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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023121451
(43)【公開日】2023-08-31
(54)【発明の名称】掘取機
(51)【国際特許分類】
   A01D 27/02 20060101AFI20230824BHJP
   A01D 17/10 20060101ALI20230824BHJP
【FI】
A01D27/02
A01D17/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022024807
(22)【出願日】2022-02-21
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ウェブサイトのアドレス:https://agriculture.kubota.co.jp/event/groundbreakers2022/ ウェブサイトの掲載日: 令和4年1月20日
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(71)【出願人】
【識別番号】390038977
【氏名又は名称】株式会社ササオカ
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】堀江 文治
(72)【発明者】
【氏名】下山 昇吾
(72)【発明者】
【氏名】岡本 暁雄
(72)【発明者】
【氏名】小西 健斗
(72)【発明者】
【氏名】高吉 隼人
(72)【発明者】
【氏名】山崎 清
【テーマコード(参考)】
2B072
【Fターム(参考)】
2B072AA03
2B072BA03
2B072CA12
2B072DA01
2B072EA01
2B072FA01
2B072GA05
(57)【要約】
【課題】無端回転体の張りの調整によって掘取具と無端回転体との間隔が変わらないようにする。
【解決手段】掘取機は、機枠と、機枠の前部に設けられ、機枠が前方移動することで圃場に栽培された作物を掘り取る掘取具と、掘取具の後方に設けられ掘取具によって掘り取られた作物を搬送する無端回転体と、無端回転体の張りを調整可能で且つ、無端回転体の張りの調整に連動して掘取具の位置を変更可能な調整機構と、を備えている。
【選択図】図12A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機枠と、
前記機枠の前部に設けられ、前記機枠が前方移動することで圃場に栽培された作物を掘り取る掘取具と、
前記掘取具の後方に設けられ前記掘取具によって掘り取られた作物を搬送する無端回転体と、
前記無端回転体の張りを調整可能で且つ、前記無端回転体の張りの調整に連動して前記掘取具の位置を変更可能な調整機構と、
を備えている掘取機。
【請求項2】
前記無端回転体を回転させる駆動輪及び前記無端回転体の回転に従動する従動輪を有し、
前記調整機構は、前記駆動輪と前記従動輪の中心間距離の調整と共に、前記掘取具の位置を変更する請求項1に記載の掘取機。
【請求項3】
前記調整機構は、前記従動輪を前記駆動輪に対して前記駆動輪の中心と前記従動輪の中心とを結ぶ方向である調整方向に移動させることで前記無端回転体の張りを調整する調整部材と、前記調整部材と前記掘取具とに連結された連結部材とを有している請求項2に記載の掘取機。
【請求項4】
前記調整機構は、前記従動輪を支持する支軸であって、前記調整部材と前記連結部材とを貫通して前記調整部材及び前記連結部材と前記調整方向に一体的に移動する支軸を有している請求項3に記載の掘取機。
【請求項5】
前記機枠は、当該機枠の幅方向である機幅方向で間隔を隔てて配置された一対のサイドフレームを有し、
前記掘取具及び前記無端回転体は、前記一対のサイドフレームの間に配置され、
前記調整部材は、前記サイドフレームの前記機幅方向の外方側に配置され、
前記連結部材は、前記サイドフレームの前記機幅方向の内方側に配置され、
前記支軸は、前記サイドフレームに形成された前記調整方向に長い長穴を貫通し且つ前記長穴内を移動可能である請求項4に記載の掘取機。
【請求項6】
前記調整機構は、前記サイドフレームに対して前記調整部材及び前記連結部材を前記調整方向に案内するガイド軸であって、前記調整部材と前記連結部材とを貫通して前記調整部材及び前記連結部材と前記調整方向に一体的に移動可能であると共に、前記サイドフレームに形成された前記調整方向に長いガイド穴を貫通し且つ前記ガイド穴内を前記調整方向に移動可能であるガイド軸を有している請求項5に記載の掘取機。
【請求項7】
前記調整機構は、前記調整部材を、前記調整方向に移動調整し且つ調整した位置で固定する操作機構を有している請求項3~6のいずれか1項に記載の掘取機。
【請求項8】
前記操作機構は、前記サイドフレームの前記機幅方向の外方側に設けられている請求項5または6を引用する請求項7に記載の掘取機。
【請求項9】
前記掘取具が取り付けられる取付部材であって、前記掘取具の水平に対する角度を調整可能に前記連結部材に取り付けられた取付部材を備えている請求項3~8のいずれか1項に記載の掘取機。
【請求項10】
前記調整機構は、前記機枠の機幅方向の一側部に設けられた第1調整機構と、前記機枠
の機幅方向の他側部に設けられた第2調整機構とを含む請求項1~9のいずれか1項に記載の掘取機。
【請求項11】
前記第1調整機構の前記連結部材と前記第2調整機構の前記連結部材とを連結する連結バーを備えている請求項3~9を引用する請求項10に記載の掘取機。
【請求項12】
前記駆動輪は、前記機枠の後部に配置され、
前記従動輪は、前記機枠の前部且つ前記掘取具の後方に配置され、
前記無端回転体は、当該無端回転体の回走方向に間隔をあけて平行に並べてループ状に配置されると共に前記駆動輪から動力が伝達される多数の搬送杆と、前記多数の搬送杆同士を相互に連結すると共に前記従動輪に巻き掛けられる弾性材で形成された無端ベルトとを有する請求項2~9、11のいずれか1項に記載の掘取機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掘取機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示された掘取機が知られている。
特許文献1に開示された掘取機は、機枠の前部に掘取具が設けられ、機枠が前方移動することで圃場に栽培された作物を掘取具によって掘り取る。掘取具によって掘り取られた作物は、掘取具の後方に設けられた無端回転体によって後方に搬送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-185846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、掘取具と無端回転体とは、掘り取った作物が掘取具から無端回転体にスムーズに移動するように適切な間隔に設定される。
しかしながら、無端回転体の張りを調整するようにした場合、掘取具と無端回転体との間隔が変わってしまう場合がある。
本発明は、前記問題点に鑑み、無端回転体の張りの調整によって掘取具と無端回転体との間隔が変わらないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る掘取機は、機枠と、前記機枠の前部に設けられ、前記機枠が前方移動することで圃場に栽培された作物を掘り取る掘取具と、前記掘取具の後方に設けられ前記掘取具によって掘り取られた作物を搬送する無端回転体と、前記無端回転体の張りを調整可能で且つ、前記無端回転体の張りの調整に連動して前記掘取具の位置を変更可能な調整機構と、を備えている。
【0006】
また、前記無端回転体を回転させる駆動輪及び前記無端回転体の回転に従動する従動輪を有し、前記調整機構は、前記駆動輪と前記従動輪の中心間距離の調整と共に、前記掘取具の位置を変更する。
また、前記調整機構は、前記従動輪を前記駆動輪に対して前記駆動輪の中心と前記従動輪の中心とを結ぶ方向である調整方向に移動させることで前記無端回転体の張りを調整する調整部材と、前記調整部材と前記掘取具とに連結された連結部材とを有している。
【0007】
また、前記調整機構は、前記従動輪を支持する支軸であって、前記調整部材と前記連結部材とを貫通して前記調整部材及び前記連結部材と前記調整方向に一体的に移動する支軸を有している。
また、前記機枠は、当該機枠の幅方向である機幅方向で間隔を隔てて配置された一対のサイドフレームを有し、前記掘取具及び前記無端回転体は、前記一対のサイドフレームの間に配置され、前記調整部材は、前記サイドフレームの前記機幅方向の外方側に配置され、前記連結部材は、前記サイドフレームの前記機幅方向の内方側に配置され、前記支軸は、前記サイドフレームに形成された前記調整方向に長い長穴を貫通し且つ前記長穴内を移動可能である。
【0008】
また、前記調整機構は、前記サイドフレームに対して前記調整部材及び前記連結部材を前記調整方向に案内するガイド軸であって、前記調整部材と前記連結部材とを貫通して前記調整部材及び前記連結部材と前記調整方向に一体的に移動可能であると共に、前記サイドフレームに形成された前記調整方向に長いガイド穴を貫通し且つ前記ガイド穴内を前記調整方向に移動可能であるガイド軸を有している。
【0009】
また、前記調整機構は、前記調整部材を、前記調整方向に移動調整し且つ調整した位置で固定する操作機構を有している。
また、前記操作機構は、前記サイドフレームの前記機幅方向の外方側に設けられている。
また、前記掘取具が取り付けられる取付部材であって、前記掘取具の水平に対する角度を調整可能に前記連結部材に取り付けられた取付部材を備えている。
【0010】
また、前記調整機構は、前記機枠の機幅方向の一側部に設けられた第1調整機構と、前記機枠の機幅方向の他側部に設けられた第2調整機構とを含む。
また、前記第1調整機構の前記連結部材と前記第2調整機構の前記連結部材とを連結する連結バーを備えている。
また、前記駆動輪は、前記機枠の後部に配置され、前記従動輪は、前記機枠の前部且つ前記掘取具の後方に配置され、前記無端回転体は、当該無端回転体の回走方向に間隔をあけて平行に並べてループ状に配置されると共に前記駆動輪から動力が伝達される多数の搬送杆と、前記多数の搬送杆同士を相互に連結すると共に前記従動輪に巻き掛けられる弾性材で形成された無端ベルトとを有する。
【発明の効果】
【0011】
上記の掘取機によれば、無端回転体の張りを調整した際に、無端回転体の張りの調整に連動して掘取具の位置も変更されるので、掘取具と無端回転体との間隔を一定に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】対地作業機の側面図である。
図2】掘取機の平面図である。
図3】機枠の側面図である。
図4】機枠の平面図である。
図5】動力伝達装置の平面図である。
図6】掘取機の動力伝達系を示す側面図である。
図7】無端回走体の平面図である。
図8】無端回走体の一部の拡大平面図である。
図9】無端回走体の側面図である。
図10】無端回走体の一部の拡大側面図である。
図11】調整機構等を示す平面図である。
図12A】調整機構の側面図である。
図12B】調整機構の平面図である。
図13】調整機構の平面断面図である。
図14】作物を案内する機構の側面図である。
図15】作物を案内する機構の平面図である。
図16】作物を案内する機構の平面図である。
図17】弾性ガイド板と溝形成部材との関係を示す背面図である。
図18】溝形成部材、装着装置及び整地装置の側面図である。
図19】溝形成部材及び装着装置の平面図である。
図20】作物と溝形成部材との関係を示す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
図1は、対地作業機1の全体構成を示す概略側面図を示している。対地作業機1は、走行車両(走行体)として例示するトラクタ2と、トラクタ2の後方に昇降リンク機構3を介して装着された掘取機4とを有している。
本実施形態においては、図1に矢印A1方向で示す方向(トラクタ2の前進方向)を前方といい、矢印A2で示す方向(トラクタ2の後進方向)を後方といい、矢印A3で示す方向を前後方向として説明する。
【0014】
また、前後方向A3に直交する方向である水平方向(左右方向)を機幅方向K1(図2参照)として説明する。機幅方向K1は、掘取機4(機枠17)の幅方向である。対地作業機1(掘取機4)の幅方向の中央部から右部、或いは、左部へ向かう方向を機幅方向K1の外方(機幅方向K1外方)として説明する。つまり、機幅方向K1外方は、対地作業機1(掘取機4)の幅方向の中心から機幅方向K1に離れる方向である。機幅方向K1外
方とは反対の方向を、機幅方向K1の内方(機幅方向K1内方)として説明する。つまり、機幅方向K1内方は、機幅方向K1において対地作業機1(掘取機4)の幅方向の中心に近づく方向である。
【0015】
図1に示すように、トラクタ2は、左及び右の前輪(図示省略)並びに左及び右の後輪5によって走行可能に支持された車体9を有している。車体9の後部には、オペレータ(運転者)が座るための運転席30が備えられている。また、車体9の後部には、油圧装置6が搭載されている。油圧装置6の左側面及び右側面にリフトアーム7が設けられている。リフトアーム7は、機幅方向K1に延伸する軸心回りに回動可能であり、油圧装置6の油圧力によって駆動されて上方に揺動する。油圧装置6の油圧力を解除すると、リフトアーム7は下方に揺動する。油圧装置6の背面には、トップリンクブラケット8が設けられている。車体9の背面には、回転動力を取り出す動力取出し軸であるPTO軸10が設けられている。
【0016】
図1に示すように、昇降リンク機構3は、本実施形態では、三点リンク機構で構成されている。三点リンク機構3は、一本のトップリンク11と、トップリンク11の下方に機幅方向K1に間隔をあけて並べて配置された一対のロワーリンク12とを有している。トップリンク11は、前部がトップリンクブラケット8に機幅方向K1に延伸する軸心回りに回動可能に連結(枢支)されている。ロワーリンク12は、前部が車体9の側面に機幅方向K1に延伸する軸心回りに回動可能に連結(枢支)されている。ロワーリンク12は、中途部がリフトアーム7の後部に、リフトロッド13によって連結されている。
【0017】
トップリンク11の後部とロワーリンク12の後部とは、掘取機4に機幅方向K1に延伸する軸心回りに回動可能に連結されている。したがって、掘取機4は、トラクタ2の後方に昇降リンク機構3を介して昇降可能に連結され、油圧装置6によって昇降される。詳しくは、リフトロッド13が上方に揺動するとトップリンク11及びロワーリンク12が上方移動して掘取機4が上昇し、リフトロッド13が下方に揺動するとトップリンク11及びロワーリンク12が下方移動して掘取機4が下降する。なお、掘取機4の上下方向の停止位置は、油圧装置6によって位置調節することができる。
【0018】
掘取機4は、図6に示すように、圃場14(畝15)に栽培された作物16(例えば、玉ねぎ)を掘取具20によって掘り取ると共に掘り取った作物16を搬送体25によって後方(後上方)に搬送する作業機(玉ねぎディガー)である。
図1図2図3図4に示すように、掘取機4は、機枠17を有している。機枠17は、三点リンク機構3に連結される装着フレーム21と、装着フレーム21に固定された伝動ケース22と、伝動ケース22の左方と右方とに(機幅方向K1の両側に)設けられた一対のサポートアーム23と、伝動ケース22及び一対のサポートアーム23を挟むように機幅方向K1で間隔を隔てて配置された一対のサイドフレーム18と、一対のサイドフレーム18の後部同士を連結する連結フレーム19とを有している。
【0019】
装着フレーム21は、伝動ケース22の左面と右面とにボルト固定された一対の固定プレート26と、一対の固定プレート26の間から前方に向かうにつれて上方に移行する傾斜方向に延びる上部フレーム27と、一対のサポートアーム23の各々から前方に延びる一対の下部フレーム28と、上部フレーム27と一方(左)の下部フレーム28とを連結する第1連結プレート29Lと、上部フレーム27と他方(右)の下部フレーム28とを連結する第2連結プレート29Rと、一対の下部フレーム28同士を連結する連結体32とを有している。
【0020】
伝動ケース22は、機枠17の幅方向(機幅方向K1)の中央部に配置されている。伝動ケース22には、入力軸24が前方突出状に設けられている。入力軸24は、トラクタ2のPTO軸10にジョイント軸(ユニバーサルジョイント)を介して連結される。PTO軸10からの動力は、入力軸24を介して伝動ケース22内に取り入れられる。
一方のサポートアーム23(第1サポートアーム23Lという)は、伝動ケース22から左方に延びる。詳しくは、第1サポートアーム23Lは、機幅方向K1の軸心を有するパイプ材(筒部材)によって形成され、伝動ケース22と左のサイドフレーム18の上部との間に配置され、右端側が左の固定プレート26に固定され、左端側が左のサイドフレ
ーム18の上部に連結されている。
【0021】
他方のサポートアーム23(第2サポートアーム23Rという)は、伝動ケース22から右方に延びる。詳しくは、第2サポートアーム23Rは、機幅方向K1の軸心を有するパイプ材(筒部材)によって形成され、伝動ケース22と右のサイドフレーム18の上部との間に配置され、左端側が右の固定プレート26に固定され、右端側が右のサイドフレーム18の上部に連結されている。
【0022】
図1に示すように、上部フレーム27の前上部は、姿勢調整機構33を介してトップリンク11の後部に連結されている。なお、トップリンク11は、上部フレーム27の前上部に直接連結されていてもよい。
各下部フレーム28は、サポートアーム23に固定された第1部材28Aと、第1部材28Aに後部が連結された第2部材28Bとを有し、第2部材28Bの前部に機幅方向K1で対応するロワーリンク12の後部が連結されている。
【0023】
姿勢調整機構33は、掘取機4の作業時の姿勢を、図1に示す、通常の掘り取り作業を行うときの通常作業姿勢(通常作業時の作業姿勢)と、掘取具20の状態が通常作業姿勢における状態よりも前下がり傾斜状態である前下がり作業姿勢(通常作業姿勢から掘取機4全体が前下がりに傾斜した作業姿勢)とに姿勢変更する。前下がり作業姿勢は、通常作業姿勢では掘取具20の土への入り込み深さが浅くなる場合に、掘取具20を土に深く入り込ませることのできる作業姿勢である。例えば、畝15の長手方向の端部側には段差があって、トラクタ2が畝15に入るときに、トラクタ2が前記段差を踏んだときに、掘取具20の土への入り込み深さが浅くなる場合に、掘取機4が畝15に入る前に、掘取機4を前下がり作業姿勢にしておき、掘取機4が畝15に入って所定距離(例えば、2~3m)進むと、掘取機4を前下がり作業姿勢を解除して、通常作業姿勢に姿勢変更し、その後、通常作業姿勢で畝15の大部分の作物16を掘り取る。
【0024】
前下がり作業姿勢の解除操作は、オペレータが運転席30から索体110を引動して操作することにより行うことができる。
一対のサイドフレーム18のうち一方(左)のサイドフレーム18を第1サイドフレーム18Lといい、他方(右)のサイドフレーム18を第2サイドフレーム18Rという。
図3に示すように、各サイドフレーム18は、第1フレーム部材34と、第2フレーム部材35とを有している。第1フレーム部材34及び第2フレーム部材35は、板材によって形成されている。第1フレーム部材34及び第2フレーム部材35は、板面が機幅方向K1を向くように配置されている。
【0025】
第1フレーム部材34は、サポートアーム23の伝動ケース22とは反対側の端部から下方に延びるように設けられている。第1フレーム部材34の下部は、上部よりも前後幅が長く形成され、当該第1フレーム部材34の下部における後部はサポートアーム23の端部の下方に位置し、当該第1フレーム部材34の下部における前部は、側面視において上部フレーム27及び下部フレーム28の前部の下方側に位置するように延びている。
【0026】
図3図4に示すように、第2フレーム部材35は、前部が第1フレーム部材34の下部の後部に連結されている。したがって、第1フレーム部材34は、第2フレーム部材35の前部から上方に突出しており、また、第2フレーム部材35は、第1フレーム部材34の下部から後方に突出している。第2フレーム部材35の前部は、第1フレーム部材34の機幅方向K1の外方側の面に重ね合わされて該第1フレーム部材34に連結されている。
【0027】
図3に示すように、各サイドフレーム18の下端側には、下方から上方に向けて切り欠かれた切欠き部36が設けられている。詳しくは、切欠き部36は、第1切欠き部36Aと、第2切欠き部36Bとを含む。第1切欠き部36Aは、第1フレーム部材34の下端側の前部に形成されている。第2切欠き部36Bは、第2フレーム部材35の下端側の前部及び第1フレーム部材34の下端側の後部に形成されている。図6に示すように、第1切欠き部36Aは、掘取具20の側方に対応しており、第2切欠き部36Bは、搬送体25の前部の下部側に対応している。切欠き部36によって、第1サイドフレーム18Lと第2サイドフレーム18Rとの間から、石や土等を第1サイドフレーム18Lと第2サイドフレーム18Rの機幅方向K1の外方に逃がすことができる。
【0028】
図3図4に示すように、連結フレーム19は、機幅方向K1に長い架設部材37と、架設部材37の長手方向(機幅方向K1)の一端と他端とに固定された一対のプレート部材38と、架設部材37の後方に配置された支持ブラケット39とを有している。架設部材37は、第1サイドフレーム18Lの第2フレーム部材35の後部と第2サイドフレーム18Rの第2フレーム部材35の後部とにわたるように配置されている。一方(左)のプレート部材38は、第1サイドフレーム18Lの第2フレーム部材35の機幅方向K1の内方側の面に取り付けられ、他方(右)のプレート部材38は、第2サイドフレーム18Rの第2フレーム部材35の機幅方向K1の内方側の面に取り付けられている。支持ブラケット39は、架設部材37の後方で一対のプレート部材38の間に設けられている。
【0029】
図2図4に示すように、掘取具20は、機枠17の前部に設けられている。また、掘取具20は、第1サイドフレーム18Lと第2サイドフレーム18Rの間に配置されている。また、掘取具20は、図6図14に示すように、第1切欠き部36Aに対応する位置に配置されている。
図4図12Aに示すように、掘取具20は、板材によって形成されている。詳しくは、掘取具20は、板面が上下方向を向くように配置されて、機枠17の前部に取付部材41を介して取り付けられている。機枠17は、トラクタ2が前進することで該トラクタ2によって牽引されることにより前方移動する。図6に示すように、機枠17が前方移動することで、掘取具20は、畝15の上部を前方に移動しながら畝15に栽培された作物16(玉ねぎ等)の根16aを切断しながら該作物16を掘り取る。
【0030】
図4に示すように、掘取具20は、前部の本体部20Aと、後部の誘導部20Bとを有している。本体部20A(掘取具20)の前縁部20aは、機幅方向K1の両端部側から機幅方向K1の中央部に向かうにつれて後方に移行する傾斜状に形成されている。掘取具20が前方に移動することにより、傾斜状の前縁部20aが作物16の根16aにスライドするように当たり、根16aの切断を良好に行える。
【0031】
図12Aに示すように、誘導部20Bは、本体部20Aに対して若干上方に屈曲されている。詳しくは、誘導部20Bは、本体部20Aの後端から後方に向かうにつれて上方に移行する傾斜方向に延びている。掘取具20の後部を前部に対して上方に屈曲することで、掘り取った作物16を搬送体25の上面に向けて誘導する誘導面(誘導部20Bの上面)を形成している。
【0032】
図4に示すように、誘導部20Bは、誘導面に土が滞留しないよう、前後方向に長手の切り欠きを機幅方向K1に間隔をあけて有するすのこ状に形成されている。なお、誘導部20Bは、すのこ状に限定されることはなく、平板状であってもよい。
図4に示すように、取付部材41は、機幅方向K1に間隔をあけて配置された一対のプレート42と、架設バー43とを有している。左のプレート42は、第1サイドフレーム18Lの機幅方向K1の内方側に配置され、右のプレート42は、第2サイドフレーム18Rの機幅方向K1の内方側に配置されている。
【0033】
図12Aに示すように、プレート42は、第1切欠き部36Aに対応する位置に配置されている。図11図12Aに示すように、プレート42は、後述する調整機構70の連結部材74に一対の固定具46によって取り付けられている。
架設バー43は、一対のプレート42の間に、左のプレート42と右のプレート42とにわたって配置されている。架設バー43の長手方向(機幅方向K1)の一端は左のプレート42に固定され、他端は右のプレート42に固定されている。図12Aに示すように、架設バー43上に掘取具20の本体部20Aの後部が重ね合わされている。本体部20Aは機幅方向K1に間隔をあけて設けられた複数のネジ部材44によって架設バー43に取り付けられている。
【0034】
図13に示すように、プレート42を連結部材74に取り付ける一対の固定具46は、前後方向A3に離間して配置されている。各固定具46は、ネジ部材46A及びナット部材46Bによって構成されている。図12Aに示すように、プレート42に形成されたネジ挿通孔47であって、前側の固定具46のネジ部材46Aを挿通するネジ挿通孔47は
、後側の固定具46のネジ部材46Aを中心とする円弧状に形成されている。したがって、前後の固定具46を緩めることにより、掘取具20がプレート42と共に上下方向に揺動可能とされる(図12Aの実線及び2点鎖線を参照)。固定具46を締め付けることで、連結部材74に対するプレート42の揺動が固定され、固定具46を緩めることで、連結部材74に対するプレート42の揺動が許容される。これにより、掘取具20の水平に対する角度を調整可能となる。つまり、取付部材41は、掘取具20の水平に対する角度を調整可能に連結部材74に取り付けられている。
【0035】
図6に示すように、搬送体25は、掘取具20の後方に配置されている。詳しくは、搬送体25は、掘取具20の後方で且つ第1サイドフレーム18Lと第2サイドフレーム18Rとの間に設けられている。また、搬送体25は、後方に向かうにつれて上方に移行する傾斜状に設けられている。したがって、搬送体25は、掘取具20で掘り取られた作物16を後上方に搬送すると共に、該作物16を後端側25aで畝15(圃場14)の上面15aに落下させる。畝15の上面15aに落下した作物16は、別途作業されるピッカー等によって拾い上げる。
【0036】
図5図6に示すように、搬送体25には、入力軸24に伝達された動力が動力伝達装置48を介して伝達される。動力伝達装置48は、第2サポートアーム23R内に収容された伝動軸49と、入力軸24から伝動軸49に動力を伝達するギヤ機構(ベベルギヤ機構)50と、伝動軸49から搬送体25の駆動軸51に動力を伝達する伝動機構(ベルト巻掛け伝動機構)52とを有している。
【0037】
図6に示すように、搬送体25は、駆動軸51と、駆動輪53と、従動輪54と、無端回走体(無端回転体)55とを含む。
図5に示すように、駆動軸51は、機枠17の後部に配置されている。詳しくは、駆動軸51は、第2フレーム部材35の後部における上下方向の中途部において、左の第2フレーム部材35から右の第2フレーム部材35にわたって配置されている。駆動軸51の端部側は、第2フレーム部材35に軸受け56を介して機幅方向K1に延伸する軸心回りに回転自在に支持されている。
【0038】
駆動輪53は、機枠17の後部に配置され、左の第2フレーム部材35と右の第2フレーム部材35との間で、駆動軸51の左部と右部とに設けられている。各駆動輪53は、駆動軸51に固定された取付板57にボルト等によって固定されている。したがって、駆動輪53は、駆動軸51と一体的に回転する。
図6に示すように、本実施形態にあっては、駆動輪53は、当該駆動輪53の周方向に間隔をあけて且つ全周にわたって配置された複数の歯部53aを有するスプロケットで構成されている。
【0039】
図6に示すように、従動輪54は、機枠17(第2フレーム部材35)の前部且つ掘取具20の後方に配置されている。図5に示すように、従動輪54は、左の第2フレーム部材35の前部の機幅方向K1の内方側と、右の第2フレーム部材35の前部の機幅方向K1の内方側とに設けられている。つまり、従動輪54は、一対(複数)有している。
図13に示すように、各従動輪54は、機枠17に取り付けられる支軸58に機幅方向K1に延伸する軸心回りに回転自在に支持される。
【0040】
図9に示すように、無端回走体55は、駆動輪53と従動輪54とにわたって巻き掛けられていて駆動輪53から動力が伝達されて周方向(図9の矢印59方向)に循環回走する。図7図9に示すように、無端回走体55は、多数の搬送杆61と、複数の無端ベルト62とを有する。
図7図9に示すように、多数の搬送杆61は、無端回走体55の回走方向(図9の矢印59方向)に等間隔をあけて平行に並べてループ状に配置されている。各搬送杆61は、機幅方向K1に延伸するパイプ材によって形成され、且つパイプ材を押しつぶして形成された扁平部63をパイプ材の長手方向(機幅方向K1)の両端側及び中央部に有して構成されている。
【0041】
図9に示すように、無端ベルト62は、ゴム等の弾性材によって帯状に形成された弾性ベルトを環状にすると共に、該弾性ベルトの両端部を重ね合わせて接合して無端状に形成
されている。
図7に示すように、複数の無端ベルト62は、多数の搬送杆61の長手方向の一端部(左部)に配置された第1無端ベルト62Aと、他端部(右部)に配置された第2無端ベルト62Bと、中央部に配置された第3無端ベルト62Cとを含む。第1無端ベルト62Aは、多数の搬送杆61の左部の扁平部63を囲むように設けられ、第2無端ベルト62Bは、多数の搬送杆61の右部の扁平部63を囲むように設けられ、第3無端ベルト62Cは、多数の搬送杆61の中央部の扁平部63を囲むように設けられている。
【0042】
図10に示すように、各無端ベルト62は、扁平部63に、固定具64によって連結されている。固定具64は、無端ベルト62を貫通するボルト部材64Aと、ボルト部材64Aに螺合された(ねじ込まれた)ナット部材64Bとを含む。
図7に示すように、第1無端ベルト62Aと第2無端ベルト62Bとは、従動輪54に巻き掛けられている。したがって、従動輪54は、無端回走体55の回転に従動する。
【0043】
図13に示すように、従動輪54の機幅方向K1の外方側部位には、フランジ部54bが設けられている。フランジ部54bによって無端回走体55の機幅方向K1の移動規制を行うことができる。
図7に示すように、駆動輪53は、第1無端ベルト62A及び第2無端ベルト62Bの機幅方向K1の内方側に配置されている。図9に示すように、駆動輪53は、搬送杆61の円筒部分に噛み合っている。これにより、駆動輪53から無端回走体55に動力が伝達される。そして、駆動輪53が図9の矢印60方向に回転することにより、無端回走体55が図9の矢印59で示す回走方向に循環回走し、作物16を後上方に搬送する。
【0044】
図7に示すように、多数の搬送杆61は回走方向59に等間隔(等ピッチ)で配置されている。図9図10に示すように、無端ベルト62は、帯板材の端部同士を重ね合わせて接合されているので、重ね合わせ部分66で段差がある。そのため、従来、無端ベルト62の重ね合わせ部分66に留められた搬送杆61Aがスプロケット(駆動輪53)に噛み合うときにスプロケット(駆動輪53)の歯部53aに強接触して、該搬送杆61Aに摩耗が生じるという問題があった。
【0045】
この問題は、スプロケット(駆動輪53)が搬送杆61に噛み合うときに、段差部分67で隣接する搬送杆61A、61Bの距離(ピッチ)が変わるために生じる。言い換えると、段差部分67で隣接する搬送杆61A、61Bの軌道が異なるために生じる。
そこで、本実施形態では、駆動輪53の歯部53aの周方向の面53bの歯先側部分のR形状を、段差部分67で隣接する搬送杆61A、61Bのうちの重ね合わせ部分66に留められた搬送杆61Aの軌道に合わせたR形状に形成し、段差部分67で隣接する搬送杆61A、61Bの距離のズレ分を吸収して摩耗低減を図っている。
【0046】
図7に示すように、搬送体25は、複数のガイド輪68A、68Bを有している。図5に示すように、複数のガイド輪68A、68Bのうちのガイド輪68Aは、第2フレーム部材35に取り付けられた支軸69に回転自在に支持されている。また、図9に示すように、ガイド輪68Aは、無端ベルト62(第1無端ベルト62A及び第2無端ベルト62B)の上部及び下部の下方側に配置されている。図7に示すように、他のガイド輪68Bは、第3無端ベルト62Cの前部の側方に配置されている。
【0047】
図11に示すように、掘取機4は、機枠17の前部に無端回走体(無端回転体)55の張りを調整する調整機構70を装備している。該調整機構70は、無端回走体55の張りを調整可能で且つ、無端回走体55の張りの調整に連動して掘取具20の位置を変更可能な機構である。したがって、無端回走体55の張りを調整しても、無端回走体55の張りの調整に連動して掘取具20の位置も変更されるので、掘取具20と搬送体25との間隔を一定に保つことができる。つまり、掘取具20と搬送体25とは、掘り取った作物16が掘取具20から搬送体25にスムーズに移動するように適切な間隔に設定されるが、この間隔を変えずに無端回走体55の張りの調整を行うことができる。
【0048】
無端回走体55(無端ベルト62)の張りの調整は、本実施形態では、図9に示す、駆動輪53と従動輪54との中心間距離71を調整することで行う。具体的には、駆動輪53の中心(回転軸心)53cと従動輪54の中心(回転軸心)54aとを結ぶ方向である調整方向72に従動輪54を移動させることにより、無端回走体55(無端ベルト62)の張りの調整を行うことができる。
【0049】
図11に示すように、調整機構70は、機枠17の左(第1サイドフレーム18L)に設けられた第1調整機構70Lと、機枠17の右(第2サイドフレーム18R)に設けられた第2調整機構70Rとを含む。
図12A図13に示すように、調整機構70は、調整部材73と、連結部材74と、支軸58と、ガイド軸75と、操作機構76とを有している。
【0050】
調整部材73は、従動輪54を調整方向72に移動させることで無端回走体55の張りを調整する部材である。詳しくは、調整部材73は、板材によって形成され、サイドフレーム18の機幅方向K1の外方側に配置されている。調整部材73は、主板部73aと、延出片73bとを有している。主板部73aは、一方向に長い帯板状に形成され、板面が機幅方向K1を向くように且つ長手方向が調整方向72に沿うように(一致するように)配置されている。また、主板部73aは、第1フレーム部材34の下部の後部(第2フレーム部材35の前部且つ下部)に配置されている。また、主板部73aは、第2フレーム部材35(サイドフレーム18)の機幅方向K1の外方側の面に当接して配置されている。延出片73bは、主板部73aの後端から機幅方向K1の外方に延出している。
【0051】
図3図12A図13に示すように、サイドフレーム18には、主板部73aが対応する部分に、サイドフレーム18(第1フレーム部材34及び第2フレーム部材35)を貫通する長穴77及びガイド穴78が形成されている。長穴77及びガイド穴78は調整方向72に長い穴であって、調整方向72に並べて形成されている。長穴77の後方にガイド穴78が形成されている。
【0052】
図12A図13に示すように、連結部材74は、調整部材73と掘取具20とに連結されている。言い換えると、連結部材74は、調整部材73と掘取具20とを連結する部材である。連結部材74は、板材によって形成され、サイドフレーム18の機幅方向K1の内方側に配置されている。詳しくは、連結部材74は、一方向に長い帯板状に形成され、板面が機幅方向K1を向くように且つ長手方向が調整方向72に沿うように配置されている。また、連結部材74は、後部が調整部材73の主板部73aに対応し、前部が主板部73aよりも前方側に突出している。連結部材74の前部に、掘取具20が取り付けられる取付部材41のプレート42が取り付けられている。これにより、連結部材74が取付部材41を介して掘取具20に連結されている。
【0053】
図4に示すように、左(第1調整機構70L)の連結部材74と右(第2調整機構70R)の連結部材74とは、連結バー79によって連結されている。ガイド輪78Bは、連結バー79に固定されたブラケット(図示省略)に機幅方向K1の軸心回りに回転自在に支持されている。
連結バー79は、図3に示すように、円筒状のパイプ材(丸パイプ)によって形成されている。連結バー79は、四角筒状のパイプ材(角パイプ)によって形成されてもよい。なお、丸パイプの方が、連結バー79と搬送杆61との間に石が挟まれにくいという点では好ましい。
【0054】
図13に示すように、支軸58は、機幅方向K1に延伸する軸心を有し、機幅方向K1の内方側部分で従動輪54を図示省略のベアリングを介して軸心回りに回転自在に支持している。支軸58の機幅方向K1の外方側部分は、従動輪54から機幅方向K1の外方に突出し、連結部材74、サイドフレーム18(第1フレーム部材34及び第2フレーム部材35)及び調整部材73を貫通している。詳しくは、支軸58は、調整部材73と連結部材74とを貫通することで調整部材73及び連結部材74と調整方向72に一体的に移動する。また、支軸58は、長穴77を貫通し且つ該長穴77内を調整方向72に移動可能である。これにより、調整部材73と一緒に、連結部材74及び従動輪54が調整方向72に移動するように、調整部材73、連結部材74及び従動輪54が支軸58を介してサイドフレーム18に支持されている。
【0055】
図13に示すように、支軸58は、機幅方向K1の外方側に雄ネジ58aを有している。雄ネジ58aは、調整部材73から機幅方向K1の外方に突出しており、この突出部分の雄ネジ58aにナット部材80が螺合されている。また、支軸58は、連結部材74の機幅方向K1の内方側の面に当接する鍔部58bを有している。ナット部材80と鍔部58bとでサイドフレーム18、調整部材73及び連結部材74を挟むことにより、支軸58の軸心方向(機幅方向K1)の移動が規制される。
【0056】
なお、ナット部材80は、例えば、調整部材73が動く程度に締め付けられる。ナット部材80を締め込むことにより、支軸58をサイドフレーム18に対して固定することもできる。
ガイド軸75は、サイドフレーム18に対して調整部材73と連結部材74とを調整方向72に案内する部材である。
【0057】
図13に示すように、ガイド軸75は、連結部材74の機幅方向K1の内方側から、連結部材74、ガイド穴78及び調整部材73を貫通している。ガイド軸75は、ボルト部材によって形成され、頭部75aが連結部材74の機幅方向K1の内方側の面に当接している。また、ガイド軸75は、調整部材73及び連結部材74と共に調整方向72に一体的に移動可能で且つガイド穴78内を調整方向72に移動可能である。ガイド軸75は、調整部材73から機幅方向K1の外方に突出しており、この突出部分にナット部材81が螺合されている。このナット部材81によって、ガイド軸75の抜け止めが図られている。また、ガイド軸75は、ガイド穴78内に配置されたカラー82を挿通している。カラー82はガイド軸75の軸心回りに回転自在である。
【0058】
なお、ナット部材81は、例えば、調整部材73が動く程度に締め付けられる。ナット部材81を締め込むことにより、ガイド軸75をサイドフレーム18に対して固定することもできる。
上記支軸58、ナット部材80、ガイド軸75及びナット部材81等によって、連結部材74が調整部材73に連結されている。
【0059】
操作機構76は、調整部材73を、調整方向72に移動調整し且つ調整した位置で固定する機構である。
図12A図12Bに示すように、操作機構76は、サイドフレーム18(第2フレーム部材35)の機幅方向K1の外方側に設けられている。操作機構76は、ステー部材83と、操作ボルト84と、複数のナット部材85(第1ナット部材85A、第2ナット部材85B、第3ナット部材85C)とを含む。
【0060】
ステー部材83は、調整部材73の調整方向72の後方に間隔をあけて配置されている。ステー部材83は、板材によって形成され、第1部位83aと、第2部位83bとを有している。第1部位83aは、板面が機幅方向K1を向くようにして調整方向72に沿って配置されている。また、第1部位83aは、第2フレーム部材35(サイドフレーム18)の機幅方向K1の外方側の面に溶接等によって固定されている。第2部位83bは、第1部位83aの前端から機幅方向K1の外方に延出していて、調整部材73の延出片73bと調整方向72で対向している。
【0061】
操作ボルト84は、頭部84aが延出片73bの前面に当接し、軸部84bが延出片73bと第2部位83bとを貫通している。
図12A図12Bに示すように、複数のナット部材85は、操作ボルト84の軸部84bに螺合している。詳しくは、第1ナット部材85Aは、ステー部材83の第2部位83bの前面に当接している。第2ナット部材85Bは、第2部位83bの後面に当接している。第3ナット部材85Cは、延出片73bの後面に当接している。第1ナット部材85Aと第2ナット部材85Bとで第2部位83bを挟み込み、操作ボルト84の頭部84aと第3ナット部材85Cとで延出片73bを挟み込むことで調整部材73がサイドフレーム18に対して調整方向72に移動不能に固定される。
【0062】
上記の調整機構70にあっては、操作機構76によって調整部材73を調整方向72に移動調整することにより、無端回走体55(無端ベルト62)の張りの調整が行えると共に無端回走体55の張りの調整に連動して掘取具20の位置が調整される。
操作機構76は、例えば、第2ナット部材85Bを緩め、第1ナット部材85Aに対して操作ボルト84をねじの緩み方向に回転させる(螺退させる)と共に第3ナット部材8
5Cをねじ込むことにより、調整部材73を前方(無端回走体55の張り方向)に移動させることができる。調整部材73が前方に移動することで、調整部材73と共に従動輪54も前方に移動して無端回走体55の張りが強まる。また、調整部材73が前方に移動することで、調整部材73と共に連結部材74及び掘取具20も前方に移動する。
【0063】
また、例えば、第2ナット部材85B及び第3ナット部材85Cを緩め、第1ナット部材85Aに対して操作ボルト84をねじ込み方向に回転させる(螺進させる)ことにより、調整部材73を後方(無端回走体55の緩み方向)に移動させることができる。調整部材73が後方に移動することで、調整部材73と共に従動輪54も後方に移動して無端回走体55の張りが緩む。また、調整部材73が後方に移動することで、調整部材73と共に連結部材74及び掘取具20も後方に移動する。
【0064】
なお、操作機構76の操作方法は、上記した方法に限定されることはない。
また、本実施形態では、「無端回走体55の張りの調整は、駆動輪53と従動輪54との中心間距離71を調整することで行う」としたが、これに限定されることはなく、例えば、無端回走体55が、一方向に離間する一対の従動輪54を有し且つ駆動輪53が一対の従動輪54の間にある構成であるものにあっては、一対の従動輪54の中心間距離を調整することで無端回走体55の張りの調整を行う。具体的には、掘取具20に近い側の従動輪54を掘取具20から遠い側の従動輪54に対して移動させて無端回走体(無端回転体)55の張りを調整する。要するに、無端回走体(無端回転体)55の張り調整は、掘取具20の後方に位置する従動輪54を移動させることにより行うことができるようにすればよい。さらに言えば、無端回走体55の張りを調整するに際して、無端回走体55の掘取具20側が掘取具20側及び反対側に移動すると共に該移動に連動して掘取具20の位置も変更されるようになっていればよい。
【0065】
図2に示すように、機枠17の前部には、掘取具20の機幅方向K1の一側部側(左部)及び他側部側(右部)に配置された一対の側板86が設けられている。詳しくは、一対の側板86は、掘取具20の左部に配置された第1側板86Lと、掘取具20の右部に配置された第2側板86Rである。第1側板86L及び第2側板86Rによって、掘取具20で掘り取られる作物16が機幅方向K1の外方に逃げるのを規制することができると共に作物16を掘取具20から搬送体25に案内することができる。
【0066】
図6図14に示すように、側板86は、掘取具20よりも上方に配置されている。図15に示すように、側板86は、板面が機幅方向K1を向くように配置され、サイドフレーム18の第1フレーム部材34に複数の取付具87を介して機幅方向K1に位置調整可能に取り付けられている。
図14図15に示すように、複数の取付具87は、上下一対の第1取付具87Aと、上側の第1取付具87Aの後方に設けられた第2取付具87Bとを含む。
【0067】
取付具87は、側板86と第1フレーム部材34とにわたって挿通されるボルト部材88と、第1フレーム部材34の機幅方向K1の外方側でボルト部材88に螺合されるナット部材90と、側板86と第1フレーム部材34との間に介在され且つボルト部材88に挿通される複数のカラー(スペーサ)89とを有している。
複数のカラー89の内の1つであるカラー89Aは、側板86(後述する後部板86B)の機幅方向K1の外方側の面に溶接固定されている。他のカラー89B、89C、89Dは、カラー89Aと第1フレーム部材34との間に配置される。カラー89Aと第1フレーム部材34との間に配置されるカラー89B、89C、89Dの数をかえることにより、図16に示すように、側板86と第1フレーム部材34との間の間隔を変更することができる。言い換えると、第1側板86Lと第2側板86Rとの機幅方向K1との間の間隔を変更する(間隔調節を行う)ことができる。
【0068】
なお、図16に実線で示すように、側板86を第1フレーム部材34に最も近づけた場合、ボルト部材88が第1フレーム部材34から過度に突出しないように、ボルト部材88は、長さの短いものが使用される。また、カラー89Aと第1フレーム部材34との間に配置されるカラー89B、89C、89Dの数及び長さは、図示した実施形態に限定されることはない。
【0069】
図14図15に示すように、側板86は、前部板86Aと、後部板86Bとを有している。前部板86Aは、前部が前方に向かうにつれて機幅方向K1の外方に移行する傾斜状に形成され、後部が前後方向に延伸するように形成されている。後部板86Bは、前後方向に延伸する平板状に形成されている。前部板86Aの後部は、後部板86Bの前部の機幅方向K1の内方側の面に重ね合わされて上下一対の第1取付具87Aによって後部板86Bの前部に共締めされて取り付けられている。後部板86Bの前後方向A3の中途部は、第2取付具87Bによって第1フレーム部材34に取り付けられている。
【0070】
図14に示すように、前部板86Aの後部は、掘取具20の本体部20Aの上方に位置している。また、前部板86Aには、第1取付具87Aのボルト部材88を挿通するボルト挿通孔91が上下方向に長く形成されている。したがって、前部板86Aは、後部板86B及び第1フレーム部材34に対して上下方向に位置調整可能である。
前部板86Aは、該前部板86Aと掘取具20との間の隙間に雑草や作物16の茎葉が詰まらないように掘取具20の上面に当接させる。前部板86Aが上下方向に位置調整可能であるので掘取具20の角度調整を許容することができると共に、掘取具20の角度を調整しても前部板86Aの上下方向の位置調整を行うことにより、前部板86Aの下端を掘取具20の上面に当接させることができる。
【0071】
図6に示すように、後部板86Bは、前部板86Aの後部から後方に且つ搬送体25の前部の上方に延びている。また、後部板86Bは、板面が機幅方向K1に直交するように配置されている。これにより、掘取具20で掘り取られた作物16を滞留させずに搬送体25の前部の上方に案内することができる。
本実施形態では、側板86の機幅方向K1の位置調整は、カラーによって段階的に行うように構成したが、これに限定されることはない。例えば、ネジ構造によって側板86を機幅方向K1に無段階で位置調節できるようにしてもよい。また、複数の筒を入れ子状に組み合わせた伸縮構造によって側板86を位置調節できるようにしてもよい。
【0072】
図2図6に示すように、掘取機4は、搬送体25によって後上方に搬送されて搬送体25の後端側25aで畝15の上面に落下される作物16を搬送体25の機幅方向K1の内方側(中央側)に案内する作物ガイド装置92を備えている。作物ガイド装置92によって作物16を畝15の幅方向(畝幅方向)の端部よりも畝幅方向の内方側(中央側)に落とすことができる。作物16を畝幅方向の端部よりも畝幅方向の中央側に落とすことにより、搬送体25の後端側25aから落下する作物16が、畝15上を転がって畝15から転落するのを抑制することができる。
【0073】
図2に示すように、作物ガイド装置92は、掘取機4の左部に設けられた第1ガイド装置92Lと、掘取機4の右部に設けられた第2ガイド装置92Rとを含む。第1ガイド装置92Lは、第1側板86Lの後方に配置されている。第2ガイド装置92Rは、第2側板86Rの後方に配置されている。第1ガイド装置92Lは、前部が第1側板86Lの後端部に連結され、第2ガイド装置92Rは、前部が第2側板86Rの後端部に連結されている。作物ガイド装置92が、側板86の後方に連続的に設けられることにより、搬送体25上の作物16が側板86から作物ガイド装置92へとスムーズに案内され、搬送体25上で作物16が滞留するのを防止できる。
【0074】
図14に示すように、作物ガイド装置92は、ガイドプレート94と、揺動規制機構95と、弾性ガイド板96と、規制部材97とを有している。
図6に示すように、ガイドプレート94は、搬送体25の上方に配置され搬送体25上の作物16を搬送体25の後方に案内する。図14に示すように、ガイドプレート94は、前端側が側板86の後端側に枢支されていて、枢支部回りに機幅方向K1に揺動自在である。揺動規制機構95は、ガイドプレート94の揺動を規制する機構である。弾性ガイド板96は、弾性板材によって形成され、ガイドプレート94の後部から下方に延設されていて搬送体25から落下する作物16を畝15の上面に案内する。規制部材97は、弾性ガイド板96の機幅方向K1の外方側に位置していて弾性ガイド板96の機幅方向K1の外方への変形を抑制する。
【0075】
図6図14図15に示すように、ガイドプレート94は、板材によって形成され、
板面が機幅方向K1を向くように配置されている。ガイドプレート94は、当該ガイドプレート94の前部及び中途部を構成する第1部位94aと、後部を構成する第2部位94bとを有している。
第1部位94aは、側板86の後端側から搬送体25の上方を後方に延びていると共に、搬送体25の後端部にまで延びている。第1部位94aの前部は、側板86の後端側に枢支機構98を介して連結されている。
【0076】
枢支機構98は、第1筒部材99と、第2筒部材100と、ピン部材101とを有している。第1筒部材99は、上方に向かうにつれて前方に移行する傾斜状の軸心を有する筒であって側板86の後端部に溶接等によって固定されている。第2筒部材100は、第1筒部材99の下方に同心状に配置され、ガイドプレート94に取り付けられた取付プレート102に溶接等によって固定されている。ピン部材101は、ガイドプレート94の前部且つ上部に固定された固定部101aと、固定部101aから下方に屈曲されて第1筒部材99及び第2筒部材100に挿通された枢軸部101bとを有している。枢支機構98によって、ガイドプレート94は、側板86に対して第1筒部材99及び第2筒部材100の軸心回りに揺動可能に取り付けられている。
【0077】
ガイドプレート94の第2部位94bは、搬送体25の後部において、第1部位94aの後部から下方且つ搬送体25の後方に延びている。
図14図15に示すように、揺動規制機構95は、ガイドプレート94の後部側に配置されている。揺動規制機構95は、規制プレート103と、固定具104とを有している。
【0078】
規制プレート103は、一方向に長い板材によって形成され、長手方向の一端側がガイドプレート94に枢支されている。詳しくは、ガイドプレート94の機幅方向K1の外方側の面に、該面から機幅方向K1の外方に突出する支持壁105が設けられており、この支持壁105に規制プレート103の一端側が枢軸106を介して枢支されている。
固定具104は、規制プレート103の長手方向の他端側を第2フレーム部材35の上部に固定することができる。詳しくは、図14に示すように、第2フレーム部材35の上端部には、機幅方向K1の外方に突出する支持壁107が設けられている。支持壁107は、規制プレート103の他端側が固定される固定片107aを有している。固定具104は、操作ハンドルを有するボルト部材104Aと、ボルト部材104Aに螺合されるナット部材104Bとを有している。規制プレート103の他端側はワッシャ部材108で挟まれている。ボルト部材104Aのネジ軸部104Aaをワッシャ部材108、規制プレート103及び固定片107aに貫通すると共にネジ軸部104Aaにナット部材104Bをねじ込むことにより、支持壁107に規制プレート103の長手方向の他端側を固定することができる。固定具104によって規制プレート103の他端側を固定することにより、図2に示すように、ガイドプレート94を後方に向かうにつれて機幅方向K1の内方に移行する傾斜姿勢に保持することができる。
【0079】
図15に示すように、規制プレート103の長手方向の他端側には、複数の掛止溝103aが長手方向に間隔をあけて並べて形成されている。固定具104は、掛止溝103aを介して規制プレート103の長手方向の他端側を固定することができる。固定具104による固定位置を変更することにより、ガイドプレート94の前後方向に対する傾斜角度を変更することができる。また、ガイドプレート94は、前後方向A3に対する傾斜角度を変更することができるので、側板86の機幅方向K1の位置調整に対応することができる(図16参照)。
【0080】
図14図17に示すように、弾性ガイド板96は、上部がガイドプレート94の第2部位94bの下部に重ね合わされてボルト109によってガイドプレート94に固定されている。弾性ガイド板96は、ガイドプレート94の第2部位94bの下部から下方に延設され、下端が畝15の上面15aに近接するように設けられている。
図14図17に示すように、規制部材97は、弾性ガイド板96の機幅方向K1の外方側に位置している。規制部材97は、金属等の硬質材料によって形成され、弾性ガイド板96の機幅方向K1の外方への変形を抑制する。例えば、規制部材97が設けられてい
ないとすると、搬送体25の後端側25aから落下する作物16が弾性ガイド板96に当たり、弾性ガイド板96が弾性変形することにより、作物16が畝15の幅方向の中央部から端部に向かう方向に転がるおそれがある。本実施形態では、規制部材97によって、弾性ガイド板96の機幅方向K1の外方への変形を抑制することにより、作物16が畝15の幅方向の中央部から端部に向かう方向に転がるのを抑制することができる。
【0081】
規制部材97は、本実施形態では、弾性ガイド板96の前部と後部とに設けられている。つまり、前後一対(複数)設けられている。また、一対の規制部材97は、前後方向に間隔をあけて配置されている。また、規制部材97は、上下方向に長い帯板材によって形成されている。規制部材97は、上部が弾性ガイド板96を取り付けるボルト109によって共締めされてガイドプレート94に取り付けられている。
【0082】
図17に示すように、規制部材97は、上部の取付部分から下方に向かうにつれて機幅方向K1の内方に移行する傾斜状に形成されている。また、弾性ガイド板96は、規制部材97の下端から下方に突出している。したがって、弾性ガイド板96の上部は、規制部材97に規制されて下方に向かうにつれて機幅方向K1の内方に移行する傾斜状に変形し、下部は、規制部材97の下端から下方に突出している。
【0083】
規制部材97によって作物16が弾性ガイド板96に当たったときの弾性ガイド板96の全体的な機幅方向K1への変形が規制されるが、規制部材97が、弾性ガイド板96の全面にわたって設けられていないので、作物16が弾性ガイド板96に当たったときの局部的な変形は許容され、これによって、作物16が弾性ガイド板96に当たったときの衝撃を吸収することができる。
【0084】
図2図6に示すように、機枠17の後部には、整地機構111が設けられている。整地機構111は、掘取具20の後方に設けられ、掘取具20で作物16を掘り起こした後の畝15を整地する。詳しくは、整地機構111は、第1サイドフレーム18Lと第2サイドフレーム18Rとの間で且つ搬送体25の後部側の下方に設けられ、搬送体25の後部側の下方において掘取具20で掘り起こした後の畝15の上面15aを整地する。搬送体25によって搬送された作物16は、この整地機構111によって整地された畝15の上面15aに落下する。
【0085】
図4図18に示すように、整地機構111は、機幅方向K1で離間して配置された一対のステー部材112と、一対のステー部材112の間に設けられた整地板113と、ステー部材112及び整地板113を下方(畝15の上面)に向けて加圧(付勢)する加圧機構114とを有している。
一方(左)のステー部材112は、連結フレーム19の左のプレート部材38の機幅方向K1の内方側に配置され、他方(右)のステー部材112は、連結フレーム19の右のプレート部材38の機幅方向K1の内方側に配置されている。ステー部材112は、前部が架設部材37の前部に設けられた枢軸115に機幅方向K1に延伸する軸心回りに回動自在に支持されている。
【0086】
整地板113は、一対のステー部材112の間に且つ一方のステー部材112から他方のステー部材112にわたって配置されている。整地板113は、一対のステー部材112に固定され、ステー部材112と共に枢軸115回りに上下方向に揺動自在である。整地板113の後部は、一対のステー部材112の間から後方に突出していると共に、畝15の上面15aに接地して該畝15の上面15aを整地する。
【0087】
加圧機構114は、一対のステー部材112に対応して一対設けられている。加圧機構114によって整地板113を畝15の上面15aに向けて加圧することで、整地板113は、畝15の上面15aを整地すると共に畝15の上面15aに凹みを形成する。畝15の上面15aに凹みが形成されることで、搬送体25の後端側から畝15の上面15aに落下した作物16が、畝15の上面15aから転落するのを抑制することができる。これにより、畝15の上面15aに落下した作物16をピッカー等によって拾い上げる作業を容易に行うことができる。また、畝15の上面15aを整地板113によって整地することで、搬送体25の後端側から畝15の上面15aに落下した作物16が、土に埋もれないようにすることができる。これにより、作物16の乾燥がしやすくなると共に拾い上げ作業がしやすくなる。
【0088】
図2に示すように、整地板113の機幅方向K1の幅は、搬送体25の機幅方向K1の幅よりも若干幅狭に形成されている。詳しくは、整地板113の機幅方向K1の中心と搬送体25の機幅方向K1の中心とが略一致するように配置され、整地板113の左の端部は、搬送体25の左の端部よりも機幅方向K1の内方に位置し、整地板113の右の端部は、搬送体25の右の端部よりも機幅方向K1の内方に位置している。
【0089】
図18に示すように、加圧機構114は、連動部材116と、付勢部材117とを有している。連動部材116は、ロッド部116aと、ロッド部116aの下端に固定された連結部116bとを有している。ロッド部116aは、支持ブラケット39の上壁39aを上下方向に移動可能に貫通している。ロッド部116aの上部には、ワッシャ118とワッシャ118の抜け止めをするピン119とが設けられ、これらワッシャ118とピン119によってロッド部116aの下方移動(整地板113の下方揺動)が規制される。また、ロッド部116aには、リング円板状のばね受け120が軸方向移動可能に嵌められている。ばね受け120は、ロッド部116aの下部側でピンによって下方移動が規制されている。連結部116bは、ステー部材112に機幅方向K1に延伸する軸心を有する支軸121を介して枢支連結されている。付勢部材117は、圧縮コイルバネによって構成され、支持ブラケット39の上壁39aとばね受け120との間でロッド部116aの外側に嵌められている。
【0090】
上記構成の加圧機構114にあっては、整地板113が畝15の上面15aに接地した際に枢軸115回りに上方に揺動することで付勢部材117が圧縮される。この付勢部材11783の付勢力によって整地板113を畝15の上面15aに向けて加圧する。
なお、付勢部材117は、圧縮コイルバネに限定されることはない。例えば、付勢部材117は、ねじりコイルバネであってもよい。
【0091】
図2に示すように、機枠17の後方には、作物16が掘り取られた後の畝15の上面15aに溝123を形成する溝形成部材122が設けられている。溝形成部材122は、搬送体25の機幅方向K1の端部25b側の後方に配置されている。また、溝形成部材122は、搬送体25の機幅方向K1の端部25bよりも機幅方向K1の内方側に配置されている。さらに、図20に示すように、溝形成部材122は、搬送体25と背面視でオーバーラップして配置されている。詳しくは、図20には、搬送体25の後部を2点鎖線で示しており、溝形成部材122は、搬送体25の後部と背面視でオーバーラップしている。なお、図17の背面図においても、2点鎖線は、搬送体25の後部を図示している。
【0092】
本実施形態では、図20に示すように、溝形成部材122は、搬送体25の機幅方向K1の一端部側(左部側)であって、一端部よりも機幅方向K1の内方側に配置されている第1溝形成部材122Lと、搬送体25の機幅方向K1の他端部側(右部側)であって、他端部よりも機幅方向K1の内方側に配置されている第2溝形成部材122Rと、を含む。したがって、図20に示すように、第1溝形成部材122Lによって畝15の上面15aの畝幅方向の一端部側に溝123が形成されると共に、第2溝形成部材122Rによって畝15の上面15aの畝幅方向の他端部側に溝123が形成される。つまり、畝15の上面15aの畝幅方向の両側に溝123が形成される。
【0093】
図20に示すように、畝15の上面15aの畝幅方向の両側に溝123を形成することにより、作物16が畝15から転落するのを防止することができる。つまり、搬送体25の後端側25aから落下した作物16が畝15の上面15aを畝15の側方に向けて転がった場合に、畝15の上面15aに形成された溝123に作物16が嵌まることにより、作物16の転がりを止めることができる。延いては、作物16が畝15から転落するのを防止することができる。
【0094】
例えば、作物16が畝15から転落すると、該転落した作物16はピッカーでは拾い上げることができない。また、掘取作業を終えた畝15に隣接する畝15の作物16を掘り取る場合に、掘取機4を牽引するトラクタ2に踏まれる場合もある。このため、従来は、転落した作物16を人手によって畝15の上面15aに戻している。従来、この作業が面倒であったが、本実施形態の掘取機4では、このような作業をなくすことができる。
【0095】
また、図2図6に示すように、溝形成部材122は、整地板113の後方に配置されている。整地板113によって整地した整地跡に溝123を形成することにより、溝123をくっきりと形成することができる。また、本実施形態では、図4に示すように、溝形成部材122は、整地板113の機幅方向K1の端部113aよりも機幅方向K1の内方側に配置されている。したがって、整地板113によって畝15の上面15aに形成された凹みと、溝形成部材122によって整地した整地跡に形成された溝123との相乗効果によって作物16が畝15から転落するのを防止する転落防止効果を高めることができる。
【0096】
また、図17に示すように、溝形成部材122は、弾性ガイド板96の機幅方向K1の外方側に配置されている。また、図14に示すように、溝形成部材122は、弾性ガイド板96と側面視でオーバーラップしている。溝形成部材122を、弾性ガイド板96の機幅方向K1の外方側に弾性ガイド板96と側面視でオーバーラップして配置することにより、搬送体25によって後上方に搬送されて該搬送体25の後端側25aで畝15の上面15aに落下する作物16を作物ガイド装置92によって溝形成部材122の機幅方向K1の内方側に案内することができると共に、搬送体25から落下する作物16が溝形成部材122に直接当たるのを防止することができる。
【0097】
図18図19に示すように、溝形成部材122は、車輪によって形成されている。本実施形態では、溝形成部材122は、ホイールの外周にタイヤを装着した車輪によって構成されている。
図2に示すように、溝形成部材122は機枠17に取り付けられている。詳しくは、溝形成部材122は、機枠17の後部における機幅方向K1の両側に取り付けられている。さらに詳しくは、第1溝形成部材122Lは、第1サイドフレーム18L(第1サイドフレーム18Lの第2フレーム部材35)の後部に取り付けられ、第2溝形成部材122Rは、第2サイドフレーム18R(第2サイドフレーム18Rの第2フレーム部材35)の後部に取り付けられている。したがって、溝形成部材122は、機枠17の後部を支持している。
【0098】
図18図19に示すように、溝形成部材122は、装着装置124を介して第2フレーム部材35に取り付けられている。装着装置124は、取付プレート125と、支持ブラケット126と、支持筒127と、支柱部材128とステー(車輪ステー)129とを有している。
取付プレート125は、第2フレーム部材35の機幅方向K1の外方側の面にボルト等を介して取り付けられている。取付プレート125は、第2フレーム部材35より後方に突出した取付部125aを有している。
【0099】
支持ブラケット126は、機幅方向K1に延伸する軸心を有する四角筒状に形成され、機幅方向K1の外方側の部位が取付プレート125の取付部125aを貫通し且つ該取付部125aに溶接固定されている。したがって、支持ブラケット126は、取付プレート125から機幅方向K1の内方に突出状とされている。
支持筒127は、上下方向に延伸する軸心を有する四角筒状に形成され、支持ブラケット126の機幅方向K1の内方側に配置されると共に支持ブラケット126の機幅方向K1の内方側の端部に溶接等によって固定されている。
【0100】
支柱部材128は、上下方向に延伸する軸心を有する四角筒状に形成され、支持筒127を上下方向に相対移動可能に挿通している。また、支柱部材128は、支持筒127及び支柱部材128を貫通するピン130によって支持筒127に対して固定される。支柱部材128には、長手方向(上下方向)に間隔をあけて複数のピン挿通孔131(ピン130を挿通する穴)が並べて形成されている。したがって、溝形成部材122は、上下方向の位置が調整可能とされている。
【0101】
車輪ステー129は、前部が支柱部材128の下部に固定されていて、支柱部材128から後方に突出している。車輪ステー129には、スクレーパ133が取り付けられている。
溝形成部材122は、車輪ステー129の機幅方向K1の内方に配置され、軸(車輪軸
)132を介して機幅方向K1に延伸する軸心回りに回転自在に支持されている。溝形成部材122は、掘取機4がトラクタ2に牽引されて前方移動することにより、前転しながら畝15の上面15aを転動する。
【0102】
図1に示すように、機枠17の前部にはスタンド部材134が設けられている。スタンド部材134は、機枠17を支持するスタンド位置X1(図1に2点鎖線で示す位置)とスタンド位置X1から上方に退避した退避位置X2(図1に実線で示す位置)とに位置変更可能である。
また、溝形成部材122は、図1に示すように、畝15に溝を形成する溝形成位置X3(図1に実線で示す位置)から下方に移動させてスタンド位置X1に在るスタンド部材134と協同して機枠17を支持する機枠支持位置X4(図1に2点鎖線で示す位置)に位置変更可能である。つまり、溝形成部材122は、掘取機4をトラクタ2から取り外して置いておく(掘取機4を自立させる)際(例えば、格納等する際)のスタンド部材として兼用される。
【0103】
なお、左の支柱部材128を右の支持筒127に取り付け、右の支柱部材128を左の支持筒127に取り付けることにより、つまり、左右の溝形成部材122を付け替えることにより、溝形成部材122が作物16の掘取作業時に畝15間溝(畝15と畝15との間の溝)を転動して、機枠17を支持するゲージ輪として機能するように構成してもよい。
【0104】
また、溝形成部材122は、車輪形状に限定されることはなく、例えば、スキッド形状(ソリ形状)に形成されていてもよい。要するに、溝形成部材122は、畝15の上面15aに溝を形成することができる形状に形成されていればよい。
上記実施形態の掘取機4は、機枠17と、機枠17の前部に設けられ、機枠17が前方移動することで圃場14に栽培された作物16を掘り取る掘取具20と、掘取具20の後方に設けられ掘取具20によって掘り取られた作物16を搬送する無端回転体55と、無端回転体55の張りを調整可能で且つ、無端回転体55の張りの調整に連動して掘取具20の位置を変更可能な調整機構70と、を備えている。
【0105】
この構成によれば、無端回転体55の張りを調整した際に、無端回転体55の張りの調整に連動して掘取具20の位置も変更されるので、掘取具20と無端回転体55との間隔を一定に保つことができる。
また、無端回転体55を回転させる駆動輪53及び無端回転体55の回転に従動する従動輪54を有し、調整機構70は、駆動輪53と従動輪54の中心間距離71の調整と共に、掘取具20の位置を変更する。
【0106】
この構成にあっては、調整機構70は、駆動輪53と従動輪54の中心間距離71の調整と共に、掘取具20の位置を変更するので、無端回転体55の張りを調整しても、掘取具20と無端回転体55との間隔を一定に保つことができる。
また、調整機構70は、従動輪54を駆動輪53に対して駆動輪53の中心53cと従動輪54の中心54aとを結ぶ方向である調整方向72に移動させることで無端回転体55の張りを調整する調整部材73と、調整部材73と掘取具20とに連結された連結部材74とを有している。
【0107】
この構成によれば、従動輪54を調整部材73によって調整方向72に移動させると、調整部材73に連結されている連結部材74及び連結部材74に連結されている掘取具20も調整部材73と共に移動する。これにより、無端回転体55の張りを調整しつつ、無端回転体55の張りの調整に連動して掘取具20の位置を変更することができる。
また、調整機構70は、従動輪54を支持する支軸58であって、調整部材73と連結部材74とを貫通して調整部材73及び連結部材74と調整方向72に一体的に移動する支軸58を有している。
【0108】
この構成によれば、調整部材73と連結部材74との連結を、従動輪54を支持する支軸58によって行え、構造の簡素化を図ることができる。
また、機枠17は、当該機枠17の幅方向である機幅方向K1で間隔を隔てて配置された一対のサイドフレーム18を有し、掘取具20及び無端回転体55は、一対のサイドフ
レーム18の間に配置され、調整部材73は、サイドフレーム18の機幅方向K1の外方側に配置され、連結部材74は、サイドフレーム18の機幅方向K1の内方側に配置され、支軸は、サイドフレーム18に形成された調整方向72に長い長穴77を貫通し且つ長穴77内を移動可能である。
【0109】
この構成によれば、調整部材73の操作を機枠17の外側から行え、操作性を向上させることができる。
また、調整機構70は、サイドフレーム18に対して調整部材73及び連結部材74を調整方向72に案内するガイド軸75であって、調整部材73と連結部材74とを貫通して調整部材73及び連結部材74と調整方向72に一体的に移動可能であると共に、サイドフレーム18に形成された調整方向72に長いガイド穴78を貫通し且つガイド穴78内を調整方向72に移動可能であるガイド軸75を有している。
【0110】
この構成によれば、調整部材73及び連結部材74の移動を安定的に行うことができる。
また、調整機構70は、調整部材73を、調整方向72に移動調整し且つ調整した位置で固定する操作機構76を有している。
この構成によれば、操作機構76によって調整部材73の移動及び固定を行うことができる。
【0111】
また、操作機構76は、サイドフレーム18の機幅方向K1の外方側に設けられている。
この構成によれば、操作機構76の操作を機枠17の外側から行え、操作性を向上させることができる。
また、掘取具20が取り付けられる取付部材41であって、掘取具20の水平に対する角度を調整可能に連結部材74に取り付けられた取付部材41を備えている。
【0112】
この構成によれば、無端回転体55の張りの調整に連動して掘取具20の位置変更を行えつつ、掘取具20の水平に対する角度調整を行える。
また、調整機構70は、機枠17の機幅方向K1の一側部に設けられた第1調整機構70Lと、機枠17の機幅方向K1の他側部に設けられた第2調整機構70Rとを含む。
この構成によれば、第1調整機構70Lと第2調整機構70Rとによって、無端回転体55の張り調整を無端回転体55の両側で行うことにより、無端回転体55の張り調整を良好に行うことができる。
【0113】
また、第1調整機構70Lの連結部材74と第2調整機構70Rの連結部材74とを連結する連結バー79を備えている。
この構成によれば、第1調整機構70Lの連結部材74と第2調整機構70Rの連結部材74との位置ずれを防止することができる。
また、駆動輪53は、機枠17の後部に配置され、従動輪54は、機枠17の前部且つ掘取具20の後方に配置され、無端回転体55は、当該無端回走体55の回走方向に間隔をあけて平行に並べてループ状に配置されると共に駆動輪53から動力が伝達される多数の搬送杆61と、多数の搬送杆61同士を相互に連結すると共に従動輪54に巻き掛けられる弾性材で形成された無端ベルト62とを有する構成とされていてもよい。
【0114】
また、掘取機4は、機枠17と、機枠17の前部に設けられ、機枠17が前方移動することで畝15に栽培された作物16を掘り取る掘取具20と、掘取具20によって掘り取られた作物16を後上方に搬送すると共に後端側で畝15の上面15aに落下させる搬送体25と、搬送体25における機枠17の幅方向である機幅方向K1の端部側の後方に配置されていて畝15に溝123を形成する溝形成部材122と、を備えている。
【0115】
この構成によれば、溝形成部材122によって畝15に溝123を形成することにより、搬送体25から落下した作物16が畝15から転落するのを防止することができる。つまり、溝形成部材122によって畝15に形成された溝123によって、搬送体25から落下した作物16が畝15の上面15aを転がるのを止めることができ、これにより、作物16が畝15から転落するのを防止することができる。
【0116】
また、溝形成部材122は、搬送体25の機幅方向K1の端部よりも機幅方向K1の内
方側に配置されている。
この構成によれば、溝形成部材122を搬送体25に対して機幅方向K1の端部寄りに配置すると、溝形成部材122によって畝15の幅方向の端部側を崩す虞があるが、溝形成部材122を搬送体25の機幅方向K1の端部よりも機幅方向K1の内方側に配置することにより、溝形成部材122によって形成される溝123が畝15の幅方向の端部から離れて形成され、畝15を崩すのを防止することができる。
【0117】
また、溝形成部材122は、搬送体25の機幅方向K1の一端部側であって、一端部よりも機幅方向K1の内方側に配置されている第1溝形成部材122Lと、搬送体25の機幅方向K1の他端部側であって、他端部よりも機幅方向K1の内方側に配置されている第2溝形成部材122Rと、を含む。
この構成によれば、搬送体25から落下する作物16の落下予定位置の両側に溝123を形成することにより、作物16が畝15から転落するのを防止する転落防止効果を向上させることができる。
【0118】
また、溝形成部材122は、搬送体25と背面視でオーバーラップして配置されている。
この構成によれば、溝形成部材122が搬送体25と背面視でオーバーラップする高さに形成されているので、作物16が搬送体25から落下する途中で溝形成部材122を越えて畝15から転落するのを抑制することができる。
【0119】
また、搬送体25の後部側の下方において畝15の上面15aを整地する整地板113を備え、溝形成部材122は、整地板113の後方に配置されている。
この構成によれば、溝形成部材122によって形成される溝123は、整地板113によって整地された後の畝15の上面15aに形成される。これにより、溝123をくっきりと形成することができる。
【0120】
また、溝形成部材122は、整地板113の機幅方向K1の端部よりも機幅方向K1の内方側に配置されている。
この構成によれば、溝123を確実に整地板113によって整地された後の畝15の上面15aに形成することができる。
また、搬送体25によって後上方に搬送されて搬送体25の後端側で畝15の上面15aに落下される作物16を溝形成部材122の機幅方向K1の内方側に案内する作物ガイド装置92を備えている。
【0121】
この構成によれば、溝形成部材122で形成された溝123の機幅方向K1の内方側、つまり、畝15の中央側に作物16を落とすことができ、搬送体25から落下する作物16が畝15から転落するのを抑制することができる。
また、作物ガイド装置92は、搬送体25の上方に配置され搬送体25上の作物16を搬送体25の後方に案内するガイドプレート94と、ガイドプレート94の後部から下方に延設されていて搬送体25から落下する作物16を畝15の上面15aに案内する弾性板材によって形成された弾性ガイド板96と、を有し、溝形成部材122は、弾性ガイド板96の機幅方向K1の外方側に配置されている。
【0122】
この構成によれば、弾性ガイド板96によって、搬送体25から落下する作物16が溝形成部材122に当たるのを抑制することができ、作物16を溝形成部材122からガードすることができる。
また、作物ガイド装置92は、弾性ガイド板96の機幅方向K1の外方側に位置していて弾性ガイド板96の機幅方向K1の外方への変形を抑制する規制部材97を有している。
【0123】
この構成によれば、作物16が弾性ガイド板96に当たることにより、弾性ガイド板96が機幅方向K1の外方に変形して作物16が機幅方向K1の外方に転がるのを防止することができる。
また、溝形成部材122は、畝15の幅方向の端部側且つ上面15a側に溝123を形成する。
【0124】
この構成によれば、搬送体25から畝15の幅方向の中央側に落とされた作物16を畝
15の上面15a側の幅方向の端部側に形成される溝123によって作物16が畝15から転落するのを防止することができる。
また、走行体(トラクタ2)の後部に昇降可能に装着される掘取機4であって、溝形成部材122は、機枠17の後部における機幅方向K1の両側に取り付けられていて、機枠17を支持する車輪で構成されている。
【0125】
この構成によれば、溝形成部材122は、走行体2の後部に装着されて掘り取り作業をする掘取機4の後部を支持すると共に、畝15に溝123を形成することができる。つまり、溝形成部材122は、掘取機4の後部を支持する支持輪の機能と、畝15に溝123を形成する機能とを両立する。
また、機枠17の前部に設けられ、機枠17を支持するスタンド位置X1とスタンド位置X1から上方に退避した退避位置X2とに位置変更可能なスタンド部材134を備え、溝形成部材122は、畝15に溝を形成する溝形成位置X3から下方に移動させてスタンド位置X1に在るスタンド部材134と協同して機枠17を支持する機枠支持位置X4に位置変更可能である。
【0126】
この構成によれば、溝形成部材122を、掘取機4が自立するためのスタンド部材として機能させることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0127】
4 掘取機
14 圃場
16 作物
17 機枠
18 サイドフレーム
20 掘取具
41 取付部材
55 無端回転体
53 駆動輪
53c 中心
54 従動輪
54a 中心
58 支軸
61 搬送杆
62 無端ベルト
70 調整機構
70L 第1調整機構
70R 第2調整機構
71 中心間距離
72 調整方向
73 調整部材
74 連結部材
75 ガイド軸
76 操作機構
77 長穴
78 ガイド穴
79 連結バー
K1 機幅方向
図1
図2
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