(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023121260
(43)【公開日】2023-08-31
(54)【発明の名称】室外機
(51)【国際特許分類】
F24F 1/22 20110101AFI20230824BHJP
F24F 1/46 20110101ALI20230824BHJP
F24F 1/56 20110101ALI20230824BHJP
【FI】
F24F1/22
F24F1/46
F24F1/56
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022024500
(22)【出願日】2022-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大滝 仁
(72)【発明者】
【氏名】二戸 秀之
(72)【発明者】
【氏名】中尾 一喜
【テーマコード(参考)】
3L054
【Fターム(参考)】
3L054BA01
3L054BA10
3L054BB01
3L054BB02
3L054BB10
(57)【要約】
【課題】作成コストを低減できる室外機を提供する。
【解決手段】内部に被覆部材が設けられる筐体10と、筐体10に収められ、端子92が設けられる基板と、基板を保持する保持部材とを備え、保持部材には、難燃性を備え、端子から断熱材を遮蔽する遮蔽部74が設けられる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の内部側に位置する天面に設けられる被覆部材と、
前記筐体の内部に設けられる発熱部材と、
前記発熱部材を保持する保持部材とを備え、
前記保持部材には、難燃性を備え、天面に対向し、前記発熱部材から前記被覆部材を遮蔽する遮蔽部が設けられる
ことを特徴とする室外機。
【請求項2】
前記遮蔽部は、他の発熱部材を取り付け可能に形成される
ことを特徴とする請求項1に記載の室外機。
【請求項3】
前記保持部材は、前記筐体の前面側から着脱可能に設けられる
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の室外機。
【請求項4】
複数の前記保持部材を備え、
複数の前記保持部材は、いずれも前記筐体の前面側から着脱可能に設けられる
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の室外機。
【請求項5】
前記保持部材は、板状部材で形成され、
前記発熱部材が設けられる保持部を備え、
前記遮蔽部は、前記保持部に対して折り曲げられることで形成される
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の室外機。
【請求項6】
前記発熱部材は、端子が設けられる基板であり、
前記遮蔽部は、前記端子から前記被覆部材を遮蔽する
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の室外機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室外機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、冷却フィンの冷却効率を向上させることができる室外機を開示する。この室外機は、送風機が収められる熱交換室と、冷却フィンが設けられた発熱部材が収められる機械室とを備える。この室外機には、送風機の駆動によって生じる空気の流れのうち、熱交換室から冷却フィンに流れる主流と、機械室から冷却フィンに流れる副流とを隔てる整流板が設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、作成コストを低減できる室外機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示における室外機は、内部に被覆部材が設けられる筐体と、前記筐体に収められ、端子が設けられる基板と、前記基板を保持する保持部材とを備え、前記保持部材には、難燃性を備え、前記端子から前記被覆部材を遮蔽する遮蔽部が設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、作成コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【発明を実施するための形態】
【0008】
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、室外機が備える発熱部材に設けられるフィンに流れる空気を整流する技術があった。この室外機は、送風機が収められる熱交換室と、冷却フィンが設けられた発熱部材が収められる機械室とを備える。この室外機には、送風機の駆動によって生じる空気の流れのうち、熱交換室から冷却フィンに流れる主流と、機械室から冷却フィンに流れる副流とを隔てる整流板が設けられる。これにより、室外機は、冷却フィンの冷却効率を向上させることができる。
【0009】
このような室外機には、発熱部材である基板と、当該基板が収められる筐体とを備えるものがある。この室外機において、例えば天面等、筐体の内側面には、浸水を抑制するシール材や、結露水が生じることを抑制する断熱材等の被覆部材が設けられることがある。
【0010】
しかしながら、このような室外機では、基板が被覆部材に接近した位置に配置される場合、当該被覆部材に難燃性の材料を用いる必要がある。これによって、当該室外機の作成コストが上昇すると言う課題を発明者らは発見し、その課題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
そこで本開示は、作成コストを低減できる室外機を提供する。
【0011】
以下、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0012】
(実施の形態1)
以下、
図1~
図4を用いて、実施の形態1を説明する。各図に示す符号FRは、設置面に設置されて通常使用される状態における室外機の前方を示し、符号UPは、当該室外機の上方を示し、符号LHは、当該室外機の左方を示す。以下の説明において、各方向は、これらの室外機の方向に沿った方向である。
【0013】
[1-1.構成]
[1-1-1.室外機の構成]
図1は、本実施の形態に係る空気調和装置の室外機1の斜視図である。
図1では、説明の便宜上、第1パネル20を一点鎖線で示す。
図1に示すように、本実施の形態の空気調和装置は、室内ユニットに収められた室内熱交換器と、室外機1に収められた圧縮機2や膨張弁、室外熱交換器8(
図2)等で形成された冷凍回路を備える。空気調和装置は、この冷凍回路に冷媒を流通させることで、室内ユニットが設けられた被調和空間の空調を行うものである。
【0014】
本実施の形態の室外機1は、側面に沿って配置される室外熱交換器8を通して内部に空気を吸い込み、当該空気を冷媒と熱交換して他の側面から吹き出す、所謂サイドフロー方式、あるいは横吹き型と呼ばれる室外機である。
【0015】
図2は、室外機1の内部構造を模式的に示す斜視図である。
図2では、説明の便宜上、天面パネル14を省略し、第1パネル20を一点鎖線で示す。
室外機1は、
図1、
図2に示すように、長手方向が上下方向に沿って延びる箱状の筐体10を備える。この筐体10は、室外機1の外装を形成する。本実施の形態では、筐体10の各部は、いずれも鋼板によって形成される。
【0016】
当該筐体10の内部には、仕切板24が設けられる。仕切板24によって、筐体10の内部空間は、熱交換室S1と、機械室S2とに仕切られる。
【0017】
筐体10は、当該筐体10の底面を形成する底面パネル12と、天面を形成する天面パネル14と、前面の一部を形成する前面パネル16と、右側面を形成する側面パネル18と、第1パネル20と、第2パネル22とを備える。
【0018】
前面パネル16は、仕切板24と側面パネル18と共に、熱交換室S1を囲む板状部材である。前面パネル16は、長手方向が筐体10の上下方向に沿って延び、長手方向に直交する方向が筐体10の左右方向に沿って延びる。
前面パネル16には、筐体10の上下方向に沿って、一対の排気口19が並べて設けられる。この排気口19は、筐体10の外部と熱交換室S1とを連通させる開口である。本実施の形態では、排気口19の各々は、格子状の保護部材26で覆われる。
【0019】
側面パネル18は、熱交換室S1を挟んで仕切板24の反対側に位置し、筐体10の左側面を形成する板状部材である。側面パネル18は、長手方向が筐体10の上下方向に沿って延び、長手方向に直交する方向が筐体10の前後方向に沿って延びる。側面パネル18の前端は、前面パネル16に連結される。
図2に示すように、側面パネル18には、側面吸気口17が設けられる。側面吸気口17は、筐体10の外部と熱交換室S1とを連通させる開口である。
【0020】
第1パネル20は、筐体10の平面視で、略L字状に曲げられて形成される板状部材である。第1パネル20は、前面パネル16と共に筐体10の前面を形成し、且つ機械室S2側に位置する筐体10の右側面の一部を形成する。第1パネル20は、第2パネル22と仕切板24と共に、機械室S2を囲む。
【0021】
第2パネル22は、筐体10の平面視で、略L字状に曲げられて形成される板状部材である。第2パネル22は、第1パネル20と共に筐体10の右側面を形成し、且つ筐体10の背面の一部を形成する。第2パネル22は、筐体10の平面視で、略L字状に形成される。第2パネル22のうち、筐体10の背面に位置する箇所は、側面パネル18の後端から、筐体10の左右方向に間隔を空けて配置される。
第2パネル22のうち、筐体10の右側面に位置する箇所には、吸入口11が設けられる。吸入口11は、筐体10の外部と機械室S2とを連通させる開口である。吸入口11は、第2パネル22の下方部分に位置する。
【0022】
筐体10の背面には、背面吸気口15が設けられる。この背面吸気口15は、筐体10の外部と熱交換室S1とを連通させる開口である。背面吸気口15は、天面パネル14と側面パネル18と、底面パネル12と、第2パネル22の筐体10の背面に位置する箇所とによって囲まれる。
【0023】
図3は、天面パネル14を下方から視た斜視図である。
図3に示すように、天面パネル14において、筐体10の内部側に位置する平面全体には、シート状のシール材4が設けられる。このシール材4は、筐体10の内部に、当該筐体10の外部から、雨水等の水分が入り込むことを抑制する被覆部材である。このシール材4には、例えばエチレンプロピレンゴム(EPT)等が用いられる。
【0024】
天面パネル14において、筐体10の内部側に位置し、且つ機械室S2に面する平面全体には、シート状の断熱材6が設けられる。この断熱材6は、機械室S2の内部における温度変化を抑制し、機械室S2の内部に結露水が生じることを抑制する被覆部材である。この断熱材6には、例えばポリエチレン(PE)等が用いられる。
【0025】
熱交換室S1には、室外熱交換器8と、2つの送風機9とが設けられる。
本実施形態の室外熱交換器8は、所謂フィン・チューブ型の熱交換器である。当該室外熱交換器8は、銅製の冷媒配管に金属製の複数のフィンが接合され、全体として所定の幅を有する長尺に形成される。この室外熱交換器8は、幅方向が筐体10の高さ方向に沿い、且つ側面吸気口17と、背面吸気口15とに対向するように、筐体10の平面視で略L字状に折り曲げられて、熱交換室S1に収められる。
なお、室外熱交換器8は、例えば扁平管とヘッダパイプとを備える熱交換器のような、他の形態の熱交換器であってもよい。
【0026】
図1に示すように、本実施の形態の送風機9は、プロペラ状の羽根車を備える所謂軸流ファンである。送風機9の各々は、軸流方向が排気口19の各々に向かうように配置される。
【0027】
機械室S2には、圧縮機2や、膨張弁等の冷凍回路を形成する各種の機器や、これらを互いに接続する冷媒配管、及び電気部品が収められる。
機械室S2において、圧縮機2は、底面パネル12に載置され固定される。
【0028】
図2に示すように、仕切板24は、筐体10の上下方向に沿って、所定の高さ寸法で延びると共に、筐体10の前後方向に沿って延びる板状部材である。仕切板24は、下端が底面パネル12に連結されることで筐体10に固定され、上端が天面パネル14に当接する。仕切板24は、筐体10の前面側に位置する端部が前面パネル16に連結され、筐体10の背面側に位置する端部が第2パネル22に連結される。
【0029】
図4は、第1基板50と、第3基板56とを上方から視た斜視図である。
図4に示すように、仕切板24の上端のうち、筐体10の前面側に位置する箇所には、切り欠き21が設けられる。この切り欠き21は、仕切板24の上端から下方に向かって、所定の幅寸法で矩形状に切り欠かれて形成され、筐体10の前後方向に沿って、所定の幅寸法を備える。この切り欠き21によって、熱交換室S1と機械室S2とが連通される。
【0030】
切り欠き21には、枠体30が設けられる。枠体30は、各辺が切り欠き21の各辺に沿うように設けられる矩形の枠状部材である。枠体30の上下方向に直交する方向は、仕切板24の上下方向に直交する方向、すなわち筐体10の前後方向に沿って延びる。枠体30の上端は、天面パネル14から離間する位置に配置される。すなわち、枠体30は、天面パネル14の下方に配置される。
枠体30の略中央には、矩形の開口部31が設けられる。
【0031】
枠体30の上端には、ダクト32が設けられる。ダクト32は、機械室S2と、熱交換室S1とを連通させる部材である。ダクト32は、枠体30の上端から、熱交換室S1側に張り出すように設けられる。ダクト32は、仕切板24の上端と略同一の高さにまで上端が延び、天面パネル14に当接する。すなわち、筐体10の内部空間は、仕切板24と、ダクト32とによって、熱交換室S1と、機械室S2とに仕切られる。
ダクト32は、熱交換室S1側に開口する通気口33と、機械室S2側に開口する通気口35とを備える。
【0032】
ダクト32は、ガイド部材36を備える。ガイド部材36は、板金等の板状部材を折り曲げて形成される部材である。ガイド部材36は、通気口35の一辺を形成するガイド部38を備える。ガイド部38は、枠体30の上端に設けられ、当該上端の長手方向、換言すれば、枠体30の上下方向に直交する方向に沿って延びる平板形状を備える。このガイド部38は、天面パネル14から離間する位置に配置される。
【0033】
ガイド部38の略中央には、機械室S2側に延びる上方支持部40が設けられる。上方支持部40は、ガイド部38の略中央から延びる被締結用部42と、被締結用部42の先端から延びる被係合部44とを備える。被締結用部42は、筐体10の前面と、右側面とに対向して開口する締結用孔41が設けられる。締結用孔41は、ねじ等の締結部材が螺合可能である。
【0034】
被係合部44は、被締結用部42の先端から、機械室S2に向かって延びる。この被係合部44には、筐体10の前面に向かって開口する係合孔43が設けられる。係合孔43は、筐体10の左右方向に沿って延びる長孔である。
【0035】
枠体30の下端には、機械室S2に向かって延びる下方支持部46が設けられる。この下方支持部46には、筐体10の前面に対向して開口する締結用孔45が設けられる。締結用孔45は、ねじ等の締結部材が螺合可能である。
【0036】
[1-1-2.保持部材の構成]
機械室S2には、電気部品である第1基板50と、第3基板56とが設けられる。第1基板50と、第3基板56とは、通電、及び駆動に伴って発熱する発熱部材である。
本実施の形態では、第1基板50と、第3基板56とは、いずれも矩形の所謂プリント基板である。第1基板50は、室外機全体、あるいは空気調和装置全体を制御する制御基板として機能し、第3基板56は、圧縮機2や送風機9を駆動するための電源基板(インバータ基板)として機能する。
【0037】
図5は、第3基板56の斜視図である。
次いで、第3基板56の取付構造について説明する。
第3基板56は、枠体30と、第2保持部材60とを介して、仕切板24に取り付けられる。
第3基板56は、第2保持部材60によって保持される。第2保持部材60は、略中央に開口部61が設けられる枠状の部材である。第3基板56は、各辺が開口部61の各辺に沿うように、当該開口部61に嵌め込まれることで、第2保持部材60に保持される。
【0038】
第2保持部材60は、各辺が開口部31の各辺に沿うように配置される。このとき、当該第2保持部材60が保持する第3基板56の実装面は、機械室S2側に向かって配置される。この状態で、第2保持部材60は、上縁の2か所がねじ部材100によって枠体30の上端に締結され、下縁の2か所がねじ部材100によって枠体30の下端に締結されることで、枠体30に固定される。これらのねじ部材100の各々が備えるねじ頭は、いずれも筐体10の右側面に対向するように配置される。
これによって、第3基板56は、仕切板24に取り付けられ、機械室S2に配置される。
【0039】
第3基板56の実装面の裏面には、放熱部材であるヒートシンク62が設けられる。ヒートシンク62は、開口部61、及び開口部31を介して熱交換室S1に配置される。ヒートシンク62は、ダクト32の下方に配置されると共に、通気口33に対向して配置される。
【0040】
図6は、第1基板50と第2基板54との斜視図である。
図6では、説明の便宜上、第2基板54を2点鎖線で示す。
次いで、第1基板50の取付構造について説明する。
第1基板50は、第1保持部材70を介して仕切板24に取り付けられる。
第1保持部材70は、板状部材を折り曲げて形成される部材である。本実施の形態では、第1保持部材70は、板金で形成される。
【0041】
第1保持部材70は、第1基板50が取り付けられる保持部72を備える。保持部72は、第1基板50と略同一の形状である矩形の板状に形成される。第1基板50は、この保持部72の上面に、当該第1基板50の裏面が接するようにして、保持部72に取り付けられる。保持部72の上面において、当該保持部72の一辺に接近した位置には、ねじ等の締結部材が螺合可能な締結用孔85が設けられる。
【0042】
保持部72において、締結用孔85に接近する辺の反対側に位置する一辺には、遮蔽部74が設けられる。この遮蔽部74は、当該保持部72の一辺で、保持部72から連続する板状部が保持部72の上面側に折り曲げられることで形成される。これによって、遮蔽部74は、保持部72から起立して延びる矩形の平板形状を備える。換言すれば、遮蔽部74は、保持部72に対して交差するように延びる。本実施の形態では、遮蔽部74は、保持部72の上面に対して直角に起立して設けられる。
遮蔽部74は、長手方向が保持部72の一辺に沿って延び、長手方向に直行する方向が保持部72から所定の長さ寸法で起立して延びる。
【0043】
遮蔽部74には、ねじ等の締結部材が螺合可能な複数の固定孔73が設けられる。本実施の形態では、遮蔽部74には、固定孔73に挿通されるねじを用いて、第2基板54を取り付けることが可能である。遮蔽部74に固定された第2基板54は、第1基板50に対向し、且つ平行に配置される。
この第2基板54は、例えば空気調和装置に複数の室外機1が接続される場合に、室外機1の各々と連携可能にするための基板である。
【0044】
保持部72において、遮蔽部74が設けられる一辺の一方の端部には、連結部80が設けられる。この連結部80は、遮蔽部74のように起立することなく、保持部72の平面に連続する平面を備える。この連結部80の平面には、保持部72の平面に対して、遮蔽部74とは反対側に起立する係合片82が設けられる(
図7)。この係合片82は、遮蔽部74の長手方向に沿って延びる爪状に形成される。
【0045】
保持部72には、締結用部84が設けられる。この締結用部84は、連結部80から、遮蔽部74が設けられる一辺に沿って、保持部72から突出する。この締結用部84は、遮蔽部74が起立する方向に向かって、保持部72の上面に対して所定の角度を形成するように折り曲げられる。締結用部84には、ねじ等の締結部材が螺合可能な締結用孔81が設けられる。
【0046】
保持部72において、締結用部84が延びる方向とは反対側に位置する辺には、延在部86が設けられる。この延在部86は、保持部72から連続する板状部が保持部72の上面とは反対側の面に向かって、階段状に折り曲げられることで形成される。このようにして形成される延在部86には、ねじ等の締結部材が螺合可能な締結用孔87が設けられる。
【0047】
保持部72において、遮蔽部74が設けられる辺の反対側に位置する辺には、端子台取付部76が設けられる。この端子台取付部76は、当該保持部72の一辺で、保持部72から連続する板状部が保持部72の上面側に階段状に折り曲げられることで形成される。端子台取付部76には、端子台78が設けられる。
端子台取付部76には、延在部88が設けられる。延在部88は、延在部86が延びる方向と同一の方向に延び、当該延在部88から連続する板状部が保持部72の上面とは反対側の面に向かって、階段状に折り曲げられることで形成される。延在部88には、ねじ等の締結部材が螺合可能な締結用孔89が設けられる。
【0048】
図7は、上方支持部40と連結部80とを示す斜視図である。
第1基板50が仕切板24に取り付けられる場合には、
図7に示すように、まず、第1基板50が第1保持部材70に保持された状態で、係合片82が係合孔43に係合する。
【0049】
図6に示すように、係合片82が係合孔43に係合した状態では、締結用孔41と、締結用孔81とが重なって配置されると共に、締結用孔45と、締結用孔85とが重なって配置される。さらに、係合片82が係合孔43に係合した状態では、延在部86の締結用孔87と、第2パネル22の筐体10の右側面に位置する端部とが重なって配置される。加えて、上述した状態では、延在部88の締結用孔89と、第2パネル22の筐体10の右側面に位置する端部とが重なって配置される。
【0050】
そして、締結用孔41と、締結用孔81、及び締結用孔45と、締結用孔85との各々に、締結部材であるねじ部材101が挿通されて螺合することで、第1保持部材70が上方支持部40と下方支持部46とに固定される。
さらに、締結用孔87と締結用孔89との各々に螺合したねじ部材101が第2パネル22の筐体10の右側面に位置する端部に螺合することで、第1保持部材70が第2パネル22に固定される。
これによって、第1基板50は、第1保持部材70を介して、仕切板24と、第2パネル22に固定される。
【0051】
この場合において、第1基板50と、第3基板56とは、筐体10の平面視で、略T字状になるように配置される。加えて、第1基板50と、第3基板56とは、いずれも機械室S2の上方、すなわち天面パネル14に接近した位置に配置される。
室外機1では、第3基板56が仕切板24に取り付けられ、且つ第1基板50と、第3基板56とがこのように配置されることで、機械室S2において、第1基板50と、第3基板56とが配置されるスペースを縮小できる。
【0052】
このように固定された第1保持部材70において、遮蔽部74は、筐体10の上下方向において、上方支持部40と略同一の高さに配置される。すなわち、遮蔽部74は、天面パネル14から離間した位置に配置される。
【0053】
ここで、第1基板50の実装面には、第3基板56から延びる複数の配線90の各々を当該第1基板50に接続する複数の端子92が設けられる。これらの端子92は、第1基板50の実装面において、遮蔽部74に接近した位置に設けられる。端子92の各々は、第1基板50の実装面に接続された状態で、当該実装面から所定の長さ寸法で起立する被覆部94によって覆われる。この被覆部94の長さ寸法は、遮蔽部74の長手方向に直行する方向に起立して延びる長さ寸法よりも短い。このため、端子92の各々、及び被覆部94の各々は、筐体10の平面視で、遮蔽部74に全体が覆われる。
【0054】
[1-2.動作]
以上のように構成された室外機1について、その動作を以下説明する。
[1-2-1.基板の冷却]
室外機1が作動を開始すると、送風機9が回転駆動を開始する。この送風機9の回転駆動によって、吸入口11から筐体10の外部の空気が機械室S2に流入する。流入した空気は、機械室S2を流れ、第1基板50と、第3基板56とを冷却した後に、ダクト32を通って、熱交換室S1に流入する。熱交換室S1に流入した空気は、ヒートシンク62と熱交換した後に、排気口19から筐体10の外部に排気される。
【0055】
[1-2-2.保持部材の取り外し]
第1基板50を取り外す場合には、まず第1パネル20を筐体10から取り外し、機械室S2を露出させる。
締結用孔41及び締結用孔81と、締結用孔45及び締結用孔85と、締結用孔87と、締結用孔89との各々に螺合するねじ部材101の各々のねじ頭は、いずれも筐体10の前面に対向して配置される。これによって、作業者は、筐体10の前面側から、ドライバー等を用いて、容易にねじ部材101の各々を取り外すことができる。このため、作業者は、筐体10から、第1保持部材70を容易に取り外すことができる。すなわち、作業者は、筐体10から、第1保持部材70と共に、第1基板50を取り外すことができる。
【0056】
第1保持部材70が取り外された状態において、第2保持部材60を枠体30に固定するねじ部材101のねじ頭は、右側面に対向して配置される。これによって、作業者は、筐体10の前面側から、ドライバー等を用いて、容易にねじ部材100の各々を取り外すことができる。このため、作業者は、筐体10から、第2保持部材60と共に、第2基板54を取り外すことができる。
【0057】
遮蔽部74には、複数の固定孔73を介して、第2基板54が取り付け可能である。このため、作業者は、第1パネル20が筐体10から取り外された状態で、筐体10の前面側から、筐体10から、第1保持部材70と共に、容易に第2基板54を取り外すことができる。
なお、遮蔽部74に取り付けられた第2基板54は、筐体10の平面視で、全体が当該遮蔽部74に覆われる。
【0058】
[1-2-3.遮蔽部による天面パネルの基板からの遮蔽]
基板において、一般的に、端子や、当該端子の被覆部材、あるいは端子台に設けられるねじ等は、電流の状態によっては、発火する発火源となる虞がある。このような発火源に接近した位置、特に発火源の上方にシール材や断熱材を設ける場合、当該シール材や断熱材には、難燃性の材料を用いる必要があった。
本実施の形態では、シール材4と断熱材6とに接近して配置され、且つ発火源となる虞がある端子92、及び被覆部94は、いずれも遮蔽部74によって、シール材4と断熱材6とから遮蔽される。換言すれば、端子92、及び被覆部94と、シール材4、及び断熱材6との間には、遮蔽部74が配置される。この遮蔽部74は、板金で形成されるため、難燃性である。
これによって、室外機1では、シール材4と断熱材6とに難燃性の材料を用いる必要がない。このため、室外機1は、筐体10をよりより低コストで作成することができる。
【0059】
なお、本実施形態では、端子台78は、天面パネル14から十分に離間した位置に設けられる。このため、筐体10の平面視で、遮蔽部74に覆われていなくてもよい。同様に、第3基板56には、天面パネル14に接近した位置に、端子、あるいは端子台が設けられていない。このため、当該第3基板56は、遮蔽部74に覆われていなくてもよい。
【0060】
[1-3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、室外機1は、筐体10の内部において、シール材4と、断熱材6とが天面パネル14に設けられる。この室外機1は、発熱部材である第1基板50と、当該第1基板50を保持する第1保持部材70とを備える。この第1保持部材70は、難燃性を備え、端子92からシール材4と、断熱材6とを遮蔽する遮蔽部74が設けられる。
【0061】
これにより、室外機1では、難燃性を備えないシール材4と、断熱材6とを筐体10に設けることができる。そのため、室外機1では、筐体10、及び当該室外機1を低コストで作成できる。
【0062】
本実施の形態のように、遮蔽部74には、第2基板54を取り付け可能にしてもよい。
これにより、室外機1では、第1基板50に加えて、第2基板54を第1保持部材70に取り付けることができる。そのため、室外機1では、発火源となる第1基板50と、第2基板54とから、シール材4と、断熱材6とを遮蔽部74によって遮りつつ、当該遮蔽部74に第2基板54を保持させることができる。
【0063】
本実施の形態のように、第1保持部材70は、筐体10の前面側から着脱可能に設けられてもよい。
これにより、室外機1では、第1パネル20を取り外すだけで、第1保持部材70を取り外すことができる。そのため、室外機1では、第1基板50を容易に取り外すことができる。
【0064】
本実施の形態のように、第1基板50を保持する第1保持部材70と第3基板56を保持する第2保持部材60とを備え、第1保持部材70、及び第2保持部材60は、いずれも筐体10の前面側から着脱可能に設けられる。
これにより、室外機1では、第1パネル20を取り外すだけで、第1保持部材70と、及び第2保持部材60とを取り外すことができる。そのため、室外機1では、第1基板50、及び第3基板56を容易に取り外すことができる。
【0065】
本実施の形態のように、第1保持部材70は、板状部材で形成され、当該第1保持部材70には、第1基板50を保持する保持部72が設けられ、遮蔽部74は、保持部72に対して折り曲げられることで形成されてもよい。
これにより、室外機1では、簡易な構造で保持部72と遮蔽部74とを形成することができる。そのため、室外機1では、簡易な構成で第1基板50を固定すると共に、第1基板50の発火源となる端子92から、シール材4と、断熱材6とを遮ることができる。
【0066】
本実施の形態のように、第1基板50には、端子92が設けられ、遮蔽部74は、端子92からシール材4と、断熱材6とを遮蔽してもよい。
これにより、室外機1では、難燃性を備えないシール材4と、断熱材6とを筐体10に設けることができる。そのため、室外機1では、筐体10、及び当該室外機1を低コストで作成できる。
【0067】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
【0068】
上述した実施の形態では、第1保持部材70、及び遮蔽部74は、板金で形成されるとした。しかしながらこれに限らず、第1保持部材70、及び遮蔽部74は、難燃性の樹脂材等、難燃性を備える材料であれば、どのような材料で形成されていてもよい。また、遮蔽部74のみが難燃性を備える材料で形成され、第1保持部材70が難燃性を備えない材料で形成されていてもよい。
【0069】
例えば、第2基板54には、天面パネル14に接近した位置に、端子、あるいは端子台が設けられていてもよい。この場合、遮蔽部74は、筐体10の平面視で、当該端子、あるいは端子台の全体を覆う程度の長さ寸法で、当該遮蔽部74の長手方向に直行する方向に起立して設けられる。
【0070】
本実施形態では、端子台78は、天面パネル14から十分に離間した位置に設けられるとした。しかしながらこれに限らず、端子台78は、天面パネル14に接近した位置に設けられていてもよい。この場合、遮蔽部74は、筐体10の平面視で、端子台78の全体を覆う程度の長さ寸法で、当該遮蔽部74の長手方向に直行する方向に起立して設けられる。
【0071】
また、第3基板56には、天面パネル14に接近した位置に、端子、あるいは端子台が設けられていてもよい。この場合、例えばガイド部材36が筐体10の平面視で、第3基板56の端子、あるいは端子台を覆う形状を備えていてもよい。
また例えば、この場合、遮蔽部74が第3基板56の端子、あるいは端子台78を覆う形状を備えていてもよい。
また例えば、第2保持部材60の上縁が筐体10の平面視で、第3基板56の端子、あるいは端子台を覆う形状を備えていてもよい。
【0072】
上述した実施形態では、室外機1は、一対の送風機9を備えるとしたが、これに限らず1つの送風機9、あるいは、3つ以上の送風機9を備えていてもよい。
【0073】
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本開示は、電気部品と、難燃性ではない被覆部材を備える室外機に適用可能である。具体的には、横吹き型室外機等に、本開示は適用可能である。
【符号の説明】
【0075】
1 室外機
4 シール材(被覆部材)
6 断熱材(被覆部材)
10 筐体
14 天面パネル(天面)
20 第1パネル(前面)
24 仕切板
50 第1基板(発熱部材)
54 第2基板(発熱部材)
56 第3基板(発熱部材)
60 第2保持部材(保持部材)
70 第1保持部材(保持部材)
72 保持部
73 係合部
74 遮蔽部
92 端子