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特開2023-121467作業車両の操縦支援システム及び操縦支援システムを有する作業車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023121467
(43)【公開日】2023-08-31
(54)【発明の名称】作業車両の操縦支援システム及び操縦支援システムを有する作業車両
(51)【国際特許分類】
   B66C 13/46 20060101AFI20230824BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20230824BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20230824BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20230824BHJP
【FI】
B66C13/46 F
G09F9/00 362
G09F9/00 366G
H04N7/18 J
G06T19/00 600
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022024827
(22)【出願日】2022-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】000148759
【氏名又は名称】株式会社タダノ
(74)【代理人】
【識別番号】100142022
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 一晃
(74)【代理人】
【識別番号】100196623
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 計介
(72)【発明者】
【氏名】元木 浩平
【テーマコード(参考)】
3F204
5B050
5C054
5G435
【Fターム(参考)】
3F204AA04
3F204BA02
3F204CA01
3F204CA05
3F204DB04
3F204FC03
3F204FD10
5B050CA07
5B050DA04
5B050EA07
5B050EA19
5B050EA27
5B050FA02
5C054AA02
5C054CA04
5C054CC02
5C054DA07
5C054FA04
5C054FE14
5C054HA29
5G435AA00
5G435BB05
5G435BB12
5G435EE49
5G435LL17
5G435LL18
(57)【要約】
【課題】指示者から取得する情報が操縦に与える影響を抑制し、効率よくクレーンを操縦することができる操縦支援システム及び操縦支援システムを備える作業車両を提供する。
【解決手段】背景Lsと虚像画像Imとを重畳して視認させる透過型表示装置2を備える操縦支援システム1である。位置情報取得装置は、第1虚像画像Im1が表示された表示画面上において使用者が任意に選択した選択位置Spに関する情報Ifdを生成する。画像処理装置9は、選択位置Spに関する情報Ifdを取得し、使用者が選択した選択位置Spを算出する。画像処理装置9は、表示画面上に表示された第1虚像画像Im1と選択位置Spとの位置関係に基づいて、メインフック20aの移動方向及び移動速度に関する情報Iffを生成し、通信装置8を介してメインフック20aの移動方向及び移動速度に関する情報Iffを制御装置に送信する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
背景を透過させる表示画面に使用者の視点から見た虚像画像を表示する透過型表示装置と、
前記表示画面上において、前記使用者の視点から見て前記使用者が任意に選択した選択位置に関する情報を生成する位置情報取得装置と、
前記虚像画像に関する情報を生成するとともに、前記選択位置に関する情報を取得し、前記選択位置を算出する画像処理装置と、
作業車両の制御装置、前記画像処理装置、及び前記透過型表示装置の間で情報を送信及び受信する通信装置と、を備える作業車両の操縦支援システムであって、
前記画像処理装置は、
前記通信装置を介して取得した前記作業車両の位置に関する情報及び前記作業車両の姿勢に関する情報に基づいて、前記作業車両によって移動される基準部材の現在位置を算出し、
前記通信装置を介して取得した前記使用者の位置に関する情報及び基準部材の現在位置に基づいて、前記使用者の視点から見て前記基準部材を移動させるための第1虚像画像を前記表示画面上に表示するための第1虚像画像に関する情報を生成し、
前記透過型表示装置は、
前記通信装置を介して取得した前記第1虚像画像に関する情報に基づいて前記第1虚像画像を前記表示画面上に表示し、
位置情報取得装置は、
前記第1虚像画像が表示された前記表示画面上において前記選択位置に関する情報を生成し、
前記画像処理装置は、
前記選択位置に関する情報を取得し、前記選択位置を算出し、
前記表示画面上に表示された前記第1虚像画像と前記選択位置との位置関係に基づいて、前記基準部材の移動方向に関する情報を生成し、前記通信装置を介して前記基準部材の移動方向に関する情報を前記制御装置に送信する、
作業車両の操縦支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の作業車両の操縦支援システムにおいて、
前記画像処理装置は、
前記表示画面上に表示された前記第1虚像画像と前記選択位置との位置関係に基づいて、前記基準部材の移動速度に関する情報を生成し、前記通信装置を介して前記基準部材の移動速度に関する情報を前記制御装置に送信する、
作業車両の操縦支援システム。
【請求項3】
請求項2に記載の作業車両の操縦支援システムにおいて、
前記画像処理装置は、
前記使用者の視点から見て、前記第1虚像画像の一部に前記選択位置が重なっている場合、前記選択位置が重なっている前記第1虚像画像の位置に基づいて前記基準部材の移動方向及び移動速度に関する情報を生成する、
作業車両の操縦支援システム。
【請求項4】
請求項2または3に記載の作業車両の操縦支援システムにおいて、
前記画像処理装置は、
前記使用者の視点から見た前記選択位置の前記第1虚像画像における位置に基づいて前記基準部材の移動方向及び移動速度に関する情報を生成する、
作業車両の操縦支援システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の作業車両の操縦支援システムにおいて、
前記画像処理装置は、
前記位置情報取得装置によって前記基準部材の目標位置に関する情報を取得し、前記使用者の視点から見て前記基準部材の目標位置を第2虚像画像として前記表示画面上に表示するための第2虚像画像に関する情報を生成し、
前記透過型表示装置は、
前記通信装置を介して前記第2虚像画像に関する情報を取得し、前記使用者の視点から見た前記第2虚像画像を前記表示画面上に表示する、
作業車両の操縦支援システム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の作業車両の操縦支援システムにおいて、
前記画像処理装置は、
前記使用者の視点から見て前記基準部材を通過する垂線を第3虚像画像として前記表示画面上に表示するための第3虚像画像に関する情報を生成し、
前記透過型表示装置は、
前記通信装置を介して前記第3虚像画像に関する情報を取得し、前記使用者の視点から見た前記第3虚像画像を前記表示画面上に表示する、
作業車両の操縦支援システム。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の作業車両の操縦支援システムにおいて、
前記画像処理装置は、
前記使用者の視点から見て前記基準部材から前記選択位置への方向を表すベクトル線図を第4虚像画像として前記表示画面上に表示するための第4虚像画像に関する情報を生成し、
前記透過型表示装置は、
前記通信装置を介して前記第4虚像画像に関する情報を取得し、前記使用者の視点から見た前記第4虚像画像を前記表示画面上に表示する、
作業車両の操縦支援システム。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の作業車両の操縦支援システムにおいて、
前記位置情報取得装置は、
前記使用者の視点から見た前記表示画面上における前記使用者の手の位置または前記使用者の視線の位置から前記選択位置に関する情報を生成し、
前記画像処理装置は、
取得した前記選択位置に関する情報に含まれる前記使用者の手の位置に基づいて前記使用者が選択した選択位置を算出するハンドトラッキング、または取得した前記選択位置に関する情報に含まれる前記使用者の視線の位置に基づいて前記使用者が選択した選択位置を算出するアイトラッキングを実施可能である、
作業車両の操縦支援システム。
【請求項9】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の作業車両の操縦支援システムを有する作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両の操縦支援システム及び操縦支援システムを有する作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、作業車両である移動式クレーンを用いて荷物を搬送する場合、移動式クレーンの操縦者は、移動式クレーンのブームを操作するための旋回用操作具、起伏用操作具、伸縮用操作具、荷物を吊り上げまたは吊り下げるためのウインチ用操作具等の複数の操作具を操作する。また、操縦者は、複数の操作具を同時に操作しつつ、作業現場の構造物等に荷物が接触しないように移動式クレーンを操作しなくてはならない。そこで、操縦者は、荷物の位置についての情報、地物の情報等を、玉掛け作業者等から取得することによって、操縦者が視認できない範囲、時期の情報を補っている。つまり、操縦者は、視覚による情報と外部の指示者からの情報とに基づいて移動式クレーンの操縦を行う。
【0003】
また、移動式クレーンは、操縦者が操縦席から認識し難い領域の情報を取得するためにブームカメラ等を有している。移動式クレーンは、搬送中の荷物及び周囲の建造物等の上方からの画像をブームカメラによって取得することができる。例えば、特許文献1の如くである。
【0004】
特許文献1に記載のクレーンは、ブームの先端に設けられているブームカメラで作業現場の画像及び前記フックに吊り下げられている荷物の画像を取得するとともに、前記画像に荷物を中心とする基準線、目盛、荷物の移動方向を示す有向線分及び荷物の旋回可能軌道等の少なくとも一つを重ねて表示させる。クレーンの操縦者は、操縦者自身の視覚情報、指示者からの情報及びブームカメラの画像情報を総合的に判断してクレーンを操縦する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-156538号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
クレーンの操縦者は、指示者の指示内容、指示のタイミングに合わせてクレーンを操作するため、操縦者のペースでクレーンを操作できない。また、操縦者が指示者の意図をくみ取れない場合、通信不良によって指示者からの指示内容が十分に伝わらない場合等に荷物の所望する方向、場所に移動させ難いことがある。一方、ブームカメラからの画像は、撮影方向及び撮影範囲が限定されている。従って、クレーン操縦者は、ブームカメラからの画像から荷物を所望する場所に移動させるために必要な情報を十分に取得することができない。
【0007】
本発明の目的は、任意の位置から直感的な操作によって前記作業車両を操縦することができる作業車両の操縦支援システム及び操縦支援システムを備える作業車両の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、任意の位置から直感的な操作によって基準部材を所望する方向に所望する速度で移動させることができる作業車両の操縦支援システム及び操縦支援システムを備える作業車両の構成について検討した。本発明者らは、鋭意検討の結果、以下のような構成に想到した。
【0009】
本発明に係る作業車両の操縦支援システムは、背景を透過させる表示画面に前記使用者の視点から見た虚像画像を表示する透過型表示装置と、前記表示画面上において、前記使用者の視点から見て前記使用者が任意に選択した選択位置に関する情報を生成する位置情報取得装置と、前記虚像画像に関する情報を生成するとともに、前記選択位置に関する情報を取得し、前記選択位置を算出する画像処理装置と、作業車両の制御装置、前記画像処理装置、及び前記透過型表示装置の間で情報を送信及び受信する通信装置と、を備える。
【0010】
前記画像処理装置は、前記通信装置を介して取得した前記作業車両の位置に関する情報及び前記作業車両の姿勢に関する情報に基づいて、前記作業車両によって移動される基準部材の現在位置を算出する。また、前記通信装置を介して取得した前記使用者の位置に関する情報及び基準部材の現在位置に基づいて、前記使用者の視点から見て前記基準部材を移動させるための第1虚像画像を前記表示画面上に表示するための第1虚像画像に関する情報を生成する。
【0011】
前記透過型表示装置は、前記通信装置を介して取得した前記第1虚像画像に関する情報に基づいて前記第1虚像画像を前記表示画面上に表示する。また、位置情報取得装置は、前記第1虚像画像が表示された前記表示画面上において前記選択位置に関する情報を生成する。
【0012】
前記画像処理装置は、前記選択位置に関する情報を取得し、前記選択位置を算出する。また、前記画像処理装置は、前記表示画面上に表示された前記第1虚像画像と前記選択位置との位置関係に基づいて、前記基準部材の移動方向に関する情報を生成し、前記通信装置を介して前記基準部材の移動方向に関する情報を前記制御装置に送信する。
【0013】
上述の操縦支援システムは、透過型表示装置の使用者が視認している背景(風景)に基準部材を移動させるための案内表示を使用者の視点から見た第1虚像画像として表示する。つまり、前記操縦支援システムは、任意の位置にいる使用者が基準部材を任意の方向に移動させるための図形情報、文字情報等を前記使用者の視野内の背景に重ね合わせて表示する。また、前記操縦支援システムは、透過型表示装置の使用者が選択した視野内の任意の選択位置と第1虚像画像との位置関係から基準部材の移動方向に関する情報を生成する。前記透過型表示装置の使用者は、第1虚像画像を基準として基準部材を移動させたい方向、位置等をアイトラッキング、ハンドトラッキング等の方法によって選択することで作業車両の制御信号を生成することができる。これにより、任意の位置から直感的な操作によって前記作業車両を任意の方向に操縦することができる。
【0014】
また、本発明の作業車両の操縦支援システムは、以下の構成を含むことが好ましい。前記画像処理装置は、前記表示画面上に表示された前記第1虚像画像と前記選択位置との位置関係に基づいて、前記基準部材の移動速度に関する情報を生成し、前記通信装置を介して前記基準部材の移動速度に関する情報を前記制御装置に送信する。
【0015】
上述の構成では、前記操縦支援システムは、任意の位置にいる使用者が基準部材を任意の方向に移動させるための図形情報、文字情報等に加えて前記基準部材を任意の速度で移動させるための図形情報、文字情報等を前記使用者の視野内の背景に重ね合わせて表示する。また、前記操縦支援システムは、透過型表示装置の使用者が選択した視野内の任意の選択位置と第1虚像画像との位置関係から基準部材の移動方向に関する情報に加えて前記基準部材の移動速度に関する情報を生成する。これにより、任意の位置から直感的な操作によって前記作業車両を任意の方向に任意の速度で操縦することができる。
【0016】
また、本発明の作業車両の操縦支援システムは、以下の構成を含むことが好ましい。前記画像処理装置は、前記使用者の視点から見て、前記第1虚像画像の一部に前記選択位置が重なっている場合、前記選択位置が重なっている前記第1虚像画像の位置に基づいて前記基準部材の移動方向及び移動速度に関する情報を生成する。
【0017】
上述の構成では、前記操縦支援システムは、第1虚像画像上の一部を透過型表示装置の使用者が選択することで、選択された前記第1虚像画像の一部に基づいて基準部材の移動方向及び移動速度に関する情報を生成する。前記透過型表示装置の使用者は、基準部材を移動させたい方向、位置等を示す第1虚像画像の一部をアイトラッキング、ハンドトラッキング等の方法によって選択することで作業車両の制御信号を生成することができる。これにより、任意の位置から直感的な操作によって前記作業車両を操縦することができる。
【0018】
また、作業車両の操縦支援システムは、以下の構成を含むことが好ましい。前記画像処理装置は、前記使用者の視点から見て、前記第1虚像画像の一部に前記選択位置が重なっている場合、前記選択位置が重なっている前記第1虚像画像の位置に基づいて前記基準部材の移動方向及び移動速度に関する情報を生成する。
【0019】
上述の構成では、前記操縦支援システムは、透過型表示装置の使用者が選択した第1虚像画像上の一部における基準部材からの距離及び方向に基づいて前記基準部材の移動方向及び移動速度に関する情報を生成する。前記透過型表示装置の使用者は、アイトラッキング、ハンドトラッキング等の方法によって基準部材からの距離と方向とを指定することで作業車両の制御信号を生成することができる。これにより、任意の位置から直感的な操作によって前記作業車両を操縦することができる。
【0020】
また、本発明の一実施形態に係る作業車両の操縦支援システムは、以下の構成を含むことが好ましい。作業車両の操縦支援システムは、虚像画像に関する情報を入力する入力装置を有する。また、前記画像処理装置は、前記入力装置から入力された前記基準部材の目標位置に関する情報を取得し、前記使用者の視点から見て前記基準部材の目標位置を第2虚像画像として前記表示画面上に表示するための第2虚像画像に関する情報を生成する。前記透過型表示装置は、前記通信装置を介して前記第2虚像画像に関する情報を取得し、前記使用者の視点から見た前記第2虚像画像を前記表示画面上に表示する。
【0021】
上述の構成では、前記操縦支援システムは、基準部材の現在位置と目標位置との位置関係、基準部材の目標位置と地物との位置関係を把握するための情報を前記使用者の視野内に重ね合わせて表示する。前記透過型表示装置の使用者は、基準部材の現在位置から目標位置までの距離と方向とを参考にしつつ、基準部材を移動させたい方向、位置等をアイトラッキング、ハンドトラッキング等の方法によって作業車両の制御信号を生成することができる。これにより、任意の位置から直感的な操作によって前記作業車両を操縦することができる。
【0022】
また、本発明の一実施形態に係る作業車両の操縦支援システムは、以下の構成を含むことが好ましい。前記画像処理装置は、前記使用者の視点から見て前記基準部材を通過する垂線を第3虚像画像として前記表示画面上に表示するための第3虚像画像に関する情報を生成する。また、前記透過型表示装置は、前記通信装置を介して前記第3虚像画像に関する情報を取得し、前記使用者の視点から見た前記第3虚像画像を前記表示画面上に表示する。
【0023】
上述の構成では、前記操縦支援システムは、透過型表示装置によって前記使用者が視認している背景に基準部材の現在位置を示す垂線を第3虚像画像として表示する。前記使用者は、視野内に表示されている基準部材の現在位置を示す垂線によって作業車両の基準部材を移動させるために必要な情報を補うことができる。これにより、任意の位置から直感的な操作によって前記作業車両を操縦することができる。
【0024】
他の観点によれば、本発明に係る作業車両の操縦支援システムは、以下の構成を含むことが好ましい。前記画像処理装置は、前記使用者の視点から見て前記基準部材の移動方向及び移動速度を表すベクトル線図を第4虚像画像として前記表示画面上に表示するための第4虚像画像に関する情報を生成する。また、前記透過型表示装置は、前記通信装置を介して前記第4虚像画像に関する情報を取得し、前記使用者の視点から見た前記第4虚像画像を前記表示画面上に表示する。
【0025】
上述の構成では、前記操縦支援システムは、前記透過型表示装置によって前記使用者が視認している背景に基準部材の移動方向を示すベクトル線図を前記使用者の視点から見た第4虚像画像として表示する。つまり、前記操縦支援システムは、前記使用者が選択した表示画面上の位置によって基準部材が移動する方向を表示する。前記使用者は、視野内に表示されている基準部材のベクトル線図によって基準部材を移動させるために必要な情報を補うことができる。これにより、任意の位置から直感的な操作によって前記作業車両を操縦することができる。
【0026】
他の観点によれば、本発明に係る作業車両の操縦支援システムは、以下の構成を含むことが好ましい。前記位置情報取得装置は、前記使用者の視点から見た前記表示画面上における前記使用者の手の位置または前記使用者の視線の位置から前記選択位置に関する情報を生成する。前記画像処理装置は、取得した前記選択位置に関する情報に含まれる前記使用者の手の位置に基づいて前記使用者が選択した選択位置を算出するハンドトラッキング、または取得した前記選択位置に関する情報に含まれる前記使用者の視線の位置に基づいて前記使用者が選択した選択位置を算出するアイトラッキングを実施可能である。
【0027】
上述の構成では、前記操縦支援システムは、前記第1虚像画像が表示された前記表示画面上において、使用者の身体の動きに基づいたハンドトラッキングまたはアイトラッキングによって前記基準部材を移動させる。これにより、任意の位置から直感的な操作によって前記作業車両を操縦することができる。
【0028】
本発明の一実施形態に係る作業車両は、上述した前記操縦者支援システムのいずれかを有する。
【0029】
前記操縦支援システムのいずれか一つを有する作業車両は、前記透過型表示装置を装着した使用者によって任意の位置から操縦される。前記使用者は、表示画面上に前記基準部材を移動させるための情報が任意の位置からの背景に重ね合わせて表示された状態で表示画面上から前記基準部材の移動方向及び移動速度を入力する。これにより、任意の位置から直感的な操作によって前記作業車両を操縦することができる。
【0030】
本明細書で使用される専門用語は、特定の実施例のみを定義する目的で使用されるのであって、前記専門用語によって発明を制限する意図はない。
【0031】
本明細書で使用される「及び/または」は、一つまたは複数の関連して列挙された構成物のすべての組み合わせを含む。
【0032】
本明細書において、「含む、備える(including)」「含む、備える(comprising)」または「有する(having)」及びそれらの変形の使用は、記載された特徴、工程、要素、成分、及び/または、それらの等価物の存在を特定するが、ステップ、動作、要素、コンポーネント、及び/または、それらのグループのうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0033】
本明細書において、「取り付けられた」、「接続された」、「結合された」、及び/または、それらの等価物は、広義の意味で使用され、“直接的及び間接的な”取り付け、接続及び結合の両方を包含する。さらに、「接続された」及び「結合された」は、物理的または機械的な接続または結合に限定されず、直接的または間接的な接続または結合を含むことができる。
【0034】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。
【0035】
一般的に使用される辞書に定義された用語は、関連する技術及び本開示の文脈における意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されていない限り、理想的または過度に形式的な意味で解釈されることはない。
【0036】
本発明の説明においては、いくつもの技術および工程が開示されていると理解される。これらの各々は、個別の利益を有し、他に開示された技術の1つ以上、または、場合によっては全てと共に使用することもできる。
【0037】
したがって、明確にするために、本発明の説明では、不要に個々のステップの可能な組み合わせをすべて繰り返すことを控える。しかしながら、本明細書及び特許請求の範囲は、そのような組み合わせがすべて本発明の範囲内であることを理解して読まれるべきである。
【0038】
本明細書では、本発明に係る作業車両の操縦支援システム及び操縦支援システムを備える作業車両の実施形態について説明する。
【0039】
以下の説明では、本発明の完全な理解を提供するために多数の具体的な例を述べる。しかしながら、当業者は、これらの具体的な例がなくても本発明を実施できることが明らかである。
【0040】
よって、以下の開示は、本発明の例示として考慮されるべきであり、本発明を以下の図面または説明によって示される特定の実施形態に限定することを意図するものではない。
【0041】
[虚像画像]
本明細書において、虚像画像とは、透過型表示装置において使用者が視認している背景以外の画像、映像であって、透過型表示装置が表示している線、図形、画像、映像、3次元画像、3次元映像を意味する。つまり、虚像画像は、実際に存在しない物体の画像を前記使用者の視点から見た形状の画像に変換することで使用者が視認している背景に違和感なく表示可能な画像である。虚像画像は、透過型表示装置おいて使用者が視認している背景に重畳して表示される。
【0042】
[視点]
本明細書において、視点とは、対象を見るときの立脚点を意味する。使用者の視点とは、使用者が対象物を視認している際の使用者の対象物に対する位置を意味する。
【0043】
[虚像画像に関する情報]
本明細書において、虚像画像に関する情報とは、透過型表示装置の使用者の視点から見た任意の基準面上の画像として透過型表示装置の表示画面に虚像画像を表示するために必要な情報を意味する。虚像画像に関する情報は、虚像画像の座標、表示の状態等を含む。
【0044】
[通信装置]
本明細書において、通信装置とは、画像処理装置と表示装置用制御装置、画像処理装置と入力装置、画像処理装置と作業車両の制御装置との間で情報を送受信する装置を意味する。通信装置は、表示装置用制御装置及び画像処理装置と一体に構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0045】
本発明の一実施形態によれば、操縦支援システム及び操縦支援システムを備える作業車両は、任意の位置から直感的な操作によって前記作業車両を操縦することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1図1は、本発明の1実施形態に係る作業車両の操縦支援システムにおける透過型表示装置が使用者に装着された斜視図を示す。
図2図2は、本発明の1実施形態に係に係る作業車両の操縦支援システムにおける透過型表示装置の斜視図を示す。
図3図3は、本発明の1実施形態に係に係る作業車両の操縦支援システムの制御ブロック図を示す。
図4図4は、本発明の1実施形態に係に係る作業車両の操縦支援システムにおいて表示装置用カメラが取得した画像を示す。
図5図5は、本発明の1実施形態に係に係る作業車両の操縦支援システムが接続されるクレーンの側面図を示す。
図6図6は、本発明の1実施形態に係に係る作業車両の操縦支援システムが接続されるクレーンの制御ブロック図を示す。
図7図7は、本発明の1実施形態に係に係る作業車両の操縦支援システムが第1虚像画像、第2虚像画像及び第3虚像画像を表示するための情報に必要な情報を生成する際のブロック図を示す。
図8図8は、本発明の1実施形態に係に係る作業車両の操縦支援システムが透過型表示装置に第1虚像画像、第2虚像画像及び第3虚像画像を表示している状態の模式図を示す。
図9図9は、本発明の1実施形態に係に係る作業車両の操縦支援システムにおいて使用者が透過型表示装置において第1虚像画像の一部を選択した際にメインフックが移動した状態の模式図を示す。
図10図10は、本発明の1実施形態に係に係る作業車両の操縦支援システムが第4虚像画像を表示するための情報に必要な情報を生成するためのブロック図を示す。
図11図11は、本発明の1実施形態に係に係る作業車両の操縦支援システムが第4虚像画像を表示している状態の模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下に、図1から図4を用いて、本発明の一実施形態に係る作業車両の操縦支援システムについて説明する。図1は、本発明の1実施形態に係るクレーン11の操縦支援システム1における透過型表示装置2が使用者に装着された斜視図である。図2は、クレーン11の操縦支援システム1における透過型表示装置2の斜視図である。図3は、クレーン11の操縦支援システム1の制御ブロック図である。図4は、クレーン11の操縦支援システム1において表示装置用カメラ6が取得した画像Pを示す。なお、本実施形態においては、作業車両としてラフテレーンクレーン(以下、単に「クレーン」と記す)ついて説明を行う。しかしながら、作業車両は、オールテレーンクレーン、トラッククレーン、高所作業車等の旋回台を介して起伏可能なブームが設けられた作業車両であればよい。また、以下の説明において、使用者とは、透過型表示装置2を装着している者をいう。
【0048】
図1図2とに示すように、作業車両であるクレーン11(図6参照)の操縦支援システム1は、複合現実(Mixed Reality)を用いてクレーン11の操縦を支援するシステムである。操縦支援システム1は、透過型表示装置2と、通信装置8と、画像処理装置9とを有する。
【0049】
透過型表示装置2は、使用者から見て透過型表示装置2の透過型ディスプレイ4と重なっている背景Lsを使用者が視認可能な表示装置である。透過型表示装置2は、使用者が身体に装着して使用するウェアラブル端末である。本実施形態において、透過型表示装置2は、眼鏡型のウェアラブル端末として説明する。透過型表示装置2は、使用者であるクレーン11の操縦者に装着されている。透過型表示装置2は、フレーム3と、透過型ディスプレイ4と、表示装置用GNSS受信機5と、表示装置用カメラ6と、表示装置用制御装置7とを有する。
【0050】
フレーム3は、透過型ディスプレイ4と、表示装置用GNSS受信機5と、表示装置用カメラ6と、表示装置用制御装置7とを支持する。フレーム3は、眼鏡型フレームとして構成されている。フレーム3は、使用者の頭部に装着される。フレーム3は、使用者の鼻と両耳とによって支持される。
【0051】
透過型ディスプレイ4は、透過率が概ね50%以上のディスプレイである。透過型ディスプレイ4は、バックライト、偏光フィルタ及びカラーフィルタを有さない液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイまたは無機ELディスプレイ等から構成されている。つまり、透過型ディスプレイ4は、使用者と対向している表示画面の背面を覆うバックライト及びフィルタ等の部材が存在しない。従って、透過型ディスプレイ4は、使用者の視点から見て透過型ディスプレイ4と重複している背景が透過している。また、透過型ディスプレイ4は、表示画面に透過型ディスプレイ4の機能によって生成された画像である虚像画像Imを表示することができる。
【0052】
透過型ディスプレイ4は、虚像画像Imを表示させない部分において背面から入光した光を透過させる。また、透過型ディスプレイ4は、虚像画像Imを表示させる部分において背面から入光した光の少なくとも一部を遮光する。更に、透過型ディスプレイ4は、遮光した部分に虚像画像Imを表示する。この際、透過型ディスプレイ4には、使用者の視点から見た虚像画像Imが表示される。これにより、透過型ディスプレイ4は、使用者の視点から見た背景Lsに虚像画像Imを重ねて表示した状態を使用者に視認させる。透過型ディスプレイ4は、フレーム3に設けられている。透過型ディスプレイ4は、フレーム3を装着している使用者の右目の視野範囲と左目の視野範囲とを覆うように位置している。透過型ディスプレイ4は、右目用の虚像画像Imと左目用の虚像画像Imとを視差画像としてそれぞれ表示画面に表示可能に構成されている。これにより、透過型ディスプレイ4は、使用者の視野範囲のほぼ全域において立体的な虚像画像Imを表示させることができる。なお、透過型表示装置2において、使用者の視点から見た虚像画像Imを使用者の視野内に表示させる技術は公知である。
【0053】
表示装置用GNSS受信機5は、全球測位衛星システム(Global Navigation Satellite System)を構成する受信機である。表示装置用GNSS受信機5は、衛星から測距電波を受信し、表示装置用GNSS受信機5の絶対座標である緯度、経度、標高、方位等を検出するものである。表示装置用GNSS受信機5は、使用者が装着しているフレーム3に設けられている。表示装置用GNSS受信機5は、使用者(操縦者)の位置に関する情報Ifaを検出する。使用者の位置に関する情報Ifaは、透過型表示装置2の緯度、経度、標高及び方位等を含む。つまり、使用者の位置に関する情報Ifaは、透過型表示装置2の位置及び透過型ディスプレイ4が透過させている背景Lsの方向に関する情報を含む。なお、本実施形態において、表示装置用GNSS受信機5は、フレーム3に設けられているが、使用者の位置に関する情報Ifaを検出することができる位置であればよい。例えば、表示装置用GNSS受信機5は、透過型表示装置2を装着している使用者の身体に装着されていればよい。
【0054】
表示装置用カメラ6は、透過型表示装置2を装着している使用者の視線の方向を撮影する。表示装置用カメラ6は、フレーム3に設けられている。表示装置用カメラ6は、使用者の視点と略等しい位置から使用者の視野範囲と略等しい範囲の画像Pを撮影するように構成されている。なお、本実施形態において、表示装置用カメラ6は、フレーム3に設けられているが、使用者の視点から使用者の視野範囲を撮影することができる位置であればよい。
【0055】
表示装置用カメラ6は、使用者の視点から見た表示画面上において前記使用者が任意に選択した選択位置Spに関する情報Ifdを生成する位置情報取得装置である。表示装置用カメラ6は、使用者の手などの身体の一部の動作または特定のマーカ等を撮影する。つまり、表示装置用カメラ6は、選択位置Spに関する情報Ifdとして使用者の身体の一部または特定のマーカ等を含む画像Pを生成する。このように、表示装置用カメラ6は、虚像画像Imが表示された透過型ディスプレイ4上において前記使用者が任意に選択した選択位置Spに関する情報Ifdを含む画像Pを生成する。
【0056】
図3に示すように、表示装置用制御装置7は、透過型ディスプレイ4に虚像画像Imを表示させる制御装置である。表示装置用制御装置7は、実体的には、CPU、ROM、RAM、HDD等がバスで接続されている。または、表示装置用制御装置7は、ワンチップのLSI等からなる構成であってもよい。表示装置用制御装置7は、透過型ディスプレイ4、表示装置用GNSS受信機5及び表示装置用カメラ6と接続されている。表示装置用制御装置7は、通信装置8を介して画像処理装置9と接続されている。表示装置用制御装置7は、通信装置8を介して表示装置用カメラ6から取得した画像Pを単位時間毎に連続して画像処理装置9に送信する。
【0057】
表示装置用制御装置7は、表示装置用GNSS受信機5から使用者の位置に関する情報Ifaを取得することができる。表示装置用制御装置7は、表示装置用カメラ6から画像Pを取得することができる。また、表示装置用制御装置7は、画像処理装置9から虚像画像Imに関する情報Ifを取得することができる。表示装置用制御装置7は、取得した虚像画像Imに関する情報Ifに基づいて虚像画像Imを生成することができる。また、表示装置用制御装置7は、透過型ディスプレイ4に虚像画像Imを表示させることができる。
【0058】
透過型表示装置2は、使用者の頭部に装着された状態で透過型ディスプレイ4の表示部(以下、単に「透過型ディスプレイ4」と記す)に虚像画像Imを表示することができる。また、透過型表示装置2は、虚像画像Imを透過型ディスプレイ4に表示するために必要な使用者の位置に関する情報Ifaを表示装置用GNSS受信機5によって取得することができる。透過型表示装置2は、虚像画像Imに関する情報Ifと使用者の位置に関する情報Ifaとに基づいて、背景Lsが透過している透過型ディスプレイ4に使用者の視点から見た虚像画像Imを生成することができる。これにより、使用者は。透過型表示装置2を通じて虚像画像Imを背景Lsに重ね合わせた状態の画像を視認することができる。
【0059】
通信装置8は、透過型表示装置2と、画像処理装置9と、作業車両であるクレーン11のクレーン用制御装置30との間で情報を送受信する装置である。通信装置8は、透過型表示装置2の表示装置用制御装置7及び画像処理装置9にそれぞれ設けられている。通信装置8は、クレーン用制御装置30と画像処理装置9との間で情報を送信及び受信する。また、通信装置8は、表示装置用制御装置7と画像処理装置9との間で情報を送信及び受信する。
【0060】
画像処理装置9は、透過型表示装置2に表示させる虚像画像Imに関する情報Ifを生成する制御装置である。画像処理装置9は、実体的には、CPU、ROM、RAM、HDD等がバスで接続されている。または画像処理装置9は、ワンチップのLSI等からなる構成でもよい。本実施形態において、画像処理装置9は、透過型表示装置2に設けられている。画像処理装置9は、透過型表示装置2等の動作を制御したり画像データを処理したりするために種々のプログラムおよびデータが格納されている。なお、画像処理装置9は、表示装置用制御装置7またはクレーン用制御装置30と一体に構成されていてもよい。
【0061】
画像処理装置9は、通信装置8を介して透過型表示装置2の表示装置用制御装置7に接続されている。画像処理装置9は、通信装置8を介して表示装置用制御装置7から表示装置用GNSS受信機5が検出した使用者の位置に関する情報Ifaを取得する。また、画像処理装置9は、通信装置8を介して表示装置用制御装置7から表示装置用カメラ6が撮影した現在の画像Pを単位時間毎に連続して取得する。画像Pには、選択位置Spに関する情報Ifdが含まれる。
【0062】
また、画像処理装置9は、通信装置8を介してクレーン用制御装置30からクレーン11の位置に関する情報Ifbを取得する。クレーン11の位置に関する情報Ifbとは、クレーン11の旋回中心が位置する緯度、経度、標高及び車両の方位等を含む。また、画像処理装置9は、通信装置8を介してクレーン用制御装置30に基準部材であるメインフック20aの目標位置Ltに関する情報Ifeを送信する。
【0063】
また、画像処理装置9は、通信装置8を介してクレーン用制御装置30からクレーン11の姿勢に関する情報Ifcを取得する。クレーン11の姿勢に関する情報Ifcとは、クレーン11の旋回角度、ブームの起伏角度、ブーム長さ、メインワイヤロープ24の繰り出し長さ、サブワイヤロープ26の繰り出し長さ、クレーン11の各操作具の操作方向及び操作量を含む。つまり、クレーン11の姿勢に関する情報Ifcとは、例えばクレーン11の基準部材であるメインフック20aの現在位置Lpに関する情報を含む。
【0064】
画像処理装置9は、使用者の位置に関する情報Ifa、取得したクレーン11の位置に関する情報Ifb及びクレーン11の姿勢に関する情報Ifcに基づいて、透過型表示装置2の透過型ディスプレイ4に表示させる各虚像画像Im(後述するIm1、Im2、Im3、Im4)の座標を使用者の視点から見た虚像画像Imとして透過型ディスプレイ4上に表示するための虚像画像Imに関する情報If(後述するIf1、If2、If3、If4)を生成する。画像処理装置9は、生成した虚像画像Imに関する情報Ifを表示装置用制御装置7に送信する。
【0065】
透過型表示装置2の表示装置用制御装置7は、通信装置8を介して虚像画像Imに関する情報Ifを取得する。表示装置用制御装置7は、透過型ディスプレイ4を通して使用者が視認している背景Lsと重なっている透過型ディスプレイ4上に虚像画像Imを表示する。
【0066】
図4に示すように、画像処理装置9は、取得した画像Pから使用者の身体の一部の動作または特定のマーカ等の動作を検出すると、使用者が虚像画像Imの一部を選択した選択位置Spに関する情報Ifdとして認識する。画像処理装置9は、選択位置Spに関する情報Ifdから選択位置Spを算出する。
【0067】
さらに、画像処理装置9は、例えば、使用者の視点から見て使用者の手がメインフック20aを移動させるための虚像画像Imに含まれる第1虚像画像Im1の一部と重なっている場合、第1虚像画像Im1と選択位置Spとの位置関係から基準部材であるメインフック20aの移動方向及び移動速度に関する情報Iffを生成する(図3参照)。メインフック20aの移動方向及び移動速度に関する情報Iffとは、メインフック20aを任意の方向に任意の速度で移動させるための移動速度、移動方向、絶対位置座標を含む。画像処理装置9は、生成したメインフック20aの移動方向及び移動速度に関する情報Iffを、通信装置8を介して作業車両であるクレーン11のクレーン用制御装置30に送信する。
【0068】
このように構成される操縦支援システム1は、通信装置8を介してクレーン用制御装置30からクレーン11の位置に関する情報Ifb、クレーン11の姿勢に関する情報Ifcを取得し、表示装置用制御装置7から使用者の位置に関する情報Ifaを取得する。操縦支援システム1は、画像処理装置9によって取得した各情報に基づいて虚像画像Imに関する情報Ifを生成する。操縦支援システム1は、虚像画像Imに関する情報Ifに基づいて透過型表示装置2に虚像画像Imを表示させる。また、画像処理装置9は、取得した画像Pに選択位置Spに関する情報Ifdが含まれていると判定すると、選択位置Spを算出する。画像処理装置9は、第1虚像画像Im1と選択位置Spとの位置関係に基づいてメインフック20aの移動方向及び移動速度に関する情報Iffを生成する。
【0069】
以下に、図5図6とを用いて、本発明の第1実施形態に係る作業車両であるクレーン11について説明する。図5は、操縦支援システム1が接続されるクレーン11の全体構成を示す。図6は、操縦支援システム1が接続されるクレーン11の制御ブロック図を示す。なお、本実施形態においては、ラフテレーンクレーンについて説明を行うが、オールテレーンクレーン、トラッククレーン、高所作業車等の旋回台を介して起伏可能なブーム19が設けられた作業車両であればよい。
【0070】
図5図6とに示すように、クレーン11は、任意の場所に移動可能な移動式クレーンである。クレーン11は、車両12、クレーン装置16、クレーン用制御装置30(図7参照)を有する。
【0071】
車両12は、クレーン装置16を搬送する走行体である。車両12は、複数の車輪13を有する。車両12は、エンジン14を動力源として走行する。車両12は、アウトリガ15を有する。アウトリガ15は、車両12の幅方向両側に油圧によって延伸可能な張り出しビームと地面に垂直な方向に延伸可能な油圧式のジャッキシリンダとを有する。
【0072】
クレーン装置16は、荷物Wをワイヤロープによって吊り上げる作業装置である。クレーン装置16は、旋回台17、ブーム19、メインフックブロック20、サブフックブロック21、起伏用油圧シリンダ22、メインウインチ23、メインワイヤロープ24、サブウインチ25、サブワイヤロープ26、キャビン27等を具備する。
【0073】
旋回台17は、クレーン装置16を旋回可能に構成する回転装置である。旋回台17は、円環状の軸受を介して車両12のフレーム上に設けられる。旋回台17には、アクチュエータである油圧式の旋回用油圧モータ17aを有する。旋回台17は、旋回用油圧モータ17aによって一方向と他方向とに旋回可能に構成されている。
【0074】
クレーン用GNSS受信機18(図6参照)は、全球測位衛星システム(Global Navigation Satellite System)を構成する受信機である。クレーン用GNSS受信機18は、衛星から測距電波を受信し、クレーン用GNSS受信機18の絶対座標である緯度、経度、標高、方位等を検出するものである。クレーン用GNSS受信機18は、旋回台17に設けられている。クレーン用GNSS受信機18は、クレーン11の位置に関する情報Ifbを検出する。
【0075】
ブーム19は、メインワイヤロープ24およびサブワイヤロープ26を支持する可動支柱である。ブーム19は、複数のブーム部材から構成されている。ブーム19は、ベースブーム部材の基端が旋回台17の略中央に揺動可能に設けられている。ブーム19は、各ブーム部材を伸縮させるアクチュエータである伸縮用油圧シリンダ19a(図7参照)とブーム部材を起伏させる起伏用油圧シリンダ22を有する。ブーム19は、伸縮用油圧シリンダ19aによって軸方向に伸縮される。また、ブーム19は、延長用部材であるジブ19cを有する。
【0076】
メインフックブロック20とサブフックブロック21とは、荷物Wを吊る部品である。メインフックブロック20は、メインワイヤロープ24が巻き掛けられる複数のフックシーブと、荷物Wを吊るメインフック20aとを有する。サブフックブロック21は、荷物Wを吊るサブフック21aを有する。
【0077】
起伏用油圧シリンダ22は、ブーム19を起立および倒伏させ、ブーム19の姿勢を保持するアクチュエータである。起伏用油圧シリンダ22のシリンダ部の端部は、旋回台17に起伏自在に連結されている。起伏用油圧シリンダ22のロッド部の端部は、ブーム19のベースブーム部材に揺動自在に連結されている。
【0078】
メインウインチ23は、メインワイヤロープ24の繰り入れ(巻き上げ)および繰り出し(巻き下げ)を行う装置である。サブウインチ25は、サブワイヤロープ26の繰り入れ(巻き上げ)および繰り出し(巻き下げ)を行う装置である。
【0079】
キャビン27は、操縦席を覆う筐体である。キャビン27は、旋回台17に搭載されている。キャビン27には、図示しない操縦席が設けられている。操縦席には、車両12を走行操作するための走行用操作具28、クレーン装置16のクレーン装置用操作具29等が設けられている(図6参照)。
【0080】
図6に示すように、クレーン用制御装置30は、クレーン11の各アクチュエータを制御する。クレーン用制御装置30は、キャビン27内に設けられている。クレーン用制御装置30は、実体的には、CPU、ROM、RAM、HDD等がバスで接続されている。またはクレーン用制御装置30は、ワンチップのLSI等から構成される。クレーン用制御装置30は、各アクチュエータ、切換え弁等の動作を制御したり画像データを処理したりするために種々のプログラムおよびデータが格納されている。クレーン用制御装置30は、クレーン用通信装置30aを有している。クレーン用通信装置30aは、操縦支援システム1の画像処理装置9との間で情報を送信及び受信する。クレーン用制御装置30は、メインフック20aの移動方向及び移動速度に関する情報Iffを取得する。
【0081】
クレーン用制御装置30は、クレーン用GNSS受信機18に接続されている。クレーン用制御装置30は、クレーン11の位置に関する情報Ifbを取得する。クレーン用制御装置30は、走行用操作具28およびクレーン装置用操作具29に接続されている。クレーン用制御装置30は、クレーン装置用操作具29の操作により生成される操作信号に基づいて、クレーン装置16の制御信号を生成する。また、クレーン用制御装置30は、旋回用油圧モータ17a、伸縮用油圧シリンダ19a、起伏用油圧シリンダ22、メインウインチ23等を連動させてメインフック20aが取得したメインフック20aの移動方向及び移動速度に関する情報Iffに含まれる移動方向及び移動速度で移動するように各アクチュエータの制御信号を生成する。クレーン用制御装置30は、生成した制御信号を各アクチュエータに送信する。
【0082】
クレーン用制御装置30は、クレーン用通信装置30aを介して操縦支援システム1の画像処理装置9に接続されている。クレーン用制御装置30は、画像処理装置9にクレーン11の位置に関する情報Ifbとクレーン11の姿勢に関する情報Ifcとを送信する。クレーン用制御装置30は、クレーン用通信装置30aを介して画像処理装置9からメインフック20aの目標位置Ltに関する情報Ifeを取得する。
【0083】
このように構成されるクレーン11は、走行用操作具28の操作によって車両12を任意の位置に移動させることができる。また、クレーン11は、クレーン装置用操作具29の操作によって、ブーム19を旋回、起伏、伸縮させることで荷物Wを任意の位置に搬送することができる。また、クレーン11は、クレーン装置用操作具29の操作によって、メインウインチ23等で荷物Wを吊り上げたり吊り下げたりすることができる。
【0084】
次に、図7から図11を用いて、操縦支援システム1による操縦支援について説明する。図7は、クレーン11の操縦支援システム1が第1虚像画像Im1、第2虚像画像Im2及び第3虚像画像Im3を表示するための情報に必要な情報を生成する際のブロック図を示す。図8は、クレーン11の操縦支援システム1が透過型表示装置2に第1虚像画像Im1、第2虚像画像Im2及び第3虚像画像Im3を表示している状態の模式図を示す。図9は、クレーン11の操縦支援システム1において使用者が透過型表示装置2において第1虚像画像Im1の一部を選択した際にメインフック20aが移動した状態の模式図を示す。図10は、クレーン11の操縦支援システム1が第4虚像画像Im4を表示するための情報に必要な情報を生成するためのブロック図を示す。図11は、クレーン11の操縦支援システム1が第4虚像画像Im4を表示している状態の模式図を示す。
【0085】
本実施形態において、基準部材は、クレーン11のメインフック20aとする。なお、基準部材は、クレーン11によって搬送される荷物Wでもよい。クレーン11の操縦者は、透過型表示装置2の使用者である。使用者は、透過型表示装置2を頭部に装着した状態でクレーン11を操縦する。また、使用者は、メインフック20aに吊り下げられている荷物Wの設置予定位置の近傍に位置しているものとする。つまり、使用者は、クレーン11のキャビン27外に位置している。
【0086】
本実施形態において、操縦支援システム1は、ハンドトラッキングにより使用者の視点から見た透過型ディスプレイ4上の任意の位置を選択する。画像処理装置9には、使用者の手の形状が登録されている。画像処理装置9は、表示装置用カメラ6が撮影した画像Pに使用者の手が含まれていると判断すると、ハンドトラッキングモードを実行する(図4参照)。ハンドトラッキングモードは、使用者の視点から見て画像P内での人差し指の先端等、手の画像における特定箇所の透過型ディスプレイ4上の位置を選択位置Spとして算出する。画像処理装置9は、選択位置Spと第1虚像画像Im1との位置関係からメインフック20aの移動方向及び移動速度に関する情報Iffを生成する。
【0087】
<メインフック20aの現在位置Lpにおける操作用矢印表示>
図7図8とに示すように、操縦支援システム1は、基準部材であるメインフック20aの操作用矢印を第1虚像画像Im1として透過型表示装置2に表示する。第1虚像画像Im1は、メインフック20aの現在位置Lpを基準として、移動方向を示す複数の矢印が複数の方向を指している虚像画像である。本実施形態において、第1虚像画像Im1は、方位に従って位置している複数の矢印である。第1虚像画像Im1は、例えば、東を指し示す東方矢印Ae、西を指し示す西方矢印Aw、南を指し示す南方矢印As及び北を指し示す北方矢印Anを含む。なお、各方角の間を指し示す矢印、鉛直上方を指し示す上方矢印、鉛直下方を指し示す下方矢印等を表示してもよい。
【0088】
図7に示すように、操縦支援システム1の画像処理装置9は、通信装置8を介して表示装置用制御装置7から使用者の位置に関する情報Ifa及び現在の画像Pを取得する(図4参照)。また、画像処理装置9は、クレーン用制御装置30からクレーン11の位置に関する情報Ifb及びクレーン11の姿勢に関する情報Ifcを取得する。
【0089】
画像処理装置9は、取得したクレーン11の位置に関する情報Ifb及びクレーン11の姿勢に関する情報Ifcに基づいて、メインフック20aの現在位置Lpを基準としてメインフック20aの操作用矢印を表示するための絶対座標の集合である第1基準座標C1を算出する。画像処理装置9は、取得した使用者の位置に関する情報Ifa及びクレーン11の位置に関する情報Ifbと、算出した第1基準座標C1に基づいて、メインフック20aの現在位置Lpを基準として使用者の視点から見た第1虚像画像Im1を透過型ディスプレイ4上に表示するための第1虚像画像Im1に関する情報If1を生成する。画像処理装置9は、生成した第1虚像画像Im1に関する情報If1を表示装置用制御装置7に送信する。表示装置用制御装置7は、通信装置8を介して第1虚像画像Im1に関する情報If1を取得する。
【0090】
図8に示すように、表示装置用制御装置7は、透過型ディスプレイ4上に第1虚像画像Im1に関する情報If1に基づいて第1虚像画像Im1を表示する。表示装置用制御装置7は、透過型ディスプレイ4を通して使用者が視認しているメインフック20aを中心として透過型ディスプレイ4上の位置に使用者の視点から見た東方矢印Ae、西方矢印Aw、南方矢印As及び北方矢印Anを表示する。
【0091】
使用者は、透過型表示装置2によって実際の背景Lsに含まれるメインフック20aを中心として囲むように第1虚像画像Im1である東方矢印Ae、西方矢印Aw、南方矢印As及び北方矢印Anが表示されているように認識する。使用者が視認している東方矢印Ae、西方矢印Aw、南方矢印As及び北方矢印Anのうちメインフック20aを移動させたい方向を指し示す東方矢印Aeを自らの手で指し示した場合、使用者の手は、表示装置用カメラ6の視野内に位置する。よって、表示装置用カメラ6が撮影する画像Pには、使用者の手が含まれる。表示装置用制御装置7は、通信装置8を介して使用者の手が含まれる画像Pを単位時間毎に継続して画像処理装置9に送信する。
【0092】
図7に示すように、画像処理装置9は、取得した画像Pに使用者の手が含まれると判定すると、画像Pを使用者が任意に選択した選択位置Spに関する情報Ifdを取得したとする。画像処理装置9は、ハンドトラッキングモードを開始し、使用者の視点から見て使用者の手の指先と重なっている第1虚像画像Im1の一部の位置を使用者が選択した選択位置Spとして算出する。画像処理装置9は、使用者の視点から見て選択位置Spと使用者が指し示した東方矢印Aeとの位置関係からメインフック20aの移動方向及び移動速度に関する情報Iffを生成する。画像処理装置9は、メインフック20aを東に向かって水平に所定の速度で移動するための制御情報であるメインフック20aの移動方向及び移動速度に関する情報Iffを、通信装置8を介してクレーン11のクレーン用制御装置30に送信する。画像処理装置9は、選択位置Spに関する情報Ifdを単位時間毎に連続して取得する間、メインフック20aの移動方向及び移動速度に関する情報Iffを生成するとともに単位時間毎に連続してクレーン用制御装置30に送信する。また、画像処理装置9は、選択位置Spに関する情報を表示装置用制御装置7に送信する。
【0093】
図8に示すように、表示装置用制御装置7は、選択位置Spに関する情報に基づいて、使用者が選択している第1虚像画像Im1の一部を強調表示する。クレーン11のクレーン用制御装置30は、通信装置8を介してメインフック20aの移動方向及び移動速度に関する情報Iffを取得している間、メインフック20aが東に向かって水平に移動する作動量、作動速度、作動タイミング、作動時間で各アクチュエータを作動させる。これにより、メインフック20aは、東に向かって水平に予め定めた所定の速度で移動する。表示装置用制御装置7は、メインフック20aの移動に合わせて第1虚像画像Im1の表示位置を変更する。
【0094】
図9に示すように、使用者が使用者の視点から見て第1虚像画像Im1に重ならない位置に手を移動させた場合、画像処理装置9は、使用者の視点から見て選択位置Spと東方矢印Aeとの位置関係からメインフック20aの移動方向及び移動速度に関する情報Iffを生成しない。クレーン11は、メインフック20aの移動方向及び移動速度に関する情報Iffを取得しない間、各アクチュエータを停止させる。
【0095】
また、使用者が使用者の視点から見て表示装置用カメラ6の視野外に手を移動させた場合、表示装置用カメラ6が撮影する画像Pには、使用者の手が含まれない。画像処理装置9は、取得した画像Pに使用者の手が含まれないと判定すると、使用者が選択した選択位置Spを算出しない。従って、画像処理装置9は、使用者の視点から見て選択位置Spと選択された東方矢印Aeとの位置関係からメインフック20aの移動方向及び移動速度に関する情報Iffを生成しない。クレーン用制御装置30は、メインフック20aの移動方向及び移動速度に関する情報Iffを取得しない間、各アクチュエータを停止させる。
【0096】
上述の操縦支援システム1は、使用者が視認している背景Lsにメインフック20aを移動させるための案内矢印を使用者の視点から見た第1虚像画像Im1として表示する。つまり、操縦支援システム1は、任意の位置にいる使用者がメインフック20aを任意の方向に任意の速度で移動させるための図形情報、文字情報等を使用者の視野内の背景Lsに重ね合わせて表示する。また、操縦支援システム1は、透過型表示装置2の使用者が選択した視野内の任意の選択位置Spと第1虚像画像Im1との位置関係からメインフック20aの移動方向及び移動速度に関する情報Iffを生成する。使用者は、第1虚像画像Im1を基準としてメインフック20aを移動させたい方向、位置等をハンドトラッキング等の方法によって選択することでクレーン11の制御信号を生成することができる。
【0097】
また、操縦支援システム1は、第1虚像画像Im1上の一部を使用者が選択することで、選択された第1虚像画像Im1の一部に基づいてメインフック20aの移動方向及び移動速度に関する情報Iffを生成する。透過型表示装置2の使用者は、メインフック20aを移動させたい方向、位置等を示す第1虚像画像Im1の一部をアイトラッキング、ハンドトラッキング等の方法によって選択することでクレーン11の制御信号を生成することができる。これにより、操縦支援システム1は、任意の位置から直感的な操作によってクレーン11を操縦することができる。
【0098】
<メインフック20aの目標位置Lt表示>
図7から図9に示すように、操縦支援システム1は、ブーム19の先端を基準とするメインフック20aの目標位置Ltを虚像画像Imに含まれる第2虚像画像Im2として透過型表示装置2に表示してもよい。
【0099】
図7に示すように、画像処理装置9は、位置情報取得装置である表示装置用カメラ6(図3参照)によって、使用者の視点におけるマーカMを含むの画像P(図4参照)を取得する。画像処理装置9は、取得した画像Pにおける使用者の手の動作またはマーカMの種類からメインフック20aの目標位置Ltに関する情報Ifeか否かを判定する。画像処理装置9は、取得した画像Pがメインフック20aの目標位置Ltに関する情報Ifeであると判定すると、画像P内における操縦者の手の形、位置及び移動方向またはマーカMの種類、位置及び方向等からメインフック20aの目標位置Ltを算出する。または、画像処理装置9は、通信装置8を介して外部から目標位置Ltに関する情報Ifeを取得する。 また、目標位置Ltに関する情報Ifeを取得する手段は、マーカMに限らず、公知の技術であるMR(Mixed Reality)等により周囲環境を認識し、目標位置Ltに関する情報Ifeを取得することもできる。
【0100】
画像処理装置9は、クレーン11の姿勢に関する情報Ifc及び目標位置Ltに基づいて、メインフック20aの目標位置Ltを現在のメインフック20aの高さに表示するための複数の第2基準座標C2を算出する。画像処理装置9は、取得した使用者の位置に関する情報Ifa及び複数の第2基準座標C2に基づいて、使用者の視点から見た目標位置Ltにおけるメインフック20aを第2虚像画像Im2として透過型ディスプレイ4上に現在のメインフック20aの高さで表示するための情報を生成する。つまり、画像処理装置9は、使用者の視点から見た目標位置Ltにおけるメインフック20aの第2虚像画像Im2に関する情報If2として生成する。画像処理装置9は、生成した第2虚像画像Im2に関する情報If2を表示装置用制御装置7に送信する。表示装置用制御装置7は、前記通信装置8を介して第2虚像画像Im2に関する情報If2を取得する。
【0101】
図8に示すように、表示装置用制御装置7は、透過型ディスプレイ4上に第2虚像画像Im2に関する情報If2に基づいて使用者の視点から見て目標位置Ltにメインフック20aの第2虚像画像Im2を表示する。本実施形態において、第2虚像画像Im2は、メインフック20aを模した図形である。
【0102】
使用者は、透過型表示装置2によって、実際の背景Lsに目標位置Ltに表示されたメインフック20aが重なって表示されているように認識する。現在位置Lpに第1虚像画像Im1が表示され、目標位置Ltに第2虚像画像Im2が共に表示されている場合、使用者は、任意の場所においてメインフック20aの現在位置Lpと目標位置Ltとの位置関係及びメインフック20aの目標位置Ltにおける地物Fとの位置関係を地表面上において視認することができる。従って、使用者は、自らの視野内の目標位置Ltに表示されているメインフック20aによってメインフック20aを目標位置Ltまで移動させるために必要な情報を補うことができる。これにより、使用者は、操縦支援システム1によって任意の位置から直感的な操作によってクレーン11を操縦することができる。
【0103】
<メインフック20aの現在位置Lpにおける垂線表示>
図7から図9に示すように、操縦支援システム1は、メインフック20aの現在位置Lpを通過する垂線を虚像画像Imに含まれる第3虚像画像Im3として透過型表示装置2に表示してもよい。
【0104】
図7に示すように、画像処理装置9は、メインフック20aの現在位置Lpを通過する垂線を表示するための複数の第3基準座標C3を算出する。画像処理装置9は、取得した使用者の位置に関する情報Ifaと複数の第3基準座標C3とに基づいて使用者の視点から見た第3虚像画像Im3を透過型ディスプレイ4上に表示するための情報を生成する。つまり、画像処理装置9は、使用者の視点から見たメインフック20aの現在位置Lpを通過する垂線に関する情報をクレーン11についての第3虚像画像Im3に関する情報If3として生成する。画像処理装置9は、生成したクレーン11についての第3虚像画像Im3に関する情報If3を表示装置用制御装置7に送信する。なお、クレーン11についての第3虚像画像Im3に関する情報If3は、メインフック20aの目標位置Ltを通過する垂線に関する情報を含んでいてもよい。表示装置用制御装置7は、前記通信装置8を介してクレーン11についての第3虚像画像Im3に関する情報If3を取得する。
【0105】
図8に示すように、表示装置用制御装置7は、クレーン11についての第3虚像画像Im3に関する情報If3に基づいて第3虚像画像Im3である使用者の視点から見たメインフック20aの現在位置Lpを通過する垂線を透過型ディスプレイ4上に表示する。
【0106】
使用者は、透過型表示装置2によって、実際の背景Ls内にメインフック20aの現在位置Lpを示す垂線が重畳して表示されているように認識する。第3虚像画像Im3であるメインフック20aの現在位置Lpからの垂線と第2虚像画像Im2である目標位置Ltにおけるメインフック20aが共に表示されている場合、使用者は、メインフック20aの現在位置Lpまたは目標位置Ltにおけるメインフック20aの地物Fとの位置関係を視認しつつ、メインフック20aを目標位置Ltに向かって移動させることができる。これにより、使用者は、任意の位置から直感的な操作によってクレーン11を操縦することができる。
【0107】
<メインフック20aの移動方向表示>
図10図11とに示すように、操縦支援システム1は、メインフック20aの移動方向を表すベクトル線図である第4虚像画像Im4を透過型表示装置2に表示してもよい。虚像画像Imに含まれる第4虚像画像Im4は、メインフック20aの現在位置Lpを中心とする球体である。
【0108】
図10に示すように、画像処理装置9は、通信装置8を介して使用者の位置に関する情報Ifa、現在の画像P、クレーン11の位置に関する情報Ifb及びクレーン11の姿勢に関する情報Ifcを取得する。画像処理装置9は、取得したクレーン11の位置に関する情報Ifb及びクレーン11の姿勢に関する情報Ifcに基づいて、メインフック20aの現在位置Lpを中心とする球体を表示するための絶対座標の集合である第4基準座標C4を算出する。画像処理装置9は、取得した使用者の位置に関する情報Ifa及びクレーン11の位置に関する情報Ifbと、算出した第4基準座標C4に基づいて、メインフック20aの現在位置Lpを基準として使用者の視点から見た第4虚像画像Im4を透過型ディスプレイ4上に表示するための第4虚像画像Im4に関する情報If4を生成する。画像処理装置9は、生成した第4虚像画像Im4に関する情報If4を表示装置用制御装置7に送信する。表示装置用制御装置7は、通信装置8を介して第4虚像画像Im4に関する情報If4を取得する。
【0109】
図11に示すように、表示装置用制御装置7は、透過型ディスプレイ4上に第4虚像画像Im4に関する情報If4に基づいて第4虚像画像Im4を表示する。表示装置用制御装置7は、第4虚像画像Im4として透過型ディスプレイ4を通して使用者が視認しているメインフック20aを中心とする球体を表示する。
【0110】
使用者は、透過型表示装置2によって実際の背景Lsに含まれるメインフック20aを中心として囲むように第4虚像画像Im4である球体が表示されているように認識する。使用者は、視認している球体上においてメインフック20aを移動させたい方向を自らの手で指し示しめす。表示装置用制御装置7は、通信装置8を介して球体上を指し示す使用者の手が含まれる画像Pを単位時間毎に継続して画像処理装置9に送信する。
【0111】
図10に示すように、画像処理装置9は、画像Pに含まれる選択位置Spに関する情報Ifdから、使用者の視点から見て使用者の手の指先と重なっている第4虚像画像Im4の一部の位置を使用者が選択した選択位置Spとして算出する。画像処理装置9は、使用者の視点から見てメインフック20aの現在位置Lpと選択位置Spと使用者が指し示した球体上との位置関係からメインフック20aの移動方向及び移動速度に関する情報Iffを生成する。画像処理装置9は、メインフック20aが球体上の選択位置Spに向かって所定の速度で移動するための制御情報であるメインフック20aの移動方向及び移動速度に関する情報Iffを、通信装置8を介してクレーン11のクレーン用制御装置30に送信する。画像処理装置9は、選択位置Spに関する情報Ifdを単位時間毎に連続して取得する間、メインフック20aの移動方向及び移動速度に関する情報Iffを生成するとともに単位時間毎に連続してクレーン用制御装置30に送信する。また、画像処理装置9は、選択位置Spに関する情報を表示装置用制御装置7に送信する。
【0112】
図11に示すように、表示装置用制御装置7は、メインフック20aの現在位置Lpと選択位置Spに関する情報に基づいて、使用者が選択しているメインフック20aの移動方向をベクトル線図Vによって表示する。クレーン11のクレーン用制御装置30は、通信装置8を介してメインフック20aの移動方向及び移動速度に関する情報Iffを取得している間、メインフック20aが現在位置Lpから選択位置Spの方向に移動するように作動量、作動速度、作動タイミング、作動時間で各アクチュエータを作動させる。表示装置用制御装置7は、メインフック20aの移動に合わせて第4虚像画像Im4及びベクトル線図Vの表示位置を変更する。
【0113】
使用者は、透過型表示装置2によって、実際の背景Ls内のメインフック20aの現在位置Lpを中心とする球体及び球体上から選択位置Spに向かうベクトル線図Vが重なって表示されているように認識する。使用者は、メインフック20aの移動方向を球体上の任意の位置を選択することで設定することができる。
【0114】
上述のように、操縦支援システム1を有するクレーン11は、透過型表示装置2の使用することで、荷物Wを吊り下げているメインフック20a等の基準部材に重ね合わせて表示したクレーン11の操作を支援する虚像画像によって操作することができる。これにより、透過型表示装置2の使用者は、操縦席に限らず、荷物Wの近傍、クレーン11を俯瞰できる高所等の任意の位置から、クレーン装置用操作具29を使用することなく、基準部材をハンドトラッキングやアイトラッキング等による直感的な操作によって任意の方向に移動させることができる。
【0115】
<他の実施形態>
上述の各実施形態において、操縦支援システム1は、使用者が視認している背景Lsにメインフック20aを移動させるための案内矢印を使用者の視点から見た第1虚像画像Im1として表示する。しかしながら、第1虚像画像は、標準部材の移動方向、移動速度を案内する図形、文字等であればよい。また、操縦支援システム1への入力は、アイトラッキング、ハンドトラッキングに限らず、第1虚像画像に対応する音声、ジェスチャー、機械的入力、もしくはこれらの組み合わせでもよい。例えば、使用者は、アイトラッキングによって、第1虚像画像の一部を選択した後に、音声によってメインフック20aの移動を開始させてもよい。
【0116】
上述の各実施形態において、使用者が視認している操作用矢印のうち東方矢印Aeを自らの手で指し示した場合、操縦支援システム1は、通信装置8を介してクレーン11のクレーン用制御装置30にメインフック20aの移動方向及び移動速度に関する情報Iffを送信する。クレーン用制御装置30は、メインフック20aの移動方向及び移動速度に関する情報Iffを取得している間、メインフック20aが東に向かって水平に予め定めた所定の速度で移動する(図7参照)。しかしながら、操縦支援システムは、選択位置の第1虚像画像における位置に基づいて基準部材の移動速度及び移動方向を算出してもよい。操縦支援システムの画像処理装置は、使用者が選択した第1虚像画像Im1の位置が基準部材から離れているほど前記基準部材の移動速度を大きく設定した前記基準部材の移動方向及び移動速度に関する情報を生成する。また、画像処理装置は、基準部材に対する選択位置の方向に基づいた移動方向及び移動速度に関する情報を生成する。
【0117】
上述の各実施形態において、画像処理装置9は、画像Pにおいて、使用者の視点から見て使用者の手が虚像画像Imの一部と重なっている部分を選択位置Spとして算出する。この際、画像処理装置は、使用者の視線の位置によって選択位置を選択するアイトラッキングモードを実行してもよい。これにより、操縦支援システム1は、使用者が手を使えない場合でも基準部材の移動方向を選択することができる。
【0118】
上述の各実施形態において、画像処理装置9は、取得した表示装置用カメラ6が撮影した画像Pにおいて、例えば使用者の視点から見て使用者の手が第1虚像画像Im1の一部と重なっている部分を選択位置Spとして算出する。しかしながら、画像処理装置は、使用者の視点から見て使用者の手が第1虚像画像の一部から所定の範囲内に含まれていれば、第1虚像画像と重なっている部分がなくても第1虚像画像を選択したものと判断してもよい。これにより、操縦支援システムは、透過型表示装置上において使用者が容易に第1虚像画像を選択することができる。
【0119】
上述の各実施形態において、画像処理装置9が生成するメインフック20aの移動方向及び移動速度に関する情報Iffは、メインフック20aを任意の方向に任意の速度で移動させるためのクレーン11における各アクチュエータの作動量、作動速度、作動タイミング、作動時間等を含む。しかしながら、クレーンは、周囲の構造物等との接触を抑制するためにブーム等の可動範囲が抑制される場合がある。よって、クレーン用制御装置において、各アクチュエータの可動範囲に制限が設定されている場合、画像処理装置は、使用者の視点から見て透過型表示装置上に基準部材の可動範囲を示す虚像画像に関する情報を生成してもよい。画像処理装置は、通信装置を介してクレーン用制御装置からクレーンの可動範囲の制限に関する情報を取得する。画像処理装置は、基準部材が可動範囲内に位置している場合に、基準部材の移動方向及び移動速度に関する情報を生成する。
【0120】
上述の各実施形態において、クレーン11の操縦支援システム1は、第1虚像画像Im1、第2虚像画像Im2、第3虚像画像Im3及び第4虚像画像Im4のいずれかを透過型表示装置2に表示させている。しかしながら、作業車両の操縦支援システム1は、第1虚像画像から第4虚像画像の少なくとも一つを透過型表示装置の使用者が任意に選択して表示させてもよい。また、作業車両の操縦支援システムは、上述の実施形態で表示している虚像画像に限らず、作業車両の操縦を支援する虚像画像を表示するものであればよい。
【0121】
また、上述の実施形態として、操縦支援システム1の透過型表示装置2は、クレーン11のキャビン27内でクレーン11を操縦している操縦者が装着してもよい。キャビン27内においてクレーン11の操縦者は、クレーン装置用操作具29を使用せずに、操縦支援システム1を用いてメインフック20aを移動させてもよい。
【0122】
また、上述の各実施形態において、クレーン11の操縦支援システム1の透過型表示装置2は、クレーン11の操縦者以外の作業者に装着されている。しかしながら、透過型表示装置は、クレーン11の操縦者とクレーン11の操縦者以外の作業者の少なくとも一人に装着されてもよい。例えば、クレーン11の操縦者と玉掛者とがそれぞれ透過型表示装置2を装着している場合、クレーン11の操縦支援システム1は、それぞれの透過型表示装置に同一のクレーン11の姿勢に関する情報に基づいた同一または異なる種類の虚像画像を表示させる。これにより、クレーン11の操縦者と玉掛者は、それぞれの位置における視野内において同一のクレーン11の姿勢に関する情報に基づいた虚像画像を視認しているので、荷物Wに対するメインフック20aの位置等をより正確に共有することができる。
【0123】
また、上述の実施形態として、操縦支援システム1は、クレーン11の操縦支援システム1として構成されている。しかしながら、操縦支援システム1は、作業車両である高所作業車の操縦支援システム1として構成されていてもよい。高所作業車の操縦支援システム1は、通信装置を介して使用者の位置に関する情報、高所作業車の位置に関する情報、高所作業車の姿勢に関する情報及び虚像画像を表示する基準となる基準面の位置と姿勢とを含む基準面に関する情報を取得する。前記高所作業車の操縦支援システムの画像処理装置は、高所作業車によって移動される基準部材であるバケットの現在位置において使用者の視点から見た操作用矢印である虚像画像を前記透過型表示装置上に表示させるための虚像画像に関する情報を生成する。前記透過型表示装置は、高所作業車についての虚像画像に関する情報を取得し、虚像画像を表示画面上に表示する。
【0124】
また、上述の各実施形態において、クレーン11の操縦支援システム1は、透過型表示装置2によって第1虚像画像Im1から第4虚像画像Im4の少なくとも一つを表示している。しかしながら、クレーン11の操縦支援システムは、基準部材を撮影しているカメラの撮影画像上に第1虚像画像から第4虚像画像の少なくとも一つを表示してもよい。第1虚像画像から第4虚像画像の少なくとも一つは、タッチパネル等の表示画面上で操作することができる。
【0125】
また、上述の各実施形態において、透過型表示装置2は、虚像画像Imを透過型ディスプレイ4に表示するために必要な使用者の位置に関する情報Ifaを表示装置用GNSS受信機5によって取得している。しかしながら、透過型表示装置は、特定位置のマーカ、クレーン自体を認識することで透過型表示装置の位置を算出してもよい。透過型表示装置は、例えばクレーン11のキャビン27内に位置するマーカを認識したり、クレーン自体をマーカ、MRによって認識したりすることで透過型表示装置の位置を算出する。また、自己位置推定技術を活用し、透過型表示装置の移動量、向きを常に算出・更新することで常時クレーンと透過型表示装置との位置関係を把握することができる。また、透過型表示装置は、算出した位置を基準として慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)による位置の算出を行う。
【0126】
また、上述の各実施形態において、透過型表示装置2は、使用者が身体に装着して使用するウェアラブル端末である。しかしなら、透過型表示装置は、使用者の視点から見て背景を透過させる表示画面に前記使用者の視点から見た虚像画像を重畳して視認させる表示装置であればよい。透過型表示装置は、例えばキャビンのフロントガラスを表示画面として、操縦席の操縦者の視点から見た虚像画像を表示させるヘッドアップディスプレイでもよい。
【0127】
上述の実施形態は、代表的な形態を示したに過ぎず、一実施形態の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
【符号の説明】
【0128】
1 操縦支援システム
2 透過型表示装置
3 フレーム
4 透過型ディスプレイ
5 表示装置用GNSS受信機
6 表示装置用カメラ
7 表示装置用制御装置
8 通信装置
9 画像処理装置
11 クレーン
21a メインフック(基準部材)
30 クレーン用制御装置
Lp 現在位置
Lt 目標位置
Sp 選択位置
Ifa 使用者の位置に関する情報
Ifb クレーンの位置に関する情報
Ifc クレーンの姿勢に関する情報
Ifd 選択位置に関する情報
Ife メインフックの目標位置に関する情報
Iff メインフックの移動方向及び移動速度に関する情報
Im1 第1虚像画像
Im2 第2虚像画像
Im3 第3虚像画像
Im4 第4虚像画像
C1 第1基準座標
C2 第2基準画像
C3 第3基準座標
C4 第4基準画像
If1 クレーンについての第1虚像画像に関する情報
If2 クレーンについての第2虚像画像に関する情報
If3 クレーンについての第3虚像画像に関する情報
If4 クレーンについての第4虚像画像に関する情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11