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特開2023-121659生物処理槽、水浄化システム及び水浄化方法
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  • 特開-生物処理槽、水浄化システム及び水浄化方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023121659
(43)【公開日】2023-08-31
(54)【発明の名称】生物処理槽、水浄化システム及び水浄化方法
(51)【国際特許分類】
   C02F 3/34 20230101AFI20230824BHJP
【FI】
C02F3/34 101B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022025119
(22)【出願日】2022-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】517039483
【氏名又は名称】WOTA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 育
【テーマコード(参考)】
4D040
【Fターム(参考)】
4D040BB07
4D040BB12
4D040BB14
4D040BB22
4D040BB24
4D040BB54
4D040BB65
(57)【要約】
【課題】省スペース化に適した生物処理槽、水浄化システム及び水浄化方法の提供。
【解決手段】生物処理の対象物と微生物との混合物を収容する槽2と、2の一部を区画する枠体3と、枠体3の内側に空気を供給するエアレーション装置4と、を備え、槽2に収容される混合物は、枠体3の内側と外側とを流通可能である、生物処理槽10。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物処理の対象物と微生物との混合物を収容する槽と、
前記槽の一部を区画する枠体と、
前記枠体の内側に空気を供給するエアレーション装置と、を備え、
前記槽に収容される混合物は、前記枠体の内側と外側とを流通可能である、生物処理槽。
【請求項2】
前記エアレーション装置は、前記枠体の内側の混合物の溶存酸素濃度が前記枠体の外側の混合物の溶存酸素濃度よりも高い状態を維持する、請求項1に記載の生物処理槽。
【請求項3】
前記枠体の内側に前記混合物をろ過するフィルターを備える、請求項1又は請求項2に記載の生物処理槽。
【請求項4】
前記枠体の外側の混合物を撹拌する撹拌装置を備える、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の生物処理槽。
【請求項5】
前記枠体の外側の混合物に空気を供給するエアレーション装置を備える、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の生物処理槽。
【請求項6】
請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の生物処理槽を備える、水浄化システム。
【請求項7】
請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の生物処理槽に生物処理の対象物を供給する工程を含む、水浄化方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、生物処理槽、水浄化システム及び水浄化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
微生物を利用して汚水を浄化する仕組みが種々の分野で応用されている。
例えば、特許文献1には、水洗トイレから排出される汚水を浄化して水洗便器に循環させる機構を備える循環式水洗トイレが記載されている。
【0003】
特許文献1に記載された循環式水洗トイレは、汚水中の有機物を分解するとともに硝化及び脱窒処理する生物処理槽と、生物処理槽で生物処理された生物処理水を固液分離するろ過槽と、ろ過槽で固液分離されたろ過水を脱色する脱色槽と、を有し、脱色槽で脱色処理された処理水を水洗トイレの洗浄水として再利用するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-132037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年の生活スタイルや居住環境の多様化に伴い、微生物を利用した水浄化システムの省スペース化に対する需要が高まっている。
そこで本開示は、省スペース化に適した生物処理槽、水浄化システム及び水浄化方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための手段には、以下の実施態様が含まれる。
<1>生物処理の対象物と微生物との混合物を収容する槽と、
前記槽の一部を区画する枠体と、
前記枠体の内側に空気を供給するエアレーション装置と、を備え、
前記槽に収容される混合物は、前記枠体の内側と外側とを流通可能である、生物処理槽。
<2>前記エアレーション装置は、前記枠体の内側の混合物の溶存酸素濃度が前記枠体の外側の混合物の溶存酸素濃度よりも高い状態を維持する、<1>に記載の生物処理槽。
<3>前記枠体の内側に前記混合物をろ過するフィルターを備える、<1>又は<2>に記載の生物処理槽。
<4>前記枠体の外側の混合物を撹拌する撹拌装置を備える、<1>~<3>のいずれか1項に記載の生物処理槽。
<5>前記枠体の外側の混合物に空気を供給するエアレーション装置を備える、<1>~<4>のいずれか1項に記載の生物処理槽。
<6><1>~<5>のいずれか1項に記載の生物処理槽を備える、水浄化システム。
<7><1>~<5>のいずれか1項に記載の生物処理槽に生物処理の対象物を供給する工程を含む、水浄化方法。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、省スペース化に適した生物処理槽、水浄化システム及び水浄化方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】生物処理槽の構成の一例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示において、「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値および最大値として含む範囲を示す。
本開示に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値または下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値または下限値に置き換えてもよく、また、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
【0010】
<生物処理槽>
本開示の生物処理槽は、生物処理の対象物と微生物との混合物を収容する槽と、前記槽の一部を区画する枠体と、前記枠体の内側に空気を供給するエアレーション装置と、を備え、前記槽に収容される混合物は、前記枠体の内側と外側とを流通可能である、生物処理槽である。
【0011】
微生物を利用した排水の浄化処理では、主として有機物と、アンモニアのような窒素分とを除去することができる。窒素分の除去は、脱窒菌による脱窒反応と硝化菌による硝化反応とを組み合わせて行われる。脱窒反応は無酸素又は低溶存酸素濃度の環境で進行し、硝化反応は溶存酸素が存在する環境で進行する。このため、従来の生物処理槽は脱窒処理のための槽と硝化処理のための槽とに分かれている。
【0012】
本開示の生物処理槽は、脱窒処理のための槽と硝化処理のための槽とに明確に分かれておらず、1つの槽の中で脱窒処理と硝化処理とを実施する。このため、生物処理槽が占有するスペースを小さくできる。
【0013】
本開示の生物処理槽は、枠体の内側にエアレーション装置により空気を供給することで、枠体の内側を相対的に溶存酸素濃度が高い状態とし、枠体の外側を相対的に溶存酸素濃度が低い状態とする。このため、枠体の内側の相対的に溶存酸素濃度が高い領域では硝化反応が生じ、混合物中のアンモニアが亜硝酸を経て硝酸に変換される。枠体の外側の相対的に溶存酸素濃度が低い領域では脱窒反応が生じ、硝酸が窒素ガスに変換される。
【0014】
本開示の生物処理槽では、生物処理の対象物と微生物との混合物が、枠体の内側と外側とを流通可能である。このため、枠体の内側で硝化処理により発生した硝酸を含む混合物が枠体の外側に自然に移動して、枠体の外側に移動した混合物中の硝酸が窒素ガスに変換される脱窒反応が効率的に進行する。
【0015】
生物処理槽が脱窒処理のための槽と硝化処理のための槽とに分かれている構成では、硝化反応で生じた亜硝酸及び硝酸を含む混合物を硝化処理のための槽から脱窒処理のための槽にポンプ等の手段を用いて強制的に移動させるが、本開示の生物処理槽ではこのような手段を省略することができる。
【0016】
(槽)
生物処理槽が備える槽は独立した物体であっても、独立した物体でなくてもよい。
独立した物体である槽としては、所望のサイズの容器が挙げられる。容器の材質は特に制限されず、樹脂、金属、セラミックス等から選択できる。
独立した物体でない槽としては、建造物の一部が挙げられる。
【0017】
槽に収容される混合物の量の上限は特に制限されず、生物処理槽の用途に応じて選択できる。例えば、槽に収容される混合物の量の上限は10,000リットル、5,000リットル、1,000リットル、500リットル、300リットル、150リットル又は50リットルのいずれかであってもよい。槽に収容される混合物の量の下限は特に制限されない。生物処理を効果的に行う観点からは、槽に収容される混合物の量の下限は10リットルであってもよい。
【0018】
槽に収容される混合物は、生物処理の対象物と微生物とを含む。
生物処理の対象物は液体成分と固体成分とを含むものであっても、液体成分のみを含むものであってもよい。
微生物は脱窒菌と硝化菌とを少なくとも含み、これら以外の微生物を含んでもよい。
【0019】
(枠体)
生物処理槽の槽の一部を区画する枠体は、例えば、両端が開いている筒状の物体であってもよい。枠体の材質は特に制限されず、樹脂、金属、セラミックス等から選択できる。
【0020】
枠体は、生物処理槽の槽に収容された混合物が枠体の内側と外側とを流通可能であるように構成されている。
生物処理槽の槽に収容された混合物が枠体の内側と外側とを流通可能である構成として具体的には、枠体の下端と混合物が収容される槽の底面との間、枠体の上端と槽に供給される混合物の液面との間、枠体に設けられた開口部などを通じて混合物が枠体の内側と外側とを流通可能である構成が挙げられる。
【0021】
(エアレーション装置)
エアレーション装置は、枠体の内側に空気を供給する。これにより、枠体の内側の混合物中に酸素が存在する状態が維持される。その結果、枠体の内側において硝化菌による硝化反応が生じる状態が維持される。
【0022】
エアレーション装置から送られる空気は枠体の内側にのみ供給されてもよく、生物処理に影響を与えない範囲でエアレーション装置から送られる空気の一部が枠体の外側に供給されてもよい。
エアレーション装置を設置する場所は、枠体の内側に空気を供給できる場所であれば特に制限されない。例えば、エアレーション装置は槽の底部に設置されてもよい。
【0023】
枠体の内側に配置されるエアレーション装置は、常に駆動する(休止期間を設けない)ものであっても、休止期間を設けるものであってもよい。
エアレーション装置の休止期間を設ける場合、枠体の内側において硝化菌による硝化反応が生じる状態を維持する観点からは、休止期間は24時間以内であることが好ましく、12時間以内であることがより好ましく、8時間以内であることがさらに好ましい。
エアレーション装置の構造は特に制限されない。例えば、公知の散気装置であってもよい。
【0024】
(フィルター)
生物処理槽は、混合物をろ過するフィルターを備えてもよい。
生物処理槽がフィルターを備えることで、例えば、生物処理後の混合物を生物処理槽から取り出す際に混合物中の微生物と生物処理後の対象物とを分離することができる。
【0025】
生物処理槽がフィルターを備えている場合、フィルターは枠体の内側に配置されることが好ましい。
フィルターを枠体の内側に設けることで、例えば、エアレーション装置から枠体の内側に供給される空気をフィルターの洗浄に利用することができる。
フィルターの構造は特に制限されない。例えば、多孔質体、中空糸の集合体等であってもよい。
【0026】
(撹拌装置)
生物処理槽は、枠体の外側の混合物を撹拌する撹拌装置を備えてもよい。
撹拌装置を用いて枠体の外側の混合物を撹拌することで、混合物に含まれる脱窒菌と亜硝酸及び硝酸との接触が促進され、脱窒反応が促進される。
撹拌装置の構造は特に制限されない。例えば、撹拌装置は撹拌子を回転させて撹拌を行うものであっても、エアレーションにより撹拌を行うものであってもよい。
撹拌装置を設置する場所は、枠体の外側の混合物を撹拌できる場所であれば特に制限されない。例えば、撹拌装置は槽の底部に設置されてもよい。
【0027】
(その他の装置)
必要に応じ、生物処理槽は上述した装置以外の装置を備えてもよい。
生物処理槽は、枠体の外側に空気を供給するエアレーション装置を備えてもよい。
エアレーション装置を用いて枠体の外側に空気を供給することで、例えば、枠体の外側における微生物の状態のバランスを良好に維持することができる。
枠体の外側に配置されるエアレーション装置は、例えば、一定時間の駆動と一定時間の休止とを交互に繰り返すものであってもよい。
【0028】
生物処理槽は、生物処理を構成する装置の動作を制御する制御装置を備えてもよい。
制御装置を用いて生物処理を構成する装置の動作を制御することで、例えば、生物処理槽内の環境を生物処理に適した状態に維持することができる。
制御装置として具体的には、生物処理槽の内部の混合物の情報(微生物濃度、アンモニア濃度、亜硝酸濃度、硝酸濃度、溶存酸素濃度、有機物濃度、pH、温度等)を取得するセンサー、取得した情報に応じて生物処理を構成する装置の駆動状態と休止状態とを切り替えるスイッチなどが挙げられる。
【0029】
(生物処理槽の構成例)
生物処理槽の構成の一例について、図面を参照して説明する。図面に示す構成は概念的なものであり、本開示は図面に示された構成に限定されるものではない。
【0030】
図1は生物処理槽の構成の一例を示す概念図である。
図1に示す生物処理槽10は、生物処理の対象物と微生物との混合物1を収容する槽2と、槽2の一部を区画する枠体3と、枠体3の内側に空気を供給するエアレーション装置4と、枠体3の内側に配置されるフィルター5と、枠体3の外側に配置される撹拌装置6と、を備えている。
【0031】
槽2の一部を区画する枠体3は両端が開いている筒状であり、槽2の底面と枠体3の下端との間、及び混合物1の液面と枠体3の上端との間に隙間が生じるように設置されている。このため、混合物1が枠体3の内側と外側とを流通可能である。
【0032】
枠体3の内側に配置されるエアレーション装置4は、枠体3の内部に空気を供給する。エアレーション装置4により供給される空気は、枠体3の内部に酸素を存在させ、硝化菌による硝化反応が生じる状態にする。さらに、エアレーション装置4により供給される空気はエアリフト効果によって混合物1が枠体3の内側から外側に移動するのを促進する。
【0033】
枠体3の内側に配置されるフィルター5は、槽2から混合物1を取り出す際に混合物2に含まれる微生物と生物処理後の対象物とを分離する。槽2からの混合物1の取り出しは、フィルター5に連結したポンプ(図示せず)を用いて混合物1を吸い上げることで行われる。吸い上げられた混合物1は、フィルター5を通過する際に微生物と処理後の対象物とに分離され、生物処理後の対象物のみが槽2から取り出される。
【0034】
枠体3の外側に配置される撹拌装置6は、混合物1を撹拌して対流を生じさせる。これにより、枠体3の内部から移動した混合物1に含まれる亜硝酸及び硝酸と脱窒菌との接触を促進し、脱窒反応を促進する。
【0035】
(生物処理槽の用途)
生物処理槽の用途は、特に制限されない。
生物処理槽の用途としては、トイレ、台所、浴室等から排出される生活排水、都市排水、農業排水、工業排水等の浄化処理が挙げられる。
本開示の生物処理槽は省スペース化に適しているため、住宅のような設置面積が比較的小さい用途に特に好適である。
【0036】
<水浄化システム>
本開示の水浄化システムは、上述した生物処理槽を備える。
水浄化システムは、生物処理槽のみからなっても、生物処理槽と生物処理槽以外の槽とを備えてもよい。
生物処理槽以外の槽として具体的には、生物処理の対象物に含まれる固体成分と液体成分とを分離するための槽、生物処理後の対象物に含まれる微生物と生物処理後の対象物とを分離するための槽、生物処理後の対象物を貯留するための槽等が挙げられる。
【0037】
生物処理の対象物に含まれる固体成分と液体成分とを分離するための槽は、例えば、生物処理槽に供給される対象物に含まれる有機物の濃度を調節して生物処理槽の生物処理の効率を良好に維持する。対象物に含まれる固体成分と液体成分とを分離する方法としては、固体成分を沈殿させる方法、フィルターを通過させる方法などが挙げられる。
生物処理槽が生物処理の対象物に含まれる固体成分と液体成分とを分離する機能を備えていてもよい。
【0038】
生物処理後の対象物に含まれる微生物と生物処理後の対象物とを分離するための槽は、例えば、生物処理後の対象物とともに微生物が水浄化システムの外に流出するのを防止する。対象物に含まれる微生物と生物処理後の対象物とを分離する方法としては、微生物を沈殿させる方法、フィルターを通過させる方法などが挙げられる。
生物処理槽が生物処理後の対象物に含まれる微生物と処理後の対象物とを分離する機能を備えていてもよい。
【0039】
生物処理後の対象物を貯留するための槽は、例えば、生物処理後の対象物を放出するタイミングを調節する。
生物処理槽が生物処理後の対象物を貯留する機能を備えていてもよい。
【0040】
水浄化システムは、生物処理後の対象物を脱色する機構を備えてもよい。
生物処理後の対象物を脱色する機構としては、オゾン発生装置、活性炭等が挙げられる。
生物処理後の対象物を脱色する機構は、例えば、生物処理後の対象物を貯留するための槽に設けられてもよい。
【0041】
水浄化システムは、生物処理後の対象物を消毒する機構を備えてもよい。例えば、生物処理後の対象物に塩素等の薬品を添加する機構を備えてもよい。
生物処理後の対象物を消毒する機構は、例えば、生物処理後の対象物を貯留するための槽に設けられてもよい。
【0042】
水浄化システムは、生物処理の対象物に微生物又は微生物の栄養源を添加する機構を備えてもよい。
【0043】
水浄化システムは、生物処理後の対象物を浄化する機構を備えてもよい。
生物処理後の対象物を浄化することで、生物処理後の対象物の不純物含有率を所望の基準まで低下させることができる。
生物処理後の対象物を浄化する機構の種類は特に制限されず、生物処理後の対象物の用途、要求される純度等に応じて選択できる。具体的には、逆浸透膜(RO膜)、限外ろ過膜(UF膜)、精密ろ過膜(MF膜)、活性炭等が挙げられる。
水浄化システムは、上記機構で浄化された対象物を貯留するための槽を備えていてもよい。
【0044】
水浄化システムは、循環式であっても循環式でなくてもよい。
本開示において水浄化システムが循環式であるとは、生物処理の対象となる対象物の供給元に生物処理後の対象物の全部又は一部を戻すことを意味する。
循環式の水浄化システムとして具体的には、水洗トイレからの排水を生物処理した後に、生物処理後の排水を水洗トイレの洗浄水として再利用するシステム(循環式水洗トイレ)が挙げられる。
【0045】
<水浄化方法>
本開示の水浄化方法は、上述した生物処理槽に生物処理の対象物を供給する工程を含む。
【0046】
水浄化方法は、生物処理の対象物に含まれる固体成分と液体成分とを分離する工程を備えてもよい。対象物に含まれる固体成分と液体成分とを分離する方法としては、固体成分を沈殿させる方法、フィルターを通過させる方法などが挙げられる。
【0047】
水浄化方法は、生物処理後の対象物に含まれる微生物と生物処理後の対象物とを分離する工程を備えてもよい。対象物に含まれる微生物と生物処理後の対象物とを分離する方法としては、微生物を沈殿させる方法、フィルターを通過させる方法などが挙げられる。
【0048】
水浄化方法は、生物処理後の対象物を貯留する工程を備えてもよい。
【0049】
水浄化システムは、生物処理後の対象物を脱色する工程を備えてもよい。生物処理後の対象物を脱色する方法としては、オゾンを生物処理後の対象物に供給する方法、生物処理後の対象物を活性炭に接触させる方法等が挙げられる。
【0050】
水浄化方法は、生物処理後の対象物を消毒する工程を備えてもよい。例えば、生物処理後の対象物に塩素等の薬品を添加する工程を備えてもよい。
【0051】
水浄化方法は、生物処理の対象物に微生物又は微生物の栄養源を添加する機構を備えてもよい。
【0052】
水浄化方法は、循環式であっても循環式でなくてもよい。
循環式の水浄化方法として具体的には、水洗トイレからの排水を生物処理した後に生物処理後の排水を水洗トイレの洗浄水として再利用する方法が挙げられる。
【符号の説明】
【0053】
1:混合物、2:槽、3:枠体、4:エアレーション装置、5:フィルター、6:撹拌装置、10:生物処理槽
図1