(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023121332
(43)【公開日】2023-08-31
(54)【発明の名称】実装システム、半田ペースト配置装置、フラックス塗布装置、および実装方法
(51)【国際特許分類】
H05K 13/04 20060101AFI20230824BHJP
H05K 3/34 20060101ALI20230824BHJP
【FI】
H05K13/04 B
H05K3/34 503B
H05K3/34 505B
H05K3/34 507A
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022024613
(22)【出願日】2022-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002745
【氏名又は名称】弁理士法人河崎特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】萬谷 正幸
(72)【発明者】
【氏名】境 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 祐樹
【テーマコード(参考)】
5E319
5E353
【Fターム(参考)】
5E319AA01
5E319BB05
5E319CC36
5E319CD22
5E319CD31
5E319CD52
5E319GG15
5E353EE62
5E353EE63
5E353EE88
5E353GG11
5E353GG12
5E353GG50
5E353MM02
5E353MM04
5E353MM08
5E353PP02
5E353QQ11
(57)【要約】
【課題】半田ペーストなどへの熱の影響を抑制する。
【解決手段】開示される実装システム10は、基板200に半田ペーストを配置する半田ペースト配置装置40と、半田ペースト配置装置40から受け取った基板200を加熱して半田プリコートを形成する基板加熱装置50と、半田ペースト配置装置40と基板加熱装置50とを結ぶ第1基板搬送経路P1を遮断する位置に進出可能な第1シャッタ46と、第1シャッタ46を第1基板搬送経路P1に対して進退させる第1シャッタ駆動部47と、を備える。実装システム10は、半田プリコートにフラックスを塗布した後に半田プリコートに電子部品を搭載する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に半田ペーストを配置する半田ペースト配置装置と、
前記半田ペースト配置装置から受け取った前記基板を加熱して半田プリコートを形成する基板加熱装置と、
前記半田ペースト配置装置と前記基板加熱装置とを結ぶ第1基板搬送経路を遮断する位置に進出可能な第1シャッタと、
前記第1シャッタを前記第1基板搬送経路に対して進退させる第1シャッタ駆動部と、
を備え、
前記半田プリコートにフラックスを塗布した後に前記半田プリコートに電子部品を搭載する、実装システム。
【請求項2】
前記半田ペースト配置装置は、前記第1シャッタおよび前記第1シャッタ駆動部を具備する、請求項1に記載の実装システム。
【請求項3】
前記半田ペースト配置装置は、前記基板の出口が設けられた第1カバーを有し、
前記第1シャッタは、前記第1基板搬送経路を遮断する位置に進出すると前記出口を閉じる、請求項2に記載の実装システム。
【請求項4】
前記半田ペースト配置装置は、
前記半田ペーストが配置されて前記出口へ接近する前記基板を検出する第1基板検出部と、
前記第1基板検出部で前記基板が検出された場合に前記第1シャッタを前記第1基板搬送経路から退避させる一方、前記基板が前記出口を通過した後に前記第1シャッタを前記第1基板搬送経路へ進出させるように前記第1シャッタ駆動部を制御する第1シャッタ制御部と、
を有する、請求項3に記載の実装システム。
【請求項5】
半田ペーストが配置された基板を加熱して半田プリコートを形成する基板加熱装置と、
前記基板加熱装置から前記基板を受け取って前記半田プリコートにフラックスを塗布するフラックス塗布装置と、
前記基板加熱装置と前記フラックス塗布装置とを結ぶ第2基板搬送経路を遮断する位置に進出可能な第2シャッタと、
前記第2シャッタを前記第2基板搬送経路に対して進退させる第2シャッタ駆動部と、
を備え、
前記フラックスが塗布された前記半田プリコートに電子部品を搭載する、実装システム。
【請求項6】
前記フラックス塗布装置は、前記第2シャッタおよび前記第2シャッタ駆動部を具備する、請求項5に記載の実装システム。
【請求項7】
前記フラックス塗布装置は、前記基板の入口が設けられた第2カバーを有し、
前記第2シャッタは、前記第2基板搬送経路を遮断する位置に進出すると前記入口を閉じる、請求項6に記載の実装システム。
【請求項8】
前記フラックス塗布装置は、
前記半田プリコートが形成されて前記入口へ接近する前記基板を検出する第2基板検出部と、
前記第2基板検出部で前記基板が検出された場合に前記第2シャッタを前記第2基板搬送経路から退避させる一方、前記基板が前記入口を通過した後に前記第2シャッタを前記第2基板搬送経路へ進出させるように前記第2シャッタ駆動部を制御する第2シャッタ制御部と、
を有する、請求項7に記載の実装システム。
【請求項9】
基板の出口が設けられた第1カバーと、
前記第1カバー内で前記基板に半田ペーストを配置する半田ペースト配置部と、
前記出口を通過する前記基板の搬送経路である第1基板搬送経路を遮断する位置に進出可能でありかつ前記出口を開閉する第1シャッタと、
前記第1シャッタを前記第1基板搬送経路に対して進退させる第1シャッタ駆動部と、
前記出口へ接近する前記基板を検出する第1基板検出部と、
前記第1基板検出部で前記基板が検出された場合に前記第1シャッタを前記第1基板搬送経路から退避させる一方、前記基板が前記出口を通過した後に前記第1シャッタを前記第1基板搬送経路へ進出させるように前記第1シャッタ駆動部を制御する第1シャッタ制御部と、
を備える、半田ペースト配置装置。
【請求項10】
基板の入口が設けられた第2カバーと、
前記第2カバー内で前記基板にフラックスを塗布するフラックス塗布部と、
前記入口を通過する前記基板の搬送経路である第2基板搬送経路を遮断する位置に進出可能でありかつ前記入口を開閉する第2シャッタと、
前記第2シャッタを前記第2基板搬送経路に対して進退させる第2シャッタ駆動部と、
前記入口へ接近する前記基板を検出する第2基板検出部と、
前記第2基板検出部で前記基板が検出された場合に前記第2シャッタを前記第2基板搬送経路から退避させる一方、前記基板が前記入口を通過した後に前記第2シャッタを前記第2基板搬送経路へ進出させるように前記第2シャッタ駆動部を制御する第2シャッタ制御部と、
を備える、フラックス塗布装置。
【請求項11】
半田ペースト配置装置において基板に半田ペーストを配置する配置工程と、
前記半田ペースト配置装置から基板加熱装置へ、両装置を結ぶ第1基板搬送経路を介して前記基板を受け渡す第1搬送工程と、
前記半田ペーストが配置された前記基板を前記基板加熱装置において加熱する加熱工程と、
を備え、
前記第1搬送工程において、前記第1基板搬送経路を前記基板が通過する前および通過した後は、前記第1基板搬送経路を第1シャッタにより遮断する一方、前記第1基板搬送経路を前記基板が通過している間は、前記第1基板搬送経路から前記第1シャッタを退避させる、実装方法。
【請求項12】
前記半田ペースト配置装置は、前記第1シャッタを具備する、請求項11に記載の実装方法。
【請求項13】
基板加熱装置において半田ペーストが配置された基板を加熱する加熱工程と、
前記基板加熱装置からフラックス塗布装置へ、両装置を結ぶ第2基板搬送経路を介して前記基板を受け渡す第2搬送工程と、
前記フラックス塗布装置において前記基板にフラックスを塗布する塗布工程と、
を備え、
前記第2搬送工程において、前記第2基板搬送経路を前記基板が通過する前および通過した後は、前記第2基板搬送経路を第2シャッタにより遮断する一方、前記第2基板搬送経路を前記基板が通過している間は、前記第2基板搬送経路から前記第2シャッタを退避させる、実装方法。
【請求項14】
前記フラックス塗布装置は、前記第2シャッタを具備する、請求項13に記載の実装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、実装システム、半田ペースト配置装置、フラックス塗布装置、および実装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板に半田ペーストを供給する半田ペースト供給部と、その下流に配置され、半田ペーストを加熱する加熱部とを備える実装システムが知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1の実装システムは、半田ペーストの加熱により基板に半田プリコートを形成し、半田プリコートに電子部品を搭載して半田付けして実装する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の実装システムでは、半田ペースト供給部と加熱部とが隣り合って配置されている。そのため、加熱部が発する熱が半田ペースト供給部に伝わり、半田ペーストなどの品質に影響するおそれがある。このような状況において、本開示は、半田ペーストなどへの熱の影響を抑制することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係る一局面は、実装システムに関する。当該実装システムは、基板に半田ペーストを配置する半田ペースト配置装置と、前記半田ペースト配置装置から受け取った前記基板を加熱して半田プリコートを形成する基板加熱装置と、前記半田ペースト配置装置と前記基板加熱装置とを結ぶ第1基板搬送経路を遮断する位置に進出可能な第1シャッタと、前記第1シャッタを前記第1基板搬送経路に対して進退させる第1シャッタ駆動部と、を備え、前記半田プリコートにフラックスを塗布した後に前記半田プリコートに電子部品を搭載する。
【0006】
本開示に係る別の一局面は、実装システムに関する。当該実装システムは、半田ペーストが配置された基板を加熱して半田プリコートを形成する基板加熱装置と、前記基板加熱装置から前記基板を受け取って前記半田プリコートにフラックスを塗布するフラックス塗布装置と、前記基板加熱装置と前記フラックス塗布装置とを結ぶ第2基板搬送経路を遮断する位置に進出可能な第2シャッタと、前記第2シャッタを前記第2基板搬送経路に対して進退させる第2シャッタ駆動部と、を備え、前記フラックスが塗布された前記半田プリコートに電子部品を搭載する。
【0007】
本開示に係る別の一局面は、半田ペースト配置装置に関する。当該半田ペースト配置装置は、基板の出口が設けられた第1カバーと、前記第1カバー内で前記基板に半田ペーストを配置する半田ペースト配置部と、前記出口を通過する前記基板の搬送経路である第1基板搬送経路を遮断する位置に進出可能でありかつ前記出口を開閉する第1シャッタと、前記第1シャッタを前記第1基板搬送経路に対して進退させる第1シャッタ駆動部と、前記出口へ接近する前記基板を検出する第1基板検出部と、前記第1基板検出部で前記基板が検出された場合に前記第1シャッタを前記第1基板搬送経路から退避させる一方、前記基板が前記出口を通過した後に前記第1シャッタを前記第1基板搬送経路へ進出させるように前記第1シャッタ駆動部を制御する第1シャッタ制御部と、を備える。
【0008】
本開示に係る別の一局面は、フラックス塗布装置に関する。当該フラックス塗布装置は、基板の入口が設けられた第2カバーと、前記第2カバー内で前記基板にフラックスを塗布するフラックス塗布部と、前記入口を通過する前記基板の搬送経路である第2基板搬送経路を遮断する位置に進出可能でありかつ前記入口を開閉する第2シャッタと、前記第2シャッタを前記第2基板搬送経路に対して進退させる第2シャッタ駆動部と、前記入口へ接近する前記基板を検出する第2基板検出部と、前記第2基板検出部で前記基板が検出された場合に前記第2シャッタを前記第2基板搬送経路から退避させる一方、前記基板が前記入口を通過した後に前記第2シャッタを前記第2基板搬送経路へ進出させるように前記第2シャッタ駆動部を制御する第2シャッタ制御部と、を備える。
【0009】
本開示に係る別の一局面は、実装方法に関する。当該実装方法は、半田ペースト配置装置において基板に半田ペーストを配置する配置工程と、前記半田ペースト配置装置から基板加熱装置へ、両装置を結ぶ第1基板搬送経路を介して前記基板を受け渡す第1搬送工程と、前記半田ペーストが配置された前記基板を前記基板加熱装置において加熱する加熱工程と、を備え、前記第1搬送工程において、前記第1基板搬送経路を前記基板が通過する前および通過した後は、前記第1基板搬送経路を第1シャッタにより遮断する一方、前記第1基板搬送経路を前記基板が通過している間は、前記第1基板搬送経路から前記第1シャッタを退避させる。
【0010】
本開示に係る別の一局面は、実装方法に関する。当該実装方法は、基板加熱装置において半田ペーストが配置された基板を加熱する加熱工程と、前記基板加熱装置からフラックス塗布装置へ、両装置を結ぶ第2基板搬送経路を介して前記基板を受け渡す第2搬送工程と、前記フラックス塗布装置において前記基板にフラックスを塗布する塗布工程と、を備え、前記第2搬送工程において、前記第2基板搬送経路を前記基板が通過する前および通過した後は、前記第2基板搬送経路を第2シャッタにより遮断する一方、前記第2基板搬送経路を前記基板が通過している間は、前記第2基板搬送経路から前記第2シャッタを退避させる。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、半田ペーストなどへの熱の影響を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示に係る実装システムの一例を模式的に示す正面図である。
【
図2】半田ペースト配置装置の正面断面図であり、第1カバーの出口に基板が接近している状態を示す。
【
図3】半田ペースト配置装置の正面断面図であり、第1カバーの出口を基板が通過している状態を示す。
【
図4】半田ペースト配置装置の正面断面図であり、第1カバーの出口を基板が通過した後の状態を示す。
【
図5】フラックス塗布装置の正面断面図であり、第2カバーの入口に基板が接近している状態を示す。
【
図6】フラックス塗布装置の正面断面図であり、第2カバーの入口を基板が通過している状態を示す。
【
図7】フラックス塗布装置の正面断面図であり、第2カバーの入口を基板が通過した後の状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示に係る実装システム、半田ペースト配置装置、フラックス塗布装置、および実装方法の実施形態について例を挙げて以下に説明する。しかしながら、本開示は以下に説明する例に限定されない。以下の説明では、具体的な数値や材料を例示する場合があるが、本開示の効果が得られる限り、他の数値や材料を適用してもよい。
【0014】
(実装システム)
本開示に係る一の実装システム(以下、実装システムAともいう。)は、半田ペースト配置装置と、基板加熱装置と、第1シャッタと、第1シャッタ駆動部とを備える。実装システムAは、さらに、半田ペーストから形成された半田プリコートにフラックスを塗布するフラックス塗布装置などを備えてもよい。
【0015】
半田ペースト配置装置は、基板に半田ペーストを配置する。基板は、電極を備えてもよい。半田ペースト配置装置は、基板の電極に半田ペーストを配置してもよい。半田ペースト配置装置は、例えば、スクリーン印刷法により、またはディスペンサにより、基板に半田ペーストを配置してもよい。半田ペーストは、平均粒径が20μm以上、30μm以下の半田粒子を含んでもよい。
【0016】
基板加熱装置は、半田ペースト配置装置から受け取った基板を加熱して半田プリコートを形成する。基板加熱装置は、200℃以上、400℃以下の温度雰囲気において基板を加熱してもよい。基板加熱装置は、半田ペースト配置装置の下流にこれと隣り合って配置されてもよい。半田ペースト配置装置と基板加熱装置との間の間隔は、2cm以上、30cm以下であってもよい。
【0017】
第1シャッタは、半田ペースト配置装置と基板加熱装置とを結ぶ第1基板搬送経路を遮断する位置(以下、第1遮断位置ともいう。)に進出可能である。第1シャッタは、例えば、金属で構成されてもよい。第1遮断位置にある第1シャッタにより、基板加熱装置から半田ペースト配置装置へ熱が伝わることが抑制され、半田ペーストへの熱の影響が抑制される。
【0018】
第1シャッタ駆動部は、第1シャッタを第1基板搬送経路に対して進退させる。第1シャッタ駆動部は、第1シャッタを、第1遮断位置と、第1基板搬送経路を遮断しない位置(以下、第1退避位置ともいう。)との間で進退させてもよい。第1シャッタ駆動部は、第1シャッタを上下方向に進退させてもよい。第1シャッタ駆動部は、任意の種類のアクチュエータ(例えば、電気式、磁気式、空気圧式、または油圧式のアクチュエータ)を有してもよい。
【0019】
実装システムAは、半田プリコートにフラックスを塗布した後に当該半田プリコートに電子部品を搭載する。実装システムAは、基板加熱装置よりも下流側に設けられ、半田プリコートにフラックスを塗布するためのフラックス塗布装置を備えてもよい。実装システムAは、半田プリコートに電子部品を搭載するための電子部品搭載装置を備えてもよい。実装システムAは、半田プリコートに電子部品を半田付けするためのリフロー装置を備えてもよい。
【0020】
半田ペースト配置装置は、第1シャッタおよび第1シャッタ駆動部を具備してもよい。この場合、第1シャッタを基板加熱装置が具備する場合に比べてメリットがある。すなわち、基板加熱装置に第1シャッタを設けると、第1シャッタの進退に伴って基板加熱装置の内部雰囲気(例えば、パージガス濃度や温度)が変動するおそれがある。これに対し、本構成のように第1シャッタを半田ペースト配置装置に設けることで、そのような基板加熱装置の内部雰囲気の変動を抑制することができる。
【0021】
半田ペースト配置装置は、基板の出口が設けられた第1カバーを有してもよい。第1シャッタは、第1基板搬送経路を遮断する位置に進出すると出口を閉じてもよい。この場合、第1遮断位置にある第1シャッタによって、基板加熱装置からの熱が、当該出口を介して第1カバーの内部に伝わることが抑制される。第1シャッタは、第1遮断位置において第1カバーの出口を閉じると共に、第1退避位置において第1カバーの出口を開放してもよい。この場合、第1カバーの出口と基板加熱装置の入口との間の距離は、例えば、2cm以上、30cm以下であってもよい。省スペース化の観点から当該距離は短いほど望ましく、10cm以下であってもよい。
【0022】
半田ペースト配置装置は、半田ペーストが配置されて出口へ接近する基板を検出する第1基板検出部と、第1基板検出部で基板が検出された場合に第1シャッタを第1基板搬送経路から退避させる一方、基板が出口を通過した後に第1シャッタを第1基板搬送経路へ進出させるように第1シャッタ駆動部を制御する第1シャッタ制御部と、を有してもよい。第1基板検出部は、例えば、非接触で基板を検出するセンサ(例えば、光学センサ)であってもよい。第1シャッタ制御部は、第1基板検出部で基板が検出された場合、当該検出の直後に第1シャッタを第1基板搬送経路から退避させてもよいし、当該検出から所定時間経過後に第1シャッタを第1基板搬送経路から退避させてもよい。第1シャッタ制御部は、基板が出口を通過した直後に第1シャッタを第1基板搬送経路へ進出させてもよいし、基板が出口を通過して所定時間経過後に第1シャッタを第1基板搬送経路へ進出させてもよい。第1シャッタ制御部は、演算装置と、演算装置によって実行可能なプログラムが記憶された記憶装置とを有してもよい。第1シャッタ制御部は、半田ペースト配置装置の全体的な制御を行う制御装置と一体であってもよいし別体であってもよい。
【0023】
本開示に係る別の実装システム(以下、実装システムBともいう。)は、基板加熱装置と、フラックス塗布装置と、第2シャッタと、第2シャッタ駆動部とを備える。実装システムBは、さらに、半田ペーストが配置された基板を基板加熱装置に受け渡す半田ペースト配置装置などを備えてもよい。
【0024】
基板加熱装置は、半田ペーストが配置された基板を加熱して半田プリコートを形成する。基板は、電極を備えてもよい。半田ペーストは、基板の電極に配置されていてもよい。半田ペーストは、平均粒径が20μm以上、30μm以下の半田粒子を含んでもよい。基板加熱装置は、200℃以上、400℃以下の温度雰囲気において基板を加熱してもよい。
【0025】
フラックス塗布装置は、基板加熱装置から基板を受け取って半田プリコートにフラックスを塗布する。フラックス塗布装置は、例えば、スクリーン印刷法により、またはディスペンサにより、半田プリコートにフラックスを塗布してもよい。フラックス塗布装置は、基板加熱装置の下流にこれと隣り合って配置されてもよい。基板加熱装置とフラックス塗布装置との間の間隔は、2cm以上、30cm以下であってもよい。
【0026】
第2シャッタは、基板加熱装置とフラックス塗布装置とを結ぶ第2基板搬送経路を遮断する位置(以下、第2遮断位置ともいう。)に進出可能である。第2シャッタは、例えば、金属で構成されてもよい。第2遮断位置にある第2シャッタにより、基板加熱装置からフラックス塗布装置へ熱が伝わることが抑制され、フラックスへの熱の影響が抑制される。
【0027】
第2シャッタ駆動部は、第2シャッタを第2基板搬送経路に対して進退させる。第2シャッタ駆動部は、第2シャッタを、第2遮断位置と、第2基板搬送経路を遮断しない位置(以下、第2退避位置ともいう。)との間で進退させてもよい。第2シャッタ駆動部は、第2シャッタを上下方向に進退させてもよい。第2シャッタ駆動部は、任意の種類のアクチュエータ(例えば、電気式、磁気式、空気圧式、または油圧式のアクチュエータ)を有してもよい。
【0028】
実装システムBは、フラックスが塗布された半田プリコートに電子部品を搭載する。実装システムBは、半田プリコートに電子部品を搭載するための電子部品搭載装置を備えてもよい。実装システムBは、半田プリコートに電子部品を半田付けするためのリフロー装置を備えてもよい。
【0029】
フラックス塗布装置は、第2シャッタおよび第2シャッタ駆動部を具備してもよい。この場合、第2シャッタを基板加熱装置が具備する場合に比べてメリットがある。すなわち、基板加熱装置に第2シャッタを設けると、第2シャッタの進退に伴って内部雰囲気(例えば、ガス濃度や温度)が変動するおそれがある。これに対し、本構成のように第2シャッタをフラックス塗布装置に設けることで、そのような基板加熱装置の内部雰囲気の変動を抑制することができる。
【0030】
フラックス塗布装置は、基板の入口が設けられた第2カバーを有してもよい。第2シャッタは、第2基板搬送経路を遮断する位置に進出すると入口を閉じてもよい。この場合、第2遮断位置にある第2シャッタによって、基板加熱装置からの熱が、当該入口を介して第2カバーの内部に伝わることが抑制される。第2シャッタは、第2遮断位置において第2カバーの入口を閉じると共に、第2退避位置において第2カバーの入口を開放してもよい。この場合、第2カバーの入口と基板加熱装置の出口との間の距離は、例えば、2cm以上、30cm以下であってもよい。省スペース化の観点から当該距離は短いほど望ましく、10cm以下であってもよい。
【0031】
フラックス塗布装置は、半田プリコートが形成されて入口へ接近する基板を検出する第2基板検出部と、第2基板検出部で基板が検出された場合に第2シャッタを第2基板搬送経路から退避させる一方、基板が入口を通過した後に第2シャッタを第2基板搬送経路へ進出させるように第2シャッタ駆動部を制御する第2シャッタ制御部と、を有してもよい。第2基板検出部は、例えば、非接触で基板を検出するセンサ(例えば、光学センサ)であってもよい。第2シャッタ制御部は、第2基板検出部で基板が検出された場合、当該検出の直後に第2シャッタを第2基板搬送経路から退避させてもよいし、当該検出から所定時間経過後に第2シャッタを第2基板搬送経路から退避させてもよい。第2シャッタ制御部は、基板が入口を通過した直後に第2シャッタを第2基板搬送経路へ進出させてもよいし、基板が入口を通過して所定時間経過後に第2シャッタを第2基板搬送経路へ進出させてもよい。第2シャッタ制御部は、演算装置と、演算装置によって実行可能なプログラムが記憶された記憶装置とを有してもよい。第2シャッタ制御部は、フラックス塗布装置の全体的な制御を行う制御装置と一体であってもよいし別体であってもよい。
【0032】
(半田ペースト配置装置)
本開示に係る半田ペースト配置装置は、第1カバーと、半田ペースト配置部と、第1シャッタと、第1シャッタ駆動部と、第1基板検出部と、第1シャッタ制御部とを備える。
【0033】
第1カバーは、基板の出口が設けられる。第1カバーは、例えば、金属で構成されてもよい。第1カバーは、内部空間を有する中空直方体状に構成されてもよい。出口は、第1カバーの側面に設けられた開口であってもよい。基板は、電極を備えてもよい。
【0034】
半田ペースト配置部は、第1カバー内で基板に半田ペーストを配置する。半田ペースト配置部は、基板の電極に半田ペーストを配置してもよい。半田ペースト配置装置は、例えば、スクリーン印刷法により、またはディスペンサにより、基板に半田ペーストを配置してもよい。半田ペーストは、平均粒径が20μm以上、30μm以下の半田粒子を含んでもよい。
【0035】
第1シャッタは、出口を通過する基板の搬送経路である第1基板搬送経路を遮断する位置(第1遮断位置)に進出可能であり当該出口を開閉する。第1シャッタは、例えば、金属で構成されてもよい。第1遮断位置にある第1シャッタにより、第1カバーの外部から出口を介して第1カバーの内部へ熱が伝わることが抑制され、半田ペーストへの熱の影響が抑制される。
【0036】
第1シャッタ駆動部は、第1シャッタを第1基板搬送経路に対して進退させる。第1シャッタ駆動部は、第1シャッタを、第1遮断位置と、第1基板搬送経路を遮断しない位置(第1退避位置)との間で進退させてもよい。第1シャッタ駆動部は、第1シャッタを上下方向に進退させてもよい。第1シャッタ駆動部は、任意の種類のアクチュエータ(例えば、電気式、磁気式、空気圧式、または油圧式のアクチュエータ)を有してもよい。
【0037】
第1基板検出部は、出口へ接近する基板を検出する。第1基板検出部は、例えば、非接触で基板を検出するセンサ(例えば、光学センサ)であってもよい。第1基板検出部の検出信号は、第1シャッタ制御部に送られてもよい。
【0038】
第1シャッタ制御部は、第1基板検出部で基板が検出された場合に第1シャッタを第1基板搬送経路から退避させる一方、基板が出口を通過した後に第1シャッタを第1基板搬送経路へ進出させるように第1シャッタ駆動部を制御する。第1シャッタ制御部は、第1基板検出部で基板が検出された場合、当該検出の直後に第1シャッタを第1基板搬送経路から退避させてもよいし、当該検出から所定時間経過後に第1シャッタを第1基板搬送経路から退避させてもよい。第1シャッタ制御部は、基板が出口を通過した直後に第1シャッタを第1基板搬送経路へ進出させてもよいし、基板が出口を通過して所定時間経過後に第1シャッタを第1基板搬送経路へ進出させてもよい。第1シャッタ制御部は、演算装置と、演算装置によって実行可能なプログラムが記憶された記憶装置とを有してもよい。第1シャッタ制御部は、半田ペースト配置装置の全体的な制御を行う制御装置と一体であってもよいし別体であってもよい。
【0039】
(フラックス塗布装置)
本開示に係るフラックス塗布装置は、第2カバーと、フラックス塗布部と、第2シャッタと、第2シャッタ駆動部と、第2基板検出部と、第2シャッタ制御部とを備える。
【0040】
第2カバーは、基板の入口が設けられる。第2カバーは、例えば、金属で構成されてもよい。第2カバーは、内部空間を有する中空直方体状に構成されてもよい。入口は、第2カバーの側面に設けられた開口であってもよい。基板は、電極および電極上に形成された半田プリコートを備えてもよい。
【0041】
フラックス塗布部は、第2カバー内で基板にフラックスを塗布する。フラックス塗布部は、基板の電極上に形成された半田プリコートにフラックスを塗布してもよい。フラックス塗布部は、例えば、スクリーン印刷法により、またはディスペンサにより、基板にフラックスを塗布してもよい。
【0042】
第2シャッタは、入口を通過する基板の搬送経路である第2基板搬送経路を遮断する位置(第2遮断位置)に進出可能でありかつ入口を開閉する。第2シャッタは、例えば、金属で構成されてもよい。第2遮断位置にある第2シャッタにより、第2カバーの外部から入口を介して第2カバーの内部へ熱が伝わることが抑制され、フラックスへの熱の影響が抑制される。
【0043】
第2シャッタ駆動部は、第2シャッタを第2基板搬送経路に対して進退させる。第2シャッタ駆動部は、第2シャッタを、第2遮断位置と、第2基板搬送経路を遮断しない位置(第2退避位置)との間で進退させてもよい。第2シャッタ駆動部は、第2シャッタを上下方向に進退させてもよい。第2シャッタ駆動部は、任意の種類のアクチュエータ(例えば、電気式、磁気式、空気圧式、または油圧式のアクチュエータ)を有してもよい。
【0044】
第2基板検出部は、入口へ接近する基板を検出する。第2基板検出部は、例えば、非接触で基板を検出するセンサ(例えば、光学センサ)であってもよい。第2基板検出部の検出信号は、第2シャッタ制御部に送られてもよい。
【0045】
第2シャッタ制御部は、第2基板検出部で基板が検出された場合に第2シャッタを第2基板搬送経路から退避させる一方、基板が入口を通過した後に第2シャッタを第2基板搬送経路へ進出させるように第2シャッタ駆動部を制御する。第2シャッタ制御部は、第2基板検出部で基板が検出された場合、当該検出の直後に第2シャッタを第2基板搬送経路から退避させてもよいし、当該検出から所定時間経過後に第2シャッタを第2基板搬送経路から退避させてもよい。第2シャッタ制御部は、基板が入口を通過した直後に第2シャッタを第2基板搬送経路へ進出させてもよいし、基板が入口を通過して所定時間経過後に第2シャッタを第2基板搬送経路へ進出させてもよい。第2シャッタ制御部は、演算装置と、演算装置によって実行可能なプログラムが記憶された記憶装置とを有してもよい。第2シャッタ制御部は、フラックス塗布装置の全体的な制御を行う制御装置と一体であってもよいし別体であってもよい。
【0046】
(実装方法)
本開示に係る一の実装方法は、配置工程と、第1搬送工程と、加熱工程とを備える。
【0047】
配置工程では、半田ペースト配置装置において基板に半田ペーストを配置する。基板は、電極を備えてもよい。配置工程では、基板の電極に半田ペーストを配置してもよい。配置工程では、例えば、スクリーン印刷法により、またはディスペンサにより、基板に半田ペーストを配置してもよい。半田ペーストは、平均粒径が20μm以上、30μm以下の半田粒子を含んでもよい。
【0048】
第1搬送工程では、半田ペースト配置装置から基板加熱装置へ、両装置を結ぶ第1基板搬送経路を介して基板を受け渡す。基板加熱装置は、半田ペースト配置装置の下流にこれを隣り合って配置されてもよい。半田ペースト配置装置と基板加熱装置との間の間隔は、2cm以上、30cm以下であってもよい。
【0049】
加熱工程では、半田ペーストが配置された基板を基板加熱装置において加熱する。加熱工程では、基板を加熱して半田プリコートを形成してもよい。加熱工程では、200℃以上、400℃以下の温度雰囲気において基板を加熱してもよい。
【0050】
上記第1搬送工程では、第1基板搬送経路を基板が通過する前および通過した後は、第1基板搬送経路を第1シャッタにより遮断する一方、第1基板搬送経路を基板が通過している間は、第1基板搬送経路から第1シャッタを退避させる。換言すると、第1搬送工程では、第1基板搬送経路を基板が通過している間以外は、第1基板搬送経路を第1シャッタにより遮断する。これにより、基板加熱装置から第1基板搬送経路を介して半田ペースト配置装置へ熱が伝わることが抑制され、半田ペーストへの熱の影響が抑制される。
【0051】
半田ペースト配置装置は、第1シャッタを具備してもよい。この場合、第1シャッタを基板加熱装置が具備する場合に比べてメリットがある。すなわち、基板加熱装置に第1シャッタを設けると、第1シャッタの進退に伴って基板加熱装置の内部雰囲気(例えば、パージガス濃度や温度)が変動するおそれがある。これに対し、本構成のように第1シャッタを半田ペースト配置装置に設けることで、そのような基板加熱装置の内部雰囲気の変動を抑制することができる。
【0052】
本開示に係る別の実装方法は、加熱工程と、第2搬送工程と、塗布工程とを備える。
【0053】
加熱工程では、基板加熱装置において半田ペーストが配置された基板を加熱する。基板は、電極を備えてもよい。半田ペーストは、基板の電極に配置されていてもよい。半田ペーストは、平均粒径が20μm以上、30μm以下の半田粒子を含んでもよい。加熱工程では、基板を加熱して半田プリコートを形成してもよい。加熱工程では、200℃以上、400℃以下の温度雰囲気において基板を加熱してもよい。
【0054】
第2搬送工程では、基板加熱装置からフラックス塗布装置へ、両装置を結ぶ第2基板搬送経路を介して基板を受け渡す。フラックス塗布装置は、基板加熱装置の下流にこれと隣り合って配置されてもよい。基板加熱装置とフラックス塗布装置との間の間隔は、2cm以上、30cm以下であってもよい。
【0055】
塗布工程では、フラックス塗布装置において基板にフラックスを塗布する。塗布工程では、基板の電極上に形成された半田プリコートにフラックスを塗布してもよい。塗布工程では、例えば、スクリーン印刷法により、またはディスペンサにより、基板にフラックスを塗布してもよい。
【0056】
上記第2搬送工程では、第2基板搬送経路を基板が通過する前および通過した後は、第2基板搬送経路を第2シャッタにより遮断する一方、第2基板搬送経路を基板が通過している間は、第2基板搬送経路から第2シャッタを退避させる。換言すると、第2搬送工程では、第2基板搬送経路を基板が通過している間以外は、第2基板搬送経路を第2シャッタにより遮断する。これにより、基板加熱装置から第2基板搬送経路を介してフラックス塗布装置へ熱が伝わることが抑制され、フラックスへの熱の影響が抑制される。
【0057】
フラックス塗布装置は、第2シャッタを具備してもよい。この場合、第2シャッタを基板加熱装置が具備する場合に比べてメリットがある。すなわち、基板加熱装置に第2シャッタを設けると、第2シャッタの進退に伴って基板加熱装置の内部雰囲気(例えば、パージガス濃度や温度)が変動するおそれがある。これに対し、本構成のように第2シャッタをフラックス塗布装置に設けることで、そのような基板加熱装置の内部雰囲気の変動を抑制することができる。
【0058】
以上のように、本開示によれば、各シャッタで熱を遮断することにより、半田ペーストやフラックスへの熱の影響を抑制することができる。
【0059】
以下では、本開示に係る実装システム、半田ペースト配置装置、フラックス塗布装置、および実装方法の一例について、図面を参照して具体的に説明する。以下で説明する一例の実装システム、半田ペースト配置装置、フラックス塗布装置、および実装方法の構成要素および工程には、上述した構成要素および工程を適用できる。以下で説明する一例の実装システム、半田ペースト配置装置、フラックス塗布装置、および実装方法の構成要素および工程は、上述した記載に基づいて変更できる。また、以下で説明する事項を、上記の実施形態に適用してもよい。以下で説明する一例の実装システム、半田ペースト配置装置、フラックス塗布装置、および実装方法の構成要素および工程のうち、本開示に係る実装システム、半田ペースト配置装置、フラックス塗布装置、および実装方法に必須ではない構成要素および工程は省略してもよい。なお、以下で示す図は模式的なものであり、実際の部材の形状や数を正確に反映するものではない。
【0060】
以下では、まず、本実施形態の実装システム10の構成について説明し、その後、本実施形態の実装方法について説明する。
【0061】
《実装システム》
本実施形態の実装システム10は、複数の電子部品が搭載された基板(以下、実装基板ともいう。)を製造するためのシステムである。
【0062】
図1に示すように、実装システム10は、情報処理装置20と、ローダ30と、半田ペースト配置装置40と、第1基板加熱装置50と、フラックス塗布装置60と、第1基板検査装置70と、電子部品搭載装置80と、第2基板検査装置90と、第2基板加熱装置100と、第3基板検査装置110と、アンローダ120とを備える。これらの構成要素のうち半田ペースト配置装置40から第3基板検査装置110までの構成要素は基板200(
図2などを参照)を搬送するための基板搬送部を内蔵しており、各構成要素を並べることでローダ30から受け取った基板200をアンローダ120へ搬送する基板搬送ライン11が構成される。ローダ30からアンローダ120までの構成要素は、この記載順に上流側から下流側に配置されている。本開示に特有の構成以外の構成には、公知の構成を適用してもよい。
【0063】
(基板搬送ライン)
基板搬送ライン11は、半田ペースト配置装置40から第3基板検査装置110にわたって基板200を搬送する。基板搬送ライン11を構成する各構成要素の基板搬送部には、公知のベルト、チェーン、ローラなどを使用したコンベアや、搬送ロボットなどの移載装置を用いることができる。基板搬送ライン11は、各構成要素の基板搬送部によって定まる基板搬送経路に沿って基板200を搬送する。
【0064】
(情報処理装置)
情報処理装置20は、実装システム10に含まれる他の要素(半田ペースト配置装置40、第1基板加熱装置50、フラックス塗布装置60、電子部品搭載装置80、第2基板加熱装置100など)に、有線または無線のローカルエリアネットワークNによって通信可能に接続されている。情報処理装置20は、これらの装置との間でデータをやり取りする。それによって、情報処理装置20は、実装システム10で行われる工程を管理する。
【0065】
情報処理装置20は、演算処理装置と記憶装置を有する。演算処理装置は、CPU(中央演算処理装置)などによって構成される。記憶装置は、1つ以上のRAM(ランダムアクセスメモリ)やハードディスクなどによって構成される。これらは、別の回路やLSI(大規模集積回路)で構成されてもよく、または一体に構成されてもよい。記憶装置には、実装システム10の各装置に必要なプログラムやそれに必要なデータが格納されている。
【0066】
(ローダおよびアンローダ)
ローダ30は、ラック(図示せず)に収納された基板を半田ペースト配置装置40へ供給する。アンローダ120は、完成した実装基板をラックに回収する。半田ペースト配置装置40から第3基板検査装置110までの各装置は、基板を搬送するコンベア(基板搬送ライン11)を含む。各コンベアは、上流側(ローダ30側)の装置から基板を受け取って下流側(アンローダ120側)の装置へ受け渡すことができるように配置される。
【0067】
(半田ペースト配置装置)
半田ペースト配置装置40は、例えばスクリーン印刷法によって、基板200の電極(図示せず)に半田ペーストを供給する。なお、半田ペーストの供給方法は、スクリーン印刷法に限られるものではない。半田ペースト配置装置40は、後述の第1断熱部45を備える。半田ペーストが配置された基板200は、基板搬送ライン11によって第1基板加熱装置50へ搬送される。
【0068】
(第1基板加熱装置)
第1基板加熱装置50は、半田ペーストが配置された基板200を加熱して、半田ペーストに含まれる半田粒子を溶融する。溶融した半田が固化することで、基板200の電極上に、半田プリコート(図示せず)が形成される。半田プリコートが形成された基板200は、基板搬送ライン11によってフラックス塗布装置60へ搬送される。第1基板加熱装置50は、基板加熱装置の一例である。
【0069】
(フラックス塗布装置)
フラックス塗布装置60は、第1基板加熱装置50から基板200を受け取り、リフローによる半田付けのためのフラックス(図示せず)を、基板200の半田プリコートに塗布する。フラックスの塗布方法に特に限定はない。例えば、フラックスは、マスクとスキージを用いるスクリーン印刷法により、ノズルからフラックスを吐出するディスペンサにより、またはフラックスを噴霧する噴霧器により、基板200の半田プリコートに塗布されてもよい。フラックス塗布装置60は、後述の第2断熱部65を備える。フラックスが塗布された基板200は、基板搬送ライン11によって第1基板検査装置70へ搬送される。
【0070】
(第1基板検査装置)
第1基板検査装置70は、半田プリコートが適正に形成されているか、およびフラックスが適正に塗布されているかを検査する。両者が適正であると判定された基板200は、基板搬送ライン11によって電子部品搭載装置80へ搬送される。
【0071】
(電子部品搭載装置)
電子部品搭載装置80は、フラックスで覆われた半田プリコートに電子部品(図示せず)を搭載する。電子部品搭載装置80は、例えば、電子部品を吸着する吸着ノズル(図示せず)を用いて半田プリコートに電子部品を搭載してもよい。電子部品の搭載が完了した基板200は、基板搬送ライン11によって第2基板検査装置90へ搬送される。
【0072】
(第2基板検査装置)
第2基板検査装置90は、電子部品の搭載状態を検査する。第2基板検査装置90は、例えば、カメラや三次元計測機などの光学的な計測装置を用いて、電子部品の搭載位置、姿勢、有無などの搭載状態を認識し、それらが所定の基準を満たすかどうかを判定してもよい。検査が完了した基板200は、基板搬送ライン11によって第2基板加熱装置100へ搬送される。
【0073】
(第2基板加熱装置)
第2基板加熱装置100は、電子部品が搭載された基板200を加熱して半田プリコートを溶融し、電子部品を基板200の電極に半田付けする。これにより、電子部品が実装された実装基板が製造される。電子部品の半田付けが完了した基板200(実装基板)は、基板搬送ライン11によって第3基板検査装置110へ搬送される。
【0074】
(第3基板検査装置)
第3基板検査装置110は、実装基板の良否を検査する。第3基板検査装置110での検査が終了した基板200(実装基板)は、基板搬送ライン11によってアンローダ120へ搬送される。アンローダ120は、完成した実装基板をラックに回収する。
【0075】
(半田ペースト配置装置の詳細)
次に、半田ペースト配置装置40について、
図2~
図4を参照して詳しく説明する。
【0076】
図2~
図4に示すように、半田ペースト配置装置40は、第1カバー41と、第1ベルトコンベア42と、半田ペースト配置部44(
図1を参照)と、第1断熱部45とを備える。
図2~
図4において、基板200の搬送方向は、左から右に向かう方向である(各図中の白矢印を参照)。
【0077】
第1カバー41は、基板200の出口41aが設けられた箱体である。第1カバー41は、金属で構成される。出口41aは、第1カバー41の側面に設けられた開口である。
【0078】
第1ベルトコンベア42は、第1カバー41内で基板200を搬送する。第1ベルトコンベア42は、その側方(
図2~
図4における手前側および奥側)に設けられた第1基板ガイド43に沿って基板200を搬送する。第1基板ガイド43は、基板200の搬送方向に沿って延びる板状部材である。第1ベルトコンベア42は、半田ペースト配置装置40における基板搬送部であり、基板搬送ライン11の一部を構成する。
【0079】
半田ペースト配置部44は、半田ペースト配置装置40のメイン機能を担う。すなわち、半田ペースト配置部44は、第1カバー41内で基板200の電極に半田ペーストを配置する。本実施形態の半田ペースト配置部44は、スクリーン印刷法により半田ペーストを配置するが、これに限られるものではない。
【0080】
第1断熱部45は、第1基板加熱装置50の熱が第1カバー41内に伝わるのを抑止する。第1断熱部45は、第1シャッタ46と、第1シャッタ駆動部47と、第1基板検出部48と、第1シャッタ制御部49とを備える。
【0081】
第1シャッタ46は、出口41aを通過する基板200の搬送経路である第1基板搬送経路P1を遮断する位置(
図2および
図4に示す第1遮断位置)に進出可能であり当該出口41aを開閉する。第1シャッタ46は、金属で構成されるが、これに限られるものではない。第1シャッタ46は、出口41aの面積以上の面積を有する。第1シャッタ46は、第1遮断位置に進出すると出口41aを閉じる。第1基板搬送経路P1は、半田ペースト配置装置40の第1ベルトコンベア42と第1基板加熱装置50の第3ベルトコンベア51とを結ぶ経路でもある。なお、第3ベルトコンベア51は、第1基板加熱装置50における基板搬送部であり、基板搬送ライン11の一部を構成する。
【0082】
第1シャッタ駆動部47は、第1出力軸47aを有しており、第1出力軸47aを上下方向に駆動する。第1出力軸47aの下端部には第1シャッタ46が取り付けられている。したがって、第1シャッタ駆動部47は、第1出力軸47aを介して第1シャッタ46を移動させる。第1シャッタ駆動部47は、第1シャッタ46を、第1遮断位置と、第1基板搬送経路P1を遮断しない位置(
図3に示す第1退避位置)との間で進退させる。本実施形態の第1シャッタ駆動部47は、電気式のアクチュエータであるが、これに限られるものではない。
【0083】
第1基板検出部48は、出口41aへ接近する基板200を検出する。第1基板検出部48は、光学センサで構成されるが、これに限られるものではない。第1基板検出部48は、第1ベルトコンベア42の上方に配置される。第1基板検出部48の検出信号は、第1シャッタ制御部49に送られる。
【0084】
第1シャッタ制御部49は、第1基板検出部48で基板200が検出された場合に第1シャッタ46を第1基板搬送経路P1から退避させる一方、基板200が出口41aを通過した後に第1シャッタ46を第1基板搬送経路P1へ進出させるように第1シャッタ駆動部47を制御する。換言すると、第1シャッタ制御部49は、
図3に示すように、第1基板検出部48で基板200が検出された場合に第1シャッタ46を第1退避位置へ移動させる一方、
図4に示すように、基板200が出口41aを通過した後に第1シャッタ46を第1遮断位置へ移動させる。
【0085】
(フラックス塗布装置の詳細)
次に、フラックス塗布装置60について、
図5~
図7を参照して詳しく説明する。
【0086】
図5~
図7に示すように、フラックス塗布装置60は、第2カバー61と、第2ベルトコンベア62と、フラックス塗布部64と、第2断熱部65とを備える。
図5~
図7において、基板200の搬送方向は、左から右に向かう方向である(各図中の白矢印を参照)。
【0087】
第2カバー61は、基板200の入口61aが設けられた箱体である。第2カバー61は、金属で構成される。入口61aは、第2カバー61の側面に設けられた開口である。
【0088】
第2ベルトコンベア62は、第2カバー61内で基板200を搬送する。第2ベルトコンベア62は、その側方(
図5~
図7における手前側および奥側)に設けられた第2基板ガイド63に沿って基板200を搬送する。第2基板ガイド63は、基板200の搬送方向に沿って延びる板状部材である。第2ベルトコンベア62は、フラックス塗布装置60における基板搬送部であり、基板搬送ライン11の一部を構成する。
【0089】
フラックス塗布部64は、フラックス塗布装置60のメイン機能を担う。すなわち、フラックス塗布部64は、第2カバー61内で基板200の半田プリコートにフラックスを塗布する。本実施形態のフラックス塗布部64は、スクリーン印刷法によりフラックスを塗布するが、これに限られるものではない。
【0090】
第2断熱部65は、第1基板加熱装置50の熱が第2カバー61内に伝わるのを抑止する。第2断熱部65は、第2シャッタ66と、第2シャッタ駆動部67と、第2基板検出部68と、第2シャッタ制御部69とを備える。
【0091】
第2シャッタ66は、入口61aを通過する基板200の搬送経路である第2基板搬送経路P2を遮断する位置(
図5および
図7に示す第2遮断位置)に進出可能であり当該入口61aを開閉する。第2シャッタ66は、金属で構成されるが、これに限られるものではない。第2シャッタ66は、入口61aの面積以上の面積を有する。第2シャッタ66は、第2遮断位置に進出すると入口61aを閉じる。第2基板搬送経路P2は、第1基板加熱装置50の第3ベルトコンベア51とフラックス塗布装置60の第2ベルトコンベア62とを結ぶ経路でもある。
【0092】
第2シャッタ駆動部67は、第2出力軸67aを有しており、第2出力軸67aを上下方向に駆動する。第2出力軸67aの下端部には第2シャッタ66が取り付けられている。したがって、第2シャッタ駆動部67は、第2出力軸67aを介して第2シャッタ66を移動させる。第2シャッタ駆動部67は、第2シャッタ66を、第2遮断位置と、第2基板搬送経路P2を遮断しない位置(
図6に示す第2退避位置)との間で進退させる。本実施形態の第2シャッタ駆動部67は、電気式のアクチュエータであるが、これに限られるものではない。
【0093】
第2基板検出部68は、入口61aへ接近する基板200を検出する。第2基板検出部68は、光学センサで構成されるが、これに限られるものではない。第2基板検出部68は、第3ベルトコンベア51の上方に配置される。第2基板検出部68の検出信号は、第2シャッタ制御部69に送られる。
【0094】
第2シャッタ制御部69は、第2基板検出部68で基板200が検出された場合に第2シャッタ66を第2基板搬送経路P2から退避させる一方、基板200が入口61aを通過した後に第2シャッタ66を第2基板搬送経路P2へ進出させるように第2シャッタ駆動部67を制御する。換言すると、第2シャッタ制御部69は、
図6に示すように、第2基板検出部68で基板200が検出された場合に第2シャッタ66を第2退避位置へ移動させる一方、
図7に示すように、基板200が入口61aを通過した後に第2シャッタ66を第2遮断位置へ移動させる。
【0095】
《実装方法》
次に、上述の実装システム10を用いた実装方法について説明する。なお、この実装方法は、他の種類のシステムまたは装置で実行されてもよい。本実施形態の実装方法は、準備工程と、配置工程と、第1搬送工程と、第1加熱工程と、第2搬送工程と、塗布工程と、搭載工程と、第2加熱工程とを備える。
【0096】
準備工程では、複数の電極を備える基板200を準備する。当該基板200は、ローダ30に収容される。
【0097】
配置工程では、基板200の電極上に半田ペーストを配置する。半田ペースト配置工程は、半田ペースト配置装置40において実行される。
【0098】
第1搬送工程では、半田ペースト配置装置40から第1基板加熱装置50へ、第1基板搬送経路P1を介して基板200を受け渡す。第1搬送工程では、
図2および
図4に示すように、第1基板搬送経路P1を基板200が通過する前および通過した後は、第1基板搬送経路P1を第1シャッタ46により遮断する一方、
図3に示すように、第1基板搬送経路P1を基板200が通過している間は、第1基板搬送経路P1から第1シャッタ46を退避させる。
【0099】
第1加熱工程では、半田ペーストが配置された基板200を加熱することで、電極上に半田プリコートを形成する。第1加熱工程は、第1基板加熱装置50において実行される。第1加熱工程は、加熱工程の一例である。
【0100】
第2搬送工程では、第1基板加熱装置50からフラックス塗布装置60へ、第2基板搬送経路P2を介して基板200を受け渡す。第2搬送工程では、
図5および
図7に示すように、第2基板搬送経路P2を基板200が通過する前および通過した後は、第2基板搬送経路P2を第2シャッタ66により遮断する一方、
図6に示すように、第2基板搬送経路P2を基板200が通過している間は、第2基板搬送経路P2から第2シャッタ66を退避させる。
【0101】
塗布工程では、基板200の半田プリコートにフラックスが塗布される。塗布工程は、フラックス塗布装置60において実行される。
【0102】
搭載工程では、フラックスが塗布された半田プリコート上に電子部品が搭載される。搭載工程は、電子部品搭載装置80において実行される。
【0103】
第2加熱工程では、電子部品が搭載された基板200を加熱することで、基板200の電極に電子部品が半田付けされる。これにより、基板200に対する電子部品の実装が完了する。第2加熱工程は、第2基板加熱装置100において実行される。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本開示は、実装システム、半田ペースト配置装置、フラックス塗布装置、および実装方法に利用できる。
【符号の説明】
【0105】
10:実装システム
11:基板搬送ライン
20:情報処理装置
30:ローダ
40:半田ペースト配置装置
41:第1カバー
41a:出口
42:第1ベルトコンベア
43:第1基板ガイド
44:半田ペースト配置部
45:第1断熱部
46:第1シャッタ
47:第1シャッタ駆動部
47a:第1出力軸
48:第1基板検出部
49:第1シャッタ制御部
50:第1基板加熱装置(基板加熱装置)
51:第3ベルトコンベア
60:フラックス塗布装置
61:第2カバー
61a:入口
62:第2ベルトコンベア
63:第2基板ガイド
64:フラックス塗布部
65:第2断熱部
66:第2シャッタ
67:第2シャッタ駆動部
67a:第2出力軸
68:第2基板検出部
69:第2シャッタ制御部
70:第1基板検査装置
80:電子部品搭載装置
90:第2基板検査装置
100:第2基板加熱装置
110:第3基板検査装置
120:アンローダ
200:基板
N:ローカルエリアネットワーク
P1:第1基板搬送経路
P2:第2基板搬送経路