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▶ 柴田 民春の特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023121385
(43)【公開日】2023-08-31
(54)【発明の名称】クリップボード
(51)【国際特許分類】
   B42F 9/00 20060101AFI20230824BHJP
【FI】
B42F9/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022024699
(22)【出願日】2022-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】522068463
【氏名又は名称】柴田 民春
(74)【復代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100093148
【弁理士】
【氏名又は名称】丸岡 裕作
(72)【発明者】
【氏名】柴田 民春
【テーマコード(参考)】
2C017
【Fターム(参考)】
2C017TA02
2C017TB01
2C017TC02
(57)【要約】
【課題】 製造効率の向上を図ったクリップボードを提供する。
【解決手段】 紙葉類が載置される表面2を有した台板1と、台板1に設けられ表面2に載置した紙葉類を挟んで保持するクリップ10と、台板1に設けられ台板1を磁着性保持体Sに着脱可能に磁着して保持しておくことができる台板磁着手段21を有した台板保持部20と、台板1に設けられ筆記具Pを磁着部材60を介して着脱可能に磁着して保持しておくことができる筆記具磁着手段31を有した筆記具保持部30とを備え、台板保持部20の台板磁着手段21と、筆記具保持部30の筆記具磁着手段31とを、同じマグネットMで構成した。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙葉類が載置される表面を有した台板と、該台板に設けられ表面に載置した紙葉類を挟んで保持するクリップと、該台板に設けられ該台板を磁着性保持体に着脱可能に磁着して保持しておくことができる台板磁着手段を有した台板保持部と、上記台板に設けられ筆記具を該筆記具に設けられる磁着部材を介して着脱可能に磁着して保持しておくことができる筆記具磁着手段を有した筆記具保持部とを備えたクリップボードにおいて、
上記台板保持部の台板磁着手段と、上記筆記具保持部の筆記具磁着手段とを、同じマグネットで構成したことを特徴とするクリップボード。
【請求項2】
上記同じマグネットを用いて構成される台板保持部及び筆記具保持部の組を、複数組設けたことを特徴とする請求項1記載のクリップボード。
【請求項3】
上記筆記具保持部に、上記マグネットの磁力が及び上記磁着部材を磁着する磁着保持面を設け、
上記マグネットを、その側面が上記台板の外周縁に略沿って露出するように該台板の裏面に付設し、上記磁着保持面を、上記台板の外周縁に略沿って露出したマグネットの側面で構成したことを特徴とする請求項1または2記載のクリップボード。
【請求項4】
上記筆記具保持部に、上記マグネットの磁力が及び上記磁着部材を磁着する磁着保持面を設け、
上記マグネットを、上記台板の裏面に付設し、上記磁着保持面を、上記台板の表面であって該台板の裏面に付設されたマグネットに対応した部位で構成したことを特徴とする請求項1乃至3何れかに記載のクリップボード。
【請求項5】
上記台板を、略矩形板状に形成し、上記クリップを、上記台板の上側の表面に設け、
上記同じマグネットを用いて構成される台板保持部及び筆記具保持部の組を、2組設け、各台板保持部及び筆記具保持部の組を、上記台板の両側縁側であって互いに対称位置に夫々設け、
上記筆記具保持部に、上記マグネットの磁力が及び上記磁着部材を磁着する磁着保持面を設け、
上記マグネットを、その側面が上記台板の外周縁であってその側縁に略沿って露出するように該台板の裏面に付設し、上記磁着保持面を、上記台板の側縁に略沿って露出したマグネットの側面で構成するとともに、上記台板の表面であって該台板の裏面に付設されたマグネットに対応した部位で構成したことを特徴とする請求項4記載のクリップボード。
【請求項6】
上記磁着保持面を構成する台板の表面に一端が露出し、他端側が上記マグネットに連係するように、該台板を貫通して設けられる磁着性の連係部材を設けたことを特徴とする請求項4または5記載のクリップボード。
【請求項7】
上記連係部材を、間隔を隔てて複数設けたことを特徴とする請求項6記載のクリップボード。
【請求項8】
上記連係部材を、一端が頭部として構成され上記台板に付設されるマグネットを該台板に止着する金属製のビスで構成したことを特徴とする請求項6または7記載のクリップボード。
【請求項9】
上記磁着部材を、上記筆記具とは別に備え、該磁着部材を、筆記具に着脱可能に形成したことを特徴とする請求項1乃至8何れかに記載のクリップボード。
【請求項10】
上記磁着部材を、筆記具が挿通されて弾持される磁着性のコイルスプリングで構成したことを特徴とする請求項9記載のクリップボード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筆記用の紙や伝票類等の種々の紙葉類を挟むクリップと筆記具を着脱可能に保持する筆記具保持部とを備えたクリップボードに係り、特に、全体をスチール机や冷蔵庫等に磁着しておくことができるマグネットを備えたクリップボードに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のクリップボードとしては、例えば、実開平2-27380号公報(特許文献1)に掲載されたものが知られている。このクリップボードは、筆記用の紙や伝票類等の種々の紙葉類が載置される表面を有した略矩形状の台板と、この台板の上端側に設けられ表面に載置した紙葉類を挟んで保持するクリップと、台板の裏面に設けられ台板をスチール机や冷蔵庫の壁面等の磁着性保持体に磁着しておくことができる複数の第1マグネットとを備えて構成されている。クリップは、台板の表面に付設されるベース板と、ベース板に対して台板の上縁に平行な軸線を中心に回動可能に設けられ回動によりベース板と共働して紙葉類を挟持する挟持板と、この挟持板を挟持方向に付勢するスプリングとを備えて構成されている。そして、この挟持板には本体の一部が磁着性の材料で形成された筆記具が磁着して保持される複数の第2マグネットが設けられている。
【0003】
そして、このクリップボードを使用しないときは、台板の表面に紙葉類を載置することなく、あるいは、台板の表面に紙葉類を載置してクリップで挟持しておいたまま、筆記具は、挟持板の第2マグネットに磁着させて、台板を、その第1マグネットをスチール机や冷蔵庫の壁面等の磁着性保持体に磁着することにより、保持しておく。この場合、台板は磁着性保持体に保持されるので、保管が確実になるとともに、筆記具も挟持板に保持されるので、これも保管が確実になる。
【0004】
一方、このクリップボードを使用するときは、台板を手で持ち、第1マグネットの磁着力に抗して磁着性保持体から離間させ、台板の表面に紙葉類がないときは使用に係る紙葉類を表面に載置してクリップで挾持して保持し、使用に係る紙葉類が予め台板の表面に挾持されて載置されているときはその状態で、筆記具を手で持ち、第2マグネットの磁着力に抗して挟持板から離間させ、表面にある紙葉類に対して所要の筆記を行う。この場合、台板は磁着性保持体に保持されているので、これを取り外してすぐ使用することができ、また、筆記具も挟持板に保持されているので、これを取り外してすぐ使用することができ、そのため、紙葉類に対する作業を迅速にスムーズに行うことができ、極めて便利になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平2-27380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記の従来のクリップボードにあっては、台板を保持するための複数の第1マグネットと、筆記具を保持するための複数の第2マグネットの2種類のマグネットを用いなければならないので、それだけ、部品点数が多くなり、製造効率が悪いという問題があった。
本発明は上記の問題点に鑑みて為されたもので、製造効率の向上を図ったクリップボードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的を達成するため、本発明のクリップボードは、紙葉類が載置される表面を有した台板と、該台板に設けられ表面に載置した紙葉類を挟んで保持するクリップと、該台板に設けられ該台板を磁着性保持体に着脱可能に磁着して保持しておくことができる台板磁着手段を有した台板保持部と、上記台板に設けられ筆記具を該筆記具に設けられる磁着部材を介して着脱可能に磁着して保持しておくことができる筆記具磁着手段を有した筆記具保持部とを備えたクリップボードにおいて、
上記台板保持部の台板磁着手段と、上記筆記具保持部の筆記具磁着手段とを、同じマグネットで構成している。
【0008】
ここで、磁着性保持体とは、クリップボードの周囲にある磁着性の構造物や家具等の面を指す。例えば、スチール机や冷蔵庫の壁面、スチール製の棚の骨格等の面を挙げることができる。磁着手段は、磁場を発生させる永久磁石(マグネット)で構成され、合金磁石,フェライト磁石,希土類磁石等を挙げることができる。フェライト磁石を粉末状にしてゴムに練り込んだゴム磁石やプラスチックに練り込んだプラスチック磁石等のボンデッド磁石も含む。
【0009】
筆記具としては、例えば、鉛筆,万年筆,ボールペン,シャープペンシル,5thペン,多機能ペン,筆ペン,マーカー・カラーペン等を挙げることができる。磁着部材は、元々、筆記具がその一部に備えていても良く、別途、筆記具に取付けるように構成されても良い。
【0010】
これにより、台板保持部の台板磁着手段と、筆記具保持部の筆記具磁着手段とを、同じマグネットで構成したので、即ち、台板保持部の台板磁着手段を構成するマグネットと、筆記具保持部の筆記具磁着手段を構成するマグネットとは、互いに、兼用(共用)されるので、従来に比較して、部品点数を少なくすることができ、製造効率を向上させることができる。尚、台板保持部の台板磁着手段(筆記具保持部の筆記具磁着手段)を構成するマグネットは複数あっても良い。
【0011】
このクリップボードにおいて、これを使用しないときは、台板の表面に紙葉類を載置することなく、あるいは、台板の表面に紙葉類を載置してクリップで挟持しておいたまま、筆記具は、磁着部材を介して筆記具保持部に磁着させ、台板を、その台板保持部をスチール机や冷蔵庫の壁面等の磁着性保持体に磁着することにより、保持しておく。この場合、台板は磁着性保持体に保持されるので、保管が確実になるとともに、筆記具も筆記具保持部に保持されるので、これも保管が確実になる。
【0012】
一方、このクリップボードを使用するときは、台板を手で持ち、台板保持部のマグネットの磁着力に抗して磁着性保持体から離間させ、台板の表面に紙葉類がないときは使用に係る紙葉類を表面に載置してクリップで挾持して保持し、使用に係る紙葉類が予め台板の表面に挾持されて載置されているときはその状態で、筆記具を手で持ち、筆記具保持部のマグネットの磁着力に抗して離間させ、台板の表面にある紙葉類に対して所要の筆記を行う。この場合、台板は磁着性保持体に保持されているので、これを取り外してすぐ使用することができ、また、筆記具も筆記具保持部に保持されているので、これを取り外してすぐ使用することができ、そのため、紙葉類に対する作業を迅速にスムーズに行うことができ、極めて便利になる。
【0013】
そして、必要に応じ、上記同じマグネットを用いて構成される台板保持部及び筆記具保持部の組を、複数組設けた構成としている。台板保持部が複数あるので、マグネットによる磁着力が増し、台板の磁着性保持体に対する保持が確実になる。また、筆記具保持部が複数あるので、筆記具も複数本保持することができ、それだけ便利になる。
【0014】
また、必要に応じ、上記筆記具保持部に、上記マグネットの磁力が及び上記磁着部材を磁着する磁着保持面を設け、上記マグネットを、その側面が上記台板の外周縁に略沿って露出するように該台板の裏面に付設し、上記磁着保持面を、上記台板の外周縁に略沿って露出したマグネットの側面で構成している。これにより、筆記具を、台板の外周縁に沿って保持できるので、その取り付け,取り外しが容易になる。
【0015】
更に、必要に応じ、上記筆記具保持部に、上記マグネットの磁力が及び上記磁着部材を磁着する磁着保持面を設け、上記マグネットを、上記台板の裏面に付設し、上記磁着保持面を、上記台板の表面であって該台板の裏面に付設されたマグネットに対応した部位で構成している。これにより、台板の表面に筆記具を保持することができるので、その取り付け,取り外しがより一層容易になる。また、磁着保持面を、台板の外周縁に略沿って露出したマグネットの側面で構成し、且つ、台板の表面であってマグネットに対応した部位で構成した場合には、筆記具を、台板の外周縁または台板の表面に選択的に保持できるので、それだけ、汎用性を向上させることができる。また、台板の外周縁及び台板の表面に、夫々筆記具を保持でき、即ち、複数の筆記具を保持できるので、この点でも、便利になる。この場合、台板の裏面に付設されたマグネットに対応した台板の表面部位を、筆記具保持部として分かるように、文字や記号を付し、あるいは色分けする等、エリヤ表示すると良い。
【0016】
より具体的には、上記台板を、略矩形板状に形成し、上記クリップを、上記台板の上側の表面に設け、上記同じマグネットを用いて構成される台板保持部及び筆記具保持部の組を、2組設け、各台板保持部及び筆記具保持部の組を、上記台板の両側縁側であって互いに対称位置に夫々設け、上記筆記具保持部に、上記マグネットの磁力が及び上記磁着部材を磁着する磁着保持面を設け、
上記マグネットを、その側面が上記台板の外周縁であってその側縁に略沿って露出するように該台板の裏面に付設し、上記磁着保持面を、上記台板の側縁に略沿って露出したマグネットの側面で構成するとともに、上記台板の表面であって該台板の裏面に付設されたマグネットに対応した部位で構成したことが有効である。
【0017】
これにより、台板保持部及び筆記具保持部の組を、2組設け、各台板保持部及び筆記具保持部の組を、台板の両側縁側であって互いに対称位置に夫々設けたので、磁着性保持体に磁着して保持した際に、台板を左右のマグネットで支持できることから、バランスが良く、台板の保持をより一層確実にすることができる。台板を磁着性保持体に磁着して保持した状態で、筆記することも容易且つ確実に行うことができる。また、筆記具を、台板の外周縁または台板の表面に選択的に保持できるので、それだけ、汎用性を向上させることができる。また、台板の外周縁及び台板の表面に、夫々筆記具を保持でき、即ち、複数の筆記具を保持できるので、この点でも、便利になる。
【0018】
そして、磁着保持面を、台板の表面であって該台板の裏面に付設されたマグネットに対応した部位で構成する場合、必要に応じ、上記磁着保持面を構成する台板の表面に一端が露出し、他端側が上記マグネットに連係するように、該台板を貫通して設けられる磁着性の連係部材を設けた構成としている。マグネットの磁力が、台板を通過して磁着保持面の磁着部材に作用することに加えて、連係部材を通じても磁力が磁着部材に作用するので、それだけ、筆記具の保持を確実にすることができる。
【0019】
この場合、上記連係部材を、間隔を隔てて複数設けたことが有効である。マグネットの磁力が複数の連係部材を通して磁着部材に作用するので、筆記具の保持をより一層確実にすることができる。
【0020】
また、この場合、上記連係部材を、一端が頭部として構成され上記台板に付設されるマグネットを該台板に止着する金属製のビスで構成したことが有効である。マグネットの付設は、接着剤を使用することもできるが、ビスなので、より一層強固にマグネットを固定することができる。また、ビスなので、マグネットの止着機能と磁力の伝達機能の両方を奏することができ、極めて効率が良くなる。
【0021】
そしてまた、必要に応じ、上記磁着部材を、上記筆記具とは別に備え、該磁着部材を、筆記具に着脱可能に形成した構成としている。磁着部材を備えていない筆記具に対して、例えば、プラスチックで形成されている筆記具においては、そのままでは、筆記具保持部に保持できないが、磁着部材を筆記具に取付けることで、対応できるので、それだけ、汎用性を増すことができる。
【0022】
この場合、上記磁着部材を、筆記具が挿通されて弾持される磁着性のコイルスプリングで構成したことが有効である。コイルスプリングに筆記具を挿通するだけで、筆記具に磁着部材を取付けることができるので、構造を簡単にして取付も容易にすることができる。また、コイルスプリングは、長さを確保できるので、筆記具保持部への磁着も確実に行わせることができる。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように本発明のクリップボードによれば、台板保持部の台板磁着手段と、筆記具保持部の筆記具磁着手段とを、同じマグネットで構成したので、即ち、台板保持部の台板磁着手段を構成するマグネットと、筆記具保持部の筆記具磁着手段を構成するマグネットとは、互いに、兼用(共用)されるので、従来に比較して、部品点数を少なくすることができ、製造効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施の形態に係るクリップボードを示す斜視図である。
図2】本発明の実施の形態に係るクリップボードにおいて、これを使用しないとき、筆記具を磁着部材を介して筆記具保持部に磁着させ、台板をその台板保持部で磁着性保持体に磁着させて保持した状態の一例を示す斜視図である。
図3】本発明の実施の形態に係るクリップボードの要部を示す部分側面断面図である。
図4】本発明の実施の形態に係るクリップボードの変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態に係るクリップボードについて詳細に説明する。
図1乃至図3に示すように、本発明の実施の形態に係るクリップボードBは、筆記用の紙や伝票類等の種々の紙葉類(図示せず)が載置される表面2を有した台板1と、台板1に設けられ表面2に載置した紙葉類を挟んで保持するクリップ10と、台板1に設けられこの台板1を磁着性保持体Sに着脱可能に磁着して保持しておくことができる台板磁着手段21を有した台板保持部20と、台板1に設けられ筆記具Pをこの筆記具Pに設けられる磁着部材60を介して着脱可能に磁着して保持しておくことができる筆記具磁着手段31を有した筆記具保持部30と、この筆記具Pのための磁着部材60とを備えて構成されている。
【0026】
詳しくは、台板1は、略矩形板状に形成されており、例えば、発泡ポリプロピレン,粉状にした木材を圧縮したMDF,合成皮革等の比較的軽量な周知の材質のもので形成されている。材質は、これらに限定されず、どのようなものでも良い。また、台板1は、例えば、A4サイズの紙葉類が載置可能な大きさ等、種々に定めてよい。
【0027】
クリップ10は、台板1の上側の表面2に設けられており、台板1の表面2に付設されるベース板11と、金属製線材を折曲して形成されベース板11に対して台板1の上縁に平行な軸線を中心に回動可能に設けられ回動によりベース板11と共働して紙葉類を挟持する挟持体12と、この挟持体12を挟持方向に付勢する図示外のスプリングとを備えて構成されている。
【0028】
そして、実施の形態に係るクリップボードBにおいて、台板保持部20の台板磁着手段21と、筆記具保持部30の筆記具磁着手段31とは、同じマグネットMで構成されている。この同じマグネットMを用いて構成される台板保持部20及び筆記具保持部30の組は、2組設けられており、各台板保持部20及び筆記具保持部30の組は、台板1の両側縁側のほぼ中央であって、互いに対称位置に夫々設けられている。筆記具保持部30には、マグネットMの磁力が及び後述の磁着部材60を磁着する2つの磁着保持面32,33が設けられている。
【0029】
マグネットMは、長方形板状のブロックであり、その側面が台板1の外周縁であってその側縁に略沿って露出するように台板1の裏面3に付設されている。詳しくは、マグネットMは、図3に示すように、ビス40及びナット45で台板1に止着されている。マグネットMには、ビス40が挿通される挿通孔41が長手方向に間隔を隔てて一対形成されている。台板1の両側縁側には、夫々、マグネットMの挿通孔41に対応して、ビス40が挿通される一対の取付孔42が形成されている。ビス40は、磁着性の金属製であり、円錐台状の頭部43と雄ネジが形成されナット45に螺合する軸部44とを有しており、軸部44は台板1の表面2側から台板1の取付孔42に挿通され、頭部43の表面は台板1内に埋入して台板1の表面2と面一になる。マグネットMの一方面は台板1の裏面3に当接し、その他方面側には、挿通孔41と同軸で、ビス40の軸部44に螺合するナット45が没入する台形の凹部46が形成されている。マグネットMの付設は、接着剤を使用することもできるが、ビス40なので、より一層強固にマグネットMを固定することができる。
【0030】
これにより、磁着保持面32は、台板1の側縁に略沿って露出したマグネットMの側面で構成されるとともに、磁着保持面33は、台板1の表面2であってこの台板1の裏面3に付設されたマグネットMに対応した部位で構成されている。即ち、実施の形態に係るクリップボードBにおいては、4か所の筆記具Pの磁着保持面32,32,33,33が設けられている。
【0031】
また、本クリップボードBにおいては、磁着保持面33を構成する台板1の表面2に一端が露出し、他端側がマグネットMに連係するように、台板1を貫通して設けられる磁着性の連係部材50が設けられている。連係部材50は、間隔を隔てて複数(実施の形態では1対)設けられている。実施の形態では、連係部材50は、上記のビス40で構成されている。
【0032】
更に、本実施の形態においては、筆記具Pとは別に、筆記具Pのための磁着部材60が備えられているが、この磁着部材60は、筆記具Pに着脱可能に形成されている。詳しくは、磁着部材60は、筆記具Pが挿通されて弾持される磁着性のコイルスプリング61で構成されている。
【0033】
従って、この実施の形態に係るクリップボードBにおいては、予め、使用する筆記具Pに、磁着部材60を取付けておく。磁着部材を備えている筆記具Pには必ずしも必要ないが、ここでは、磁着部材60を装着する場合で説明する。即ち、磁着部材60としてのコイルスプリング61に、筆記具Pを挿通する。コイルスプリング61は筆記具Pに弾持される。コイルスプリング61に筆記具Pを挿通するだけで、筆記具Pに磁着部材60を取付けることができるので、構造を簡単にして取付も容易にすることができる。磁着部材を備えていない筆記具Pに対して、例えば、プラスチックで形成されている筆記具Pにおいては、そのままでは、筆記具保持部30に保持できないが、磁着部材60を筆記具Pに取付けることで、対応できるので、それだけ、汎用性を増すことができる。
【0034】
そして、この実施の形態に係るクリップボードBにおいては、これを使用しないときは、台板1の表面2に紙葉類を載置することなく、あるいは、台板1の表面2に紙葉類を載置してクリップ10で挟持しておいたまま、筆記具Pは、磁着部材60を介して筆記具保持部30に磁着させ、台板1を、その台板保持部20をスチール机や冷蔵庫の壁面等の磁着性保持体Sに磁着することにより、保持しておく。この場合、台板1は磁着性保持体Sに保持されるので、保管が確実になるとともに、筆記具Pも筆記具保持部30に保持されるので、これも保管が確実になる。
【0035】
この場合、台板保持部20及び筆記具保持部30の組を、2組設け、各台板保持部20及び筆記具保持部30の組を、台板1の両側縁側であって互いに対称位置に夫々設けたので、磁着性保持体Sに磁着して保持した際に、台板1を左右のマグネットMで支持できることから、バランスが良く、台板1の保持をより一層確実にすることができる。台板1を磁着性保持体Sに磁着して保持した状態で、筆記することも容易且つ確実に行うことができる。
【0036】
また、筆記具Pを、4か所の磁着保持面32,32,33,33に選択的に保持でき、しかも、台板1の外周縁の磁着保持面32、または、台板1の表面2の磁着保持面33に選択的に保持できるので、それだけ、汎用性を向上させることができる。また、図2に示すように、複数の筆記具Pを保持することもでき、この点でも、便利になる。
【0037】
更に、台板1の外周縁に略沿って露出したマグネットMの側面で構成した磁着保持面32においては、筆記具Pを、台板1の外周縁に沿って保持できるので、その取り付け,取り外しが容易になる。一方、台板1の表面2であってこの台板1の裏面3に付設されたマグネットMに対応した磁着保持面33においても、台板1の表面2に筆記具Pを保持することができるので、その取り付け,取り外しがより一層容易になる。
【0038】
更にまた、この筆記具Pの磁着保持面33に対する保持においては、マグネットMの磁力が、台板1を通過して磁着保持面33の磁着部材60に作用することに加えて、ビス40からなる連係部材50を通じても磁力が磁着部材60に作用するので、それだけ、筆記具Pの保持を確実にすることができる。この場合、連係部材50は間隔を隔てて複数設けられているので、マグネットMの磁力が複数の連係部材50を通して磁着部材60に作用することから、筆記具Pの保持をより一層確実にすることができる。また、連係部材50は、ビス40なので、マグネットMの止着機能と磁力の伝達機能の両方を奏することができ、極めて効率が良くなる。また、磁着部材60としてのコイルスプリング61は、長さを確保できるので、筆記具保持部30への磁着も確実に行わせることができる。
【0039】
一方、このクリップボードBを使用するときは、台板1を手で持ち、台板保持部20のマグネットMの磁着力に抗して磁着性保持体Sから離間させ、台板1の表面2に紙葉類がないときは使用に係る紙葉類を表面2に載置してクリップ10で挾持して保持し、使用に係る紙葉類が予め台板1の表面2に挾持されて載置されているときはその状態で、筆記具Pを手で持ち、筆記具保持部30のマグネットMの磁着力に抗して離間させ、台板1の表面2にある紙葉類に対して所要の筆記を行う。この場合、台板1は磁着性保持体Sに保持されているので、これを取り外してすぐ使用することができ、また、筆記具Pも筆記具保持部30に保持されているので、これを取り外してすぐ使用することができ、そのため、紙葉類に対する作業を迅速にスムーズに行うことができ、極めて便利になる。
【0040】
そしてまた、この実施の形態に係るクリップボードBにおいては、台板保持部20の台板磁着手段21と、筆記具保持部30の筆記具磁着手段31とを、同じマグネットMで構成したので、即ち、台板保持部20の台板磁着手段21を構成するマグネットMと、筆記具保持部30の筆記具磁着手段31を構成するマグネットMとは、互いに、兼用(共用)されるので、従来に比較して、部品点数を少なくすることができ、製造効率を向上させることができる。
【0041】
図4には、実施の形態に係るクリップボードBの変形例を示している。同じマグネットMを用いて構成される台板保持部20及び筆記具保持部30の組を、3組設け、2組は、上記と同様に、台板1の両側縁側のほぼ中央であって、互いに対称位置に夫々設け、もう1組は、台板1の下縁側に設けている。また、各台板保持部20及び筆記具保持部30の組において、互いに兼用するマグネットMは、一対設けられ、所定間隔離間させられて、夫々、ビス40及びナット45で台板1に止着されている。これによれば、台板保持部20及び筆記具保持部30の組を、3組設けたので、台板1の保持をより一層確実にすることができる。また、6か所の磁着保持面32,32,32,33,33,33が備えられるので、筆記具Pを、これらに選択的に保持でき、より一層、利便性を向上させることができる。
【0042】
尚、上記の実施の形態において、台板保持部20及び筆記具保持部30の組は、上述した数に限定されるものではなく、1組、あるいは、4組以上設けて良く、適宜変更して差し支えない。また、各組において、台板保持部20及び筆記具保持部30が互いに兼用するマグネットMの数も、適宜に定めて良い。更に、台板保持部20及び筆記具保持部30を設ける位置も、上述した位置に限定されるものではなく、適宜に定めてよい。更にまた、マグネットMの形状や大きさも、適宜に定めてよいことは勿論である。
【0043】
また、上記実施の形態において、磁着部材60を磁着性のコイルスプリング61で構成したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、磁着性の金属チップを粘着剤で筆記具Pに貼着するようにする等、適宜変更して差支えない。また、元々、筆記具P自体が、磁着性の部材(磁着部材)を備えていれば、磁着部材60は特に用いなくても良い。その場合には、磁着部材60は、取り外して、予備に保管しておき、必要時に用いるようにすれば良い。要するに、当業者は、本発明の新規な教示及び効果から実質的に離れることなく、これら例示である実施の形態に多くの変更を加えることが容易であり、これらの多くの変更は本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0044】
B クリップボード
S 磁着性保持体
P 筆記具
1 台板
2 表面
3 裏面
10 クリップ
11 ベース板
12 挟持体
20 台板保持部
21 台板磁着手段
30 筆記具保持部
31 筆記具磁着手段
M マグネット(台板磁着手段21,筆記具磁着手段31)
32 磁着保持面
33 磁着保持面
40 ビス
41 挿通孔
42 取付孔
43 頭部
44 軸部
45 ナット
46 凹部
50 連係部材(ビス40)
60 磁着部材
61 コイルスプリング
図1
図2
図3
図4