(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023121548
(43)【公開日】2023-08-31
(54)【発明の名称】鍵管理装置、鍵回収装置、及び鍵管理システム
(51)【国際特許分類】
E05B 19/00 20060101AFI20230824BHJP
【FI】
E05B19/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022024949
(22)【出願日】2022-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】501079875
【氏名又は名称】グローリーAZシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】小坂 良一
(72)【発明者】
【氏名】福田 幸貴
(57)【要約】
【課題】鍵を保持するホルダを返却する際に一括収納部によるホルダの収納を制御する。
【解決手段】鍵を保持するホルダをそれぞれが収納可能な複数の個別収納部と、返却口から投入されたホルダを複数一括して収納可能な一括収納部と、返却口から一括収納部までのホルダの通過経路に設けられる開閉部と、開閉部を制御する制御部と、を備える、鍵管理装置。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鍵を保持するホルダをそれぞれが収納可能な複数の個別収納部と、
返却口から投入されたホルダを複数一括して収納可能な一括収納部と、
前記返却口から前記一括収納部までのホルダの通過経路に設けられる開閉部と、
前記開閉部を制御する制御部と、
を備える、鍵管理装置。
【請求項2】
前記開閉部は、前記返却口に設けられ、
前記制御部は、前記開閉部の施解錠状態を切り替える、請求項1に記載の鍵管理装置。
【請求項3】
前記制御部は、利用者が返却対象のホルダを返却する処理の開始操作を行ったことを条件として、前記開閉部の施解錠状態を施錠状態から解錠状態に切り替える、請求項2に記載の鍵管理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記返却対象のホルダを前記一括収納部に収納することを決定するための予め定められた条件が満たされることを更なる条件として、前記開閉部の施解錠状態を施錠状態から解錠状態に切り替える、請求項3に記載の鍵管理装置。
【請求項5】
前記予め定められた条件は、前記返却対象のホルダとして予め定められたホルダが指定された、という条件である、請求項4に記載の鍵管理装置。
【請求項6】
前記予め定められた条件は、予め定められた利用者が前記返却対象のホルダを返却するための操作を行った、という条件である、請求項4に記載の鍵管理装置。
【請求項7】
前記予め定められた条件は、予め定められた時間に前記返却対象のホルダを返却するための操作が行われた、という条件である、請求項4に記載の鍵管理装置。
【請求項8】
前記通過経路における前記返却口と前記一括収納部との間に設けられる一時保留部を更に備え、
前記開閉部は、前記一時保留部と前記一括収納部との間に設けられ、
前記制御部は、前記開閉部の開閉状態を切り替える、請求項1に記載の鍵管理装置。
【請求項9】
前記一時保留部内にあるホルダを検知するホルダ検知部を更に備え、
前記制御部は、前記ホルダ検知部により検知されたホルダに基づいて、前記開閉部の開閉状態を閉状態から開状態に切り替える、請求項8に記載の鍵管理装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記ホルダ検知部により検知されたホルダが返却対象のホルダであることを確認する確認操作を利用者が行った場合に、前記開閉部の開閉状態を閉状態から開状態に切り替える、請求項9に記載の鍵管理装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記利用者が前記確認操作を所定時間以上行わなかった場合に、前記開閉部の開閉状態を閉状態から開状態に切り替える、請求項10に記載の鍵管理装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記利用者が前記確認操作を行ったことにより前記開閉部の開閉状態が切り替えられて前記一括収納部に収納された第1のホルダと、前記利用者が前記確認操作を所定時間以上行わなかったことにより前記開閉部の開閉状態が切り替えられて前記一括収納部に収納された第2のホルダとを区別可能にする所定処理を行う、請求項11に記載の鍵管理装置。
【請求項13】
前記一時保留部内を撮影する撮影部を更に備え、
前記所定処理は、前記第1のホルダに対して前記撮影部による撮影画像を関連付けて記録せず、前記第2のホルダに対して前記撮影部による撮影画像を関連付けて記録する処理である、請求項12に記載の鍵管理装置。
【請求項14】
前記所定処理は、前記第1のホルダを前記一括収納部の第1の収納部に収納し、前記第2のホルダを前記一括収納部の第2の収納部に収納する処理である、請求項12に記載の鍵管理装置。
【請求項15】
前記制御部は、前記ホルダ検知部により検知されたホルダと、利用者が指定した返却対象のホルダとが一致する場合に、前記開閉部の開閉状態を閉状態から開状態に切り替える、請求項9に記載の鍵管理装置。
【請求項16】
前記一時保留部内の異物を検知する異物検知部を更に備え、
前記制御部は、前記異物検知部により異物が検知された場合に、前記開閉部の開閉状態を閉状態に維持する、請求項9に記載の鍵管理装置。
【請求項17】
鍵を管理する鍵管理装置と通信可能に接続された、鍵を回収する鍵回収装置であって、
鍵を保持するホルダであって返却口から投入されたホルダを複数一括して収納可能な一括収納部と、
前記返却口から前記一括収納部までのホルダの通過経路に設けられる開閉部と、
前記鍵管理装置から受信した情報に基づいて、前記開閉部を制御する制御部と、
を備える、鍵回収装置。
【請求項18】
鍵を管理する鍵管理装置と、
前記鍵管理装置と通信可能に接続された、鍵を回収する鍵回収装置と、
を備え、
前記鍵管理装置は、
鍵を保持するホルダをそれぞれが収納可能な複数の個別収納部、
を備え、
前記鍵回収装置は、
返却口から投入されたホルダを複数一括して収納可能な一括収納部と、
前記返却口から前記一括収納部までのホルダの通過経路に設けられる開閉部と、
を備え、
前記鍵回収装置は、前記鍵管理装置から受信した情報に基づいて、前記開閉部を制御する、
鍵管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鍵管理装置、鍵回収装置、及び鍵管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、返却口に返却投入された重要物をシュートを介して収納部に収納する重要物管理装置において、重要物に識別情報を記憶した識別情報記憶手段を設けるとともに、収納部に収納された重要物の識別情報記憶手段から識別情報を読み取る取得手段と、取得手段によって読み取られた識別情報を出力する出力手段とを備える重要物管理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
鍵を保持するホルダを返却する際に、返却口から一括収納部までのホルダの通過経路に開閉部を設けない構成では、一括収納部によるホルダの収納を制御することができず、全てのホルダが一括収納部に収納されてしまう。
【0005】
本発明の目的は、鍵を保持するホルダを返却する際に一括収納部によるホルダの収納を制御することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的のもと、本発明は、鍵を保持するホルダをそれぞれが収納可能な複数の個別収納部と、返却口から投入されたホルダを複数一括して収納可能な一括収納部と、返却口から一括収納部までのホルダの通過経路に設けられる開閉部と、開閉部を制御する制御部と、を備える、鍵管理装置を提供する。
開閉部は、返却口に設けられ、制御部は、開閉部の施解錠状態を切り替える、ものであってよい。
その場合、制御部は、利用者が返却対象のホルダを返却する処理の開始操作を行ったことを条件として、開閉部の施解錠状態を施錠状態から解錠状態に切り替える、ものであってよい。
また、その場合、制御部は、返却対象のホルダを一括収納部に収納することを決定するための予め定められた条件が満たされることを更なる条件として、開閉部の施解錠状態を施錠状態から解錠状態に切り替える、ものであってよい。更に、その場合、予め定められた条件は、返却対象のホルダとして予め定められたホルダが指定された、という条件であってもよい。予め定められた条件は、予め定められた利用者が返却対象のホルダを返却するための操作を行った、という条件であってもよい。予め定められた条件は、予め定められた時間に返却対象のホルダを返却するための操作が行われた、という条件であってもよい。
また、鍵管理装置は、通過経路における返却口と一括収納部との間に設けられる一時保留部を更に備え、開閉部は、一時保留部と一括収納部との間に設けられ、制御部は、開閉部の開閉状態を切り替える、ものであってよい。
その場合、鍵管理装置は、一時保留部内にあるホルダを検知するホルダ検知部を更に備え、制御部は、ホルダ検知部により検知されたホルダに基づいて、開閉部の開閉状態を閉状態から開状態に切り替える、ものであってよい。
また、その場合、制御部は、ホルダ検知部により検知されたホルダが返却対象のホルダであることを確認する確認操作を利用者が行った場合に、開閉部の開閉状態を閉状態から開状態に切り替える、ものであってよい。
更に、その場合、制御部は、利用者が確認操作を所定時間以上行わなかった場合に、開閉部の開閉状態を閉状態から開状態に切り替える、ものであってよい。更にまた、その場合、制御部は、利用者が確認操作を行ったことにより開閉部の開閉状態が切り替えられて一括収納部に収納された第1のホルダと、利用者が確認操作を所定時間以上行わなかったことにより開閉部の開閉状態が切り替えられて一括収納部に収納された第2のホルダとを区別可能にする所定処理を行う、ものであってよい。更にまた、その場合、鍵管理装置は、一時保留部内を撮影する撮影部を更に備え、所定処理は、第1のホルダに対して撮影部による撮影画像を関連付けて記録せず、第2のホルダに対して撮影部による撮影画像を関連付けて記録する処理であってもよい。所定処理は、第1のホルダを一括収納部の第1の収納部に収納し、第2のホルダを一括収納部の第2の収納部に収納する処理であってもよい。
また、その場合、制御部は、ホルダ検知部により検知されたホルダと、利用者が指定した返却対象のホルダとが一致する場合に、開閉部の開閉状態を閉状態から開状態に切り替える、ものであってよい。
また、その場合、鍵管理装置は、一時保留部内の異物を検知する異物検知部を更に備え、制御部は、異物検知部により異物が検知された場合に、開閉部の開閉状態を閉状態に維持する、ものであってよい。
【0007】
また、本発明は、鍵を管理する鍵管理装置と通信可能に接続された、鍵を回収する鍵回収装置であって、鍵を保持するホルダであって返却口から投入されたホルダを複数一括して収納可能な一括収納部と、返却口から一括収納部までのホルダの通過経路に設けられる開閉部と、鍵管理装置から受信した情報に基づいて、開閉部を制御する制御部と、を備える、鍵回収装置も提供する。
【0008】
更に、本発明は、鍵を管理する鍵管理装置と、鍵管理装置と通信可能に接続された、鍵を回収する鍵回収装置と、を備え、鍵管理装置は、鍵を保持するホルダをそれぞれが収納可能な複数の個別収納部、を備え、鍵回収装置は、返却口から投入されたホルダを複数一括して収納可能な一括収納部と、返却口から一括収納部までのホルダの通過経路に設けられる開閉部と、を備え、鍵回収装置は、鍵管理装置から受信した情報に基づいて、開閉部を制御する、鍵管理システムも提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、鍵を保持するホルダを返却する際に一括収納部によるホルダの収納を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の形態における鍵貸出システムの全体構成例を示す図である。
【
図2】本発明の第1及び第2の実施の形態における鍵管理装置の外観構成例を示す図である。
【
図3】本発明の第1及び第2の実施の形態で用いるホルダ及び鍵の外観構成例を示す図である。
【
図4】本発明の第1の実施の形態における鍵管理装置の鍵回収庫に関する
図2のA-A断面図である。
【
図5】本発明の第1の実施の形態における鍵管理装置の機能構成例を示したブロック図である。
【
図6】(a)~(c)は、本発明の第1及び第2の実施の形態における返却先情報の第1乃至第3の例を示した図である。
【
図7】本発明の第1の実施の形態における鍵管理装置の動作例を示したフローチャートである。
【
図8】本発明の第2の実施の形態における鍵管理装置の鍵回収庫に関する
図2のA-A断面図である。
【
図9】本発明の第2の実施の形態における鍵管理装置の機能構成例を示したブロック図である。
【
図10】本発明の第2の実施の形態におけるホルダ区別情報の一例を示した図である。
【
図11】本発明の第2の実施の形態における鍵管理装置の動作例を示したフローチャートである。
【
図12】本発明の第3の実施の形態における鍵管理装置の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0012】
[鍵貸出システムの全体構成]
図1は、本実施の形態における鍵貸出システム1の全体構成例を示す図である。図示するように、鍵貸出システム1は、鍵管理装置10と、サーバ装置40と、端末装置50とを備えている。そして、鍵管理装置10、サーバ装置40、及び端末装置50は、ネットワーク80を介して接続される。
【0013】
鍵管理装置10は、鍵を保持するホルダを着脱可能に収納する鍵収納庫と、返却されたホルダを複数一括して収納する鍵回収庫とを含む装置である。この鍵管理装置10は、管理者又は利用者によって操作される。管理者は、鍵を管理するユーザであり、翌日予約されている鍵を鍵管理装置10に装填したり、翌日予約されていない鍵を鍵管理装置10から回収したりする操作を行う。また、利用者は、鍵を借用して利用するユーザであり、自身が当日予約している鍵を鍵管理装置10から借用したり、利用が終わった鍵を鍵管理装置10に返却したりする操作を行う。
【0014】
サーバ装置40は、鍵やホルダに関する情報を管理する装置である。サーバ装置40は、鍵の予約を受け付け、その予約状況を管理する処理も行う。また、サーバ装置40は、予約状況を鍵管理装置10及び端末装置50へ送信する。
【0015】
端末装置50は、利用者が使用する端末装置であり、例えば、PC(Personal Computer)、タブレット端末、スマートフォン等が例示される。端末装置50は、サーバ装置40から鍵の予約状況を受信し、予約状況を例えばQRコード(登録商標)により表示画面に表示する。
【0016】
ネットワーク80は、鍵管理装置10、サーバ装置40、及び端末装置50の情報通信に用いられる通信手段であり、例えば、インターネット、公衆回線、LAN(Local Area Network)等である。
【0017】
[実施の形態の概要]
本実施の形態は、鍵管理装置10における返却されたホルダを一括収納部に複数一括して収納する鍵回収庫に関する。特に、本実施の形態には、返却口にフラッパを設け、必要時にのみフラッパを開状態にしてホルダを一括収納部に収納する態様と、鍵回収庫に一時保留部を設け、必要時にのみ一時保留部から一括収納部にホルダを収納する態様とがある。
以下では、前者の態様を第1の実施の形態とし、後者の態様を第2の実施の形態とし、第1及び第2の実施の形態における鍵管理装置10の鍵収納庫と鍵回収庫とを別体にした態様を第3の実施の形態として、詳細に説明する。
【0018】
[第1の実施の形態]
(鍵管理装置の外観構成)
図2は、第1の実施の形態における鍵管理装置10の外観構成例を示す図である。
図2に示すように、鍵管理装置10には、その前面に、表扉21が開閉可能に設けられ、表扉21にて開閉される鍵収納庫23が設けられている。また、鍵管理装置10は、その前面に、表示操作部25と、カードリーダ26と、読取部27とを有する。更に、鍵管理装置10は、鍵回収庫29を有する。
【0019】
鍵収納庫23には、その前面に、複数の小扉22が開閉可能に設けられ、それぞれが対応する小扉22にて開閉される複数の個別収納部24が設けられている。個別収納部24は、鍵を保持するホルダ31を着脱可能に収納する。
各個別収納部24には、ホルダ31の取り出しを許可又は禁止できるように錠機構241が設けられている。鍵管理装置10は、各個別収納部24に対する錠機構241を制御することによって、各ホルダ31の抜き取りの許可又は禁止を制御する。
【0020】
表示操作部25は、例えばタッチパネルディスプレイであり、ユーザによる操作を受け付けるとともに、各種情報を表示する。
カードリーダ26は、ユーザが携帯するカードから情報を読み取る読取装置である。カードとしては、例えば、磁気カード、IC(Integrated Circuit)カード等が例示される。ユーザがカードリーダ26にカードを通すと、カードリーダ26は、カードからユーザIDを読み取り、読み取ったユーザIDに基づいてユーザ認証を行う。
読取部27は、各種媒体から情報を読み取る読取装置である。例えば、読取部27は、QRコード(登録商標)が表示された端末装置50の表示画面又はQRコードが印刷された用紙からQRコードを読み取るQRコードリーダであってよい。或いは、読取部27は、ホルダ31の無線タグ34(後述)からRFIDを読み取るRFIDリーダであってもよい。
【0021】
鍵回収庫29は、返却された鍵を収納する。鍵回収庫29は、返却口291を有し、返却口291には、フラッパ292が開閉可能に設けられている。
また、鍵回収庫29には、その前面に、発光部293も設けられている。発光部293は、例えば、LED(Light Emitting Diode)である。
【0022】
尚、
図2に示した構成要素はあくまで一例であり、鍵管理装置10はこれら以外の構成要素を備えるものであってもよい。例えば、鍵管理装置10はスピーカを備えてもよい。その場合は、表示操作部25に警告を表示するのに代えて、スピーカからアラームを出力するようにしてもよい。
【0023】
(ホルダ及び鍵の構成)
図3は、第1の実施の形態で用いるホルダ31及び鍵33の外観構成例を示す図である。
図3に示すように、ホルダ31にはリング32で鍵33が連結されている。
ホルダ31には、無線タグ34が設けられている。無線タグ34は、例えばRFIDタグである。無線タグ34は、ホルダ31を識別する識別情報を有している。ホルダ31に無線タグ34を設けるには、例えば、シールタイプの無線タグ34をホルダ31に貼り付けてもよいし、ホルダ31内に無線タグ34を埋め込んでもよい。
尚、ホルダ31には、図示しないが、例えば、ホルダ番号が記載されたシールが貼られていてもよい。
【0024】
(鍵回収庫の構成)
図4は、第1の実施の形態における鍵管理装置10の鍵回収庫29に関する
図2のA-A断面図である。
図4に示すように、第1の実施の形態における鍵管理装置10の鍵回収庫29は、フラッパ292と、発光部293と、一括収納部294とを備える。
【0025】
フラッパ292は、返却口291に開閉可能に設けられた扉である。フラッパ292は、図中、上端部を支点として、反時計回りに開くようになっている。また、フラッパ292は施解錠が可能であり、解錠状態であれば返却口291からのホルダ31の投入が可能であり、施錠状態であれば返却口291からのホルダ31の投入が不可能となっている。これにより、鍵管理装置10を不特定の第三者がアクセスできる場所に設置する場合、代表例として屋外に設置する場合に、ゴミ等が入れられることを防止する。尚、フラッパ292を透明な部材で構成して、利用者が投入したホルダ31等を目で確認できるようにしてもよい。本実施の形態では、返却口から一括収納部までのホルダの通過経路に設けられる開閉部の一例として、また、返却口に設けられる開閉部の一例として、フラッパ292を設けている。
発光部293は、フラッパ292の解錠及び施錠を報知するための例えばLEDである。
一括収納部294は、返却されたホルダ31を複数一括して収納可能な回収ボックスである。
【0026】
(鍵管理装置の機能構成)
図5は、第1の実施の形態における鍵管理装置10の機能構成例を示したブロック図である。図示するように、鍵管理装置10は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、表扉施錠機構141と、小扉施錠機構142と、フラッパ施錠機構143と、錠機構241と、表示操作部25と、カードリーダ26と、読取部27と、発光部293とを含む。
【0027】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)等の演算回路を備え、記憶部12に記憶された動作プログラムに従って、鍵管理装置10の各部(通信部13、表扉施錠機構141、小扉施錠機構142、フラッパ施錠機構143、錠機構241、表示操作部25、カードリーダ26、読取部27、発光部293等)を制御する。
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備え、制御部11の動作プログラムを記憶し、また、制御部11の制御処理の際にワーク領域として利用される。動作プログラムには、制御部11が後述する処理を実行するためのプログラムが含まれる。
通信部13は、サーバ装置40との間でネットワーク80を介した情報通信を行う。
表扉施錠機構141は、表扉21を施錠する機構である。
小扉施錠機構142は、小扉22を施錠する機構である。
フラッパ施錠機構143は、フラッパ292を施錠する機構である。
錠機構241、表示操作部25、カードリーダ26、読取部27、及び発光部293については、既に
図2を用いて説明したため、ここではその説明を省略する。
【0028】
ここで、制御部11の構成について具体的に説明する。制御部11は、操作受付部111と、返却先判定部112と、施解錠制御部113と、発光制御部115と、表示制御部118と、記憶制御部119とを備える。
【0029】
操作受付部111は、利用者が表示操作部25上で行った操作を受け付ける。操作としては、鍵を返却する旨の情報を入力する操作、鍵を投入した旨の情報を入力する操作等がある。本実施の形態では、返却対象のホルダを返却する処理の開始操作の一例として、鍵を返却する旨の情報を入力する操作を用いている。
【0030】
返却先判定部112は、表示操作部25上で鍵を返却する旨の情報を入力する操作を操作受付部111が受け付けた際に、その鍵の返却先が鍵収納庫23であるか鍵回収庫29であるかを判定する。例えば、返却先判定部112は、記憶部12に記憶された鍵回収庫29に収納することを決定するための条件が満たされた場合に、鍵の返却先が鍵回収庫29であると判定するとよい。本実施の形態では、一括収納部に収納することを決定するための予め定められた条件の一例として、記憶部12に記憶された鍵回収庫29に収納することを決定するための条件を用いている。
このような条件には、返却対象のホルダとして予め定められたホルダが指定された、という条件がある。この条件を用いる場合、返却先判定部112は、読取部27がホルダ31から読み取ったRFIDを取得し、このRFIDに関連付けられたホルダ番号を取得しておくものとする。
また、このような条件には、予め定められた利用者が返却対象のホルダを返却するための操作を行った、という条件もある。この条件を用いる場合、返却先判定部112は、カードリーダ26がカードから読み取った利用者のユーザIDを取得しておくものとする。
更に、このような条件には、予め定められた時間に返却対象のホルダを返却するための操作が行われた、という条件もある。この条件を用いる場合、返却先判定部112は、図示しない時計部から利用者が操作した時刻を取得しておくものとする。
【0031】
施解錠制御部113は、鍵の返却先が鍵収納庫23であると返却先判定部112が判定すると、表扉21を解錠するように表扉施錠機構141を制御し、返却先の個別収納部24に対応する小扉22を解錠するように小扉施錠機構142を制御する。そして、施解錠制御部113は、返却先の個別収納部24に鍵が収納されると、その個別収納部24に対応する小扉22を施錠するように小扉施錠機構142を制御し、表扉21を施錠するように表扉施錠機構141を制御する。
また、施解錠制御部113は、鍵の返却先が鍵回収庫29であると返却先判定部112が判定すると、フラッパ292を解錠するようにフラッパ施錠機構143を制御する。そして、施解錠制御部113は、一括収納部294に鍵が収納されると、フラッパ292を施錠するようにフラッパ施錠機構143を制御する。
本実施の形態では、開閉部を制御する制御部の一例として、また、開閉部の施解錠状態を切り替える制御部の一例として、施解錠制御部113を設けている。また、本実施の形態では、利用者が返却対象のホルダを返却する処理の開始操作を行ったことを条件として、開閉部の施解錠状態を施錠状態から解錠状態に切り替える制御部の一例として、施解錠制御部113を設けている。更に、本実施の形態では、返却対象のホルダを一括収納部に収納することを決定するための予め定められた条件が満たされることを更なる条件として、開閉部の施解錠状態を施錠状態から解錠状態に切り替える制御部の一例として、施解錠制御部113を設けている。
【0032】
発光制御部115は、小扉22が解錠されると、その小扉22に設けられた図示しない発光部を点灯するように制御し、小扉22が施錠されると、その小扉22に設けられた図示しない発光部を消灯するように制御する。
また、発光制御部115は、フラッパ292が解錠されると、発光部293を点灯するように制御し、フラッパ292が施錠されると、発光部293を消灯するように制御する。
【0033】
表示制御部118は、表示操作部25に対する情報の表示を制御する。例えば、表示制御部118は、表示操作部25上で鍵を返却する旨の情報を入力する操作、鍵を投入した旨の情報を入力する操作等を行わせるためのメッセージを表示操作部25に表示するように制御する。
【0034】
記憶制御部119は、記憶部12に対するデータの書き込み及び記憶部12からのデータの読み出しを制御する。例えば、記憶制御部119は、鍵を鍵回収庫29に収納することを決定するための条件を記憶部12に書き込んだり、この条件を記憶部12から読み出したりするように制御する。
【0035】
また、記憶部12が記憶する情報について具体的に説明する。記憶部12は、返却先情報121を記憶する。返却先情報121は、鍵収納庫23及び鍵回収庫29のどちらをホルダ31の返却先とすべきかを管理するための情報である。返却先情報121の具体的な内容については後述する。
【0036】
(返却先情報の具体的内容)
図6(a)は、返却先情報121の第1の例である返却先情報121aを示した図である。
返却先情報121aは、ホルダ番号と、返却先とを対応付けたものとなっている。ホルダ番号は、ホルダ31を一意に識別する番号である。返却先は、対応するホルダ番号のホルダ31を鍵収納庫23及び鍵回収庫29のどちらに返却すべきかを示す情報である。
図では、ホルダ番号「H01」のホルダ31の返却先は鍵回収庫29であり、ホルダ番号「H02」及び「H03」のホルダ31の返却先は鍵収納庫23であることが示されている。これは、例えば、個別収納部24よりも多くのホルダ31を貸し出した場合に個別収納部24だけでは対処できないという事情や、このような場合に翌日も貸し出す鍵を優先的に個別収納部24に返却させたいという事情を考慮したものである。
返却先判定部112は、ホルダ番号をキーとして返却先情報121aを検索することにより、返却先を決定する。
【0037】
図6(b)は、返却先情報121の第2の例である返却先情報121bを示した図である。
返却先情報121bは、ユーザIDと、返却先とを対応付けたものとなっている。ユーザIDは、ホルダ31を返却する利用者を一意に識別する識別情報である。返却先は、対応するユーザIDの利用者が返却するホルダ31を鍵収納庫23及び鍵回収庫29のどちらに返却すべきかを示す情報である。
図では、ユーザID「U01」の利用者が返却するホルダ31の返却先は鍵収納庫23であり、ユーザID「U02」及び「U03」の利用者が返却するホルダ31の返却先は鍵回収庫29であることが示されている。これは、例えば、鍵管理装置10が設置された営業所のスタッフが返却する鍵は個別収納部24に返却させ、スタッフ以外の一般利用者が返却する鍵は一括収納部294に返却させたいという事情を考慮したものである。
返却先判定部112は、ホルダ31を返却する利用者のユーザIDをキーとして返却先情報121bを検索することにより、返却先を決定する。
【0038】
図6(c)は、返却先情報121の第3の例である返却先情報121cを示した図である。
返却先情報121cは、時間と、返却先とを対応付けたものとなっている。時間は、利用者がホルダ31を返却した時刻が含まれる時間帯を示す情報である。返却先は、対応する時間内の時刻に返却されたホルダ31を鍵収納庫23及び鍵回収庫29のどちらに返却すべきかを示す情報である。
図では、9時よりも前又は18時よりも後に返却されたホルダ31の返却先は鍵回収庫29であり、9時から18時までに返却されたホルダ31の返却先は鍵収納庫23であることが示されている。これは、例えば、鍵管理装置10が設置された営業所の営業時間外に限り鍵を一括収納部294に返却させたいという事情を考慮したものである。
返却先判定部112は、ホルダ31を返却する時刻をキーとして返却先情報121cを検索することにより、返却先を決定する。
【0039】
尚、
図6(a)~(c)の返却先情報121a~121cでは、返却先が鍵収納庫23である場合に、返却先の個別収納部24までは示さなかった。しかしながら、返却先が鍵収納庫23である場合に、返却先の個別収納部24を示す情報も記憶するようにしてよい。
また、
図6(a)~(c)の返却先情報121a~121cは、サーバ装置40で設定され、通信部13によりネットワーク80を介して受信されたものであってもよい。
【0040】
(鍵管理装置の動作)
図7は、第1の実施の形態における鍵管理装置10の動作例を示したフローチャートである。
【0041】
まず、鍵管理装置10では、操作受付部111が、利用者が表示操作部25上で鍵を返却する旨の情報を入力する操作を行ったかどうかを判定する(ステップ131)。
ステップ131で利用者が表示操作部25上で鍵を返却する旨の情報を入力する操作を行ったと判定されなければ、操作受付部111は、ステップ131の処理を繰り返す。
ステップ131で利用者が表示操作部25上で鍵を返却する旨の情報を入力する操作を行ったと判定されれば、返却先判定部112が、鍵の返却先が鍵回収庫29であるかどうかを判定する(ステップ132)。例えば、返却先判定部112は、
図6(a)~(c)に示した返却先情報121a~121cを参照して、鍵の返却先が鍵回収庫29であるかを判定するとよい。
【0042】
ステップ132で鍵の返却先が鍵回収庫29でないと判定されれば、図示しないが、制御部11は、鍵を鍵収納庫23に返却させる処理を行い、処理を終了する。
ステップ132で鍵の返却先が鍵回収庫29であると判定されれば、施解錠制御部113がフラッパ施錠機構143を制御してフラッパ292を解錠し、発光制御部115が発光部293を点灯させる(ステップ133)。
【0043】
これにより、利用者がフラッパ292を押し開けて返却口291から一括収納部294へ鍵を投入することが可能となる。そこで、鍵管理装置10では、操作受付部111が、利用者が表示操作部25上で鍵を投入した旨の情報を入力する操作を行ったかどうかを判定する(ステップ134)。
ステップ134で利用者が表示操作部25上で鍵を投入した旨の情報を入力する操作を行ったと判定されなければ、操作受付部111は、ステップ134の処理を繰り返す。
ステップ134で利用者が表示操作部25上で鍵を投入した旨の情報を入力する操作を行ったと判定されれば、施解錠制御部113がフラッパ施錠機構143を制御してフラッパ292を施錠し、発光制御部115が発光部293を消灯させる(ステップ135)。
【0044】
(効果)
第1の実施の形態では、返却口291にフラッパ292を設け、必要時にのみフラッパ292を開状態にしてホルダ31を一括収納部294に収納するようにした。これにより、ホルダ31を返却口291から投入して一括収納部294に収納するかどうかを制御することが可能となった。
【0045】
[第2の実施の形態]
(鍵管理装置の外観構成)
第2の実施の形態における鍵管理装置10の外観構成例は、
図2に示した第1の実施の形態における鍵管理装置10の外観構成例と同じなので、説明を省略する。
(ホルダ及び鍵の構成)
第2の実施の形態で用いるホルダ31及び鍵33の外観構成例も、
図3に示した第1の実施の形態で用いるホルダ31及び鍵33の外観構成例と同じなので、説明を省略する。
【0046】
(鍵回収庫の構成)
図8は、第2の実施の形態における鍵管理装置10の鍵回収庫29に関する
図2のA-A断面図である。
図8に示すように、第2の実施の形態における鍵管理装置10の鍵回収庫29は、フラッパ292と、発光部293と、一括収納部294と、一時保留部295と、底面296と、読取部297と、カメラ298とを備える。
【0047】
フラッパ292は、返却口291に開閉可能に設けられた扉である。フラッパ292は、図中、上端部を支点として、反時計回りに開くようになっている。また、フラッパ292は施解錠が可能であり、解錠状態であれば返却口291からのホルダ31の投入が可能であり、施錠状態であれば返却口291からのホルダ31の投入が不可能となっている。これにより、鍵管理装置10を野外に設置する場合にゴミ等が入れられることを防止する。尚、フラッパ292を透明な部材で構成して、利用者が投入したホルダ31等を目で確認できるようにしてもよい。
発光部293は、フラッパ292の解錠及び施錠を報知するための例えばLEDである。
一括収納部294は、返却されたホルダ31を複数一括して収納可能な回収ボックスである。
【0048】
一時保留部295は、返却されたホルダ31が一括収納部294に収納される前に一時的に置かれるボックスである。一時保留部295は、返却口291から一括収納部294までのホルダ31の通過経路内であれば、図の位置に限らず、如何なる位置に設けられてもよい。尚、一時保留部295は、利用者がその中身を確認できるように、外側が透明な部材を用いて構成されていてもよい。
【0049】
底面296は、一時保留部295の底部を塞ぐ面である。底面296は、図中、左端部を支点として、時計回りに開くようになっている。これにより、底面296は、一時保留部295に置かれたホルダ31を一括収納部294に収納するか一時保留部295に留めておくかを制御する。具体的には、底面296は、一時保留部295に置かれたホルダ31を一括収納部294に収納してよいと判定されるまで一時保留部295に留めておくために閉じられる。また、底面296は、一時保留部295に置かれたホルダ31を一括収納部294に収納してよいと判定されると一括収納部294に収納するために開かれる。本実施の形態では、返却口から一括収納部までのホルダの通過経路に設けられる開閉部の一例として、また、一時保留部と一括収納部との間に設けられる開閉部の一例として、底面296を設けている。
尚、ここでは、開閉部を一時保留部295と一体となった底面296としたが、これには限らない。開閉部は、一括収納部294と一体となっていてもよいし、一時保留部295及び一括収納部294の両方と別体となっていてもよい。
また、本実施の形態では、開閉部は、施解錠されずに開閉のみが行われるものとしている。例えば、開閉部は、機械的作動によって開かれ、ばねの付勢によって閉じられるものでもよい。しかしながら、開閉部は施解錠されるものであってもよい。
更に、開閉部は、ホルダ31の通過経路における一時保留部295と一括収納部294の間であれば、図の位置に限らず、如何なる位置に設けられてもよい。例えば、ホルダ31の通過経路をベルトコンベア等の搬送手段で構成し、この搬送手段の途中に開閉部を設けてもよい。
【0050】
読取部297は、一時保留部295に置かれたホルダ31からホルダ31を特定する情報を読み取る読取装置である。読取部297は、例えば、ホルダ31の無線タグ34からRFIDを読み取るRFIDリーダのアンテナであってよい。読取部27で読み取ったデータは、ホルダ31の返却履歴の情報として管理してもよい。尚、ここでは、鍵回収庫29の読取部297を一時保留部295に対してのみ設けたが、これには限らない。鍵回収庫29の読取部27を一括収納部294に対しても設けることで、ホルダ31を二重にチェックしたり、一括収納部294内の残留物を検知したりできるようにしてもよい。
カメラ298は、一時保留部295に置かれた物品を撮像する撮像装置である。カメラ298で撮像された物品の画像は、例えば、一時保留部295に異物が置かれていないかを検知するために用いられる。また、カメラ298で撮像された物品の画像は、例えば、一括収納部294に収納された物品を記録するために用いられる。或いは、カメラ298で撮像された物品の画像は、利用者が一時保留部295の中身を確認できるように、表示操作部25に表示されるようにしてもよい。本実施の形態では、一時保留部内を撮影する撮影部の一例として、カメラ298を設けている。
【0051】
(鍵管理装置の機能構成)
図9は、第2の実施の形態における鍵管理装置10の機能構成例を示したブロック図である。図示するように、鍵管理装置10は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、表扉施錠機構141と、小扉施錠機構142と、フラッパ施錠機構143と、底面開閉機構144と、錠機構241と、表示操作部25と、カードリーダ26と、読取部27と、発光部293と、読取部297と、カメラ298とを含む。
【0052】
制御部11は、CPU等の演算回路を備え、記憶部12に記憶された動作プログラムに従って、鍵管理装置10の各部(通信部13、表扉施錠機構141、小扉施錠機構142、フラッパ施錠機構143、底面開閉機構144、錠機構241、表示操作部25、カードリーダ26、読取部27、発光部293、読取部297、カメラ298等)を制御する。
記憶部12は、ROM、RAM等を備え、制御部11の動作プログラムを記憶し、また、制御部11の制御処理の際にワーク領域として利用される。動作プログラムには、制御部11が後述する処理を実行するためのプログラムが含まれる。
通信部13は、サーバ装置40との間でネットワーク80を介した情報通信を行う。
表扉施錠機構141は、表扉21を施錠する機構である。
小扉施錠機構142は、小扉22を施錠する機構である。
フラッパ施錠機構143は、フラッパ292を施錠する機構である。
底面開閉機構144は、一時保留部295の底面296を開閉する機構である。
錠機構241、表示操作部25、カードリーダ26、読取部27、及び発光部293については、既に
図2を用いて説明したため、ここではその説明を省略する。
読取部297及びカメラ298については、既に
図8を用いて説明したため、ここではその説明を省略する。
【0053】
ここで、制御部11の構成について具体的に説明する。制御部11は、操作受付部111と、返却先判定部112と、施解錠制御部113と、開閉制御部114と、発光制御部115と、異物検知部116と、ホルダ番号取得部117と、表示制御部118と、記憶制御部119とを備える。
【0054】
操作受付部111は、利用者が表示操作部25上で行った操作を受け付ける。操作としては、鍵を返却する旨の情報を入力する操作、鍵を投入した旨の情報を入力する操作、利用者が返却するホルダ31のホルダ番号とホルダ番号取得部117が取得したホルダ番号との一致を確認した旨の情報を入力する操作等がある。本実施の形態では、ホルダ検知部により検知されたホルダが返却対象のホルダであることを確認する確認操作の一例として、ホルダ番号の一致を確認した旨の情報を入力する操作を用いている。
【0055】
返却先判定部112は、表示操作部25上で鍵を返却する旨の情報を入力する操作を操作受付部111が受け付けた際に、その鍵の返却先が鍵収納庫23であるか鍵回収庫29であるかを判定する。例えば、返却先判定部112は、第1の実施の形態と同様に、記憶部12に記憶された鍵回収庫29に収納することを決定するための条件が満たされた場合に、鍵の返却先が鍵回収庫29であると判定するとよい。
【0056】
施解錠制御部113は、鍵の返却先が鍵収納庫23であると返却先判定部112が判定すると、表扉21を解錠するように表扉施錠機構141を制御し、返却先の個別収納部24に対応する小扉22を解錠するように小扉施錠機構142を制御する。そして、施解錠制御部113は、返却先の個別収納部24に鍵が収納されると、その個別収納部24に対応する小扉22を施錠するように小扉施錠機構142を制御し、表扉21を施錠するように表扉施錠機構141を制御する。
また、施解錠制御部113は、鍵の返却先が鍵回収庫29であると返却先判定部112が判定すると、フラッパ292を解錠するようにフラッパ施錠機構143を制御する。そして、施解錠制御部113は、一時保留部295に置かれた物品を一括収納部294に収納することが決定されると、フラッパ292を施錠するようにフラッパ施錠機構143を制御する。
【0057】
開閉制御部114は、一時保留部295の底面296の開閉を制御する。
具体的には、開閉制御部114は、一時保留部295に置かれた物品が異物であると異物検知部116により判定された場合は、その異物が一括収納部294に収納されないように底面296を閉じたままにしておく。開閉制御部114は、一時保留部295に置かれたホルダ31が返却対象のホルダ31でないとホルダ番号取得部117により判定された場合も、そのホルダ31が一括収納部294に収納されないように底面296を閉じたままにしておく。
また、開閉制御部114は、一時保留部295に置かれたホルダ31が返却対象のホルダ31であるとホルダ番号取得部117により判定された場合は、そのホルダ31が一括収納部294に収納されるように底面296を開く。
本実施の形態では、開閉部を制御する制御部の一例として、また、開閉部の開閉状態を切り替える制御部の一例として、開閉制御部114を設けている。また、本実施の形態では、異物検知部により異物が検知された場合に、開閉部の開閉状態を閉状態に維持する制御部の一例として、開閉制御部114を設けている。更に、本実施の形態では、ホルダ検知部により検知されたホルダに基づいて、開閉部の開閉状態を閉状態から開状態に切り替える制御部の一例として、開閉制御部114を設けている。更にまた、本実施の形態では、ホルダ検知部により検知されたホルダと、利用者が指定した返却対象のホルダとが一致する場合に、開閉部の開閉状態を閉状態から開状態に切り替える制御部の一例として、開閉制御部114を設けている。
【0058】
また、開閉制御部114は、一時保留部295に置かれたホルダ31のホルダ番号が返却対象のホルダ31のホルダ番号と一致することを利用者が確認した場合に、そのホルダ31が一括収納部294に収納されるように底面296を開いてもよい。例えば、開閉制御部114は、一時保留部295に置かれたホルダ31のホルダ番号を表示操作部25に表示し、そのホルダ番号が返却対象のホルダ31のホルダ番号と一致することを一定期間内に確認するように利用者に要求してもよい。ここで、一定期間内に利用者が確認しなかった場合、一時保留部295に置かれたホルダ31が盗難されること等も考えられる。そこで、開閉制御部114は、そのホルダ31が一括収納部294に収納されるように底面296を開く。本実施の形態では、ホルダ検知部により検知されたホルダが返却対象のホルダであることを確認する確認操作を利用者が行った場合に、開閉部の開閉状態を閉状態から開状態に切り替える制御部の一例として、開閉制御部114を設けている。また、利用者が確認操作を所定時間以上行わなかった場合に、開閉部の開閉状態を閉状態から開状態に切り替える制御部の一例として、開閉制御部114を設けている。
【0059】
このような場合、一括収納部294には、一定期間内に利用者が確認したことによって収納されたホルダ31と、一定期間内に利用者が確認しなかったことによって収納されたホルダ31とが混在することになる。そこで、開閉制御部114は、前者のホルダ31と後者のホルダ31とを区別する区別処理を行う。
例えば、開閉制御部114は、カメラ298で撮像した鍵の画像の記録の有無によって前者のホルダ31と後者のホルダ31とを区別する第1の区別処理を行う。具体的には、開閉制御部114は、前者のホルダ31に対してはカメラ298で撮像した鍵の画像を記録せず、後者のホルダ31に対してのみカメラ298で撮像した鍵の画像を記録する。
或いは、開閉制御部114は、ホルダ31を収納する一括収納部294の区画によって前者のホルダ31と後者のホルダ31とを区別する第2の区別処理を行う。具体的には、開閉制御部114は、前者のホルダ31を一括収納部294の図示しない第1の区画に収納し、後者のホルダ31を一括収納部294の図示しない第2の区画に収納する。
本実施の形態では、利用者が確認操作を行ったことにより開閉部の開閉状態が切り替えられて一括収納部に収納された第1のホルダの一例として、前者のホルダ31を用いている。利用者が確認操作を所定時間以上行わなかったことにより開閉部の開閉状態が切り替えられて一括収納部に収納された第2のホルダの一例として、後者のホルダ31を用いている。そして、第1のホルダと第2のホルダとを区別可能にする所定処理の一例として、区別処理を用いている。また、本実施の形態では、第1のホルダに対して撮影部による撮影画像を関連付けて記録せず、第2のホルダに対して撮影部による撮影画像を関連付けて記録する処理の一例として、第1の区別処理を用いている。更に、本実施の形態では、第1の収納部の一例として、一括収納部の第1の区画を用いており、第2の収納部の一例として、一括収納部の第2の区画を用いている。そして、第1のホルダを第1の収納部に収納し、第2のホルダを第2の収納部に収納する処理の一例として、第2の区別処理を用いている。
【0060】
発光制御部115は、小扉22が解錠されると、その小扉22に設けられた図示しない発光部を点灯するように制御し、小扉22が施錠されると、その小扉22に設けられた図示しない発光部を消灯するように制御する。
また、発光制御部115は、フラッパ292が解錠されると、発光部293を点灯するように制御し、フラッパ292が施錠されると、発光部293を消灯するように制御する。
【0061】
異物検知部116は、一時保留部295に置かれた物品が異物であるかどうかを検知する。例えば、異物検知部116は、カメラ298が撮像した一時保留部295内の画像を取得し、この画像を分析することにより、物品が異物であるかどうかを検知すればよい。例えば、ゴミや忘れ物があった場合に利用者への返却を可能とするために、異物検知部116が設けられている。
【0062】
ホルダ番号取得部117は、一時保留部295に置かれたホルダ31のホルダ番号を取得する。例えば、ホルダ番号取得部117は、読取部297がホルダ31から読み取ったRFIDを取得し、このRFIDに関連付けられたホルダ番号を取得するとよい。或いは、カメラ298が撮像したホルダ31の画像を取得し、この画像からホルダ番号を取得してもよい。例えば、返却されたホルダ31に過不足があったり間違いがあったりした場合、過不足はないが余分なホルダ31も返却しようとされていた場合等に、利用者にホルダ31を返却して正しいホルダ31を再投入させることができるように、ホルダ番号取得部117が設けられている。本実施の形態では、一時保留部内にあるホルダを検知するホルダ検知部の一例として、ホルダ番号取得部117を設けている。尚、上記では、返却されたホルダ31に過不足や間違いがないかチェックするという運用について説明したが、逆に、そのようなチェックを実施しない運用としてもよい。かかる運用の場合、読取部297がRFIDを読み取ったホルダ31が、利用者によって正しく返却されたものと仮定して、処理を行う。
【0063】
表示制御部118は、表示操作部25に対する情報の表示を制御する。例えば、表示制御部118は、表示操作部25上で鍵を返却する旨の情報を入力する操作、鍵を投入した旨の情報を入力する操作等を行わせるためのメッセージを表示操作部25に表示するように制御する。また、表示制御部118は、表示操作部25上で利用者が返却するホルダ31との一致を確認した旨の情報を入力する操作を行わせるために、ホルダ番号取得部117が取得したホルダ番号を表示操作部25に表示するように制御する。更に、表示制御部118は、各種警告を表示操作部25に表示するように制御する。ここで、警告には、異物検知部116が異物を検知したことを示す警告や、ホルダ番号取得部117がホルダ番号を取得できなかったことを示す警告がある。また、警告には、一時保留部295に置かれたホルダ31が返却対象のホルダ31と一致しない旨の情報を入力する操作を操作受付部111が受け付けたことを示す警告もある。更にまた、表示制御部118は、ホルダ番号取得部117や異物検知部116が動作中は、「返却操作はまだ完了していません」等のメッセージを表示操作部25に表示してもよい。
【0064】
記憶制御部119は、記憶部12に対するデータの書き込み及び記憶部12からのデータの読み出しを制御する。例えば、記憶制御部119は、第1の実施の形態と同様に、鍵を鍵回収庫29に収納することを決定するための条件を記憶部12に書き込んだり、この条件を記憶部12から読み出したりするように制御する。また、記憶制御部119は、開閉制御部114が上述した第1の区別処理を行う場合には、一定期間内に利用者が確認しなかったことによって一括収納部294に収納されたホルダ31とカメラ298が撮像した鍵の画像との対応を記憶部12に書き込む。
【0065】
また、記憶部12が記憶する情報について具体的に説明する。記憶部12は、返却先情報121と、ホルダ区別情報122とを記憶する。返却先情報121は、鍵収納庫23及び鍵回収庫29のどちらをホルダ31の返却先とすべきかを管理するための情報である。返却先情報121の具体的な内容は、第1の実施の形態と同様なので省略する。ホルダ区別情報122は、一定期間内に利用者が確認しなかったことによって一括収納部294に収納されたホルダ31を、一定期間内に利用者が確認したことによって一括収納部294に収納されたホルダ31から区別するための情報である。ホルダ区別情報122の具体的な内容については後述する。
【0066】
(ホルダ区別情報の具体的内容)
図10は、ホルダ区別情報122の一例を示した図である。
ホルダ区別情報122は、ホルダ番号と、画像IDとを対応付けたものとなっている。ホルダ番号は、ホルダ31を一意に識別する番号である。画像IDは、カメラ298が撮像した鍵の画像を一意に識別する識別情報である。画像IDは、画像が記憶された記憶領域のアドレスであってもよい。
図では、ホルダ番号「H04」に対して画像IDが記憶されず、ホルダ番号「H05」及び「H06」に対して画像IDが記憶されている。これは、ホルダ番号「H04」のホルダ31は一定期間内に利用者が確認したことによって一括収納部294に収納され、ホルダ番号「H05」及び「H06」のホルダ31は一定期間内に利用者が確認しなかったことによって一括収納部294に収納されたことを示している。
【0067】
(鍵管理装置の動作)
図11は、第2の実施の形態における鍵管理装置10の動作例を示したフローチャートである。尚、この動作例では、利用者が表示操作部25上でホルダ番号の一致を確認した旨の情報を一定期間内に入力しなかった場合の処理については、省略している。
【0068】
まず、鍵管理装置10では、操作受付部111が、利用者が表示操作部25上で鍵を返却する旨の情報を入力する操作を行ったかどうかを判定する(ステップ151)。
ステップ151で利用者が表示操作部25上で鍵を返却する旨の情報を入力する操作を行ったと判定されなければ、操作受付部111は、ステップ151の処理を繰り返す。
ステップ151で利用者が表示操作部25上で鍵を返却する旨の情報を入力する操作を行ったと判定されれば、返却先判定部112が、鍵の返却先が鍵回収庫29であるかどうかを判定する(ステップ152)。例えば、返却先判定部112は、
図6(a)~(c)に示した返却先情報121a~121cを参照して、鍵の返却先が鍵回収庫29であるかを判定するとよい。
【0069】
ステップ152で鍵の返却先が鍵回収庫29でないと判定されれば、図示しないが、制御部11は、鍵を鍵収納庫23に返却させる処理を行い、処理を終了する。
ステップ152で鍵の返却先が鍵回収庫29であると判定されれば、施解錠制御部113がフラッパ施錠機構143を制御してフラッパ292を解錠し、発光制御部115が発光部293を点灯させる(ステップ153)。
【0070】
これにより、利用者がフラッパ292を押し開けて返却口291から一時保留部295へ鍵を投入することが可能となる。そこで、鍵管理装置10では、操作受付部111が、利用者が表示操作部25上で鍵を投入した旨の情報を入力する操作を行ったかどうかを判定する(ステップ154)。
ステップ154で利用者が表示操作部25上で鍵を投入した旨の情報を入力する操作を行ったと判定されなければ、操作受付部111は、ステップ154の処理を繰り返す。
ステップ154で利用者が表示操作部25上で鍵を投入した旨の情報を入力する操作を行ったと判定されれば、異物検知部116が、カメラ298にて撮像された画像を分析することにより、一時保留部295に異物が投入されたかどうかを判定する(ステップ155)。
【0071】
ステップ155で一時保留部295に異物が投入されたと判定されれば、表示制御部118が、その旨の警告を表示操作部25に表示するように制御し(ステップ161)、処理は終了する。
ステップ155で一時保留部295に異物が投入されたと判定されなければ、ホルダ番号取得部117が、一時保留部295に投入されたホルダ31のホルダ番号を取得できたかどうかを判定する(ステップ156)。具体的には、ホルダ番号取得部117は、読取部297がホルダ31の無線タグ34からRFIDを読み取ることができ、RFIDに関連付けられたホルダ番号を取得できたかどうかを判定する。
【0072】
ステップ156でホルダ31が特定できたと判定されなければ、表示制御部118が、その旨の警告を表示操作部25に表示するように制御し(ステップ161)、処理は終了する。
ステップ156でホルダ31が特定できたと判定されれば、表示制御部118が、ステップ156で特定されたホルダ31のホルダ番号を表示操作部25に表示するように制御する(ステップ157)。例えば、表示制御部118は、ステップ156で取得されたホルダ番号を表示操作部25に表示するように制御するとよい。
【0073】
これにより、利用者は、自身が投入したホルダ31のホルダ番号と、表示操作部25に表示されたホルダ番号とが一致するかをチェックすることが可能となる。そこで、鍵管理装置10では、操作受付部111が、利用者が表示操作部25上でホルダ番号の一致を確認した旨の情報を入力する操作を行ったかどうかを判定する(ステップ158)。
【0074】
ステップ158で利用者が表示操作部25上でホルダ番号の一致を確認した旨の情報を入力する操作を行ったと判定されなければ、表示制御部118が、その旨の警告を表示操作部25に表示するように制御し(ステップ161)、処理は終了する。
ステップ158で利用者が表示操作部25上でホルダ番号の一致を確認した旨の情報を入力する操作を行ったと判定されれば、施解錠制御部113がフラッパ施錠機構143を制御してフラッパ292を施錠し、発光制御部115が発光部293を消灯させる(ステップ159)。その後、開閉制御部114が、底面296を開くように制御し(ステップ160)、処理は終了する。これにより、一時保留部295に投入されたホルダ31は一括収納部294に収納される。
【0075】
(効果)
第2の実施の形態では、鍵回収庫29に一時保留部295を設け、必要時にのみ一時保留部295から一括収納部294にホルダを収納するようにした。これにより、鍵回収庫29に投入されたホルダ31を一括収納部294に収納するかどうかを制御することが可能となった。
【0076】
[第3の実施の形態]
図12は、第3の実施の形態における鍵管理装置10の構成を示す図である。第3の実施の形態では、第1の実施の形態又は第2の実施の形態における鍵管理装置10を、鍵回収庫29以外の部分と、鍵回収庫29の部分とに分け、これらを通信可能に接続し、別体として設置している。以下では、鍵管理装置10の鍵回収庫29以外の部分を鍵管理装置20と称し、鍵管理装置10の鍵回収庫29の部分を鍵回収装置28と称することにする。また、これらを接続する通信回線を通信回線85と称し、鍵管理装置20と鍵回収装置28と通信回線85とからなるシステムを鍵管理システム100と称することにする。
【0077】
まず、第3の実施の形態における鍵管理装置10が、第1の実施の形態における鍵管理装置10を鍵回収庫29以外の部分と鍵回収庫29の部分とに分けたものである場合について説明する。
この場合は、鍵管理装置20が制御部11、記憶部12、通信部13、表扉施錠機構141、小扉施錠機構142、錠機構241、表示操作部25、カードリーダ26、及び読取部27を備え、鍵回収装置28がフラッパ施錠機構143及び発光部293を備えるものとすればよい。すると、鍵回収装置28のフラッパ施錠機構143は、鍵管理装置20の施解錠制御部113からの施解錠指示に基づき、フラッパ292の施解錠を行うことになる。その意味で、フラッパ施錠機構143は、鍵管理装置から受信した情報に基づいて、開閉部を制御する制御部の一例と言うことができる。
或いは、このような機能構成において、制御部11の施解錠制御部113のうち、フラッパ292の施解錠を制御する部分のみ、鍵管理装置20から鍵回収装置28へ移してもよい。すると、鍵回収装置28の施解錠制御部113のフラッパ292の施解錠を制御する部分は、鍵管理装置20の返却先判定部112からの鍵の返却先が鍵回収装置28である旨の情報に基づき、フラッパ施錠機構143を制御してフラッパ292の施解錠を行うことになる。その意味で、施解錠制御部113のフラッパ292の施解錠を制御する部分は、鍵管理装置から受信した情報に基づいて、開閉部を制御する制御部の一例と言うことができる。
【0078】
次に、第3の実施の形態における鍵管理装置10が、第2の実施の形態における鍵管理装置10を鍵回収庫29以外の部分と鍵回収庫29の部分とに分けたものである場合について説明する。
この場合は、鍵管理装置20が制御部11、記憶部12、通信部13、表扉施錠機構141、小扉施錠機構142、錠機構241、表示操作部25、カードリーダ26、及び読取部27を備え、鍵回収装置28がフラッパ施錠機構143、底面開閉機構144、発光部293、読取部297、及びカメラ298を備えるものとすればよい。すると、鍵回収装置28の底面開閉機構144は、鍵管理装置20の開閉制御部114からの開閉指示に基づき、底面296の開閉を行うことになる。その意味で、底面開閉機構144は、鍵管理装置から受信した情報に基づいて、開閉部を制御する制御部の一例と言うことができる。
或いは、このような機能構成において、制御部11の開閉制御部114のみ、鍵管理装置20から鍵回収装置28へ移してもよい。すると、鍵回収装置28の開閉制御部114は、鍵管理装置20の操作受付部111からのホルダ31を一括収納部294に収納すべき旨の情報に基づき、開閉制御部114を制御して底面296の開閉を行うことになる。その意味で、開閉制御部114は、鍵管理装置から受信した情報に基づいて、開閉部を制御する制御部の一例と言うことができる。
【0079】
第3の実施の形態では、鍵を保持するホルダ31の返却口291から一括収納部294までの通過経路に設けられるフラッパ292又は底面296の施解錠又は開閉を制御するようにした。これにより、鍵を保持するホルダ31を返却する際に一括収納部294によるホルダ31の収納を制御することが可能となった。
【0080】
[変形例]
上記では、個別収納部24を、ホルダ31を挿入することにより収納するタイプのものとして説明したが、これには限らない。個別収納部24は、例えば特開2021-75852号公報に示されるような、ホルダ31を筐体内に収容することにより収納するタイプのものであってもよい。
上記では、鍵33は、物理鍵を想定して説明したが、物理鍵に限らず、カードキーやデジタルキーであってもよい。
【0081】
上記では、鍵33を管理する鍵管理装置10について説明したが、本発明は、ハンコやUSBメモリ等の物品を管理する物品管理装置にも適用可能である。その場合は、全ての書類における「鍵」は「物品」に読み替えて、発明を捉えればよい。
即ち、本発明は、「物品を保持するホルダをそれぞれが収納可能な複数の個別収納部と、返却口から投入されたホルダを複数一括して収納可能な一括収納部と、前記返却口から前記一括収納部までのホルダの通過経路に設けられる開閉部と、前記開閉部を制御する制御部と、を備える、物品管理装置」と捉えればよい。
また、本発明は、「物品を管理する物品管理装置と通信可能に接続された、物品を回収する物品回収装置であって、物品を保持するホルダであって返却口から投入されたホルダを複数一括して収納可能な一括収納部と、前記返却口から前記一括収納部までのホルダの通過経路に設けられる開閉部と、前記物品管理装置から受信した情報に基づいて、前記開閉部を制御する制御部と、を備える、物品回収装置」と捉えればよい。
更に、本発明は、「物品を管理する物品管理装置と、前記物品管理装置と通信可能に接続された、物品を回収する物品回収装置と、を備え、前記物品管理装置は、物品を保持するホルダをそれぞれが収納可能な複数の個別収納部、を備え、前記物品回収装置は、返却口から投入されたホルダを複数一括して収納可能な一括収納部と、前記返却口から前記一括収納部までのホルダの通過経路に設けられる開閉部と、を備え、前記物品回収装置は、前記物品管理装置から受信した情報に基づいて、前記開閉部を制御する、物品管理システム」と捉えればよい。
【符号の説明】
【0082】
1…鍵貸出システム、10…鍵管理装置、11…制御部、111…操作受付部、112…返却先判定部、113…施解錠制御部、114…開閉制御部、115…発光制御部、116…異物検知部、117…ホルダ番号取得部、118…表示制御部、119…記憶制御部、12…記憶部、121…返却先情報、122…ホルダ区別情報、13…通信部、141…表扉施錠機構、142…小扉施錠機構、143…フラッパ施錠機構、144…底面開閉機構、20…鍵管理装置、21…表扉、22…小扉、23…鍵収納庫、24…個別収納部、241…錠機構、25…表示操作部、26…カードリーダ、27…読取部、28…鍵回収装置、29…鍵回収庫、292…フラッパ、293…発光部、294…一括収納部、295…一時保留部、296…底面、297…読取部、298…カメラ、40…サーバ装置、50…端末装置