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特開2023-121516インターホン装置、およびインターホンシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023121516
(43)【公開日】2023-08-31
(54)【発明の名称】インターホン装置、およびインターホンシステム
(51)【国際特許分類】
   H04M 9/00 20060101AFI20230824BHJP
【FI】
H04M9/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022024894
(22)【出願日】2022-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木藤 祥貴
【テーマコード(参考)】
5K038
【Fターム(参考)】
5K038AA06
5K038CC12
5K038DD15
5K038DD18
(57)【要約】
【課題】集合施設のセキュリティを高めることができるインターホン装置およびインターホンシステムを提供する。
【解決手段】本開示の一態様である集合施設のインターホン装置は、集合施設の共同玄関に設けられ、インターホン装置に対する操作を受け付ける受付部と、インターホン装置の前の所定範囲を撮像する撮像部と、インターホン装置の前に人が存在することに起因した入力に基づいて、前記撮像部に所定間隔で複数の静止画を撮像させ、前記静止画のうちの少なくとも一部を記憶部に記憶させる制御部とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集合施設の共同玄関に設けられるインターホン装置であって、
前記インターホン装置に対する操作を受け付ける受付部と、
前記インターホン装置の前の所定範囲を撮像する撮像部と、
前記インターホン装置の前に人が存在することに起因した入力に基づいて、前記撮像部に所定間隔で複数の静止画を撮像させ、前記静止画のうちの少なくとも一部を記憶部に記憶させる制御部とを備える、インターホン装置。
【請求項2】
人の存在を検知する検知部をさらに備え、
前記入力が、前記検知部が人の存在を検知したことに起因する入力を含む、請求項1に記載のインターホン装置。
【請求項3】
外部と通信する通信部をさらに備え、
前記入力が、前記通信部に対する信号の入力を含む、請求項1または2に記載のインターホン装置。
【請求項4】
前記受付部は、操作受付部および認証情報受付部の少なくとも一方を含み、
前記操作受付部が前記集合施設内の住戸の呼び出し操作を受け付けたとき、または前記認証情報受付部に入力された認証情報の認証が成功したときに、
前記静止画のうちの前記呼び出し操作を受け付けた後または前記認証が成功した後に撮像されたものを前記記憶部に記憶させず、かつ、前記静止画に前記操作を受け付ける前または前記認証が成功する前に撮像されたものが存在する場合には、当該静止画を前記記憶部に記憶させる、請求項1~3のいずれか1項に記載のインターホン装置。
【請求項5】
前記入力に基づいて、スリープ状態から所定時間の動作状態に移行し、前記所定時間経過後に前記スリープ状態に移行するように構成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載のインターホン装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記所定時間内に、前記静止画を前記記憶部に記憶させる、請求項5に記載のインターホン装置。
【請求項7】
前記記憶部の使用量または使用比率が所定値以上であるとき、
前記制御部は、前記所定時間内に、前記記憶部に記憶された前記静止画の少なくとも一部を削除する、請求項5または6に記載のインターホン装置。
【請求項8】
前記記憶部の記憶期間を設定可能な第1設定部をさらに備える、請求項1~7のいずれか1項に記載のインターホン装置。
【請求項9】
前記所定間隔、前記静止画の撮像枚数、および前記静止画の画質のいずれか1つ以上を設定可能な第2設定部をさらに備える、請求項1~8のいずれか1項に記載のインターホン装置。
【請求項10】
前記記憶部は、前記インターホン装置に着脱可能な記憶装置である、請求項1~9のいずれか1項に記載のインターホン装置。
【請求項11】
報知部をさらに備え、
前記受付部が所定の操作を受け付けたときに、前記報知部は、前記記憶部の状態に関する情報を報知する、請求項1~10のいずれか1項に記載のインターホン装置。
【請求項12】
管理端末に対して情報を出力する出力部をさらに備え、
前記出力部は、前記記憶部の状態に関する情報を前記管理端末に対して出力可能に構成されている、請求項1~11のいずれか1項に記載のインターホン装置。
【請求項13】
管理端末に対して情報を出力する出力部を備え、
前記出力部は、前記記憶部に記憶された前記静止画を前記管理端末に対して出力可能に構成されている、請求項1~11のいずれか1項に記載のインターホン装置。
【請求項14】
前記出力部は、前記記憶部に記憶された前記静止画を前記管理端末に対して出力可能に構成されている、請求項12に記載のインターホン装置。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか1項に記載のインターホン装置と、
前記集合施設の専有部に設けられ、前記インターホン装置と通信する情報端末とを備える、インターホンシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、インターホン装置、およびインターホンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターホンシステムが設けられたマンション等の集合施設では、共同玄関にインターホン装置が設置されている。一般に、インターホン装置はカメラを有し、例えば、来訪者がインターホン装置を操作して訪問先の住戸の居住者を呼び出した場合には、その居住者は、来訪者の顔を室内に設けられた情報端末で確認することができる。
【0003】
一般に、インターホンシステムは、インターホン装置のカメラで居住者と来訪者が通話している際の来訪者の画像を撮像し、情報端末に記憶する。また、留守等で居住者が呼び出しに応答しない場合にも、インターホンシステムは、来訪者の画像を撮像し、情報端末に記憶する。
【0004】
特許文献1には、センサによってインターホン装置を操作する来訪者を検出し、居住者と来訪者との間の通話が確立する前に、来訪者の画像を撮像するインターホンシステムが開示されている。特許文献1には、このインターホンシステムによれば、来訪者の的確な画像を取得できると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002-16713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、集合施設の共同玄関には不審者が侵入する場合があり、インターホンシステムには、集合施設のセキュリティを確保するための機能が求められている。特許文献1に開示された技術は、セキュリティ用途として開発されたものではなく、共同玄関に侵入した不審者を撮像するためには不十分である。
【0007】
本開示の目的は、集合施設のセキュリティを高めることができるインターホン装置およびインターホンシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様であるインターホン装置は、集合施設の共同玄関に設けられ、インターホン装置に対する操作を受け付ける受付部と、インターホン装置の前の所定範囲を撮像する撮像部と、インターホン装置の前に人が存在することに起因した入力に基づいて、前記撮像部に所定間隔で複数の静止画を撮像させ、前記静止画のうちの少なくとも一部を記憶部に記憶させる制御部とを備えることを特徴とする。
【0009】
本開示の一態様であるインターホンシステムは、上記のインターホン装置と、集合施設の専有部に設けられ、インターホン装置と通信する情報端末とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一態様であるインターホン装置によれば、集合施設のセキュリティを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態の一例であるインターホンシステムの概略図である。
図2】実施形態の一例であるインターホン装置本体の正面図である。
図3】実施形態の一例であるインターホン装置の構成を示すブロック図である。
図4】実施形態の一例であるインターホン装置の動作状態における動作手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態について詳細に説明する。以下で説明する実施形態はあくまでも一例であって、本開示は以下の実施形態に限定されない。また、以下で説明する複数の実施形態、変形例を選択的に組み合わせることは当初から想定されている。以下の実施例では、図面において同一構成に同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0013】
本開示の装置およびシステムの主体は、コンピュータを備えている。このコンピュータがプログラムを実行することによって、本開示の装置およびシステムの主体の機能が実現される。コンピュータは、プログラムに従って動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって上記機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、集積回路(IC)または大規模集積回路(LSI)を含む1つまたは複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集積されていてもよく、複数のチップに設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよく、複数の装置に備えられていてもよい。また、プログラムは、コンピュータが読み取り可能なROM、光ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記憶媒体に記憶される。プログラムは、記憶媒体に予め格納されていてもよく、インターネット等を含む広域通信網を介して記憶媒体に供給されてもよい。
【0014】
以下、実施形態の一例であるインターホンシステム1について、図1図4を参照しつつ、説明する。
【0015】
まず、図1を参照しつつ、インターホンシステム1の概要について説明する。図1は、本実施形態のインターホンシステム1の構成を模式的に示す図である。図1に示すように、インターホンシステム1は、マンション等の集合施設に設けられるシステムである。インターホンシステム1は、集合施設の共同玄関に設置されたインターホン装置10と、専用部である各住戸に設置された複数の情報端末20と、これらの装置を制御する制御装置30とを備える。また、インターホンシステム1は、図1に示すように、管理人室に管理端末40を備えてもよい。インターホン装置10、情報端末20および管理端末40は、いずれも相互に通信可能に接続されている。
【0016】
インターホンシステム1が適用される集合施設の具体例としては、マンション、寮、社宅等の集合住宅が挙げられるが、集合施設は集合住宅に限定されず、例えば、オフィス、工場、研究施設、医療施設、宿泊施設等の複数の施設(複数の会社、部課、部門等)が集合して構成される施設でもよい。
【0017】
インターホン装置10は、玄関ドア5に隣接して設置されている。玄関ドア5は、例えば、自動ドアにより構成され、平常時は施錠された状態が基本である。
【0018】
インターホン装置10は、例えば、来訪者が各住戸の呼び出しを行うために使用される。来訪者は、インターホン装置10で訪問先の住戸を呼び出して、その住戸の居住者に玄関ドア5の電気錠を解錠してもらう。これにより、来訪者は、玄関ドア5から集合施設の内側に入ることができる。
【0019】
インターホン装置10は、例えば、許可者が玄関ドア5の電気錠を解錠するために使用される。ここで、許可者とは、居住者、および集合施設内への立ち入りが許可された来訪者である。許可者は、予め決められた電気錠の解錠操作を行うことで、玄関ドア5の電気錠を解錠して、集合施設の玄関ドア5よりも内側に入ることができる。例えば、許可者は、インターホン装置10に予め決められた番号(以下、暗証番号という)を入力することで、玄関ドア5の電気錠を解錠することができる。許可者以外の者は、解錠操作について知らないので、基本的には、玄関ドア5の電気錠を解錠して集合施設の内側に入ることができない。
【0020】
図1に示す例では、インターホン装置10は、インターホン装置本体11以外に、ICカードリーダ12を備えている。ICカードリーダ12は、インターホン装置10と同様に、共同玄関の玄関ドア5よりも外側に設置されている。ICカードリーダ12は、予め登録されたカードキーを検知したときに、解錠信号を送信する。これにより、玄関ドア5の電子錠が解錠される。カードキーは、居住者等が所有している。なお、インターホン装置本体11がICカードリーダ12を有してもよい。
【0021】
専有部に設けられた情報端末20は、例えば、各住戸の室内に設置された装置である。なお、情報端末20は、室内に設置された装置に限られず、人が携帯可能なスマートフォン等の機器であってもよい。
【0022】
情報端末20は、分岐器15を介してインターホン装置10および制御装置30と通信可能に接続されている。情報端末20はマイク、スピーカ、モニタ、および通話ボタンを備える。インターホン装置10を介して来訪者から呼び出しを受けた居住者は、情報端末20のモニタにより、来訪者の映像を確認する。居住者は、通話ボタンを操作することで、マイクおよびスピーカにより来訪者との通話が可能となる。
【0023】
情報端末20は、さらに、解錠ボタンを備える。居住者が解錠ボタンを操作することで、情報端末20から解錠信号が送信される。これにより、玄関ドア5が解錠され、来訪者は集合施設の内側に入ることができる。
【0024】
また、情報端末20は、各住戸の玄関近傍に設置された玄関子機22と通信可能に接続されている。来訪者が後述する玄関子機22の呼出ボタン22aにより居住者を呼び出し、居住者が情報端末20の通話ボタンを操作することで、居住者は、情報端末20により、玄関子機22を介した来訪者との通話が可能となる。また、居住者は、来訪者の映像を確認することもできる。
【0025】
玄関子機22は、情報端末20を呼び出すための呼出ボタン22aを備える。また、玄関子機22は、カメラ、マイク、およびスピーカを備える。呼出ボタン22aが操作されると、情報端末20の呼び出しが行われると共に、玄関子機22のカメラにより来訪者が撮影され、その映像が情報端末20のモニタに表示される。情報端末20には、来訪者の映像を録画する機能が設けられていてもよい。
【0026】
制御装置30は、インターホンシステム1を統括的に制御する装置であって、インターホン装置10、情報端末20、および管理端末40等と通信可能に接続され、各装置から信号を受信して種々の情報を取得し、各装置に制御信号を出力して各装置を制御する。
【0027】
制御装置30は、例えば、インターホンシステム1を制御するための演算処理を実行するプロセッサと、制御プログラム等が記憶されたメモリとを備える。制御装置30は、プロセッサを含むコンピュータにより構成される。メモリは、例えば、RAM、ROM、ハードディスク等により構成され、プロセッサを含むコンピュータに内蔵されている。なお、制御装置30は、1つのコンピュータで構成されていてもよく、複数のコンピュータで構成されていてもよい。
【0028】
制御装置30は、例えば、インターホン装置10を用いた来訪者からの呼び出しに対応して、情報端末20を呼び出すように構成されている。さらに、制御装置30は、情報端末20の操作に基づき、玄関ドア5の電気錠の解錠に関する制御を行う。また、制御装置30は、例えば、インターホン装置10が受け付けた操作に基づき、玄関ドア5の電気錠の解錠に関する制御を行う。
【0029】
次に、図2を参照しつつ、インターホン装置本体11について説明する。図2は、本実施形態のインターホン装置本体11の正面図である。図2に示すように、インターホン装置本体11は、テンキー11a、呼出ボタン11b、逆マスターキー挿入部11c、カメラ11d、スピーカ11e、マイク11f、モニタ11g、およびセンサ11hを備える。
【0030】
テンキー11aは、居住者または来訪者が操作することできるユーザインターフェースである。許可者は、例えば、テンキー11aを用いて暗証番号を入力することで、玄関ドア5の電気錠を解錠することができる。また、来訪者は、テンキー11aで住戸番号を入力し、呼出ボタン11bを押すことで、訪問先の住戸を呼び出すことができる。鍵を有する居住者等は、逆マスターキー挿入部11cに鍵を挿入して玄関ドア5の電気錠を解錠することもできる。
【0031】
カメラ11dは、インターホン装置10の前の所定範囲を撮像し、例えば、インターホン装置10を操作する居住者や来訪者を撮像する。来訪者がインターホン装置10で訪問先の住戸を呼び出した場合には、インターホン装置10は、カメラ11dで来訪者を撮影し、その映像を呼び出しが行われた情報端末20に送信する。
【0032】
カメラ11dは、例えば、後述するセンサ11hと連動して機能する。センサ11hが人を検知してから、その人がテンキー11a等の受付部に対して操作するまでの間に、カメラ11dは所定間隔で複数の静止画を撮像してもよい。
【0033】
スピーカ11eおよびマイク11fは、来訪者が各住戸に設置された情報端末20を介して居住者と通話をするために用いられる。スピーカ11eからは、呼び出し音、居住者が応答した場合にはその音声等が出力される。来訪者の声はマイク11fにより取得されて情報端末20に送信されるので、訪問先の居住者と会話することができる。モニタ11gには、例えば、カメラ11dにより撮影された映像が表示される。
【0034】
センサ11hは、インターホン装置本体11の前に人が存在することを検知する。センサ11hの人の検知に起因して、インターホン装置10は、スリープ状態から動作状態に移行する。動作状態の開始に伴ってモニタ11gが点灯し、インターホン装置本体11の前の人にインターホン装置10への操作を促してもよい。上記のようにセンサ11hの検知に連動して複数の静止画を撮像した後、所定時間経ってもインターホン装置10への操作がない場合には、インターホン装置10は再度スリープ状態に移行する。
【0035】
次に、図3を参照しつつ、インターホン装置10について詳説する。図3は、本実施形態のインターホン装置10の構成を示すブロック図である。本開示のインターホン装置10は、共同玄関でインターホン装置10を操作せずに滞在している不審者を撮像するための機能を有している。なお、以下に説明する本実施形態においては、受付部50~
【0036】
インターホン装置10は、例えば、インターホン装置10を制御するための演算処理を実行するプロセッサ45と、制御プログラム等が記憶されたメモリ46とを備える。インターホン装置10は、プロセッサ45を含むコンピュータにより構成される。メモリ46は、例えば、RAM、ROM、ハードディスク等により構成され、プロセッサ45を含むコンピュータに内蔵されている。なお、インターホン装置10は、1つのコンピュータで構成されていてもよく、複数のコンピュータで構成されていてもよい。
【0037】
インターホン装置10は、受付部50と、撮像部51と、制御部52とを備える。受付部50は、インターホン装置10に対する操作を受け付ける。受付部50は、例えば、操作受付部50aおよび認証情報受付部50bの少なくとも一方を含む。本実施形態においては、操作受付部50aはテンキー11aであり、認証情報受付部50bはICカードリーダ12である。
【0038】
撮像部51は、インターホン装置10の前の所定範囲を撮像する。本実施形態においては、撮像部51はカメラ11dである。なお、撮像部51は、カメラ11d以外のカメラでもよく、例えば、共同玄関に設けられた監視カメラであってもよい。
【0039】
制御部52は、インターホン装置10の前に人が存在することに起因した入力(以下、開始入力という)に基づいて、撮像部51に所定間隔で複数の静止画を撮像させ、静止画のうちの少なくとも一部を記憶部60に記憶させる。これにより、不審者の顔が写った静止画を得ることができるので、集合施設のセキュリティを向上させることができる。インターホン装置10の前の人が必ずしも撮像部51に顔を向けているとは限らないので、所定間隔で複数の静止画を撮像することにより、その人の顔を確認できる程度に静止画を得ることができる可能性が高くなる。所定間隔は、例えば、0.1秒~5秒であり、2秒であってもよい。また、撮像される静止画の数は、例えば、2枚~10枚であり、5枚であってもよい。この程度の枚数であれば、記憶部60に過度の負担をかけずに静止画を保存し、有事の際にはその静止画を確認することができる。
【0040】
インターホン装置10は、例えば、開始入力に基づいて、スリープ状態から所定時間の動作状態に移行し、所定時間経過後にスリープ状態に移行するように構成されている。これにより、常時動作状態とするよりも消費電力を抑制することができる。所要時間は、例えば、10秒~120秒であり、30秒であってもよい。
【0041】
制御部52は、上記の所定時間内に、静止画を記憶部60に記憶させてもよい。また、記憶部60の使用量または使用比率が所定値以上であるとき、制御部52は、上記の所定時間内に、記憶部60に記憶された静止画の少なくとも一部を削除してもよい。これにより、記憶部60の負担を軽くすることができる。
【0042】
記憶部60は、例えば、インターホン装置10に着脱可能な記憶装置である。これにより、記憶部60が故障した際に比較的容易に交換することができる。記憶部60は、インターホン装置10の内部に組み込まれていることが好ましい。これにより、記憶部60の盗難を抑制することができる。記憶部60は、SDカードであってもよい。また、記憶部60は、インターホン装置10以外に設置されていてもよく、インターホンシステム1内の制御装置30等の他の装置に組み込まれていてもよいし、クラウドサーバ等のインターホンシステム1の外にあるサーバ等に存在していてもよい。なお、記憶部60は、インターホン装置10を構成する要素ではない。
【0043】
操作受付部50aが集合施設内の住戸の呼び出し操作を受け付けたとき(以下、呼び出し操作受付時という)には、呼び出し操作受付時よりも後に撮像部51で撮像された画像は、呼び出しを受けた住戸の情報端末20に記憶される。また、認証情報受付部50bに入力された認証情報の認証が成功したとき(以下、認証成功時)には、玄関ドア5の電子錠が解錠され、認証を行った人は集合施設内に入ることができる。呼び出し操作受付時または認証成功時よりも後は、撮像部51に撮像される人は不審者ではないので、撮像部51は静止画を撮像しなくてもよい。これにより、記憶部の負担を軽くすることができる。呼び出し操作受付時または認証成功時よりも前に撮像された静止画が存在する場合には、当該静止画を記憶部60に記憶させてもよい。
【0044】
本実施形態においては、インターホン装置10は、人の存在を検知する検知部53と、外部と通信する通信部54とをさらに備える。開始入力は、検知部53が人の存在を検知したことに起因する入力であってもよい。また、開始入力は、通信部54に対する信号の入力であってもよい。ここで、通信部54に対する信号としては、例えば、集合施設の外側と共同玄関との間の自動扉が開いたことに起因して自動扉から出力された信号が挙げられる。
【0045】
本実施形態においては、インターホン装置10は、記憶部60の記憶期間を設定可能な第1設定部55を備える。これにより、記憶部60への負担を考慮しつつ、カスタマイズが可能となる。例えば、記憶部60の容量が比較的小さい場合には、記憶期間を短くすることで記憶部60の使用比率を抑制することができる。
【0046】
本実施形態においては、インターホン装置10は、所定間隔、静止画の撮像枚数、および静止画の画質のいずれか1つ以上を設定可能な第2設定部56を備える。これにより、記憶部60への負担を考慮しつつ、カスタマイズが可能となる。
【0047】
本実施形態においては、インターホン装置10は、報知部57を備える。受付部50が所定の操作を受け付けたときに、報知部57は、記憶部60の状態に関する情報を報知してもよい。これにより、所定の操作をした管理者等が記憶部60の状態を知ることができる。ここで、所定の操作とは、報知部57に情報を報知させるために予め決められた操作であり、例えば、管理者等の関係者のみが知っている暗証番号を操作受付部50aに入力する操作が挙げられる。
【0048】
本実施形態においては、インターホン装置10は、管理端末40に対して情報を出力する出力部58をさらに備える。出力部58は、記憶部60の状態に関する情報を管理端末40に対して出力可能に構成されていてもよい。これにより、管理者等は、記憶部60の状態に関する情報を管理端末40で確認することができる。また、出力部58は、記憶部60に記憶された静止画を管理端末40に対して出力可能に構成されていてもよい。これにより、管理者等は、記憶部60に記憶された静止画を管理端末40で確認することができる。
【0049】
以下、図4のフローチャートを参照しながら、上記構成を備えたインターホン装置10動作状態における動作手順の一例について説明する。
【0050】
インターホン装置10の動作手順では、インターホン装置10はスリープ状態からスタートする。まず、インターホン装置10は、インターホン装置10の前に人が存在するか否かを判定する(S1)。S1のステップにおいて、人が存在しない(No)と判定された場合には、インターホン装置10はスリープ状態を維持する。
【0051】
S1のステップにおいて、人が存在する(Yes)と判定された場合には、インターホン装置10は、スリープ状態から動作状態に移行し(S2)、その人の撮像を開始する(S3)。
【0052】
S3のステップ後に、その人がインターホン装置10に対して操作を行った場合(S4のYes)には、インターホン装置10は撮像を終了する(S5)。一方、S3のステップ後、その人がインターホン装置10に対して操作を行わなかった場合(S4のNo)には、インターホン装置10は予め決められた所定枚数の静止画を撮像後に、撮像を終了する(S6)。
【0053】
S5のステップ後またはS6のステップ後に、インターホン装置10は、撮像した静止画を記憶部60に保存し(S7)、動作状態からスリープ状態に移行して(S8)、本フローは終了する。
【0054】
上述したように、本開示のインターホン装置、およびインターホンシステムによれば、共同玄関に侵入した不審者を撮像することが可能であり、集合施設のセキュリティを高めることができる。
【符号の説明】
【0055】
1 インターホンシステム、5 玄関ドア、10 インターホン装置、11 インターホン装置本体、11a テンキー、11b 呼出ボタン、11c 逆マスターキー挿入部、11d カメラ、11e スピーカ、11f マイク、11g モニタ、11h センサ、12 ICカードリーダ、15 分岐器、20 情報端末、22 玄関子機、22a 呼出ボタン、30 制御装置、40 管理端末、45 プロセッサ、46 メモリ、50 受付部、50a 操作受付部、50b 認証情報受付部、51 撮像部、52 制御部、53 検知部、54 通信部、55 第1設定部、56 第2設定部、57 報知部、58 出力部、60 記憶部
図1
図2
図3
図4