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特開2023-121386情報処理装置、選出方法および選出プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023121386
(43)【公開日】2023-08-31
(54)【発明の名称】情報処理装置、選出方法および選出プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20230824BHJP
   G06Q 10/20 20230101ALI20230824BHJP
【FI】
G06Q10/06
G06Q10/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022024701
(22)【出願日】2022-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】598057291
【氏名又は名称】株式会社富士通エフサス
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 正樹
(72)【発明者】
【氏名】池田 良
(72)【発明者】
【氏名】稲見 圭祐
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 隆之
(72)【発明者】
【氏名】中川 正樹
(72)【発明者】
【氏名】山野 大偉治
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】障害発生時に最適な担当者を選出する情報処理装置、選出方法及び選出プログラムを提供する。
【解決手段】複数の端末装置、障害監視サーバ、稼働監視サーバ、電話監視サーバ及び情報処理装置が、ネットワークを介して相互に接続され、相互にデータ通信を実行するシステムにおいて、情報処理装置100は、特定部152と、判定部153と、を有する。特定部152は、監視対象の装置に発生した障害に関する情報を取得した場合に、複数の担当者から、障害に対応可能な担当者を、選出候補の担当者として特定する。判定部153は、選出候補の担当者が利用する端末装置の履歴情報を基にして選出候補の担当者の作業量を算出し、作業量を基にして、選出候補の担当者を選出するか否かを判定する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象の装置に発生した障害に関する情報を取得した場合に、複数の担当者から、前記障害に対応可能な担当者を、選出候補の担当者として特定する特定部と、
前記選出候補の担当者が利用する端末装置の履歴情報を基にして前記選出候補の担当者の作業量を算出し、前記作業量を基にして、前記選出候補の担当者を選出するか否かを判定する判定部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記複数の担当者の端末装置はそれぞれ遠隔地に位置し、前記判定部は、ネットワークを介して前記複数の担当者の端末装置を監視する稼働監視装置から、前記履歴情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記稼働監視装置から、前記選出候補の担当者の端末装置の画面情報を更に取得し、前記画面情報を更に用いて、前記選出候補の担当者を選出するか否かを判定することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記複数の担当者による電話の使用状況を監視する電話監視装置から、前記選出候補の担当者による電話の使用状況の情報を更に取得し、前記選出候補の担当者による電話の使用状況の情報を更に用いて、前記選出候補の担当者を選出するか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記複数の担当者は、担当可能な障害の内容に応じて、複数のグループに分類され、前記特定部は、前記監視対象の装置に発生した障害に対応可能なグループに含まれるいずれかの担当者を、前記選出候補の担当者として特定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
監視対象の装置に発生した障害に関する情報を取得した場合に、複数の担当者から、前記障害に対応可能な担当者を、選出候補の担当者として特定し、
前記選出候補の担当者が利用する端末装置の履歴情報を基にして前記選出候補の担当者の作業量を算出し、
前記作業量を基にして、前記選出候補の担当者を選出するか否かを判定する
処理をコンピュータが実行することを特徴とする選出方法。
【請求項7】
監視対象の装置に発生した障害に関する情報を取得した場合に、複数の担当者から、前記障害に対応可能な担当者を、選出候補の担当者として特定し、
前記選出候補の担当者が利用する端末装置の履歴情報を基にして前記選出候補の担当者の作業量を算出し、
前記作業量を基にして、前記選出候補の担当者を選出するか否かを判定する
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする選出プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、顧客のデータセンタ等で障害が発生した場合、障害の内容に関する情報が、インシデントシステムに登録され、データセンタの運用管理部門の選出者によって参照される。たとえば、選出者は、現場の作業員だけで障害に対応することが難しい場合、オフィス内で勤務中の複数の担当者と対話し、障害の内容に応じて、障害に対応可能であって、業務に余裕のある担当者を選出し、障害対応の依頼を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-195191号公報
【特許文献2】特開2004-013594号公報
【特許文献3】特開2015-215739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、リモートワークが普及しつつあり、運用管理部門の各担当者も自宅、サテライトオフィス等のリモート環境で業務を行うケースが増加している。このようなリモート環境下では、選出者は、各担当者の状況を把握しづらいため、従来のように、業務に余裕のある担当者を選出することが難しい。
【0005】
なお、担当者がそれぞれ、現時点で業務に余裕があるか否かの情報を、ボタン操作によって、選出者に通知する方法等も考えられるが、自身の業務を行いつつ、ボタン操作を行うことは煩雑である。また、ボタン操作を行って、業務に余裕があることを通知した直後に、他の業務が発生する場合もあり得た。
【0006】
1つの側面では、本発明は、障害発生時に最適な担当者を選出することができる情報処理装置、選出方法および選出プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の案では、情報処理装置は、特定部と、判定部とを有する。特定部は、監視対象の装置に発生した障害に関する情報を取得した場合に、複数の担当者から、障害に対応可能な担当者を、選出候補の担当者として特定する。判定部は、選出候補の担当者が利用する端末装置の履歴情報を基にして選出候補の担当者の作業量を算出し、作業量を基にして、選出候補の担当者を選出するか否かを判定する。
【発明の効果】
【0008】
障害発生時に最適な担当者を選出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本実施例1に係るシステムの一例を示す図である。
図2図2は、本実施例1に係る情報処理装置の構成を示す機能ブロック図である。
図3図3は、インシデント情報テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図4図4は、本実施例1に係る担当者管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図5図5は、履歴テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図6図6は、画面管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図7図7は、本実施例1に係る情報処理装置の処理手順を示すフローチャートである。
図8図8は、本実施例2に係る情報処理装置の構成を示す機能ブロック図である。
図9図9は、本実施例2に係る担当者管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図10図10は、グループ管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図11図11は、本実施例2に係る情報処理装置の処理手順を示すフローチャートである。
図12図12は、実施例の情報処理装置と同様の機能を実現するコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願の開示する情報処理装置、選出方法および選出プログラムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例0011】
本実施例1に係るシステムの一例について説明する。図1は、本実施例に係るシステムの一例を示す図である。図1に示すように、このシステムは、端末装置10a,10b,10c,10d,10eと、障害監視サーバ50と、稼働監視サーバ60と、電話監視サーバ70と、情報処理装置100とを有する。端末装置10a~10e、障害監視サーバ50、稼働監視サーバ60、電話監視サーバ70、情報処理装置100は、ネットワーク5を介して相互に接続され、相互にデータ通信を実行する。
【0012】
端末装置10a~10eは、担当者が各種の業務を行う場合に使用する端末装置であり、PC(Personal Computer)、ノートPC、タブレット端末等に対応する。図1では、端末装置10a~10eを示すが、他の端末装置を更に含んでいてもよい。以下の説明では、端末装置10a~10eをまとめて、端末装置10と表記する。
【0013】
障害監視サーバ50は、図示しない監視対象となる装置を監視する装置である。障害監視サーバ50は、監視対象となる装置に障害が発生した場合に、インシデント情報を生成し、インシデント情報を、情報処理装置100に送信する。インシデント情報には、インシデント番号、障害分野、障害内容、顧客情報等が含まれる。
【0014】
障害監視サーバ50は、インシデント情報を生成する度に、インシデント情報を、情報処理装置100に送信する。
【0015】
インシデント番号は、インシデント情報を識別する番号である。障害分野は、監視対象の装置に発生した障害の属する分野を示す。障害内容は、障害の内容を説明するテキスト情報である。顧客情報は、障害の発生した装置を利用する顧客に関する各種の情報であり、顧客の連絡先等の情報が含まれる。
【0016】
稼働監視サーバ60は、所定の時間間隔で、端末装置10を監視し、監視情報を生成する。監視情報には、端末識別情報と、操作履歴情報と、画面識別情報とが含まれる。端末識別情報は、端末装置10を一意に識別する情報である。操作履歴情報には、所定時間間隔毎のキーボードのタイプ回数、所定時間間隔毎のマウスの移動距離、所定時間間隔毎の他の入力装置の使用有無等が含まれる。画面識別情報は、現時点で、端末装置10でアクティブとなっている画面の識別情報を示す。
【0017】
稼働監視サーバ60は、監視情報を生成する度に、監視情報を、情報処理装置100に送信する。なお、稼働監視サーバ60は、情報処理装置100から、監視情報の要求を受け付けた時点で、監視情報を生成し、情報処理装置100に監視情報を送信してもよい。
【0018】
電話監視サーバ70は、情報処理装置100から電話の使用状況の問い合わせがあった場合に、対象の担当者が電話を行っているか否かを判定し、電話の使用状況の有無を、情報処理装置100に応答する。
【0019】
本実施例1では、担当者は、端末装置10を用いて電話を行うものとし、電話監視サーバ70は、情報処理装置100から、対象の担当者が使用する端末装置の端末識別情報を受信し、受信した端末識別情報に対応する端末装置と通信を行って、対象の担当者が電話を行っているか否かを判定する。
【0020】
情報処理装置100は、監視対象となる装置に障害が発生し、障害監視サーバ50からインシデント情報を受信した場合に、かかる障害に対応する担当者を選出する。たとえば、情報処理装置100は、複数の担当者の中から、障害に対応可能な担当者を特定する。また、情報処理装置100は、特定した担当者が利用する端末装置10の監視情報、担当者の電話の使用状況を、稼働監視サーバ60、電話監視サーバ70から取得し、取得した情報を基にして、特定した担当者を最終的に選出するか否かを判定する。
【0021】
情報処理装置100が上記処理を実行することで、障害発生時に最適な担当者を選出することができる。
【0022】
次に、図1に示した情報処理装置100の構成例について説明する。図2は、本実施例1に係る情報処理装置の構成を示す機能ブロック図である。図2に示すように、この情報処理装置100は、通信部110と、入力部120と、表示部130と、記憶部140と、制御部150とを有する。
【0023】
通信部110は、ネットワーク5を介して、端末装置10、障害監視サーバ50、稼働監視サーバ60、電話監視サーバ70との間で情報の送受信を行う。たとえば、通信部110は、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。
【0024】
入力部120は、キーボードやマウス等の入力デバイスを用いて実現され、操作者による入力操作に対応して、制御部150に対して各種の情報を入力する。
【0025】
表示部130は、液晶ディスプレイなどの表示装置等によって実現される。たとえば、表示部130は、制御部150によって選出された担当者の情報を表示してもよい。
【0026】
記憶部140は、インシデント情報テーブル141、担当者管理テーブル142、履歴テーブル143を有する。記憶部140は、たとえば、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
【0027】
インシデント情報テーブル141は、障害監視サーバ50から受信するインシデント情報を保持する。図3は、インシデント情報テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図3に示すように、インシデント情報テーブル141は、インシデント番号と、障害分野と、障害内容と、顧客情報とを対応付ける。インシデント番号と、障害分野と、障害内容と、顧客情報に関する説明は、上述した説明と同様である。
【0028】
担当者管理テーブル142は、端末装置10を用いて業務を行う担当者の各種情報を保持する。図4は、担当者管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図4に示すように、担当者管理テーブルは、担当者識別情報と、氏名と、端末識別情報と、障害分野と、アドレスと、対応履歴とを対応付ける。
【0029】
担当者識別情報は、担当者を一意に識別する情報である。氏名は、担当者の氏名である。端末識別情報は、担当者が業務を行う端末装置10を一意に識別する情報である。障害分野は、担当者が対応可能な障害分野を示す。アドレスは、担当者に通知可能なメールアドレスである。対応履歴は、担当者が過去に対応した障害のインシデント番号の履歴である。
【0030】
たとえば、担当者識別番号「S10a」の氏名(担当者)「佐藤一郎」が業務に使用する端末装置10は、端末識別番号「T-10a」で識別される端末装置10(たとえば、端末装置10a)である。また、氏名(担当者)「佐藤一郎」が対応可能な障害分野は「セキュリティ監視」であり、氏名(担当者)「佐藤一郎」のアドレスが「ichiro@abcd」である旨が示される。各担当者に対応する対応履歴の記載を省略する。
【0031】
履歴テーブル143は、端末装置10を用いて業務を行う担当者の操作履歴情報、画面識別情報を保持する。図5は、履歴テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図5に示すように、この履歴テーブル143は、端末識別情報と、操作履歴情報と、画面識別情報とを対応付ける。端末識別情報は、端末装置10を一意に識別する情報である。
【0032】
操作履歴情報は、キーボード操作履歴、マウス操作履歴、他の入力装置の操作履歴を有する。キーボード操作履歴は、所定時間毎のキーボードのタイプ回数の履歴である。マウス操作履歴は、所定時間間隔毎のマウスの移動距離の履歴である。他の入力装置の操作履歴は、所定時間毎の他の入力装置の使用有無の履歴である。
【0033】
画面識別情報は、現時点で、担当者の端末装置10でアクティブとなっている画面の画面識別情報を示す。
【0034】
画面管理テーブル144は、画面識別情報と、画面が支援系の画面か否かを示す情報とを対応付けて保持する。支援系の画面は、担当者が障害の発生した装置の復旧を支援する場合に起動する画面である。
【0035】
図6は、画面管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図6に示すように、画面管理テーブル144は、画面識別情報と、画面種別とを対応付ける。画面識別情報は、画面を一意に識別する情報である。画面種別は、画面が支援系の画面か、他の画面であるかを示す。たとえば、画面識別情報「M001」の画面は、支援系の画面である、「支援系画面(1)」である旨が示される。画面識別情報の画面は、支援系ではない画面となる「事務系画面(1)」である旨が示される。
【0036】
図2の説明に戻る。制御部150は、受付部151、特定部152、判定部153を有する。制御部150は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)により実現される。また、制御部150は、たとえば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実行されてもよい。
【0037】
受付部151は、障害監視サーバ50から、インシデント情報を受信する。受付部151は、受信したインシデント情報に含まれるインシデント番号、障害分野、障害内容、顧客情報を対応付けて、インシデント情報テーブル141に登録する。以下の説明では適宜、インシデント番号、障害分野、障害内容、顧客情報をまとめて、インシデント情報と表記する。
【0038】
受付部151は、稼働監視サーバ60から、監視情報を受信する。受付部151は、受信した監視情報に含まれる端末識別情報と、操作履歴情報と、画面識別情報とを対応付けて、履歴テーブル143に登録する。
【0039】
受付部151は、受け付けた監視情報の端末識別情報と同様の端末識別情報に関する操作履歴情報、画面識別情報が、履歴テーブル143に既に登録されている場合には、新たに受け付けた操作履歴情報、画面識別情報によって、履歴テーブル143を更新する。
【0040】
受付部151は、インシデント情報、監視情報を受け付ける度に、上記処理を繰り返し実行する。
【0041】
特定部152は、インシデント情報テーブル141から、インシデント情報を取得し、取得したインシデント情報の障害分野に対応可能な担当者の担当者識別情報を、担当者管理テーブル142を基にして特定する。
【0042】
たとえば、特定部152は、インシデント情報の障害分野が「セキュリティ監視」であれば、インシデント情報テーブル141の担当者識別情報のうち、障害分野が「セキュリティ監視」となる担当者識別情報の何れか1つを特定する。特定部152が特定した担当者識別情報を、「候補識別情報」と表記する。特定部152は、候補識別情報を判定部153に出力する。
【0043】
特定部152は、判定部153から、他の候補識別情報を要求された場合には、未選択の担当者識別情報のうち、インシデント情報の障害分野に対応可能な担当者の担当者識別情報を、再度特定し、特定した担当者識別情報(候補識別情報)を、判定部153に出力する。
【0044】
判定部153は、候補識別情報に対応する担当者を、インシデント情報の障害の支援業務を実行させる担当者として選出するか否かを判定する。判定部153は、第1判定処理、第2判定処理、第3判定処理を順に実行する。
【0045】
判定部153が実行する第1判定処理について説明する。判定部153は、候補識別情報に対応する画面識別情報を、履歴テーブル143から取得する。判定部153は、取得した画面識別情報と、画面管理テーブル144とを基にして、取得した画面識別情報に対応する画面種別が、支援系画面であるか否かを判定する。
【0046】
判定部153は、画面識別情報の画面種別が、支援系画面である場合には、候補識別情報に対応する担当者を、障害の支援業務を実行させる担当者として選出しないと判定し、特定部152に、候補識別情報を要求する。一方、判定部153は、画面識別情報の画面種別が、支援系画面でない場合には、続く第2判定処理を実行する。
【0047】
判定部153が実行する第2判定処理について説明する。判定部153は、候補識別情報に対応する操作履歴情報を、履歴テーブル143から取得する。判定部153は、取得した操作履歴情報を基にして、候補識別情報に対応する担当者の作業量を算出する。たとえば、判定部153は、式(1)を基にして、作業量Wを算出する。
【0048】
作業量W=α×K+β×M+γ×O・・・(1)
【0049】
式(1)において、「K」は、所定期間(たとえば、始業時刻から現在時刻までの期間)内におけるキーボードのタイプ回数の合計値である。「M」は、所定時間毎のマウスの移動距離の合計値である。「O」は、所定期間内において、所定時間(10分)毎の他の入力装置の使用有となった回数である。
【0050】
α、β、γは、予め設定される重みであり、重みを乗算することで、α×K、β×M、γ×Oの値の単位は、作業量Wの単位に揃えられるものとする。始業時刻は予め定められており、判定部153は、タイマ等から現在時刻の情報を取得するものとする。なお、判定部153は、式(1)以外を用いて、作業量を算出してもよい。
【0051】
判定部153は、作業量が閾値以上である場合には、候補識別情報に対応する担当者を、障害の支援業務を実行させる担当者として選出しないと判定し、特定部152に、候補識別情報を要求する。一方、判定部153は、作業量が閾値未満である場合には、続く第3判定処理を実行する。
【0052】
判定部153が実行する第3判定処理について説明する。判定部153は、電話監視サーバ70と通信を行って、候補識別情報に対応する担当者が電話中であるか否かを判定する。たとえば、判定部153は、候補識別情報と、担当者管理テーブル142とを基にして、候補識別情報に対応する端末識別情報を特定し、特定した端末識別情報を設定した問い合わせ情報を、電話監視サーバ70に送信する。
【0053】
電話監視サーバ70は、問い合わせ情報を受信すると、受信した問い合わせ情報に設定された端末識別情報に対応する端末装置10と通信を行い、電話の使用状況の有無を判定し、判定結果となる電話の使用状況の有無の情報を判定部153に送信する。
【0054】
判定部153は、電話の使用状況が「有」である場合には、候補識別情報に対応する担当者を、障害の支援業務を実行させる担当者として選出しないと判定し、特定部152に、候補識別情報を要求する。一方、判定部153は、電話の使用状況が「無」である場合には、候補識別情報に対応する担当者を、障害の支援業務を実行させる担当者として選出する。
【0055】
判定部153は、候補識別情報に対応する担当者の氏名等を、表示部130に表示させる。判定部153は、候補識別情報と、担当者管理テーブル142とを基にして、候補識別情報に対応する端末識別情報(選出した担当者の端末装置10)を特定し、選出した担当者の端末装置10に、インシデント情報と、かかるインシデント情報の障害を支援することを要請する情報を、通知してもよい。また、判定部153は、予め指定された端末装置に、選出した担当者の氏名などを通知してもよい。
【0056】
次に、本実施例1に係る情報処理装置100の処理手順の一例について説明する。図7は、本実施例1に係る情報処理装置の処理手順を示すフローチャートである。情報処理装置100の特定部152は、インシデント情報テーブル141からインシデント情報を取得し、障害分野を特定する(ステップS101)。
【0057】
特定部152は、担当者管理テーブル142を基にして、障害分野に対応可能な担当者の識別情報(候補識別情報)を特定する(ステップS102)。情報処理装置100の判定部153は、候補識別情報に対応する担当者の端末装置の画面識別情報の種別が、支援系画面であるか否かを判定する(ステップS103)。
【0058】
判定部153は、画面識別情報の画面種別が、支援系画面である場合には(ステップS104,Yes)、ステップS105に移行する。特定部152は、障害分野に対応可能な他の担当者の識別情報(新たな候補識別情報)を再度特定し(ステップS105)、ステップS103に移行する。
【0059】
一方、判定部153は、画面識別情報の画面種別が、支援系画面でない場合には(ステップS104,No)、ステップS106に移行する。判定部153は、履歴テーブル143から、候補識別情報に対応する担当者の端末装置の操作履歴情報を取得する(ステップS106)。
【0060】
判定部153は、操作履歴情報を基にして、候補識別情報に対応する担当者の作業量を算出する(ステップS107)。判定部153は、担当者の作業量が閾値以上である場合には(ステップS108,Yes)、ステップS105に移行する。
【0061】
一方、判定部153は、担当者の作業量が閾値以上でない場合には(ステップS108,No)、ステップS109に移行する。判定部153は、電話監視サーバ70から、候補識別情報に対応する担当者の電話の使用状況の有無の情報を取得する(ステップS109)。
【0062】
判定部153は、候補識別情報に対応する担当者が電話中である場合には(ステップS110,Yes)、ステップS105に移行する。一方、判定部153は、候補識別情報に対応する担当者が電話中でない場合には(ステップS110,No)、候補識別情報に対応する担当者を選出する(ステップS111)。
【0063】
次に、本実施例1に係る情報処理装置100の効果について説明する。情報処理装置100は、監視対象となる装置に障害が発生し、障害監視サーバ50からインシデント情報を受信した場合に、かかる障害に対応する担当者を選出する。たとえば、情報処理装置100は、複数の担当者の中から、障害に対応可能な担当者の候補(候補識別情報:候補となる担当者の担当者識別番号)を特定する。情報処理装置100は、候補となる担当者の作業量が閾値未満となり、担当者が利用中の端末装置の画面が支援系画面ではなく、担当者が電話中でない場合に、特定した担当者を最終的に選出するか否かを判定する。
【0064】
これによって、障害発生時に最適な担当者を選出することができる。
【実施例0065】
本実施例2に係るシステムは、図1で説明したシステムと同様であるため、説明を省略する。本実施例2に係る情報処理装置を、情報処理装置200と表記する。端末装置10a~10e、障害監視サーバ50、稼働監視サーバ60、電話監視サーバ70、情報処理装置200は、ネットワーク5を介して相互に接続される。
【0066】
端末装置10、障害監視サーバ50、稼働監視サーバ60、電話監視サーバ70に関する説明は、実施例1で説明したものと同様である。
【0067】
本実施例2では、複数の担当者が複数のグループに分類されており、同一のグループに分類された複数の担当者は、対応可能な障害分野が同一となる。
【0068】
情報処理装置100は、監視対象となる装置に障害が発生し、障害監視サーバ50からインシデント情報を受信した場合に、かかる障害に対応可能なグループから、担当者を選出する。情報処理装置200は、特定した担当者が利用する端末装置10の監視情報、担当者の電話の使用状況を、稼働監視サーバ60、電話監視サーバ70から取得し、取得した情報を基にして、特定した担当者を最終的に選出するか否かを判定する。情報処理装置200は、特定した担当者を選出しない場合には、同一のグループから他の担当者を再度特定し、最終的に選出するか否かを判定する。
【0069】
情報処理装置200が上記処理を実行することで、障害発生時に最適なグループから、担当者を選出することができる。
【0070】
次に、本実施例2に係る情報処理装置100の構成例について説明する。図8は、本実施例2に係る情報処理装置の構成を示す機能ブロック図である。図8に示すように、この情報処理装置200は、通信部210と、入力部220と、表示部230と、記憶部240と、制御部250とを有する。
【0071】
通信部210、入力部220、表示部230に関する説明は、実施例1で説明した通信部110、入力部120、表示部130に関する説明と同様である。
【0072】
記憶部140は、インシデント情報テーブル241、担当者管理テーブル242、履歴テーブル243、画面管理テーブル244、グループ管理テーブル245を有する。記憶部140は、たとえば、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
【0073】
インシデント情報テーブル241は、障害監視サーバ50から受信するインシデント情報を保持する。インシデント情報テーブル241のデータ構造は、図3で説明したインシデント情報テーブル141のデータ構造と同様である。
【0074】
担当者管理テーブル242は、端末装置10を用いて業務を行う担当者の各種情報を保持する。図9は、本実施例2に係る担当者管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図9に示すように、担当者管理テーブルは、担当者識別情報と、氏名と、端末識別情報と、アドレスと、対応履歴とを対応付ける。
【0075】
担当者識別情報、氏名、端末識別情報、アドレス、対応履歴に関する説明は、図4の担当者管理テーブル142の説明と同様である。担当者管理テーブル242は、担当者管理テーブル142と同様にして、担当者識別情報と、障害分野とを対応付けてもよい。
【0076】
履歴テーブル243は、端末装置10を用いて業務を行う担当者の操作履歴情報、画面識別情報を保持する。履歴テーブル243のデータ構造は、図5で説明した履歴テーブル143のデータ構造と同様である。
【0077】
画面管理テーブル244は、画面識別情報と、画面が支援系の画面か否かを示す情報とを対応付けて保持する。画面管理テーブル244のデータ構造は、図6で説明した画面管理テーブル144のデータ構造と同様である。
【0078】
グループ管理テーブル245は、グループで対応可能な障害内容の情報を保持する。図10は、グループ管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図10に示すように、グループ管理テーブル245は、グループ識別情報と、障害分野と、端末識別情報とを対応付ける。
【0079】
グループ識別情報は、グループを一意に識別する情報である。障害分野は、グループに属する各担当者が対応可能な障害分野を示す。端末識別情報は、グループに属する各担当者を識別する情報である。たとえば、グループ識別情報「G1」に含まれる担当者は、担当者識別情報S10a、S10c、・・・であり、担当者識別情報S10a、S10c、・・・の各担当者は、障害分野「セキュリティ監視」に対応可能であることが示される。
【0080】
図8の説明に戻る。制御部250は、受付部251、特定部252、判定部253を有する。制御部250は、CPUやMPUにより実現される。また、制御部250は、たとえば、ASICやFPGA等の集積回路により実行されてもよい。
【0081】
受付部251は、障害監視サーバ50から、インシデント情報を受信する。受付部251は、受信したインシデント情報に含まれるインシデント番号、障害分野、障害内容、顧客情報を対応付けて、インシデント情報テーブル241に登録する。以下の説明では適宜、インシデント番号、障害分野、障害内容、顧客情報をまとめて、インシデント情報と表記する。
【0082】
受付部251は、稼働監視サーバ60から、監視情報を受信する。受付部251は、受信した監視情報に含まれる端末識別情報と、操作履歴情報と、画面識別情報とを対応付けて、履歴テーブル243に登録する。
【0083】
受付部251は、受け付けた監視情報の端末識別情報と同様の端末識別情報に関する操作履歴情報、画面識別情報が、履歴テーブル243に既に登録されている場合には、新たに受け付けた操作履歴情報、画面識別情報によって、履歴テーブル243を更新する。
【0084】
受付部251は、インシデント情報、監視情報を受け付ける度に、上記処理を繰り返し実行する。
【0085】
特定部252は、インシデント情報テーブル241から、インシデント情報を取得し、取得したインシデント情報の障害分野に対応するグループのグループ識別情報を、グループ管理テーブル245を基にして特定する。特定部252は、特定したグループ識別情報に属する担当者識別情報から、いずれかの担当者識別情報を特定し、特定した担当者識別情報(候補識別情報)を、判定部253に出力する。
【0086】
特定部252は、判定部253から、他の候補識別情報を要求された場合には、インシデント情報の障害内容に対応するグループに含まれる各担当者識別情報のうち、未選択の担当者識別情報を、再度特定し、特定した担当者識別情報(候補識別情報)を、判定部253に出力する。
【0087】
なお、特定部252は、未選択の担当者識別情報を、再度特定する場合、同一のグループに含まれる各担当者の作業量をそれぞれ算出し、作業量の少ない担当者の担当者識別情報を優先的に特定してもよい。特定部252が作業量を算出する処理は、実施例1の判定部153が作業量を算出する処理と同様である。
【0088】
判定部253は、候補識別情報に対応する担当者を、インシデント情報の障害の支援業務を実行させる担当者として選出するか否かを判定する。判定部253は、第1判定処理、第2判定処理、第3判定処理を順に実行する。判定部253が実行する第1判定処理、第2判定処理、第3判定処理は、実施例1で説明した判定部153の処理と同様である。
【0089】
判定部253は、担当者を選出した場合に、候補識別情報に対応する担当者の氏名等を、表示部230に表示させる。判定部253は、候補識別情報と、担当者管理テーブル242とを基にして、候補識別情報に対応する端末識別情報(選出した担当者の端末装置10)を特定し、選出した担当者の端末装置10に、インシデント情報と、かかるインシデント情報の障害を支援することを要請する情報を、通知してもよい。判定部253は、選出した担当者と同一のグループに属する担当者の端末装置10に、インシデント情報と、かかるインシデント情報を支援する担当者の情報を、通知してもよい。
【0090】
次に、本実施例2に係る情報処理装置200の処理手順の一例について説明する。図11は、本実施例2に係る情報処理装置の処理手順を示すフローチャートである。情報処理装置200の特定部152は、インシデント情報テーブル241からインシデント情報を取得し、障害分野を特定する(ステップS201)。
【0091】
特定部252は、グループ管理テーブル245を基にして、障害分野に対応可能なグループを特定する(ステップS202)。特定部252は、特定したグループから担当者の識別情報(候補識別情報)を特定する(ステップS203)。
【0092】
情報処理装置200の判定部253は、候補識別情報に対応する担当者の端末装置の画面識別情報の種別が、支援系画面であるか否かを判定する(ステップS204)。判定部253は、画面識別情報の画面種別が、支援系画面である場合には(ステップS205,Yes)、ステップS206に移行する。
【0093】
判定部253は、特定した担当者がサポート中である旨を、特定した担当者と同一のグループに属する各担当者に通知する(ステップS206)。特定部252は、グループの各担当者の作業量を算出し、作業量の少ない担当者の識別情報(候補識別情報)を優先的に特定し(ステップS207)、ステップS204に移行する。
【0094】
一方、判定部253は、画面識別情報の画面種別が、支援系画面でない場合には(ステップS205,No)、ステップS208に移行する。判定部253は、履歴テーブル243から、候補識別情報に対応する担当者の端末装置の操作履歴情報を取得する(ステップS208)。
【0095】
判定部253は、操作履歴情報を基にして、候補識別情報に対応する担当者の作業量を算出する(ステップS209)。判定部253は、担当者の作業量が閾値以上である場合には(ステップS210,Yes)、ステップS207に移行する。
【0096】
一方、判定部253は、担当者の作業量が閾値以上でない場合には(ステップS210,No)、ステップS211に移行する。判定部253は、電話監視サーバ70から、候補識別情報に対応する担当者の電話の使用状況の有無の情報を取得する(ステップS211)。
【0097】
判定部253は、候補識別情報に対応する担当者が電話中である場合には(ステップS212,Yes)、ステップS207に移行する。一方、判定部153は、候補識別情報に対応する担当者が電話中でない場合には(ステップS212,No)、候補識別情報に対応する担当者を選出する(ステップS213)。
【0098】
次に、本実施例2に係る情報処理装置200の効果について説明する。情報処理装置200は、監視対象となる装置に障害が発生し、障害監視サーバ50からインシデント情報を受信した場合に、かかる障害に対応するグループから、担当者を選出する。たとえば、情報処理装置200は、障害に対応可能なグループの担当者からから、担当者の候補(候補識別情報:候補となる担当者の担当者識別番号)を特定する。情報処理装置200は、候補となる担当者の作業量が閾値未満となり、担当者が利用中の端末装置の画面が支援系画面ではなく、担当者が電話中でない場合に、特定した担当者を最終的に選出するか否かを判定する。
【0099】
これによって、障害発生時に最適な担当者を選出することができる。
【0100】
また、情報処理装置200は、再度担当者を選択する場合に、同一のグループに含まれる担当者のうち、作業量の少ない担当者を優先的に選択するため、より負担の少ない担当者を障害の支援者として選出することができる。
【0101】
次に、上記実施例に示した情報処理装置100(200)と同様の機能を実現するコンピュータのハードウェア構成の一例について説明する。図12は、実施例の情報処理装置と同様の機能を実現するコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【0102】
図12に示すように、コンピュータ300は、各種演算処理を実行するCPU301と、ユーザからのデータの入力を受け付ける入力装置302と、ディスプレイ303とを有する。また、コンピュータ300は、有線または無線ネットワークを介して、外部装置等との間でデータの授受を行う通信装置304と、インタフェース装置305とを有する。また、コンピュータ300は、各種情報を一時記憶するRAM306と、ハードディスク装置307とを有する。そして、各装置301~307は、バス308に接続される。
【0103】
ハードディスク装置307は、受付プログラム307a、特定プログラム307b、判定プログラム307cを有する。また、CPU301は、各プログラム307a~307cを読み出してRAM206に展開する。
【0104】
受付プログラム307aは、受付プロセス306aとして機能する。特定プログラム307bは、特定プロセス306bとして機能する。判定プログラム307cは、判定プロセス306cとして機能する。
【0105】
受付プロセス306aの処理は、受付部151の処理に対応する。特定プロセス306bの処理は、特定部152の処理に対応する。判定プロセス306cの処理は、判定部153の処理に対応する。
【0106】
なお、各プログラム307a~307cについては、必ずしも最初からハードディスク装置307に記憶させておかなくても良い。例えば、コンピュータ300に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、DVD、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」に各プログラムを記憶させておく。そして、コンピュータ300が各プログラム307a~307cを読み出して実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0107】
100 情報処理装置
110,210 通信部
120,220 入力部
130,230 表示部
140,240 記憶部
141,241 インシデント情報テーブル
142,242 担当者管理テーブル
143,243 履歴テーブル
144,244 画面管理テーブル
150,250 制御部
151,251 受付部
152,252 特定部
153,253 判定部
245 グループ管理テーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12