(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023121620
(43)【公開日】2023-08-31
(54)【発明の名称】情報処理装置および検知プログラム
(51)【国際特許分類】
G08B 21/02 20060101AFI20230824BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20230824BHJP
G08B 25/00 20060101ALI20230824BHJP
G06T 7/60 20170101ALI20230824BHJP
G06Q 50/10 20120101ALN20230824BHJP
【FI】
G08B21/02
G08B25/04 K
G08B25/00 510M
G06T7/60 110
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022025066
(22)【出願日】2022-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】弁理士法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 雅世
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 啓三
【テーマコード(参考)】
5C086
5C087
5L049
5L096
【Fターム(参考)】
5C086AA21
5C086AA22
5C086CA25
5C086CA28
5C086CB36
5C086DA08
5C086DA33
5C086EA40
5C086EA45
5C087DD03
5C087DD31
5C087EE08
5C087FF01
5C087FF04
5C087GG02
5C087GG08
5C087GG09
5C087GG66
5C087GG84
5L049CC11
5L096AA06
5L096BA02
5L096CA05
5L096DA03
5L096FA52
5L096FA69
5L096GA51
(57)【要約】
【課題】適切な人物検知を行うことができる。
【解決手段】情報処理装置10は、第1人物と第2人物との対応関係を記憶する。情報処理装置10は、施設1内に設置されたカメラ1-1,1-2,・・・が撮影したカメラ画像から第1人物を検出する。情報処理装置10は、第1人物が検出された検出カメラ画像から第2人物が検出されなかった場合、検出カメラ画像を撮影したカメラの位置である検出位置と、施設1内の警戒位置との位置関係に基づいて警報を出力するか否かを決定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1人物と第2人物との対応関係を記憶する記憶部と、
施設内に設置された複数のカメラが撮影したカメラ画像から前記第1人物を検出し、前記第1人物が検出された検出カメラ画像から前記第2人物が検出されなかった場合、前記検出カメラ画像を撮影したカメラの位置である検出位置と、前記施設内の警戒位置との位置関係に基づいて警報を出力するか否かを決定する処理部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記検出カメラ画像から前記第2人物が検出されなかった第1時刻を記録し、前記第1時刻を記録した履歴に基づいて、前記第1人物が前記第2人物といない期間が第1期間以上であるか否かを判定し、前記第1人物が前記第2人物といない期間が前記第1期間以上である場合、前記検出位置と、前記警戒位置との位置関係に基づいて前記警報を出力するか否かを決定する、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記検出位置を記録し、前記検出位置を記録した履歴と、前記警戒位置との位置関係に基づいて前記警報を出力するか否かを決定する、
請求項1または2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記処理部は、前記検出カメラ画像から前記第2人物が検出されず前記第2人物と異なる第3人物が検出された第2時刻を記録し、前記第2時刻を記録した履歴に基づいて、前記第1人物が前記第3人物といる期間が第2期間以上であるか否かを判定し、前記第1人物が前記第3人物といる期間が前記第2期間以上である場合、前記第3人物の行動を分析し、前記第3人物の行動に基づいて前記警報を出力するか否かを決定する、
請求項1ないし3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記処理部は、前記第1人物が前記第3人物といる期間が前記第2期間以上である場合、前記第1人物の行動を分析し、前記第1人物の行動と前記第3人物の行動との組み合わせに基づいて前記警報を出力するか否かを決定する、
請求項4記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記処理部は、前記カメラ画像それぞれに写る人物の人数をカウントし、前記人数が閾値以下である前記カメラ画像を撮影したカメラの位置を前記警戒位置に設定する、
請求項1ないし5のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータに、
施設内に設置された複数のカメラが撮影したカメラ画像から第1人物を検出し、
前記第1人物が検出された検出カメラ画像から前記第1人物との対応関係が記憶された第2人物が検出されなかった場合、前記検出カメラ画像を撮影したカメラの位置である検出位置と、前記施設内の警戒位置との位置関係に基づいて警報を出力するか否かを決定する、
処理を実行させる検知プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置および検知プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
イベント会場やテーマパーク等の施設では、親子や課外学習のグループ等で子供が来場することがある。来場した子供は、親やグループの他のメンバー等とはぐれて迷子になってしまうことがある。
【0003】
迷子に関する技術としては、例えば、迷子の発生を早期に検出し、その迷子に対応できるようにする迷子発見システムが提案されている。また、顧客と同行者が来店する場合に、効率的に同行者の行動を顧客に気づかせることができる監視装置が提案されている。また、不特定多数の人々が利用する共有空間を歩いている子供が、迷子であるのか精度良く判別することができる情報処理システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-69128号公報
【特許文献2】特開2019-20809号公報
【特許文献3】特開2021-96632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、迷子が人通りの少ない場所に行ってしまうと、誘拐されるおそれや発見までの時間が長くなってしまうことがある。このような、人通りが少ない場所にいる迷子を優先的に検知することが好ましい。
【0006】
1つの側面では、本件は、適切な人物検知を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの案では、記憶部と処理部とを有する情報処理装置が提供される。記憶部は、第1人物と第2人物との対応関係を記憶する。処理部は、施設内に設置された複数のカメラが撮影したカメラ画像から第1人物を検出し、第1人物が検出された検出カメラ画像から第2人物が検出されなかった場合、検出カメラ画像を撮影したカメラの位置である検出位置と、施設内の警戒位置との位置関係に基づいて警報を出力するか否かを決定する。
【発明の効果】
【0008】
1態様によれば、適切な人物検知を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施の形態に係る情報処理装置の一例を示す図である。
【
図2】第2の実施の形態に係る情報処理システムの一例を示す図である。
【
図3】サーバのハードウェアの一構成例を示す図である。
【
図11】位置情報登録処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図12】係員情報登録処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図13】警戒位置特定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図14】来場者登録処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図15】迷子・誘拐候補検知処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図16】誘拐候補追跡処理の手順の一例を示すフローチャート(その1)である。
【
図17】誘拐候補追跡処理の手順の一例を示すフローチャート(その2)である。
【
図18】迷子候補追跡処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図19】警戒解除処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施の形態について図面を参照して説明する。なお各実施の形態は、矛盾のない範囲で複数の実施の形態を組み合わせて実施することができる。
〔第1の実施の形態〕
まず第1の実施の形態について説明する。
【0011】
図1は、第1の実施の形態に係る情報処理装置の一例を示す図である。第1の実施の形態は、施設1において第2人物とはぐれた第1人物を検知するものである。
情報処理装置10は、施設1において第2人物とはぐれた第1人物を検知するコンピュータである。施設1は、利用客が来場する施設である。施設1は、例えば、イベント会場、テーマパーク、ショッピングモール等である。施設1内には、カメラ1-1,1-2,・・・が設置されている。カメラ1-1,1-2,・・・は、施設1内の画像を撮影するカメラである。カメラ1-1,1-2,・・・は、例えば、施設1の防犯カメラである。
【0012】
第1人物と第2人物とは、一緒に施設1に来場した人物である。例えば、第1人物は、子供であり、第2人物は、第1人物の親等の大人である。また、例えば、第1人物は、課外学習等で施設1に来場した子供であり、第2人物は、第1人物と同じグループの子供である。
【0013】
情報処理装置10は、記憶部11と処理部12とを有する。記憶部11は、情報処理装置10が実行する処理に用いられるデータを記憶する。記憶部11は、例えば、情報処理装置10が有するメモリまたはストレージ装置である。記憶部11は、対応情報11aを記憶する。
【0014】
対応情報11aは、第1人物と第2人物との対応関係を示す情報である。例えば、対応情報11aには、第1人物の顔画像と第2人物の顔画像とが対応付けて登録されている。また、対応情報11aには、第1人物の検出位置の座標と検出された時刻が登録される。対応情報11aは、例えば、施設1の入口で撮影された第1人物および第2人物の顔画像を係員が入力することで作成される。
【0015】
処理部12は、情報処理装置10を制御し、所要の処理を実行可能である。処理部12は、例えば、情報処理装置10が有するプロセッサまたは演算回路である。処理部12は、第2人物とはぐれた第1人物の検知処理をする。
【0016】
まず、処理部12は、カメラ1-1,1-2,・・・が撮影したカメラ画像をカメラ1-1,1-2,・・・から取得する。処理部12は、カメラ画像から第1人物を検出する。例えば、処理部12は、カメラ画像に写る人物それぞれと対応情報11aに第1人物の顔画像として登録されている顔画像を照合する。
【0017】
次に、処理部12は、第1人物が検出された検出カメラ画像から第2人物を検出する。ここで、処理部12は、検出カメラ画像から第2人物が検出されなかった場合、検出カメラ画像から第2人物が検出されなかった時刻(第1時刻)を記録する。また、処理部12は、検出カメラ画像から第2人物が検出されなかった場合、検出カメラ画像を撮影したカメラの位置である検出位置を記録する。例えば、処理部12は、検出カメラ画像の撮影時刻と検出カメラ画像を撮影したカメラの位置座標とを対応情報11aに記録する。
【0018】
処理部12は、第1時刻を記録した履歴に基づいて、第1人物が第2人物といない期間が第1期間以上であるか否かを判定する。例えば、処理部12は、対応情報11aに記録された最も古い時刻から最も新しい時刻までの時間が第1期間以上である場合、第1人物が第2人物といない期間が第1期間以上であると判定する。
【0019】
処理部12は、第1人物が第2人物といない期間が第1期間以上である場合、検出位置と、施設1内の警戒位置との位置関係に基づいて警報を出力するか否かを決定する。警戒位置は、第2人物とはぐれた第1人物がいると好ましくない位置である。例えば、警戒位置は、施設1内の人通りの少ない位置である。警戒位置は、あらかじめ設定されていてもよいし、処理部12は、カメラ画像それぞれに写る人物の人数をカウントし、人数が閾値以下であるカメラ画像を撮影したカメラの位置を警戒位置に設定してもよい。
【0020】
ここで、処理部12は、検出位置を記録した履歴と、警戒位置との位置関係に基づいて警報を出力するか否かを決定する。例えば、処理部12は、対応情報11aに記録された検出位置それぞれを警戒位置と比較する。処理部12は、対応情報11aに記録された新しい検出位置ほど警戒位置に近い場合、警報を出力する。警報の出力では、例えば、処理部12は、係員が操作する端末に、第1人物が第2人物とはぐれていることを示す表示をさせる。
【0021】
第1の実施の形態によれば、情報処理装置10の記憶部11は、第1人物と第2人物との対応関係を記憶する。情報処理装置10の処理部12は、施設1内に設置されたカメラ1-1,1-2,・・・が撮影したカメラ画像から第1人物を検出する。処理部12は、第1人物が検出された検出カメラ画像から第2人物が検出されなかった場合、検出カメラ画像を撮影したカメラの位置である検出位置と、施設1内の警戒位置との位置関係に基づいて警報を出力するか否かを決定する。
【0022】
このように、情報処理装置10は、第1人物がいると好ましくない警戒位置と第1人物の位置に応じて警報を出力するか否かを判定できる。これにより、情報処理装置10は、第2人物とはぐれた可能性のある第1人物のうち、警戒位置と近い第1人物を施設1の係員等に通知できる。よって、情報処理装置10は、適切な人物検知を行うことができる。
【0023】
また、処理部12は、検出カメラ画像から第2人物が検出されなかった第1時刻を記録し、第1時刻を記録した履歴に基づいて、第1人物が第2人物といない期間が第1期間以上であるか否かを判定する。そして、処理部12は、第1人物が第2人物といない期間が第1期間以上である場合、検出位置と、警戒位置との位置関係に基づいて警報を出力するか否かを決定する。これにより、情報処理装置10は、第1人物が第2人物とはぐれたか否かを適切に判定できる。
【0024】
また、処理部12は、検出位置を記録し、検出位置を記録した履歴と、警戒位置との位置関係に基づいて警報を出力するか否かを決定する。これにより、情報処理装置10は、第1人物が警戒位置に向かっているかに基づいて警報を出力するか否かを決定できる。
【0025】
また、処理部12は、カメラ画像それぞれに写る人物の人数をカウントし、人数が閾値以下であるカメラ画像を撮影したカメラの位置を警戒位置に設定する。これにより、情報処理装置10は、警戒位置を適切に設定することができる。
【0026】
なお、処理部12は、検出カメラ画像から第2人物が検出されず第2人物と異なる第3人物が検出された第2時刻を記録し、第2時刻を記録した履歴に基づいて、第1人物が第3人物といる期間が第2期間以上であるか否かを判定してもよい。そして、処理部12は、第1人物が第3人物といる期間が第2期間以上である場合、第3人物の行動を分析し、第3人物の行動に基づいて警報を出力するか否かを決定してもよい。これにより、情報処理装置10は、第3人物による誘拐の恐れがある第1人物を施設1の係員等に通知できる。
【0027】
また、処理部12は、第1人物が第3人物といる期間が第2期間以上である場合、第1人物の行動を分析し、第1人物の行動と第3人物の行動との組み合わせに基づいて警報を出力するか否かを決定してもよい。これにより、情報処理装置10は、第3人物が不審な人物であるか否かを精度良く判定できる。
【0028】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、施設において迷子および誘拐を検知するものである。
【0029】
図2は、第2の実施の形態に係る情報処理システムの一例を示す図である。第2の実施の形態の情報処理システムは、施設20に設置される。施設20は、例えば、イベント会場、テーマパーク、ショッピングモール等である。
【0030】
第2の実施の形態の情報処理システムは、入口カメラ21、カメラ22-1,22-2,・・・、係員端末23およびサーバ100を有する。入口カメラ21、カメラ22-1,22-2,・・・、係員端末23およびサーバ100は、ネットワーク30に接続されている。ネットワーク30は、例えば、施設20内のLAN(Local Area Network)である。
【0031】
入口カメラ21は、施設20の入口に設置されたカメラである。例えば、施設20の入口にいる係員は、入口カメラ21を操作して親子で来場した来場者それぞれの顔画像を撮影する。そして、入口カメラ21は、保護者(親)の顔画像と被保護者(子)の顔画像とをサーバ100に送信する。
【0032】
カメラ22-1,22-2,・・・は、施設20内に設置されたカメラである。カメラ22-1,22-2,・・・は、例えば、施設20内の防犯カメラである。カメラ22-1,22-2,・・・は、一定時間おきに、撮影したカメラ画像をサーバ100に送信する。係員端末23は、施設20の係員が操作するコンピュータである。
【0033】
サーバ100は、施設20における迷子および誘拐を検知するコンピュータである。サーバ100は、入口カメラ21から保護者の顔画像と被保護者の顔画像とを取得し、対応付けて記憶する。サーバ100は、カメラ22-1,22-2,・・・から取得したカメラ画像から、保護者といない被保護者を検出し、時刻と検出位置を記録する。サーバ100は、被保護者の検出履歴から被保護者が保護者といない期間が所定期間以上の場合、追跡処理をする。
【0034】
サーバ100は、追跡処理の対象の被保護者が人通りの少ない警戒位置に向かっていると判定した場合、係員端末23に通知する。また、サーバ100は、被保護者の検出履歴から被保護者が保護者以外の人物といる期間が所定期間以上の場合、当該人物の行動を分析する。そして、サーバ100は、当該人物が不審行動をしていると判定した場合、係員端末23に通知する。
【0035】
図3は、サーバのハードウェアの一構成例を示す図である。サーバ100は、プロセッサ101によって装置全体が制御されている。プロセッサ101には、バス109を介してメモリ102と複数の周辺機器が接続されている。プロセッサ101は、マルチプロセッサであってもよい。プロセッサ101は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、またはDSP(Digital Signal Processor)である。プロセッサ101がプログラムを実行することで実現する機能の少なくとも一部を、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)等の電子回路で実現してもよい。
【0036】
メモリ102は、サーバ100の主記憶装置として使用される。メモリ102には、プロセッサ101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、メモリ102には、プロセッサ101による処理に利用する各種データが格納される。メモリ102としては、例えばRAM(Random Access Memory)等の揮発性の半導体記憶装置が使用される。
【0037】
バス109に接続されている周辺機器としては、ストレージ装置103、GPU(Graphics Processing Unit)104、入力インタフェース105、光学ドライブ装置106、機器接続インタフェース107およびネットワークインタフェース108がある。
【0038】
ストレージ装置103は、内蔵した記録媒体に対して、電気的または磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。ストレージ装置103は、コンピュータの補助記憶装置として使用される。ストレージ装置103には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、ストレージ装置103としては、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)を使用することができる。
【0039】
GPU104には、モニタ31が接続されている。GPU104は、プロセッサ101からの命令に従って、画像をモニタ31の画面に表示させる。モニタ31としては、有機EL(Electro Luminescence)を用いた表示装置や液晶表示装置等がある。
【0040】
入力インタフェース105には、キーボード32とマウス33とが接続されている。入力インタフェース105は、キーボード32やマウス33から送られてくる信号をプロセッサ101に送信する。なお、マウス33は、ポインティングデバイスの一例であり、他のポインティングデバイスを使用することもできる。他のポインティングデバイスとしては、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボール等がある。
【0041】
光学ドライブ装置106は、レーザ光等を利用して、光ディスク34に記録されたデータの読み取りを行う。光ディスク34は、光の反射によって読み取り可能なようにデータが記録された可搬型の記録媒体である。光ディスク34には、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD-RAM、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD-R(Recordable)/RW(ReWritable)等がある。
【0042】
機器接続インタフェース107は、サーバ100に周辺機器を接続するための通信インタフェースである。例えば機器接続インタフェース107には、メモリ装置35やメモリリーダライタ36を接続することができる。メモリ装置35は、機器接続インタフェース107との通信機能を搭載した記録媒体である。メモリリーダライタ36は、メモリカード37へのデータの書き込み、またはメモリカード37からのデータの読み出しを行う装置である。メモリカード37は、カード型の記録媒体である。
【0043】
ネットワークインタフェース108は、ネットワーク30に接続されている。ネットワークインタフェース108は、ネットワーク30を介して、他のコンピュータまたは通信機器との間でデータの送受信を行う。
【0044】
サーバ100は、以上のようなハードウェア構成によって、第2の実施の形態の処理機能を実現することができる。なお、第1の実施の形態に示した情報処理装置10も、
図3に示したサーバ100と同様のハードウェアにより実現することができる。また、係員端末23もサーバ100と同様のハードウェアにより実現することができる。また、プロセッサ101は、第1の実施の形態に示した処理部12の一例である。また、メモリ102またはストレージ装置103は、第1の実施の形態に示した記憶部11の一例である。
【0045】
サーバ100は、例えばコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより、第2の実施の形態の処理機能を実現する。サーバ100に実行させる処理内容を記述したプログラムは、様々な記録媒体に記録しておくことができる。例えば、サーバ100に実行させるプログラムをストレージ装置103に格納しておくことができる。プロセッサ101は、ストレージ装置103内のプログラムの少なくとも一部をメモリ102にロードし、プログラムを実行する。またサーバ100に実行させるプログラムを、光ディスク34、メモリ装置35、メモリカード37等の可搬型記録媒体に記録しておくこともできる。可搬型記録媒体に格納されたプログラムは、例えばプロセッサ101からの制御により、ストレージ装置103にインストールされた後、実行可能となる。またプロセッサ101が、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み出して実行することもできる。
【0046】
次に、サーバ100の機能について詳細に説明する。
図4は、サーバの機能例を示すブロック図である。サーバ100は、記憶部110、初期設定部120、監視部130、登録部140、検知部150および追跡部160を有する。記憶部110は、メモリ102またはストレージ装置103の記憶領域を用いて実現される。初期設定部120、監視部130、登録部140、検知部150および追跡部160は、メモリ102に記憶されたプログラムをプロセッサ101が実行することで実現される。
【0047】
記憶部110は、地図情報111、カメラ情報112、警戒位置情報113、係員情報114、来場者情報115、誘拐候補情報116および迷子候補情報117を記憶する。地図情報111は、施設20におけるものの位置を示すための座標系である。カメラ情報112は、カメラ22-1,22-2,・・・の設置位置を示す情報である。警戒位置情報113は、あらかじめ設定された警戒位置についての情報である。係員情報114は、施設20の係員についての情報である。来場者情報115は、施設20の来場者についての情報である。誘拐候補情報116は、誘拐された可能性があるため追跡対象となっている被保護者の情報である。迷子候補情報117は、迷子になっている可能性があるため追跡対象となっている被保護者の情報である。
【0048】
初期設定部120は、あらかじめ登録される情報の登録処理を実行する。初期設定部120は、監視対象エリアの地図情報111を登録する。例えば、初期設定部120は、施設20の監視対象エリア(例えば、施設20全体)を示す座標系を係員端末23から取得し、取得した座標系を地図情報111として登録する。また、初期設定部120は、カメラ22-1,22-2,・・・の位置を登録する。例えば、初期設定部120は、カメラ22-1,22-2,・・・それぞれの地図情報111における位置座標を係員端末23から取得する。そして、初期設定部120は、取得した位置座標をカメラ情報112に追加する。
【0049】
また、初期設定部120は、警戒位置を登録する。例えば、初期設定部120は、警戒位置を係員端末23から取得する。そして、初期設定部120は、取得した警戒位置を警戒位置情報113に追加する。また、初期設定部120は、係員の顔画像を係員端末23から取得する。初期設定部120は、取得した係員の顔画像を係員情報114に登録する。
【0050】
監視部130は、警戒位置特定処理を実行する。まず、監視部130は、カメラ22-1,22-2,・・・それぞれが撮影したカメラ画像を取得する。監視部130は、取得したカメラ画像内の人数をカウントする。例えば、監視部130は、カメラ画像から人物を検知し、検知された人物の数をカメラ画像内の人数としてカウントする。
【0051】
次に、監視部130は、カメラ画像内の人数が閾値以下であるか否かを判定する。そして、監視部130は、カメラ画像内の人数が閾値以下であると判定した場合、当該カメラ画像を撮影したカメラの設置位置を警戒位置に設定する。また、監視部130は、カメラ画像内の人数が閾値よりも多いと判定した場合、当該カメラ画像を撮影したカメラの設置位置を警戒位置から解除する。
【0052】
登録部140は、来場者を来場者情報115に登録する。登録部140は、入口カメラ21で撮影された来場者の顔画像を取得する。例えば、登録部140は、入口カメラ21から保護者の顔の画像データおよび被保護者の顔の画像データを取得する。登録部140は、取得した来場者の顔画像を来場者情報115に登録する。そして、登録部140は、来場者のグループ関係を登録する。例えば、登録部140は、来場者情報115に登録した保護者の顔の画像データおよび被保護者の顔の画像データを対応付ける。
【0053】
検知部150は、迷子候補および誘拐候補の被保護者を検知する。検知部150は、カメラ22-1,22-2,・・・それぞれが撮影したカメラ画像を取得する。検知部150は、取得したカメラ画像から来場者情報115に登録された被保護者を検出し、被保護者と同じグループの人物を検出しなかった場合、当該カメラ画像の撮影時刻を来場者情報115に別画像履歴として追加する。また、検知部150は、当該カメラ画像から検出された人物と当該カメラ画像の撮影時刻とを不審者候補履歴として来場者情報115に登録する。
【0054】
検知部150は、被保護者が同じグループの人物といない期間が所定期間以上であるか否かを判定する。例えば、検知部150は、来場者情報115に別画像履歴として登録された最も古い撮影時刻から最も新しい撮影時刻までの時間が所定期間以上である場合、被保護者が同じグループの人物といない期間が所定期間以上であると判定する。検知部150は、被保護者が同じグループの人物といない期間が所定期間以上であると判定した場合、被保護者が不審者候補といる期間が所定期間以上であるか否かを判定する。例えば、検知部150は、最も古い撮影時刻から最も新しい撮影時刻までの時間が所定期間以上である不審者候補履歴が来場者情報115に含まれる場合、被保護者が不審者候補といる期間が所定期間以上であると判定する。
【0055】
検知部150は、被保護者が不審者候補といる期間が所定期間以上であると判定した場合、被保護者および被保護者といる期間が所定期間以上であると判定された不審者候補の人物を誘拐候補情報116に追加する。また、検知部150は、被保護者が不審者候補といる期間が所定期間以上ではないと判定した場合、被保護者を迷子候補情報117に追加する。
【0056】
追跡部160は、誘拐候補追跡処理および迷子候補追跡処理を実行する。誘拐候補追跡処理では、追跡部160は、カメラ22-1,22-2,・・・が撮影したカメラ画像を取得する。追跡部160は、取得したカメラ画像から誘拐候補情報116に登録された誘拐候補の被保護者を検出した場合、当該カメラ画像の撮影時刻および当該カメラ画像を撮影したカメラの設置位置を誘拐候補情報116に追跡履歴として記録する。
【0057】
追跡部160は、誘拐候補情報116に記録された追跡履歴に基づいて、被保護者が警戒位置に向かって移動しているか否かを判定する。追跡部160は、被保護者が警戒位置に向かって移動していると判定した場合、警戒レベルを上げ、係員端末23に通知する。例えば、追跡部160は、被保護者について注意を払うよう促す画面を、係員端末23に表示させる。
【0058】
さらに、追跡部160は、不審者と被保護者の行動を分析する。例えば、追跡部160は、被保護者が検出されたカメラ画像を撮影したカメラから、当該カメラが撮影した所定時間前から現在までの映像を取得する。追跡部160は、取得した映像から、誘拐候補情報116に登録された不審者が行っている基本動作(歩く、手を伸ばす等)の流れを不審者の行動として特定する。また、追跡部160は、取得した映像から、被保護者が行っている基本動作の流れを被保護者の行動として特定する。
【0059】
追跡部160は、不審者の行動が不審行動に該当するか否かを判定する。また、追跡部160は、不審者の行動と被保護者の行動との組み合わせが不審行動に該当するか否かを判定する。追跡部160は、不審者の行動が不審行動に該当する場合または不審者の行動と被保護者の行動との組み合わせが不審行動に該当すると判定した場合、警戒レベルを上げ、係員端末23に通知する。例えば、追跡部160は、被保護者が危険であることを示す画面を、係員端末23に表示させる。
【0060】
迷子候補追跡処理では、追跡部160は、カメラ22-1,22-2,・・・が撮影したカメラ画像を取得する。追跡部160は、取得したカメラ画像から迷子候補情報117に登録された迷子候補の被保護者を検出した場合、当該カメラ画像の撮影時刻および当該カメラ画像を撮影したカメラの設置位置を迷子候補情報117に追跡履歴として記録する。
【0061】
追跡部160は、迷子候補情報117に記録された追跡履歴に基づいて、被保護者が警戒位置に向かって移動しているか否かを判定する。追跡部160は、被保護者が警戒位置に向かって移動していると判定した場合、警戒レベルを上げ、係員端末23に通知する。例えば、追跡部160は、被保護者について注意を払うよう促す画面を、係員端末23に表示させる。
【0062】
なお、
図4に示した各要素間を接続する線は通信経路の一部を示すものであり、図示した通信経路以外の通信経路も設定可能である。次に、記憶部110に記憶される情報について詳細に説明する。
【0063】
図5は、カメラ情報の一例を示す図である。カメラ情報112は、カメラ22-1,22-2,・・・の設置位置を示す情報である。カメラ情報112は、座標および警戒位置の項目を有する。
【0064】
座標の項目には、対応するカメラの地図情報111における座標が設定される。警戒位置の項目には、対応するカメラの設置位置が警戒位置に設定されているか否かを示すフラグが設定される。例えば、対応するカメラの設置位置が警戒位置に設定されている場合、警戒位置の項目には、「1」が設定される。また、例えば、対応するカメラの設置位置が警戒位置に設定されていない場合、警戒位置の項目には、「0」が設定される。
【0065】
図6は、警戒位置情報の一例を示す図である。警戒位置情報113は、あらかじめ設定された警戒位置についての情報である。警戒位置情報113は、名称および座標の項目を有する。名称の項目には、対応する警戒位置の名称が設定される。座標の項目には、対応する警戒位置の地図情報111における座標が設定される。
【0066】
図7は、係員情報の一例を示す図である。係員情報114は、施設20の係員についての情報である。係員情報114は、顔画像、年齢、性別、担当および連絡先の項目を有する。
【0067】
顔画像の項目には、対応する係員の顔の画像データが設定される。年齢の項目には、対応する係員の年齢が設定される。性別の項目には、対応する係員の性別が設定される。担当の項目には、対応する係員の担当部署が設定される。連絡先の項目には、対応する係員の連絡先が設定される。
【0068】
図8は、来場者情報の一例を示す図である。来場者情報115は、施設20の来場者についての情報である。来場者情報115は、顔画像、被保護者、年齢、性別、連絡先、グループ、別画像履歴および不審者候補履歴の項目を有する。
【0069】
顔画像の項目には、対応する来場者の顔の画像データが設定される。被保護者の項目には、対応する来場者が被保護者であるか否かを示すフラグが設定される。例えば、対応する来場者が被保護者である場合、被保護者の項目には、「1」が設定される。また、例えば、対応する来場者が被保護者ではない場合、被保護者の項目には、「0」が設定される。年齢の項目には、対応する来場者の年齢が設定される。性別の項目には、対応する来場者の性別が設定される。連絡先の項目には、対応する来場者の連絡先が設定される。
【0070】
グループの項目には、対応する来場者のグループを示す情報が設定される。例えば、親子で来場した来場者についてのグループの項目には、親と子で同じ番号が設定される。別画像履歴の項目には、被保護者が検出されたカメラ画像から保護者が検出されなかった履歴が設定される。例えば、別画像履歴の項目には、被保護者が検出され、保護者が検出されなかったカメラ画像を撮影したカメラの地図情報111における座標と、当該カメラ画像の撮影時刻とが設定される。
【0071】
不審者候補履歴の項目には、被保護者が検出されたカメラ画像から検出された保護者と係員以外の人物の履歴が設定される。例えば、不審者候補履歴の項目には、被保護者が検出されたカメラ画像から検出された保護者と係員以外の人物の顔の画像データが設定される。また、不審者候補履歴の項目には、人物の顔画像に対応付けて、被保護者と当該人物とが検出されたカメラ画像を撮影したカメラの地図情報111における座標と、当該カメラ画像の撮影時刻とが設定される。
【0072】
図9は、誘拐候補情報の一例を示す図である。誘拐候補情報116は、誘拐された可能性があるため追跡対象となっている被保護者の情報である。誘拐候補情報116は、顔画像、追跡履歴、警戒レベルおよび不審者顔画像の項目を有する。
【0073】
顔画像の項目には、対応する被保護者の顔の画像データが設定される。追跡履歴の項目には、対応する被保護者を追跡した履歴が設定される。例えば、追跡履歴の項目には、対応する被保護者が検出されたカメラ画像を撮影したカメラの地図情報111における座標と、当該カメラ画像の撮影時刻とが設定される。警戒レベルの項目には、警戒レベルの値が設定される。なお、警戒レベル「1」は、保留を示す。また、警戒レベル「2」は、注意を示す。また、警戒レベル「3」は、警告を示す。また、警戒レベル「4」は、危険を示す。不審者顔画像の項目には、所定期間対応する被保護者といた人物の顔の画像データが設定される。
【0074】
図10は、迷子候補情報の一例を示す図である。迷子候補情報117は、迷子になっている可能性があるため追跡対象となっている被保護者の情報である。迷子候補情報117は、顔画像、追跡履歴および警戒レベルの項目を有する。
【0075】
顔画像の項目には、対応する被保護者の顔の画像データが設定される。追跡履歴の項目には、対応する被保護者を追跡した履歴が設定される。例えば、追跡履歴の項目には、対応する被保護者が検出されたカメラ画像を撮影したカメラの地図情報111における座標と、当該カメラ画像の撮影時刻とが設定される。警戒レベルの項目には、警戒レベルの値が設定される。
【0076】
次に、サーバ100が実行する処理の手順について詳細に説明する。まず、初期設定部120による位置情報登録処理および係員情報登録処理の手順について説明する。位置情報登録処理および係員情報登録処理は、例えば、第2の実施の形態によるサービスの運用前に実行される。
【0077】
図11は、位置情報登録処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、
図11に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS11]初期設定部120は、監視対象エリアの地図情報111を登録する。例えば、初期設定部120は、施設20の監視対象エリア(例えば、施設20全体)を示す座標系を係員端末23から取得し、取得した座標系を地図情報111として登録する。
【0078】
[ステップS12]初期設定部120は、カメラ22-1,22-2,・・・の位置を登録する。例えば、初期設定部120は、カメラ22-1,22-2,・・・それぞれの地図情報111における位置座標を係員端末23から取得する。そして、初期設定部120は、座標の項目に取得した位置座標を設定し、警戒位置の項目に「0」を設定したレコードをカメラ情報112に追加する。
【0079】
[ステップS13]初期設定部120は、警戒位置を登録する。例えば、初期設定部120は、警戒位置の名称と地図情報111における位置座標とを係員端末23から取得する。そして、初期設定部120は、名称の項目に取得した名称を設定し、座標の項目に取得した位置座標を設定したレコードを警戒位置情報113に追加する。
【0080】
このようにして、初期設定部120は、施設20におけるカメラ22-1,22-2,・・・の位置と警戒位置とを登録できる。例えば、位置情報登録処理では、係員は、施設20において人通りが少なくなる場所の位置を警戒位置として係員端末23に入力する。初期設定部120は、係員端末23に入力された警戒位置を取得し、警戒位置情報113に登録する。これにより、初期設定部120は、迷子になった被保護者や誘拐された被保護者がいると好ましくない場所を警戒位置として登録することができる。
【0081】
図12は、係員情報登録処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、
図12に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS21]初期設定部120は、係員の顔画像を係員端末23から取得する。例えば、初期設定部120は、係員の顔の画像データ、年齢、性別、担当部署および連絡先を取得する。
【0082】
[ステップS22]初期設定部120は、ステップS21で取得した係員の顔画像を登録する。例えば、初期設定部120は、顔画像の項目に取得した係員の顔の画像データを設定したレコードを係員情報114に追加する。初期設定部120は、追加したレコードの年齢の項目にステップS21で取得した年齢を設定し、性別の項目にステップS21で取得した性別を設定する。また、初期設定部120は、追加したレコードの担当の項目にステップS21で取得した担当部署を設定し、連絡先の項目にステップS21で取得した連絡先を設定する。
【0083】
このようにして、初期設定部120は、係員の情報を係員情報114に登録することができる。これにより、検知部150は、係員情報114を用いることによって施設20の係員を不審者の候補から除外することができるようになる。
【0084】
次に、監視部130による警戒位置特定処理、登録部140による来場者登録処理、検知部150による迷子・誘拐候補検知処理、追跡部160による誘拐候補追跡処理、迷子候補追跡処理および警戒解除処理について説明する。警戒位置特定処理、来場者登録処理、迷子・誘拐候補検知処理、誘拐候補追跡処理、迷子候補追跡処理および警戒解除処理は、第2の実施の形態によるサービスの運用中に並行して実行される。
【0085】
図13は、警戒位置特定処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、
図13に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS31]監視部130は、処理タイミングが到来したか否かを判定する。例えば、監視部130は、前回の処理を実行してから、あらかじめ設定された処理間隔の時間だけ経過した場合、処理タイミングが到来したと判定する。監視部130は、処理タイミングが到来したと判定した場合、処理をステップS32に進める。また、監視部130は、処理タイミングが到来していないと判定した場合、処理をステップS31に進める。
【0086】
[ステップS32]監視部130は、カメラ22-1,22-2,・・・のうち、未選択のカメラを選択する。そして、監視部130は、選択したカメラが撮影したカメラ画像を、選択したカメラから取得する。
【0087】
[ステップS33]監視部130は、ステップS32で取得したカメラ画像内の人数をカウントする。例えば、監視部130は、カメラ画像から人物を検知し、検知された人物の数をカメラ画像内の人数としてカウントする。
【0088】
[ステップS34]監視部130は、カメラ画像内の人数が閾値以下であるか否かを判定する。監視部130は、カメラ画像内の人数が閾値以下であると判定した場合、処理をステップS35に進める。また、監視部130は、カメラ画像内の人数が閾値よりも多いと判定した場合、処理をステップS36に進める。
【0089】
[ステップS35]監視部130は、ステップS32で選択したカメラの設置位置を警戒位置に設定する。例えば、監視部130は、カメラ情報112のステップS32で選択したカメラに対応するレコードの警戒位置の項目に「1」を設定する。そして、処理がステップS37に進む。
【0090】
[ステップS36]監視部130は、ステップS32で選択したカメラの設置位置を警戒位置から解除する。例えば、監視部130は、カメラ情報112のステップS32で選択したカメラに対応するレコードの警戒位置の項目に「0」を設定する。
【0091】
[ステップS37]監視部130は、カメラ22-1,22-2,・・・をすべて選択したか否かを判定する。監視部130は、カメラ22-1,22-2,・・・をすべて選択したと判定した場合、処理をステップS31に進める。また、監視部130は、カメラ22-1,22-2,・・・をすべて選択していないと判定した場合、処理をステップS32に進める。
【0092】
このように、監視部130は、所定の時間間隔で、撮影したカメラ画像内の人数が閾値以下のカメラの設置位置を警戒位置に設定する。これにより、監視部130は、人通りの少ない場所をリアルタイムで警戒位置に設定することができる。よって、監視部130は、警戒位置を適切に設定することができる。
【0093】
図14は、来場者登録処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、
図14に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS41]登録部140は、入口カメラ21で撮影された来場者の顔画像を取得する。例えば、登録部140は、入口カメラ21から保護者の顔の画像データおよび被保護者の顔の画像データを取得する。また、例えば、登録部140は、保護者および被保護者の属性(年齢、性別および連絡先)を係員端末23から取得する。
【0094】
[ステップS42]登録部140は、来場者の顔画像を属性と対応付けて登録する。例えば、登録部140は、顔画像の項目に保護者の顔の画像データを設定し、年齢の項目に保護者の年齢を設定し、連絡先の項目に保護者の連絡先を設定したレコードを来場者情報115に追加する。また、登録部140は、顔画像の項目に被保護者の顔の画像データを設定し、年齢の項目に被保護者の年齢を設定し、連絡先の項目に被保護者の連絡先を設定したレコードを来場者情報115に追加する。
【0095】
[ステップS43]登録部140は、来場者のグループ関係を登録する。例えば、登録部140は、ステップS42で来場者情報115に追加した保護者のレコードの被保護者の項目に「0」を設定し、被保護者のレコードの被保護者の項目に「1」を設定する。また、登録部140は、ステップS42で来場者情報115に追加した保護者のレコードおよび被保護者のレコードのグループの項目に同じ番号を設定する。
【0096】
このように、登録部140は、保護者と被保護者との対応関係を登録できる。なお、登録部140は、係員が入口カメラ21で撮影した保護者の画像と被保護者の画像とを登録しているが、設置された入口カメラ21が自動で撮影した画像から保護者と被保護者とを検出し、検出した保護者の画像と被保護者の画像とを登録してもよい。
【0097】
図15は、迷子・誘拐候補検知処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、
図15に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS51]検知部150は、処理タイミングが到来したか否かを判定する。例えば、検知部150は、前回の処理を実行してから、あらかじめ設定された処理間隔の時間だけ経過した場合、処理タイミングが到来したと判定する。検知部150は、処理タイミングが到来したと判定した場合、処理をステップS52に進める。また、検知部150は、処理タイミングが到来していないと判定した場合、処理をステップS51に進める。
【0098】
[ステップS52]検知部150は、カメラ22-1,22-2,・・・のうち、未選択のカメラを選択する。そして、検知部150は、選択したカメラが撮影したカメラ画像を、選択したカメラから取得する。
【0099】
[ステップS53]検知部150は、ステップS52で取得したカメラ画像から被保護者を検出したか否かを判定する。例えば、検知部150は、カメラ画像から人物を検出し、来場者情報115の被保護者の項目に「1」が設定されたレコードの顔画像の項目に、検出したいずれかの人物の顔の画像データが設定されている場合、カメラ画像から被保護者を検出したと判定する。検知部150は、カメラ画像から被保護者を検出したと判定した場合、処理をステップS54に進める。また、検知部150は、カメラ画像から被保護者を検出しなかったと判定した場合、処理をステップS64に進める。
【0100】
[ステップS54]検知部150は、ステップS53でカメラ画像から検出された被保護者のうち、未選択の被保護者を選択する。
[ステップS55]検知部150は、ステップS52で取得したカメラ画像から、ステップS54で選択した被保護者と同じグループの人物を検出したか否かを判定する。例えば、検知部150は、選択した被保護者と同じ番号がグループの項目に設定された来場者情報115のレコードを特定する。検知部150は、特定したレコードの顔画像の項目に、カメラ画像から検出した人物の顔の画像データが設定されている場合、カメラ画像から被保護者と同じグループの人物を検出したと判定する。検知部150は、カメラ画像から被保護者と同じグループの人物を検出したと判定した場合、処理をステップS56に進める。また、検知部150は、カメラ画像から被保護者と同じグループの人物を検出しなかったと判定した場合、処理をステップS57に進める。
【0101】
[ステップS56]検知部150は、ステップS54で選択した被保護者を迷子候補および誘拐候補から除外する。例えば、検知部150は、誘拐候補情報116および迷子候補情報117からステップS54で選択した被保護者のレコードを削除する。また、検知部150は、来場者情報115のステップS54で選択した被保護者のレコードの別画像履歴の項目をクリアする。そして、処理がステップS63に進む。
【0102】
[ステップS57]検知部150は、同じグループの人物が検出されなかったカメラ画像の撮影時刻を記録する。例えば、検知部150は、ステップS52で取得したカメラ画像の撮影時刻と、当該カメラ画像を撮影したカメラの設置位置の地図情報111における座標とを、来場者情報115のステップS54で選択した被保護者のレコードの別画像履歴の項目に追加する。
【0103】
[ステップS58]検知部150は、ステップS52で取得したカメラ画像から検出された係員以外の人物を不審者候補として記録する。例えば、検知部150は、ステップS52で取得したカメラ画像から検出された人物のうち、係員情報114の顔画像の項目に画像データが設定されていない人物を抽出する。そして、検知部150は、抽出した人物の顔の画像データを、カメラ画像の撮影時刻およびカメラの設置位置の地図情報111における座標と対応付けて、来場者情報115の選択した被保護者のレコードの不審者候補履歴の項目に登録する。なお、検知部150は、顔の画像データが不審者候補履歴の項目にすでに登録されている場合、対応するカメラ画像の撮影時刻およびカメラの設置位置を追加する。
【0104】
[ステップS59]検知部150は、ステップS54で選択した被保護者が同じグループの人物といない期間が所定期間以上であるか否かを判定する。例えば、検知部150は、来場者情報115の選択した被保護者のレコードの別画像履歴の項目に登録された最も古い時刻から最も新しい時刻までの時間が所定期間以上である場合、被保護者が同じグループの人物といない期間が所定期間以上であると判定する。検知部150は、被保護者が同じグループの人物といない期間が所定期間以上であると判定した場合、処理をステップS60に進める。また、検知部150は、被保護者が同じグループの人物といない期間が所定期間以上でないと判定した場合、処理をステップS63に進める。
【0105】
[ステップS60]検知部150は、ステップS54で選択した被保護者が不審者候補といる期間が所定期間以上であるか否かを判定する。例えば、検知部150は、来場者情報115の選択した被保護者のレコードの不審者候補履歴の項目の各画像データに対応する撮影時刻の履歴を参照する。そして、検知部150は、最も古い時刻から最も新しい時刻までの時間が所定期間以上である履歴が、参照した撮影時刻の履歴に含まれる場合、被保護者が不審者候補といる期間が所定期間以上であると判定する。検知部150は、被保護者が不審者候補といる期間が所定期間以上であると判定した場合、処理をステップS61に進める。また、検知部150は、被保護者が不審者候補といる期間が所定期間以上ではないと判定した場合、処理をステップS62に進める。
【0106】
[ステップS61]検知部150は、ステップS54で選択した被保護者を警戒レベルを1にして誘拐候補に追加する。例えば、検知部150は、顔画像の項目にステップS54で選択した被保護者の顔の画像データを設定し、警戒レベルの項目に「1」を設定したレコードを誘拐候補情報116に追加する。検知部150は、追加したレコードの不審者顔画像の項目に、ステップS60で被保護者といる期間が所定期間以上であると判定された不審者候補の人物の顔の画像データを設定する。そして、処理がステップS63に進む。
【0107】
[ステップS62]検知部150は、ステップS54で選択した被保護者を警戒レベルを1にして迷子候補に追加する。例えば、検知部150は、顔画像の項目にステップS54で選択した被保護者の顔の画像データを設定し、警戒レベルの項目に「1」を設定したレコードを迷子候補情報117に追加する。
【0108】
[ステップS63]検知部150は、ステップS53でカメラ画像から検出された被保護者をすべて選択したか否かを判定する。検知部150は、カメラ画像から検出された被保護者をすべて選択したと判定した場合、処理をステップS64に進める。また、検知部150は、カメラ画像から検出された被保護者をすべて選択していないと判定した場合、処理をステップS54に進める。
【0109】
[ステップS64]検知部150は、カメラ22-1,22-2,・・・をすべて選択したか否かを判定する。検知部150は、カメラ22-1,22-2,・・・をすべて選択したと判定した場合、処理をステップS51に進める。また、検知部150は、カメラ22-1,22-2,・・・をすべて選択していないと判定した場合、処理をステップS52に進める。
【0110】
このように、検知部150は、カメラ画像から被保護者が検出され、保護者が検出されなかった場合、カメラ画像が撮影された時刻を記録する。検知部150は、カメラ画像が撮影された時刻を記録した履歴に基づいて、被保護者が保護者といなかった期間が所定期間以上であるか否かを判定する。そして、検知部150は、被保護者が保護者といなかった期間が所定期間以上であると判定した場合、被保護者を誘拐候補または迷子候補に追加する。ここで、所定期間以上保護者といなかった被保護者は、保護者とはぐれた可能性が高い。よって、検知部150は、保護者とはぐれた被保護者を適切に検知できる。
【0111】
また、検知部150は、被保護者が検出され保護者が検出されなかったカメラ画像から検出された不審者候補を撮影時刻と対応付けて記録する。検知部150は、不審者候補が検出されたカメラ画像の撮影時刻を記録した履歴に基づいて、被保護者が不審者候補といる期間が所定期間以上であるか否かを判定する。そして、検知部150は、被保護者が不審者候補といる期間が所定期間以上であると判定した場合、被保護者を誘拐候補に追加する。ここで、所定期間以上被保護者といる人物は、被保護者を誘拐しようとしている可能性がある。よって、検知部150は、被保護者を誘拐しようとしている可能性のある人物を適切に検知できる。
【0112】
図16は、誘拐候補追跡処理の手順の一例を示すフローチャート(その1)である。以下、
図16に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS71]追跡部160は、処理タイミングが到来したか否かを判定する。例えば、追跡部160は、前回の処理を実行してから、あらかじめ設定された処理間隔の時間だけ経過した場合、処理タイミングが到来したと判定する。追跡部160は、処理タイミングが到来したと判定した場合、処理をステップS72に進める。また、追跡部160は、処理タイミングが到来していないと判定した場合、処理をステップS71に進める。
【0113】
[ステップS72]追跡部160は、カメラ22-1,22-2,・・・のうち、未選択のカメラを選択する。そして、追跡部160は、選択したカメラが撮影したカメラ画像を、選択したカメラから取得する。
【0114】
[ステップS73]追跡部160は、ステップS72で取得したカメラ画像から誘拐候補の被保護者を検出したか否かを判定する。例えば、追跡部160は、カメラ画像から人物を検出し、誘拐候補情報116に登録されたレコードの顔画像の項目に、検出したいずれかの人物の顔の画像データが設定されている場合、カメラ画像から被保護者を検出したと判定する。追跡部160は、カメラ画像から誘拐候補の被保護者を検出したと判定した場合、処理をステップS74に進める。また、追跡部160は、カメラ画像から誘拐候補の被保護者を検出しなかったと判定した場合、処理をステップS85に進める。
【0115】
[ステップS74]追跡部160は、ステップS73でカメラ画像から検出された被保護者のうち、未選択の被保護者を選択する。
[ステップS75]追跡部160は、ステップS72で取得したカメラ画像の撮影時刻および当該カメラ画像を撮影したカメラの設置位置を記録する。例えば、追跡部160は、ステップS72で取得したカメラ画像の撮影時刻と、当該カメラ画像を撮影したカメラの設置位置の地図情報111における座標とを、誘拐候補情報116のステップS74で選択した被保護者のレコードの追跡履歴の項目に追加する。
【0116】
[ステップS76]追跡部160は、ステップS74で選択された被保護者が警戒位置に向かって移動しているか否かを判定する。例えば、追跡部160は、誘拐候補情報116の選択した被保護者のレコードの追跡履歴の項目に設定された座標それぞれと、警戒位置情報113の座標の項目に設定された座標との距離を算出する。また、追跡部160は、誘拐候補情報116の選択した被保護者のレコードの追跡履歴の項目に設定された座標それぞれと、カメラ情報112の警戒位置の項目に「1」が設定されているレコードの座標の項目に設定された座標との距離を算出する。そして、追跡部160は、いずれかの警戒位置について、対応する撮影時刻が新しいカメラの設置位置ほど近くなっている場合、被保護者が警戒位置に向かって移動していると判定する。追跡部160は、被保護者が警戒位置に向かって移動していると判定した場合、処理をステップS77に進める。また、追跡部160は、被保護者が警戒位置に向かって移動していないと判定した場合、処理をステップS84に進める。
【0117】
[ステップS77]追跡部160は、警戒レベルを2に設定し、係員端末23に通知する。例えば、追跡部160は、誘拐候補情報116の選択した被保護者のレコードの警戒レベルの項目に「2」を設定する。そして、追跡部160は、ステップS74で選択された被保護者について注意を払うよう促す画面を、係員端末23に表示させる。
【0118】
[ステップS78]追跡部160は、ステップS74で選択された被保護者が警戒位置に到着したか否かを判定する。例えば、追跡部160は、カメラ情報112のステップS72で取得したカメラ画像を撮影したカメラのレコードの警戒位置の項目に「1」が設定されている場合、被保護者が警戒位置に到着したと判定する。また、追跡部160は、ステップS72で取得したカメラ画像を撮影したカメラの設置位置の座標と、警戒位置情報113の座標の項目に設定された座標のいずれかとの距離が所定の距離以下である場合、被保護者が警戒位置に到着したと判定する。追跡部160は、被保護者が警戒位置に到着したと判定した場合、処理をステップS79に進める。また、追跡部160は、被保護者が警戒位置に到着していないと判定した場合、処理をステップS84に進める。
【0119】
[ステップS79]追跡部160は、警戒レベルを3に設定し、係員端末23に通知する。例えば、追跡部160は、誘拐候補情報116の選択した被保護者のレコードの警戒レベルの項目に「3」を設定する。そして、追跡部160は、ステップS74で選択された被保護者について注意を払うよう警告する画面を、係員端末23に表示させる。
【0120】
図17は、誘拐候補追跡処理の手順の一例を示すフローチャート(その2)である。以下、
図17に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS80]追跡部160は、不審者と被保護者の行動を分析する。例えば、追跡部160は、ステップS72で取得したカメラ画像を撮影したカメラから、当該カメラが撮影した所定時間前から現在までの映像を取得する。追跡部160は、取得した映像から、誘拐候補情報116の選択した被保護者のレコードの不審者顔画像の項目に設定された画像データと一致する人物が行っている基本動作(歩く、手を伸ばす等)の流れを不審者の行動として特定する。また、追跡部160は、取得した映像から、誘拐候補情報116の選択した被保護者のレコードの顔画像の項目に設定された画像データと一致する人物が行っている基本動作の流れを被保護者の行動として特定する。
【0121】
[ステップS81]追跡部160は、不審者の行動が不審行動に該当するか否かを判定する。例えば、追跡部160は、ステップS80で不審者の行動として特定した基本動作の流れが不審行動として登録された基本動作の流れと一致している場合、不審者の行動が不審行動に該当すると判定する。不審者の不審行動として登録される基本動作の流れは、例えば、首を左右に回してあたりを見回すことを示す基本動作の流れである。追跡部160は、不審者の行動が不審行動に該当すると判定した場合、処理をステップS83に進める。また、追跡部160は、不審者の行動が不審行動に該当しないと判定した場合、処理をステップS82に進める。
【0122】
[ステップS82]追跡部160は、不審者の行動と被保護者の行動との組み合わせが不審行動に該当するか否かを判定する。例えば、追跡部160は、不審者の基本動作の流れと、被保護者の基本動作の流れとの組み合わせが、不審行動として登録された基本動作の流れの組み合わせと一致している場合、不審者の行動と被保護者の行動との組み合わせが不審行動に該当すると判定する。不審行動として登録される基本動作の流れの組み合わせは、親子等の関係があれば自然であるが無関係である場合不自然となる行動(手をつなぐ、反対方向に向かう、不審者が被保護者を怒鳴る等)を示す基本動作の流れの組み合わせである。追跡部160は、不審者の行動と被保護者の行動との組み合わせが不審行動に該当すると判定した場合、処理をステップS83に進める。また、追跡部160は、不審者の行動と被保護者の行動との組み合わせが不審行動に該当しないと判定した場合、処理をステップS84に進める。
【0123】
[ステップS83]追跡部160は、警戒レベルを4に設定し、係員端末23に通知する。例えば、追跡部160は、誘拐候補情報116の選択した被保護者のレコードの警戒レベルの項目に「4」を設定する。そして、追跡部160は、ステップS74で選択された被保護者が危険であることを示す画面を、係員端末23に表示させる。
【0124】
[ステップS84]追跡部160は、ステップS73でカメラ画像から検出された被保護者をすべて選択したか否かを判定する。追跡部160は、カメラ画像から検出された被保護者をすべて選択したと判定した場合、処理をステップS85に進める。また、追跡部160は、カメラ画像から検出された被保護者をすべて選択していないと判定した場合、処理をステップS74に進める。
【0125】
[ステップS85]追跡部160は、カメラ22-1,22-2,・・・をすべて選択したか否かを判定する。追跡部160は、カメラ22-1,22-2,・・・をすべて選択したと判定した場合、処理をステップS71に進める。また、追跡部160は、カメラ22-1,22-2,・・・をすべて選択していないと判定した場合、処理をステップS72に進める。
【0126】
このように、追跡部160は、誘拐候補として追跡対象となった被保護者が検出されたカメラ画像を撮影したカメラの設置位置と警戒位置との位置関係に基づいて、警戒レベルを上げるか否かを決定する。これにより、追跡部160は、誘拐された可能性のある被保護者のうち、警戒位置と近い被保護者を施設20の係員に通知できる。よって、追跡部160は、適切な人物検知を行うことができる。
【0127】
追跡部160は、カメラ画像から追跡対象の被保護者が検出された場合、カメラ画像が撮影された時刻を記録する。追跡部160は、追跡対象の被保護者が検出されたカメラ画像が撮影された時刻を記録した履歴に基づいて、被保護者が警戒位置に向かって移動しているか否かを判定する。そして、追跡部160は、被保護者が警戒位置に向かって移動していると判定した場合、警戒レベルを上げ、係員端末23に通知する。これにより、追跡部160は、被保護者が警戒位置に到着する前に、施設20の係員に通知できる。
【0128】
さらに追跡部160は、不審者の行動が不審行動に該当する場合、警戒レベルを上げる。これにより、追跡部160は、不審者が被保護者を誘拐しようとする挙動を検知し、誘拐の恐れがある被保護者を施設20の係員に通知できる。また、追跡部160は、不審者の行動と被保護者の行動との組み合わせが不審行動に該当する場合、警戒レベルを上げる。これにより、追跡部160は、不審者が被保護者を誘拐しようとしているか否かを精度良く判定できる。
【0129】
図18は、迷子候補追跡処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、
図18に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS91]追跡部160は、処理タイミングが到来したか否かを判定する。例えば、追跡部160は、前回の処理を実行してから、あらかじめ設定された処理間隔の時間だけ経過した場合、処理タイミングが到来したと判定する。追跡部160は、処理タイミングが到来したと判定した場合、処理をステップS92に進める。また、追跡部160は、処理タイミングが到来していないと判定した場合、処理をステップS91に進める。
【0130】
[ステップS92]追跡部160は、カメラ22-1,22-2,・・・のうち、未選択のカメラを選択する。そして、追跡部160は、選択したカメラが撮影したカメラ画像を、選択したカメラから取得する。
【0131】
[ステップS93]追跡部160は、ステップS92で取得したカメラ画像から迷子候補の被保護者を検出したか否かを判定する。例えば、追跡部160は、カメラ画像から人物を検出し、迷子候補情報117に登録されたレコードの顔画像の項目に、検出したいずれかの人物の顔の画像データが設定されている場合、カメラ画像から被保護者を検出したと判定する。追跡部160は、カメラ画像から迷子候補の被保護者を検出したと判定した場合、処理をステップS94に進める。また、追跡部160は、カメラ画像から迷子候補の被保護者を検出しなかったと判定した場合、処理をステップS101に進める。
【0132】
[ステップS94]追跡部160は、ステップS93でカメラ画像から検出された被保護者のうち、未選択の被保護者を選択する。
[ステップS95]追跡部160は、ステップS92で取得したカメラ画像の撮影時刻および当該カメラ画像を撮影したカメラの設置位置を記録する。例えば、追跡部160は、ステップS92で取得したカメラ画像の撮影時刻と、当該カメラ画像を撮影したカメラの設置位置の地図情報111における座標とを、迷子候補情報117のステップS94で選択した被保護者のレコードの追跡履歴の項目に追加する。
【0133】
[ステップS96]追跡部160は、ステップS94で選択された被保護者が警戒位置に向かって移動しているか否かを判定する。例えば、追跡部160は、迷子候補情報117の選択した被保護者のレコードの追跡履歴の項目に設定された座標それぞれと、警戒位置情報113の座標の項目に設定された座標との距離を算出する。また、追跡部160は、迷子候補情報117の選択した被保護者のレコードの追跡履歴の項目に設定された座標それぞれと、カメラ情報112の警戒位置の項目に「1」が設定されているレコードの座標の項目に設定された座標との距離を算出する。そして、追跡部160は、いずれかの警戒位置について、対応する撮影時刻が新しいカメラの設置位置ほど近くなっている場合、被保護者が警戒位置に向かって移動していると判定する。追跡部160は、被保護者が警戒位置に向かって移動していると判定した場合、処理をステップS97に進める。また、追跡部160は、被保護者が警戒位置に向かって移動していないと判定した場合、処理をステップS100に進める。
【0134】
[ステップS97]追跡部160は、警戒レベルを2に設定し、係員端末23に通知する。例えば、追跡部160は、迷子候補情報117の選択した被保護者のレコードの警戒レベルの項目に「2」を設定する。そして、追跡部160は、ステップS94で選択された被保護者について注意を払うよう促す画面を、係員端末23に表示させる。
【0135】
[ステップS98]追跡部160は、ステップS94で選択された被保護者が警戒位置に到着したか否かを判定する。例えば、追跡部160は、カメラ情報112のステップS92で取得したカメラ画像を撮影したカメラのレコードの警戒位置の項目に「1」が設定されている場合、被保護者が警戒位置に到着したと判定する。また、追跡部160は、ステップS92で取得したカメラ画像を撮影したカメラの設置位置の座標と、警戒位置情報113の座標の項目に設定された座標のいずれかとの距離が所定の距離以下である場合、被保護者が警戒位置に到着したと判定する。追跡部160は、被保護者が警戒位置に到着したと判定した場合、処理をステップS99に進める。また、追跡部160は、被保護者が警戒位置に到着していないと判定した場合、処理をステップS100に進める。
【0136】
[ステップS99]追跡部160は、警戒レベルを3に設定し、係員端末23に通知する。例えば、追跡部160は、迷子候補情報117の選択した被保護者のレコードの警戒レベルの項目に「3」を設定する。そして、追跡部160は、ステップS94で選択された被保護者について注意を払うよう警告する画面を、係員端末23に表示させる。
【0137】
[ステップS100]追跡部160は、ステップS93でカメラ画像から検出された被保護者をすべて選択したか否かを判定する。追跡部160は、カメラ画像から検出された被保護者をすべて選択したと判定した場合、処理をステップS101に進める。また、追跡部160は、カメラ画像から検出された被保護者をすべて選択していないと判定した場合、処理をステップS94に進める。
【0138】
[ステップS101]追跡部160は、カメラ22-1,22-2,・・・をすべて選択したか否かを判定する。追跡部160は、カメラ22-1,22-2,・・・をすべて選択したと判定した場合、処理をステップS91に進める。また、追跡部160は、カメラ22-1,22-2,・・・をすべて選択していないと判定した場合、処理をステップS92に進める。
【0139】
このように、追跡部160は、迷子候補として追跡対象となった被保護者が検出されたカメラ画像を撮影したカメラの設置位置と警戒位置との位置関係に基づいて、警戒レベルを上げるか否かを決定する。これにより、追跡部160は、迷子となった可能性のある被保護者のうち、警戒位置と近い被保護者を施設20の係員に通知できる。よって、追跡部160は、適切な人物検知を行うことができる。
【0140】
図19は、警戒解除処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、
図19に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS111]追跡部160は、係員端末23から警戒解除する被保護者の選択を受け付けたか否かを判定する。追跡部160は、係員端末23から警戒解除する被保護者の選択を受け付けたと判定した場合、処理をステップS112に進める。また、追跡部160は、係員端末23から警戒解除する被保護者の選択を受け付けていないと判定した場合、処理をステップS111に進める。
【0141】
[ステップS112]追跡部160は、ステップS111で選択を受け付けた被保護者を迷子候補および誘拐候補から除外する。例えば、検知部150は、誘拐候補情報116および迷子候補情報117からステップS111で選択を受け付けた被保護者のレコードを削除する。そして、処理がステップS111に進む。
【0142】
このように、追跡部160は、係員端末23に選択された被保護者を迷子候補および誘拐候補から除外する。例えば、係員は、迷子を保護すると、係員端末23を操作して保護した被保護者を選択する。これにより、追跡部160は、すでに保護された被保護者を追跡対象から除外できる。
【0143】
以上、実施の形態を例示したが、実施の形態で示した各部の構成は同様の機能を有する他のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。さらに、前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0144】
1 施設
1-1,1-2,・・・ カメラ
10 情報処理装置
11 記憶部
11a 対応情報
12 処理部