(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023121662
(43)【公開日】2023-08-31
(54)【発明の名称】包装箱
(51)【国際特許分類】
B65D 5/54 20060101AFI20230824BHJP
B65D 5/02 20060101ALI20230824BHJP
【FI】
B65D5/54 301J
B65D5/54 301E
B65D5/02 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022025124
(22)【出願日】2022-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】390022895
【氏名又は名称】株式会社トーモク
(74)【代理人】
【識別番号】100159628
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 雅比呂
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 貴史
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB05
3E060BA03
3E060BC02
3E060CB16
3E060CB24
3E060CE04
3E060CE07
3E060CE15
3E060CE18
3E060CE19
3E060CE22
3E060CF05
3E060DA22
3E060EA06
(57)【要約】
【課題】従来の包装箱の利点を備えつつ、意図せず商品がこぼれ出ることを防止することができる包装箱を提供する。
【解決手段】包装箱1は、直方体状であって、所謂ラップアラウンドケースタイプである。内フラップ33に外側から接する下外フラップ32は、内フラップ33に非固定であって、下外フラップ32に外側から接する上外フラップ31は、下外フラップ32に接着されている。天板4には、扉折目線dと、扉折目線dの両端を繋ぐ扉破断可能線41と、扉破断可能線41の端部から隣接する天板4の隅部まで延びる開放破断可能線44と、が設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
角筒状の胴部と、前記胴部の開放端を閉塞する閉塞部とを有する包装箱であって、
前記胴部は、天板、前記天板と対向する底板、及び、前記天板と前記底板とを繋ぐ側板がそれぞれ胴部折目線を介して連設されることで構成され、
前記天板及び前記底板には、前記胴部の開放端側の両端に外フラップ折目線を介して外フラップが連設され、
前記側板には、前記胴部の開放端側の両端に内フラップ折目線を介して内フラップが連設され、
前記閉塞部は、前記内フラップ折目線で内方に折り曲げられた前記内フラップと、前記天板及び前記底板に連設された一方の外フラップであって、前記外フラップ折目線で内方に折り曲げられて前記内フラップに外側から接する状態で該内フラップに非固定の外フラップと、前記天板及び前記底板の他方に連設された外フラップであって、前記外フラップ折目線で内方に折り曲げられて該非固定の外フラップに外側から接する状態で該非固定の外フラップに固定された外フラップと、によって閉塞され、
前記天板には、前記外フラップ折目線に沿って延びる扉折目線と、該扉折目線の両端を繋いで該外フラップ折目線から離れる方向に凸状に延びる扉破断可能線と、該扉破断可能線の端部から該扉破断可能線の端部に隣接する前記天板の隅部または該扉破断可能線の端部に隣接する前記外フラップの端縁まで延びる開放破断可能線と、が設けられていることを特徴とする包装箱。
【請求項2】
請求項1記載の包装箱において、
前記天板は、前記胴部の開放端側の両端のそれぞれに扉折目線と前記扉破断可能線と前記開放破断可能線とを有し、両扉破断可能線は、少なくとも一部で接していることを特徴とする包装箱。
【請求項3】
請求項1または2に記載の包装箱において、
前記扉破断可能線は、前記天板の側端同士を繋ぐ第1扉破断可能線と、前記第1扉破断可能線の両端から前記天板の側端に沿って延びる一対の第2扉破断可能線と、を有することを特徴とする包装箱。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の包装箱において、
前記扉折目線は、前記外フラップ折目線上に沿って該外フラップ折目線の長さ方向の中間部に形成されていることを特徴とする包装箱。
【請求項5】
角筒状の胴部と、前記胴部の開放端を閉塞する閉塞部とを有する包装箱であって、
前記胴部は、天板、前記天板と対向する底板、及び、前記天板と前記底板とを繋ぐ側板がそれぞれ胴部折目線を介して連設されることで構成され、
前記天板及び前記底板の一方には、前記胴部の開放端側の両端に外フラップ折目線を介して外フラップが連設され、
前記外フラップは、その先端に差込折目線を介して差込片を有し、
前記側板には、前記胴部の開放端側の両端に内フラップ折目線を介して内フラップが連設され、
前記閉塞部は、前記内フラップ折目線で内方に折り曲げられた前記内フラップと、前記外フラップであって、前記外フラップ折目線で内方に折り曲げられ前記内フラップに外側から接する状態で該内フラップに非固定の外フラップと、該外フラップの先端に設けられ、前記天板及び前記底板の他方と該内フラップとの隙間に挿入される前記差込片と、によって閉塞され、
前記天板には、前記外フラップ折目線に沿って延びる扉折目線と、該扉折目線の両端を繋いで該外フラップ折目線から離れる方向に凸状に延びる扉破断可能線と、該扉破断可能線の端部から該扉破断可能線の端部に隣接する前記天板の隅部または該扉破断可能線の端部に隣接する前記外フラップの端縁まで延びる開放破断可能線と、が設けられていることを特徴とする包装箱。
【請求項6】
角筒状の胴部と、前記胴部の開放端を閉塞する閉塞部とを有する包装箱であって、
前記胴部は、天板、前記天板と対向する底板、及び、前記天板と前記底板とを繋ぐ側板がそれぞれ胴部折目線を介して連設されることで構成され、
前記天板及び前記底板には、前記胴部の開放端側の端部に外フラップ折目線を介して外フラップが連設され、
前記側板には、前記胴部の開放端側の端部に内フラップ折目線を介して内フラップが連設され、
前記閉塞部は、前記内フラップ折目線で内方に折り曲げられた前記内フラップと、前記天板及び前記底板に連設された一方の外フラップであって、前記外フラップ折目線で内方に折り曲げられて前記内フラップに外側から接する状態で該内フラップに非固定の外フラップと、前記天板及び前記底板の他方に連設された外フラップであって、前記外フラップ折目線で内方に折り曲げられて該非固定の外フラップに外側から接する状態で該非固定の外フラップに固定された外フラップと、によって閉塞され、
前記天板には、前記外フラップ折目線に沿って延びる扉折目線と、該扉折目線の両端を繋いで該外フラップ折目線から離れる方向に凸状に延びる扉破断可能線と、が設けられ、
前記天板または前記側板には、前記扉破断可能線の端部から、該天板及び該側板の前記胴部の開放端側の端部であって前記外フラップ及び前記内フラップに挟まれる領域まで延びる開放破断可能線が設けられていることを特徴とする包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、箱の一部が開封時に破断される包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の商品を収容できる直方体状のラップアラウンドケースタイプの包装箱が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
この包装箱は、前板、後板、天板及び底板などが一体に形成されている。また、この包装箱は、前板の左右端部から内方にそれぞれ折れ曲がるように連設された一対の第1内フラップと、後板の左右端部から内方にそれぞれ折れ曲がるように連設された一対の第2内フラップと、を備えている。
【0004】
また、この包装箱は、底板の左右端部から内方にそれぞれ折れ曲がるように連設され、一対の第1内フラップ及び一対の第2内フラップの外側に配置されるとともに、一対の第1内フラップに非固定の一対の第1外フラップと、天板の左右端部から内方にそれぞれ折れ曲がるように連設され、一対の第1外フラップにそれぞれ外側から接する状態で固定された一対の第2外フラップと、を備えている。
【0005】
そして、第1内フラップは、前側の角部が円弧状に切り欠かれた形状を有するとともに、天板には、包装箱の開封時において天板を破断するための破断可能線が形成されており、この破断可能線は、天板の前板側の両隅部を繋ぐとともに後板側に向かって凸状に延びている。
【0006】
これにより、この包装箱は、包装箱の開封時に、作業者が破断可能線に沿って天板の一部を破断し、それを手前側に引くことで、天板、前板及び一対の第1内フラップを一体的に手前に回動させることができ、包装箱の天板及び前板の両方を一気に開封することができる。
【0007】
そのため、例えば、開封した包装箱の前面を下方に傾けることで、収納した商品をまとめて商品棚や冷凍庫などに移し出すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特に、収容した商品が自立しない場合において、開封した包装箱から商品の一部を取り出したいときや、開封した包装箱をトレーとして用いたいときに、上記従来の包装箱では、商品が意図せず包装箱からこぼれて出てしまうという問題がある。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するものであって、従来の包装箱の利点を備えつつ、意図せず商品がこぼれ出ることを防止することができる包装箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる目的を達成するために、本発明の第1の包装箱は、角筒状の胴部と、前記胴部の開放端を閉塞する閉塞部とを有する包装箱であって、前記胴部は、天板、前記天板と対向する底板、及び、前記天板と前記底板とを繋ぐ側板がそれぞれ胴部折目線を介して連設されることで構成され、前記天板及び前記底板には、前記胴部の開放端側の両端に外フラップ折目線を介して外フラップが連設され、前記側板には、前記胴部の開放端側の両端に内フラップ折目線を介して内フラップが連設され、前記閉塞部は、前記内フラップ折目線で内方に折り曲げられた前記内フラップと、前記天板及び前記底板に連設された一方の外フラップであって、前記外フラップ折目線で内方に折り曲げられて前記内フラップに外側から接する状態で該内フラップに非固定の外フラップと、前記天板及び前記底板の他方に連設された外フラップであって、前記外フラップ折目線で内方に折り曲げられて該非固定の外フラップに外側から接する状態で該非固定の外フラップに固定された外フラップと、によって閉塞され、前記天板には、前記外フラップ折目線に沿って延びる扉折目線と、該扉折目線の両端を繋いで該外フラップ折目線から離れる方向に凸状に延びる扉破断可能線と、該扉破断可能線の端部から該扉破断可能線の端部に隣接する前記天板の隅部または該扉破断可能線の端部に隣接する前記外フラップの端縁まで延びる開放破断可能線と、が設けられていることを特徴とする。
【0012】
本発明の第1の包装箱では、天板に、外フラップ折目線に沿って延びる扉折目線と、扉折目線の両端を繋いで外フラップ折目線から離れる方向に凸状に延びる扉破断可能線とが設けられている。そのため、作業者が、天板を扉破断可能線で破断して、扉破断可能線と扉折目線とで囲まれる領域(以下、単に「扉部」という。)を、包装箱の外方に引っ張ることよって扉破断可能線を徐々に破断させるとともに、扉折目線で回動させて折り曲げることにより、天板の一部を開封することができる。
【0013】
よって、本発明の第1の包装箱によれば、包装箱の四方が一対の側板及び一対の閉塞部で囲まれている状態で、天板のみを開封することができるため、意図せず商品がこぼれ出ることを防止することができる。
【0014】
また、本発明の第1の包装箱では、天板に、扉破断可能線の端部から扉破断可能線の端部に隣接する天板の隅部または扉破断可能線の端部に隣接する外フラップの端縁まで延びる開放破断可能線が設けられている。そのため、扉部を引っ張ることによって、開放破断可能線に沿って、扉破断可能線の端部に隣接する天板の隅部または扉破断可能線の端部に隣接する外フラップの端縁まで天板が破断される。
【0015】
その際、破断され切り離された天板は外フラップ折目線を介して天板側の外フラップに連設され、天板側の外フラップは底板側の外フラップに固定されているが、両外フラップはいずれも内フラップに対して非固定の状態にあるので、切り離された天板及び両外フラップは、一体的に底板側の外フラップ折目線で回動することができる。そして、外側で接していた外フラップが取り去られた内フラップは、内フラップ折目線で折り戻すことができる。
【0016】
よって、本発明の第1の包装箱によれば、天板だけでなく閉塞部も開封することができる。
【0017】
本発明の第1の包装箱において、前記天板は、前記胴部の開放端側の両端のそれぞれに扉折目線と前記扉破断可能線と前記開放破断可能線とを有し、両扉破断可能線は、少なくとも一部で接していることが好ましい。
【0018】
この構成を備える包装箱によれば、両側の扉部を開口させることで天板を広く開封することができるため、商品を取り出しやすい。
【0019】
また、両方の開放破断可能線で天板を破断することで、両方の閉塞部を開封することができる。また、両扉破断可能線は一部で接しているため、天板は両扉破断可能線により分断される。つまり、両側板は、切り残された天板によって繋がれていない状態になるため、底板側の胴部折目線で回動できる。
【0020】
よって、この構成を備える包装箱によれば、包装箱を全展開して、廃棄点数を「1」にすることができる。また、全展開された包装箱は、平板状に戻るため、廃棄品が嵩張りにくくすることができる。
【0021】
本発明の第1の包装箱において、前記扉破断可能線は、前記天板の側端同士を繋ぐ第1扉破断可能線と、前記第1扉破断可能線の両端から前記天板の側端に沿って延びる一対の第2扉破断可能線と、を有することが好ましい。
【0022】
この構成を備える包装箱によれば、天板を広く開封することができるため、商品を取り出しやすい。また、第2扉破断可能線と胴部折目線とが一致するため、平板から包装箱を作る際、胴部折目線で折り曲げて角筒状の胴部を作るときに、誤って天板が扉破断線で折れ曲がることを防止することができる。
【0023】
本発明の第1の包装箱において、前記扉折目線は、前記外フラップ折目線上に沿って該外フラップ折目線の長さ方向の中間部に形成されていることが好ましい。
【0024】
この構成を備える包装箱によれば、扉折目線を別途天板に設ける必要がない。また、開封前の製函時に折り癖がつけられている外フラップ折目線を扉折目線として活用するため、天板を両扉破断可能線で破断させただけで、容易に扉部(扉破断可能線と扉折目線とで囲まれる領域)を開くことができる。
【0025】
また、扉部を開けて天板のみを開封してときには、扉折目線から外フラップ折目線の両端方向に向かって未破断の天板が残る。そのため、扉部を開けた包装箱を積み重ねる際に、この未破断の天板が桟部となるので、容易に積み重ねることができる。
【0026】
本発明の第2の包装箱は、角筒状の胴部と、前記胴部の開放端を閉塞する閉塞部とを有する包装箱であって、前記胴部は、天板、前記天板と対向する底板、及び、前記天板と前記底板とを繋ぐ側板がそれぞれ胴部折目線を介して連設されることで構成され、前記天板及び前記底板の一方には、前記胴部の開放端側の両端に外フラップ折目線を介して外フラップが連設され、前記外フラップは、その先端に差込折目線を介して差込片を有し、前記側板には、前記胴部の開放端側の両端に内フラップ折目線を介して内フラップが連設され、前記閉塞部は、前記内フラップ折目線で内方に折り曲げられた前記内フラップと、前記外フラップであって、前記外フラップ折目線で内方に折り曲げられ前記内フラップに外側から接する状態で該内フラップに非固定の外フラップと、該外フラップの先端に設けられ、前記天板及び前記底板の他方と該内フラップとの隙間に挿入される前記差込片と、によって閉塞され、前記天板には、前記外フラップ折目線に沿って延びる扉折目線と、該扉折目線の両端を繋いで該外フラップ折目線から離れる方向に凸状に延びる扉破断可能線と、該扉破断可能線の端部から該扉破断可能線の端部に隣接する前記天板の隅部または該扉破断可能線の端部に隣接する前記外フラップの端縁まで延びる開放破断可能線と、が設けられていることを特徴とする。
【0027】
本発明の第2の包装箱において、天板を開封する際の手順及び作用・効果は、第1の包装箱と同様である。
【0028】
他方、天板に外フラップが連設されている場合、扉部を引っ張って天板を破断させると、これに繋がっている該外フラップの先端の差込片が底板と内フラップとの隙間から抜去され、取り外された天板及び外フラップが一体的に取り外される。そして、外側で接していた外フラップが取り去られた内フラップは、内フラップ折目線で折り戻すことができる。
【0029】
同様に、底板に外フラップが連設されている場合、破断された天板が取り去られると、外フラップの先端の差込片は天板と内フラップとの隙間で挟まれた状態から解放されるので、外フラップを外フラップ折目線で折り戻し、内フラップを内フラップ折目線で折り戻すことができるので、第2の包装箱によれば、閉塞部が開封される。
【0030】
よって、第2の包装箱によれば、天板だけでなく閉塞部も開封できる。
【0031】
本発明の第3の包装箱は、角筒状の胴部と、前記胴部の開放端を閉塞する閉塞部とを有する包装箱であって、前記胴部は、天板、前記天板と対向する底板、及び、前記天板と前記底板とを繋ぐ側板がそれぞれ胴部折目線を介して連設されることで構成され、前記天板及び前記底板には、前記胴部の開放端側の端部に外フラップ折目線を介して外フラップが連設され、前記側板には、前記胴部の開放端側の端部に内フラップ折目線を介して内フラップが連設され、前記閉塞部は、前記内フラップ折目線で内方に折り曲げられた前記内フラップと、前記天板及び前記底板に連設された一方の外フラップであって、前記外フラップ折目線で内方に折り曲げられて前記内フラップに外側から接する状態で該内フラップに非固定の外フラップと、前記天板及び前記底板の他方に連設された外フラップであって、前記外フラップ折目線で内方に折り曲げられて該非固定の外フラップに外側から接する状態で該非固定の外フラップに固定された外フラップと、によって閉塞され、前記天板には、前記外フラップ折目線に沿って延びる扉折目線と、該扉折目線の両端を繋いで該外フラップ折目線から離れる方向に凸状に延びる扉破断可能線と、が設けられ、前記天板または前記側板には、前記扉破断可能線の端部から、該天板及び該側板の前記胴部の開放端側の端部であって前記外フラップ及び前記内フラップに挟まれる領域まで延びる開放破断可能線が設けられていることを特徴とする。
【0032】
上述した第1の包装箱及び第2の包装箱では、開放破断可能線として、該扉破断可能線の端部から該扉破断可能線の端部に隣接する天板の隅部または該扉破断可能線の端部に隣接する外フラップの端縁まで延びるものを説明したが、開放破断可能線は、第3の包装箱のように、天板及び側板の胴部の開放端側の端部であって外フラップ及び内フラップに挟まれる領域まで延びるものであってもよい。
【0033】
要するに、扉部を引っ張ることによって、天板の端部であって外フラップが設けられていない位置まで天板が開放破断可能線に沿って破断され、あるいは、側板の端部であって内フラップが設けられていない位置まで天板及び側板が開放破断可能線に沿って破断されれば、取り外された天板及び両外フラップは、一体的に底板側の外フラップ折目線で回動できる。
【0034】
よって、本発明の第3の包装箱によれば、天板だけでなく閉塞部も開封することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る包装箱の外観を示す斜視図である。
【
図2】第1実施形態に係る包装箱の組立て前の構成を示す平面図である。
【
図3】天板を開封したときの第1実施形態に係る包装箱を示す斜視図である。
【
図4】閉塞部を開封したときの第1実施形態に係る包装箱を示す斜視図である。
【
図5】展開後の第1実施形態に係る包装箱を示す平面図である。
【
図6】本発明の第2実施形態に係る包装箱の外観を示す斜視図である。
【
図7】第2実施形態に係る包装箱の組立て前の構成を示す平面図である。
【
図8】天板を開封したときの第2実施形態に係る包装箱を示す斜視図である。
【
図9】閉塞部を開封したときの第2実施形態に係る包装箱を示す斜視図である。
【
図10】展開後の第2実施形態に係る包装箱を示す平面図である。
【
図11】本発明の第3実施形態及び第4実施形態に係る包装箱の組立て前の構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
[第1実施形態]
以下、
図1~5を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る包装箱1について説明する。
図1に示すように、第1実施形態の包装箱1は、外観が直方体状に形成されたラップアラウンドケースタイプのものである。包装箱1では、例えば、棒アイスなどの積み上げたときに崩れやすい商品が内部に収納されるとともに、開封時には箱の一部が破断される。
【0037】
包装箱1は、四角筒状の胴部2と、胴部2の開放端を閉塞する閉塞部3とを有する。胴部2は、天板4、底板5、及び、側板6,6を備えている。天板4、底板5、及び、側板6,6は、いずれも略矩形状に形成されている。
【0038】
天板4には、開封時において、閉塞部3側に向かって回動する一対の扉部7を有する。扉部7には、開封時において手指を差し込む破断開始部8が、扉部7の先端側にそれぞれ形成されている。
【0039】
包装箱1は、
図2に示すほぼ矩形状の段ボール板紙1xを原紙から打抜いて形成した後、これを折り曲げて組み立てられる。以下、
図2を参照しながら、段ボール板紙1xの構成について説明する。
【0040】
図2に示すように、段ボール板紙1xは、右側から、側板6、底板5、側板6、天板4、接着片9の順で、それぞれ胴部折目線aを介して連設されている。
【0041】
天板4には、その上下端に、上外フラップ折目線b1を介して上外フラップ31がそれぞれ連設されている。上外フラップ31は、いずれも略矩形状に形成されている。
【0042】
底板5には、その上下端に、下外フラップ折目線b2を介して下外フラップ32がそれぞれ連設されている。下外フラップ32は、いずれも略矩形状に形成されている。
【0043】
側板6には、その上下端に、内フラップ折目線cを介して内フラップ33がそれぞれ連設されている。内フラップ33は、いずれも略矩形状に形成されている。内フラップ33の横幅は、上外フラップ31及び下外フラップ32の高さ(
図2における上下方向の長さ)とほぼ同一乃至同程度に形成されている。
【0044】
天板4には、その上下端に隣接する一対の扉折目線dがそれぞれ設けられている。扉折目線dは、天板4の左右端を繋ぐように、上外フラップ折目線b1に沿って平行に延びている。扉折目線dは、上外フラップ折目線b1に対して所定の間隔を有して延びている。
【0045】
天板4には、扉折目線dの両端を繋ぐ一対の扉破断可能線41が形成されている。扉破断可能線41は、上外フラップ折目線b1から離れる方向に凸状に延びて、第1実施形態では略倒「コ」の字状に形成されている。扉折目線dとその両端を繋ぐ扉破断可能線41とによって、上述した扉部7が構成される。
【0046】
扉破断可能線41は、天板4の左右端を繋ぐ第1扉破断可能線42と、第1扉破断可能線42の両端から天板4の左右端上に沿って扉折目線dの端部まで延びる一対の第2扉破断可能線43と、を有する。第1実施形態では、一対の扉破断可能線41が形成されているが、第1扉破断可能線42において完全に重複している。言い換えれば、1本の第1扉破断可能線42を共有し、この両端から計4本の第2扉破断可能線43が延びることで、2本の扉破断可能線41が形成されている。
【0047】
第1扉破断可能線42は、その左右方向の中央に、天板4の上下端に沿って平行に延びる中央第1扉破断可能線42aと、中央第1扉破断可能線42aの右端から天板4の右端まで右下がりに直線状に延びる右第1扉破断可能線42bと、中央第1扉破断可能線42aの左端から天板4の左端まで左上がりに直線状に延びる左第1扉破断可能線42cと、を有する。
【0048】
天板4には、中央第1扉破断可能線42aを上下方向から挟むように一対の手穴折目線eが設けられている。手穴折目線eは、中央第1扉破断可能線42aに沿って平行に形成されている。
【0049】
天板4には、手穴折目線eの左右端から中央第1扉破断可能線42aまで弧状に延びる手穴破断可能線81がそれぞれ設けられている。1本の手穴折目線eとその両端から延びる一対の手穴破断可能線81とによって、上述した破断開始部8が構成される。
【0050】
天板4には、扉破断可能線41の端部(第2扉破断可能線43の第1扉破断可能線42が接続されていない側の端部)から、隣接する天板4の隅部まで延びる開放破断可能線44が設けられている。開放破断可能線44は、天板4の左右端上に沿って形成されている。
【0051】
次に、以上の
図2に示す段ボール板紙1xから、
図1に示す包装箱1を組み立てる手順について説明する。
【0052】
まず、作業者によって、段ボール板紙1xが例えば台(図示せず)に載置され、複数の商品(図示せず)が底板5上に整列させた状態で載置される。
【0053】
次いで、
図2において、底板5の右側に配置されている側板6が胴部折目線aで折り曲げられる。そして、右側の側板6の外面に、接着剤G(
図2参照)が塗布される。
【0054】
次いで、底板5の左側に配置されている胴部折目線aで順次折り曲げることで、左側の側板6が底板5に対して起立され、天板4が底板5に平行にされ、接着片9が垂下される。そして、接着片9の内面が接着剤Gを介して右側の側板6の外面に固定されることで、胴部2が組み立てられる。
【0055】
次いで、内フラップ33が、内フラップ折目線cで胴部2の内方に向かって、側板6に対し直角に折り曲げられる。そして、下外フラップ32が、下外フラップ折目線b2で上方に折り曲げられ、底板5から直角に起立される。これにより、下外フラップ32は内フラップ33に対して外側から接するが、両者は接着されておらず、下外フラップ32は非固定の状態で内フラップ33を保持する。
【0056】
次いで、下外フラップ32の外面に接着剤G(
図2参照)が塗布され、上外フラップ31が上外フラップ折目線b1で下方に折り曲げられ、上外フラップ31の内面が接着剤Gを介して下外フラップ32の外面に固定される。これにより、胴部2の開放端が閉塞され、閉塞部3が形成される。
【0057】
以上により、商品を内蔵した包装箱1の組み立てが終了し、
図1に示す状態の包装箱1が完成する。
【0058】
次に、
図3~5を参照しながら、第1実施形態の包装箱1の開封作業について説明する。なお、
図3及び4では、理解の容易化のために、商品が省略された状態を示している。
【0059】
第1に、包装箱1の天板4を開封する作業を説明する。
【0060】
まず、作業者は、
図1に示す未開封の包装箱1の破断開始部8に指を差し込む。これにより、天板4は、中央第1扉破断可能線42a及び手穴破断可能線81に沿って破断されるとともに手穴折目線eで山折りされて、破断開始部8が開口される。
【0061】
次いで、作業者が、破断開始部8に指をかけて、扉部7を互いに離間する方向に引き上げる。これにより、天板4は、扉破断可能線41に沿って、(具体的には、右第1扉破断可能線42b及び左第1扉破断可能線42c、第2扉破断可能線43の順番で)破断される。さらに、天板4は、扉破断可能線41の両端を結ぶ扉折目線dで折り曲げられる。
【0062】
これにより、天板4は、一対の扉部7が開いた状態にされるので、包装箱1はその一部(天板4)が開封される。
【0063】
第2に、包装箱1の閉塞部3まで開封する作業を説明する。
【0064】
包装箱1天板4が開封された状態で、作業者は、
図4における手前側の扉部7をより手前に引く。これにより、天板4の手前側の残部(扉部7と上外フラップ折目線b1との間の領域)が、手前側の一対の開放破断可能線44に沿って破断される。これにより、天板4の手前側の半分が包装箱1から取り外される。
【0065】
そして、取り外された天板4には、上外フラップ折目線b1を介して上外フラップ31が連設され、この上外フラップ31の内面には下外フラップ32が固定されている。一方で、この下外フラップ32は内フラップ33に対して非固定の状態にある。そのため、天板4、上外フラップ31及び下外フラップ32は、一体的に下外フラップ折目線b2で回動できる。なお、内フラップ33は、外側で接していた下外フラップ32が取り去られたことで、内フラップ折目線cで折り戻すことができる。
【0066】
これにより、包装箱1は、天板4だけでなく閉塞部3まで開封される。
【0067】
第3に、包装箱1を廃棄するために展開する作業を説明する。
【0068】
包装箱1の天板4及び手前側の閉塞部3が開封された状態で、作業者は、
図4における奥側の扉部7をより奥側に引く。これにより、天板4の奥側の残部(扉部7と上外フラップ折目線b1との間の領域)が、手前側の一対の開放破断可能線44に沿って破断される。これにより、天板4の奥側の半分が包装箱1から取り外される。そして、取り外された天板4は、上記同様に、上外フラップ31及び下外フラップ32と一体的に下外フラップ折目線b2で回動される。
【0069】
さらに、一対の側板6は、これを支持していた天板4及び内フラップ33を介して支持していた下外フラップ32が取り去られたことで、胴部折目線aで折り戻すことができる。
【0070】
これにより、包装箱1は、底板5を中心とした略十字形状に展開される。
【0071】
次に、第1実施形態の包装箱1の作用・効果について説明する。
【0072】
第1実施形態の包装箱1は、扉部7を構成する第2扉破断可能線43が胴部折目線a上で一致して延びるため、段ボール板紙1xを胴部折目線aで折り曲げて胴部2を作るときに、誤って天板4が他の箇所に形成された第2扉破断可能線43に沿って折れ曲がってしまうことを防止することができる。
【0073】
同様に、右第1扉破断可能線42bと左第1扉破断可能線42cとは平行に延びているが、中央第1扉破断可能線42aを挟むことで、第1扉破断可能線42は、全体として緩いクランク形状になっており、一直線になっていないことから胴部2を作る際に誤って折れることを防止することができる。
【0074】
第1実施形態の包装箱1は、内フラップ33の横幅と、上外フラップ31及び下外フラップ32の高さ(
図2の上下方向の長さ)とが、ほぼ同一乃至同程度に形成されているため、上外フラップ31及び下外フラップ32によって、閉塞部3がほぼ完全に封止され内部に埃やゴミなどが入りにくい。また、下外フラップ32で天板4を支えることができるため、箱の剛性を高めることができる。
【0075】
第1実施形態の包装箱1によれば、扉部7を互いに離間する方向に引き上げるだけで、扉部7を開口させ、天板4を開封することができる。このとき、第1実施形態の包装箱1では、破断開始部8が扉部7の先端側にそれぞれ形成され、開封時において手指を差し込むことができるので扉部7に指を掛けて引きやすい。
【0076】
また、この扉部7には、その基端に沿って扉折目線dが形成されているため、扉部7を引き上げた際にそこで折れ曲がるので、誤って天板4が四隅まで切れてしまうことを防止することができる。
【0077】
第1実施形態の包装箱1では、天板4のみを開口でき、天板4のみの開口であれば、包装箱1の四方が一対の側板6及び一対の閉塞部3で囲まれているので、積み重ねたときに崩れやすい商品であっても、意図せず商品がこぼれ出ることを防止することができ、この状態で商品を陳列することができる。
【0078】
また、扉部7を構成する第2扉破断可能線43は、天板4の左右端上に沿って延びているため、天板4の左右方向の全体を開封させることができる。これにより、天板4が広く開封されるため、商品が取り出しやすい。
【0079】
また、包装箱1から商品の一部を取り出して棚などに陳列し、扉部7を閉めることで包装箱1を再封緘することもできる。
【0080】
第1実施形態の包装箱1によれば、一方の扉部7を引っ張るだけで、一方の閉塞部3まで開封することができる。これにより、例えば、棒アイスを上側が開口された冷凍庫に移し替える際などに、包装箱1を傾けることで、全商品を一気に流し出すこともできる。特に、天板4を開封するときと閉塞部3まで開封するときとで、力を加える方向(引っ張る方向)が概ね同じであるため、取り扱いが容易である。
【0081】
また、第1実施形態の包装箱1では、他方の扉部7も引っ張れば、他方の閉塞部3まで開封することができる。そして、第1実施形態の包装箱1では、一対の扉破断可能線41が第1扉破断可能線42において重複しているため、天板4を扉破断可能線41及び開放破断可能線44に沿って破断すると、天板4における一対の側板6を繋ぐ箇所がなくなるので、一対の側板6を胴部折目線aで折り戻して平板状にして廃棄することができる。よって、全展開された包装箱1は、廃棄品として嵩張りにくい。
【0082】
また、天板4から取り外された扉部7は、連設された上外フラップ31及び接着剤Gを介して下外フラップ32に接続されているので、全展開された包装箱1は廃棄点数を「1」にすることができる。
【0083】
[第2実施形態]
図6~10を参照して、本発明の第2実施形態に係る包装箱20を説明する。なお、第1実施形態と実質的に同一部分には同符号を付して、その説明を省略する。より具体的には、第2実施形態に係る包装箱20は、天板4及び上外フラップ31に形成された折目線及び破断可能線の構成において第1実施形態と異なるため、以下、その点を説明する。
【0084】
図7に示すように、段ボール板紙20xにおける天板4と上外フラップ31との境界線に沿って上外フラップ折目線b1が形成されている。この上外フラップ折目線b1の左右端部を除いた中間部が、第2実施形態の扉折目線2dに相当する。つまり、扉折目線2dは、上外フラップ折目線b1上に沿って、上外フラップ折目線b1の中間部に形成されている。
【0085】
天板4には、扉折目線2dの両端を繋ぐ一対の扉破断可能線241が形成されている。扉破断可能線241は、天板4の左右端を繋ぐ第1扉破断可能線242と、第1扉破断可能線242の両端から天板4の左右端上に沿って延びる一対の第2扉破断可能線243aと、第2扉破断可能線243aの先端から扉折目線2dの端部まで互いに接近する方向に傾いて直線状に延びる一対の第3扉破断可能線243bと、を有する。第2実施形態の第1扉破断可能線242は、天板4の上下端に沿って平行に延びている。
【0086】
上外フラップ31には、扉破断可能線241の端部(第3扉破断可能線243bの第2扉破断可能線243aが接続されていない側の端部)から、上外フラップ31の側端まで延びる一対の開放破断可能線244が設けられている。一対の開放破断可能線244は、互いに離間する方向に傾いて直線状に延びている。第3扉破断可能線243bと開放破断可能線244とは、略直角をなして接続されている。接着剤Gは、開放破断可能線244と上外フラップ31の隅部とで囲まれる三角形状の領域に塗布されてはいけないので、前記三角形状の領域よりも上外フラップ31の中央寄りに塗布されることが好ましい。
【0087】
次に、
図8~10を参照しながら、第2実施形態の包装箱20の開封作業について説明する。なお、
図8及び9では、理解の容易化のために、商品が省略された状態を示している。
【0088】
第1に、包装箱20の天板4を開封する作業を説明する。
【0089】
まず、作業者は、
図6に示す未開封の包装箱1の破断開始部8に指を差し込む。これにより、天板4は、第1扉破断可能線242の中央部及び手穴破断可能線81に沿って破断されるとともに手穴折目線eで山折りされて、破断開始部8が開口される。
【0090】
次いで、作業者が、破断開始部8に指をかけて、扉部7を互いに離間する方向に引き上げる。これにより、天板4は、第1扉破断可能線242、第2扉破断可能線243a、第3扉破断可能線243bの順に扉破断可能線41に沿って破断される。さらに、天板4は、扉破断可能線41の両端を結ぶ扉折目線2dで折り戻されて起立される。
【0091】
これにより、天板4は、一対の扉部7が開いた状態にされるので、包装箱20は天板4のほぼ全面が開封される。より具体的には、天板4には、第3扉破断可能線243bと天板4の隅部とで囲まれる三角形状の領域だけが切り取られずに残り、この領域が桟部245となる。
【0092】
第2に、包装箱20の閉塞部3まで開封する作業を説明する。
【0093】
包装箱1の天板4が開封された状態で、作業者は、
図8における手前側の扉部7をより手前に引く。これにより、
図9に示すように、手前側の扉部7に上外フラップ折目線b1を介して連設された手前側の上外フラップ31が、一対の開放破断可能線244に沿って破断され、天板4、上外フラップ31及び下外フラップ32が一体的に下外フラップ折目線b2で回動される。
【0094】
以上により、包装箱20は、天板4だけでなく閉塞部3まで開封される。
【0095】
第3に、包装箱20を廃棄するために展開する作業であるが、この作業は、第1実施形態の包装箱1と同様であるため、説明を省略する。展開された包装箱20は、
図10に示すように、底板5を中心とした略十字形状に展開される。
【0096】
次に、第2実施形態の包装箱20の作用・効果について説明する。なお、第1実施形態と実質的に同一の作用・効果については、その説明を省略する。
【0097】
第2実施形態の包装箱20では、上外フラップ折目線b1の中間部を扉折目線2dとして用いるため、天板4に扉折目線を別途設ける必要がない。また、上外フラップ折目線b1は、製函時に折り曲げられているものであるため、天板4を扉破断可能線241に沿って破断させれば、扉部7は扉折目線2dで折り戻すだけで起立することになるので、扉部7を開く際にわざわざ扉折目線2dに沿って折癖をつける必要がない。
【0098】
また、第2実施形態の包装箱20では、天板4のうち四隅の桟部245を除いたほぼ全面が開封されるため、商品が取り出しやすい。四隅の桟部245が形成されるため、天板4を開封した包装箱20を上下に積み重ねることができる。
【0099】
[第3実施形態]
図11を参照して、段ボール板紙30xを用いて本発明の第3実施形態と第4実施形態とを説明する。具体的には、
図11に向かって天板4の上端部付近を用いて第3実施形態を説明し、天板4の下端部付近を用いて第4実施形態を説明する。なお、第1実施形態と実質的に同一部分には同符号を付して、その説明を省略する。
【0100】
まず、段ボール板紙30xの天板4の上端部付近をみると、上外フラップ331の横幅は天板4の横幅より小に設計されている。これにより、天板4の上端縁には、その左右端に、上外フラップ331が連設されていない開放端縁が形成されている。
【0101】
そして、上側の一対の開放破断可能線344は、扉破断可能線41の端部(第2扉破断可能線43の第1扉破断可能線42が接続されていない側の端部)から前記開放端縁まで、天板4の内側で互いに接近する方向に傾斜して延びている。
【0102】
かかる構成を備える第3実施形態の包装箱であっても、天板4を取り去れば、一体的に上外フラップ31及び下外フラップ32が回動されるため、第1実施形態の包装箱1と同様の作用・効果を奏することができる。
【0103】
他方、段ボール板紙30xの天板4の下端部付近をみると、内フラップ433の横幅は側板6の横幅より小に設計されている。これにより、側板6の下端縁には、天板4側の端部に、内フラップ433が連設されていない開放端縁が形成されている。
【0104】
そして、下側の一対の開放破断可能線444は、扉破断可能線41の端部(第2扉破断可能線43の第1扉破断可能線42が接続されていない側の端部)から側板6(側板6に固定される接着片9を含む)の前記開放端縁まで傾斜して延びている。
【0105】
かかる構成を備える第4実施形態の包装箱であっても、天板4を取り去れば、一体的に上外フラップ31及び下外フラップ32が回動されるため、第1実施形態の包装箱1と同様の作用・効果を奏することができる。
【0106】
すなわち、本発明の第3実施形態及び第4実施形態によれば、開放破断可能線44は、必ずしも天板4の隅部に向かって延びる必要はなく、天板4及び側板6の上下端縁のうち上外フラップ31と内フラップ33とで挟まれる領域、要するに上外フラップ31及び内フラップ33が設けられていない開放端縁に達していればよいことが理解される。
【0107】
[変形例]
上記実施形態では、材質として段ボールを例に説明したが、材質は、折り曲げて組み立て可能であるとともに破断可能線に沿って破断可能なものであれば、ボール紙や薄い合成樹脂板であってもよい。
【0108】
上記実施形態では、胴部2として、四角筒状のものを例に説明したが、胴部2は角筒状であれば、五角筒形状、六角筒形状等であってもよい。
【0109】
上記実施形態では、胴部2が横方向に延びて天板4を破断するものを例に説明したが、本発明の包装箱は、胴部2が縦方向に延びるように立てて用いることもでき、この場合には、4枚の側板のうちの1枚を破断することとなる。
【0110】
上記実施形態では、天板4に一対の扉部7を有するものを例に説明したが、扉部7の個数に限定はなく、1個でもよい。また、破断開始部8の形状に限定はなく、省略してもよい。
【0111】
上記実施形態では、一の閉塞部3が上外フラップ31及び下外フラップ32で構成されるものを例に説明したが、上外フラップ31及び下外フラップ32は、いずれか一方のみであってもよい。例えば、上外フラップ31のみを設けて下外フラップ32を省略する場合、例えば、上外フラップ31の先端に差込折目線を介して差込片を設けておき、底板5と内フラップ33,33との隙間に挿入することで、閉塞部3を構成することができる。
【0112】
この構成を備える包装箱であっても、扉部7を引っ張って天板4を破断させると、天板4に連設された上外フラップ31の先端の差込片が、底板5と内フラップ33,33との隙間から抜去され、扉部7及び上外フラップ31が一体的に取り外されるので、包装箱1及び包装箱20と同様の作用・効果を奏することができる。逆に、下外フラップ32のみを設けて上外フラップ31を省略する場合も、扉部7が天板4から取り去られると、下外フラップ32の先端の差込片は挟まれた状態から解放されるので、閉塞部3を開封することができる。
【0113】
上記実施形態では、上外フラップ31及び下外フラップ32は、互いに高さ方向のほぼ全域において重なる長さに設計されたものを例に説明したが、上外フラップ31及び下外フラップ32は互いに固定(接着)できれば足りるため、先端の一部において重なるものであってもよい。
【0114】
上記実施形態では、
図2、7,11における側板6の上下端に内フラップ33がそれぞれ連設されたものを例に説明したが、内フラップ33の形状に限定はなく、省略してもよい。
【0115】
上記実施形態では、扉折目線dとして、上外フラップ折目線b1に沿って平行に延びるものを例に説明したが、扉折目線dは上外フラップ折目線b1に対して傾斜して延びるものであってもよく、扉部7の左右方向の中央に破断可能線を追加して各扉部7を2つ分割すれば、V字状に延びるものにすることもできる。
【0116】
上記実施形態では、扉破断可能線41として屈曲したものを例に説明したが、扉破断可能線41は、湾曲していてもよく蛇行してもよい。つまり、扉破断可能線41は、天板4の左右端を繋ぐ必要はなく、天板4の左右端上に沿って形成されなくてもよい。
【0117】
上記実施形態では、一対の扉破断可能線41が第1扉破断可能線42(242)において完全に重複したものを例に説明したが、一対の扉破断可能線41は、1点で接するものでもよく、あるいは、互いに離間して接していないものでもよい。
【0118】
上記実施形態では、開放破断可能線44(244,344,444)として、直線状のものを例に説明したが、開放破断可能線44は屈曲、湾曲、蛇行するものであってもよい。また、第2実施形態では、開放破断可能線244として、上外フラップ31の側端に達するものを例に説明したが、開放破断可能線244は、接着剤Gが塗布される領域の外側を通っていれば、上外フラップ31の上端に達するものであってもよい。
【0119】
上記実施形態では、側板6の外面に接着片9の内面が接着剤Gを介して固定されたものを例に説明したが、側板6の内面に接着片9の外面を接着してもよい。同様に、上記実施形態では、下外フラップ32の外面に上外フラップ31の内面が接着剤Gを介して固定されたものを例に説明したが、上外フラップ31を先に折って、上外フラップ31の外面に下外フラップ32の内面を接着してもよい。
【0120】
なお、上記実施形態では、固定する手段として接着を例に説明したが、固定する手段は、ステープルや粘着テープでもよい。
【符号の説明】
【0121】
1,20 包装箱
2 胴部
3 閉塞部
4 天板
5 底板
6 側板
31,331 上外フラップ(外フラップ)
32 下外フラップ(外フラップ)
33,433 内フラップ
41,241 扉破断可能線
42,242 第1扉破断可能線
43,243a 第2扉破断可能線
243b 第3扉破断可能線
44,244,344,444 開放破断可能線
a 胴部折目線
b1 上外フラップ折目線(外フラップ折目線)
b2 下外フラップ折目線(外フラップ折目線)
c 内フラップ折目線
d,2d 扉折目線