IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 下西技研工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-通信装置 図1
  • 特開-通信装置 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023001214
(43)【公開日】2023-01-04
(54)【発明の名称】通信装置
(51)【国際特許分類】
   G01W 1/08 20060101AFI20221222BHJP
   B63B 22/00 20060101ALI20221222BHJP
   B63C 9/20 20060101ALI20221222BHJP
【FI】
G01W1/08 G
B63B22/00 C
B63C9/20 Z
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022173193
(22)【出願日】2022-10-28
(62)【分割の表示】P 2018112347の分割
【原出願日】2018-06-12
(71)【出願人】
【識別番号】592264101
【氏名又は名称】下西技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】保富 英雄
(57)【要約】
【課題】電池の回収作業、交換作業、また充電作業等を要さずに、位置検知器によって現
在位置を長時間継続して検知することができ、また、センサ部によって外部環境の変化を
長時間継続して検知することができる通信装置を提供する。
【解決手段】本体10は、自らの動作によって振動または揺動し、また、外部環境の変化によって振動または揺動するものであり、現在位置を検知する位置検知器1と、外部環境の変化を検知するセンサ部2と、センサ部2が検知した外部環境の変化に関する情報を外部に送信する制御部3と、本体10が振動または揺動することによって振動または揺動し、当該振動または揺動を電気エネルギーに変換して、位置検知器1、センサ部2、または制御部3の動作に必要な電力を発電する発電部4と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付対象物に取付けられて現在位置に関する情報または外部環境の変化に関する情報を外部に通信する通信装置であって、
前記取付対象物は、自らの動作によって振動または揺動し、また、外部環境の変化によって振動または揺動するものであり、
外部環境の変化を検知するセンサ部と、
前記センサ部が検知した外部環境の変化に関する情報を外部に送信する制御部と、
前記取付対象物が振動または揺動することによって振動または揺動し、当該振動または揺動を電気エネルギーに変換して、前記センサ部または前記制御部の動作に必要な電力を発電する発電部と、を備え、
前記取付対象物が、プラントの配管で構成され、
前記センサ部は、前記プラントの配管の振動を検知する振動計で構成され、
前記プラントの配管が異常に振動している状態を前記センサが検知したときに前記外部環境の変化に関する情報を前記制御部が外部に送信し、また、前記プラントの配管が異常に振動している状態を前記センサが検知していないときには記外部環境の変化に関する情報を前記制御部が外部に送信しない、通信装置。
【請求項2】
前記発電部は、前記固定部および前記可動部を備え、前記プラントの配管が振動または揺動して慣性力が作用したときに前記可動部が前記固定部に対して相対的に移動することにより発電動作を行うものであり、前記センサ部によって前記プラントの配管の振動を検知する動作が行われているときに発電動作を行う、請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記発電部が発電した電力を充電可能な電池を備え、
前記発電部は、前記電池の電圧が所定の値以下であるときに、発電動作を行う、請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
取付対象物に取付けられて現在位置に関する情報または外部環境の変化に関する情報を外部に通信する通信装置であって、
前記取付対象物は、自らの動作によって振動または揺動し、また、外部環境の変化によって振動または揺動するものであり、
外部環境の変化を検知するセンサ部と、
前記センサ部が検知した外部環境の変化に関する情報を外部に送信する制御部と、
前記取付対象物が振動または揺動することによって振動または揺動し、当該振動または揺動を電気エネルギーに変換して、前記センサ部または前記制御部の動作に必要な電力を発電する発電部と、を備え、
前記取付対象物が、エンジンやモータのケースで構成され、
前記センサ部は、前記ケースの温度を検知する温度計で構成され、
前記ケースが異常な温度である状態を前記センサが検知したときに前記外部環境の変化に関する情報を前記制御部が外部に送信し、また、前記ケースが異常な温度である状態を前記センサが検知していないときには記外部環境の変化に関する情報を前記制御部が外部に送信しない、通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部環境の変化を検知して外部に通信する通信装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、本体に取付られて、外部環境の変化を検知して外部に通信する通信装置に関する技術は種々知られている。
本体としては、例えば、プラントの配管や海面に長時間浮かべられるブイ等がある(特許文献1参照)。このような本体には、外部環境の変化を検知するセンサ部と、通信装置と、センサ部等の各種の動作を行うための電力を供給する電池(一次電池や二次電池等)と、を備えるものがある。前記センサ部には、例えば、振動を計測する振動計、周囲の温度を検知する湿度計、水位を検知する水位計、波の高さを検知する波高計等がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-63984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記通信装置では、センサ部等の各種の動作を長期間継続するに従って電力が消費されていき、電池電圧が動作電圧以下となると、適切な動作を行えなくなる。このようなとき、前記通信装置では、電池が一次電池である場合には電池の回収作業や交換作業を要し、また、電池が二次電池である場合には電池の充電作業等を要することとなる。
【0005】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、センサ部によって外部環境の変化を長時間継続して検知することができる通信装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
即ち、請求項1においては、取付対象物に取付けられて現在位置に関する情報または外部環境の変化に関する情報を外部に通信する通信装置であって、前記取付対象物は、自らの動作によって振動または揺動し、また、外部環境の変化によって振動または揺動するものであり、外部環境の変化を検知するセンサ部と、前記センサ部が検知した外部環境の変化に関する情報を外部に送信する制御部と、前記取付対象物が振動または揺動することによって振動または揺動し、当該振動または揺動を電気エネルギーに変換して、前記センサ部または前記制御部の動作に必要な電力を発電する発電部と、を備え、前記取付対象物が、プラントの配管で構成され、前記センサ部は、前記プラントの配管の振動を検知する振動計で構成され、前記プラントの配管が異常に振動している状態を前記センサが検知したときに前記外部環境の変化に関する情報を前記制御部が外部に送信し、また、前記プラントの配管が異常に振動している状態を前記センサが検知していないときには記外部環境の変化に関する情報を前記制御部が外部に送信しない、ものである。
【0008】
請求項2においては、前記発電部は、前記固定部および前記可動部を備え、前記プラントの配管が振動または揺動して慣性力が作用したときに前記可動部が前記固定部に対して相対的に移動することにより発電動作を行うものであり、前記センサ部によって前記プラントの配管の振動を検知する動作が行われているときに発電動作を行う、ものである。
【0009】
請求項3においては、前記発電部が発電した電力を充電可能な電池を備え、前記発電部は、前記電池の電圧が所定の値以下であるときに、発電動作を行う、ものである。
請求項4においては、取付対象物に取付けられて現在位置に関する情報または外部環境の変化に関する情報を外部に通信する通信装置であって、前記取付対象物は、自らの動作によって振動または揺動し、また、外部環境の変化によって振動または揺動するものであり、外部環境の変化を検知するセンサ部と、前記センサ部が検知した外部環境の変化に関する情報を外部に送信する制御部と、前記取付対象物が振動または揺動することによって振動または揺動し、当該振動または揺動を電気エネルギーに変換して、前記センサ部または前記制御部の動作に必要な電力を発電する発電部と、を備え、前記取付対象物が、エンジンやモータのケースで構成され、前記センサ部は、前記ケースの温度を検知する温度計で構成され、前記ケースが異常な温度である状態を前記センサが検知したときに前記外部環境の変化に関する情報を前記制御部が外部に送信し、また、前記ケースが異常な温度である状態を前記センサが検知していないときには記外部環境の変化に関する情報を前記制御部が外部に送信しない、ものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、本発明によれば、電池の回収作業、交換作業、また充電作業等を要さずに、センサ部によって外部環境の変化を長時間継続して検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る通信装置の全体的な構成を示したブロック図。
図2】同じく通信装置の発電部を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の実施形態に係る通信装置100について図1から図2を用いて説明する。
【0013】
通信装置100は、取付対象物(以下「本体10」とする)に取付けられて、現在位置に関する情報または外部環境の変化に関する情報を外部に通信する。
図1に示すように、通信装置100は、位置検知器1と、センサ部2と、制御部3と、発電部4と、ケース部5と、を備える。
【0014】
本体10は、自らの動作によって振動または揺動し、また、外部環境の変化によって振動または揺動する。本体10は、例えば、ブイ、救命浮輪、救命胴衣、プラント等の配管、または、エンジンやモータ等のケースで構成される。
【0015】
位置検知器1は、現在位置を検知するものであり、GPS(Global Positioning System)やビーコン等で構成される。位置検知器1は、ケース部5に収容される。
【0016】
センサ部2は、外部環境の変化を検知する。センサ部2は、ケース部5に収容される。
センサ部2は、例えば、周囲の温度を検知する温度計、周囲の湿度を検知する湿度計、水位を検知する水位計、波の高さを検知する波高計、振動を検知する振動計、高度を検知する高度計、音センサ(マイク)、匂いセンサ、照度センサ、またはカメラ等で構成される。
【0017】
例えば、本体10が、ブイ、救命浮輪、または救命胴衣である場合には、センサ部2は、水位計、波高計、または振動計のうちいずれか一つまたは複数のもので構成される。またこの場合、センサ部2は、水位計等のうちいずれ一つまたは複数に加えて、温度計、湿度計、音センサ、匂いセンサ、照度センサ、またはカメラ等のうちいずれか一つまたは複数のもので構成することもできる。
また例えば、本体10が、プラント等の配管、または、エンジンやモータ等のケース等である場合には、センサ部2は、振動計で構成される。またこの場合、センサ部2は、振動計に加えて、温度計、湿度計、水位計、波高計、高度計、音センサ、匂いセンサ、照度センサ、またはカメラ等のうちいずれか一つまたは複数のもので構成することもできる。
【0018】
制御部3は、通信装置100の各種の動作を制御する。制御部3は、位置検知器1が検知した現在位置に関する情報および/またはセンサ部2が検知した外部環境の変化に関する情報(送信情報)を、記憶装置に記憶しまた外部に無線で(インターネットや衛星通信によって)送信する。制御部3は、ケース部5に収容される。
送信情報は、位置検知器1が検知した現在位置に関する情報および/またはセンサ部2が検知した外部環境の変化に関する情報であって、温度、湿度、水位、波の高さ、振動(振幅、振動数等)、高度、音、匂い、照度、または画像のうち少なくともいずれか一つに関する情報と、その検知した時間に関する情報とからなる。
制御部3が送信情報を通信する外部には、例えば、遠隔地の通信基地局若しくは監視センター、または携帯情報端末等がある。
【0019】
発電部4は、振動または揺動を電気エネルギーに変換可能に構成される慣性力発電装置または振動発電装置であって、通信装置100(位置検知器1、センサ部2、または制御部3)の各種の動作、および本体10の各種の動作に必要な電力(電源)を発電する。発電部4は、本体10が振動または揺動することによって発電可能に構成される。発電部4は、ケース部5に収容される。発電部4は、本体10に取付けまたは内臓されても本体10の本来の機能や動作を損なわない(例えば、本体10が救命浮輪である場合、発電部4の重さによって本体10が沈まない)ような、比較的小型のもので構成される。
通信装置100では、二次電池を備え、発電部4が発電した電力を二次電池に充電可能に構成することもできる。
【0020】
発電部4は、例えば、永久磁石とコイルとを利用して発電する電磁誘導方式のもので構成される。
このように構成される発電部4について説明する。図2に示すように、発電部4は、固定部41および可動部42を備え、本体10が振動または揺動して慣性力が作用したときに可動部42が固定部41に対して相対的に移動することにより発電する。発電部4の大きさは上下方向において8cm程度に構成される。発電部4の固定部41は、コイル(不図示)と、コイルを収容するコイルケース43と、を備え、ケース部5に固定される。発電部4の可動部42は、樹脂フレーム44と、磁石(不図示)と、ヨーク45と、を備える。可動部42の樹脂フレーム44は、コイルケース43に移動可能に貫装される。可動部42の磁石は、樹脂フレーム44に形成された収容孔44a内に収容され、樹脂フレーム44がコイルケース43に貫装されたときにコイルに対向する。可動部42のヨーク45は、磁石に当接しつつ樹脂フレーム44に固定される。
なお、発電部4の発電機構は上記のような構成に限らず、他の方式(例えば、圧電方式や静電誘導方式等)によって発電する構成のものとすることもできる。
【0021】
以上のように、通信装置100では、本体10に取付けられ、本体10は、自らの動作によって振動または揺動し、また、外部環境の変化によって振動または揺動するものであり、現在位置を検知する位置検知器1と、外部環境の変化を検知するセンサ部2と、位置検知器1が検知した位置に関する情報およびセンサ部2が検知した外部環境の変化に関する情報(送信情報)を外部に送信する制御部3と、振動または揺動を電気エネルギーに変換して位置検知器1、センサ部2、または制御部3の動作に必要な電力を発電する発電部4と、を備えることから、前記各種の動作を長期に継続して電力を消費しても、本体10が振動等することによって発電部4が前記各種の動作に必要な電力を発電する。このため、通信装置100によれば、電池の回収作業、交換作業、また充電作業等を要さずに、位置検知器1によって現在位置を長時間継続して検知することができ、また、センサ部2によって外部環境の変化を長時間継続して検知することができる。
【0022】
また、以上のように、発電部4が本体10の本来の機能や動作を損なわない比較的小型のもので構成されることから、全体の構成が大型化することなく、また、本体10の本来の機能や動作を損なうことなく、電池の回収作業等を要さずに、位置検知器1によって現在位置を検知することができ、または、センサ部2によって外部環境の変化を長時間継続して検知することができる通信装置100を実現することができる。
【0023】
ここで、本体10として構成されるブイは、海面に長時間浮かべられて種々の用途に用いられる。ブイには、例えば、航路標識、係船標識、または海洋気象観測等種々の用途に用いられるものがある。このようなブイは、点灯装置や無線装置等を備える。本体10がこのようなブイで構成される場合には、通信装置100は本体10(ブイ)の上部や内部に配置され、通信装置100の発電部4が発電する電力によって本体10(ブイ)の点灯装置等が動作する。
【0024】
また、本体10として構成される救命胴衣は、水上や水中の使用者が浮力を得るための気体が入った胴衣である。救命胴衣は、小型船舶上等で作業する者に予め着用され、また、船舶等に予め備えられ使用時に設置場所から取外されて使用される。本体10(救命胴衣)が点灯装置や無線装置等を備える場合には、通信装置100は本体10(救命胴衣)の外面に配置され、通信装置100の発電部4が発電する電力によって本体10(救命胴衣)の点灯装置等が動作する。
【0025】
また、本体10として構成される救命浮輪は、気体が入った浮袋であり、救命のために用いられる。救命浮輪は、船舶等に予め備えられ、使用時に設置場所から取外されて使用される。本体10(救命浮輪)が点灯装置や無線装置等を備える場合には、通信装置100は本体10(救命浮輪)の外面に配置され、通信装置100の発電部4が発電する電力によって本体10(救命浮輪)の点灯装置等が動作する。
【0026】
また、本体10として構成されるプラント等の配管、または、エンジン等のケース等が、点灯装置、無線装置等、または音声を発するスピーカー装置等を備える場合には、通信装置100は本体10の外面や内部等に配置され、通信装置100の発電部4が発電する電力によって本体10の点灯装置等が動作する。
【0027】
位置検出器1、センサ部2、または制御部3は、本体10の動作が開始されたとき(例えば、本体10の作動スイッチがONされたとき、本体10が救命浮輪である場合には設置場所から取外されたとき、または本体10が救命胴衣である場合には使用者に装着されたとき)、動作を開始する。
このように、本体10の動作が開始されたときに、位置検出器1、センサ部2、または制御部3が動作を開始することから、必要なときにのみ位置検出器1等が動作を開始する構成として、位置検出器1等の各種の動作による消費電力を抑制することができる。
【0028】
現在位置を常時検知すること、または、外部環境の変化を常時検知することを要さない場合には、所定条件(検知条件)を満たしたときに、位置検出器1が現在位置を検知し、または、センサ部2が外部環境の変化を検知する構成とすることもできる。
位置検出器1が現在位置を検知し、または、センサ部2が外部環境の変化を検知する所定条件としては、例えば、所定時間経過毎(例えば、数分毎、または数時間毎)とされる。このように構成されるとき、例えば、本体10が、ブイ、救命浮輪、または救命胴衣である場合には、1分毎に、位置検出器1が現在位置を検知し、または、センサ部2が外部環境の変化を検知する。
センサ部2が外部環境の変化を検知する所定条件については、作業者によって設定可能とすることもできる。
このように、所定条件を満たしたときに、位置検出器1が現在位置を検知し、または、センサ部2が外部環境の変化を検知することから、位置検出器1が現在位置を検知する動作またはセンサ部2の外部環境の変化を検知する動作による消費電力を抑制することができる。
【0029】
位置検出器1が検知した現在位置、または、センサ部2が検知した外部環境の変化を外部の者が常時知ることを要さない(知らせることを要さない)場合には、所定条件(送信条件)を満たしたときに、制御部3が送信情報を外部に送信する構成とすることもできる。
制御部3が送信情報を外部に送信する所定条件としては、例えば、所定時間経過毎(例えば、数分毎、または数時間毎)とされる。このように構成されるとき、例えば、本体10がブイである場合には、10分毎に制御部3が送信情報を外部に送信する。
また、制御部3が送信情報を外部に送信する所定条件としては、例えば、位置検出器1が検知した現在位置が所定の場所から外れているとき、また、センサ部2が検知した外部環境の変化に関する値が所定の閾値よりも高いまたは低いとき、とされる。このように構成されるとき、例えば、本体10がブイである場合には、ブイが所定の配置場所よりも遠くに流されているときに、制御部3は送信情報を外部に送信する。また例えば、本体10が救命浮輪または救命胴衣である場合には、使用されて設置場所から離れた位置にある状態となったときに、制御部3は送信情報を外部に送信する。また例えば、本体10がプラント等の配管である場合には、センサ部2(振動計)が検知した値がプラント等の配管が異常に振動している状態を示すときに、制御部3は送信情報を外部に送信する。また例えば、本体10がエンジンやモータ等のケースで構成される場合には、センサ部2(温度計)が検知した値がエンジンやモータ等のケースが異常な温度である状態を示すときに、制御部3は送信情報を外部に送信する。
制御部3は送信情報を外部に送信する所定条件については、作業者によって設定可能とすることもできる。
このように、所定条件を満たしたときに制御部3が送信情報を外部に送信することから、制御部3の送信情報を外部に送信する動作による消費電力を抑制することができる。
【0030】
位置検出器1が検知した現在位置が複数回連続して所定の場所から外れている場合、または、センサ部2が検知した外部環境の変化に関する値が複数回連続して所定の閾値よりも高いまたは低い場合に、制御部3は送信情報を外部に送信する構成とすることもできる。
このように構成することによって、誤動作または誤検知によって、位置検出器1が検知した現在位置が所定の場所から外れている場合、または、センサ部2が検知した外部環境の変化に関する値が所定の閾値よりも高いまたは低くなった場合に、送信情報が送信されることを防止することができる。
【0031】
発電部4は、所定条件(発電条件)を満たしたとき(発電を要するときに)に、発電動作を行う構成とすることもできる。所定の条件としては、例えば、本体10または通信装置100の各種の動作(位置検出器1、センサ部2、または制御部3の動作)が行われていること、または、電池電圧が所定の値以下であること等がある。
このように、所定条件を満たしたとき(必要なとき)に発電部4が発電動作を行うように構成することによって、使用による劣化を抑制して、さらに長期にわたって通信装置100を継続して使用することができる。
【0032】
送信情報は、位置検出器1が検知した現在位置に関する情報またはセンサ部2が検知した外部環境の変化に関する情報の他に、通信装置100の各種の状態に関する情報を含めることもできる。通信装置100の状態に関する情報には、例えば、位置検出器1、センサ部2、または発電部4等が正常動作または異常動作をしていることに関する情報がある。また例えば、通信装置100の状態に関する情報には、通信装置100が動作するための電池残量に関する情報等がある。位置検出器1の異常動作には、例えば、位置検出器1による現在位置を検知する動作が正常に行われていないことがある。センサ部2の異常動作には、例えば、センサ部2による外部環境を検知する動作が正常に行われていないことがある。または、発電部4の異常動作には、例えば、発電部4による発電動作が行われていないこと、また、発電部4による発電量が所定値よりも低いまたは高いこと等がある。
このように構成することによって、定期点検の他に通信装置100の修理点検等を要することを外部に知らせることができる。
【0033】
なお、通信装置100では、位置検出器1、センサ部2、発電部4、および/または制御部3を一体的に構成するもの(例えば、ビーコン付き振動発電体)を用いることもできる。
また、通信装置100では、位置検出器1、センサ部2、発電部4、または制御部3のうち少なくともいずれか一つがケース部5に収納されず、本体10に設けられる構成とすることもできる。
また、通信装置100では、ケース部5を備えず、位置検出器1、センサ部2、発電部4、およびは制御部3が本体10設けられる構成とすることもできる。
また、通信装置100では、外部から無線を介して通信装置100の各種の動作(位置検出器1、センサ部2、制御部3、または発電部4の各種の動作)を設定可能に構成することもできる。
【符号の説明】
【0034】
1 位置検出器
2 センサ部
3 制御部
4 発電部
5 ケース部
10 本体
100 通信装置
図1
図2