(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023121406
(43)【公開日】2023-08-31
(54)【発明の名称】室外機
(51)【国際特許分類】
F24F 1/56 20110101AFI20230824BHJP
F24F 1/48 20110101ALI20230824BHJP
F24F 1/36 20110101ALI20230824BHJP
【FI】
F24F1/56
F24F1/48
F24F1/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022024746
(22)【出願日】2022-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】二戸 秀之
(72)【発明者】
【氏名】大滝 仁
(72)【発明者】
【氏名】中尾 一喜
【テーマコード(参考)】
3L054
【Fターム(参考)】
3L054BA02
3L054BA10
3L054BB01
(57)【要約】
【課題】本開示は、筐体の外部から内部に対する空気の流入を妨げず、粉雪や埃等のパウダーが筐体内部の各装置に付着することを抑制できる室外機を提供する。
【解決手段】本開示における室外機1は、筐体10を備え、筐体10の第1の側面には、外気の吸入用のスリット孔82が設けられ、スリット孔82は、筐体10の外部から内部に向けて斜め上方に傾斜し、スリット孔82の上方には、スリット孔82から筐体10内部に流入する空気に対向する板状の水平板部71が略水平に配置されている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体を備え、
前記筐体の第1の側面には、外気の吸入用のスリット孔が設けられ、
前記スリット孔は、前記筐体の外部から内部に向けて斜め上方に傾斜し、
前記スリット孔の上方には、前記スリット孔から前記筐体内部に流入する空気に対向する板状の水平板部が略水平に配置されている
ことを特徴とする室外機。
【請求項2】
前記水平板部は、前記スリット孔の幅方向において、前記スリット孔の幅寸法よりも大きい
ことを特徴とする請求項1に記載の室外機
【請求項3】
前記スリット孔は、上下方向に複数個形成され、
前記水平板部は、前記筐体の前記第1の側面から、最も下方に設けられた前記スリット孔の傾斜方向の延長線上まで延伸する
ことを特徴とする請求項2に記載の室外機。
【請求項4】
前記室外機の前記第1の側面は、着脱可能に設けられる導風板を備え、
前記導風板は、略垂直に曲げられ、前記スリット孔が形成される第1壁面部と、前記第1の側面に隣り合う第2の側面に沿った第2壁面部と、を備え、
前記水平板部は、前記スリット孔の幅方向において前記第2壁面部との間に隙間を開けて配置される
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の室外機。
【請求項5】
平面視で前記スリット孔に対向する位置に設けられ、アキュムレータ脚を介して前記筐体の底板に固定されるアキュムレータを備え、
前記水平板部は、前記アキュムレータの下方に設けられ、前記アキュムレータに結露する結露水を受ける
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の室外機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、室外機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、空気調和装置の室外機を開示する。この室外機は、熱交換器と、送風機と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、筐体の外部から内部に対する空気の流入を妨げず、粉雪や埃等のパウダーが筐体内部の各装置に付着することを抑制できる室外機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示における室外機は、筐体を備え、前記筐体の第1の側面には、外気の吸入用のスリット孔が設けられ、前記スリット孔は、前記筐体の外部から内部に向けて斜め上方に傾斜し、前記スリット孔の上方には、前記スリット孔から前記筐体内部に流入する空気に対向する板状の水平板部が略水平に配置されている。
【発明の効果】
【0006】
本開示における室外機は、水平板部によってスリット孔から筐体内部に流入したパウダーを落下させ、流入した空気は水平方向に流すことができる。従って、筐体の外部から内部に対する空気の流入を妨げず、粉雪や埃等のパウダーが筐体内部の各装置に付着することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】実施の形態1に係る室外機を左後方から見た斜視図
【
図3】実施の形態1に係る室外機を下方から見た斜視図
【
図5】実施の形態1に係るアキュムレータ脚付近を前方から見た斜視図
【
図6】実施の形態1に係るアキュムレータ脚付近を左後方から見た斜視図
【
図7】実施の形態1に係るアキュムレータ脚単体の斜視図
【
図9】実施の形態1に係るアキュムレータ付近の平面視での位置関係を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0008】
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、空気調和装置の室外機には、熱交換器及び送風機を備え、送風機の駆動により、筐体外の空気を筐体内に取り込むことが一般的であった。そのため、当該業界では、空気の流入時に筐体の内部に侵入した粉雪や埃などのパウダーが筐体内の各装置に付着し、各装置の劣化や誤作動を誘発するということを課題としていた。当該業界では、その課題に対処するため、空気の流入のための開口に対向するように、筐体の内部に板状部材を設けるという製品設計がなされていた。そうした状況下において、発明者らは、板状部材を空気の流入のための開口に対向するように設けると、筐体の外部から内部に向けての空気の流入が大幅に妨げられるという課題があることを発見し、その課題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
【0009】
そこで、本開示は、筐体の外部から内部に対する空気の流入を妨げず、粉雪や埃等のパウダーが筐体内部の各装置に付着することを抑制できる室外機を提供する。
【0010】
以下、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0011】
(実施の形態1)
以下、
図1~
図9を用いて、実施の形態1を説明する。なお、図中に記載のFR、UP、LHの符号を付与した矢印は、それぞれ文章中の前方、上方、左方と対応し、文章中の前後、上下、左右等の方向は、特に説明がない限りはこれらを基準とする。また、説明の都合上、要部に重なる位置にある部材や、必要以上に詳細な部分については、図中での描画を省略する場合がある。
【0012】
[1-1.構成]
図1は、実施の形態1に係る室外機1の正面図である。
図2は、室外機1を左後方から見た斜視図である。
室外機1は、図示しない冷媒配管によって図示しない室内機と接続されることで冷凍サイクル回路を形成する室外機である。室外機1は、主に建造物の外壁面に掛けて使用される壁掛け式の室外機であり、略直方体の筐体10を備える。
図2に示すように、筐体10はその内部を仕切板11により左右に二分割されている。これにより、仕切板11の右側に位置する送風機室30と、仕切板11の左側に位置する機械室50と、が形成される。
【0013】
送風機室30には、送風機31と、熱交換器33と、が設けられる。
送風機31は、軸流式の送風機であり、筐体10の前面13に設けられた吹出口13aに向けて設けられる。送風機31の駆動により、筐体10の外部の空気は、筐体10の右側面14及び背面16の開口を介して送風機室30の内部に吸引される。送風機室30に吸引された空気は、熱交換器33を通過する際に熱交換器33内部の冷媒と熱交換を行う。熱交換器33内の冷媒と熱交換を行った空気は、吹出口13aから吹き出す。
熱交換器33は、図示しない室内機の熱交換器や、機械室50に設けられた圧縮機51、及びアキュムレータ53等と冷媒配管を介して接続することで、冷凍サイクル回路を形成する。熱交換器33は、冷凍サイクル回路内において、室内機が冷房運転をする場合は凝縮器として、室内機が暖房運転をする場合は蒸発器として、それぞれ機能する。
【0014】
機械室50には、圧縮機51と、アキュムレータ53と、が設けられる。
圧縮機51は、気体冷媒を圧縮し、高温高圧の気体冷媒として吐出する。圧縮機51は、吐出側を図示しない四方弁に接続される。圧縮機51の吐出側は、四方弁を介して熱交換器33及び室内熱交換器に接続される。
アキュムレータ53は、圧縮機51の吸入側に接続され、気液混合の冷媒から気体冷媒を分離し、分離した気体冷媒を圧縮機51に供給する。アキュムレータ53は、円柱形状であり、上下方向を軸とするように配置される。
【0015】
機械室50の上部には、制御用基板40が設けられる。制御用基板40は、室外機1の各部に設けられた装置を制御する基板である。
仕切板11の上部には、機械室50と送風機室30とを連通する図示しないダクトが形成される。送風機31が駆動した場合、機械室50内の空気は制御用基板40を冷却し、ダクトを介して送風機室30に流入する。
【0016】
図3は、室外機1を下方から見た斜視図である。筐体10は、底部を底板15に覆われる。底板15は、金型プレスによって成形された板金であり、貫通した複数の排水孔15aを備える。排水孔15aは、底板15を貫通する円形状の孔であり、底板15の最下部に設けられる。筐体10の内部において、熱交換器33やアキュムレータ53等で結露水が生じた場合は、排水孔15aを介して筐体10の外部に排出される。なお、室外機1を壁掛けにより設置して使用する場合には、1つの排水孔15aに図示しないドレンホースを接続して、ドレンホースを介して結露水を排水する。この場合、室外機1は、ドレンホースが接続されていない排水孔15aを閉塞させた状態で使用される。
【0017】
図4は、機械室50の下部の斜視図である。機械室50の下部は、底板15に対して着脱可能な導風板80により、左方及び後方から覆われる。導風板80は、板金をL字形状に曲げて形成されており、第1壁面部81と、第2壁面部83と、を備える。第1壁面部81は、筐体10の左側面(第1の側面)18に沿って設けられる板状の部分である。第2壁面部83は、第1壁面部81から略垂直に曲げて形成され背面(第2の側面)16に沿う板状の部分である。なお、導風板80は、筐体10の一部である。また、第1壁面部81は左側面18の一部であり、第2壁面部83は背面16の一部である。第1壁面部81には、スリット孔82、及び、第2のスリット孔86が設けられる。第2壁面部83には、配管用蓋部84が設けられる。
【0018】
スリット孔82は、機械室50に対して筐体10の外部の空気を取り込むための孔であり、上下に複数個並べて設けられる。スリット孔82は、第1壁面部81から左方に開口し、筐体10の外側から内側に向けて、下方から上方に傾斜して形成されている。
第2のスリット孔86は、幅、高さともにスリット孔82よりも小さく、スリット孔82の上方に複数形成される。
配管用蓋部84は、第2壁面部83の一部であり、取り外すことにより機械室50と筐体10の外部とが連通する。後述するアキュムレータ脚60の高さは、配管用蓋部84を取り外した際に形成される開口から、アキュムレータ53の下方を介して配管を通すことができる程度の高さに設定される。また、後述する板部材70についても、配管用蓋部84を取り外した際に形成される開口から配管を通した際に、配管と板部材70とが干渉しないように、板部材70は略水平に設けられる。従って、本実施の形態においては、配管用蓋部84を取り外した際に形成される開口から機械室50内での配管が可能である。
【0019】
アキュムレータ53は、アキュムレータ脚60を介して、筐体10の底板15に形成されたアキュムレータ載置台17に固定されている。アキュムレータ載置台17は、板金からなる底板15が上方に凸形状となるように形成された台であり、その天面は略水平である。
【0020】
アキュムレータ脚60の上部には、板部材70が設けられる。板部材70は、アキュムレータ脚60と、導風板80の第1壁面部81と、にそれぞれ、ねじ留めによって固定される。
板部材70は、略水平に設けられる平板状の部分である水平板部71と、左方から立ち上がり、左側面18にねじ留めによって固定される導風板80接続部73と、を備える。板部材70は、アキュムレータ脚60と導風板80とを固定することで、アキュムレータ53の筐体10に対する固定を補強する。
図4に示すように、水平板部71の前後方向の幅W1はスリット孔82の前後方向の幅W2よりも大きい。後述するように、板部材70はスリット孔82から機械室50に侵入する粉雪や埃等のパウダーを遮蔽する。
また、詳細は後述するが、水平板部71は、アキュムレータ53に結露する結露水を受ける露受け板として機能する。
【0021】
図5は、アキュムレータ脚60付近を前方から見た斜視図である。
図5には、最下部のスリット孔82から、スリット孔82の傾斜方向に伸ばした延長線L1が示されている。
水平板部71は、第1壁面部81から、延長線L1と交わる位置よりも右方まで延伸する。換言すれば、水平板部71の左右方向の寸法Sは、水平板部71を含む平面及び延長線L1が交わる位置と、左側面18と、の距離Dよりも大きい。
従って、最下部のスリット孔82を介して機械室50に流入された空気は、スリット孔82の傾斜方向に流れ、水平板部71の下面に当たる。同様に、複数設けられたスリット孔82について、全てのスリット孔82を介して機械室50に流入された空気は、水平板部71に当たる。
【0022】
図6は、アキュムレータ脚60付近を左方から見た斜視図である。
図7は、アキュムレータ脚60単体の斜視図である。アキュムレータ脚60は、板金を曲げて形成されており、溶接によってアキュムレータ53の底面に取り付けられる。
アキュムレータ脚60は、本体部61と、第1の曲げ部63と、第2の曲げ部65と、を備える。
【0023】
本体部61は、平面視でアキュムレータ53に覆い隠される位置に溶接された略長方形の板状部分であり、前後方向及び上下方向に平行である。第1の曲げ部63は、本体部61の後部から左方に曲げ形成された板状部分であり、左右方向及び上下方向と平行である。第2の曲げ部65は、本体部61の前部から左方に曲げ形成された板状部分であり、左右方向及び上下方向と平行である。
【0024】
アキュムレータ脚60の下部には、アキュムレータ載置台17に密着し鉛直に立ち上がる取付部67が設けられる。
取付部67は、本体部61の下部である取付部本体67aと、第1の曲げ部63の下部である取付部後部67bと、第2の曲げ部65の下部である取付部前部67cと、を備える。
【0025】
取付部本体67aは平板状であり、その下端がアキュムレータ載置台17に密着する。
取付部後部67bは、その下端がアキュムレータ載置台17に密着し、左方に延伸する。取付部後部67bは、突起状の爪64を備える。爪64は、取付部後部67bの下端から水平方向後方に曲げ形成されている。爪64が、後述の取付孔17aからアキュムレータ載置台17の下面側に挿入されることで、アキュムレータ脚60はアキュムレータ載置台17に位置決め及び固定される。
取付部前部67cは、その下端がアキュムレータ載置台17に密着し、左方に延伸している。取付部前部67cは、水平方向前方に曲げられた固定部66を備える。固定部66は、アキュムレータ載置台17に接し、固定孔66aを介してアキュムレータ載置台17にねじ留めで固定される。
このように、アキュムレータ脚60は、一箇所を爪64の挿入により固定され、もう一箇所をねじ留めによって固定される。これにより、アキュムレータ脚60は、底板15に対して容易に位置決めして固定可能であるとともに、十分な強度で固定される。
【0026】
図8は、取付部後部67b付近の拡大図である。取付部後部67bは、爪64を取付孔17aに挿入することで、アキュムレータ載置台17に固定される。
取付孔17aは、底板15を貫通する孔であり、アキュムレータ載置台17に形成された上方に凸形状の被覆部17bから、水平方向前方に開口する。取付孔17aに爪64が前方から挿入されることにより、取付部後部67bの後面と取付孔17aの縁とは隙間なく密着する。
被覆部17bは、取付孔17aに挿入された爪64を、上方から覆う。これにより、水平に曲げられた爪64は凸形状の被覆部17b内部に収まり、爪64は底板15の下方に突出しない。
【0027】
図9は、アキュムレータ53付近の各部位の平面視での位置関係を示す模式図である。
図9に示すように、取付部67は、平面視で左方が開放した枠状である。爪64は、平面視では取付部67の外側に向けて曲げられる。
【0028】
水平板部71は、取付部67の平面視での開放部分を上方から覆い、取付部67の外側まで延伸している。更に、水平板部71は、アキュムレータ載置台17の外側まで前後方向に延伸し、後方の第2壁面部83との間には隙間D1を開けて配置される。なお、水平板部71は、アキュムレータ載置台17の天面において略水平になっている部分よりも外側まで延伸すればよい。
【0029】
[1-2.動作、作用]
以上のように構成された室外機1について、以下その動作、作用を説明する。
【0030】
[1-2-1.アキュムレータ脚の取り付け時の動作]
アキュムレータ脚60がアキュムレータ載置台17に固定される場合、始めに、爪64が前方から後方に向けて取付孔17aに挿入される。これにより、取付部後部67bの後面と取付孔17aの縁とが接触し、アキュムレータ脚60はアキュムレータ載置台17に対して位置決めされる。
【0031】
次に、固定部66がアキュムレータ載置台17に接するように、固定部66を上方から押さえつけることにより、固定孔66aは、アキュムレータ載置台17に設けられたねじ留め用の孔と上下に重なる。
ここで、固定孔66aが上方からねじ留めされることで、固定部66とアキュムレータ載置台17とが固定される。
【0032】
この状態では、爪64の取付孔17aに対する挿入、及び、固定部66とアキュムレータ載置台17とのねじ留めにより、アキュムレータ脚60は、アキュムレータ載置台17に固定される。
【0033】
従って、アキュムレータ脚60は、アキュムレータ載置台17に容易に位置決めされる。また、アキュムレータ脚60は、アキュムレータ載置台17に一箇所だけねじ留めされることでアキュムレータ載置台17に固定される。
【0034】
[1-2-2.空気調和装置の稼働時における室外機の動作]
室外機1を含む空気調和装置が稼働した場合、室外機1においては、送風機室30に設けられた送風機31が駆動する。送風機31の駆動により、筐体10の外部の空気は筐体10の右側面14及び背面16に設けられた開口から送風機室30に取り込まれる。ここで、送風機室30に取り込まれた空気は熱交換器33と熱交換し、熱交換した外気は吹出口13aから筐体10の外部に吹き出す。
【0035】
同様に、送風機31の駆動に伴い、筐体10外部の空気がスリット孔82を介して機械室50の内部に流入する。機械室50に流入した空気は制御用基板40を冷却した後、仕切板11の上部に設けられたダクトを介し、送風機室30に流入する。
【0036】
筐体10外部の空気がスリット孔82を介して機械室50に流入する際、空気はスリット孔82の傾斜方向に沿って、筐体10の外部から内部に上方に向けて流入する。上述のように、水平板部71の前後方向における幅W1は、スリット孔82の幅W2よりも大きい。また、すべてのスリット孔82について、スリット孔82の傾斜方向に伸ばした延長線は水平板部71と交わる。そのため、スリット孔82を介して機械室50に流入した空気は、水平板部71の下面に当たる。この時、空気の流れは、水平板部71の下面に沿って水平方向に曲げられるが、その流速は大きく減少しない。
【0037】
ここで、機械室50に流入した空気に粉雪や埃等のパウダーが含まれていた場合、パウダーは比重が大きいため、水平板部71の下面に衝突し、落下する。その後、曲げられた空気の流れは水平板部71の後端と第2壁面部83との隙間D1、及び、水平板部71の前方などを通過する。
【0038】
また、スリット孔82からの外気の流入により、アキュムレータ53の側面に結露水の水滴が生じる場合がある。この水滴は、自重によって落下し、アキュムレータ脚60の取付部67の外側において、アキュムレータ載置台17の上面に付着する。
また、アキュムレータ53の側面に結露した水滴は、アキュムレータ53の下方に設けられた水平板部71の上面にも落下する。水平板部71は、平面視で取付部67の外側まで延伸する。従って、水平板部71の上面に付着した水滴は、取付部67の外側に落下する。
このように、アキュムレータ53に結露した結露水は、アキュムレータ脚60の取付部67の外側に滴下される。従って、結露水は取付部67の内側に溜まりにくくなる。
【0039】
更に、水平板部71の一部は、アキュムレータ載置台17の外側まで延伸する。従って、水平板部71の上面に付着した水滴の一部は、アキュムレータ載置台17の外側の底板15に落下する。従って、結露水は取付部67の内側に溜まりにくくなる。
【0040】
また、上述の通り、爪64は取付部67の外側に曲げられて取付孔17aに挿入されるため、取付部67の外側と取付孔17aの縁とは隙間なく密着する。従って、取付部67の外側の結露水は、取付孔17aを介して底板15から漏れ出しにくい。
【0041】
取付部67の外側に滴下された結露水は、底板15の最下部に流れ、排水孔15aから排出される。
【0042】
[1-3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、室外機1は、筐体10を備え、筐体10の左側面18には、外気の吸入用のスリット孔82が設けられ、スリット孔82は、筐体10の外部から内部に向けて斜め上方に傾斜し、スリット孔82の上方には、スリット孔82から筐体10内部に流入する空気に対向する板状の水平板部71が略水平に配置されている。
この構成によれば、スリット孔82から流入する空気を水平方向に遮ることなく、空気に含まれる塵芥や雨滴、及び氷雪等を落下させることができる。従って、筐体10の内部に配置された各装置に塵芥や雨滴、及び氷雪等が付着することを抑制できる。
【0043】
また、水平板部71は、スリット孔82の幅方向において、スリット孔82の幅寸法よりも大きい。
この構成によれば、スリット孔82の幅方向全域において、塵芥や雨滴、及び氷雪等を遮蔽できる。従って、筐体10の内部に配置された各装置に塵芥や雨滴、及び氷雪等が付着することを抑制できる。
【0044】
また、スリット孔82は、上下方向に複数個形成され、水平板部71は、筐体10の左側面18から、最も下方に設けられたスリット孔82の傾斜方向の延長線L1上まで延伸する。
この構成によれば、全てのスリット孔82から流入する空気から、塵芥や雨滴、及び氷雪等を遮蔽できる。従って、筐体10の内部に配置された各装置に塵芥や雨滴、及び氷雪等が付着することを抑制できる。
【0045】
室外機1の左側面18は、着脱可能に設けられる導風板80を備え、導風板80は、略垂直に曲げられ、スリット孔82が形成される第1壁面部81と、左側面18に隣り合う背面16に沿った第2壁面部83と、を備え、水平板部71は、スリット孔82の幅方向において第2壁面部83との間に隙間D1を開けて配置される。
この構成によれば、隙間D1を介して、スリット孔82から流入した空気を流すことができる。従って、筐体10の内部の空気が流れやすくなる。
【0046】
また、平面視でスリット孔82に対向する位置に設けられ、アキュムレータ脚60を介して筐体10の底板15に固定されるアキュムレータ53を備え、水平板部71は、アキュムレータ53の下方に設けられ、アキュムレータ53に結露する結露水を受ける。
この構成によれば、新たな部材を設けることなく、水平板部71により、塵芥や雨滴、及び氷雪等を遮蔽するとともに、アキュムレータ53の結露水を受けることができる。従って、室外機1の構造を簡素化することができる。
【0047】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略等を行った実施の形態にも適用できる。
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
【0048】
実施の形態1では、略水平に設けられる略矩形状の平板状部分である水平板部71を説明した。水平板部71は、スリット孔82から流入した空気を水平方向に流すことができるものであればよい。従って、水平板部71は、略矩形状の平板状部分に限定されない。例えば、水平板部71は、緩やかに前後方向の中央から前後方向の端部にかけて、下方に緩やかに傾斜していてもよい。この場合、水平板部71が受けた結露水は、水平板部71から円滑に流れ落ちる。
【0049】
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本開示は、空気調和装置の室外機に適用可能である。
【符号の説明】
【0051】
1 室外機
10 筐体
11 仕切板
13 前面
13a 吹出口
14 右側面
15 底板
15a 排水孔
16 背面(第2の側面)
17 アキュムレータ載置台
17a 取付孔
17b 被覆部
18 左側面(第1の側面)
30 送風機室
31 送風機
33 熱交換器
40 制御用基板
50 機械室
51 圧縮機
53 アキュムレータ
60 アキュムレータ脚
61 本体部
63 第1の曲げ部
64 爪
65 第2の曲げ部
66 固定部
66a 固定孔
67 取付部
67a 取付部本体
67b 取付部後部
67c 取付部前部
70 板部材
71 水平板部
73 導風板接続部
80 導風板
81 第1壁面部
82 スリット孔
83 第2壁面部
84 配線用蓋部
86 第2のスリット孔