(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023121575
(43)【公開日】2023-08-31
(54)【発明の名称】光報知システム、光報知方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H05B 45/20 20200101AFI20230824BHJP
H05B 47/105 20200101ALI20230824BHJP
【FI】
H05B45/20
H05B47/105
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022024988
(22)【出願日】2022-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】児玉 裕己
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA01
3K273PA02
3K273PA03
3K273PA09
3K273QA28
3K273RA13
3K273RA17
3K273SA01
3K273SA22
3K273SA37
3K273SA46
3K273TA05
3K273TA15
3K273TA28
3K273TA40
3K273TA49
3K273TA52
3K273TA54
3K273UA22
3K273UA23
(57)【要約】
【課題】本開示は、光源の光色の制御を、より状況に適した制御にすることを目的とする。
【解決手段】光報知システム1は、光源6の光色の変化により報知を行う。光源6は、空間に光を照射する。光報知システム1は、第1取得部51と、第2取得部52と、決定部53と、を備える。第1取得部51は、空間の環境を検知する環境センサ7から空間の環境に関する第1情報を取得する。第2取得部52は、サーバ8から第2情報を取得する。決定部53は、第1情報及び第2情報に基づいて光源6の光色を決定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間に光を照射する光源の光色の変化により報知を行う光報知システムであって、
前記空間の環境を検知する環境センサから前記空間の環境に関する第1情報を取得する第1取得部と、
サーバから第2情報を取得する第2取得部と、
前記第1情報及び前記第2情報に基づいて前記光源の光色を決定する決定部と、を備える、
光報知システム。
【請求項2】
前記決定部は、
少なくとも前記第2情報に基づいて、前記光源の光色と前記第1情報との対応関係を決定する第1設定部と、
前記第1設定部で決定された前記対応関係と、前記第1情報とを照らし合わせて、前記光源の光色を決定する第2設定部と、を含む、
請求項1に記載の光報知システム。
【請求項3】
前記第1設定部は、前記第1情報のログデータに更に基づいて、前記対応関係を決定する、
請求項2に記載の光報知システム。
【請求項4】
前記第1設定部は、少なくとも前記第2情報のログデータに基づいて、前記対応関係を決定する、
請求項2又は3に記載の光報知システム。
【請求項5】
前記第1設定部は、前記光源の光色のログデータに更に基づいて、前記対応関係を決定する、
請求項2~4のいずれか一項に記載の光報知システム。
【請求項6】
前記第1設定部は、前記対応関係のログデータに更に基づいて、前記対応関係を決定する、
請求項2~5のいずれか一項に記載の光報知システム。
【請求項7】
前記第2情報は、日付、時間、前記空間が存在する地域、及び、前記地域の天気のうち少なくとも1つに関する情報である、
請求項1~6のいずれか一項に記載の光報知システム。
【請求項8】
前記第1情報は、気温、湿度、音量、気圧、照度、及び二酸化炭素濃度のうち少なくとも1つに関する情報を含む、
請求項1~7のいずれか一項に記載の光報知システム。
【請求項9】
前記環境センサ、前記サーバ及び前記光源のうち少なくとも1つを更に備える、
請求項1~8のいずれか一項に記載の光報知システム。
【請求項10】
前記光源は、複数設けられ、
前記環境センサは、前記空間に設置された温度センサを含み、
前記温度センサは、
前記第1情報として気温を検知し、
前記複数の光源のうち少なくとも1つの光源に対応し、
前記決定部は、前記温度センサで検知された前記気温が高いほど、前記複数の光源のうち対応する光源の色温度を低くする、
請求項1~9のいずれか一項に記載の光報知システム。
【請求項11】
空間に光を照射する光源の光色の変化により報知を行う光報知方法であって、
前記空間の環境を検知する環境センサから前記空間の環境に関する第1情報を取得する第1取得処理と、
サーバから第2情報を取得する第2取得処理と、
前記第1情報及び前記第2情報に基づいて前記光源の光色を決定する決定処理と、を含む、
光報知方法。
【請求項12】
請求項11に記載の光報知方法を、コンピュータシステムの1以上のプロセッサに実行させるための、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に光報知システム、光報知方法及びプログラムに関し、より詳細には、光源の光色の変化により報知を行う光報知システム、光報知方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のネットワークシステム(光報知システム)は、複数の温度センサと、複数の照明と、コントローラとを備える。コントローラは、複数の温度センサの各々からの温度が高い場合に、当該温度センサに対応する照明を暖色系の光を発するように制御し、複数の温度センサの各々からの温度が低い場合に、当該温度センサに対応する照明を寒色系の光を発するように制御する。これにより、ユーザは涼しい場所や暖かい場所を認識することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のネットワークシステムでは、1日ごとの天気等の状況によっては、光源(照明)の光色が適切な光色とはならない可能性があった。例えば、日によっては、全ての光源が暖色系の光を発するように制御される、又は、全ての光源が寒色系の光を発するように制御されるといった事態が生じる可能性があった。
【0005】
本開示は、光源の光色の制御を、より状況に適した制御にすることができる光報知システム、光報知方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る光報知システムは、光源の光色の変化により報知を行う。前記光源は、空間に光を照射する。前記光報知システムは、第1取得部と、第2取得部と、決定部と、を備える。前記第1取得部は、前記空間の環境を検知する環境センサから前記空間の環境に関する第1情報を取得する。前記第2取得部は、サーバから第2情報を取得する。前記決定部は、前記第1情報及び前記第2情報に基づいて前記光源の光色を決定する。
【0007】
本開示の一態様に係る光報知方法は、光源の光色の変化により報知を行う。前記光源は、空間に光を照射する。前記光報知方法は、第1取得処理と、第2取得処理と、決定処理と、を含む。前記第1取得処理では、前記空間の環境を検知する環境センサから前記空間の環境に関する第1情報を取得する。前記第2取得処理では、サーバから第2情報を取得する。前記決定処理では、前記第1情報及び前記第2情報に基づいて前記光源の光色を決定する。
【0008】
本開示の一態様に係るプログラムは、前記光報知方法を、コンピュータシステムの1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本開示は、光源の光色の制御を、より状況に適した制御にすることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る光報知システムのブロック図である。
【
図2】
図2は、同上の光報知システムが適用される空間を表す概略図である。
【
図3】
図3は、同上の光報知システムの光源の光色と、温度センサで検知された気温との関係を表す説明図である。
【
図4】
図4は、同上の光報知システムの処理の例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、変形例2に係る光報知システムの光源の光色(色温度)と、温度センサで検知された気温との関係を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態)
以下、実施形態に係る光報知システム、光報知方法及びプログラムについて、図面を用いて説明する。ただし、下記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の1つに過ぎない。下記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、下記の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0012】
(概要)
図1に示す光報知システム1は、施設の空間SP1(
図2参照)に設置された光源6の光色を制御するために使用される。本実施形態では、施設がオフィスであることを想定して説明する。その他、施設は、複合商業施設、図書館、美術館、博物館、遊戯施設、テーマパーク、公園、空港、鉄道駅、球場、工場、ホテル、病院及び住宅等であってもよい。また、施設は、例えば、船舶及び鉄道車両等の移動体であってもよい。
【0013】
光源6は、空間SP1に光を照射する。光報知システム1は、光源6の光色の変化により報知を行う。例えば、光源6は複数設けられ、空間SP1のうち気温が比較的高いエリアに設置された光源6は、暖色系の光を発し、気温が比較的低いエリアに設置された光源6は、寒色系の光を発するように、複数の光源6のそれぞれの光色が制御される。この場合、ユーザは、光源6の光色を見ることで、施設の各エリアの気温を知ることができる。つまり、光報知システム1は、光源6の光色により空間SP1の温度分布を報知することが可能である。
【0014】
図1に示すように、光報知システム1は、第1取得部51と、第2取得部52と、決定部53と、を備える。第1取得部51は、空間SP1の環境を検知する環境センサ7から空間SP1の環境に関する第1情報(例えば、気温)を取得する。第2取得部52は、サーバ8から第2情報を取得する。決定部53は、第1情報及び第2情報に基づいて光源6の光色を決定する。
【0015】
本実施形態によれば、環境センサ7から取得した第1情報だけではなく、サーバ8から取得した第2情報に更に基づいて、光源6の光色が決定される。そのため、第1情報だけに基づいて光源6の光色が決定される場合と比較して、光源6の光色の制御を、状況に適した制御にすることができる。
【0016】
光報知システム1は、個人(ユーザ)の席が固定されておらずユーザが自由に席を移動できる、フリーアドレスのオフィスに適用されてもよい。このようにユーザの移動が許可されている場合、ユーザは、好みに応じて、場所を移動すればよい。例えば、上述のように気温と光色とが相関している場合は、暖かい場所を好むユーザは、暖色系の光を発する光源6の近くのエリアへ移動し、涼しい場所を好むユーザは、寒色系の光を発する光源6の近くのエリアへ移動すればよい。
【0017】
光報知システム1と同様の機能は、光報知方法又はプログラムとして実現されてもよい。一態様に係る光報知方法は、光源6の光色の変化により報知を行う。光源6は、空間SP1に光を照射する。光報知方法は、第1取得処理と、第2取得処理と、決定処理と、を含む。第1取得処理では、空間SP1の環境を検知する環境センサ7から空間SP1の環境に関する第1情報を取得する。第2取得処理では、サーバ8から第2情報を取得する。決定処理では、第1情報及び第2情報に基づいて光源6の光色を決定する。
【0018】
一態様に係るプログラムは、上記の光報知方法をコンピュータシステムの1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。プログラムは、コンピュータシステムで読み取り可能な非一時的記録媒体に記録されていてもよい。
【0019】
(詳細)
(1)全体構成
図1に示すように、本実施形態の光報知システム1は、通信部2と、記憶部3と、タイマT1と、操作部4と、処理部5と、を備える。また、光報知システム1は、複数(
図1では3つ)の光源6と、複数(
図1では3つ)の環境センサ7と、サーバ8と、と共に使用される。
【0020】
光報知システム1は、複数の光源6が設置された施設に設置されていてもよいし、施設とは別の場所に設置されていてもよい。
【0021】
(2)通信部
通信部2は、通信インタフェース装置を含んでいる。通信部は、通信インタフェース装置を介して、複数の光源6、複数の環境センサ7及びサーバ8と通信可能である。本開示でいう「通信可能」とは、有線通信又は無線通信の適宜の通信方式により、直接的、又はネットワーク若しくは中継器等を介して間接的に、信号を授受できることを意味する。
【0022】
(3)記憶部
記憶部3は、例えば、RAM(Random Access Memory)又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等である。記憶部3は、各種の情報を記憶する。例えば、記憶部3は、第1情報のログデータを記憶する。本開示における「ログデータ」とは、ある程度の長さの期間に亘って収集及び蓄積されたデータを意味する。つまり、「第1情報のログデータ」とは、ある程度の長さの期間に亘って収集及び蓄積された第1情報を意味する。
【0023】
また、記憶部3は、第2情報のログデータ、及び、光源6の光色のログデータを記憶する。さらに、光源6の光色を決定する際には、処理部5は光色と第1情報との対応関係を参照するが、記憶部3は、この対応関係のログデータを記憶する。
【0024】
(4)タイマ
タイマT1は、時間を計測する。例えば、タイマT1は、ログデータを収集及び蓄積する期間が開始してからの経過時間を計測する。
【0025】
(5)操作部
操作部4は、ユーザの操作を受け付ける入力インタフェースである。操作部4は、例えば、釦及びポインティングデバイスのうち少なくとも一方を含む。ポインティングデバイスの一例は、マウス、タッチパネル、タッチパネルディスプレイ及びタッチパッドである。
【0026】
(6)処理部
処理部5は、1以上のプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサが実行することにより、処理部5の少なくとも一部の機能が実現される。プログラムは、メモリに記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0027】
処理部5は、第1取得部51と、第2取得部52と、決定部53と、光源制御部54と、を有する。なお、これらは、処理部5によって実現される機能を示しているに過ぎず、必ずしも実体のある構成を示しているわけではない。
【0028】
第1取得部51は、複数の環境センサ7の各々から第1情報を取得する。より詳細には、通信部2が複数の環境センサ7と通信し、第1取得部51は、通信部2を介して第1情報を取得する。
【0029】
第2取得部52は、サーバ8から第2情報を取得する。より詳細には、通信部2がサーバ8と通信し、第2取得部52は、通信部2を介して第2情報を取得する。
【0030】
決定部53は、第1取得部51で取得された第1情報、及び、第2取得部52で取得された第2情報に基づいて、複数の光源6の各々の光色を決定する。光色の決定方法についての詳細は、後述する。
【0031】
光源制御部54は、複数の光源6を個別に制御する。より詳細には、光源制御部54は、決定部53で決定された光色にて複数の光源6が発光するように、複数の光源6を制御する。
【0032】
(7)光源
複数の光源6の各々は、複数の発光素子を含む。例えば、複数の光源6の各々は、第1光色の第1発光素子と、第1光色とは別の第2光色の第2発光素子と、を含む。光源制御部54は、第1発光素子に供給される電流及び第2発光素子に供給される電流を個別に制御する。これにより、第1発光素子の光量と第2発光素子の光量とが変化する。光源制御部54は、第1発光素子の光量と第2発光素子の光量との比を変化させることにより、光源6の光色を変化させる。
【0033】
発光素子は、例えば、発光ダイオード又は有機エレクトロルミネッセンス素子である。
【0034】
一例として、
図2に示すように、複数の光源6は、施設の天井に設置される。空間SP1に存在する人H1は、各光源6から出射される光を認識可能である。ここで、人H1が複数の光源6のうち最も近くに設置された光源6からの光だけではなく、他の少なくとも1つの光源6からの光をも認識可能となるように、複数の光源6が設置されていることが好ましい。例えば、人H1が複数の光源6のうち2番目に近くに設置された光源6からの光をも認識可能となるように、複数の光源6が設置されていることが好ましい。
【0035】
本実施形態では、光源6の個数は3つである。以下では、3つの光源6を区別するために、3つの光源6をそれぞれ光源6A、6B、6Cと呼ぶ場合がある。
【0036】
(8)環境センサ
本実施形態では、複数の環境センサ7の各々が温度センサである場合を例に説明する。温度センサは、例えば、サーミスタ、熱電対、又はサーモパイルを含む。温度センサは、空間SP1に設置され、気温を検知する。
【0037】
複数の環境センサ7の検知結果は、第1情報に相当する。第1情報は、光報知システム1の第1取得部51に取得される。本実施形態では、第1情報は、気温である。より詳細には、第1情報は、空間SP1のうち複数の環境センサ7がそれぞれ設置された場所の気温である。
【0038】
本実施形態では、
図2に示すように、複数の環境センサ7は、施設の天井に設置される。複数の環境センサ7は、互いに離れて設置される。
【0039】
本実施形態では、環境センサ7の個数は3つである。以下では、3つの環境センサ7を区別するために、3つの環境センサ7をそれぞれ環境センサ7A、7B、7Cと呼ぶ場合がある。
【0040】
各環境センサ7は、対応する光源6の近傍に設置される。環境センサ7Aは、光源6Aと対応している。環境センサ7Bは、光源6Bと対応している。環境センサ7Cは、光源6Cと対応している。
【0041】
(9)サーバ
サーバ8(コンピュータサーバ)は、光報知システム1とは別体に設けられている。サーバ8は、複数の光源6が設置された施設に設置されていてもよいし、施設とは別の場所に設置されていてもよい。
【0042】
サーバ8は、第2情報を記憶している。サーバ8は、第2情報を光報知システム1へ送信する。サーバ8は、例えば、定期的に第2情報を光報知システム1へ送信してもよい。あるいは、サーバ8は、第2情報を要求する要求信号を光報知システム1から受信した場合に、第2情報を光報知システム1へ送信してもよい。
【0043】
一例として、第2情報は、日付、時間、空間SP1が存在する地域、及び、上記地域の天気のうち少なくとも1つに関する情報である。第2情報は、第1情報に関連した情報である。本実施形態では、第1情報は気温であり、第2情報は、気温に関連した情報である。特に、本実施形態では、第2情報は上記地域の天気に関する情報を含む、として説明する。
【0044】
(10)光色の決定
次に、光報知システム1の決定部53が各光源6の光色を決定する処理の一例について説明する。
【0045】
空間SP1においては、気温について温度勾配が生じ得る。例えば、空間SP1を暖房又は冷房する空調機器9(
図2参照)の位置、出力の大きさ及び風向き、並びに、空間SP1の壁に設けられた窓の位置及び大きさ等に応じて、温度勾配が生じ得る。そのため、複数の環境センサ7の検知結果はそれぞれ異なり得る。
図2では、3つの環境センサ7A~7Cのうち、環境センサ7Aが空調機器9から最も近く、環境センサ7Bが空調機器9から2番目に近く、環境センサ7Cが空調機器9から最も遠い。
【0046】
ここでは、一例として、空調機器9が暖房運転を行っており、環境センサ7Aで検知される気温が最も高く、環境センサ7Bで検知される気温が2番目に高く、環境センサ7Cで検知される気温が最も低いとする。
【0047】
また、ここでは、一例として、各光源6の光色を決定する過程で、光色が決定される対象の光源6に対応した環境センサ7で検知された気温(第1情報)が参照される一方で、その他の環境センサ7で検知された気温(第1情報)は参照されないとして説明する。
【0048】
決定部53は、第1設定部531と、第2設定部532と、を含む。第1設定部531は、少なくとも第2情報に基づいて、光源6の光色と第1情報との対応関係を決定する。第2設定部532は、第1設定部531で決定された対応関係と、第1情報とを照らし合わせて、光源6の光色を決定する。
【0049】
以下では、光源6の光色と第1情報との対応関係を、鍵括弧付きで「対応関係」と呼ぶ。第1情報が気温である場合、「対応関係」は、気温が高いほど光源6の色温度が低くなる関係であることが好ましい。
【0050】
「対応関係」は、気温(第1情報)の連続的な変化に応じて光色も連続的に変化するような関係であってもよい(
図5参照)。このような「対応関係」は、例えば、気温と光源6の色温度との関係がN次式(Nは自然数)で表されるような場合が当てはまる。
【0051】
あるいは、「対応関係」は、気温(第1情報)の連続的な変化に対して光色が不連続に変化するような関係であってもよい。このような「対応関係」は、例えば、
図3に示すように、気温が閾値Th1より大きいと光色を第1光色にし、気温が閾値Th1以下だと光色を第2光色にするような場合が当てはまる。第2光色は、第1光色よりも色温度が高い。一例として、第1光色は暖色系の光色であり、第2光色は寒色系の光色である。
【0052】
本実施形態では、「対応関係」が、
図5に示すような関係ではなく、
図3に示すような関係である場合について説明する。
【0053】
各光源6の光色を決定する処理の流れの一例を、
図4に示す。なお、
図4に示すフローチャートは、処理の一例を表しているに過ぎず、処理の順序が適宜変更されてもよいし、処理が適宜追加又は省略されてもよい。
【0054】
光報知システム1を初めて起動した際、あるいは、光報知システム1を初期化する操作がなされた際には、光報知システム1は、各種設定を初期化する(ステップST1)。例えば、光報知システム1は、記憶部3に記憶された第1情報、第2情報、光源6の光色の過去の制御データ、及び過去の「対応関係」を消去する。また、光報知システム1は、「対応関係」をデフォルトの「対応関係」で上書き設定する。
【0055】
ここでは、「対応関係」は、1つの閾値Th1により定義されるとする。ステップST1では、光報知システム1は、閾値Th1をデフォルト値に設定する。
【0056】
次に、第1取得部51は、第1情報を取得する。ここで、第1情報は、複数の環境センサ7(温度センサ)でそれぞれ検知された気温の情報である。ステップST2において、記憶部3は、第1情報を記憶する。
【0057】
ステップST3において、第2設定部532は、「対応関係」と、第1情報とを照らし合わせて、光源6の光色を決定する。より詳細には、上述の通り「対応関係」は、1つの閾値Th1により定義され、第2設定部532は、気温が閾値Th1より大きいと光源6の光色を第1光色(暖色系)に決定し、気温が閾値Th1以下だと光源6の光色を第2光色(寒色系)に決定する。
【0058】
また、ここでは複数の光源6と複数の環境センサ7とが一対一で対応しており、上述の通り、各光源6の光色を決定する過程で、対応する環境センサ7で検知された気温(第1情報)が参照される。つまり、第2設定部532は、環境センサ7Aで検知された気温が閾値Th1より大きいと、光源6Aの光色を第1光色に決定し、気温が閾値Th1以下だと光源6Aの光色を第2光色に決定する。同様に、第2設定部532は、環境センサ7Bで検知された気温が閾値Th1より大きいと、光源6Bの光色を第1光色に決定し、気温が閾値Th1以下だと光源6Bの光色を第2光色に決定する。同様に、第2設定部532は、環境センサ7Cで検知された気温が閾値Th1より大きいと、光源6Cの光色を第1光色に決定し、気温が閾値Th1以下だと光源6Cの光色を第2光色に決定する。
【0059】
このように、本実施形態では、光源6は、複数設けられ、環境センサ7は、空間SP1に設置された温度センサを含み、温度センサは、第1情報として気温を検知し、温度センサは、複数の光源6のうち少なくとも1つの光源6に対応する。決定部53は、温度センサで検知された気温が高いほど、複数の光源6のうち対応する光源6の色温度を低くする。さらに、本実施形態では、このような温度センサが複数設けられている。より詳細には、決定部53は、ある温度センサで検知された気温が高いほど、この温度センサに対応する光源6の色温度を低くする。温度センサは、対応する光源6の近傍に設置される。つまり、各光源6は、それ自体(光源6)の周辺の気温を色温度(光色)により報知する。
【0060】
光源制御部54は、複数の光源6のそれぞれの光色が、第2設定部532で決定された光色となるように、複数の光源6を制御する。
【0061】
所定時間が経過するまで、ステップST2及びステップST3が繰り返される(ステップST4)。また、ステップST2において記憶部3は、各光源6について決定された光色の情報を含んだ、制御情報を記憶する。ステップST2が繰り返されることにより、記憶部3は、第1情報及び制御情報を所定時間の間、逐一記憶する。つまり、記憶部3は、第1情報及び制御情報のそれぞれのログデータを記憶する。所定時間は、特に限定されないが、例えば、1日又は1時間である。
【0062】
所定時間が経過すると、ステップST5において、光報知システム1は、タイマT1をリセットする。また、所定時間が経過すると、操作部4へのユーザの操作により、処理部5の動作モードを自動設定モードへ切り替え可能となる(ステップST6)。所定時間が経過する前は、処理部5の動作モードは手動設定モードとなっている。
【0063】
処理部5は、操作部4への操作に応じて、処理部5の動作モードを自動設定モードと、手動設定モードとに切り替える。自動設定モードでは、第1設定部531は、少なくとも第2情報に基づいて「対応関係」(閾値Th1)を決定する。手動設定モードでは、第1設定部531は、操作部4への操作に応じて「対応関係」(閾値Th1)を決定する。つまり、手動設定モードでは、ユーザが閾値Th1を指定することができる。手動設定モードにおいて、ユーザが閾値Th1を指定しない場合は、閾値Th1はデフォルト値に維持される。
【0064】
自動設定モードが選択されると、ステップST7において、第1設定部531は、「対応関係」(閾値Th1)を決定する。ただし、後述のステップST14とは異なり、ステップST7では未だ第2取得部52が第2情報を取得していないため、第1設定部531は、「対応関係」を決定する際に第2情報を使用しない。ステップST7では第1設定部531は、例えば、デフォルトの閾値Th1を、第1情報及び制御情報のそれぞれのログデータに基づいて補正する。
【0065】
本実施形態では、第1情報は、気温である。複数の環境センサ7の各々で気温が検知され、気温の情報が第1情報として第1取得部51に取得される。これにより、光報知システム1は、所定時間における空間SP1の平均気温を算出することができる。そこで、一例として、第1設定部531は、所定時間における空間SP1の平均気温が高いほど、閾値Th1を大きくし、所定時間における空間SP1の平均気温が低いほど、閾値Th1を小さくする。所定時間における空間SP1の平均気温は、例えば、個々の環境センサ7で検知された気温の時間平均を求めてから、複数の環境センサ7それぞれに対応する時間平均を合算し環境センサ7の個数で割ることで、算出される。
【0066】
また、制御情報は、複数の光源6をそれぞれどのような光色となるように調色したかを示す情報を含む。言い換えると、制御情報は、複数の光源6の調色制御の実績を示す情報を含む。制御情報のログデータは、時間ごとの複数の光源6の調色制御の実績を示す情報を含む。そこで、一例として、第1設定部531は、より色温度が低い光色(暖色系)に制御された光源6の個数が多いほど、閾値Th1を大きくし、より色温度が高い光色(寒色系)に制御された光源6の個数が多いほど、閾値Th1を小さくする。また、一例として、第1設定部531は、光源6がより色温度が低い光色(暖色系)に制御された時間が長いほど、閾値Th1を大きくし、光源6がより色温度が高い光色(寒色系)に制御された時間が長いほど、閾値Th1を小さくする。
【0067】
上記のように、ステップST7で「対応関係」が決定される。また、ステップST8では、記憶部3は、第1取得部51で新たに取得された第1情報と、光源制御部54の現在の制御情報と、を記憶する。
【0068】
ステップST9ではステップST3と同様に、第2設定部532は、ステップST7で決定された「対応関係」に基づいて、各光源6の光色を決定する。
【0069】
所定時間が経過するまで、ステップST8、ST9が繰り返される(ステップST10)。ステップST8が繰り返されることにより、記憶部3は、第1情報及び制御情報のそれぞれのログデータを記憶する。所定時間は、特に限定されないが、例えば、1日又は1時間である。
【0070】
所定時間が経過すると、ステップST11において、光報知システム1は、タイマT1をリセットする。また、所定時間が経過すると、ステップST12において、通信部2は、サーバ8と通信する。これにより、第2取得部52は、第2情報を取得する。また、ステップST13において、記憶部3は、第2情報を記憶する。第2情報は、空間SP1が存在する地域の天気に関する情報を含む。
【0071】
第2取得部52が第2情報を取得した後、ステップST14において、第1設定部531は、「対応関係」を決定する。これにより、第1設定部531は、ステップST7で一度決定した「対応関係」を、更新する。さらに、ステップST8に戻り、以降、光報知システム1は、ステップST8~ST14からなるループを繰り返す。
【0072】
第1設定部531は、複数の光源6のうち一部の光源6の光色が、別の一部の光源6の光色と異なる光色となるように、「対応関係」を決定することが好ましい。また、第1設定部531は、複数の光源6のうち所定の個数(例えば、2個又は3個)以上の光源6の光色が、別の一部の光源6の光色と異なる光色となるように、「対応関係」を決定することが好ましい。
【0073】
ステップST14において、第1設定部531は、少なくとも第2情報に基づいて「対応関係」を決定する。ここで、ステップST8~ST14からなるループが繰り返されることで、第2情報のログデータが記憶部3に記憶される(ステップST13参照)。第1設定部531は、単発の第2情報ではなく、第2情報のログデータに基づいて、「対応関係」を決定してもよい。すなわち、第1設定部531は、少なくとも第2情報のログデータに基づいて、「対応関係」を決定してもよい。「対応関係」を決定するために参照される第2情報のログデータは、例えば、現時点よりも前の時点から現時点までにわたる期間のログデータである。
【0074】
ステップST14において、第1設定部531は、第2情報(あるいは、第2情報のログデータ)に基づいて推定される環境センサ7の検出値(気温)が大きいほど、検出値と比較される閾値Th1を大きくする。このように閾値Th1を設定することで、『(11)対比』で後述するように、全ての光源6の光色が第1光色となる、又は、全ての光源6の光色が第2光色となる、といった事態が起きる可能性を低減できる。
【0075】
第2情報は、空間SP1が存在する地域の天気に関する情報を含む。一例として、第1設定部531は、天気が「晴れ」の場合は、天気が「曇り」の場合よりも、閾値Th1を大きくしてもよい。また、一例として、第1設定部531は、天気が「曇り」の場合は、天気が「雨」の場合よりも、閾値Th1を大きくしてもよい。また、一例として、第1設定部531は、天気が「雨」の場合は、天気が「雪」の場合よりも、閾値Th1を大きくしてもよい。
【0076】
また、第2情報が現在の日付に関する情報を含む場合に、一例として、第1設定部531は、現在の季節が夏のときは、現在の季節が春又は秋のときよりも、閾値Th1を大きくしてもよい。また、一例として、第1設定部531は、現在の季節が春又は秋のときは、現在の季節が冬のときよりも、閾値Th1を大きくしてもよい。
【0077】
また、第2情報が現在の時間(時刻)に関する情報を含む場合に、一例として、第1設定部531は、現在の時間が昼間のときは、現在の時間が夜のときよりも、閾値Th1を大きくしてもよい。
【0078】
また、第2情報が、空間SP1が存在する地域に関する情報を含む場合に、一例として、第1設定部531は、地域の年間平均気温が高いほど、閾値Th1を大きくしてもよい。地域の年間平均気温は、第2情報としてサーバ8から第2取得部52により取得される。あるいは、第2情報は、例えば、地域の1日の気温の情報を含み、第1設定部531は、地域の1日の気温の情報のログデータ(すなわち、第2情報のログデータ)に基づいて、地域の年間平均気温を算出してもよい。
【0079】
また、一例として、第1設定部531は、地域に関する情報と日付に関する情報とを組み合わせて閾値Th1を決定してもよい。具体例として、第1設定部531は、現在の日付における地域の平均気温が高いほど、閾値Th1を大きくしてもよい。あるいは、第1設定部531は、現在の日付を含む所定の期間(例えば、1か月)における地域の平均気温が高いほど、閾値Th1を大きくしてもよい。地域の平均気温は、第2情報としてサーバ8から第2取得部52により取得される。あるいは、第2情報は、例えば、地域の1日の気温の情報を含み、第1設定部531は、地域の1日の気温の情報のログデータ(すなわち、第2情報のログデータ)に基づいて、地域の平均気温を算出してもよい。
【0080】
第1設定部531は、単発の第2情報と、第2情報のログデータと、の両方に基づいて、「対応関係」を決定してもよい。
【0081】
また、第1設定部531は、第2情報(あるいは、第2情報のログデータ)以外の1以上の情報に基づいて、「対応関係」を決定してもよい。1以上の情報は、例えば、第1情報のログデータ、制御情報のログデータ、又は、「対応関係」のログデータ、あるいは、これらのうち2つ以上の組み合わせである。
【0082】
第1設定部531は、第2情報(あるいは、第2情報のログデータ)に加えて、第1情報のログデータに基づいて、「対応関係」を決定してもよい。第1設定部531は、第1情報のログデータに基づいて推定される環境センサ7の検出値(気温)が大きいほど、閾値Th1を大きくする。例えば、ステップST7で説明したように、第1設定部531は、所定時間における空間SP1の平均気温が高いほど、閾値Th1を大きくし、所定時間における空間SP1の平均気温が低いほど、閾値Th1を小さくしてもよい。「対応関係」を決定するために参照される第1情報のログデータは、例えば、現時点よりも所定時間前の時点から現時点までにわたる期間のログデータである。
【0083】
また、第1設定部531は、第2情報(あるいは、第2情報のログデータ)に加えて、光源6の光色のログデータ、すなわち、制御情報のログデータに基づいて、「対応関係」を決定してもよい。第1設定部531は、制御情報のログデータに基づいて推定される環境センサ7の検出値(気温)が大きいほど、閾値Th1を大きくする。一例として、上述したように、第1設定部531は、より色温度が低い光色(暖色系)に制御された光源6の個数が多いほど、閾値Th1を大きくし、より色温度が高い光色(寒色系)に制御された光源6の個数が多いほど、閾値Th1を小さくしてもよい。また、一例として、第1設定部531は、光源6がより色温度が低い光色(暖色系)に制御された時間が長いほど、閾値Th1を大きくし、光源6がより色温度が高い光色(寒色系)に制御された時間が長いほど、閾値Th1を小さくしてもよい。「対応関係」を決定するために参照される制御情報のログデータは、例えば、現時点よりも所定時間前の時点から現時点までにわたる期間のログデータである。
【0084】
制御情報のログデータに基づいて「対応関係」を決定することで、「対応関係」をより適切な関係に改められる。例えば、天気が「雨」であるために閾値Th1をデフォルト値よりも2℃小さくしたものの、制御情報のログデータによると、このように閾値Th1を決定した結果として殆ど全ての光源6の光色が第2光色となっており、閾値Th1を下げ過ぎたと判断できる場合を想定する。つまり、過去に天気に応じて閾値Th1を下げ過ぎたということを、制御情報のログデータから第1設定部531が判断できる場合を想定する。このような場合、空間SP1の温度分布を光源6の光色により報知するという目的が達成できなくなる。そこで、第1設定部531は、天気が「雨」である場合の閾値Th1の下げ幅を小さくするとよい。
【0085】
また、第1設定部531は、第2情報(あるいは、第2情報のログデータ)に加えて、「対応関係」のログデータに基づいて、「対応関係」を決定してもよい。ここでは、「対応関係」は、閾値Th1である。「対応関係」を決定するために参照される「対応関係」のログデータは、例えば、現時点よりも前の時点から現時点までにわたる期間のログデータである。
【0086】
一例として、第1設定部531は、新たに決定する閾値Th1の時間変化の幅と、過去における閾値Th1の時間変化の幅と、の差分が、所定範囲内に収まるように、閾値Th1の時間変化を決定してもよい。より具体的な例として、過去のある期間において閾値Th1が、昼には25℃、夜には20℃であった場合を想定する。この場合に、第1設定部531は、例えば閾値Th1を昼には20℃前後、夜には15℃前後、あるいは、昼には28℃前後、夜には23℃前後、というように決定してもよい。つまり、第1設定部531は、過去に昼から夜への時間経過によって閾値Th1が5℃低下した、という条件が、新たに決定する閾値Th1でもある程度成り立つようにしてもよい。これにより、温度変化の大きさと光色の変化との関係が維持されるので、ユーザが光源6の光色から温度変化の大きさを把握しやすい。
【0087】
(11)対比
本実施形態の光報知システム1との比較例として、温度センサ(環境センサ7)で検知された気温と光源6の光色との「対応関係」(閾値Th1)を、ユーザが常に手動で設定する事例を想定する。このような事例では、閾値Th1が実際の気温と照らして不適切な値になると、ユーザが閾値Th1を逐一設定する必要がある。例えば、閾値Th1が20℃に設定されている場合に、冬から春になり平均気温が上昇してくると、全ての光源6の光色が第1光色となる可能性がある。すると、空間SP1の温度分布を光源6の光色により報知するという目的が達成できなくなる。そのため、ユーザが閾値Th1を設定し直す必要があり、手間がかかる。また、初期設定時にもユーザが閾値Th1を設定する必要があり、手間がかかる。
【0088】
これに対して、本実施形態では、第1情報及び第2情報等に基づいて、光報知システム1が「対応関係」(閾値Th1)を決定することができる。そのため、ユーザの手間を軽減できる。
【0089】
また、本実施形態の光報知システム1は、環境センサ7から取得した第1情報だけではなく、サーバ8から取得した第2情報に更に基づいて、光源6の光色を決定する。そのため、第1情報だけに基づいて光源6の光色を決定する場合と比較して、光源6の光色の制御を、状況に適した制御にすることができる。例えば、第2情報が、空間SP1が存在する地域の天気に関する情報を含む場合、第1設定部531は、天気に応じて閾値Th1を変化させる。これにより、閾値Th1が適切な値に設定され、例えば、全ての光源6の光色が第1光色となる、又は、全ての光源6の光色が第2光色となる、といった事態が起きる可能性を低減できる。
【0090】
(変形例1)
以下、実施形態の変形例1について説明する。実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0091】
第1情報は、気温、湿度、音量、気圧、照度、及び二酸化炭素濃度のうち少なくとも1つに関する情報を含んでいてもよい。つまり、第1情報は、気温に関する情報に限定されない。また、決定部53は、このような第1情報に基づいて光源6の光色を決定してもよい。
【0092】
まず、第1情報が湿度に関する情報を含む場合について説明する。この場合、少なくとも1つの環境センサ7は、湿度センサを含む。また、この場合、光報知システム1は、光源6の光色の変化により、湿度を報知する。例えば、第1設定部531は、第2情報に含まれる天気及び日付のうち少なくとも一方に関する情報に基づいて、湿度閾値を決定する。例えば、第1設定部531は、天気が「雨」のときは、天気が「晴れ」のときよりも、湿度閾値を大きくする。また、例えば、第1設定部531は、現在の季節が夏のときは、現在の季節が冬のときよりも、湿度閾値を大きくする。第2設定部532は、湿度が湿度閾値より大きいと光色を所定の光色にし、湿度が湿度閾値以下だと光色を、上記所定の光色とは別の光色にする。光源6及び湿度センサは、例えば、それぞれ複数設けられ、各光源6は、湿度センサが設けられた場所ごとの湿度を報知する。つまり、光報知システム1は、空間SP1の湿度分布を報知する。
【0093】
次に、第1情報が音量に関する情報を含む場合について説明する。この場合、少なくとも1つの環境センサ7は、音響センサを含む。また、この場合、光報知システム1は、光源6の光色の変化により、音圧レベルを報知する。例えば、第1設定部531は、第2情報に含まれる時間に関する情報に基づいて、音圧閾値を決定する。例えば、第1設定部531は、現在の時間が昼間のときは、現在の時間が夜のときよりも、音圧閾値を大きくする。第2設定部532は、音圧レベルが音圧閾値より大きいと光色を所定の光色にし、音圧レベルが音圧閾値以下だと光色を、上記所定の光色とは別の光色にする。光源6及び音響センサは、例えば、それぞれ複数設けられ、各光源6は、音響センサが設けられた場所ごとの音圧レベルを報知する。つまり、光報知システム1は、空間SP1の音圧レベルの分布を報知する。
【0094】
次に、第1情報が気圧に関する情報を含む場合について説明する。この場合、少なくとも1つの環境センサ7は、気圧センサを含む。また、この場合、光報知システム1は、光源6の光色の変化により、気圧を報知する。例えば、第1設定部531は、第2情報に含まれる、空間SP1が存在する地域に関する情報に基づいて、気圧閾値を決定する。例えば、第1設定部531は、地域の標高が低いほど、気圧閾値を大きくする。第2設定部532は、気圧が気圧閾値より大きいと光色を所定の光色にし、気圧が気圧閾値以下だと光色を、上記所定の光色とは別の光色にする。光源6は、少なくとも1つ設けられ、空間SP1の気圧を報知する。
【0095】
次に、第1情報が照度に関する情報を含む場合について説明する。この場合、少なくとも1つの環境センサ7は、照度センサを含む。また、この場合、光報知システム1は、光源6の光色の変化により、照度を報知する。例えば、第1設定部531は、第2情報に含まれる時間に関する情報に基づいて、照度閾値を決定する。例えば、第1設定部531は、現在の時間が昼間のときは、現在の時間が夜のときよりも、照度閾値を大きくする。第2設定部532は、照度が照度閾値より大きいと光色を所定の光色にし、照度が照度閾値以下だと光色を、上記所定の光色とは別の光色にする。光源6及び照度センサは、例えば、それぞれ複数設けられ、各光源6は、照度センサが設けられた場所ごとの照度を報知する。つまり、光報知システム1は、空間SP1の照度分布を報知する。
【0096】
次に、第1情報が二酸化炭素濃度に関する情報を含む場合について説明する。この場合、少なくとも1つの環境センサ7は、二酸化炭素センサを含む。また、この場合、光報知システム1は、光源6の光色の変化により、二酸化炭素濃度を報知する。例えば、第1設定部531は、第2情報に含まれる時間に関する情報に基づいて、濃度閾値を決定する。例えば、空間SP1で昼間の人口密度が夜よりも高い場合において、第1設定部531は、現在の時間が昼間のときは、現在の時間が夜のときよりも、濃度閾値を大きくする。第2設定部532は、二酸化炭素濃度が濃度閾値より大きいと光色を所定の光色にし、二酸化炭素濃度が濃度閾値以下だと光色を、上記所定の光色とは別の光色にする。光源6及び二酸化炭素濃度センサは、例えば、それぞれ複数設けられ、各光源6は、二酸化炭素濃度センサが設けられた場所ごとの二酸化炭素濃度を報知する。つまり、光報知システム1は、空間SP1の二酸化炭素濃度分布を報知する。
【0097】
(変形例2)
以下、実施形態の変形例2について説明する。実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。また、本変形例2は、変形例1と組み合わせて実現されてもよい。
【0098】
決定部53は、温度センサ等の環境センサ7で検知された値に応じて、光色を連続的に変化させてもよい。つまり、
図5に示すように、「対応関係」は、気温等の第1情報の連続的な変化に応じて光色も連続的に変化するような関係であってもよい。
図5を例に説明すると、第1設定部531は、例えば、天気が「晴れ」の場合は線分L1で示す「対応関係」を採用し、天気が「曇り」の場合は線分L2で示す「対応関係」を採用する。つまり、第1設定部531は、天気が「晴れ」の場合は、光源6を所定の色温度に調色するときの気温を、天気が「曇り」の場合と比較して高く設定する。
【0099】
このように、第1設定部531は、第1情報の変化に対する光色の連続的な変化の関係(「対応関係」)を、第2情報に基づいて決定してもよい。
【0100】
また、第1設定部531は、第2情報に応じて、「対応関係」を連続的に変化させてもよい。例えば、「対応関係」を表す線分が線分L1と線分L2との間の位置にある状態から、「対応関係」を更新する際に、第1設定部531は、第2情報に応じて、線分を線分L1側に移動するか、線分L2側に移動するかを決定し、さらに、移動量を決定してもよい。
【0101】
また、実施形態と同様に、第1設定部531は、第2情報(あるいは、第2情報のログデータ)に限らず、第1情報のログデータ等に基づいて「対応関係」を決定してもよい。
【0102】
(実施形態のその他の変形例)
以下、実施形態のその他の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。また、以下の変形例は、上述の各変形例と適宜組み合わせて実現されてもよい。
【0103】
光報知システム1は、環境センサ7、サーバ8及び光源6のうち少なくとも1つを更に備えていてもよい。つまり、少なくとも1つの環境センサ7、サーバ8、及び、少なくとも1つの光源6はそれぞれ、光報知システム1の構成であってもよいし、光報知システム1の外部の構成であってもよい。
【0104】
光源6の個数は、3個に限定されず、1つ、2つ又は4つ以上であってもよい。
【0105】
環境センサ7の個数は、3個に限定されず、1つ、2つ又は4つ以上であってもよい。
【0106】
光源6の個数は、環境センサ7の個数と一致していなくてもよい。1つの光源6が2以上の環境センサ7に対応していてもよく、1つの環境センサ7が2以上の光源6に対応していてもよい。
【0107】
少なくとも一部の環境センサ7が、対応する光源6と一体に設けられていてもよい。例えば、少なくとも一部の環境センサ7が、対応する光源6の筐体に収容されていてもよい。
【0108】
光源6の光色の変化は、第1光色と第2光色との2色の変化に限定されない。例えば、光源6の光色の変化は、第1光色と第2光色と第3光色との3色の変化であってもよい。例えば、温度センサ(環境センサ7)で検知された気温が第1閾値よりも大きいと第1光色に、第1閾値以下かつ第2閾値よりも大きいと第2光色に、第2閾値以下だと第3光色に、光源6の光色が制御されてもよい。また、光源6の光色の変化は、4色以上であってもよい。
【0109】
決定部53は、「対応関係」を決定することなく、第1情報及び第2情報等の情報から直接、光源6の光色を決定してもよい。例えば、決定部53は、第1情報及び第2情報等の情報を所定のデータテーブル又は演算式等に当てはめることで、光源6の光色を決定してもよい。あるいは、決定部53は、学習済みモデルを用いて光源6の光色を決定してもよい。
【0110】
図3の例では、第2取得部52は、定期的に第2情報を取得する。ただし、第2情報に含まれる情報のうち一部の情報は、光報知システム1を初めて起動した際、及び、光報知システム1を初期化する操作がなされた際等にのみ取得されればよい。例えば、空間SP1が存在する地域に関する情報(例えば、地域名等の、地域を特定する情報)が、上記一部の情報に該当する。
【0111】
本開示における光報知システム1又は光報知方法方法の実行主体は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における光報知システム1又は光報知方法方法の実行主体としての機能の少なくとも一部が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0112】
また、光報知システム1における複数の機能が、1つの装置に集約されていることは光報知システム1に必須の構成ではなく、光報知システム1の構成要素は、複数の装置に分散して設けられていてもよい。さらに、光報知システム1の少なくとも一部の機能、例えば、決定部53の一部の機能がサーバ又はクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0113】
反対に、実施形態において、複数の装置に分散されている構成が、1つの装置に集約されていてもよい。例えば、少なくとも一部の環境センサ7が、光報知システム1の装置に集約されていてもよい。
【0114】
(まとめ)
以上説明した実施形態等から、以下の態様が開示されている。
【0115】
第1の態様に係る光報知システム(1)は、光源(6)の光色の変化により報知を行う。光源(6)は、空間(SP1)に光を照射する。光報知システム(1)は、第1取得部(51)と、第2取得部(52)と、決定部(53)と、を備える。第1取得部(51)は、空間(SP1)の環境を検知する環境センサ(7)から空間(SP1)の環境に関する第1情報を取得する。第2取得部(52)は、サーバ(8)から第2情報を取得する。決定部(53)は、第1情報及び第2情報に基づいて光源(6)の光色を決定する。
【0116】
上記の構成によれば、環境センサ(7)から取得した第1情報だけではなく、サーバ(8)から取得した第2情報に更に基づいて、光源(6)の光色が決定される。そのため、第1情報だけに基づいて光源(6)の光色が決定される場合と比較して、光源(6)の光色の制御を、状況に適した制御にすることができる。
【0117】
また、第2の態様に係る光報知システム(1)では、第1の態様において、決定部(53)は、第1設定部(531)と、第2設定部(532)と、を含む。第1設定部(531)は、少なくとも第2情報に基づいて、光源(6)の光色と第1情報との対応関係を決定する。第2設定部(532)は、第1設定部(531)で決定された対応関係と、第1情報とを照らし合わせて、光源(6)の光色を決定する。
【0118】
上記の構成によれば、第2設定部(532)は、簡単なアルゴリズムで、光源(6)の光色を決定することができる。
【0119】
また、第3の態様に係る光報知システム(1)では、第2の態様において、第1設定部(531)は、第1情報のログデータに更に基づいて、対応関係を決定する。
【0120】
上記の構成によれば、過去の第1情報の推移を、光源(6)の光色に反映することができる。
【0121】
また、第4の態様に係る光報知システム(1)では、第2又は3の態様において、第1設定部(531)は、少なくとも第2情報のログデータに基づいて、対応関係を決定する。
【0122】
上記の構成によれば、過去の第2情報の推移を、光源(6)の光色に反映することができる。
【0123】
また、第5の態様に係る光報知システム(1)では、第2~4の態様のいずれか1つにおいて、第1設定部(531)は、光源(6)の光色のログデータに更に基づいて、対応関係を決定する。
【0124】
上記の構成によれば、過去の光源(6)の光色の推移を、光源(6)の光色に反映することができる。
【0125】
また、第6の態様に係る光報知システム(1)では、第2~5の態様のいずれか1つにおいて、第1設定部(531)は、対応関係のログデータに更に基づいて、対応関係を決定する。
【0126】
上記の構成によれば、過去の対応関係の推移を、光源(6)の光色に反映することができる。
【0127】
また、第7の態様に係る光報知システム(1)では、第1~6の態様のいずれか1つにおいて、第2情報は、日付、時間、空間(SP1)が存在する地域、及び、地域の天気のうち少なくとも1つに関する情報である。
【0128】
上記の構成によれば、外気温の変化等に関する情報を、光源(6)の光色に反映することができる。
【0129】
また、第8の態様に係る光報知システム(1)では、第1~7の態様のいずれか1つにおいて、第1情報は、気温、湿度、音量、気圧、照度、及び二酸化炭素濃度のうち少なくとも1つに関する情報を含む。
【0130】
上記の構成によれば、光源(6)の光色の制御を、空間(SP1)の環境に適した制御にすることができる。
【0131】
また、第9の態様に係る光報知システム(1)は、第1~8の態様のいずれか1つにおいて、環境センサ(7)、サーバ(8)及び光源(6)のうち少なくとも1つを更に備える。
【0132】
上記の構成によれば、光源(6)の光色の制御を、状況に適した制御にすることができる。
【0133】
また、第10の態様に係る光報知システム(1)では、第1~9の態様のいずれか1つにおいて、光源(6)は、複数設けられる。環境センサ(7)は、空間(SP1)に設置された温度センサを含む。温度センサは、第1情報として気温を検知する。温度センサは、複数の光源(6)のうち少なくとも1つの光源(6)に対応する。決定部(53)は、温度センサで検知された気温が高いほど、複数の光源(6)のうち対応する光源(6)の色温度を低くする。
【0134】
上記の構成によれば、ユーザは、光源(6)の光色を認識することで、温度センサの周囲の気温が高いか、低いかを知ることができる。
【0135】
第1の態様以外の構成については、光報知システム(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【0136】
また、第11の態様に係る光報知方法は、光源(6)の光色の変化により報知を行う。光源(6)は、空間(SP1)に光を照射する。光報知方法は、第1取得処理と、第2取得処理と、決定処理と、を含む。第1取得処理では、空間(SP1)の環境を検知する環境センサ(7)から空間(SP1)の環境に関する第1情報を取得する。第2取得処理では、サーバ(8)から第2情報を取得する。決定処理では、第1情報及び第2情報に基づいて光源(6)の光色を決定する。
【0137】
上記の構成によれば、光源(6)の光色の制御を、状況に適した制御にすることができる。
【0138】
また、第12の態様に係るプログラムは、第11の態様に係る光報知方法を、コンピュータシステムの1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0139】
上記の構成によれば、光源(6)の光色の制御を、状況に適した制御にすることができる。
【0140】
上記態様に限らず、実施形態に係る光報知システム(1)の種々の構成(変形例を含む)は、光報知方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体にて具現化可能である。
【符号の説明】
【0141】
1 光報知システム
6 光源
7 環境センサ
8 サーバ
51 第1取得部
52 第2取得部
53 決定部
531 第1設定部
532 第2設定部
SP1 空間