(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023121638
(43)【公開日】2023-08-31
(54)【発明の名称】ナビゲーションシミュレータ、情報処理装置、情報処理システム、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 11/36 20060101AFI20230824BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20230824BHJP
【FI】
G06F11/36 196
G06F11/36 148
G01C21/26 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022025088
(22)【出願日】2022-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 悠
(72)【発明者】
【氏名】古谷 一郎
【テーマコード(参考)】
2F129
5B042
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB02
2F129BB03
2F129BB26
2F129EE52
2F129EE94
2F129GG28
2F129HH18
2F129HH19
2F129HH21
2F129HH22
5B042HH06
5B042HH07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】動作検証に必要なセンサ信号を電気的に再現してカーナビゲーションシステムの動作検証を実行するナビゲーションシミュレータ等を提供する。
【解決手段】情報処理システムにおいて、ナビゲーションシミュレータ4は、取得部と、エミュレート機能部と、出力部と、を備える。取得部は、PC1から、シミュレータ内蔵センサ信号を含むテストシナリオを取得する。エミュレート機能部は、テストシナリオが含むシミュレータ内蔵センサ信号に基づいて、カーナビ内蔵センサ信号をエミュレートした模擬センサ信号を生成する。出力部は、生成された模擬センサ信号をカーナビゲーションシステムに出力する。シミュレータ内蔵センサ信号は、予め設定される走行経路を車両が走行した際に、ナビゲーションシミュレータが搭載するシミュレータ内蔵センサで検出する。カーナビ内蔵センサ信号は、カーナビゲーションシステムが搭載するカーナビ内蔵センサで検出する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置から、シミュレータ内蔵センサ信号を含むテストシナリオを取得する取得部と、
前記テストシナリオが含む前記シミュレータ内蔵センサ信号に基づいて、カーナビ内蔵センサ信号をエミュレートした模擬センサ信号を生成するエミュレート機能部と、
前記エミュレート機能部により生成された前記模擬センサ信号をカーナビゲーションシステムに出力する出力部と、
を備え、
前記シミュレータ内蔵センサ信号は、予め設定される走行経路を車両が走行した際に、ナビゲーションシミュレータに搭載されるシミュレータ内蔵センサにより検出される運動情報を示し、
前記カーナビ内蔵センサ信号は、前記カーナビゲーションシステムが搭載するカーナビ内蔵センサにより検出される運動情報を示す、
ナビゲーションシミュレータ。
【請求項2】
前記シミュレータ内蔵センサ信号を含む走行ログファイルを記憶部に保存するデータロギング機能部、
をさらに備え、
前記シミュレータ内蔵センサ信号は、前記シミュレータ内蔵センサにより検出される運動情報を無次元量で表す、
請求項1に記載のナビゲーションシミュレータ。
【請求項3】
前記テストシナリオは、前記走行ログファイルが含む前記シミュレータ内蔵センサ信号、または前記予め設定される走行経路を仮想的に前記車両が走行した際に前記シミュレータ内蔵センサから出力される仮想センサ信号を含む、請求項2に記載のナビゲーションシミュレータ。
【請求項4】
仮想センサ信号を含む仮想走行シナリオを生成する生成部と、
シミュレータ内蔵センサ信号を含む走行ログファイルを取得する取得部と、
前記仮想走行シナリオが含む前記仮想センサ信号、または前記走行ログファイルが含む前記シミュレータ内蔵センサ信号、を含むテストシナリオを再生する再生部と、
前記再生部により再生される前記テストシナリオをナビゲーションシミュレータに出力する出力部と、
を備え、
前記仮想センサ信号は、予め設定される走行経路を仮想的に車両が走行した際に、前記ナビゲーションシミュレータに搭載されるシミュレータ内蔵センサにより検出される運動情報を示し、
前記シミュレータ内蔵センサ信号は、前記走行経路を前記車両が走行した際に前記シミュレータ内蔵センサにより検出される運動情報を示す、
情報処理装置。
【請求項5】
前記取得部は、前記走行ログファイルが含む前記シミュレータ内蔵センサ信号を物理量で表されるセンサ信号に変換し、
前記生成部は、物理量で表される前記仮想センサ信号を含む前記仮想走行シナリオを生成し、
前記再生部は、前記仮想走行シナリオが含む前記仮想センサ信号または前記走行ログファイルが含む前記シミュレータ内蔵センサ信号に、カーナビゲーションシステムが搭載するカーナビ内蔵センサの取付角度に応じた変換用回転行列を乗算し、前記カーナビ内蔵センサの感度係数に応じた変換式を、前記変換用回転行列を乗算した前記シミュレータ内蔵センサ信号または前記仮想センサ信号を乗じ、前記変換式を乗じた前記シミュレータ内蔵センサ信号または前記仮想センサ信号を含む前記テストシナリオを再生する、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
ナビゲーションシミュレータと情報処理装置とを有する情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
仮想センサ信号を含む仮想走行シナリオを生成する生成部と、
シミュレータ内蔵センサ信号を含む走行ログファイルを取得する取得部と、
前記仮想走行シナリオが含む前記仮想センサ信号、または前記走行ログファイルが含む前記シミュレータ内蔵センサ信号、を含むテストシナリオを再生する再生部と、
前記再生部により再生される前記テストシナリオをナビゲーションシミュレータに出力する出力部と、を備え、
前記仮想センサ信号は、予め設定される走行経路を仮想的に車両が走行した際に前記ナビゲーションシミュレータに搭載されるシミュレータ内蔵センサにより検出される運動情報を示し、
前記シミュレータ内蔵センサ信号は、前記走行経路を前記車両が走行した際に前記シミュレータ内蔵センサにより検出される運動情報を示し、
前記ナビゲーションシミュレータは、
前記情報処理装置から、前記テストシナリオを取得する取得部と、
前記テストシナリオが含む前記シミュレータ内蔵センサ信号または前記仮想センサ信号に基づいて、カーナビ内蔵センサ信号をエミュレートした模擬センサ信号を生成するエミュレート機能部と、
前記エミュレート機能部により生成された前記模擬センサ信号をカーナビゲーションシステムに出力する出力部と、
を備え、
前記カーナビ内蔵センサ信号は、前記カーナビゲーションシステムが搭載するカーナビ内蔵センサにより検出される運動情報を示す、
情報処理システム。
【請求項7】
コンピュータを、
仮想センサ信号を含む仮想走行シナリオを生成する生成部と、
シミュレータ内蔵センサ信号を含む走行ログファイルを取得する取得部と、
前記仮想走行シナリオが含む前記仮想センサ信号、または前記走行ログファイルが含む前記シミュレータ内蔵センサ信号、を含むテストシナリオを再生する再生部と、
前記再生部により再生される前記テストシナリオをナビゲーションシミュレータに出力する出力部と、
して機能させるためのプログラムであって、
前記仮想センサ信号は、予め設定される走行経路を仮想的に車両が走行した際に、前記ナビゲーションシミュレータに搭載されるシミュレータ内蔵センサにより検出される運動情報を示し、
前記シミュレータ内蔵センサ信号は、前記走行経路を前記車両が走行した際に前記シミュレータ内蔵センサにより検出される運動情報を示す、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ナビゲーションシミュレータ、情報処理装置、情報処理システム、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
机上で実施可能なシミュレーションシステムによって、カーナビゲーションの動作検証を行う技術が開発されている。例えば、ターンテーブル式の回転台にテスト対象であるカーナビゲーションシステムを載せて、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信器から出力されるGNSS信号に合わせて回転台を回転させることにより、車両の旋回等の走行状態を模擬する技術が開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5-108009号公報
【特許文献2】特開2014-98994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の技術の回転台では、当該回転台の旋回のみで車両の走行状態を模擬するため、1軸回転のみでしか車両の走行状態を再現できず、車両に搭載される加速度センサ等のセンサを模擬することができず、また、システムが大型化する、という課題を有する。
【0005】
本開示は、カーナビゲーションシステムの動作検証に必要なセンサ信号を電気的に再現してカーナビゲーションシステムの動作検証を実行することができるナビゲーションシミュレータ、情報処理装置、情報処理システム、およびプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るナビゲーションシミュレータは、取得部と、エミュレート機能部と、出力部と、を備える。取得部は、外部装置から、シミュレータ内蔵センサ信号を含むテストシナリオを取得する。エミュレート機能部は、テストシナリオが含むシミュレータ内蔵センサ信号に基づいて、カーナビ内蔵センサ信号をエミュレートした模擬センサ信号を生成する。出力部は、エミュレート機能部により生成された模擬センサ信号をカーナビゲーションシステムに出力する。シミュレータ内蔵センサ信号は、予め設定される走行経路を車両が走行した際に、ナビゲーションシミュレータに搭載されるシミュレータ内蔵センサにより検出される運動情報を示す。カーナビ内蔵センサ信号は、カーナビゲーションシステムが搭載するカーナビ内蔵センサにより検出される運動情報を示す。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係るナビゲーションシミュレータ、情報処理装置、情報処理システム、およびプログラムによれば、カーナビゲーションシステムの動作検証に必要なセンサ信号を電気的に再現してカーナビゲーションシステムの動作検証を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本実施形態にかかる情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、本実施形態にかかるナビシミュレータHWの機能構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、本実施形態にかかるPCの機能構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本実施形態にかかる情報処理システムにおける実車走行テストログデータの記録処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、本実施形態にかかる情報処理システムにおける仮想走行経路データの生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、本実施形態にかかる情報処理システムにおけるナビシミュレータ用シナリオの出力処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおけるナビシミュレータ用シナリオの再生処理の一例を説明するための図である。
【
図8】
図8は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおけるナビシミュレータ用シナリオの再生処理の一例を説明するための図である。
【
図9】
図9は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおけるナビシミュレータ用シナリオの再生処理の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本開示に係るナビゲーションシミュレータ、情報処理装置、情報処理システム、およびプログラムの実施形態について説明する。
【0010】
図1は、本実施形態にかかる情報処理システムの構成の一例を示す図である。本実施形態にかかる情報処理システムは、
図1に示すように、PC(Personal Computer)1、GNSS(Global Navigation Satellite System)シミュレータ2、信号分配器3、ナビゲーションシミュレータHW(以下、ナビシミュレータHWという)4、およびテスト対象5を有する。
【0011】
PC1は、情報処理装置の一例である。PC1は、実車走行テストログデータ(走行ログファイルの一例)または仮想走行経路データ(仮想走行シナリオの一例)に基づいて、GNSSシミュレーション用シナリオ、およびナビシミュレータ用シナリオを生成する。
【0012】
ここで、実車走行テストログデータは、シミュレータ内蔵センサ信号を含む。シミュレータ内蔵センサ信号は、シミュレータ内蔵センサ404(
図2参照)により検出される運動情報(例えば、角速度、加速度)を示し、かつ無次元量で表される。シミュレータ内蔵センサ404は、ナビシミュレータHW4に搭載される。本実施形態では、実車走行テストログデータは、車両情報を示す車両信号(例えば、車速、CAN情報)を含む。車両情報は、ナビシミュレータHW4により取得される。
【0013】
また、ここで、仮想走行経路データは、仮想センサ信号を含む。仮想センサ信号は、予め設定される走行経路を仮想的に車両が走行した場合に、シミュレータ内蔵センサにより検出される運動情報を示し、かつ物理量で表される。本実施形態では、仮想走行経路データは、予め設定される走行経路を車両が仮想的に走行した場合における、当該車両の車両信号を含む。
【0014】
また、ここで、GNSSシミュレーション用シナリオは、予め設定される走行経路を走行する車両の位置情報および時刻情報を含む。さらに、ここで、ナビゲーションシミュレータ用シナリオは、シミュレータ内蔵センサ信号または仮想センサ信号を含むテストシナリオの一例である。本実施形態では、ナビシミュレータ用シナリオは、シミュレータ内蔵センサ信号または仮想センサ信号に加えて、予め設定される走行経路を走行する車両の位置情報および時刻情報を含む。
【0015】
GNSSシミュレータ2は、PC1と接続され、PC1により生成されるGNSSシミュレータ用シナリオが含む位置情報に基づいて、シミュレーションによって、車両の位置情報を示すGNSS信号(以下、模擬GNSS信号という)を生成する。GNSSシミュレータ2は、例えば、USB(Universal Serial Bus)等のシリアルバス規格、あるいはイーサネット(登録商標)によってPC1と接続される。そして、GNSSシミュレータ2は、模擬GNSS信号および時刻情報を信号分配器3に出力する。GNSSシミュレータ2は、信号発生器とも呼ばれる。
【0016】
信号分配器3は、GNSSシミュレータ2からRF(Radio Frequency)等で出力される模擬GNSS信号および時刻情報を、テスト対象5に出力する。さらに、信号分配器3は、GNSSシミュレータ2から出力される模擬GNSS信号および時刻情報を、ナビシミュレータHW4に出力する。
【0017】
ナビシミュレータHW4(ナビゲーションシミュレータの一例)は、USB等のシリアルバス規格によりPC1と接続され、PC1から、ナビシミュレータ用シナリオを取得する。次いで、ナビシミュレータHW4は、ナビシミュレータ用シナリオが含むシミュレータ内蔵センサ信号または仮想センサ信号に基づいて、カーナビ内蔵センサ信号をエミュレータした模擬センサ信号を生成する。カーナビ内蔵センサ信号は、テスト対象5が搭載するカーナビ内蔵センサ503により検出される運動情報を示す。そして、ナビシミュレータHW4は、生成した模擬センサ信号をテスト対象5に出力する。また、ナビシミュレータHW4は、ナビシミュレータ用シナリオが含む車両信号に基づいて、車両の車両信号をエミュレートした模擬車両信号を生成してテスト対象5に出力する。
【0018】
本実施形態では、ナビシミュレータHW4は、信号分配器3から入力される模擬GNSS信号および時刻情報に基づいて、信号分配器3からテスト対象5に対する模擬GNSS信号の出力に同期して、模擬センサ信号および模擬車両信号をテスト対象5に出力する。
【0019】
テスト対象5は、車両に搭載される車載器またはカーナビゲーションシステムの一例である。本実施形態では、テスト対象5は、GNSS受信装置501、車両信号受信装置502、カーナビ内蔵センサ503、CPU(Central Processing Unit)504、記憶装置505、表示装置506、入力装置507、および通信装置508を有する。
【0020】
GNSS受信装置501は、例えば、GPS(Global Positioning System)受信機であり、人工衛星から発射される信号を用いて車両の位置を測定して、当該測定した位置を示すGNSS信号(例えば、GPS信号)を受信する。GNSS受信装置501は、受信したGNSS信号を、時刻情報を含む測位情報に変換し、変換された測位情報をCPU504に出力する。また、GNSS受信装置501は、テスト対象5の動作検証を行う際に、信号分配器3から模擬GNSS信号を受信し、当該模擬GNSS信号をCPU504に出力する。
【0021】
車両信号受信装置502は、車両ハーネスを介して、車両から、車速パルスおよびCAN情報等の車両信号を受信して、当該受信した車両信号をCPU504に出力する。また、車両信号受信装置502は、テスト対象5の動作検証を行う際に、ナビシミュレータHW4から、模擬車両信号を受信して、当該受信した模擬車両信号をCPU504に出力する。
【0022】
カーナビ内蔵センサ503は、車両の回転、傾き、および加速等の運動を検出する。カーナビ内蔵センサ503は、当該検出した運動に対応する情報を示すカーナビ内蔵センサ信号をCPU504に出力する。カーナビ内蔵センサ503は、例えば車両の回転を検出した場合には角速度を、車両の加速を検出した場合には加速度を、カーナビ内蔵センサ信号として出力する。本実施形態では、カーナビ内蔵センサ503は、車両の加速および傾きを検出する加速度センサ503a、および車両の回転を検出するジャイロセンサ503bを有する。
【0023】
記憶装置505は、カーナビゲーションに用いる各種情報(例えば、位置情報、時刻情報、車両信号、センサ信号)を記憶する。表示装置506は、カーナビゲーションによる経路案内に関する経路案内情報を表示する。入力装置507は、カーナビゲーションに対する目的地等の各種情報を入力する。通信装置508は、外部装置とテスト対象5との通信を司る。
【0024】
CPU504は、GNSS受信装置501から出力されるGNSS信号、車両信号受信装置502から出力される車両信号、カーナビ内蔵センサ503から出力されるカーナビ内蔵センサ信号等に基づいて、カーナビゲーションに関する演算(例えば、経路検索)を行う。また、CPU504は、テスト対象5の動作検証を行う場合、GNSS受信装置501により受信する模擬GNSS信号、車両信号受信装置502により受信する模擬車両信号、および専用の信号線を介してナビシミュレータHW4から入力される模擬センサ信号等に基づいて、カーナビゲーションに関する演算を行う。
【0025】
図2は、本実施形態にかかるナビシミュレータHWの機能構成の一例を示す図である。次に、
図2を用いて、本実施形態にかかるナビシミュレータHW4の機能構成の一例について説明する。
【0026】
本実施形態にかかるナビシミュレータHW4は、
図2に示すように、外部IF401、車両信号出力回路402、センサ信号出力回路403、シミュレータ内蔵センサ404、およびCPU405を有する。
【0027】
外部IF401は、例えば、GNSSアンテナコネクタ、車両IF、電源コネクタ、GNSSレシーバIF、SDカードスロット等を有する。ここで、GNSSアンテナコネクタは、GNSSアンテナと接続される。車両IFは、車両の車速パルス、CAN情報、リバース、イルミネーション、パーキング等を取得する。電源コネクタは、例えば、車両のシガー電源や電源ACアダプター等からナビシミュレータHW4に対して電源を供給する。GNSSレシーバIFは、ナビシミュレータHW4に内蔵されるGNSSレシーバと接続される。SDカードスロットは、実車走行テストログデータ等の各種情報を記憶するSDカード等の記憶部を接続可能なスロットである。
【0028】
車両信号出力回路402は、模擬車両信号をテスト対象5に出力する。センサ信号出力回路403は、模擬センサ信号をテスト対象5に出力する。シミュレータ内蔵センサ404は、加速度センサおよびジャイロセンサ等を含み、車両の角速度および加速度等の運動情報を検出し、検出した運動情報を示すシミュレータ内蔵センサ信号をCPU405に出力する。
【0029】
CPU405は、データロギング機能部405a、およびエミュレート機能部405bを有する。データロギング機能部405aは、外部IF401により取得されるGNSS信号を取得し、当該取得したGNSS信号をNMEA形式でSDカードに保存する。ここで、GNSS信号を取得する外部IF401は、例えばGNSSレシーバIFである。また、データロギング機能部405aは、外部IF401により取得される、例えば、車速パルスおよびCAN情報を取得する。ここで、車速パルスおよびCAN情報を取得する外部IF401は、例えば車両IFである。また、データロギング機能部405aは、車速パルスに基づいて車速を算出し、車速およびCAN情報等の車両信号をSDカードに保存する。また、データロギング機能部405aは、シミュレータ内蔵センサ404から出力されるシミュレータ内蔵センサ信号を取得して、SDカードに保存する。すなわち、本実施形態では、SDカードは、シミュレータ内蔵センサ信号を含む実車走行テストログデータを記憶する記憶部の一例として機能する。
【0030】
エミュレート機能部405bは、PC1(外部の情報処理装置の一例)から、ナビシミュレータ用シナリオを取得する。ここで、シミュレータ用シナリオは、実車走行テストログデータが含むシミュレータ内蔵センサ信号を含むか、または、仮想センサ信号をシミュレータ内蔵センサ信号として含む。また、エミュレート機能部405bは、ナビシミュレータ用シナリオが含むシミュレータ内蔵センサ信号または仮想センサ信号に基づいて、模擬センサ信号を生成する。模擬センサ信号は、テスト対象5におけるカーナビゲーションに必要な電気的な信号をエミュレートした信号である。具体的には、エミュレート機能部405bは、ナビシミュレータ用シナリオが含むシミュレータ内蔵センサ信号または仮想センサ信号に基づいて、カーナビ内蔵センサ503が出力するカーナビ内蔵センサ信号をエミュレートした模擬センサ信号を生成する。ここで、模擬センサ信号は、例えば、シミュレータ内蔵センサ信号または仮想センサ信号を、カーナビ内蔵センサ503が出力するカーナビ内蔵センサ信号のフォーマットに変換した信号であっても良い。また、エミュレート機能部405bは、ナビシミュレータ用シナリオが含む車両信号に基づいて、車両の車両信号をエミュレートした模擬車両信号を生成する。
【0031】
これにより、テスト対象5の動作検証に必要なセンサ信号を電気的に再現することができるので、テスト対象5の動作検証(例えば、実走ログの再生、現地実走前の事前検証、逆走等の現実では不可能な走行経路検証)を実行することができる。ここで、実走とは、実車走行を意味する。また、ターンテーブル等の大型の機械設備を用いることなく、テスト対象5の動作検証を行うことができる。
【0032】
図3は、本実施形態にかかるPCの機能構成の一例を示す図である。次に、
図3を用いて、本実施形態にかかるPC1の機能構成の一例について説明する。
【0033】
本実施形態にかかるPC1は、CPU、ROM、RAM、通信装置等を有する。通信装置は、ナビシミュレータHW4等の外部装置との通信を司る。ROMは、走行データ生成ソフト等の各種プログラムを記憶する。RAMは、CPUによって走行データ生成ソフト等の各種プログラムを実行する際に作業領域である。CPUは、RAMを作業領域として用いて、ROMに記憶される走行データ生成ソフトを実行することにより、
図3に示すように、シナリオ生成部101a、ログ監視部101b、シナリオコンバータ101c、およびシナリオ再生部101dを実現する。
【0034】
シナリオ生成部101aは、仮想走行経路データを生成する生成部の一例である。本実施の形態では、シナリオ生成部101aは、専用の地図アプリケーションによって、車両を仮想的に走行させる走行経路を生成する。そして、シナリオ生成部101aは、当該生成した走行経路に基づいて、当該走行経路を車両が仮想的に走行した場合における車両の位置情報、車両信号、センサ信号等を含む仮想走行経路データを生成する。仮想走行経路データは、例えば車両の位置情報を示すGNSS信号を含む。以下、位置情報を示すGNSS信号と、位置情報そのものとを区別せずに記載することがある。
【0035】
例えば、シナリオ生成部101aは、地図アプリケーションを用いて、テスト対象5の動作検証を行う走行経路の緯度および経度を取得する。次に、シナリオ生成部101aは、取得した緯度および経度に基づいて、オーサリングによって、テスト対象5の動作検証を行う走行経路を作成する。次いで、シナリオ生成部101aは、物理計算によって、当該作成した走行経路を車両モデルに走行させた場合に得られる、車両の位置情報、車両信号、センサ信号等を仮想走行経路データとして生成する。
【0036】
ログ監視部101bは、ナビシミュレータHW4に接続されたSDカード等の記憶部から、実車走行テストログデータ(言い換えると、実走ログ)を取得する取得部の一例である。シナリオコンバータ101cは、ログ監視部101bにより取得した実車走行テストログデータが含むシミュレータ内蔵センサ信号を、物理量で表した実車走行テストログデータに変換する。
【0037】
シナリオ再生部101dは、仮想走行経路データが含む仮想センサ信号、または実車走行テストログデータが含むシミュレータ内蔵センサ信号、を含むナビシミュレータ用シナリオを再生する再生部の一例である。そして、シナリオ再生部101dは、再生したナビシミュレータ用シナリオをナビシミュレータHW4に出力する出力部の一例としても機能する。
【0038】
また、シナリオ再生部101dは、カーナビ内蔵センサ503の取付角度に応じた変換用回転行列を算出する。具体的には、変換用回転行列は、仮想走行経路データが含む仮想センサ信号または実車走行テストログデータが含むシミュレータ内蔵センサ信号を、カーナビ内蔵センサ503固有の座標系に対応したセンサ信号に変換する回転行列である。そして、シナリオ再生部101dは、算出した変換用回転行列を、仮想走行経路データが含む仮想センサ信号または実車走行テストログデータが含むシミュレータ内蔵センサ信号に乗算する。これにより、シナリオ再生部101dは、当該仮想センサ信号またはシミュレータ内蔵センサ信号を、カーナビ内蔵センサ503固有の座標系に対応したセンサ信号に変換する。
【0039】
また、シナリオ再生部101dは、変換用回転行列を乗算した仮想センサ信号またはシミュレータ内蔵センサ信号に対して、テスト対象5が搭載するカーナビ内蔵センサ503の感度係数に応じた変換式を乗じる。そして、シナリオ再生部101dは、当該変換式を乗じたシミュレータ内蔵センサ信号または仮想センサ信号を含むナビシミュレータ用シナリオを再生する。
【0040】
図4は、本実施形態にかかる情報処理システムにおける実車走行テストログデータの記録処理の流れの一例を示すフローチャートである。次に、
図4を用いて、本実施形態にかかる情報処理システムにおける実車走行テストログデータの記録処理の流れの一例について説明する。
【0041】
ナビシミュレータHW4が車両に搭載され、予め設定された走行経路の走行を車両が開始すると、ナビシミュレータHW4のデータロギング機能部405aは、予め設定された周期(例えば、一定周期)で、シミュレータ内蔵センサ404から出力されるシミュレータ内蔵センサ信号を取得する(ステップS411)。ここで、シミュレータ内蔵センサ信号は、シミュレータ内蔵センサ404固有の無次元量で表されたセンサ信号である。シミュレータ内蔵センサ信号は、例えば単位LSBを用いて表される。
【0042】
次に、データロギング機能部405aは、取得したシミュレータ内蔵センサ信号を、無加工で、SDカード等の記憶装置に書き込む(ステップS412)。次いで、データロギング機能部405aは、取得したシミュレータ内蔵センサ信号(言い換えると、走行ログ)の記録が完了したか否かを判断する(ステップS413)。シミュレータ内蔵センサ信号は走行ログに含まれる。以下ではシミュレータ内蔵センサ信号と走行ログとを区別せずに記載することがある。車両による、予め設定された走行経路の走行が完了していない場合、データロギング機能部405aは、走行ログの記録が完了していないと判断して(ステップS413:No)、ステップS411に戻り、シミュレータ内蔵センサ404からのシミュレータ内蔵センサ信号の取得を継続する。
【0043】
一方、車両による、予め設定された走行経路の走行が完了している場合、データロギング機能部405aは、走行ログの記録が完了したと判断して(ステップS413:Yes)、SDカードに書き込まれたシミュレータ内蔵センサ信号を含む実車走行テストログデータを生成する(ステップS414)。実車走行テストログデータは、走行ログファイルの一例である。本実施形態では、実車走行テストログデータは、シミュレータ内蔵センサ404から出力されたシミュレータ内蔵センサ信号がそのまま記述されているバイナリ形式のデータである。
【0044】
PC1のログ監視部101bは、ナビシミュレータHW4に接続されたSDカードから、実車走行テストログデータを取得し、当該実車走行テストログデータが含むシミュレータ内蔵センサ信号を、物理量で表されるセンサ信号に変換して(ステップS415)、実車走行テストログデータを完成させる(ステップS416)。物理量とは、例えば単位dpsや、単位gを用いて表される量である。
【0045】
図5は、本実施形態にかかる情報処理システムにおける仮想走行経路データの生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。次に、
図5を用いて、本実施形態にかかる情報処理システムにおける仮想走行経路データの生成処理の流れの一例について説明する。
【0046】
PC1のシナリオ生成部101aは、まず、専用のアプリケーションによって、車両を仮想的に走行させる走行経路を生成する(ステップS511)。次に、シナリオ生成部101aは、当該生成した走行経路に基づいて、当該走行経路を車両が仮想的に走行した場合に得られる車両の位置情報、車両信号、仮想センサ信号等を生成する(ステップS512)。仮想センサ信号は、例えば単位dpsを用いて示される角速度や、単位gで示される加速度を含む。そして、シナリオ生成部101aは、生成した位置情報、車両信号、仮想センサ信号等を含む仮想走行経路データを完成させる(ステップS513)。
【0047】
例えば、シナリオ生成部101aは、専用のアプリケーションにより生成した走行経路において、車両モデルを走行させる。その際、シナリオ生成部101aは、予め設定される走行条件(例えば、最大速度、ホイールベース、シフト、加減速度)に従って、車両モデルを走行させる。そして、シナリオ生成部101aは、予め設定された期間(例えば、100ms)毎に、車両の位置情報、車両信号、仮想センサ信号等を生成する。
【0048】
図6は、本実施形態にかかる情報処理システムにおけるナビシミュレータ用シナリオの出力処理の流れの一例を示すフローチャートである。次に、
図6を用いて、本実施形態にかかる情報処理システムにおけるナビシミュレータ用シナリオの出力処理の流れの一例について説明する。
【0049】
PC1のシナリオ再生部101dは、まず、実車走行テストログデータおよび仮想走行経路データのうち、ナビシミュレータ用シナリオの再生に用いるシナリオを選択する(ステップS601)。以下、ナビシミュレータ用シナリオの再生に用いるシナリオを、シミュレーションシナリオと呼ぶことがある。次に、シナリオ再生部101dは、PC1が備えるROM102等の記憶部に記憶するパラメータファイルから、テスト対象5に対応するパラメータファイルを選択する(ステップS602)。
【0050】
ここで、パラメータファイルは、テスト対象5が搭載するカーナビ内蔵センサ503固有の感度係数および取付角度等を含む。次に、シナリオ再生部101dは、ナビシミュレータ用シナリオを再生するシミュレーションを開始する(ステップS603)。
【0051】
次に、シナリオ再生部101dは、選択したパラメータファイルが含む取付角度に基づいて、選択したシミュレーションシナリオが含む仮想センサ信号またはシミュレータ内蔵センサ信号を、テスト対象5固有の座標系に対応したセンサ信号に変換する変換用回転行列を算出する(ステップS604)。次いで、シナリオ再生部101dは、選択したシミュレーションシナリオに含まれ、かつ物理量で表される、仮想センサ信号またはシミュレータ内蔵センサ信号を取得する(ステップS605)。例えば、シナリオ再生部101dは、複数の軸(例えば、x,y,zの3軸)に対応する仮想センサ信号またはシミュレータ内蔵センサ信号を取得する。複数の軸は、カーナビ内蔵センサ503によって角速度および加速度等の運動情報が検出される際の座標系に対応する。
【0052】
そして、シナリオ再生部101dは、算出した変換用回転行列を、取得した仮想センサ信号またはシミュレータ内蔵センサ信号に乗算する。これにより、シナリオ再生部101dは、選択したシミュレーションシナリオが含む仮想センサ信号またはシミュレータ内蔵センサ信号を、カーナビ内蔵センサ503固有の座標系に対応したセンサ信号に座標変換する(ステップS606)。
【0053】
次に、シナリオ再生部101dは、カーナビ内蔵センサ503固有の感度係数に応じた変換式を、座標変換した仮想センサ信号またはシミュレータ内蔵センサ信号に乗算する。変換式は、例えばパラメータファイルに含まれる。シナリオ再生部101dは、乗算によって変換された無次元量のセンサ信号を含む、ナビシミュレータ用シナリオを再生する(ステップS607)。その後、シナリオ再生部101dは、再生したナビシミュレータ用シナリオを、ナビシミュレータHW4に出力する。
【0054】
ナビシミュレータHW4のエミュレート機能部405bは、仮想センサ信号またはシミュレータ内蔵センサ信号に基づいて、模擬センサ信号をエミュレートして、テスト対象5に出力する(ステップS608)。仮想センサ信号またはシミュレータ内蔵センサ信号は、PC1から入力されるナビシミュレータ用シナリオに含まれる。模擬センサ信号は、テスト対象5におけるカーナビゲーションに必要な電気的な信号である。その後、PC1のシナリオ再生部101dは、予め設定された走行経路のナビシミュレータ用シナリオの再生が終了したか否かを判断する(ステップS609)。
【0055】
本実施の形態では、ナビシミュレータHW4は、テスト対象5のカーナビ内蔵センサ503と同じメモリアドレスを有するレジスタを有する。ナビシミュレータHW4は、以下のようにして、カーナビ内蔵センサ503と同じメモリアドレスをレジスタに対して設定可能であってもよい。例えば、パラメータファイルが、テスト対象5のレジスタマップ情報を有している。シミュレーション実行時に、レジスタマップ情報がナビシミュレータHW4のメモリ領域に展開されることにより、テスト対象5が変わっても、ナビシミュレータHW4は、カーナビ内蔵センサ503と同じメモリアドレスをレジスタに設定することができる。これにより、エミュレート機能部405bは、テスト対象5からのセンサ信号の要求に応じて、当該レジスタから、要求されたセンサ信号に対応する模擬センサ信号を読み出して、テスト対象5に出力することができる。その結果、テスト対象5が、PC1からセンサ信号を取得する場合と比較して、テスト対象5が高速に模擬センサ信号を取得することができるので、テスト対象5の動作検証をより実走に近い状態で実行できる。
【0056】
ナビシミュレータ用シナリオの再生が終了している場合(ステップS609:Yes)、シナリオ再生部101dは、ナビシミュレータ用シナリオの再生を終了する。一方、ナビシミュレータ用シナリオの再生が終了していない場合(ステップS609:No)、シナリオ再生部101dは、ステップS605に戻る。
【0057】
図7~9は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおけるナビシミュレータ用シナリオの再生処理の一例を説明するための図である。次に、
図7~9を用いて、本実施形態にかかる情報処理システムにおけるナビシミュレータ用シナリオの再生処理の一例について説明する。
【0058】
カーナビ内蔵センサ503およびシミュレータ内蔵センサ404は、
図7に示すように、例えば、x,y,z軸の割付およびその取付角度が異なる場合がある。そのため、本実施形態では、PC1は、シミュレータ内蔵センサ404の座標系等を基本座標系と定義し、カーナビ内蔵センサ503の座標系をローカル座標系と定義する。そして、PC1は、基本座標系を基準とする、カーナビ内蔵センサ503の種類毎のローカル座標系の回転角度(例えば、x軸回りに180度、y軸回りに0度、z軸回りに-90度。取付角度の一例。)を示すパラメータファイルをROM等の記憶部に記憶させる。また、PC1は、シミュレータ内蔵センサ404の感度係数を基準とする、カーナビ内蔵センサ503の種類毎の感度係数を示すパラメータファイルをROM等に記憶させる。
【0059】
そして、シナリオ再生部101dは、
図8に示すように、シミュレータ内蔵センサ404により検出される加速度(Ax,Ay,Az)および角速度(Ωx,Ωy,Ωz)を、回転行列によって座標変換して、カーナビ内蔵センサ503のローカル座標系における加速度a
sensоrおよび角速度ω
sensоrに変換する。ここで、加速度、角速度はいずれも3行1列の行列で示される。例えば、シミュレータ内蔵センサ404のローカル座標系が、基本座標系のz軸回りに90度回転させる座標系である場合、シナリオ再生部101dは、シミュレータ内蔵センサ404により検出される加速度A(0.2,0.3,0.5)を、
図9に示す回転行列で座標変換する。これにより、シナリオ再生部101dは、シミュレータ内蔵センサ404により検出される加速度(0.2,0.3,0.5)のx軸とy軸の値が入れ替わったローカル座標系の加速度a
sensоr(-0.3,0.2,0.5)を算出する。シナリオ再生部101dは、角速度Ωについても同様にして、ローカル座標系の角速度ω
sensоrに座標変換する。
【0060】
このように、本実施形態にかかる情報処理システムによれば、テスト対象5の動作検証に必要なセンサ信号を電気的に再現することができるので、テスト対象5の動作検証(例えば、実走ログの再生、現地実走前の事前検証、逆走等の現実では不可能な走行経路検証)を実行することができる。また、ターンテーブル等の大型の機械設備を用いることなく、テスト対象5の動作検証を行うことができる。
【0061】
本実施形態のPC1で実行されるプログラム(例えば、シナリオ生成部101a、ログ監視部101b、シナリオコンバータ101c、およびシナリオ再生部101dを実現するプログラム)は、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0062】
また、本実施形態のPC1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のPC1で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0063】
また、本実施形態のPC1で実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0064】
本実施形態のナビシミュレータHW4で実行されるプログラム(例えば、データロギング機能部405a、およびエミュレート機能部405bを実現するプログラム)は、ROM等に予め組み込まれて提供される。本実施形態のナビシミュレータHW4で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0065】
さらに、本実施形態のナビシミュレータHW4で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のナビシミュレータHW4で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0066】
また、本実施形態にかかる情報処理システムのPC1で実行される情報処理方法は、生成部が、予め設定される走行経路を仮想的に車両が走行した際にナビゲーションシミュレータに搭載されるシミュレータ内蔵センサにより検出される運動情報を示す仮想センサ信号を含む仮想走行シナリオを生成する工程と、取得部が、走行経路を車両が走行した際にシミュレータ内蔵センサにより検出される運動情報を示すシミュレータ内蔵センサ信号を含む走行ログファイルを取得する工程と、再生部が、仮想走行シナリオが含む仮想センサ信号、または走行ログファイルが含むシミュレータ内蔵センサ信号、を含むテストシナリオを再生する工程と、出力部が、再生部により再生されるテストシナリオをナビゲーションシミュレータに出力する工程と、を含む。
【0067】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0068】
1 PC
2 GNSSシミュレータ
3 信号分配器
4 ナビシミュレータHW
5 テスト対象
101a シナリオ生成部
101b ログ監視部
101c シナリオコンバータ
101d シナリオ再生部
401 外部IF
402 車両信号出力回路
403 センサ信号出力回路
404 シミュレータ内蔵センサ
405 CPU
405a データロギング機能部
405b エミュレート機能部
501 GNSS受信装置
502 車両信号受信装置
503 カーナビ内蔵センサ
503a 加速度センサ
503b ジャイロセンサ
504 CPU
505 記憶装置
506 表示装置
507 入力装置
508 通信装置