(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023121254
(43)【公開日】2023-08-31
(54)【発明の名称】印刷装置、印刷方法、及び端面ガイド
(51)【国際特許分類】
B41J 15/16 20060101AFI20230824BHJP
B65H 18/04 20060101ALI20230824BHJP
【FI】
B41J15/16
B65H18/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022024490
(22)【出願日】2022-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】000137823
【氏名又は名称】株式会社ミマキエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】100166545
【弁理士】
【氏名又は名称】折坂 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142653
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 直樹
(72)【発明者】
【氏名】熊▲崎▼ 雄一郎
【テーマコード(参考)】
2C060
3F055
【Fターム(参考)】
2C060CA03
3F055AA01
3F055CA01
3F055CA28
(57)【要約】
【課題】印刷装置において、より適切な構成で印刷後の媒体の巻き取りを行う。
【解決手段】媒体に対して印刷を行う印刷装置であって、印刷実行部、搬送機構、及び巻取部18を備え、巻取部18は、芯部材である紙管52の一端及び他端をそれぞれが保持することで紙管52にロール状に巻かれる媒体を保持する複数のロールホルダ202と、紙管52に巻かれる媒体の端面の位置をガイドする端面ガイド204とを有し、端面ガイド204は、紙管52の周囲方向において、紙管52の幅以上の隙間を空けた範囲で紙管52の周囲を囲む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体に対して印刷を行う印刷装置であって、
色材を前記媒体へ付着させることで前記媒体に対する印刷を実行する印刷実行部と、
前記印刷実行部と対向する位置を前記媒体が通過するように前記媒体を搬送する搬送機構と、
前記搬送機構が前記媒体を搬送する搬送方向において前記印刷実行部よりも下流側で前記媒体を巻き取る巻取部と
を備え、
前記巻取部は、
前記巻取部で巻き取られる前記媒体の巻き芯となる部材である芯部材の一端及び他端をそれぞれが保持することで前記芯部材にロール状に巻かれる前記媒体を保持する複数のロールホルダと、
前記芯部材に巻かれる前記媒体の端面の位置をガイドする端面ガイドと
を有し、
前記端面ガイドは、前記芯部材の周囲方向において、前記芯部材の幅以上の隙間を空けた範囲で前記芯部材の周囲を囲むことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記端面ガイドは、前記芯部材に巻かれる前記媒体に対し、前記芯部材の周方向における半周以下の範囲のみで前記媒体の端面と接することで、前記媒体の端面の位置をガイドすることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記巻取部は、前記複数のロールホルダの固定に用いられる棒状の部材であり、長手方向を前記搬送方向と直交する方向にして配設されるホルダ固定用バーを更に有し、
前記複数のロールホルダそれぞれは、前記ホルダ固定用バーが通される貫通孔を有し、前記貫通孔に前記ホルダ固定用バーが通された状態で前記ホルダ固定用バーに対して固定され、
前記端面ガイドは、前記ホルダ固定用バーに対して固定された前記複数のロールホルダに挟まれる位置において、前記ホルダ固定用バーに対して着脱可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記巻取部は、前記長手方向と直交する方向において離間しつつ互いに平行な状態で配設される複数の前記ホルダ固定用バーを有し、
それぞれの前記ロールホルダは、複数の前記貫通孔を有し、それぞれの前記貫通孔にそれぞれの前記ホルダ固定用バーが通された状態で前記ホルダ固定用バーに固定され、
前記端面ガイドは、
前記芯部材に巻かれる前記媒体の端面に接することで前記媒体の端面の位置をガイドするガイド部と、
予め調整された端面位置において前記ガイド部の少なくとも一部が前記媒体の端面と接するように前記ガイド部を支持する支持部と
を有し、
前記支持部は、
周囲の一部が開閉可能であり、当該一部が閉じた場合に孔状になる部分であり、前記端面ガイドの固定時に一方の前記ホルダ固定用バーが通される開閉孔と、
前記一部が閉じた前記開閉孔に前記一方のホルダ固定用バーが通された状態で他方の前記ホルダ固定用バーと接するバー接触部と
を含み、
前記バー接触部は、前記一方のホルダ固定用バーの周方向における一方側及び他方側のそれぞれから他方の前記ホルダ固定用バーと接することで、前記一方のホルダ固定用バーを中心とする前記端面ガイドの回転を規制することを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記端面ガイドは、
前記芯部材に巻かれる前記媒体の端面に接することで前記媒体の端面の位置をガイドするガイド部と、
予め調整された端面位置において前記ガイド部の少なくとも一部が前記媒体の端面と接するように前記ガイド部を支持する支持部と
を有し、
前記ガイド部は、
前記端面位置において前記芯部材の軸方向と直交する面で前記芯部材に巻かれる前記媒体の端面と接する媒体接触部と
前記媒体の端面と対向する側の位置が前記端面位置よりも前記媒体から遠くなるように前記芯部材の周方向における前記媒体接触部の端につながる部分であるガイド端部と
を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項6】
媒体に対して印刷を行う印刷方法であって、
色材を前記媒体へ付着させることで前記媒体に対する印刷を実行する印刷実行部と、
前記印刷実行部と対向する位置を前記媒体が通過するように前記媒体を搬送する搬送機構と、
前記搬送機構が前記媒体を搬送する搬送方向において前記印刷実行部よりも下流側で前記媒体を巻き取る巻取部と
を用い、
前記巻取部は、
前記巻取部で巻き取られる前記媒体の巻き芯となる部材である芯部材の一端及び他端をそれぞれが保持することで前記芯部材にロール状に巻かれる前記媒体を保持する複数のロールホルダと、
前記芯部材に巻かれる前記媒体の端面の位置をガイドする端面ガイドと
を有し、
前記端面ガイドは、前記芯部材の周囲方向において、前記芯部材の幅以上の隙間を空けた範囲で前記芯部材の周囲を囲むことを特徴とする印刷方法。
【請求項7】
前記ロールホルダに対する調整を行うロールホルダ調整段階と、
前記複数のロールホルダの間に前記端面ガイドを設置する端面ガイド設置段階と、
前記媒体に対する印刷を実行する印刷段階と
を備え、
前記巻取部は、
前記複数のロールホルダの固定に用いられる棒状の部材であり、長手方向を前記搬送方向と直交する方向にして配設されるホルダ固定用バーを更に有し、
前記複数のロールホルダそれぞれは、前記ホルダ固定用バーが通される貫通孔を有し、前記貫通孔に前記ホルダ固定用バーが通された状態で前記ホルダ固定用バーに対して固定され、
前記端面ガイドは、前記ホルダ固定用バーに対して固定された前記複数のロールホルダに挟まれる位置において、前記ホルダ固定用バーに対して着脱可能であり、
前記ロールホルダ調整段階において、前記複数のロールホルダそれぞれにおける前記貫通孔に前記ホルダ固定用バーを通し、かつ、前記ホルダ固定用バーから前記端面ガイドを取り外した状態で、前記複数のロールホルダのそれぞれが前記芯部材を保持する位置の調整を行い、
前記端面ガイド設置段階において、前記複数のロールホルダそれぞれにおける前記貫通孔に前記ホルダ固定用バーを通したまま、前記複数のロールホルダに挟まれる領域において、前記ホルダ固定用バーに対して前記端面ガイドを取り付け、
前記印刷段階において、前記巻取部で、前記端面ガイドを用いて前記媒体の端面の位置をガイドしつつ、前記芯部材に前記媒体を巻き取ることを特徴とする請求項6に記載の印刷方法。
【請求項8】
媒体に対して印刷を行う印刷装置において巻き芯となる芯部材に巻かれる前記媒体の端面の位置をガイドする端面ガイドであって、
複数のロールホルダに一端及び他端が保持される前記芯部材の周囲方向において、前記芯部材の幅以上の隙間を空けた範囲で前記芯部材の周囲を囲むことを特徴とする端面ガイド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置、印刷方法、及び端面ガイドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷後の媒体(メディア)をロール状に巻き取る機構を備えた印刷装置が広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。このような印刷装置では、例えば、印刷後の媒体が巻かれる巻取り軸を支持して、巻取り軸を回転させることで、媒体の巻き取りを行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
印刷装置において、印刷後の媒体の巻き取りを行う場合、様々な原因により、例えば搬送方向と直交する横方向への力が媒体に加わり、媒体の端面が横方向へずれる横ズレが生じる場合がある。これに対し、横ズレを防ぐためには、例えば、媒体の幅に合わせた位置で媒体の端面を押さえつつ、媒体の巻き取りを行うことが考えられる。また、この場合、例えば、媒体の端面の位置をガイド(案内)するガイド部材である端面ガイドとして、巻き取り軸の径に合わせた貫通孔を空けた板状の部分を含む構成の部材を用い、この貫通孔を巻き取り軸に通し、所定の端面位置に合わせて端面ガイドの位置を固定することが考えられる。このように構成すれば、例えば、端面位置で媒体の端面を押さえて、端面の位置をガイドすることで、横ズレを防止することができる。しかし、このような端面ガイドを用いる場合、例えば、巻き取り軸の設置時や取り外し時において、作業の手間が大きく増大する場合がある。そのため、従来、より適切な構成で印刷後の媒体の巻き取りを行うことが望まれていた。そこで、本発明は、上記の課題を解決できる印刷装置、印刷方法、及び端面ガイドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の発明者は、媒体の端面の位置をガイドするための端面ガイドの構成について鋭意研究を行い、巻き取り軸として用いる芯部材(紙管等)の周方向の全体ではなく、周方向の一部の範囲のみで、媒体の端面と端面ガイドとを接触させることを考えた。そして、実際に様々な実験等を行うことで、このような構成でも、媒体の端面の位置を適切にガイドし、芯部材に巻かれる媒体の横ズレを適切に防止できることを見出した。また、この場合において、芯部材に対し、芯部材の幅以上の隙間を空けた範囲で芯部材の周囲を囲むように端面ガイドを設置することで、芯部材の設置や取り外しをより容易かつ適切に行えることを見出した。
【0006】
また、本願の発明者は、更なる鋭意研究により、このような効果を得るために必要な特徴を見出し、本発明に至った。上記の課題を解決するために、本発明は、媒体に対して印刷を行う印刷装置であって、色材を前記媒体へ付着させることで前記媒体に対する印刷を実行する印刷実行部と、前記印刷実行部と対向する位置を前記媒体が通過するように前記媒体を搬送する搬送機構と、前記搬送機構が前記媒体を搬送する搬送方向において前記印刷実行部よりも下流側で前記媒体を巻き取る巻取部とを備え、前記巻取部は、前記巻取部で巻き取られる前記媒体の巻き芯となる部材である芯部材の一端及び他端をそれぞれが保持することで前記芯部材にロール状に巻かれる前記媒体を保持する複数のロールホルダと、前記芯部材に巻かれる前記媒体の端面の位置をガイドする端面ガイドとを有し、前記端面ガイドは、前記芯部材の周囲方向において、前記芯部材の幅以上の隙間を空けた範囲で前記芯部材の周囲を囲む。
【0007】
このように構成した場合、端面ガイドを用いることにより、例えば、芯部材に巻かれる媒体の端面の位置を適切にガイドすることができる。また、これにより、例えば、芯部材に巻かれる媒体に横ズレ等が生じることを適切に防止することができる。芯部材については、例えば、媒体の巻き取り軸として用いる部材等と考えることができる。芯部材としては、例えば、紙管等を好適に用いることができる。また、この場合、芯部材の幅以上の隙間を空けた範囲で芯部材の周囲を囲む端面ガイドを用いることで、例えば、ガイド部材に対する芯部材の抜き差し等を行うことなく、芯部材の設置や取り外しを容易かつ適切に行うことができる。また、例えば、予め調整された端面位置に合わせて端面ガイドを設置したまま、芯部材の設置や取り外しを行うこと等も可能になる。そのため、このように構成すれば、例えば、より適切な構成で印刷後の媒体の巻き取りを行うことができる。
【0008】
この構成において、端面ガイドは、例えば、芯部材に巻かれる媒体に対し、芯部材の周方向における半周以下の範囲のみで媒体の端面と接することで、媒体の端面の位置をガイドする。このように構成すれば、例えば、芯部材の設置や取り外しをより容易かつ適切に行うことができる。端面ガイドが媒体の端面と接する範囲は、芯部材の周方向における1/3以下(例えば、1/5~1/3程度)であってもよい。また、この構成において、巻取部は、例えば、複数のロールホルダの固定に用いられる棒状の部材であるホルダ固定用バーを更に有する。この場合、ホルダ固定用バーは、例えば、長手方向を媒体の搬送方向と直交する方向にして配設される。また、複数のロールホルダそれぞれは、例えば、ホルダ固定用バーが通される貫通孔を有し、この貫通孔にホルダ固定用バーが通された状態で、ホルダ固定用バーに対して固定される。このように構成すれば、例えば、印刷装置に対してロールホルダを適切に固定することができる。また、これにより、例えば、媒体の巻き取りに用いる芯部材を適切に保持することができる。
【0009】
また、この構成において、端面ガイドは、例えば、ホルダ固定用バーに対して固定された複数のロールホルダに挟まれる位置に設置される。そして、この場合、例えば、ロールホルダをホルダ固定用バーから取り外さずにホルダ固定用バーに対して着脱可能な構成の端面ガイドを用いることが好ましい。このように構成すれば、例えば、端面ガイドを外した状態でロールホルダの調整を行った後に、端面ガイドを適切に設置することができる。より具体的に、この場合、例えば、それぞれのロールホルダの貫通孔にホルダ固定用バーを通し、かつ、端面ガイドを外した状態でロールホルダの高さ等の調整を行った後、ホルダ固定用バーからロールホルダを取り外すことなく、端面ガイドを適切に設置することができる。また、端面ガイドの設置後にロールホルダの高さの調整等が必要になった場合等に、必要に応じて、端面ガイドを適切に取り外すことができる。
【0010】
また、巻取部は、複数のホルダ固定用バーを有してもよい。この場合、複数のホルダ固定用バーは、例えば、長手方向と直交する方向において離間しつつ互いに平行な状態で配設される。また、それぞれのロールホルダは、例えば、複数の貫通孔を有し、それぞれの貫通孔にそれぞれのホルダ固定用バーが通された状態で、ホルダ固定用バーに固定される。このように構成すれば、例えば、印刷装置に対してロールホルダをより適切に固定することができる。また、端面ガイドは、例えば、ガイド部及び支持部を有する。この場合、ガイド部は、例えば、芯部材に巻かれる媒体の端面に接することで媒体の端面の位置をガイドする部分である。支持部は、例えば、予め調整された端面位置においてガイド部の少なくとも一部が媒体の端面と接するようにガイド部を支持する部分である。また、支持部としては、例えば、開閉孔及びバー接触部を含む構成を用いることが考えられる。この場合、開閉孔は、例えば、周囲の一部が開閉可能であり、この一部が閉じた場合に孔状になる部分である。また、この開閉孔には、例えば、端面ガイドの固定時に、一方のホルダ固定用バーが通される。バー接触部は、例えば、上記の一部が閉じた開閉孔に一方のホルダ固定用バーが通された状態で他方のホルダ固定用バーと接する部分である。また、バー接触部は、例えば、一方のホルダ固定用バーの周方向における一方側及び他方側のそれぞれから他方のホルダ固定用バーと接することで、一方のホルダ固定用バーを中心とする端面ガイドの回転を規制する。このように構成すれば、例えば、ホルダ固定用バーに対して着脱可能な構成により、複数のホルダ固定用バーに対して端面ガイドを適切に固定することができる。
【0011】
また、周方向の一部の範囲のみで媒体の端面と接触する端面ガイドを用いる場合、端面ガイドの形状等によっては、媒体の端面と接触する部分の端の影響で、媒体に意図しない折れ曲がり等が生じること等も考えられる。そのため、端面ガイドの形状については、このような問題が生じにくい形状にすることが好ましい。また、この場合、端面ガイドにおけるガイド部の端について、例えば、媒体の端面と接する端面位置から少しだけ外側へ反らすことが考えられる。より具体的に、この場合、ガイド部は、例えば、媒体接触部及びガイド端部を含む。媒体接触部は、例えば、端面位置において芯部材の軸方向と直交する面で芯部材に巻かれる媒体の端面と接する部分である。ガイド端部は、例えば、芯部材の周方向における媒体接触部の端につながる部分である。また、この場合、ガイド端部は、例えば、媒体の端面と対向する側の位置が端面位置よりも媒体から遠くなるように芯部材の周方向における媒体接触部の端につながる。このように構成すれば、例えば、ガイド部の端部の影響で媒体に意図しない折れ曲がり等が生じることを適切に防止することができる。
【0012】
また、本発明の構成として、上記と同様の特徴を有する印刷方法や端面ガイド等を用いることも考えられる。これらの場合も、例えば、上記と同様の効果を得ることができる。また、この場合、印刷方法として、例えば、ロールホルダ調整段階、端面ガイド設置段階、及び印刷段階を備える方法を用いることが考えられる。この場合、ロールホルダ調整段階は、例えば、ロールホルダに対する調整を行う段階である。端面ガイド設置段階は、例えば、複数のロールホルダの間に端面ガイドを設置する段階である。印刷段階は、例えば、媒体に対する印刷を実行する段階である。また、ロールホルダ調整段階では、例えば、複数のロールホルダそれぞれにおける貫通孔にホルダ固定用バーを通し、かつ、ホルダ固定用バーから端面ガイドを取り外した状態で、複数のロールホルダのそれぞれが芯部材を保持する位置の調整を行う。端面ガイド設置段階では、例えば、複数のロールホルダそれぞれにおける貫通孔にホルダ固定用バーを通したまま、複数のロールホルダに挟まれる領域において、ホルダ固定用バーに対して端面ガイドを取り付ける。また、印刷段階では、例えば、巻取部で、端面ガイドを用いて媒体の端面の位置をガイドしつつ、芯部材に媒体を巻き取る。このように構成すれば、例えば、印刷後の媒体の巻き取りを高い精度で適切に行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、例えば、より適切な構成で印刷後の媒体の巻き取りを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態に係る印刷装置10の構成の一例を示す図である。
図1(a)は、印刷装置10の外観の一例を示す斜視図である。
図1(b)は、印刷装置10における本体部12の要部の構成の一例を示す。
【
図2】巻取部18の構成について更に詳しく説明をする図である。
図2(a)、(b)は、巻取部18の構成の一例を脚部14と共に示す斜視図である。
図2(c)は、巻取部18の一部を脚部14の一部と共に示す拡大図である。
【
図3】端面ガイド204の構成について更に詳しく説明をする図である。
図3(a)は、端面ガイド204の斜視図である。
図3(b)は、端面ガイド204の側面図である。
図3(c)は、複数の固定用バー206に対して固定されている状態の端面ガイド204を示す。
【
図4】端面ガイド204の構成について更に詳しく説明をする図である。
図4(a)は、複数の固定用バー206から取り外されている状態の端面ガイド204を示す。
図4(b)、(c)は、端面ガイド204におけるガイド部402を様々な向きから示す図である。
【
図5】ロールホルダ202の調整の仕方の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る印刷装置10の構成の一例を示す。
図1(a)は、印刷装置10の外観の一例を示す斜視図である。
図1(b)は、印刷対象の媒体(メディア)50の一部と共に印刷装置10における本体部12の要部の構成の一例を示す図である。以下に説明をする点を除き、印刷装置10は、公知の印刷装置と同一又は同様の特徴を有してよい。例えば、印刷装置10は、図示した構成以外に、公知の印刷装置における構成と同一又は同様の構成を更に備えてよい。
【0016】
本例において、印刷装置10は、ロールツーロール型のインクジェットプリンタであり、本体部12、脚部14、繰出部16、及び巻取部18を備える。この場合、ロールツーロール型のインクジェットプリンタについては、例えば、ロール状に巻かれた媒体(メディア)を順次繰り出してインクジェット方式で印刷を行い、媒体において印刷がされた部分を順次巻き取る構成の印刷装置等と考えることができる。また、本例において、本体部12は、印刷装置10において印刷の動作を実行する本体部分であり、例えば
図1(b)に示すように、ヘッド部102、プラテン104、ガイドレール106、主走査駆動部108、副走査駆動部110、及び制御部112を有する。
【0017】
ヘッド部102は、媒体50に対してインクを吐出するインクジェットヘッドを有する部分である。ヘッド部102は、例えば、互いに異なる色のインクをそれぞれが吐出する複数のインクジェットヘッドを有してもよい。また、本例において、ヘッド部102は、色材を媒体50へ付着させることで媒体50に対する印刷を実行する印刷実行部の一例である。この場合、ヘッド部102におけるインクジェットヘッドから吐出するインクについて、例えば、媒体50へ付着させる色材の一例と考えることができる。また、例えば、インクが含む顔料又は染料等について、色材の一例と考えることもできる。プラテン104は、ヘッド部102と対向する位置において上面に媒体50を保持する台状部材である。ガイドレール106は、所定の主走査方向(図中のY方向)へのヘッド部102の移動をガイドするレール部材である。
【0018】
主走査駆動部108は、ヘッド部102に主走査動作を行わせる駆動部である。主走査動作については、例えば、媒体50に対して相対的に主走査方向へ移動しつつインクを吐出する動作等を考えることができる。本例において、主走査駆動部108は、ガイドレール106に沿ってヘッド部102を移動させ、ヘッド部102におけるインクジェットヘッドにインクを吐出させることで、ヘッド部102に主走査動作を行わせる。副走査駆動部110は、ヘッド部102に副走査動作を行わせる駆動部である。副走査動作については、例えば、主走査方向と直交する副走査方向(図中のX方向)へ媒体50に対して相対的に移動する動作等と考えることができる。本例において、副走査駆動部110は、搬送機構の一例であり、ヘッド部102と対向する位置を媒体50が通過するように所定の搬送方向へ媒体50を搬送することで、ヘッド部102に副走査動作を行わせる。また、この場合、副走査駆動部110は、主走査動作の合間にヘッド部102に副走査動作を行わせることで、媒体50においてヘッド部102と対向する位置を変化させる。制御部112は、例えば印刷装置10のCPUを含む構成であり、印刷装置10の各部の動作を制御する。本例によれば、例えば、印刷装置10の本体部12において、媒体50に対する印刷の動作を適切に実行することができる。
【0019】
また、脚部14は、本体部12を支持する台となる部分である。本例において、脚部14は、例えば
図1(a)に示すように、本体部12に加えて、繰出部16及び巻取部18を所定の位置において支持している。繰出部16は、本体部12において印刷がされる前の媒体50を保持する部分であり、媒体50の搬送方向における本体部12の上流側で、ロール状に巻かれた媒体50を保持し、印刷の動作の進行に応じて、本体部12へ向けて順次媒体50を繰り出す。この場合、搬送方向における本体部12の上流側については、例えば、本体部12におけるヘッド部102よりも上流の側等と考えることができる。巻取部18は、本体部12において印刷がされた後の媒体50を保持する部分であり、媒体50の搬送方向における本体部12の下流側で媒体50を巻き取ることで、印刷がされた後の媒体50を保持する。この場合、搬送方向における本体部12の下流側については、例えば、本体部12におけるヘッド部102よりも下流の側等と考えることができる。本例によれば、例えば、ロール状に巻かれた媒体50に対し、適切に印刷を行うことができる。また、印刷後の媒体50について、適切に巻き取りを行うことができる。
【0020】
続いて、印刷装置10における巻取部18の構成について、更に詳しく説明をする。
図2は、巻取部18の構成について更に詳しく説明をする図である。
図2(a)、(b)は、巻取部18の構成の一例を脚部14と共に示す斜視図である。
図2(c)は、巻取部18の一部を脚部14の一部と共に示す拡大図である。より具体的に、
図2(a)は、芯部材の一例である紙管52を巻取部18に設置した状態の一例を示している。この場合、芯部材については、例えば、巻取部18で巻き取られる媒体の巻き芯となる部材等と考えることができる。芯部材については、例えば、媒体の巻き取り軸として用いる部材等と考えることもできる。また、
図2(b)は、紙管52を設置していない状態の巻取部18を示している。
図2(c)は、巻取部18において紙管52の一端側を支持するための部分の付近を拡大して示している。
【0021】
本例において、巻取部18は、紙管52を用いて媒体の巻き取りを行う構成であり、複数のロールホルダ202、複数の端面ガイド204、及び複数の固定用バー206を有する。複数のロールホルダ202のそれぞれは、紙管52の一端及び他端のそれぞれを保持する部材である。また、本例において、紙管52には、印刷の動作の進行に応じて媒体が巻かれることになる。そのため、複数のロールホルダ202について、例えば、紙管52にロール状に巻かれる媒体を保持する構成等と考えることもできる。また、本例において、複数のロールホルダ202のそれぞれは、媒体の搬送方向と直交する媒体の幅方向における媒体の一方側及び他方側において、紙管52の一端及び他端のそれぞれを保持する。また、これにより、複数のロールホルダ202は、紙管52の軸方向を媒体の搬送方向と直交させて、紙管52を保持する。また、本例において、それぞれのロールホルダ202は、例えば
図2(c)に示すように、紙管保持部302、取付部304、及び軸支持部306を有する。紙管保持部302は、紙管52の端部(一端又は他端)が取り付けられる構成である。より具体的に、本例において、紙管52としては、例えば、紙で形成された中空の筒状の部材を用いる。このような紙管52としては、例えば、公知の紙管等を好適に用いることができる。また、本例において、紙管保持部302は、紙管52の中空部分に差し込まれるテーパー状の凸部を有しており、紙管保持部302に対して紙管52が動かなくなるまで凸部が紙管52の中空部分に押し込まれることで、紙管保持部302の端部を保持する。
【0022】
取付部304は、複数の固定用バー206に対してロールホルダ202を取り付けるための構成である。本例において、取付部304は、ロールホルダ202における他の構成に対して位置が固定されている板状の部材であり、複数の固定用バー206のそれぞれがそれぞれに通される複数の貫通孔312を有し、それぞれの貫通孔312にそれぞれの固定用バー206が通された状態で、複数の固定用バー206に固定される。取付部304が複数の貫通孔312を有することについては、例えば、取付部304に複数の貫通孔312が形成されていること等と考えることもできる。また、この場合、例えば、貫通孔312に固定用バー206を通した後、ねじ等を用いた公知の構成によって締め付けを行い、固定用バー206に対して取付部304を固定することが考えられる。このように構成すれば、例えば、複数の固定用バー206に対してロールホルダ202を適切に固定することができる。軸支持部306は、媒体の巻き取り時の回転軸に対して回転可能に紙管保持部302を支持する構成である。また、本例において、軸支持部306は、例えば、紙管52に対して予め設定された巻き取り方向へ媒体が巻かれるように、紙管保持部302を回転させる。このように構成すれば、例えば、紙管52への媒体の巻き取りをより適切に行うことができる。また、この場合、例えばユーザの指示に応じて、紙管保持部302の回転方向を変更可能にしてもよい。
【0023】
複数の端面ガイド204は、紙管52に巻かれる媒体の端面の位置をガイドする部材である。この場合、媒体の端面については、例えば、媒体において印刷がされる面とその裏面とをつなぐ側面等と考えることができる。また、端面ガイド204については、例えば、媒体の端部の整合板として用いる部材等と考えることもできる。本例において、複数の端面ガイド204は、媒体の幅に応じて決まる端面位置において媒体の端面に接触するように、予め調整された端面位置に合わせて、複数のロールホルダ202の間の領域に配設される。また、本例において、複数の端面ガイド204は、複数のロールホルダ202と共に、複数の固定用バー206に対して固定される。この場合、複数の端面ガイド204について、例えば、複数の固定用バー206に対して固定された複数のロールホルダ202に挟まれる位置に設置されると考えることができる。本例における端面ガイド204の構成については、後に更に詳しく説明をする。
【0024】
複数の固定用バー206は、脚部14に対してロールホルダ202及び端面ガイド204を固定するための棒状の部材である。また、本例において、複数の固定用バー206のそれぞれは、ホルダ固定用バーの一例であり、例えば図中に示すように、長手方向を媒体の搬送方向と直交する方向にして、長手方向と直交する方向において離間しつつ互いに平行にした状態で、脚部14における所定の位置に配設される。また、上記においても説明をしたように、本例において、複数のロールホルダ202のそれぞれは、取付部304における複数の貫通孔312にそれぞれの固定用バー206が通されることで、複数の固定用バー206に対して固定される。そのため、本例によれば、例えば、複数の208に対して複数のロールホルダ202を固定し、脚部14に対して複数の固定用バー206を固定することで、印刷装置10(
図1参照)に対してそれぞれのロールホルダ202を適切に固定することができる。また、後に更に詳しく説明をするように、本例において、複数の端面ガイド204のそれぞれは、複数の固定用バー206からロールホルダ202取り外さずに複数の固定用バー206に対して着脱可能な構成を有している。そのため、本例によれば、例えば、印刷装置10に対して複数の端面ガイド204を適切に固定することもできる。
【0025】
続いて、本例の巻取部18における端面ガイド204の構成について、更に詳しく説明をする。
図3及び
図4は、端面ガイド204の構成について更に詳しく説明をする図である。
図3(a)は、端面ガイド204の斜視図である。
図3(b)は、端面ガイド204の側面図である。
図3(c)は、複数の固定用バー206に対して固定されている状態の端面ガイド204を示す。
図4(a)は、複数の固定用バー206から取り外されている状態の端面ガイド204を示す。
図4(b)、(c)は、端面ガイド204におけるガイド部402を様々な向きから示す図である。
【0026】
本例において、端面ガイド204は、ガイド部402及び支持部404を有する。ガイド部402は、紙管に巻かれる媒体の端面に接することで媒体の端面の位置をガイドする部分である。この場合、媒体の端面の位置をガイドすることについては、例えば、紙管に巻かれる媒体に対し、端面の位置が所定の端面位置よりも外側に出ないように幅方向の外側から接触すること等と考えることができる。また、より具体的に、本例において、ガイド部402は、媒体接触部412及び複数のガイド端部414を含む。媒体接触部412は、所定の端面位置において媒体の端面と接触する部分である。また、本例において、媒体接触部412は、端面位置において紙管の軸方向と直交する面を媒体の端面側に向ける板状の部分であり、紙管に巻かれる媒体の端面に対してこの面で接することで、媒体の端面の位置をガイドする。また、図示した構成から理解できるように、本例において、媒体接触部412は、紙管の周方向の全体ではなく、周方向の一部の範囲のみで、媒体の端面と接触する。この場合、紙管の周方向については、例えば、紙管の軸方向と直交する面内で紙管の周りを周回する方向等と考えることができる。また、このような媒体接触部412については、例えば、端面ガイド204に対して相対的に紙管の軸方向へ紙管を移動させることなく紙管の軸方向と直交する方向において端面ガイド204から離れる方向へ紙管を移動させることが可能な構成になっていると考えることもできる。また、このような媒体接触部412を含むガイド部402を有する端面ガイド204については、例えば、紙管の周囲方向において紙管の幅以上の隙間を空けた範囲で紙管の周囲を囲んでいると考えることもできる。この場合、紙管の幅については、例えば、紙管の直径(外径)等と考えることができる。
【0027】
この点に関し、媒体の端面の位置をガイドすることのみを考えた場合、例えば紙管の径に合わせた貫通孔を空けた板状の媒体接触部(例えば、ドーナツ型の媒体接触部)等を用い、貫通孔に紙管を通すことで、紙管の周方向の全周で媒体の端面の位置をガイドすることが好ましいと考えることもできる。しかし、この場合、例えば、紙管の設置時や取り外し時において、紙管の軸方向に紙管又は端面ガイド204を移動させて、媒体接触部の貫通孔に対して紙管を挿入又は取り外す作業(端面ガイド204に対する紙管の抜き差し)を行うことが必要になる。また、その結果、紙管の設置時や取り外し時において、作業の手間が大きく増大する場合がある。これに対し、本例の構成の場合、このような端面ガイド204に対する紙管の抜き差しを行うことなく、紙管の設置時や取り外し時の作業を容易かつ適切に行うことができる。また、この場合、例えば、予め調整された端面位置に合わせて端面ガイド204を設置したまま、紙管の設置や取り外しを行うこと等も可能になる。
【0028】
また、この場合、端面ガイド204は、紙管に巻かれる媒体に対し、例えば、紙管の周方向における半周以下の範囲のみで媒体の端面と接することが好ましい。このように構成すれば、例えば、紙管の設置や取り外しをより容易かつ適切に行うことができる。また、より具体的に、本例において、端面ガイド204において媒体の端面と接する媒体接触部412は、紙管の周方向における1/3程度の範囲(例えば、周方向における1/4~2/5程度の範囲)で、媒体の端面と接する。端面ガイド204において媒体の端面と接する範囲は、紙管の周方向における1/3以下(例えば、1/5~1/3程度)であってもよい。また、本例において、媒体接触部412は、鉛直方向において紙管よりも下側になる位置で、媒体の端面と接触する。このように構成すれば、例えば、紙管の設置や取り外しをより容易かつ適切に行うことができる。更に、本例においては、このような構成の媒体接触部412を用いることで、例えば、端面ガイド204のサイズを小型化すること等も可能になる。
【0029】
また、ガイド部402において、複数のガイド端部414のそれぞれは、紙管の周方向において媒体接触部412の端(一端及び他端のそれぞれ)につながる部分である。また、複数のガイド端部414のそれぞれは、例えば、媒体接触部412が媒体の端面と接する端面位置において媒体の端面と接触しないように、端面位置から外側へ反れている。より具体的に、本例において、それぞれのガイド端部414は、媒体の端面と対向する側の位置が端面位置よりも媒体から遠くなるように、外側へ反れつつ、紙管の周方向における媒体接触部412の端につながっている。この点に関し、本例のように、紙管の周方向の一部のみで媒体の端面と接触する媒体接触部412を用いる場合、単に所定の端面位置で媒体の端面と接触することのみを考えると、媒体の端面と接触する部分の端の影響で、媒体に意図しない折れ曲がり等が生じること等も考えられる。これに対し、本例においては、上記のような構成のガイド端部414を媒体接触部412の端につなげることで、このような折れ曲がり等を適切に防止することができる。また、これにより、例えば、紙管への媒体の巻き取りをより高い品質で適切に行うことができる。
【0030】
また、端面ガイド204において、支持部404は、所定の位置にガイド部402を固定するための構成である。この場合、支持部404について、例えば、予め調整された端面位置においてガイド部402の少なくとも一部が媒体の端面と接するようにガイド部402を支持する部分等と考えることができる。また、本例において、支持部404は、ガイド部402に対して位置が固定されており、2本の固定用バー206に対して自身が固定されることで、固定用バー206に対してガイド部402を固定する。また、支持部404は、固定用バー206に対して自身が固定されるための構成として、開閉孔422及びバー接触部424を含む。支持部404が開閉孔422及びバー接触部424を含むことについては、例えば、端面ガイド204において支持部404として機能する部分に開閉孔422及びバー接触部424が形成されていること等と考えることができる。
【0031】
開閉孔422は、周囲の一部が開閉可能であり、この一部が閉じた場合に孔状になる部分である。より具体的に、本例において、開閉孔422は、閉じた状態で、例えば
図3(a)に示すように、固定用バー206に合わせたサイズの貫通孔になる。そして、端面ガイド204の固定時において、開閉孔422には、一方の固定用バー206が通される。また、開いた状態で、開閉孔422は、例えば
図4(a)に示すように、開閉孔422から固定用バー206を取り外せる状態になる。この場合、開閉孔422から固定用バー206を取り外せる状態については、例えば、閉じた状態で貫通孔の側面になっていた部分の一部が開き、その開放部分から開閉孔422の外側へ向かう横方向へ固定用バー206を外せる状態等と考えることができる。また、閉じた状態の開閉孔422が貫通孔になることについては、例えば、固定用バー206が通されず、開閉孔422が最も閉じた状態で、略貫通孔になること等と考えることができる。また、開閉孔422について、固定用バー206に合わせたサイズの貫通孔になることについては、例えば、通された固定用バー206を適切に固定するという目的を実現できるように実質的に貫通孔になること等と考えることができる。また、本例において、開閉孔422は、固定用バー206が通された状態で閉じることで、孔の側面の少なくとも一部を固定用バー206の側面に接触させて、固定用バー206を挟み込む。また、これにより、開閉孔422は、例えば、固定用バー206の軸方向における端面ガイド204の位置を固定する。
【0032】
また、バー接触部424は、端面ガイド204の固定時に他方の固定用バー206と接する部分である。この場合、バー接触部424について、例えば、上記の一部が閉じた開閉孔422に一方の固定用バー206が通された状態で他方の固定用バー206と接する部分等と考えることもできる。また、より具体的に、本例において、バー接触部424は、開いたワニ口状の部分であり、開閉孔422に近い側から他方の固定用バー206を挟み込むことで、一方の固定用バー206の周方向における一方側及び他方側のそれぞれから他方の固定用バー206と接する。また、これにより、バー接触部424は、例えば、一方の固定用バー206を中心とする周方向の一方側及び他方側のそれぞれから他方の固定用バー206を押さえて、一方の固定用バー206を中心とする端面ガイド204の回転を規制する。バー接触部424については、例えば、支持部404において固定用バー206の軸方向と直交する方向へ凹むことで固定用バー206を通す凹部状の部分等と考えることもできる。
【0033】
このような構成の支持部404を有する端面ガイド204を用いる場合、例えば、開閉孔422に一方の固定用バー206を通し、バー接触部424で他方の固定用バー206を押さえることで、2本の固定用バー206に対して端面ガイド204を適切に固定することができる。また、この場合、例えば、開閉孔422を開くことで、固定用バー206やロールホルダ202(
図2参照)等の他の部材を動かすことなく、容易かつ適切に固定用バー206から端面ガイド204を取り外すことができる。また、複数の固定用バー206から端面ガイド204が取り外された状態から、複数の固定用バー206に対して端面ガイド204を容易かつ適切に取り付けることも可能になる。そのため、本例によれば、例えば、複数の固定用バー206に対して着脱可能な構成により、複数の固定用バー206に対して端面ガイド204を適切に固定することができる。また、この場合、必要に応じて端面ガイド204の着脱を容易かつ適切に行うことができるため、例えば、複数のロールホルダ202の調整を行う調整時に端面ガイド204を取り外しておき、調整後に端面ガイド204を複数の固定用バー206に取り付けること等が考えられる。また、この場合、例えば
図5に示すようにして、ロールホルダ202の調整を行うことが考えられる。
【0034】
図5は、ロールホルダ202の調整の仕方の一例を示す。本例の構成のように、複数のロールホルダ202で紙管を保持して媒体の巻き取りを行う場合、紙管の一端側及び他端側のロールホルダ202について、紙管をさせる回転軸の高さや軸方向等を高い精度で一致させる必要がある。そして、この場合、例えば図中に示すように、巻き取りの実行時には紙管を挟んで離れた位置に配設される2個のロールホルダ202について、紙管保持部302の先端が接触又は接触寸前になる位置にまで近づけて、回転軸の高さや軸方向等の調整を行うことが考えられる。この場合、ロールホルダ202に対する回転軸の高さや軸方向の調整については、例えば、それぞれのロールホルダ202が紙管を保持する位置の調整の一例等と考えることができる。また、この場合、ロールホルダ202の取付部304における複数の貫通孔に複数の固定用バー206を通した状態で、ロールホルダ202の調整を行うことが考えられる。このように構成すれば、例えば、巻き取りの実行時に近い状態で、回転軸の高さや軸方向等の調整を適切に行うことができる。
【0035】
ここで、本例のように、端面ガイド204を用いて媒体の巻き取りを行う場合、紙管の両端を保持する2個のロールホルダ202の間に、端面ガイド204を設置することになる。そして、この場合、巻き取りの実行時の状態から単に2個のロールホルダ202を近接させると、2個のロールホルダ202の間に複数の端面ガイド204が挟まれた状態になり、例えば、2個のロールホルダ202を十分に接近させることが難しくなることが考えられる。また、2個のロールホルダ202を十分に接近させることができたとしても、ロールホルダ202の間に端面ガイド204があることで、ロールホルダ202の回転軸の高さや軸方向等の調整が難しくなるおそれがある。そのため、ロールホルダ202の調整については、端面ガイド204を取り外した状態で行うことが好ましい。
【0036】
しかし、この場合、端面ガイド204の構成によっては、ロールホルダ202の調整後に端面ガイド204を取り付けることが難しくなる場合もある。より具体的に、複数の固定用バー206への端面ガイド204の固定について、例えばロールホルダ202の固定と同様に、単なる貫通孔に固定用バー206を通すことで行う場合、固定用バー206に対する端面ガイド204の取り付けや取り外しを行うためには、端面ガイド204の外側にあるいずれかのロールホルダ202についても、一旦、固定用バー206から取り外すことが必要になる。そして、この場合、例えば
図5に示すように取付部304における複数の貫通孔に複数の固定用バー206を通した状態でロールホルダ202の調整を行ったとしても、その後、端面ガイド204を取り付けるために、少なくともいずれかのロールホルダ202を固定用バー206から取り外すことが必要になる。また、その結果、その後に再度ロールホルダ202を固定用バー206に取り付けた状態において、回転軸の高さや軸方向に狂いが生じやすくなる。
【0037】
これに対し、上記において説明をした本例の構成の端面ガイド204を用いる場合、固定用バー206に対してロールホルダ202を固定したままの状態で、固定用バー206に対する端面ガイド204の着脱を容易かつ適切に行うことができる。また、これにより、例えば、端面ガイド204を外した状態でロールホルダ202の調整を行った後に、端面ガイド204を適切に設置することができる。より具体的に、この場合、例えば、それぞれのロールホルダ202における取付部304の複数の貫通孔に複数の固定用バー206を通し、かつ、固定用バー206から端面ガイド204を外した状態でロールホルダ202の高さ等の調整を行った後、複数の固定用バー206からロールホルダ202を取り外すことなく、取付部304の貫通孔に固定用バー206を通したままでロールホルダ202間の距離を広げて、その間に複数の端面ガイド204を適切に設置することができる。また、端面ガイド204の設置後にロールホルダ202の調整が必要になった場合等にも、必要に応じて、端面ガイド204を容易かつ適切に取り外して、ロールホルダ202の調整を行うことができる。
【0038】
以上のように、本例によれば、媒体の巻き取り時において、例えば、端面ガイド204を用いることで、紙管に巻かれる媒体の端面の位置を適切にガイドすることができる。また、これにより、例えば、紙管に巻かれる媒体に横ズレ等が生じることを適切に防止することができる。また、この場合において、紙管の周方向の一部のみで媒体の端面と接触する端面ガイド204を用いることで、例えば、紙管の設置や取り外しをより容易かつ適切に行うことができる。更には、上記のように容易に着脱が可能な端面ガイド204を用いることで、例えば、複数のロールホルダ202に対し、より容易かつ適切に調整を行うことができる。また、これにより、例えば、複数のロールホルダ202によって、紙管を高い精度で適切に保持して、印刷後の媒体の巻き取りを高い精度で適切に行うことができる。
【0039】
また、本例の印刷装置10(
図1参照)を用いて行う印刷の動作について、例えば、ロールホルダ調整段階、端面ガイド設置段階、及び印刷段階を含む動作等と考えることもできる。この場合、ロールホルダ調整段階については、例えば、ロールホルダ202に対する調整を行う段階等と考えることができる。端面ガイド設置段階については、例えば、複数のロールホルダ202の間に端面ガイド204を設置する段階等と考えることができる。印刷段階については、例えば、媒体に対する印刷を実行する段階等と考えることができる。また、この場合、ロールホルダ調整段階では、例えば、複数のロールホルダ202のそれぞれにおける取付部304の複数の貫通孔に複数の固定用バー206を通し、かつ、複数の固定用バー206から端面ガイド204を取り外した状態で、複数のロールホルダ202を近接させる。そして、例えばロールホルダ202の回転軸の高さや軸方向を調整することで、複数のロールホルダ202のそれぞれが紙管を保持する位置の調整を行う。端面ガイド設置段階では、例えば、複数のロールホルダ202のそれぞれにおける取付部304の複数の貫通孔に複数の固定用バー206を通したまま、ロールホルダ202間の距離を紙管の長さに合わせて広げる。そして、複数のロールホルダ202に挟まれる領域において、複数の固定用バー206に対して端面ガイド204を取り付ける。また、印刷段階では、例えば、印刷装置10における巻取部18(
図1参照)において、端面ガイド204を用いて媒体の端面の位置をガイドしつつ、複数のロールホルダ202に保持された紙管に媒体を巻き取る。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、例えば印刷装置に好適に利用できる。
【符号の説明】
【0041】
10・・・印刷装置、102・・・ヘッド部、104・・・プラテン、106・・・ガイドレール、108・・・主走査駆動部、110・・・副走査駆動部、112・・・制御部、12・・・本体部、14・・・脚部、16・・・繰出部、18・・・巻取部、202・・・ロールホルダ、204・・・端面ガイド、206・・・固定用バー、302・・・紙管保持部、304・・・取付部、306・・・軸支持部、312・・・貫通孔、402・・・ガイド部、404・・・支持部、412・・・媒体接触部、414・・・ガイド端部、422・・・開閉孔、424・・・バー接触部、50・・・媒体、52・・・紙管