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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023121199
(43)【公開日】2023-08-31
(54)【発明の名称】シート状素材の接合装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 65/08 20060101AFI20230824BHJP
【FI】
B29C65/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022024394
(22)【出願日】2022-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】000003399
【氏名又は名称】JUKI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】椎名 隆行
(72)【発明者】
【氏名】白石 典久
(72)【発明者】
【氏名】飯島 隆彰
【テーマコード(参考)】
4F211
【Fターム(参考)】
4F211AD08
4F211AG07
4F211AH54
4F211TA02
4F211TC17
4F211TD11
4F211TJ13
4F211TJ15
4F211TJ16
4F211TN23
4F211TQ05
(57)【要約】
【課題】二枚のシート状素材の接合作業とテープの貼着作業とを連続的に搬送して行う。
【解決手段】熱可塑性の二枚のシート状素材C1,C2を溶断によって接合する溶断機構部20と、溶断機構部20による二枚のシート状素材C1,C2の接合部C12に沿って接着用テープTを貼着する貼着機構部30と、溶断機構部20と貼着機構部30とが並んで配置され、二枚のシート状素材C1,C2を載置する載置面110を有する作業台11と、載置面110に載置された一方のシート状素材C1の接合予定端部C11と他方のシート状素材C2の接合予定端部C21とを載置面110に交差する平面に沿わせた状態で重ね合わせて送り出すことが可能なガイド40とを備え、溶断機構部20は、重ね合わされた状態でガイド40から送り出された二枚のシート状素材C1,C2の接合予定端部C11,C21を両側から挟むように溶断し接合する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性の二枚のシート状素材を溶断によって接合する溶断機構部と、
前記溶断機構部による前記二枚のシート状素材の接合部に沿って接着用テープを貼着する貼着機構部と、
前記溶断機構部と前記貼着機構部とが並んで配置され、展開された状態の前記二枚のシート状素材を載置する載置面を有する作業台と、
前記載置面に載置された一方の前記シート状素材の接合予定端部と他方の前記シート状素材の接合予定端部とを前記載置面に交差する平面に沿わせた状態で重ね合わせて送り出すことが可能なガイドとを備え、
前記溶断機構部は、重ね合わされた状態で前記ガイドから送り出された前記二枚のシート状素材の接合予定端部を両側から挟むように溶断し接合することを特徴とするシート状素材の接合装置。
【請求項2】
前記溶断機構部は、超音波により前記二枚のシート状素材の接合予定端部を溶断し接合することを特徴とする請求項1に記載のシート状素材の接合装置。
【請求項3】
前記溶断機構部は、ホーンとアンビルを有することを特徴とする請求項2に記載のシート状素材の接合装置。
【請求項4】
前記貼着機構部は、
前記溶断機構部によって接合された二枚の前記シート状素材の接合部を前記載置面に沿って均すように送るローラと、
前記ローラの送り方向上流側から前記接着用テープを供給するテープ供給部と、
を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のシート状素材の接合装置。
【請求項5】
前記溶断機構部は、前記ガイドから送り出された重ねられた状態の二枚の前記シート状素材の接合予定端部に対して、溶断を行う位置を通過する方向に送り動作を付与する送り体を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のシート状素材の接合装置。
【請求項6】
前記ガイドは、二枚の前記シート状素材の接合予定端部を前記載置面に交差する平面に沿わせる垂直ガイド部を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のシート状素材の接合装置。
【請求項7】
前記ガイドは、二枚の前記シート状素材の接合予定端部の先端を突き当てて揃える突き当て部を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のシート状素材の接合装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状素材の接合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
布地等のシート状素材を接ぎ合わせる接合技術として、従来は、超音波を利用する溶断装置が挙げられる。この溶断装置は、熱可塑性樹脂からなる二枚のシート状素材を重ね合わせて超音波によって溶断を行い、二枚のシート状素材の溶断端部が素材の融解により熱溶着されることを利用している。
この溶断装置で接合された二枚のシート状素材は、縫い糸による縫い合わせと異なり、切断端部を広げると、縫い代となる凸条部ができないので、フラットな仕上がりにすることができる。
しかしながら、二枚のシート状素材の境界部分は、接合代(接合による素材の重なり部分)が殆ど生じないので、接合強度を高めることが難しく、引っ張りによって隙間を生じるおそれがあることから、二枚のシート状素材の境界部分を跨がるように当該境界部分に沿って帯状のテープの貼着が行われていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5244052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、二枚のシート状素材の境界部分をフラット化し且つ接合強度を十分に確保して接合するには、超音波による接合作業を行う溶断装置とテープの貼着作業を行う貼着装置とがそれぞれ利用されていた。
そして、従来の溶断装置は、二枚のシート状素材を重ね合わせた状態で溶断を行う必要があり、テープの貼着装置は、二枚のシート状素材を展開状態で貼着を行う必要がある。
このため、溶断装置によって、二枚のシート状素材を重ねた状態で予定された接合範囲の全長に渡って溶断作業が終わってから、二枚のシート状素材を展開し、貼着装置により境界部分にテープを貼る必要があった。
このように、二枚のシート状素材を接合端部で展開する作業が必須となることから、超音波による溶断作業とテープの貼着作業とを連続的に搬送して行うことが困難であった。
【0005】
本発明は、二枚のシート状素材の接合作業とテープの貼着作業とを連続的に搬送して行うことが可能な接合装置を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、接合装置において、
熱可塑性の二枚のシート状素材を溶断によって接合する溶断機構部と、
前記溶断機構部による前記二枚のシート状素材の接合部に沿って接着用テープを貼着する貼着機構部と、
前記溶断機構部と前記貼着機構部とが並んで配置され、展開された状態の前記二枚のシート状素材を載置する載置面を有する作業台と、
前記載置面に載置された一方の前記シート状素材の接合予定端部と他方の前記シート状素材の接合予定端部とを前記載置面に交差する平面に沿わせた状態で重ね合わせて送り出すことが可能なガイドとを備え、
前記溶断機構部は、重ね合わされた状態で前記ガイドから送り出された前記二枚のシート状素材の接合予定端部を両側から挟むように溶断し接合することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、超音波による接合作業とテープの貼着作業との間で二枚のシート状素材を展開する作業を不要とし、接合から貼着まで連続的に効率的に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態たる接合装置の主要部の構成を示す側面図である。
図2図1のA-A線に沿ったガイドの周辺の断面図である。
図3図1のB-B線に沿った溶断機構部の手前の断面図である。
図4】溶断機構部の平面図である。
図5図5(A)~図5(C)は、溶断により接合されるまでの二枚のシート状素材の接合予定端部を後方視で順番に示した説明図である。
図6】貼着機構部の斜視図である。
図7】貼着機構部の他の例の概略的な構成を示す斜視図である。
図8】貼着箇所の周辺の斜視図である。
図9】ガイドの他の例を示す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態の概略]
以下、本発明の実施形態であるシート状素材としての衣料素材の接合装置10について図面に基づいて詳細に説明する。図1は接合装置10の主要部の構成を示す側面図である。
この接合装置10では、熱可塑性を有するシート状素材C1,C2の接合を行うことができる。
【0010】
接合装置10は、二つのシート状素材C1,C2のそれぞれの接合予定端部同士を突き合わせて接合を行う。
このため、接合装置10は、二枚のシート状素材C1,C2を超音波の溶断によって接合する溶断機構部20と、溶断機構部20による二枚のシート状素材C1,C2の接合部C12(図4参照)に沿って接着用テープTを貼着する貼着機構部30と、展開された状態の二枚のシート状素材C1,C2を載置する載置面110を有する作業台11と、載置面110に載置された一方のシート状素材C1の接合予定端部C11と他方のシート状素材C2の接合予定端部C21とを載置面110に対する垂直面に沿わせた状態で重ね合わせて送り出すためのガイド40とを備えている。
なお、「展開された状態」とは、二枚のシート状素材C1,C2の大部分が重ならないように広げられた状態を示すものとする。「展開状態」は、例えば、接合予定端部C11、C21のような僅かな一部分のみが重なりを生じた状態も含むものとする。
【0011】
作業台11は、載置面110を備え、当該載置面110に平行な搬送方向に沿ってガイド40、溶断機構部20、貼着機構部30が搬送方向上流側から順番に並んで配置されている。
接合装置10を水平面上に設置した状態で、載置面110は水平となる。
以下の説明では、載置面110に沿ったシート状素材C1,C2の送り方向をX軸方向、載置面110に平行であってX軸方向に直交する方向をY軸方向、鉛直上下方向をZ軸方向とする。
また、X軸方向に平行であってシート状素材C1,C2の送り方向下流側を「前」、上流側を「後」とし、Y軸方向に平行であって前を向いた状態で左手側を「左」、右手側を「右」とし、Z軸方向の一方を「上」、他方を「下」とする。
【0012】
[ガイド]
図2図1のA-A線に沿ったガイド40の周辺の断面図である。
図示のように、ガイド40は、載置面110から垂直上方に立設された垂直ガイド部41と垂直ガイド部41の上端部に設けられた突き当て部42とを有する。
垂直ガイド部41は、載置面110上においてX-Z平面に平行であってX軸方向に延在する長尺平板体であり、その上端部はX軸方向の全長に渡って高さが均一である。
突き当て部42は、X-Y平面に平行であってX軸方向に延在する長尺平板体であり、下面のY軸方向中間部が垂直ガイド部41の上端部に一体的に連結されている。
【0013】
二枚のシート状素材C1,C2は、載置面110上に平らに広げられた状態でガイド40の垂直ガイド部41の左側と右側とに別々に載置される。さらに、二枚のシート状素材C1,C2を垂直ガイド部41側に寄せることで、それぞれの接合予定端部C11,C21のみを垂直ガイド部41に沿わせて、載置面110に対して垂直上方に起伏立設させることができる。
また、二枚のシート状素材C1,C2を垂直ガイド部41側に寄せることで、各接合予定端部C11,C21の先端部は、突き当て部42の下面に突き当てられ、各接合予定端部C11,C21の先端部の高さが揃えられた状態となる。
【0014】
ガイド40の前端部は、溶断機構部20の近傍まで延びている。そして、二枚のシート状素材C1,C2を垂直ガイド部41側に寄せながら前方に送ると、専ら、各接合予定端部C11,C21のみが垂直に起立し且つそれらの先端部の高さを揃えた状態で溶断機構部20に送ることができる。
【0015】
なお、上記ガイド40を用いて二枚のシート状素材C1,C2を溶断機構部20に送る作業は、作業者が手作業で行うことを前提とする場合を例示するが、これに限定されない。
例えば、二枚のシート状素材C1,C2を垂直ガイド部41側に寄せながら前方に送るローラ等の送り機構を作業台11に設けて、駆動源を用いて各シート状素材C1,C2の送りを行っても良い。
【0016】
[溶断機構部]
溶断機構部20では、二枚のシート状素材C1,C2を溶断により接合する。このため、シート状素材C1,C2は、熱により融解し易い熱可塑性樹脂、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、アクリロニトリル・スチレン(AS)、ポリメチルメタアクリル、ポリビニールアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、或いは、これらの樹脂成分を一部に含む化合物やこれら樹脂成分に添加物を加えた成分、その他の熱可塑性材料等からなるシート状又はテープ状の部材とする。
【0017】
図3図1のB-B線に沿った溶断機構部20の手前の断面図、図4は溶断機構部20の平面図である。
図示のように、溶断機構部20は、X-Z平面に沿って重ね合わされた接合予定端部C11,C21をX軸方向の両側から挟むように配置されたホーン21及びアンビル22と、ホーン21及びアンビル22を通過するように接合予定端部C11,C21を前方に送る送り体としての送りローラ23,24とを備えている。
【0018】
ホーン21は、Y軸方向に沿って延在し、先端部が右方に延出され、アンビル22に近接対向している。また、ホーン21の基端部は、図示しない超音波振動周波数の機械的振動発生する振動子及び超音波振動を増幅させるコーンと接続されている。
振動子は、例えば、ピエゾ素子を用いたいわゆるボルト締めランジュバン型振動子である。振動子は、例えば、16~40kHzの高周波のパルス電圧が印加されて超音波振動を発生する。なお、上記周波数は、一例であってこれに限定されない。
【0019】
ホーン21の先端部は、アンビル22に対して一点で接触又は微少な隙間を介して近接対向している。そして、ホーン21の先端部は、図3に示すように、前方視で丸みを帯びており、ホーン21とアンビル22の間を通過する接合予定端部C11に対して、X軸方向に沿って線状に接触する。
一方、アンビル22は、図4に示すように、ローラ状であり、平面視円形の周面で接合予定端部C21に接触する。このため、ホーン21の先端部とアンビル22の外周に挟まれた接合予定端部C11,C21は、一点に集中して超音波振動が入力され、効果的に溶断を行うことができる。
【0020】
なお、ホーン21とアンビル22は、相対的に接離移動可能に支持されている構成としても良い。
また、ホーン21とアンビル22は、相対的に接離移動可能とするアクチュエータを設けてもよい。その場合、アクチュエータの動作量を制御して、ホーン21とアンビル22の隙間の間隔を調整可能としても良い。
或いは、ホーン21とアンビル22の隙間の間隔を手動操作によって調節可能な調節機構を設けてもよい。
【0021】
アンビル22は、前述したように、ローラ状であり、Z軸回りに回転可能に支持されている。
アンビル22は、Z軸方向の中央にその外周がホーン21の先端部に対向する小径部221を有し、小径部221の両側にそれぞれ幾分大径となる大径部222を個別に有する。
【0022】
小径部221は、その外周面がホーン21の先端部に接触又は微少な隙間を介して近接しており、その外周面上で接合予定端部C11,C21の溶断作業が行われる。小径部221とホーン21の接触又は近接位置は、前述したガイド40の突き当て部42の下面よりも幾分低くなっている。
二つの大径部222は、後述する送りローラ23,24に対して個別に接触又は微少な隙間を介して近接する配置である。大径部222及び送りローラ23,24の外周面は、摩擦係数が大きい材料で形成するか、或いは、摩擦係数が大きくなる構造(ローレット加工等)が施されている。
そして、各大径部222と送りローラ23,24との間でシート状素材C1,C2の接合予定端部C11,C21を挟み、送りローラ23,24の駆動回転とアンビル22の従動回転とにより、接合予定端部C11,C21を前方に送り出すことができる。
【0023】
送りローラ23,24は、それぞれ歯車或いはベルト機構等の動力伝達機構を介して駆動源となる図示しないモータに接続されており、シート状素材C1,C2の接合予定端部C11,C21を前方に送り出すための回転駆動を行う。送りローラ23,24は、互いに等速且つ同方向に回転を行う。
送りローラ23,24とアンビル22は、いずれか一方が相対的に接離移動可能に支持されている構成としても良い。
また、送りローラ23,24は、アンビル22に対して相対的に接離移動可能とするアクチュエータを設けてもよい。
また、送りローラ23,24に替えて又は送りローラ23,24と共に、アンビル22も回転駆動を行っても良い。
【0024】
図5(A)~図5(C)は、溶断により接合されるまでの二枚のシート状素材C1,C2の接合予定端部C11,C21を後方視で順番に示した説明図である。
図5(A)に示すように、ガイド40によって接合予定端部C11,C21のみが上方に起伏した状態で二枚のシート状素材C1,C2が溶断機構部20側に送り出されると、接合予定端部C11,C21が回転する送りローラ23,24とアンビル22の各大径部222とに挟まれて前方に送られる。
このとき、接合予定端部C11,C21は、これらの上端部よりも幾分低位置でホーン21の先端部とアンビル22の小径部221の外周の間の点Sに超音波振動が入力され、当該点Sでシート状素材C1,C2が融解を生じる。このとき、前述したように、シート状素材C1,C2は前方に送られているので、融解箇所がX軸方向に沿って移動し、X軸方向に沿って溶断が行われる。
その結果、ホーン21の先端部とアンビル22の小径部221の外周の間の点Sより上側部分は切断され、接合予定端部C11,C21から切除片Cd(図1参照)として分離される。
なお、溶断機構部20と貼着機構部30との間には、切除片Cdを送り方向から逸れる方向(例えば、左右いずれかの方向)に送り出す選別ガイドを設けてもよい。選別ガイドは、点Sよりも僅かに上側に配置することで、接合予定端部C11,C21から切除片Cdのみを選別して排除することができる。
また、接合予定端部C11,C21における点Sより下側の上端部分は、X軸方向に沿って融解し、点Sの通過後は、外気で冷却されて接合予定端部C11,C21の溶断後の先端部は互いに固着して接合される。このX軸方向に沿って溶断によって接合された部分を接合部C12とする。
その後、シート状素材C1,C2は、前方への送り動作と共に左右に展開されながら、或いは、接合予定端部C11,C21が上から押圧されながら、図5(C)に示すように、起立していた接合予定端部C11,C21も含めて全体が載置面110に沿って均された状態で貼着機構部30に送り込まれる。
【0025】
[貼着機構部]
貼着機構部30は、展開され、X軸方向に沿った状態で搬送される二枚のシート状素材C1,C2の接合部C12に接着用テープTを重ねて貼着を行う。
接着用テープTは、平面状の基材と当該基材の片面側(シート状素材C1,C2側)に形成された溶着層とを有する構造である。
溶着層は、融解し易い熱可塑性樹脂、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、アクリロニトリル・スチレン(AS)、ポリメチルメタアクリル、ポリビニールアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、或いは、これらの樹脂成分を一部に含む化合物やこれら樹脂成分に添加物を加えた成分、その他の熱可塑性材料等からなる。
但し、接着用テープTの溶着層は、シート状素材C1,C2よりも溶融温度が低く、貼着の際にシート状素材C1,C2を溶融させない材料とすることが好ましい。例えば、シート状素材C1,C2をポリアミド系樹脂とし、接着用テープTの溶着層をポリウレタン系樹脂とする等である。
また、接着用テープTの基材は、溶着層よりも機械的強度が高く、溶融温度も高い材料とすることが好ましい。
【0026】
図6は貼着機構部30の斜視図である。
図示のように、貼着機構部30は、溶断機構部20から送り出されたシート状素材C1,C2を接着用テープTと共に上下から挟み込んで前方に送るローラとしての上ローラ31及び下ローラ32と、上ローラ31及び下ローラ32の上方後側から接着用テープTを供給するテープ供給部としてのテープガイド33と、接着用テープTの加熱手段としての加熱エアーノズル34とを備えている。
【0027】
上ローラ31及び下ローラ32は、少なくとも外周面が例えば、フッ素樹脂等の耐熱性及び耐摩耗性に優れる素材で形成されている。
下ローラ32は、その上端部が載置面110と同じ高さ或いは載置面110よりも僅かに上方に突出するように、作業台11の内側に設けられている。下ローラ32は、減速機構、動力伝達機構等を介して図示しない駆動源となるモータからY軸方向に沿った回転軸回りに回転駆動が行われる。
【0028】
上ローラ31も、減速機構、動力伝達機構等を介して図示しない駆動源となるモータからY軸方向に沿った回転軸回りであって下ローラ32と逆回転で回転駆動が行われる。
上ローラ31は、その下端部が下ローラ32の上端部に接触又は微少な隙間を介して近接配置されている。
上ローラ31と下ローラ32は、いずれか一方が相対的に接離移動可能に支持されている構成としても良い。また、上ローラ31と下ローラ32は、相対的に接離移動可能とするアクチュエータを設けてもよい。
なお、上ローラ31と下ローラ32のいずれか一方のみを駆動源によって回転駆動が行われる構成とし、他方は従動回転を行う構成としても良い。
【0029】
上ローラ31と下ローラ32は、後方から搬送されたシート状素材C1,C2を上下から挟み込んで送る構造なので、接合予定端部C11,C21が起立した状態のまま上ローラ31及び下ローラ32に到達した場合であっても、上下から押圧してシート状素材C1,C2を平らに均して接着用テープTの貼着を行うことができる。
なお、溶断機構部20と貼着機構部30との間には、起立した接合予定端部C11,C21を広げて平らにならす平坦化ガイドを設けてもよい。この平坦化ガイドは、接合予定端部C11,C21の上端部に当接する当接部が送り方向に向かって徐々に低くなる構造や接合予定端部C11,C21の間に進入し、送り方向に向かってその間隔を広げる構造或いはこれら両方向の構造を有するもの等が挙げられる。
【0030】
接着用テープTは、例えば、貼着機構部30の上方で図示しないテープリールに巻かれた状態で保持されており、テープガイド33は、テープリールから繰り出された接着用テープTを上ローラ31と下ローラ32の接触又は接近箇所の後方近傍まで案内する。このテープガイド33は、接着用テープTのY軸方向幅における中心が、Y軸方向について、ガイド40の垂直ガイド部41の延長線上と一致するように接着用テープTを案内する。これにより、二枚のシート状素材C1,C2が溶断機構部20から前方に搬送されると、接着用テープTがシート状素材C1,C2と共に上ローラ31と下ローラ32の接触又は接近箇所に引き込まれ、起立していた接合予定端部C11,C21が平らに均されると共に接合部C12の上から当該接合部C12に沿って接着用テープTが貼着される。
【0031】
なお、テープガイド33には、接着用テープTの搬送経路の各所に接着用テープTを上ローラ31及び下ローラ32まで搬送するローラと当該ローラを駆動する駆動源を併設しても良い。これにより、接着用テープTを搬送経路に沿って搬送することができる。
また、その場合、上ローラ31と下ローラ32の接触又は接近箇所の近傍に接着用テープTの先端部を検出するセンサ等を設け、接着用テープTの先端部が適正な位置で待機できるようローラの駆動源を制御しても良い。
上記接着用テープTの先端部における適正な位置とは、例えば、後方から溶断機構部20から搬送されるシート状素材C1,C2の先頭に接着用テープTの先端部が当接し、シート状素材C1,C2と共に接着用テープTを上ローラ31及び下ローラ32の間に容易に引き込むことが可能な位置等である。
【0032】
加熱エアーノズル34は、図示しないエアーの吐出装置及びエアーを加熱するヒータに接続されており、高温のエアーを吐出することができる。加熱エアーノズル34は、先端部が、上ローラ31と下ローラ32の接触又は接近箇所に対して後方から高温のエアーを吹き付けることが可能な位置及び向きで配置されている。
これにより、シート状素材C1,C2と共に上ローラ31と下ローラ32の接触又は接近箇所に引き込まれる接着用テープTの溶着層を融解させることが可能である。
接着用テープTは、融解層が上ローラ31と下ローラ32の接触又は接近箇所の手前で融解するので、上ローラ31と下ローラ32を通過すると、融解層により、シート状素材C1,C2の接合部C12の上に接着用テープTを貼着することができる。
なお、加熱エアーノズル34からの風圧によって、接着用テープTの先端部を上ローラ31及び下ローラ32の間に送り込む構成としても良い。
【0033】
[接合装置の全体的な動作]
次に、接合装置10の全体的な動作について説明する。
まず、作業台11の載置面110上におけるガイド40の左右両側にシート状素材C1とシート状素材C2とをそれぞれ広げた状態で載置する。
そして、シート状素材C1,C2の各々の接合予定端部C11,C21をガイド40の垂直ガイド部41側に寄せると、接合予定端部C11,C21は、垂直ガイド部41に沿って起立し、接合予定端部C11,C21の先端部が突き当て部42の下面に当接し、高さが揃えられる。
上記の状態を維持しつつ、二枚のシート状素材C1,C2を前方に送ると、接合予定端部C11,C21が互いに当接し、起立した状態を維持したまま溶断機構部20に到達する。
【0034】
溶断機構部20では、起立した接合予定端部C11,C21が回転する送りローラ23,24とアンビル22の各大径部222とに挟まれて前方に送られ、ホーン21の先端部とアンビル22の小径部221の外周の間の点Sにおいて、X軸方向に沿って溶断が行われる。
その結果、切除片Cdが切除された接合予定端部C11,C21の上端部が溶解後に接合されて貼着機構部30側に搬送される。
【0035】
貼着機構部30では、上方から供給される接着用テープTと共にシート状素材C1,C2が上ローラ31及び下ローラ32の間に引き込まれる。その際、起立していた接合予定端部C11,C21は平らに均され、接合部C12の上を当該接合部C12に沿って接着用テープTが貼着される。
【0036】
[接合装置の技術的効果]
接合装置10は、作業台11の載置面110に載置された一方のシート状素材C1の接合予定端部C11と他方のシート状素材C2の接合予定端部C21とを載置面110に対する垂直面に沿わせた状態で重ね合わせて送り出すことが可能なガイド40を備え、溶断機構部20は、重ね合わされた状態でガイド40から送り出された二枚のシート状素材C1,C2の接合予定端部C11,C21を両側から挟むように溶断し接合する構成となっている。
このため、シート状素材C1とシート状素材C2の全体を重ねて溶断を行う場合と異なり、接合予定端部C11,C21のみを重ねながらシート状素材C1,C2のほぼ全体は載置面上に展開された状態で溶断による接合を行うことができる。
これにより、溶断機構部20を通過したシート状素材C1,C2に対して、起立した接合予定端部C11,C21のみを上から押さえるだけで、シート状素材C1,C2が重なりを生じない状態で展開することができる。
従って、溶断機構部20と貼着機構部30の間でシート状素材C1,C2を展開する作業が不要となり、溶断機構部20から貼着機構部30に連続的に搬送することで溶断による接合作業と接着用テープTの貼着作業とを連続的に実行することが可能となる。これに伴い、作業効率の飛躍的な向上を図ることが可能となる。
【0037】
また、溶断機構部20は、超音波により二枚のシート状素材C1,C2の接合予定端部C11,C21を溶断し接合しているので、狭い範囲に集中的に素材の溶解を生じさせることが容易である。
これにより、二枚のシート状素材C1,C2の接合後の展開状態において接合部C12が凸条とならずに平坦化させることが可能となる。
【0038】
また、溶断機構部20は、ホーン21とアンビル22を有するので、これらの間で、シート状素材C1,C2の接合予定端部C11,C21に対して良好な超音波振動の印加を行うことができ、溶断作業を円滑に行うことが可能となる。
【0039】
また、貼着機構部30は、溶断機構部20によって接合された二枚のシート状素材C1,C2の接合部C12を均すように送る上ローラ31及び下ローラ32と、上ローラ31及び下ローラ32の送り方向上流側から接着用テープTを供給するテープガイド33と有する。
このため、溶断機構部20から搬送されたシート状素材C1,C2の接合予定端部C11,C21が起立状態であったとしても、上ローラ31及び下ローラ32がこれを平らに均しながら接着用テープTの貼着を行うことが可能である。
従って、溶断機構部20と貼着機構部30の間でのシート状素材C1,C2の連続的な搬送をより円滑に行うことが可能となり、作業効率のさらなる向上を図ることが可能となる。
【0040】
また、溶断機構部20は、シート状素材C1,C2の接合予定端部C11,C21に対して、溶断を行う位置を通過する方向に送り動作を付与する送りローラ23,24を有するため、溶断を行いながらシート状素材C1,C2の貼着機構部30への送り動作を行うことができる。
このため、溶断機構部20から貼着機構部30への搬送を人手に依らず、自動的に行うことが可能となる。
【0041】
また、ガイド40は、二枚のシート状素材C1,C2の接合予定端部C11,C21を垂直面に沿わせる垂直ガイド部41を有するので、二枚のシート状素材C1,C2を垂直ガイド部41側に寄せるだけでシート状素材C1,C2を容易に起立状態にすると共に当該起立状態を維持することが可能である。
さらに、ガイド40は、二枚のシート状素材C1,C2の接合予定端部C11,C21の先端を突き当てて揃える突き当て部42を有するので、シート状素材C1,C2の接合予定端部C11,C21の先端部を揃えた状態で溶断を行うことができ、シート状素材C1,C2が不均一な状態で接合されることを抑制し、接合後のシート状素材C1,C2について、高い品質を維持することが可能となる。
【0042】
[貼着機構部の他の例]
ここで貼着機構部の他の例について説明する。図7は貼着機構部30Aの概略的な構成を示す斜視図、図8は貼着箇所の周辺の斜視図である。
これらの図に示すように、貼着機構部30Aは、展開状態の二枚のシート状素材C1,C2及び接着用テープTをX軸方向に送る下ベルト31Aと、下ベルト31Aを介して及び接着用テープTを加熱する下側ヒータ32Aと、シート状素材C1,C2及び接着用テープTを下ベルト31Aと同方向に送る上ベルト33Aと、上ベルト33Aを介して接着用テープTを加熱する上側ヒータ34Aと、上ベルト33Aと送りが行われる二枚のシート状素材C1,C2との間に接着用テープTを送り込むテープガイド35Aとを備えている。
【0043】
下ベルト31Aは、例えば、フッ素樹脂等の耐熱性及び耐摩耗性に優れる素材で形成された無端環状ベルトであり、支持枠体313AによりY軸回りに回転可能に支持された複数のローラ312Aに張設されている。また、各ローラ312Aは、一部又は全部について図示しないモータにより回転駆動が行われる。
下ベルト31Aは、支持枠体313Aの上端部において、X軸方向に並んで配設された二つのローラ312Aの間の水平区間でシート状素材C1,C2に下から接して前方に送ることができる。
【0044】
下側ヒータ32Aは、下ベルト31Aの内側であって、前後に位置する二つのローラ312Aの間に配置されており、シート状素材C1,C2を、下ベルト31Aを介して加熱する。
【0045】
上ベルト33Aも、例えば、フッ素樹脂等の耐熱性及び耐摩耗性に優れる素材で形成された無端環状ベルトであり、支持枠体333AによりY軸回りに回転可能に支持された複数のローラ332Aに張設されている。また、各ローラ332Aは、一部又は全部について図示しないモータにより回転駆動が行われる。
上ベルト33Aは、支持枠体333Aの下端部において、X軸方向に並んで配設された二つのローラ332Aの間の水平区間でシート状素材C1,C2に上から接してX軸方向に送ることができる。
【0046】
上側ヒータ34Aは、上ベルト33Aの内側であって、前後に位置する二つのローラ332Aの間に配置されており、シート状素材C1,C2を、上ベルト33Aを介して加熱する。
【0047】
テープガイド35Aは、接着用テープTの幅方向における両側を支持する構造である。このテープガイド35Aは、下部に位置する二つのローラ332Aの内、後方に位置するローラ332Aに対して、さらにその後方から接着用テープTを送り出すように支持枠体333Aに取り付けられている。
なお、支持枠体313A,333Aは、相対的に接離可能となるように、少なくとも一方について昇降動作を付与するアクチュエータを設けてもよい。
【0048】
上記支持枠体313A,333Aを近接配置し、下ベルト31Aと上ベルト33Aの間に溶断により接合されたシート状素材C1,C2を搬送すると、接着用テープTと共に下ベルト31Aと上ベルト33Aの間に引き込まれ、接着用テープTを加熱しながら搬送することができる。
これにより、シート状素材C1,C2の接合部C12に沿って接着用テープTの貼着を行うことができる。
【0049】
なお、この貼着機構部30Aも、下側のローラ312Aと上側のローラ332Aとを備えているので、溶断機構部20から搬送されたシート状素材C1,C2の接合予定端部C11,C21が起立状態であったとしても、下ベルト31A及び上ベルト33Aを介して下側のローラ312A及び上側のローラ332Aがこれを平らに均しながら接着用テープTの貼着を行うことが可能である。
【0050】
[その他]
上記発明の実施の形態で示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記ガイド40として、二枚のシート状素材C1,C2の接合予定端部C11,C21を上方に立設させた状態で前方に送る構成を例示したが、接合予定端部C11,C21を下方に垂下させた状態で前方に送る構成としても良い。
例えば、図9に示すように、ガイド40Aを作業台11の載置面110上にX軸方向に沿って形成された溝によって構成しても良い。この溝状のガイド40Aの場合、溝の両側内壁が垂直ガイド部となり、溝の内底部が突き当て部となる。
この溝状のガイド40Aを挟んで左右両側に広げて載置されたシート状素材C1,C2の接合予定端部C11,C21を重ね合わせた状態で溝状のガイド40A内に挿入することで、接合予定端部C11,C21をX-Z平面に沿って下方に垂下させた状態とすることができる。また、接合予定端部C11,C21を溝状のガイド40Aの内底面まで挿入することにより、接合予定端部C11,C21の先端部の位置を揃えることが可能となる。
【0051】
なお、上記溝状のガイド40Aによって二枚のシート状素材C1,C2を前方に送る場合には、溶断機構部20のホーン21、アンビル22、送りローラ23,24等は、より低位置に配置する必要がある。貼着機構部30の上ローラ31、下ローラ32、テープガイド33、加熱エアーノズル34も低位置に配置することが好ましい。
【0052】
また、溶断機構部20では、超音波によりシート状素材C1,C2の接合予定端部C11,C21の溶断を行っているが、これに限定されない。例えば、立設された状態で前方に搬送される接合予定端部C11,C21の上端部近傍を加熱により溶断する他の構成を利用しても良い。例えば、電熱線をY軸方向に沿った状態で接合予定端部C11,C21の通過位置に横切るように配置し、電熱線の発熱により接合予定端部C11,C21の上端部側を溶断して接合を行っても良い。
また、レーザ照射により接合予定端部C11,C21の上端部側を溶断して接合を行っても良い。
【0053】
また、貼着機構部30では、加熱エアーノズル34により接着用テープTの加熱を行っているが、これに限定されない。例えば、上ローラ31と下ローラ32の一方又は両方にヒータを内蔵して加熱を行っても良い。
【0054】
また、接着用テープTは、熱可塑性の溶着層を有するものを例示したが、これに限らず、接着用テープTは加熱不要の接着剤層や粘着層を有するものにより上ローラ31と下ローラ32の加圧によって貼着されるものでも良い。
【符号の説明】
【0055】
10 接合装置
11 作業台
20 溶断機構部
21 ホーン
22 アンビル
23,24 送りローラ(送り体)
30,30A 貼着機構部
31 上ローラ(ローラ)
31A 下ベルト
312A,332A ローラ
32 下ローラ(ローラ)
32A 下側ヒータ
33 テープガイド
33A 上ベルト
34 加熱エアーノズル
34A 上側ヒータ
35A テープガイド
40,40A ガイド
41 垂直ガイド部
42 突き当て部
110 載置面
C1,C2 シート状素材
C11,C21 接合予定端部
C12 接合部
T 接着用テープ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9