯を、いわゆる「抱っこ紐」として用いていたが、これに限定されず、いわゆる「おんぶ紐」として用いることもできる。
【符号の説明】
【0053】
1 子守帯
10 子守帯(クッションを取り外した状態)

2 子守帯本体
21 正面部
22 底面部
220開口部
221内生地
222外生地
23 仕切り部
2B 底クッション

3 肩ベルト
30 開口部
31 表生地
310 内端部(一方端部)
311 外端部(他方端部)
32 裏生地
33 折り返し片
34 係止手段
35 肩クッション支持部
3B 肩クッション
3B1 折り曲げ溝

5 胴ベルト
50 開口部
51 表生地
52R,52L 裏生地
53R,53L 折り返し片
54R,54L 係止手段
55 胴クッション支持部
5B 胴クッション
5B1 折り曲げ溝

63 平ロープ(肩ベルト)
65 平ロープ(胴ベルト)

8 収納袋
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12