(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023121672
(43)【公開日】2023-08-31
(54)【発明の名称】インスリン抵抗性・感受性を改善し代謝機能を向上させるコロソリン酸とその類
(51)【国際特許分類】
A61K 31/19 20060101AFI20230824BHJP
A23L 33/105 20160101ALI20230824BHJP
C12P 7/40 20060101ALI20230824BHJP
A61P 5/48 20060101ALI20230824BHJP
A61P 3/00 20060101ALI20230824BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20230824BHJP
A61P 31/12 20060101ALI20230824BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230824BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20230824BHJP
A61P 9/12 20060101ALI20230824BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20230824BHJP
A61P 25/24 20060101ALI20230824BHJP
A61P 15/10 20060101ALI20230824BHJP
A61K 36/73 20060101ALI20230824BHJP
A61K 36/185 20060101ALI20230824BHJP
A61K 36/44 20060101ALI20230824BHJP
A61K 36/61 20060101ALI20230824BHJP
A61K 36/605 20060101ALI20230824BHJP
A61K 36/535 20060101ALI20230824BHJP
G01N 33/68 20060101ALI20230824BHJP
【FI】
A61K31/19
A23L33/105
C12P7/40
A61P5/48
A61P3/00
A61P25/28
A61P31/12
A61P35/00
A61P9/00
A61P9/12
A61P3/10
A61P25/24
A61P15/10
A61K36/73
A61K36/185
A61K36/44
A61K36/61
A61K36/605
A61K36/535
G01N33/68
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022025144
(22)【出願日】2022-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】501451521
【氏名又は名称】松山 太
(72)【発明者】
【氏名】松山 太
(72)【発明者】
【氏名】デュモン デラクルーズ エリノア
【テーマコード(参考)】
2G045
4B018
4B064
4C088
4C206
【Fターム(参考)】
2G045AA25
2G045CA26
2G045DA31
2G045DA36
2G045FB06
4B018LB08
4B018LB10
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4C088AB12
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4C206MA04
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4C206MA79
4C206NA14
4C206ZA12
4C206ZA15
4C206ZA36
4C206ZA42
4C206ZA81
4C206ZB26
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4C206ZC21
4C206ZC35
4C206ZC52
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本発明の課題とは、コロソリン酸とその類が、インスリン抵抗性に起因する成人病、生活習慣病、認知症などを緩和と改善し長寿な健康寿命を実現することである。
成人病、生活習慣病、認知症などの主たる原因とされるインスリン反応の鈍化やインスリン抵抗性に対し、もう一度インスリンの本来機能を回復させ、その結果として成人病、生活習慣病、認知症・アルツハイマー病などの課題に対して、進行の遅延・予防に役立つ組成物であるという発見と具体的な方法の提案アイデアである。
【解決手段】コロソリン酸はインスリン抵抗性を改善し、加齢に従い劣化したインスリン機能を回復させる。その結果、コロソリン酸の摂取は高齢者のインスリン感受性を良化し人体細胞の代謝や免疫機能を活性化する。
【選択図】
図22
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大量生産を目的に開発された枇杷の葉カルス、バナバ紅葉や虫食い葉カルスなどのエタノール抽出で、総重量中コロソリン酸を3~90%含むエキス並びそのカルス遺伝子、ならびに植物培養カルスで生産し単利精製されたコロソリン酸、一連の生産方法と技術ならびにそれを含む組成物と製品。
【請求項2】
コロソリン酸とその類縁化合物及びそれらを含む抽出物を、コロソリン酸試薬レベル純度の95%以上を含有する量への換算で、一日当たり体重50キログラムあたり0.001ミリグラムから1グラムを用いて、インスリン抵抗性を緩和と改善をさせる乃至それによって、インスリン感受性を向上させインスリンの総分泌量を低下させる組成物。
【請求項3】
コロソリン酸を含むエキスの場合、熱水抽出エキス、エタノール熱水抽出エキスを問わず、体重50キログラム当たりコロソリン酸とその類を0.01ミリグラムから100グラムを用いてインスリン抵抗性の緩和と改善を目的として使用する組成物。
【請求項4】
コロソリン酸とその類縁化合物及びそれらを含む抽出物を用いてインスリン抵抗性に起因する成人病や生活習慣病などの各種疾患の緩和と治療の方法。
【請求項5】
コロソリン酸とその類縁化合物及びそれらを含む水溶性の透明な組成物を用いて加齢やスマホ依存からくる情報過多並びにインスリン抵抗性に起因するMCIなどの精神的な疾患を緩和と改善するための組成物。
【請求項6】
コロソリン酸を用いて成人病、生活習慣病、認知症などの進行程度を推測するために単回もしくは複数回の微量の血液を摂取し、それをHPLC(高速液体クロマトグラフィー)またはLC/MS/MS(四重極質量計)によって分析し、血中のインスリン値とコロソリン酸値の増減を解析することにより認知症の進行程度や、薬剤などの効果を「数字で示すことが可能な」認知症・アルツハイマー病バイオマーカー組成物。
【請求項7】
バナバの紅葉・黄色・茶色のカルス技術もしくは、枇杷、グワバ葉、柿の葉、桑の葉、紫蘇の葉などコロソリン酸とその類を含む植物カルスを用いたコロソリン酸の安価で大量生産可能な、植物培養方法。
【請求項8】
バナバの紅葉・黄色・茶色のカルス技術もしくは、枇杷、グワバ葉、柿の葉、桑の葉、紫蘇の葉などコロソリン酸とその類を含む植物カルスを用いたコロソリン酸の安価で大量生産可能なカルス遺伝子の情報。
【請求項9】
インスリン抵抗性や各種成人病、生活習慣病、認知症予防のための鼻腔吸引の機器。
【請求項10】
認知症予防や脳疲労の回復のために、当該組成物を従来の経口摂取と比べ少量の処方量で、嚥下障害や誤飲を防ぎ素早く効果的に、自然呼吸の一部として鼻腔または気管から安全に身体に取り込む溶液・粉末と器材並びに味や処方量などを工夫した当該組成物(溶液)を経口摂取しやすくした食品。
【請求項11】
新型コロナウイルスなどの感染症の予防や緩和のために使用される自然免疫と獲得免疫細胞のインスリン抵抗性を改善し抵抗力をたかめるコロソリン酸ならびにコロソリン酸を含む食品、飲料、組成物、液体類とそれらを用いた道具ならびに機器類。
【請求項12】
癌、心臓病、高血圧症、糖尿病、認知症・鬱、脳梗塞、EDなどの成人病の予防と緩和ののために自然免疫と獲得免疫細胞のインスリン抵抗性を改善し、本来機能を回復させるコロソリン酸並びにコロソリン酸を含む組成物、食品、飲料、液体とそれを用いた道具ならびに機器類
【請求項13】
コロソリン酸とその類縁化合物及びそれらを含む水溶性の透明な組成物を用いて加齢やスマホ依存からくる情報過多並びにインスリン抵抗性に起因するMCIなどの精神的な疾患を緩和と改善するための情報ネットワーク。
【請求項14】
コロソリン酸の結晶とその基準となる結晶をもとに高速クロマトグラフィーなどで測定し定義されたコロソリン酸試薬
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加齢とともに高まる生活習慣病リスクや、成人病の発症予防・緩和にために摂取するコロソリン酸とその類とコロソリン酸を含む植物エキスに関するものである。それを使用した応用分野は多岐にわたる。健康食品として、新薬として、添加物として、透明な溶液し霧状に噴霧したり、クルマのエアコン口に付けたりして昼間はもちろん就寝中でも使用可能な画期的な健康素材、活性化合物、組成物である。
【背景技術】
【0002】
高齢化社会はとどまらない。日本においては人口の3人に1人が65歳以上の高齢者である。日本に留まらずお隣の韓国、そして人口世界一の中国でも高齢化社会は待ったなしでやってくる。人生100年時代と言われる現代では働ける高齢者、病院にかからない元気な高齢者が社会の命運を握っていると言っても過言ではないだろう。本発明は、元気で長生きし、長く働ける高齢者に役立つものである。
【0003】
コロソリン酸を含む植物は200種以上が報告されている。コロソリン酸は天然由来の化合物である。またコロソリン酸試薬(95%以上純度)は広く出回っている。同時にコロソリン酸をうたった製品も多く出回っている。
しかし標準には「基準」が必要である。では化合物の純度の基準(物差し)とは何か?これは結晶である。最初の結晶作りにはマニュアルがない。結晶作りも発明である。発明者は苦労の末、結晶を作った。天然由来の活性化合物には殆どの製薬会社は興味を示さない。物質特許が取得できなければ一定期間利益を独占できないからである。そこで発明者は合成薬と同程度の排他的権利を主張できるものを準備した。
【0004】
コロソリン酸はトリテルペノイドの一種であり、糖尿病モデルの動物及び細胞試験において、糖が組織に取り込まれる際に働くグルコース輸送体GLUT4 を細胞膜へ誘導する作用がある。また、インスリン受容体のリン酸化を促進することで、糖の取り込みを促進する作用も報告されている。コロソリン酸とは、五環であるトリテルペン類の一種。構造はウルソール酸や、オレアノール酸、トリメンティック酸、マスリン酸などと似ている。ウルソール酸とはヒドロキシ結合を持っているという点だけが異なっている。化学式はC30H48O4で分子量は472.710の脂溶性の化合物である。
【0005】
コロソリン酸とその類縁化合物を含む代表的な薬草バナバとは、ミソハギ科の植物であり、和名をオオバナサルスベリという。コロソリン酸は植物内では特別な役割を果たしている。火を近づけたり、ナイフで切り目を入れたり、昆虫が食べると葉中のコロソリン酸は増加する。24時間同じ葉のコロソリン酸を測定したが昼夜によっても、同じ夜間でも夜明け前と深夜では含有量は大きく変化するのである。
【0006】
学名はLagerstroemia speciosaで多年生落葉の広葉樹である。東南アジアや中国南部からオーストラリア北部まで広く分布する。バナバの葉に含まれる成分には血糖値を下げる働きがあることから、糖尿病に対するサプリメントとして注目されている。このほか枇杷の葉、グワバの葉、柿の葉、桑の葉、花梨の葉、紫蘇の葉、熊笹の葉などもコロソリン酸とその類たるテルペンを多く含んでいることがよく知られている。
【0007】
本発明の主題は、コロソリン酸ならびにその類縁化合物そしてそれらを含む抽出物等の摂取よる、(1)インスリン抵抗性の緩和と改善と、(2)インスリン応答の向上、さらには、(3)インスリン抵抗性の起因するとされる成人病、生活習慣病の緩和と発症遅延、(4)感染症の予防と重症化リスクの軽減、(5)成人病の代表たる悪性新生物「癌」など加齢と共にリスクの高まる成人病リスクを低減し緩和するという内容である。
今般、新型コロナウイルス、オミクロン株などの変異株が世界中で大流行した。フィリピンの治験者の高齢者の皆さんには、臨床試験の後も引き続き1日3粒(コロソリン酸換算1日3ミリグラム)の摂取をお願いした。摂取の開始は2019年8月開始の第一グループ20名と、2020年3月開始の第二グループ10名である。いずれも70歳以上の高齢者男女である。
驚くべきことにこの30名は2020年の4月ごろから流行したコロナアルファ株、デルタ株、オミクロン株でも一人の死亡者もいなかったのである。同じ町内、地区では覆うの高齢者が新型コロナウイルスで亡くなられた。しかしコロソリン酸含有のエキスタブレットを飲み続けた高齢者には一人の犠牲者も出なかったのである。
ウイルスも癌も人間の身体にとっては、「敵であり不法侵入者であり邪魔者」である。これを除外し排泄しているのが、自然免疫と獲得免疫でありそのキラーT細胞や、抗体を産生しているのが「自然免疫と獲得免疫細胞」なのである。
【0008】
高齢者にオミクロン株死亡者が多かったり、加齢によって発癌リスクが高まるのは上記の細胞にもインスリン抵抗性があり、十分な機能発揮がなされないためである。中高年の人々がコロソリン酸を1日3ミリ摂取すれば、感染症のみならず、癌、心臓病、高血圧症、糖尿病、認知症・鬱、脳梗塞、EDのリスクを低下させることは治験者の現在の健康ぶりから判断すれば間違いないだろう。
【0009】
コロナウイルスの死亡原因の最たるものは「血栓症」である。毛細血管に異物が入ってきたと人体が感知して抗体を集中させる。感染症によっては血管を溶解するものもなり血小板が補修に集まり血管の詰り(血栓)を生じる。サイトカイン爆発による多臓器不全はその代表である。基礎疾患を持っている人にとっては僅かな代謝不全は死に至る危険がある。糖尿病を持つ高齢者の多くがコロナとオミクロン株で亡くなられたのもこれが主因である。つまり新型コロナウイルスや変異株がきっかけになり自身の有する「人間の生体反応によって生まれたもの」によって苦しんだり、死んだりすることになったのである。
【0010】
癌や悪性新生物も自身の有する「人間の生体反応によって生まれたもの」である。ヒトは毎日2000回もの癌が発生しているとされている。癌にならないのは「キラーT細胞」などの自然免疫が癌細胞を食べて消滅させているからである。つまり外部から入ってきた邪魔者も、内部から生まれた邪魔者もどちらも自身で作ったモノが命を危険にさらしているのであり、それが正常に働くか?暴発するかは「自然免疫と獲得免疫が上手く働くか如何に」かかっているのである。
自然免疫と獲得免疫が正常に働くとは、それぞれの自然免疫細胞と獲得免疫細胞は正常に働くと同じである。キラーT細胞もコロナ抗体もそのぞれの細胞で作られているのからである。高齢者が癌リスクやコロナ感染で重症化リスクが高いのはここに原因がある。
【0011】
加齢(高齢者)によって自然免疫細胞と獲得免疫細胞の機能が低下する一番の理由はインスリン抵抗性である。長年にわたる冨栄養食、消化の良い食べ物、歴史上例をみない長寿はヒトの持つ適応能力により栄養取り込みの唯一無二のホルモン「インスリン」で対応してきた。しかしインスリンは加齢により劣化し、60兆個とも言われる細胞のインスリン受容体もその感度を鈍らせている。その結果、高血糖状態が常態化しインスリン抵抗性が体の隅々の細胞に及んでる。これが成人病リスクの高まるメカニズムである。
【0012】
以下は、京都大学医学部、広島大学医学部、慈恵会医科大で論文化された内容である。
1. コロソリン酸はインスリン感受性を向上させる。
2. 素早く出して素早く手仕舞いする。血糖値も正常に保たれる。
3. 結果、インスリンの総分泌量は節約される。
4. 余分なインスリンがなくなればインスリン抵抗性は緩和される。
5. インスリン抵抗性が緩和されれば成人病や生活習慣病のリスクは低下する。
6. それに留まらず、自然免疫と獲得免疫の機能回復も見込めるのである。
【0013】
以下に成人病、生活習慣病に関する記述はあるものの、発明者が二回のフィリピン臨床試験で医科学的に証明したものは糖尿病、認知症、インスリン、血糖値、安全性、インフォームドコンセント、摂取後のインタビューなどである。
一方、発明者が共同研究した先行文献としては、発明者のすでに成立させた特許がある。その要約は、(1)コロソリン酸が血糖値を下げること、(2)インスリン感受性を高めることは周知の事実でありその部分には発明性はない、(3)同時にコロソリン酸を含むバナバ・グワバ・柿・桑・琵琶などの植物抽出物にも血糖値上昇抑制があることは広く知られた事実のため、その部分にも発明性は存在しない。本発明は、それを十分に理解した上で新たな発見とアイデアに基づくものである。
【0014】
本発明の主旨、コロソリン酸ならびにその類縁化合物そしてそれらを含む抽出物の摂取が上記のメカニズムによって、インスリン抵抗性の緩和と改善させる。
その結果コロソリン酸の摂取は、加齢とインスリン抵抗性によって加速される、認知症、癌、心臓病、高血圧症、糖尿病、認知症・鬱、脳梗塞、EDなどの成人病、生活習慣病のみならず感染症にも効果を発揮するのである。本発明は、上記の点で新規性、進歩性、産業への貢献を有する点である。
【0015】
本発明の新規性について述べる。その1としてインスリン抵抗性をインスリン本体サイド(インスリンのブラッシュアップ/機能回復/ノコギリの目立て)から発想したものや数字をあげて証明したものは未だ記載がない。
本発明のコロソリン酸のインスリン抵抗性の緩和と改善のアイデアと医科学検証に裏付けられたインビボ・インビトロ実験数字は、世界初の査証である。従来のインスリン抵抗性の薬剤などは全てインスリンレセプター(細胞サイド)からのものである。
このように従来品、既発の糖尿病薬には、インスリン分泌を促すものや、インスリン抵抗性を改善するものなど完成の域に達したものも多数存在する。そのすべてがインスリン受容体に働きかけるものである。インスリン本体の改善を比較数字を挙げて言及した先行論文や先行技術も未だ記載も報告もない。インスリン受容体/インスリン受容体インスリン受容体とは、インスリンレセプター/細胞膜上に存在してインスリンと特異的に結合し,細胞のインスリン作用をする蛋白質である。糖の取り込みに作用する。
インスリン受容体は,最も下等な脊椎動物であるホソヌタウナギからヒトにいたるまでに存在する。本発明にはそれらの公知の薬剤とも全く違う発明性が存在する。
【0016】
1.新規性・進歩性の証明
すでに公知の先行論文や推量とは以下のとおりである。(下段にも記載あり)
1)コロソリン酸が血糖値を下げたという多くの論文や特許
2)インスリンが唯一の血糖値上昇抑制ホルモンであるゆえ、血糖値は下がるのはインスリンが関係しているの当然ではないかとの推量
3)KKA-yマウスによるインスリン感受性向上の論文
4)コロソリン酸を含むタブレットなどによる血糖値コントロール論文などコロソリン酸とインスリン抵抗性との関連を推測させるものは数十を超える。
【0017】
一方、本発明の要点である下記の1~7項目の検証未だ記載がない。
インスリン抵抗性とは空腹時のインスリン値が必要以上に出過ぎていることを指す。ならばコロソリン酸またはそれを含むのを臨床レベルの約1か月摂取して摂取前と摂取1か月後を採血し比較したものがあっただろうか?それは未だ記載がない。(発明の基本)
既存のインスリン抵抗性薬はすべて脂肪細胞を始めとする細胞受容体に働きかけるものである。コロソリン酸のインスリン抵抗性の緩和と改善する意義は、糖尿病や認知症のみならずインスリン抵抗性に起因する成人病、生活習慣病すべてに効果が期待できる点にある。すべて血糖値コントロールからの発想であった。
具体的には、本発明のコロソリン酸は、働きかけ対象が従来品のように受容体側の脂肪細胞や骨格筋細胞ではなく、インスリン本体である。(2006年非臨床試験、鈴鹿科学医療大学MT教授、京都大学医学部SY教授)
1. インスリンそのものの効きを高め機能を回復する。グルコースの取り込みのメカニズムではスパイク側に作用する、つまりインスリン本体のブラッシュアップ(鋸の目立て)効果である。(2019年、2020年臨床試験フィリピン共和国ハイプレシション)
2. 一年間の長期摂取の結果、食後30分で素早いインスリン応答によるインスリン追加分泌が行われ、直ちにグルコースを取り込ませ血糖値をさげた。(2006年S社長期投与臨床試験、東京JK医科大学IY教授)
3. さらに同じ臨床試験では、素早い血糖値上昇抑制により追加インスリンが節約されインスリン総分泌量が抑制された。(2006年S社長期投与臨床試験、東京JK医科大学IY教授)
4. バナバ抽出物で行った臨床試験であっても、それ以前に多様な抽出物からコロソリン酸と他の含有物から最も糖移動活性の強力なものを単利精製し、約40名のボランティア治験者で二重盲検試験を実施し、バナバ抽出物たるタブレットの活性化合物はタンニン等ではなくコロソリン酸であると同定した。(2006年京都大学医学部FM教授、実行場所京都市伏見区YH総合病院)その際、用量を3ミリグラムを摂取した人インスリン抵抗性があり高血糖の人には効果が際立っていた。処方量とインスリン抵抗性効果が示唆された。
5. さらにコロソリン酸の臨床試験に参加者の、採血分析した(1)コロソリン酸摂取前、(2)コロソリン酸摂取2週間後、(3)コロソリン酸摂取1か月後のそれぞれ3時点の「絶食8時間後の空腹時インスリン値」(最も重要なインスリン抵抗性を示す値)を比較し差異を明示することこそ何より明確なコロソリン酸がインスリン抵抗性を緩和と改善する証拠になると考える。
6. また、インスリン抵抗性の緩和と改善によって「インスリン応答の向上があった」とするならば、(1)コロソリン酸摂取前、(2)コロソリン酸摂取2週間後、(3)コロソリン酸摂取1か月後のそれぞれの、砂糖水75グラム相当摂取の30分後のそれぞれ3時点のインスリン値を比較すればコロソリン酸摂取がインスリン応答が良くなったとの主張根拠になるだろう。
【0018】
ここで、フィリピンで行った2回の臨床試験の一部を、「インスリン抵抗性の緩和」の面から検証する。
1)以下は左が摂取前のインスリン値、右側が摂取1か月後のインスリン値である。
2)重要な点は下線を引いた「インスリン抵抗性が疑われる空腹時インスリン値が高い群」の変化率である。下線のない群はほぼインスリン抵抗性がない治験者である。
3)インスリン抵抗性の疑われる治験者の平均数値は摂取前は7.59、1か月の摂取後は5.89となり、一人を除けほぼ正常値に回復、抵抗性改善率は23%である。
4)以下は詳細である。
5.01―>4.14、7.27―>4.80,2.04―>1.93
7.01―>5.16、6.43―>3.51,4.50―>5.17
2.05―>2.82、5.25―>5.32、4.10―>5.13
16.2―>13.2、5.99―>5.12 以上
単純平均:コロソリン酸摂取前平均5.97―>摂取1か月後5.11 (改善14.4%)
以下は個別の75グラム砂糖水摂取30分後の追加インスリン値のコロソリン酸摂取前と1か月後の比較である。単純平均20.8―>26.9となり129%インスリン応答の向上が見られた。左はコロソリン酸摂取前、右はコロソリン酸摂取30日後の
29.5―>31.6,56.1->115.5,13.9―>17.6、
7.71->10.5、15.1->13.4,4.33->6.42,
27.5->17.8,22.5->12.4、7.23->15.9,
24.1->27.5 以上
【0019】
さらに6か月後の2020年3月再度臨床試験が行われた。これは正確さと偏りのなさを求めるため治験者の地域と対象治験者をすべて入れ替えて行ったものである。治験者は全員が70歳代であった。臨床試験はコロソリン酸1ミリグラム含有のタブレット一日3粒を摂取し、摂取前、2週間後、1か月後の計3回正式な検査機関にて採血試験を行った。採血試験はOGTT試験と同様に、8時間の絶食、75グラム砂糖水摂取30分後、2時間後の一日3回の採血試験を行った。分析項目は、1.血糖値、2.インスリン値、3.ガンマーGTPであった。結果は2019年8月の上記臨床試験以上に、「インスリン抵抗性の緩和と改善は顕著」であった。下記参照。
【0020】
本発明の主題は「コロソリン酸によるインスリン抵抗性の改善」に集約される。インスリン抵抗性の改善はインスリン感受性、それに伴うインスリン応答も向上させた。インスリン抵抗性の緩和は膵臓の負担をやわらげ、何よりインスリン総分泌量を低下させる。
つまり同量のインスリン量であっても「効き目がよければ」少量で血糖値上昇抑制するので総分泌量はセーブできる。このことは、合計3回の臨床試験(そのうち一回は一年間の長期投与)により、確認されている。
【0021】
さらに重要なことは、血糖値コントロールがうまくいっている上にインスリン総分泌量が軽減されていることは「インスリン分解酵素の節約」にもつながっている。脳内を始めとする毛細血管内の残留インスリンはタンパクと結合しアミロイドベータやタウタンパクの産生に繋がったり、血栓になったり、末梢血管の硬化を促進したり、免疫や抗体の働きを抑える物質を作る原因となる。インスリン抵抗性の解決は万病防止につながる可能性が高いのである。
【0022】
以下はインスリン抵抗性に関する一般的な計算方法(公式)と一般的な判断基準である。参考までに示すこととする。
コロソリン酸がインスリン抵抗性を緩和したという絶対的な証拠は、コロソリン酸の摂取前と、一か月摂取後の「空腹時のインスリン値の比較」が最もフェアな方法である。世界中で用いられているインスリン抵抗性の測定方法が以下の方法である。
インスリン抵抗性の判定:HOMA指数が用いられる。
これは空腹時のインスリン値に血糖値を掛けてそれを405で割った数値であり、この数値がインスリン抵抗性の目安となる。世界中でスタンダードになっている計算方法である。3以上でインスリン抵抗性の疑い,5以上でインスリン抵抗性と診断できる.
【0023】
インスリン抵抗性とは、あたかも水道の蛇口がさび付いてキチンと閉まらない状態に似ている。常に「ポタポタとしずくが零れ落ちている」状態となる。その典型数値が「空腹時のインスリン値」である。
本来インスリンの働きの最も重要な役目は血中のグルコースや栄養分を細胞内に取り込ませるように情報を伝えて、細胞の扉を開かせるカギを持ったドアマンのようなものである。半面、空腹時には血中のグルコースは少ないため多くのインスリンは必要とされない。食事の後には一気に栄養が取りこまれるため血糖値の安定のため素早いインスリン分泌が望まれる。
つまりインスリン抵抗性とは必要とされる以上の分泌が行われれている状態で、特に空腹時において血中のインスリン値が高い状態をインスリン抵抗性という。
【0024】
また多くの成人病、生活習慣病はそのほとんどが「加齢とインスリン抵抗性」に関係しているとされ始めた。成人病、生活習慣病とされる、癌、心臓病、糖尿病、高血圧症、認知症、鬱(うつ)、ED(勃起障害)」に対し、主たる原因の一つである「加齢とインスリン抵抗性」を、コロソリン酸とその類並びにそれらの抽出物の摂取により疾患の症状を緩和させ改善することにより怖い厄介な病気の発症と進行を遅延させ治癒を実現させようというものである。
本発明はコロソリン酸とその類の摂取によってインスリン抵抗性の緩和と改善に限ったものであり、個々の疾患に対する効果の検証は後の研究を待たねばならない。それらは本発明の発展形であり、本発明の請求項は「コロソリン酸とその類縁化合物及びそれらを含む抽出物によるインスリン抵抗性の緩和と改善」関連のみである。
【0025】
コロソリン酸がインスリンに直接関与し、インスリン抵抗性を緩和することは1999年の「バナバ抽出物タブレット」を使った臨床試験を始めとして合計6回のヒト臨床試験、2回の非臨床試験、2回のインビトロ試験合計10回のインビボ・インビトロ実験において示唆、証明されてきた。
最終的に2019年、2020年自社のフィリピンでのヒト臨床試験結果が発明を惹起した。それに加えて近年の世界の大手製薬会社の認知症治験によるアミロイドベータカスケード仮説の総崩れと認知症からの撤退、医科学学会の重要疾患のインスリン抵抗性原因説、癌の抗体に差異があるとのノーベル賞学者などの発表などにより、発明者はコロソリン酸の摂取が成人病・生活習慣病に広く役立つと確信し本発明に至ったものである。
【0026】
3.裏付け証拠の再チェック
以下はその発明を裏付けるに十分な過去から昨年までのインビボインビトロ実験である。
その1:コロソリン酸がインスリン抵抗性を改善する根拠(ヒト臨床試験)
2020年3月、フィリピン国タラベラ、治験者MCIの70歳代のみ10名。エタノール熱水エキス、一日3錠、1ヶ月服用、MMSEとOGTT採血試験、摂取前、2週間後、1か月後の計3回、OGTTは絶食時、75グラム砂糖水摂取30分後、2時間後の計3回採血し血糖値、インスリン値を測定した。
結論は、コロソリン酸が活性化合物であることが確認されたバナバエタノール熱水抽出エキスタブレットは、70歳代のMCI軽度認知障害の高齢者の記憶機能を回復しインスリン反応を向上させインスリン抵抗性を改善した。
【0027】
その2:コロソリン酸がインスリン抵抗性を改善する根拠(ヒト臨床試験)
2019年8月、フィリピン国タラベラ、サンパスクアルにて治験者60歳以下スマホ中毒者20名、70歳80歳代21名合計41名。エタノール熱水エキス、一日3錠、1ヶ月服用、MMSEと(高齢者グループ21名のみ)OGTT採血試験、摂取前、2週間後、1か月後の計3回、OGTTは絶食時、75グラム砂糖水摂取30分後、2時間後の計3回採血し血糖値、インスリン値を測定した。結論は、コロソリン酸がエキスタブレットの活性化合物であることが確認されたバナバエタノール熱水抽出エキスタブレットは、スマホ中毒の若年、成人並びに70歳、80歳代のMCI軽度認知障害の高齢者の記憶機能を回復しインスリン反応を向上させインスリン抵抗性を改善した。
コロソリン酸服用から一か月後の、二回のOGTTの採血試験においてインスリン応答、インスリン抵抗性ともにイエローカードの治験者たちには共に改善しほぼ正常になった。
1)インスリン応答:インスリンの増加分を血糖値の増加分で割ったもの。数値が高かればインスリン反応が良いとされる。0.5以下なら,インスリン低分泌と判定される.
2)インスリン抵抗性の判定にはHOMA指数が用いられる。空腹時のインスリン値に血糖値を掛けてそれを405で割った数値がインスリン抵抗性の目安となる。3以上でインスリン抵抗性の疑い,5以上でインスリン抵抗性と診断できる.
【0028】
その3:コロソリン酸がインスリン抵抗性を改善する根拠(ヒト臨床試験)
2006年1月、本臨床試験に先がけてバナバ抽出物の活性化合物特定の必要性が京都大学Y.S教授から指摘され、指示に従い「プレテスト」を行った。バナバ抽出物の活性化合物を同定する臨床試験が京都市伏見区の民間総合病院にて実行された。
(1)コロソリン酸試薬レベルの標品(95%以上純度)と、(2)すべてのバナバ抽出物の65~70%を占めるタンニン類の中でも最も糖移動活性の高いことが確認されたエラジタンニン系のラガーストロエミンの2種を単利精製し、血糖値上昇抑制の比較試験が40名のボランティアを集め上記民間総合病院にて二重盲検方式で行われた。
結果は歴然であった。バナバ抽出物の血糖値上昇抑制作用の活性化合物は明らかにコロソリン酸であることが確認された。その結果CRO計画のヒト臨床試験が実行され、コロソリン酸僅か1ミリグラムの投与で血糖値を有意に低下させたことが論文化し証明された。
当OGTT試験はコロソリン酸試薬(95%以上純度標品)を用いて行った。二重盲検試験にてコロソリン酸1ミリグラムを男性16名、女性15名の境界型糖尿病投与して血糖値の上昇抑制を調べた。その結果、コロソリン酸による有意な血糖値上昇抑制効果が正式に確認された。
本発明につながるプレテストに大きな発見があった。まず1.コロソリン酸はインスリン抵抗性のある人には驚くほど血糖値上昇抑制作用を発揮したことである。次に2.同じくインスリン抵抗性の治験者に処方量を僅か3ミリグラムに上げれば極めて有意な血糖値上昇抑制効果が見られたという2点である。つまりコロソリン酸はインスリン抵抗性を持つ人には極めて有効な改善作用が見られのである。これも本発明の大きな証拠となった。
【0029】
その4:コロソリン酸がインスリン抵抗性を改善する根拠(2回のヒト臨床試験)
バナバ抽出物を用いて行われた臨床試験は2度行われた。1999年5月、最初の実験は、自社で製造したバナバ熱水抽出エキスを用いて2型の境界型糖尿病が疑われる治験者で血糖値上昇抑制作用を確認した。その結果、血糖値上昇抑制があった治験者はすべてインスリン分泌が良好または出過ぎ(抵抗性)の治験者で、インスリン応答や分泌不良の治験者にはほとんど血糖値上昇抑制が見られなかった。つまり血糖値上昇抑制作用はインスリン分泌のあるなしにかかっていたのである。
2000年8月、二度目の臨床試験は飲料大手のS社が製造したバナバエタノール熱水抽出エキス(コロソリン酸含有量1%以上、1錠あたり1ミリグラム)を用いて20~70歳代の血糖値が気になる人に二重盲検試験を実行した。この二回とも東京のCROを使い東京JK医科大学のIK教授の指導のもとに行われた。
結論として重要なことは、下がった血糖値の平均値ではなく、「どんな治験者にどのように効いた」かであった。有意に血糖値上昇抑制があったのはインスリン分泌が一定以上あった治験者グループで、血糖値が下がらなかったのはインスリン分泌不全の治験者グループであった。この結果は一回目の結果と同じであった。このことから、コロソリン酸はインスリン本体に強く働きかけていることが示唆された。
【0030】
その5:コロソリン酸がインスリン抵抗性を改善する根拠(ヒト臨床試験)
2002年11月、弊社と共同開発の関係にあった日本の飲料大手S社は、治験者18名(男性14名、女性4名)二重盲検試験、クロスオーバー試験にてコロソリン酸を含むバナバエタノール熱水抽出エキス錠剤を用い単回摂取試験と長期摂取試験を行い、血糖値上昇抑制効果とインスリン分泌変化などを治験した。
バナバエタノール熱水抽出エキスは有意に食後血糖値を下げることが確認され、長期投与においての副作用は一切報告されなかった。このことよりバナバ抽出物の血糖値上昇抑制に対する有効性と安全性が確認された。
本発明としての意義は、長期投与治験者の食後30分のインスリン分泌反応が欧米人と同じように良くなった点にあった。食後30分のインスリン分泌のグラフは鋭い山頂にように尖ったカタチとなって表れたのである。これは農耕民族由来の日本人や東アジア人には見られない傾向である。
一方インスリンの反応が向上し摂食初期の血糖値が下がれば当然インスリンの総分泌量は抑えられ低減する。コロソリン酸摂取によりインスリンレスポンスが向上しその結果素早く血糖値が下がり、膵臓による追加インスリン分泌が不必要になりインスリン分泌量がセーブされたものと考えらる。
【0031】
その6:コロソリン酸がインスリン抵抗性を改善する根拠(非臨床試験)
2006年11月、三重県鈴鹿市の鈴鹿科学医療大学のMT教授のコロソリン酸の非臨床試験がある。KKA-y(2型糖尿病・インスリン抵抗発症マウス)に対する、コロソリン酸試薬(99%以上純度標品)の摂取はインスリン感受性を向上させ、同時に血糖値を有意に下げることも確認された。結論は、KKA-yマウスで、コロソリン酸試薬はインスリン感受性を高め有意に血糖値を下げたことである。インスリン反応のグラフは驚くべき有意差をもって示された。
【0032】
その7:コロソリン酸がインスリン抵抗性を改善する根拠(非臨床試験)
2004年3月、コロソリン酸が GLUT4 トランスローケーションを促進し血糖値の低下作用を示すことがわかった。コロソリン酸の血糖値上昇抑制は広く知られていたが糖取り込みのメカニズムが解明されたのは初めてである。
結論は、KKA-yマウスで、コロソリン酸の血糖値上昇抑制作用が確認されそれがGLUT4メカニズムという糖取り込み作用であることが確認された。
【0033】
その8:コロソリン酸がインスリン抵抗性を改善する根拠(インビトロ実験)
エネルギーのもとであるグルコースは肝臓によって貯蔵され再生される。その作用は血中のグルコースとインスリン濃度によってコントロールされている。血中のコロソリン酸濃度に依存して肝臓における糖新生が変化することが確認された。結論は、コロソリン酸がインスリン感度を高めることにより、摂取したコロソリン酸濃度により肝臓における糖新生が依存していることが確認された。
【0034】
その9:コロソリン酸がインスリン抵抗性を改善する根拠(インビトロ実験)
1993年5月、広島大学医学部薬学科のYK教授と研究員MCらは、多くのフィリピンの薬草の中から現地で植物インスリンとして広く知られているバナバ(オオバナサルスベリ)に糖移動活性があることを発見し、活性化合物がコロソリン酸であることを突き止めた。またコロソリン酸の糖移動は細胞膜12回貫通型の糖取り込み型であることを確認した。結論は、バナバはアジア各国で古来より代替インスリンと称され糖尿病対策薬草として用いられてきた。バナバ抽出物はインスリンの代わりをするかインスリン分泌を減らして血糖値を下げるとされている。伝承的にバナバのコロソリン酸がインスリン様の働きをすることが人知の証明にもなる。
【0035】
高齢になっても元気で楽しく生き続けることは多くの人々の願いである。本発明は、コロソリン酸とその類縁化合物及びそれらを含む抽出物を用いて限りある命である、「人間の健康寿命」を加齢などからくる「インスリン抵抗性に起因する種々の疾患」から守ろという発明のアイデアである。インスリン抵抗性をインスリンサイドから緩和と改善しようとするものは未だ記載がない。
本発明の主旨はコロソリン酸の働きによって,
(1)インスリンそのものの効きを良くし、(2)細胞受容体のインスリン感受性を向上させ、(3)血糖値の上昇を抑制しながら、(4)肝臓における糖新生をコントロールさせ、(5)脳内ほかの分解されない残留インスリンを減らし、(6)インスリン分泌の総量を低減し、(7)膵臓のインスリン分泌の負担を軽減し、(8)インスリンそのものを「鋸の目立て」のようにブラッシュアップして、(9)抗体、免疫、T細胞の働きを高め、(10)インスリン抵抗性を改善によって健康寿命を長くしようというものである。
【0036】
近年の成人病研究によれば、加齢とともに増加する生活習慣病のリスクの低減は、インスリン抵抗性の解決次第と言われるようになってきた。一方現在まで糖尿病関連としてのインスリン抵抗性改善には種々の薬剤が開発されてきた。
脂肪細胞に働きかけて脂肪細胞から分泌されるインスリン抵抗性を引き起こす物質を減少させるチアゾリジン薬(グリタゾン)や、同系列の新しいくすりピオグリタゾン薬はインスリンに対する体の感受性を高める作用し、結果的にインスリンの働きがよくなり、血糖値が下がるとされている。おもに2型糖尿病(インスリン非依存型糖尿病)に用い、肝臓、筋肉、脂肪組織などのインスリン感受性を高める作用がるとされ、肝臓での糖の産生がおさえられたり、血液中の糖分は筋肉などに取り込まれる(膵外作用)。
【0037】
しかし本発明のコロソリン酸のように、(1)インスリンそのものの効きを良くしたり、(2)インスリン効きをシャープにブラッシュアップさせる化合物は未だ報告がない。従来薬はすべて細胞側に働きかけたものであり、インスリンサイドからインスリン抵抗性を解決可能なものは世界初である。同一の記載がない以上画期的な世界初の発明であろう。
【0038】
対象疾患について述べれば、癌(悪性新生物)はいかなるヒトにも一日2000回以上も発生しているとされている。にもかかわらず癌が発症しないのはヒト本来の免疫力(抗体・キラーT細胞など)が癌細胞を壊滅させ増殖させないからである。発症させないのも、また進行を抑えるのも自身の免疫力、抗体力が重要である。
その免疫力や抗体の力を弱めたり、向上させる「カギが何か?」が重要である。それが加齢でありインスリン抵抗性の程度などである。2021年6月、日本のノーベル賞受賞者が癌を抑える抗体の量や強さには個人差があることを発表した。つまり高齢者になるほど抗体の力が弱まり癌リスクが高まるのは、加齢とインスリン抵抗性であることを示唆したものと考える。その発言が本発明の大きなヒントとなった。
加齢とインスリン抵抗性により高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)状態に起因する癌への抗体不全(リンパ球、キラーT細胞、B細胞などの産生不全や抗体力の低下)が発生し癌細胞の増殖を食い止められない状態をコロソリン酸投与や摂取で食い止めることが可能と考えたからである。
糖尿病、認知症、鬱以外の各種の疾患に対する実験は今後において必要なことは言うまでもない。例えば癌、高血圧症、循環器系疾患、EDなど本特許で効果や技術が広く知れ渡れば、確立した安価で大量生産方法で大きな社会貢献となることは疑いようがない。
【0039】
心臓病(循環器疾患)、糖尿病、高血圧症においては末梢血管、毛細血管の血液の流れが特に重要である。これを妨げるものは血栓と高血糖であり、血流のコントロールが重要である。つまり末梢血管、毛細血管において円滑な代謝循環が行われるためにはインスリンの働きが最も重要であり特にインスリン抵抗性を低減することが循環器、糖尿病、高血圧症の予防と改善にとってきわめて有効な方法である。
【0040】
認知症や鬱(うつ)は分解されず脳血管に残留したインスリンとタンパクの結合によって産生されたアミロイドベータ、さらにタウ・タンパクの凝集から発生する毒素が1000億個ともいわれる大脳皮質の神経細胞を破壊するとされ、これが大脳委縮の原因となる。認知症を発症した患者の脳はほとんど神経細胞の破壊により委縮し小さくなっている。近年、認知症の原因は、加齢プラス糖尿病、特に[インスリン抵抗性]が大きく影響しているという学説が主流になってきた。以前は[アミロイドβカスケード仮説](脳のゴミ/アミロイドベータが蓄積し毒素を出して脳神経を破壊するという考え)が有力であった。ところがアミロイドベータに基づく新薬開発は悉く失敗し、仮説そのものが間違っていたとの考えが近年になり一般的になった。しかしこの考えは、認知症とアミロイドベータの関係を否定するものではなく新薬開発のプロセスに疑問が起こったというだけである。
台頭してきた仮説が[認知症は加齢プラス第三の糖尿病学説]である。糖尿病や境界型糖尿病、または糖尿病予備軍とされる高齢者の殆どには、インスリン抵抗性が存在する。
糖尿病と認知症の関係はすでに多くの学者が指摘しており、一般的学説となっている。そこで発明者は、科学的検証に基づきコロソリン酸を含むバナバ(ラガーストロエーミア・スペシオーサ・和名オオバナ百日紅)のエタノール熱水抽出エキスの錠剤を用い、二度の認知症臨床試験を行った。臨床に使った錠剤はコロソリン酸含有量1錠中1ミリグラムであった。これを1日3粒服用してもらった。期間は一か月間である。
一回目は2019年8月、二回目は2020年3月に実行した。治験者は一回目が、スマホ中毒若年と成人20名、高齢者22名、二回目は70歳台の高齢者のみ10名である。その結果、二度の臨床試験はほぼ同様の結果を表した。数字で述べれば、MMSEスコアで示される見当識(記憶や認識能力)機能は約40%回復向上し、血中のインスリン抵抗性は約40%改善した。治験者の90%は、食欲、意欲、笑顔と落ち着きを取り戻しうつ状態を脱した。さらに家族を安心させたのである。
【0041】
本発明で実行された臨床試験の基本は[MMSEテスト]と[OGTT採血試験]であった。臨床試験は、(1)コロソリン酸摂取前、(2)コロソリン酸摂取2週間後、(3)コロソリン酸摂取1ヶ月後の3回にわたって実行した。OGTT採血試験は、(1)絶食時、(2)75グラム砂糖水摂取30分後、(3)2時間後の合計3回採血し、分析を行った。
血液の分析項目は、血糖値、インスリン値、ガンマーGTPの3項目である。これを3度、一日三回の合計9回採血してもらい分析した。採血は世界的ダイアグノスティック会社のハイプレシション社で、場所はフィリピン国ヌエバエシハ州カバナツアン市である。
結果は、一回目も二回目もほぼ同様であった。コロソリン酸含有錠剤の[中長期的な摂取]は、[MMSEテスト](見当識/記憶や認識能力を具体的な数値で示すことができる)のスコアを約40%向上させ、物理的事実を示すOGTT(耐糖能試験)では、インスリン反応が敏感になり応答が良くなった。さらに特筆すべきはインスリン抵抗性が約40%改善したことである。
【0042】
インスリン抵抗性とは、空腹時でも一定以上にインスリンが出過ぎ、また食後血糖値が下がってもインスリンが出続けている状態をさす。これはインスリン受容体の感度低下や、インスリンそのものの機能低下、膵臓の血糖値反応の鈍化などが考えられている。水道の蛇口がキチッと閉まらず常にポタポタを出ているようなイメージだろう。
インスリン抵抗性が、認知症を引き起こす原因物質アミロイドベータ更にタウ・タンパク質を産生する原因として、脳内の毛細血管に余分に残留した未分解インスリンがタンパクと結合し、脳のゴミとも言われるタウ・タンパク質が蓄積し、老人斑と呼ばれる絡み合ったひも状の塊が蓄積し、毒素を出し、脳神経を破壊し、最終的には大脳を委縮させ認知症を発症させるというものである。
このほかにもインスリン抵抗性が認知症の原因と考えられる要因は数多くあるが、認知症発症にインスリン抵抗性が大きな要因であることは疑いがない。とするならば、認知症を予防するためには、インスリン抵抗性を改善することが何より重要で、このことを臨床試験で証明したものは本発明以外、未だ記載がない。
【0043】
従来のインスリン抵抗性のクスリは細胞の受容体に働きかけるもので、本発明のインスリン機能の正常化とは全く異なるものである。また従来の多くの糖尿病薬が、認知症の発症予防や治癒に効果があったという正式な治験結果の報告は未だ記載がない。ここにも本発明の新規性・進歩性が科学的根拠に基づき実証されている。
【0044】
勃起障害(ED)は大きく分けて、下記3つに分けられる。心理状態によって勃起できるときと勃起できないときがあるもの、何らかの病気が原因となって勃起できなくなるもの、そして上記2つの特徴を合わせ持つものである。
具体的には、脊髄損傷や脳血管障害などの神経の損傷、糖尿病や外傷などによる血管の損傷、包茎や尿道の奇形(陰茎の異常)などが挙げられるが、特に身体的障害としてあげられるものが脳の血管障害である。これは脳内における血流がインスリン抵抗性によって阻害されいているためでありコロソリン酸の服用で改善した例も報告されている。これらの疾患のすべてに共通する生理的課題がインスリン抵抗性の進行である。このインスリン抵抗性をインスリン本体から改善するものはコロソリン酸以外に未だ記載がなく報告もない。
【0045】
コロソリン酸そのものは、1ミリグラム中に1兆個の136万倍も存在する超微細な活性化合物である。コロソリン酸はインスリンタンパクのスパイクに働きかけ、あたかも鋸(ノコギリ)の目立てのようにインスリンを研ぎ澄まし感度と切れ味を良くしてインスリンを節約しながらインスリン抵抗性を緩和、改善するものである。本発明は、世界初のインスリン本体からのインスリン抵抗性という問題を解決証明したものである。従来のインスリン抵抗性改善薬はすべて受容体サイド、つまり脂肪細胞や筋肉細胞をはじめとしてすべて細胞側の受容体レセプターに働きかけたものである。
【0046】
本発明のコロソリン酸とその類縁化合物及びそれらを含む抽出物は安価で誰にでも使用可能な豊富な量を大量に生産できる。2021年現在において、開発中の認知症新薬に比べ患者や消費者の負担は5000分の1から1万分の1の低価格である。それだけでも画期的発明であろう。すでにコロソリン酸の工業化は、岡山大学薬学部生薬教室や鳥取大学熱帯植物研究室におけるコロソリン酸を数百倍含有する植物カルス、中国の大規模抽出工場、韓国の巨大カラムにおける単利精製など技術が確立している。
開発目的は植物に含まれるテルペン類の一種であるコロソリン酸とその類とその類縁化合物を用いて、抗体そのものを増やしその機能高めて癌細胞(悪性新生物)を抑え込み、循環器の機能低下させる血栓、血糖値をコントロールし、心臓病を予防し、脳内のアミロイドベータ・タウタンパク、認知症や軽度認知障害が疑われる高齢者と若年層の、認知症発症の予防と緩和に役立てるものである。
【0047】
コロソリン酸とその類にはトリメンティック酸、オレアノール酸、ウルソール酸、マスリン酸を始め、多くの類縁化合物がある。(巻末に記載)これらのテルペン類の類縁化合物はコロソリン酸と同様の効果効能を持つものがある可能性が高いと想定される。またコロソリン酸とその類はバナバを始め、枇杷、柿、桑、グワバなど多くの植物に含まれるものであり古来の民間療法で広く庶民に親しまれてきたもので副作用等の不安がない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0048】
【特許文献1】特開2003-219853、
【特許文献2】特開2002-205949、
【特許文献3】特開2001-039880、
【特許文献4】特開2019-011305、
【特許文献5】特開2018-139530、
【特許文献6】特開2018-137712 など
【非特許文献】
【0049】
【非特許文献1】Antidiabetic effects of corosolic acid in KK-Ay diabetic mice.、
【非特許文献2】研究業績-学術雑誌、
【非特許文献3】Ellagitannins from Lagerstroemia speciosa as activators of glucose transport in fat cells.、
【非特許文献4】J-GLOBAL 文献特許研究者などの科学技術情報サイト総抄録179
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0050】
本発明はインスリン分泌があり、若しくは分泌が過剰気味でインスリン抵抗性を疑われる高齢者または熟年者の、インスリン機能と応答を正常に戻して、各種成人病や生活習慣病、認知症などの進行を抑え、緩和または予防を可能にする組成物に関するものである。また鬱[うつ]やEDなど精神的なつらさに悩む若年や成人などにも、不安の解消や緩和となり健康回復に寄与するものである。
例えば[植物由来のコロソリン酸]が、認知症の主たる原因とされる[加齢によるインスリン反応の鈍化やインスリン抵抗性]に対し、もう一度インスリンの本来機能を回復させ、その結果として認知症・アルツハイマー病進行遅延・予防に役立ち、記憶機能や意欲を回復させるという今までになかった組成物の発見である。
同時にその発見を生かした摂取の方法や家庭内での機器類、コロソリン酸とその類縁化合物及びそれらを含む抽出物の安価で大量生産の方法、バイオマーカーとしての簡易な認知症診断方法、遺伝子組み換え植物の開発によりコロソリン酸とその類が日常的に摂取できる認知症予防などへの工夫に関するものでもある。認知症の緩和と改善に関する有意性はコロソリン酸のインスリン抵抗性効果の一例である。
【0051】
本発明は、コロソリン酸を安価に大量生産し安価で広く安全に認知症を予防し緩和させることが可能にする。
1.コロソリン酸の属するトリテルペンは、6つのイソプレンから構成され、C30H48の分子式を持つテルペンの一種である。類縁化合物は100種以上の報告があり(巻末)広く植物にふくまれる脂溶性の化合物である。
2.抽出方法には水抽出、熱水抽出、エタノール熱水抽出、高圧釜抽出などから得ることができる。好ましいのは数次の熱水抽出後の乾燥原料をエタノール熱水するのが経済的にも好ましい。
3.臨床試験で用いられたコロソリン酸を含む組成物とは、過去の実験で用いられた組成物は、コロソリン酸試薬(99.5%以上の純度)、コロソリン酸含有量1%~18%のエタノール熱水エキス、コロソリン酸含有量1%以下の熱水抽出エキス並びにそれらに賦型剤剤やオイル類を用いた錠剤、カプセル、白色エキス、透明水溶液などである。
4. 得られた事実と今後の臨床試験の想定範囲は、二度の認知症臨床試験で用いられた組成物(詳細は後述)はコロソリン酸含有量1錠1ミリグラムの錠剤である。バナバ(ラガーストロエーミア・スペシオーサ・和名オオバナ百日紅)のエタノール熱水エキスをもとに作られた。同様の植物は、グワバ、枇杷、桑、柿、花梨(巻末参照)など120種類以上が報告されている。実験がバナバ由来であること、米国FDAの認証や多くの販売製品と実績、韓国ではトクホ取得などに理由により安全の面からも抽出原料植物としてより好ましいと考えられる。
5. 処方されたコロソリン酸を含む組成物のあらましと効果が期待される想定の範囲
原料となった[バナバ]はフィリピンのサンバレス州で採集された。抽出物製造工場は中国浙江省であり、錠剤製造は国内千葉県である。エタノール熱水エキスと賦型剤(後述に記載)を原料としたものでコロソリン酸含有量は1錠あたり1ミリグラムである。1日あたりの処方量は3粒である。コロソリン酸量は3ミリグラムであった。
処方時並びに試験後のインタビューで副作用、体調の変異は確認されていない。このことから、コロソリン酸とその類の認知症の緩和と予防を目的に処方または摂取する場合、一日あたりコロソリン酸量0.15ミリグラムから60ミリグラムが想定され特に[一日3ミリグラム~10ミリグラム程度]が好ましい。
6.薬理上の安全性については、カナダにおいてエタノール熱水エキスのコロソリン酸ソフトジェル錠剤で一日10ミリグラムの安全性確認臨床試験結果があり論文化されている。そのことから一日最大コロソリン酸処方量200ミリグラムまでは安全と考えられる。また20倍量の安全性はマウス実験、ビーグル犬などの解剖実験でも確認済みである。
これで得られる抑認知症効果、認知症の緩和と予防効果は、見当識(記憶や認識能力)機能の回復と、インスリン応答の素早さ、インスリン抵抗性の改善などが見込める。
7.組成物の投与の量と方法各種は、好ましいコロソリン酸とその類の投与量は、[一日1ミリグラムから20ミリグラム]である。これは、固形物(錠剤、グミ、カプセル、ソフトジェル、飴、キャンディーなど)、液体(ジュレ、ドリンク、乳酸菌飲料、炭酸飲料、透明エキス)、気体(透明エキスを使った噴霧)。粉体(白色エキスを使用した、うどん、パン、菓子類など)が考えられるが、認知症、軽度認知障害者には、高齢者も多く、[嚥下障害]などを配慮する必要がある。好ましいのは、小さい錠剤または蜂蜜状のジェルまたは60~100mlの乳酸菌飲料である。
8.摂取のタイミングは、食前が好ましい。しかし食間でも食後でも可能である。要は決して苦痛や、煩わしさがなく日常的に毎日続けられることが大切である。最終的な目的は認知症が疑われる人々の笑顔の回復であり意欲、食欲でもある。このことは家族の幸福にもつながり、社会の問題解決にも大きな貢献を果たすものとなる。認知症最大の[課題]は認知症新薬または予防薬、診断のバイオマーカーがないことに尽きる。本発明は激増する認知症・アルツハイマー病の進行に対し、医科学的証拠を以って解決(遅延・予防)するものである。
9.特に日本人や東アジア人に多いとされる遺伝的要因と生活習慣に起因する[インスリン分泌不全がある。しかし本発明の目的は、コロソリン酸とその類縁化合物及びそれらを含む抽出物は、加齢になどにより空腹時のインスリン分泌が過剰になりでインスリン抵抗性発症した高齢者または熟年者のインスリン機能と応答を、正常に戻し認知症の進行を抑え、緩和または予防を可能にし、本人とその家族の健康と笑顔を維持または回復させるものである。同時に発明を応用し嚥下障害や誤飲を防げるように鼻腔吸引で摂取できるように混合する溶剤や機器の開発、安全で安価に大量し高齢者、熟年層とその家族を激増する認知症・アルツハイマー病発症から守るものである。
【課題を解決するための手段】
【0052】
日常食品としての流通、病院での処方、ドラッグストアーでのOTC販売、SNS通販などが好ましい手段である。コロソリン酸を日常食品として応用し手軽に摂取できるようになれば、多くの成人病、生活習慣病、認知症などなど広範な高齢者に多い疾患の全てに有効な夢の新薬あるいは日常食品として高齢者の健康を守ることが可能である。なによりコロソリン酸とその類縁化合物及びそれらを含む抽出物は安価で製造可能であり合成薬と違い副作用の心配がなく安全である。課題を解決する具体的製品として、日常食品例えばお茶、飴、はちみつ、ヨーグルトなどへの添加も望ましい手段である。
またコロソリン酸類は長きにわたり伝承的食経験ある安全で副作用の報告がない植物由来の化合物である。常習性や大量に摂取しても事故や副作用の心配がない。
現代人の死亡数を占める疾患とは癌、心臓病、糖尿病、高血圧、肺炎など成人病と呼ばれる加齢とともにリスクの高まる疾患か、または生活習慣病と呼ばれる人類史上かってなかった「消化の良い冨栄養な食事」「運動不足」に起因する高濃度血液と血栓に起因する疾患である。次に重要なのが認知症である。これらの具体的解決方法をエビデンスと共に提案することが喫緊の課題であり本発明の主題である。
課題を解決するための第三の手段として、コロソリン酸は「ナノ化」「透明化」「水溶化」技術の開発に成功済みであり、水のように「無色透明」「無味無臭」の何にでも溶ける液体もあり利用範囲は無限である。
【発明の効果】
【0053】
発明が実現する効果は次の通りである。
1.新しい産業の創出。コロソリン酸大量生産設備。カルス工場、加工設備、抽出設備、単利精製カラムなど。2.働く高齢者の増加。成人病、認知症・アルツハイマー病進行遅延・予防により本人と家族と社会の問題を解決する。3.社会保険料負担の問題解決。高齢者の健康維持、介護人材の不足解消問題の解決。4.日常生活における簡単で手ごろな認知症予防方法の提案。小粒3錠を飲むだけ。5.新しいマーケットの創出。生活習慣病対策、認知症予防・治癒製品の創出と新しい産業と雇用の創出。
6.日本発の認知症予防・治癒製品・機器・ノウハウの輸出など産業の振興。7.成人病、認知症・アルツハイマー病進行や薬効の定期診断と早期発見への寄与。8.簡易な人間ドック、認知症診断やスマホ利用項目への追加やVR技術とのコラボ。9.採血による一般的健康診断での成人病や認知症早期発見バイオマーカー技術の向上。10.採血時に応答式の成人病や認知症項目にバイオマーカーとしてインスリン応答数値とインスリン抵抗性数値を加え早期発見の参考とする。11.IOTやAI技術の認知症市場参入を促進し、新しい認知症ハイテク新産業を創出する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
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図1】一回目治験者グループ高齢者のMMSEテストスコアーその1
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図2】一回目治験者グループ高齢者のMMSEテストスコアーその2
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図3】一回目治験者グループ高齢者のOGTT採血試験結果その1
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図4】一回目治験者グループ高齢者のOGTT採血試験結果その2
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図5】参加高齢者の名前と誕生日とMMSE途中経過
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図6】高齢者のコロソリン酸摂取前と摂取2週間後と一か月後のMMSEスコアー
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図7】スマホ中毒の成人の上記と同じMMSEスコアー折れ線グラフ
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図9】コロソリン酸摂取の結果、インスリン抵抗性の国際基準値HOMA-IRが改善した結果、並びにインスリン感受性の向上、インスリンの素早い分泌、その結果としてインスリン分泌の総量を低減し、インスリン分解酵素の負担軽減とアミロイドベータやタウ・タンパクの原因物質を産生を低減したことが示された
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図10】治験に参加の高齢者のMMSE写真とコロソリン酸25%の透明な水溶液
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図11】成人、高齢者の参加者写真と透明化したコロソリン酸水溶液
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図12】今回の治験に至った様々な実験、食パンで血糖値、コロソリン酸の結晶
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図13】コロソリン酸の大量生産に向けた植物培養試験と効率的な方法を発見と遺伝子
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図14】バナバ植物における24時間のコロソリン酸変化の実験と京都大学のLC/MS/MSのによるコロソリン酸の体内吸収と排泄時間との研究
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図15】高齢者のための噴霧による吸収や、認知症の研究(引用)
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図16】LC/MS/MS(四重極質量計による血液内のコロソリン酸測定データ
【発明を実施するための形態】
【実施例0055】
本発明を実施するための形態の第一とは、何よりコロソリン酸の存在を広く世間に知らしめなければならいだろう。そうすれば開発者や提携先が現れ製品化が加速する。知らせるとはSNSやメディア露出を図ることでありそれに値するニュース性を待たせることが重要である。コンピューターシミュレーションでコロソリン酸とインスリンの関連性を計算するのもコストパーフォーマンスの良い方法であろう。当該発明者によりコロソリン酸はすでに結晶化され3D構造も判明している。またインスリンの3D構造も広く公開されておりコンピューターシミュレーション(デジタル模擬実験)も可能である。
本発明を実施するための形態の二番目とは、成人病、生活習慣病、認知症、認知症(MCI)が疑われる人々の日常生活のあらゆるシーンでコロソリン酸とその類を生かし、インスリン抵抗性の解決を基本とした、クスリ、食品、飲料、環境(噴霧)、IoTなどの製品を開発することである。
本発明を実施するための形態として、日本人の食後の追加インスリンについての問題解決がある。アジア人と西欧人のインスリンの食後の追加分泌のパターンは異なる。歴史的に農耕民族と狩猟民族という食べ物の違いに起因していると考えられる。本発明のコロソリン酸とその類は[穀物]を主食にしている民族の高齢者に使われるのがより好ましい。
日本人・アジア人は農耕民族(旧石器時代から)故にDNAはゆっくりとインスリン分泌を始める。一方血糖値が下がってもインスリンを出し続ける。このインスリン反応遅延がインスリン抵抗性の原因の一つになっている。食事前にコロソリン酸を摂取したり、日常食品として摂取すれば上記の課題を解決し、本発明を実施する具体的な形態となる。