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特開2023-121230運用管理システム、運用管理方法及び運用管理のためのコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023121230
(43)【公開日】2023-08-31
(54)【発明の名称】運用管理システム、運用管理方法及び運用管理のためのコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/34 20060101AFI20230824BHJP
   G06F 11/07 20060101ALI20230824BHJP
【FI】
G06F11/34 147
G06F11/07 140A
G06F11/07 160
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022024449
(22)【出願日】2022-02-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-07-04
(71)【出願人】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 亮
(72)【発明者】
【氏名】戸成 健
【テーマコード(参考)】
5B042
【Fターム(参考)】
5B042MA08
5B042MA14
5B042MC35
5B042MC40
(57)【要約】
【課題】異常の可能性のあるイベント、すなわちインシデントの可能性の早期検出が可能な運用管理システムを提供する。
【解決手段】運用管理システム10の学習部200は、管理対象となる機器の性能情報とイベントログより、性能情報を用いて第1の異常発生期間を抽出し、第1の異常発生期間におけるイベントログを用いて作成した第1のTF-IDFベクトルを算出し、少なくとも第1のTF-IDFベクトルを学習モデルとして記憶させる。リコメンド部300は、機器より新たに取得した性能情報とイベントログを用いて、第2の異常発生期間と第2のTF-IDFベクトルを算出し、学習モデル内の第1のTF-IDFベクトルと第2のTF-IDFベクトルとの第1の類似度を算出し、第1の類似度が所定値以下の場合、算出した第2の異常発生期間に関するリコメンド情報を出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理対象となる機器の性能情報とイベントログより、前記性能情報を用いて第1の異常発生期間を抽出し、前記第1の異常発生期間におけるイベントログを用いて作成した第1のTF-IDFベクトルを算出し、少なくとも前記第1のTF-IDFベクトルを学習モデルとして記憶させる学習手段と、
前記機器より新たに取得した性能情報とイベントログを用いて、第2の異常発生期間と第2のTF-IDFベクトルを算出し、前記学習モデル内の前記第1のTF-IDFベクトルと前記第2のTF-IDFベクトルとの第1の類似度を算出し、前記第1の類似度が所定値以下の場合、算出した前記第2の異常発生期間に関するリコメンド情報を出力するリコメンド手段と
を備える運用管理システム。
【請求項2】
前記リコメンド手段は、蓄積された前記機器の性能情報とイベントログより、異常の類似度が所定値以上の第3の異常発生期間を抽出し、前記第3の異常発生期間における定期性の乱れがある場合、前記定期性の乱れに対応する異常発生期間に関するリコメンド情報を出力する、ことをさらに行う
請求項1に記載の運用管理システム。
【請求項3】
前記学習手段は、前記機器の性能情報とイベントログに対して、前記性能情報を学習用データとして用いた性能情報の予測データを取得し、前記予測データの異常発生期間を抽出して第4の異常発生期間とし、前記第4の異常発生期間と前記第4の異常発生期間に対応するイベントログを蓄積する、ことをさらに行い、
前記リコメンド手段は、前記第2の異常発生期間と前記第4の異常発生期間の比較で所定の差があった場合、前記第4の異常発生期間に対応するイベントログより第4のTF-IDFベクトルを算出し、前記第2のTF-IDFベクトルと前記第4のTF-IDFベクトルとにおける第2の類似度を算出し、前記第2の類似度が所定の値以上の場合、前記第2の異常発生期間に関するリコメンド情報を出力する、ことをさらに行う
請求項1または2に記載の運用管理システム。
【請求項4】
前記リコメンド手段は、前記第2の類似度が所定値以下の場合、前記第2の異常発生期間に関するリコメンド情報を出力する、ことをさらに行う
請求項3に記載の運用管理システム。
【請求項5】
前記学習手段は、前記リコメンド情報に関して問題/異常があるかのフィードバック情報を受信し、該フィードバック情報を前記学習モデルに記憶する、ことをさらに行う
請求項1から4のいずれか1項に記載の運用管理システム。
【請求項6】
前記リコメンド手段は、前記第2の類似度が所定値以上かつ、前記フィードバック情報に異常と登録されている場合のみ、前記第2の異常発生期間に関するリコメンド情報を出力する、ことをさらに行う、請求項3に記載の運用管理システム。
【請求項7】
前記学習手段および前記リコメンド手段は、
前記機器の性能情報に時系列データ異常検知アルゴリズムを適用することで異常度指数を取得し、
前記異常度指数が所定値以上の場合、異常発生期間を抽出し、
前記異常発生期間のイベントログに対して形態素分析を提供して分割し、
前記分割を用いてTF-IDFベクトルを算出する
ことによりTF-IDFベクトルを求める
請求項1から6のいずれか1項に記載の運用管理システム。
【請求項8】
前記運用管理システムは、前記機器より性能情報やイベントログを収集する保守管理装置を含む、請求項1から7のいずれか1項に記載の運用管理システム。
【請求項9】
管理対象となる機器の性能情報とイベントログより、前記性能情報を用いて第1の異常発生期間を抽出し、前記第1の異常発生期間におけるイベントログを用いて作成した第1のTF-IDFベクトルを算出し、少なくとも前記第1のTF-IDFベクトルを学習モデルとして記憶させ、
前記機器より新たに取得した性能情報とイベントログを用いて、第2の異常発生期間と第2のTF-IDFベクトルを算出し、前記学習モデル内の前記第1のTF-IDFベクトルと前記第2のTF-IDFベクトルとの第1の類似度を算出し、前記第1の類似度が所定値以下の場合、算出した前記第2の異常発生期間に関するリコメンド情報を出力する
運用管理方法。
【請求項10】
運用管理のためのコンピュータプログラムであって、
管理対象となる機器の性能情報とイベントログより、前記性能情報を用いて第1の異常発生期間を抽出し、前記第1の異常発生期間におけるイベントログを用いて作成した第1のTF-IDFベクトルを算出し、少なくとも前記第1のTF-IDFベクトルを学習モデルとして記憶させ、
前記機器より新たに取得した性能情報とイベントログを用いて、第2の異常発生期間と第2のTF-IDFベクトルを算出し、前記学習モデル内の前記第1のTF-IDFベクトルと前記第2のTF-IDFベクトルとの第1の類似度を算出し、前記第1の類似度が所定値以下の場合、算出した前記第2の異常発生期間に関するリコメンド情報を出力する
ことをコンピュータに実行させるための運用管理のためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運用管理システム、運用管理方法及び運用管理のためのコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザ側で運用しているシステムを監視し、システムに異常が発生したことを検知した場合に、ユーザ側のシステム管理者等に異常の発生を通知するサービスが行われている。システムでの異常発生を検知する方法として、システムで発生するイベントログの発生状況やイベントログの内容を解析して検知する方法がある。システムの異常が検知されると、システムの構成や性能等の情報に基づいて、異常の原因を推定することが行われている。
【0003】
特許文献1は、監視対象となるシステムの構成を示す情報、性能を示す情報、及びイベントログ等の異なる種類の情報を、処理装置で発生した異常に関連付けて抽出することで、システムの監視を行う装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016‐012193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ユーザ側で運用しているシステムを監視する際、それら情報処理システム、情報処理機器、ソフトウェア、あるいは、それらの構成要素のシステム運用管理において、単なる異常の抽出だけではなく、異常の可能性のあるイベント、すなわちインシデントの可能性の早期検出が望まれている。
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、運用管理システム、運用管理方法及び運用管理のためのコンピュータプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、運用管理システムは、管理対象となる機器の性能情報とイベントログより、前記性能情報を用いて第1の異常発生期間を抽出し、前記第1の異常発生期間におけるイベントログを用いて作成した第1のTF-IDFベクトルを算出し、少なくとも前記第1のTF-IDFベクトルを学習モデルとして記憶させる学習手段と、前記機器より新たに取得した性能情報とイベントログを用いて、第2の異常発生期間と第2のTF-IDFベクトルを算出し、前記学習モデル内の前記第1のTF-IDFベクトルと前記第2のTF-IDFベクトルとの第1の類似度を算出し、前記第1の類似度が所定値以下の場合、算出した前記第2の異常発生期間に関するリコメンド情報を出力するリコメンド手段とを備える。
【0008】
また本発明の第2の態様によれば、運用管理方法は、管理対象となる機器の性能情報とイベントログより、前記性能情報を用いて第1の異常発生期間を抽出し、前記第1の異常発生期間におけるイベントログを用いて作成した第1のTF-IDFベクトルを算出し、少なくとも前記第1のTF-IDFベクトルを学習モデルとして記憶させ、前記機器より新たに取得した性能情報とイベントログを用いて、第2の異常発生期間と第2のTF-IDFベクトルを算出し、前記学習モデル内の前記第1のTF-IDFベクトルと前記第2のTF-IDFベクトルとの第1の類似度を算出し、前記第1の類似度が所定値以下の場合、算出した前記第2の異常発生期間に関するリコメンド情報を出力する。
【0009】
また本発明の第2の態様によれば、運用管理のためのコンピュータプログラムは、管理対象となる機器の性能情報とイベントログより、前記性能情報を用いて第1の異常発生期間を抽出し、前記第1の異常発生期間におけるイベントログを用いて作成した第1のTF-IDFベクトルを算出し、少なくとも前記第1のTF-IDFベクトルを学習モデルとして記憶させ、前記機器より新たに取得した性能情報とイベントログを用いて、第2の異常発生期間と第2のTF-IDFベクトルを算出し、前記学習モデル内の前記第1のTF-IDFベクトルと前記第2のTF-IDFベクトルとの第1の類似度を算出し、前記第1の類似度が所定値以下の場合、算出した前記第2の異常発生期間に関するリコメンド情報を出力することをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、監視対象となる機器において、異常の可能性のあるイベント、すなわちインシデントの可能性の検出ができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態による運用管理システムの構成を示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態による運用管理システムを、プロセッサを含むコンピュータ装置で実現するハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】本発明の一実施形態による運用管理システムによる第1の学習方法における動作の一例を示すフローチャートである。
図4】本発明の一実施形態による運用管理システムによる第2の学習方法における動作の一例を示すフローチャートである。
図5】本発明の一実施形態による運用管理システムによるリコメンド情報の生成における動作の一例を示すフローチャートである。
図6】本発明の一実施形態による運用管理システムによるリコメンドに対するフィードバック情報の処理に関する動作の一例を示すフローチャートである。
図7】本発明の一実施形態による運用管理システムによる異常発生期間の抽出のイメージを示す図である。
図8】本発明の一実施形態による運用管理システムによるTF-IDFベクトルの計算のイメージを示す図である。
図9】本発明の一実施形態による運用管理システムによる運用変化点の候補の抽出のイメージを示す図である。
図10】本発明の一実施形態による運用管理システムによる類似度算出のイメージを示す図である。
図11】本発明の一実施形態による運用管理システムの他の構成を示すブロック図である。
図12】本発明の一実施形態による運用管理システムの最小構成図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態による運用管理システムを、図面を参照して説明する。図1は運用管理システム10の構成を示すブロック図である。図1では、運用管理システム10のほか、運用監視対象となる機器のあるサイト20が示されている。運用管理システム10は、送受信部100、学習部200、リコメンド部300を備える。また、サイト20には、監視のために必要な情報の収集を行う保守管理装置21が設けられ、保守管理装置21は、情報収集部22、ログ情報記憶部23、送受信部24を備える。
【0013】
はじめに、保守管理装置21の各処理部の機能について説明する。情報収集部22は監視のために必要な情報を監視対象の機器から定期的に収集する。ログ情報記憶部23は情報収集部22にて収集された情報を蓄積する。送受信部24は、一定期間の蓄積後に収集した情報を運用管理システム10に送信する。また、送受信部24は、運用管理システム10から監視結果となる情報であるリコメンド情報を受信する。なお、監視のために必要な情報とは、監視対象となる機器を構成する情報処理機器、ソフトウェア、あるいは、それらの構成要素から得られる性能情報やイベントログである。また、ログ情報記憶部23は監視のために必要な情報を蓄積する例を記載したが、蓄積せずに送受信部24より直接、運用管理システム10に監視のために必要な情報を随時送信してもよい。運用管理システム10は、送受信部24(ないしはそのサイト20)にリコメンド情報を送信するとしたが、サイト20の運用管理者の端末40にリコメンド情報を送信しても良い。この場合、端末40の所有者である運用管理者は、リコメンド結果を如何なる場所でも確認することが可能となる。また、保守管理装置21は独立した装置として説明しているが、各機能をプログラムとしてその機能を提供してよもよい。
【0014】
次に、運用管理システム10を構成する各処理部の機能について説明する。運用管理システム10の送受信部100は、監視対象となる機器のあるサイト20から送信された性能情報、イベントログ等の情報を受信する。また、送受信部100は、監視結果となるリコメンド情報をサイト20や端末40に送信する。運用管理システム10を構成する学習部200は、ログ情報記憶部210、時系列異常検知部211、異常判定部212、前処理部213、特徴抽出部214、モデル生成部215、モデル記憶部217、時系列予測部220、時系列異常検知部221、異常判断部222、異常期間記憶部223から構成される。運用管理システム10を構成するリコメンド部300は、ログ読み込み部301、時系列異常検知部302、異常判定部303、前処理部304、特徴抽出部305、分析部306、分析結果出力部307から構成される。
【0015】
学習部200は、送受信部100にてサイト20から受信した性能情報とイベントログをログ情報記憶部210に記録する。また学習部200は、ログ情報記憶部210から記録した性能情報とイベントログを取得する。時系列異常検知部211は、取得した性能情報に対して、時系列データ異常検知アルゴリズムを適用し、異常度指数を取得する。異常判定部212は、異常度指数が異常度しきい値を超過したか否かを判定する。また、異常判定部212は、異常度しきい値を超過した場合、異常度指数が異常度しきい値を超過して発生した期間を含む開始時刻/終了時刻の間で異常発生期間を抽出し、異常発生期間に対してインデックスを付与する。ここでインデックスは抽出した異常発生期間を特定するデータであり、その異常発生期間の特徴を示したデータを含むことがある。前処理部213は、異常発生期間のイベントログを抽出し、抽出したイベントログに対して形態素分析を適用し、品詞ごとやエラーを表す番号ごとにボキャブラリーとして分割する。特徴抽出部214は、前述の分割の一部もしくは全部からTF-IDFベクトルを算出する。ここで「TF-IDF」(Term Frequency-Inverse Document Frequency)とは索引語頻度逆文書頻度と呼ばれ、ボキャブラリーとして分割された情報内の単語の頻度やその重要度を用いて求めた値であり、「TF-IDFベクトル」とはその値を用いてベクトル化したものである。モデル生成部215は、異常発生期間/インデックス/TF-IDFベクトルを学習モデル216としてモデル記憶部217へ記録する。
【0016】
時系列予測部220は、読み込んだ性能情報に対して、時系列データに対する時系列予測アルゴリズムを適用し、性能情報の変化に関する予測結果を取得する。時系列異常検知部221は、予測結果に対して、時系列データ異常検知アルゴリズムを適用し、異常度指数を取得する。異常判断部222は、異常度指数が異常度しきい値を超過したか否かを判定する。また、異常判断部222は、異常度しきい値を超過した場合、異常度指数が異常度しきい値を超過して発生した期間を含む期間の開始時刻/終了時刻として異常発生期間を抽出し、インデックスを付与して異常期間記憶部223に記録する。
【0017】
リコメンド部300は、第1のリコメンド方法を実行する機能と、第2のリコメンド方法を実行する機能とを備える。リコメンド部300は、2つのリコメンド方法を実現する機能を有しており、それぞれのリコメンド情報を組み合わせることで、検知した異常や異常の可能性に対するリコメンドを実現する。
【0018】
リコメンド部300における第1のリコメンド方法に関する機能について説明する。リコメンド部300のログ読み込み部301は、受信した新たな性能情報とイベントログを取得する。時系列異常検知部302、異常判定部303、前処理部304、特徴抽出部305は、学習部200の時系列異常検知部211、異常判定部212、前処理部213、特徴抽出部214とそれぞれ同様の動作を行う。すなわち、これら処理部により、ログ読み込み部301で、新たに取得した性能情報とイベントログを用いて、異常検知と異常発生期間を算出し、新たな異常発生期間におけるイベントログのTF-IDFベクトルを算出する。具体的には、時系列異常検知部302は、新たに取得した性能情報に対して、時系列データ異常検知アルゴリズムを適用し、異常度指数を取得する。異常判定部303は、異常度指数が異常度しきい値を超過したか否かを判定する。また、異常判定部303は、異常度指数が異常度しきい値を超過した場合、異常度指数が異常度しきい値を超過して発生した期間を含む開始時刻/終了時刻として異常発生期間を抽出し、インデックスを付与する。前処理部304は、異常発生期間のイベントログを抽出し、抽出したイベントログに対して形態素分析を適用し、品詞ごとやエラーを表す番号ごとにボキャブラリーとして分割する。特徴抽出部305は、分割の一部もしくは全部からTF-IDFベクトルを算出する。
【0019】
次に、分析部306は、モデル記憶部217から学習時に作成した学習モデル216を読み出し、学習モデル216から読み出したTF-IDFベクトルと特徴抽出部305で求めた新たな異常発生期間におけるイベントログのTF-IDFベクトルとをcos類似度などの手法で類似度を計算する。また、分析部306は、学習モデル216との類似度が高いものからインデックス情報を取得し、類似結果をリコメンド情報として生成する。加えて、分析部306は、学習モデル216からのTF-IDFベクトルと特徴抽出部305で求めたTF-IDFベクトルの類似度が低い場合、異常判定部303で求めた異常発生期間に対応するイベントログを抽出し、新規事象が発生した可能性があるなどのリコメンド情報1として生成する。
【0020】
また、分析部306は、過去の類似度が高いインデックス情報の異常発生期間を抽出し、異常発生期間の時間差を算出する。分析部306は、各時間差に定期性があるかを判断し、定期性があるものは定期性の崩れがあるかを判定する。そして、分析部306は、定期性の崩れがあった場合、定期運用における実行漏れや処理遅延が生じ始めているなどのリコメンド情報1として追加更新する。
【0021】
リコメンド部300における第2のリコメンド方法に関する機能について説明する。ログ読み込み部301、時系列異常検知部302、異常判定部303、前処理部304、特徴抽出部305の動作は、1つ目のリコメンド方法における動作と同じである。分析部306は、現在と予測のそれぞれにおけるイベントログのTF-IDFベクトルから類似度を算出する。なお、現在のイベントログのTF-IDFベクトルは特徴抽出部305により取得済みであることから、分析部306は、予測におけるイベントログのTF-IDFベクトルを取得して、現在と予測のそれぞれにおけるイベントログのTF-IDFベクトルから類似度を算出する。なお、分析部306は、予測における異常発生期間に対応するイベントログのTF-IDFベクトルの取得のために、前処理部304、特徴抽出部305を利用しても良い。分析部306は、類似度が高いものは類似結果と合わせて、該当するイベントログ情報を取得し、これらのイベントの実行タイミングに変化があったのではないかということを示唆するリコメンド情報2を生成する。また、分析部306は、求めた類似度が低い場合は、類似しないイベントログを抽出し、新規事象の発生により業務処理性能に何らかの影響が生じた可能性がある旨を示唆するリコメンド情報2を生成する。
【0022】
リコメンド部300の分析結果出力部307は、リコメンド情報1とリコメンド情報2を合わせて、リコメンド結果として出力する。なお、運用管理システム10は、出力されたリコメンド結果を、サイト20ないしは端末40に送信する。
【0023】
なお、送信されたリコメンド結果を受け取った運用管理者は、リコメンド結果を確認する。また、運用管理者は、リコメンド結果で表示される期間におけるシステム運用の何らかの影響や問題発生が有るか否かを判断し、その結果をフィードバック情報として、サイト20の中の所定の端末または端末40を介して運用管理システム10に送信する。
【0024】
運用管理システム10は、受信したフィードバック情報が何らかの影響や問題のあったことを示す場合、モデル記憶部217に記憶された学習モデルに対して「異常」という情報を登録する。一方、運用管理システム10は、フィードバック情報が問題のなかったことを示す場合、モデル記憶部217に記憶された学習モデルに対して「正常」という情報を登録する。
【0025】
以上が、運用管理システム10を構成する処理部の機能である。なお、運用管理システム10は、物理的なサーバではなく、クラウド上の仮想サーバとして構成してもよい。
【0026】
図2は、本開示の運用管理システム10を、プロセッサを含むコンピュータ装置4で実現するハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示されるように、コンピュータ装置4は、CPU(Central Processing Unit)401、ROM(Read Only Memory)402、RAM(Random Access Memory)403等のメモリ、プログラム404を格納するハードディスク等の記憶装置405を含む。さらに、コンピュータ装置4は、通信ネットワーク413への接続用の通信I/F(Interface)408、周辺機器414に対してデータの入出力を行う入出力インタフェース411を含む。また、コンピュータ装置4は、バス412を介して、コンピュータ装置4を構成する各デバイスと、コンピュータ装置4内部または外部に設けられる入力装置409および出力装置410とを接続する。
【0027】
CPU401は、オペレーティングシステムを動作させて運用管理システム10を実現するコンピュータ装置4の全体を制御する。また、CPU401は、例えばドライブ装置407などに装着された記録媒体406からメモリにプログラムやデータを読み出す。また、CPU401は、図1に示す学習部200やリコメンド部300として機能し、プログラムに基づいて後述する図3から図6に示すフローチャートにおける処理または命令を実行する。
【0028】
記録媒体406は、例えば光ディスク、フレキシブルディスク、磁気光ディスク、外付けハードディスク、または半導体メモリ等である。一部の記録媒体は、不揮発性記憶装置であり、そこにプログラムを記録する。また、プログラムは、通信網に接続されている図示しない外部コンピュータからダウンロードされてもよい。
【0029】
入力装置409は、例えば、マウスやキーボード、内蔵のキーボタンなどで実現され、入力操作に用いられる。入力装置409は、マウスやキーボード、内蔵のキーボタンに限らず、例えばタッチパネルでもよい。出力装置410は、例えばディスプレイで実現され、出力を確認するために用いられる。本実施形態において、運用管理システム10は、利用者により入力装置409から製品の設計に関する必要な操作を受付したことを検知すると、処理を開始する。
【0030】
以上のように、図1に示す運用管理システム10は、図2に示されるコンピュータ・ハードウェアによって実現される。ただし、図1の運用管理システム10が備える各部の実現手段は、以上説明した構成に限定されない。また運用管理システム10は、物理的に結合した一つの装置により実現されてもよいし、物理的に分離した二つ以上の装置を有線または無線で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。たとえば、入力装置409及び出力装置410は、コンピュータ装置4とネットワークを経由して接続されていてもよい。また、記憶装置405は、図1に示すログ情報記憶部210、モデル記憶部217、異常期間記憶部223として、設計支援のために必要となる各種情報を記憶する。
【0031】
次に、図3から~図11を参照して、運用管理システム10の動作ついて詳細に説明する。図1の保守管理装置21は、サイト20内の監視対象となる機器の性能情報、イベントログを定期的に収集する。また、保守管理装置21は、定期的に収集した情報はネットワークを経由して運用管理システム10に送信する。運用管理システム10の送受信部100は、送信された性能情報、イベントログを受信し、ログ情報記憶部210に記憶させる。
【0032】
運用管理システム10により行われる第1の学習方法のための学習部200の動作について、図3を用いて説明する。学習部200は、保守管理装置21から受信した性能情報とイベントログをログ情報記憶部210から取得する(S100)。時系列異常検知部211は、取得した性能情報に対して、時系列データ異常検知アルゴリズムを適用し、時系列的に示される異常度指数を取得する(S101)。ここで、時系列データ異常検知アルゴリズムとしては、Change Finder、特異スペクトル変換、近傍法、One-Class SVMなどのアルゴリズムである。
【0033】
異常判定部212は、異常度指数が異常度しきい値を超過したか否かを判定する(S102)。異常度しきい値は予め設定された値とする。異常判定部212は、時系列的に示される異常度指数が異常度しきい値を超過した場合(S102のYes)、異常度しきい値を超過して異常度指数が発生している期間を含む期間を開始時刻/終了時刻として異常発生期間を抽出し、異常発生期間に対するインデックスを付与する(S103)。ここで、異常発生期間は、異常度しきい値を超過した異常度指数が発生している期間よりもやや広い期間、例えば、異常度指数が異常度しきい値を超過している期間の開始時刻と終了時刻に対してそれぞれαの幅を持った期間としてもよい。図7は、異常判定部212による異常発生期間を求める際の例を示す図である。
【0034】
前処理部213は、ステップS100で取得したイベントログより、異常発生期間のイベントログを抽出する(S104)。また、前処理部213は、抽出したイベントログに対して形態素分析を適用し、品詞ごとやエラーを表す番号ごとにボキャブラリーとして分割する(S105)。特徴抽出部214は、分割の一部もしくは全部からTF-IDFベクトルを算出する(S106)。図8は、前処理部213による形態素分析から、特徴抽出部214によるTF-IDFベクトルの算出のイメージを示した図である。モデル生成部215は、異常発生期間/インデックス/TF-IDFベクトルを学習モデル216としてモデル記憶部217へ記録する(S107)。
【0035】
次に、運用管理システム10により行われる第2の学習方法のための学習部200の動作について、図4を用いて説明する。学習部200は、ログ情報記憶部210から性能情報とイベントログを取得する(S200)。時系列予測部220は、読み込んだ性能情報に対して、時系列データの時系列予測アルゴリズムを適用し、予測結果を取得する(S201)。時系列データの時系列予測アルゴリズムとしては、自己回帰、移動平均、自己回帰移動平均、季節性自己回帰和分移動平均、ベクトル自己回帰、状態空間、LSTMなどのニューラルネットワーク、各種アルゴリズムのアンサンブル手法などのいずれでもよい。例えば、図9の上段に示すように、時系列予測部220は、学習期間に対する性能情報を用いて図9の予測期間に対応する期間の性能情報の変化の予測結果を予測データ(符号9aで示す破線)として取得する。
【0036】
時系列異常検知部221は、予測データで示される性能情報に対して、時系列データ異常検知アルゴリズムを適用し、異常度指数を取得する(S202)。異常判断部222は、異常度しきい値を用いて、予測データの異常度指数が異常度しきい値を超過したか否かを判定する(S203)。異常判断部222は、予測データの異常度指数が異常度しきい値を超過した場合(S203のYes)、予測データの異常度指数が異常度しきい値を超過した期間を含む異常発生期間(図9の9c、9dで示す異常度指数に対応する異常発生期間)を抽出し、インデックスを付与して異常期間記憶部223に記録する(S205)。なお、異常発生期間は、第1の学習方法と同様に、異常度しきい値を超過して異常度指数が発生している期間よりもやや広い期間、例えば、異常度指数が異常度しきい値を超過している期間の開始時刻と終了時刻に対しておのおのαの幅を持った期間としてもよい。
【0037】
次に、運用管理システム10におけるリコメンドを生成する処理について説明する。リコメンド部300は、前述のように2つのリコメンド方法を有しており、それぞれのリコメンド情報を組み合わせることでリコメンドを実現している。
【0038】
運用管理システム10により行われる第1のリコメンド方法のためのリコメンド部300の動作について、図5のステップS500、S110、S510からS516を参照して説明する。リコメンド部300のログ読み込み部301は、受信した新たな性能情報とイベントログを取得する(S500)。次に、図3のステップS101からS106に示す第1の学習方法と同様の手法で、時系列異常検知部302、異常判定部303、前処理部304、特徴抽出部305により、新たに取得した性能情報より異常検知と異常発生期間を算出し、新たな異常発生期間におけるイベントログよりTF-IDFベクトルを算出する(図5のS110)。図10の符号10a,10b,10cは、新たに取得した性能情報、算出した異常度指数と異常発生期間の算出、および、TF-IDFベクトル化のイメージを示す。
【0039】
分析部306は、モデル記憶部217から学習時に作成した学習モデル216を読み出す(S510)。また、分析部306は、新たな性能情報から求めた異常発生期間におけるイベントログのTF-IDFベクトルと学習モデル216から読み出したTF-IDFベクトルとにおいて、cos類似度などの手法で類似度を計算する(S512)。分析部306は、学習モデル216との類似度が高いものからインデックス情報を取得し、類似結果を異常発生期間やその間のイベントに対するリコメンド情報として生成する(S513)。図10の符号10dは、新たな性能情報から求めた異常発生期間におけるイベントログのTF-IDFベクトルと学習モデル216から読み出したTF-IDFベクトルとの類似度算出のイメージの一例を示している。なお、類似度が高いか、低いかの判断は、例えば、類似度と所定のしきい値との比較により行う。なお、所定のしきい値は、類似度が高いと判断する場合と低いとする場合とで同じであてもよく、類似度が高いと判断する場合と低いとする場合とで異なるしきい値を設定しても良い。
【0040】
また、分析部306は、学習モデル216との類似度が低い場合、学習モデル216と類似しない新たに得られた異常発生期間に対応するイベントログを抽出し、新規事象が発生した可能性のあるイベントと関連付けてリコメンド情報1を生成する(S513)。
【0041】
加えて、分析部306は、新たに得られた性能情報によるインデックス情報に対して、過去の類似度が高いインデックス情報の異常発生期間を抽出し、得られた複数の異常発生期間の時間差を算出する(S514)。分析部306は、各時間差に定期性(たとえばおおよそ1日ごと、1週間ごとなど)があるかを判断し、定期性があるものは定期性の崩れがあるかを判定する(S515)。ここで定期性の崩れとは、各時間差において、一部の差が他と比べて大きい、あるいは、差が徐々に広まる等である。分析部306は、定期性の崩れがあったと判断する場合は(S515のYes)、定期運用における実行漏れや処理遅延が生じ始めているなどのインシデント可能性ありとして、リコメンド情報1を異常発生期間やそれに対応するイベントに関連付けて追加更新する(S516)。
【0042】
第2のリコメンド方法は図5のステップS500、S110、S501からS506により実行される。ただし、図5のS500、S110は第1のリコメンド方法における動作と同じであることから、ステップS501に示す動作より説明する。分析部306は、異常期間記憶部223から学習時の予測結果の異常発生期間とインデックスを取得する(S501)。この処理で、分析部306は、例えば、図9の符号9c、9dに対応する異常発生期間とインデックスを取得する。分析部306は、新たに取得した性能情報における異常発生期間と同一時間帯における予測結果による異常発生期間とに差分があるかを判定する(S502)。例えば、図9における符号9e、9fに示す新たに取得した性能情報における異常発生期間に対して、符号9c、9dに対応する予測結果に基づく異常発生期間との比較により差分を求める。図9は、符号9eに示す新たに取得した性能情報における異常発生期間に対して、符号9cに対応する予測結果に基づく異常発生期間との比較では差があると判断された例と示している。一方、図9における符号9fに示す新たに取得した性能情報における異常発生期間に対して、符号9dに対応する予測結果に基づく異常発生期間との比較では差がないと判断された例と示している。なお、差があるか否かは、一例として、比較対象となる2つの異常発生期間に重複する期間があるか否か、あるいは、2つの異常発生期間の重なる全期間に対する重複期間の比を利用する等により判断する。なお、図9において符号9bは予測データに対する実際の性能情報の時系列的な変化を示す正解データを例示している。
【0043】
分析部306が新たに取得した性能情報における異常発生期間と同一時間帯における予測結果の異常発生期間との比較で差があると判断した場合(S502のYes)、分析部306は、予測結果の異常発生期間におけるイベントログのTF-IDFベクトルをさらに算出する(S503)。なお、分析部306は、予測結果の異常発生期間におけるイベントログのTF-IDFベクトルの算出を前処理部304、特徴抽出部305を利用して算出しても良い。続いて、分析部306は、cos類似度などの手法で現在と予測それぞれにおけるイベントログのTF-IDFベクトルから類似度を計算する(S504)。分析部306は、類似度が高いものは類似結果と合わせて、該当するイベントログ情報を取得し、これらのイベントの実行タイミングに変化があったのではないかを示唆するリコメンド情報2を対象の異常発生期間やその間のイベントと関連付けて生成する(S506)。
【0044】
一方、類似度が低い場合と判断した場合、分析部306は、新たな性能情報における異常発生期間に対応するイベントログを抽出し、新規事象の発生により業務処理性能に何らかの影響が生じた可能性がある旨を示唆するリコメンド情報2を異常発生期間やその間のイベントと関連付けて生成する(S506)。
【0045】
第1および第2のリコメンド方法の実行の後、分析結果出力部307は、リコメンド情報1とリコメンド情報2を合わせて、インシデントのある可能性のある異常発生期間やその間のイベントであり、確認の必要性のありとして、リコメンド結果を出力する(S520)。また、運用管理システム10は、リコメンド結果をサイト20あるいは端末40に送信する。
【0046】
続いて、運用管理システム10による、リコメンド結果に対するサイト20の運用管理者からのフィードバック情報の処理に関する動作について図6を用いて説明する。運用管理システム10は、端末40等を通じで管理者からのフィードバック情報を受信する(S300)。フィードバック情報は、抽出した異常発生期間やその間のイベントに対するリコメンド結果に対して、運用管理者より確認された結果を示す情報であり、システム運用の何らかの影響や問題発生の有無を示す情報である。運用管理システム10は、受信したフィードバック情報が問題ありを示す場合(S301のYes)、モデル記憶部217に記憶されたフィードバック情報に対応する学習モデルの異常発生期間等に関連付けて「異常」という情報を登録する。問題がなかった場合(S301のNo)、モデル記憶部217に記憶された対応する学習モデルの異常発生期間等に関連付けて「正常」という情報を登録する。運用管理システム10を上述のシステム構成にて、学習とリコメンドを実行し、問題の有無を登録することで、インシデント予備軍を早期に提示することができるようになる。また、運用変化点の候補も提示することができるようになる。なお、運用管理システム10は、過去に異常と判断された期間と類似する事象が発生したときのみ、リコメンド結果を送信するよう予め構成してもよい。あるいは、運用管理システム10は、過去に異常と判断された期間と類似する事象が発生したときのみ、リコメンド結果を送信するよう運用管理者による設定が行えるようにしても良い。これにより、運用管理システム10のリコメンド部300は、図6のS303で「異常」という情報が登録された異常期間が図5のフローで類似と判定された場合はリコメンド結果を送信し、図6のS302で「正常」という情報が登録された異常期間が図5のフローで類似と判定された場合はリコメンドを行わない、とすることができる。これにより、運用管理者は、「異常」と考えられるリコメンド結果の確認のみとすることがき、結果として、コメンド結果の確認、フィードバック情報の処理の負担を軽減できる。
【0047】
なお、上記の説明において、学習部200による学習は、ログ情報が蓄積されることに応答して、所定期間ごとに随時、行われる。
【0048】
また、リコメンド部300は、抽出された異常発生期間等に関連付けて登録されたフィードバック情報を利用した処理をしても良い。例えば、リコメンド部300は、抽出された異常発生期間に対応する学習モデルに「正常」との情報が登録されている場合、リコメンド対象から除く処理をしても良い。
【0049】
図5に関するリコメンド処理において、第1のリコメンド方法としてステップS500、S100および、ステップS510からS516、第2のリコメンド方法としてステップS500、S100および、ステップS502からS506として説明した。この処理において、ステップS500、S100は重複していることから、第1のリコメンド方法と第2のリコメンド方法のいずれかでステップS500、S100が実行された場合、他のリコメンド方法の実行の際は、ステップS500、S100を省略しても良い。また、運用管理システム10は、第1のリコメンド方法と第2のリコメンド方法を実行する機能を備えるとして説明したが、いずれか一方のリコメンド方法を実行する機能のみを備えるようにしても良い。
【0050】
また、図1では、サイト20に設置される保守管理装置21と、サイト20外に設置される運用管理システム10とは、別の装置(システム)として説明したが、これに限るものではない。例えば、サイト20に2つの装置を設置してもよく、あるいは、図11に示すように、2つの装置(システム)の双方の機能を備えた1つの装置(システム)としてサイト20に設置しても良い。
【0051】
また、運用管理システム10は、学習後にログ情報記憶部210に記憶するログ情報を削除しても良い。これにより、運用管理システム10は、ログ情報をすべて記憶することなく、異常発生期間/インデックス/TF-IDFベクトルと言ったログ特徴量のみで類似度解析を行うことができるため、運用センターで保持する情報量を削減することもできる。
【0052】
以上の通り、運用管理システム10は、イベントログデータを使用して計算によりリコメンド情報を出力するようにすることで、主観や表記ゆれなどを排除することができ、特徴量抽出精度を向上させることができる。また、時系列データに異常検知アルゴリズムを用いることで、正常データの学習を不要にすることができる。
【0053】
また、リソース使用状況の時系列データに異常検知アルゴリズムにより、外れ値/変化点/異常部位を検知し、異常発生期間におけるイベントログ特徴量の類似度から過去の発生事象との同定判断を実施することで、リソース変動要因の問題有無の判定や新規事象の発生を容易に実現することができる。
【0054】
運用管理システム10は、時系列データの予測を用いている。このため、予測に対する異常検知結果より、インシデント予備軍が発生する可能性を示唆することができる。また、予測と実際とに差があった場合、予測/実際のそれぞれのイベントログの差分から運用変化点の発生を示唆することができる。
【0055】
また、運用管理システム10は、時系列データの異常検知アルゴリズムを適用しているため、正常データの学習などが不要であり、また、フィードバック情報を活用しつつ運用をしていくことで自律的にインシデント管理レベルを向上させることもできる。
【0056】
以上の通り、システム運用管理において、インシデント予備軍の早期検出、システム運用における運用変化点を検出することができ、システムを運用していくことで、インシデント管理レベルを学習/成熟させることができるため、コンピュータシステムの信頼性を自律的に向上させることが可能となる。
【0057】
図12は、本発明の一実施形態による運用管理システムの最小構成図を示す図である。運用管理システム10は少なくとも学習部200とリコメンド部300を備える。学習部200は、管理対象となる機器の性能情報とイベントログより、前記性能情報を用いて第1の異常発生期間を抽出し、前記第1の異常発生期間におけるイベントログを用いて作成した第1のTF-IDFベクトルを算出し、少なくとも前記第1のTF-IDFベクトルを学習モデルとして記憶させる。リコメンド部300は、前記機器より新たに取得した性能情報とイベントログを用いて、第2の異常発生期間と第2のTF-IDFベクトルを算出し、前記学習モデル内の前記第1のTF-IDFベクトルと前記第2のTF-IDFベクトルとの第1の類似度を算出し、前記第1の類似度が所定値以下の場合、算出した前記第2の異常発生期間に関するリコメンド情報を出力する。
【0058】
なお、図1における処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより運用監視対象となる機器の運用管理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0059】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0060】
上記の実施の形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0061】
(付記1)管理対象となる機器の性能情報とイベントログより、前記性能情報を用いて第1の異常発生期間を抽出し、前記第1の異常発生期間におけるイベントログを用いて作成した第1のTF-IDFベクトルを算出し、少なくとも前記第1のTF-IDFベクトルを学習モデルとして記憶させる学習手段と、
前記機器より新たに取得した性能情報とイベントログを用いて、第2の異常発生期間と第2のTF-IDFベクトルを算出し、前記学習モデル内の前記第1のTF-IDFベクトルと前記第2のTF-IDFベクトルとの第1の類似度を算出し、前記第1の類似度が所定値以下の場合、算出した前記第2の異常発生期間に関するリコメンド情報を出力するリコメンド手段と
を備える運用管理システム。
【0062】
(付記2)前記リコメンド手段は、蓄積された前記機器の性能情報とイベントログより、異常の類似度が所定値以上の第3の異常発生期間を抽出し、前記第3の異常発生期間における定期性の乱れがある場合、前記定期性の乱れに対応する異常発生期間に関するリコメンド情報を出力する、ことをさらに行う
付記1に記載の運用管理システム。
【0063】
(付記3)前記学習手段は、前記機器の性能情報とイベントログに対して、前記性能情報を学習用データとして用いた性能情報の予測データを取得し、前記予測データの異常発生期間を抽出して第4の異常発生期間とし、前記第4の異常発生期間と前記第4の異常発生期間に対応するイベントログを蓄積する、ことをさらに行い、
前記リコメンド手段は、前記第2の異常発生期間と前記第4の異常発生期間の比較で所定の差があった場合、前記第4の異常発生期間に対応するイベントログより第4のTF-IDFベクトルを算出し、前記第2のTF-IDFベクトルと前記第4のTF-IDFベクトルとにおける第2の類似度を算出し、前記第2の類似度が所定の値以上の場合、前記第2の異常発生期間に関するリコメンド情報を出力する、ことをさらに行う
付記1または2に記載の運用管理システム。
【0064】
(付記4)前記リコメンド手段は、前記第2の類似度が所定値以下の場合、前記第2の異常発生期間に関するリコメンド情報を出力する、ことをさらに行う
付記3に記載の運用管理システム。
【0065】
(付記5)前記学習手段は、前記リコメンド情報に関して問題/異常があるかのフィードバック情報を受信し、該フィードバック情報を前記学習モデルに記憶する、ことをさらに行う
付記1から4のいずれか1つに記載の運用管理システム。
【0066】
(付記6)前記リコメンド手段は、前記第2の類似度が所定値以上かつ、前記フィードバック情報に異常と登録されている場合のみ、前記第2の異常発生期間に関するリコメンド情報を出力する、ことをさらに行う、付記3に記載の運用管理システム。
【0067】
(付記7)前記学習手段および前記リコメンド手段は、
前記機器の性能情報に時系列データ異常検知アルゴリズムを適用することで異常度指数を取得し、
前記異常度指数が所定値以上の場合、異常発生期間を抽出し、
前記異常発生期間のイベントログに対して形態素分析を提供して分割し、
前記分割を用いてTF-IDFベクトルを算出する
ことによりTF-IDFベクトルを求める
付記1から6のいずれか1つに記載の運用管理システム。
【0068】
(付記8)前記異常発生期間は、前記異常度指数が所定値以上の期間を含む期間とする、付記7に記載の運用管理システム。
【0069】
(付記9)前記運用管理システムは、前記機器より性能情報やイベントログを収集する保守管理装置を含む、付記1から8のいずれか1つに記載の運用管理システム。
【0070】
(付記10)管理対象となる機器の性能情報とイベントログより、前記性能情報を用いて第1の異常発生期間を抽出し、前記第1の異常発生期間におけるイベントログを用いて作成した第1のTF-IDFベクトルを算出し、少なくとも前記第1のTF-IDFベクトルを学習モデルとして記憶させ、
前記機器より新たに取得した性能情報とイベントログを用いて、第2の異常発生期間と第2のTF-IDFベクトルを算出し、前記学習モデル内の前記第1のTF-IDFベクトルと前記第2のTF-IDFベクトルとの第1の類似度を算出し、前記第1の類似度が所定値以下の場合、算出した前記第2の異常発生期間に関するリコメンド情報を出力する
運用管理方法。
【0071】
(付記11)運用管理のためのコンピュータプログラムであって、
管理対象となる機器の性能情報とイベントログより、前記性能情報を用いて第1の異常発生期間を抽出し、前記第1の異常発生期間におけるイベントログを用いて作成した第1のTF-IDFベクトルを算出し、少なくとも前記第1のTF-IDFベクトルを学習モデルとして記憶させ、
前記機器より新たに取得した性能情報とイベントログを用いて、第2の異常発生期間と第2のTF-IDFベクトルを算出し、前記学習モデル内の前記第1のTF-IDFベクトルと前記第2のTF-IDFベクトルとの第1の類似度を算出し、前記第1の類似度が所定値以下の場合、算出した前記第2の異常発生期間に関するリコメンド情報を出力する
ことをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【符号の説明】
【0072】
10 運用管理システム
100 送受信部
200 学習部
210 ログ情報記憶部
211 時系列異常検知部
212 異常判定部
213 前処理部
214 特徴抽出部
215 モデル生成部
217 モデル記憶部
220 時系列予測部
221 時系列異常検知部
222 異常判断部
223 異常期間記憶部
300 リコメンド部
301 ログ読み込み部
302 時系列異常検知部
303 異常判定部
304 前処理部
305 特徴抽出部
306 分析部
307 分析結果出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2023-05-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理対象となる機器の性能情報とイベントログより、前記性能情報を用いて第1の異常発生期間を抽出し、前記第1の異常発生期間におけるイベントログを用いて作成した第1のTF-IDFベクトルを算出し、少なくとも前記第1のTF-IDFベクトルを学習モデルとして記憶させる学習手段と、
前記機器より新たに取得した性能情報とイベントログを用いて、第2の異常発生期間と第2のTF-IDFベクトルを算出し、前記学習モデル内の前記第1のTF-IDFベクトルと前記第2のTF-IDFベクトルとの第1の類似度を算出し、前記第1の類似度が所定値以下の場合、算出した前記第2の異常発生期間に関するリコメンド情報を出力するリコメンド手段と
を備え
前記学習手段は、前記機器の性能情報とイベントログに対して、前記性能情報を学習用データとして用いた性能情報の予測データを取得し、前記予測データの異常発生期間を抽出して第4の異常発生期間とし、前記第4の異常発生期間と前記第4の異常発生期間に対応するイベントログを蓄積する、ことをさらに行い、
前記リコメンド手段は、前記第2の異常発生期間と前記第4の異常発生期間の比較で所定の差があった場合、前記第4の異常発生期間に対応するイベントログより第4のTF-IDFベクトルを算出し、前記第2のTF-IDFベクトルと前記第4のTF-IDFベクトルとにおける第2の類似度を算出し、前記第2の類似度が所定の値以上の場合、前記第2の異常発生期間に関するリコメンド情報を出力する、ことをさらに行う
運用管理システム。
【請求項2】
前記リコメンド手段は、蓄積された前記機器の性能情報とイベントログより、異常の類似度が所定値以上の第3の異常発生期間を抽出し、前記第3の異常発生期間における定期性の乱れがある場合、前記定期性の乱れに対応する異常発生期間に関するリコメンド情報を出力する、ことをさらに行う
請求項1に記載の運用管理システム。
【請求項3】
前記リコメンド手段は、前記第2の類似度が所定値以下の場合、前記第2の異常発生期間に関するリコメンド情報を出力する、ことをさらに行う
請求項に記載の運用管理システム。
【請求項4】
前記学習手段は、前記リコメンド情報に関して問題/異常があるかのフィードバック情報を受信し、該フィードバック情報を前記学習モデルに記憶する、ことをさらに行う
請求項1からのいずれか1項に記載の運用管理システム。
【請求項5】
前記リコメンド手段は、前記第2の類似度が所定値以上かつ、前記フィードバック情報に異常と登録されている場合のみ、前記第2の異常発生期間に関するリコメンド情報を出力する、ことをさらに行う、請求項に記載の運用管理システム。
【請求項6】
前記学習手段および前記リコメンド手段は、
前記機器の性能情報に時系列データ異常検知アルゴリズムを適用することで異常度指数を取得し、
前記異常度指数が所定値以上の場合、異常発生期間を抽出し、
前記異常発生期間のイベントログに対して形態素分析を提供して分割し、
前記分割を用いてTF-IDFベクトルを算出する
ことによりTF-IDFベクトルを求める
請求項1からのいずれか1項に記載の運用管理システム。
【請求項7】
前記運用管理システムは、前記機器より性能情報やイベントログを収集する保守管理装置を含む、請求項1からのいずれか1項に記載の運用管理システム。
【請求項8】
管理対象となる機器の性能情報とイベントログより、前記性能情報を用いて第1の異常発生期間を抽出し、前記第1の異常発生期間におけるイベントログを用いて作成した第1のTF-IDFベクトルを算出し、少なくとも前記第1のTF-IDFベクトルを学習モデルとして記憶させ、
前記機器より新たに取得した性能情報とイベントログを用いて、第2の異常発生期間と第2のTF-IDFベクトルを算出し、前記学習モデル内の前記第1のTF-IDFベクトルと前記第2のTF-IDFベクトルとの第1の類似度を算出し、前記第1の類似度が所定値以下の場合、算出した前記第2の異常発生期間に関するリコメンド情報を出力し、
前記機器の性能情報とイベントログに対して、前記性能情報を学習用データとして用いた性能情報の予測データを取得し、前記予測データの異常発生期間を抽出して第4の異常発生期間とし、前記第4の異常発生期間と前記第4の異常発生期間に対応するイベントログを蓄積し、
前記第2の異常発生期間と前記第4の異常発生期間の比較で所定の差があった場合、前記第4の異常発生期間に対応するイベントログより第4のTF-IDFベクトルを算出し、前記第2のTF-IDFベクトルと前記第4のTF-IDFベクトルとにおける第2の類似度を算出し、前記第2の類似度が所定の値以上の場合、前記第2の異常発生期間に関するリコメンド情報を出力する、
運用管理方法。
【請求項9】
運用管理のためのコンピュータプログラムであって、
管理対象となる機器の性能情報とイベントログより、前記性能情報を用いて第1の異常発生期間を抽出し、前記第1の異常発生期間におけるイベントログを用いて作成した第1のTF-IDFベクトルを算出し、少なくとも前記第1のTF-IDFベクトルを学習モデルとして記憶させ、
前記機器より新たに取得した性能情報とイベントログを用いて、第2の異常発生期間と第2のTF-IDFベクトルを算出し、前記学習モデル内の前記第1のTF-IDFベクトルと前記第2のTF-IDFベクトルとの第1の類似度を算出し、前記第1の類似度が所定値以下の場合、算出した前記第2の異常発生期間に関するリコメンド情報を出力し、
前記機器の性能情報とイベントログに対して、前記性能情報を学習用データとして用いた性能情報の予測データを取得し、前記予測データの異常発生期間を抽出して第4の異常発生期間とし、前記第4の異常発生期間と前記第4の異常発生期間に対応するイベントログを蓄積し、
前記第2の異常発生期間と前記第4の異常発生期間の比較で所定の差があった場合、前記第4の異常発生期間に対応するイベントログより第4のTF-IDFベクトルを算出し、前記第2のTF-IDFベクトルと前記第4のTF-IDFベクトルとにおける第2の類似度を算出し、前記第2の類似度が所定の値以上の場合、前記第2の異常発生期間に関するリコメンド情報をさらに出力する、
ことをコンピュータに実行させるための運用管理のためのコンピュータプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、運用管理システムは、管理対象となる機器の性能情報とイベントログより、前記性能情報を用いて第1の異常発生期間を抽出し、前記第1の異常発生期間におけるイベントログを用いて作成した第1のTF-IDFベクトルを算出し、少なくとも前記第1のTF-IDFベクトルを学習モデルとして記憶させる学習手段と、前記機器より新たに取得した性能情報とイベントログを用いて、第2の異常発生期間と第2のTF-IDFベクトルを算出し、前記学習モデル内の前記第1のTF-IDFベクトルと前記第2のTF-IDFベクトルとの第1の類似度を算出し、前記第1の類似度が所定値以下の場合、算出した前記第2の異常発生期間に関するリコメンド情報を出力するリコメンド手段とを備え 前記学習手段は、前記機器の性能情報とイベントログに対して、前記性能情報を学習用データとして用いた性能情報の予測データを取得し、前記予測データの異常発生期間を抽出して第4の異常発生期間とし、前記第4の異常発生期間と前記第4の異常発生期間に対応するイベントログを蓄積する、ことをさらに行い、前記リコメンド手段は、前記第2の異常発生期間と前記第4の異常発生期間の比較で所定の差があった場合、前記第4の異常発生期間に対応するイベントログより第4のTF-IDFベクトルを算出し、前記第2のTF-IDFベクトルと前記第4のTF-IDFベクトルとにおける第2の類似度を算出し、前記第2の類似度が所定の値以上の場合、前記第2の異常発生期間に関するリコメンド情報を出力する、ことをさらに行う
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
また本発明の第2の態様によれば、運用管理方法は、管理対象となる機器の性能情報とイベントログより、前記性能情報を用いて第1の異常発生期間を抽出し、前記第1の異常発生期間におけるイベントログを用いて作成した第1のTF-IDFベクトルを算出し、少なくとも前記第1のTF-IDFベクトルを学習モデルとして記憶させ、前記機器より新たに取得した性能情報とイベントログを用いて、第2の異常発生期間と第2のTF-IDFベクトルを算出し、前記学習モデル内の前記第1のTF-IDFベクトルと前記第2のTF-IDFベクトルとの第1の類似度を算出し、前記第1の類似度が所定値以下の場合、算出した前記第2の異常発生期間に関するリコメンド情報を出力し、 前記機器の性能情報とイベントログに対して、前記性能情報を学習用データとして用いた性能情報の予測データを取得し、前記予測データの異常発生期間を抽出して第4の異常発生期間とし、前記第4の異常発生期間と前記第4の異常発生期間に対応するイベントログを蓄積し、前記第2の異常発生期間と前記第4の異常発生期間の比較で所定の差があった場合、前記第4の異常発生期間に対応するイベントログより第4のTF-IDFベクトルを算出し、前記第2のTF-IDFベクトルと前記第4のTF-IDFベクトルとにおける第2の類似度を算出し、前記第2の類似度が所定の値以上の場合、前記第2の異常発生期間に関するリコメンド情報を出力する
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
また本発明の第3の態様によれば、運用管理のためのコンピュータプログラムは、管理対象となる機器の性能情報とイベントログより、前記性能情報を用いて第1の異常発生期間を抽出し、前記第1の異常発生期間におけるイベントログを用いて作成した第1のTF-IDFベクトルを算出し、少なくとも前記第1のTF-IDFベクトルを学習モデルとして記憶させ、前記機器より新たに取得した性能情報とイベントログを用いて、第2の異常発生期間と第2のTF-IDFベクトルを算出し、前記学習モデル内の前記第1のTF-IDFベクトルと前記第2のTF-IDFベクトルとの第1の類似度を算出し、前記第1の類似度が所定値以下の場合、算出した前記第2の異常発生期間に関するリコメンド情報を出力し、前記機器の性能情報とイベントログに対して、前記性能情報を学習用データとして用いた性能情報の予測データを取得し、前記予測データの異常発生期間を抽出して第4の異常発生期間とし、前記第4の異常発生期間と前記第4の異常発生期間に対応するイベントログを蓄積し、前記第2の異常発生期間と前記第4の異常発生期間の比較で所定の差があった場合、前記第4の異常発生期間に対応するイベントログより第4のTF-IDFベクトルを算出し、前記第2のTF-IDFベクトルと前記第4のTF-IDFベクトルとにおける第2の類似度を算出し、前記第2の類似度が所定の値以上の場合、前記第2の異常発生期間に関するリコメンド情報をさらに出力する、ことをコンピュータに実行させる。