(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023121734
(43)【公開日】2023-08-31
(54)【発明の名称】エラー検出機能を有する無線周波数回路
(51)【国際特許分類】
G01R 31/00 20060101AFI20230824BHJP
【FI】
G01R31/00
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023017200
(22)【出願日】2023-02-07
(31)【優先権主張番号】63/312,061
(32)【優先日】2022-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】111143293
(32)【優先日】2022-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】520307104
【氏名又は名称】稜研科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】TMY TECHNOLOGY INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100204490
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 葉子
(72)【発明者】
【氏名】張 書維
【テーマコード(参考)】
2G036
【Fターム(参考)】
2G036AA19
2G036BB09
2G036BB12
2G036CA10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】素子/信号エラー検出機能を有する無線周波数回路を提供する。
【解決手段】無線周波数回路は、ベースプレートと、被試験素子と、伝送線と、感知線と、コントローラとを含む。ベースプレートは、第1表面を有する。被試験素子は、ベースプレート上に配置され、出力ポートを含み、RF信号を出力する。伝送線は、ベースプレートの第1表面に配置され、被試験素子の出力ポートに電気接続される。感知線は、ベースプレートの感知領域内において伝送線に対して実質的に平行である。感知線は、伝送線から第1長さで分離され、伝送線上にRF信号を誘導して誘導信号を生成するのに適している。コントローラは、ベースプレート上に配置され、感知線に電気接続されるとともに、誘導信号に基づいて被試験素子の状態を判断するよう構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エラー検出機能を有する無線周波数回路であって、
第1表面を有するベースプレートと、
前記ベースプレート上に配置され、出力ポートを含み、RF信号を出力する被試験素子と、
前記ベースプレートの前記第1表面に配置され、前記被試験素子の前記出力ポートに電気接続された伝送線と、
前記ベースプレートの感知領域内において前記伝送線に対して実質的に平行であり、前記伝送線から第1長さで分離され、前記伝送線上に前記RF信号を誘導して誘導信号を生成するのに適した感知線と、
前記ベースプレート上に配置され、前記感知線に電気接続されるとともに、前記誘導信号に基づいて前記被試験素子の状態を判断するよう構成されたコントローラと、
を含む無線周波数回路。
【請求項2】
前記ベースプレート上に配置され、前記感知線に結合されるとともに、センサに接続するのに適したコネクタをさらに含み、
前記コネクタが前記センサに接続された時、それに反応して、前記センサが、前記誘導信号に基づいて判定信号を生成するのに適しており、前記コントローラが、前記判定信号に基づいて前記被試験素子の前記状態を判断する請求項1に記載の無線周波数回路。
【請求項3】
前記コネクタが、
前記感知線に電気接続された第1導電構造と、
前記ベースプレート上の第1電圧源に電気接続され、第1電圧を受信する第2導電構造と、
を含み、前記コネクタが前記センサに接続されていない時、それに反応して、前記第1導電構造および前記第2導電構造が、締め付け状態にあり、
前記コネクタが前記センサに接続された時、それに反応して、前記第1導電構造および前記第2導電構造が、前記センサを締め付ける請求項2に記載の無線周波数回路。
【請求項4】
前記第1導電構造が、
第1導体リードと、
前記感知線に接続された第1端および第2端を有する第1導体板と、
前記第1導体板の前記第1端および前記第1導体リードにそれぞれ電気接続されたコンデンサと、
を含み、前記コネクタが前記センサに接続されていない時、それに反応して、前記第1導体リードおよび前記第2導電構造が、前記締め付け状態を形成する請求項3に記載の無線周波数回路。
【請求項5】
前記ベースプレート上に配置され、前記感知線および前記コントローラに電気接続されるとともに、前記誘導信号に基づいて判定信号を生成するよう構成されたセンサをさらに含み、前記コントローラが、前記判定信号に基づいて前記被試験素子の前記状態を判断する請求項1に記載の無線周波数回路。
【請求項6】
前記センサが、
前記誘導信号を増幅して、出力信号を生成するよう構成された増幅器と、
前記増幅器に結合され、前記増幅器によって出力された前記出力信号をデジタル形式の前記判定信号に変換するよう構成されたアナログ-デジタル変換器と、
を含む請求項2または5に記載の無線周波数回路。
【請求項7】
前記第1長さが、前記伝送線の線幅の8分の1から前記伝送線の前記線幅までである請求項1に記載の無線周波数回路。
【請求項8】
前記誘導信号が生成されていない時、それに反応して、前記コントローラが、さらに、前記被試験素子が故障状態にあると判断するよう構成され、
前記誘導信号が生成された時、それに反応して、前記コントローラが、さらに、前記被試験素子が正常な状態にあると判断するよう構成された請求項1に記載の無線周波数回路。
【請求項9】
前記被試験素子が、マルチプレクサであり、
前記無線周波数回路が、さらに、前記ベースプレート上に配置された少なくとも1つの追加の伝送線および少なくとも1つの追加の感知線を含み、
前記少なくとも1つの追加の感知線が、前記感知領域内において前記伝送線および前記少なくとも1つの追加の伝送線のうちの1つに対して実質的に平行であり、且つ第2長さで分離され、
前記少なくとも1つの追加の線が、前記マルチプレクサの出力ポートに電気接続され、
前記感知線および前記少なくとも1つの追加の伝送線が、前記伝送線および前記少なくとも1つの追加の感知線上に前記RF信号を誘導して、前記誘導信号を生成するのに適しており、
前記コントローラが、さらに、前記誘導信号に基づいて前記マルチプレクサの状態を判断するよう構成された請求項1に記載の無線周波数回路。
【請求項10】
前記マルチプレクサの第1出力ポートが、前記伝送線および前記追加の伝送線の第1線を介して前記RF信号を送信し、
前記第1線の前記誘導信号の電力強度が第1閾値よりも小さい時、それに反応して、前記コントローラが、さらに、前記マルチプレクサが故障状態にあると判断するよう構成され、前記第1閾値および前記第1線からそれぞれ前記感知線および前記少なくとも1つの追加の感知線までの距離が、重量関係を有し、
前記第1線の前記誘導信号の前記電力強度が前記第1閾値よりも小さくない時、それに反応して、前記コントローラが、さらに、前記マルチプレクサが正常な状態にあると判断するよう構成された請求項9に記載の無線周波数回路。
【請求項11】
前記第1線が、前記感知領域内において前記マルチプレクサの第2出力ポートに接続された前記伝送線および前記少なくとも1つの追加の伝送線における第2線に対して実質的に平行であり、且つ第3長さで分離され、
前記第2線の前記誘導信号の電力強度が第2閾値よりも小さい時、それに反応して、前記コントローラが、さらに、前記第1線と前記第2線の間に漏洩が生じていないと判断するよう構成され、
前記第2線の前記誘導信号の前記電力強度が前記第2閾値よりも小さくない時、それに反応して、前記コントローラが、さらに、前記第1線と前記第2線の間に前記漏洩が生じたと判断するよう構成された請求項10に記載の無線周波数回路。
【請求項12】
前記被試験素子が、マルチプレクサであり、
前記出力ポートの前記誘導信号の電力強度が第3閾値よりも小さい時、それに反応して、前記コントローラが、さらに、増幅器が故障状態にあると判断するよう構成され、前記第3閾値が、前記増幅器のゲインに基づいて判断され、
前記出力ポートの前記誘導信号の前記電力強度が前記第3閾値よりも小さくない時、それに反応して、前記コントローラが、さらに、前記増幅器が正常な状態にあると判断するよう構成された請求項1に記載の無線周波数回路。
【請求項13】
前記ベースプレートが、さらに、前記第1表面に対向する第2表面を含み、前記感知線が、前記第2表面に配置された請求項1に記載の無線周波数回路。
【請求項14】
前記コントローラが、通信トランシーバに接続されるよう構成され、前記通信トランシーバが、前記コントローラが判断した故障状態または前記誘導信号を送信するよう構成された請求項1に記載の無線周波数回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線周波数回路に関するものであり、特に、エラー検出機能を有する無線周波数回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
無線周波数(radio frequency, RF)回路は、携帯電話、タブレットPC、ウェアラブル装置、およびスマートアシスタント装置等の電子デバイスに幅広く使用されている。無線周波数回路は、通常、複数の電子素子を含む。電子素子が出荷前や販売後に故障した場合、無線周波数回路に影響を与える。しかしながら、個別の素子の故障は、確認が難しいこともあり、従来の検出方法は、無線周波数回路の実際の操作に間に合うように操作するのが難しく、また、回路全体を取り外してから素子を1つ1つテストしなければならないこともよくある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の実施形態は、エラー検出機能を有する無線周波数回路を提供する。RF/HF伝送線のクロストーク(crosstalk)特性および対応する回路設計を使用するこうすることによって、機械を分解せずに、素子/信号エラー検出機能を有する無線周波数回路を実現する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施形態におけるエラー検出機能を有する無線周波数回路は、ベースプレートと、被試験素子と、伝送線と、感知線と、コントローラとを含む(ただし、本発明はこれに限定されない)。ベースプレートは、第1表面を有する。被試験素子は、ベースプレート上に配置され、出力ポートを含み、RF信号を出力する。伝送線は、ベースプレートの第1表面に配置され、被試験素子の出力ポートに電気接続される。感知線は、ベースプレートの感知領域内において伝送線に対して実質的に平行である。感知線は、伝送線から第1長さで分離され、伝送線上にRF信号を誘導して誘導信号を生成するのに適している。コントローラは、ベースプレート上に配置され、感知線に電気接続される。コントローラは、誘導信号に基づいて被試験素子の状態を判断するよう構成される。
【発明の効果】
【0005】
以上のように、本発明の実施形態のエラー検出機能を有する無線周波数回路は、互いに実質的に平行で、且つ分離された伝送線および感知線をベースプレート上に配置する。感知線を介して伝送線上のRF信号を誘導し、被試験素子の状態を判断する。このようにして、回路構造に大きな影響を与えずに、エラー検出機能を実現することができる。
【0006】
本発明の上記の特徴および利点をより分かり易くするため、図面と併せた幾つかの実施形態を以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
添付図面は、本発明の原理がさらに理解されるために含まれており、本明細書に組み込まれ、且つその一部を構成するものである。図面は、本発明の実施形態を例示しており、説明とともに、本発明の原理を説明する役割を果たしている。
【0008】
【
図1】本発明の1つの実施形態に係る無線周波数(RF)回路の素子のブロック図である。
【
図2A】本発明の1つの実施形態の伝送線および感知線の構成に基づく透視概略図である。
【
図2C】本発明の1つの実施形態に係る無線周波数回路の部分的断面図である。
【
図2D】本発明の1つの実施形態に係る無線周波数回路の部分的断面図である。
【
図3A】本発明の1つの実施形態に係るコネクタがセンサに接続されていない時の無線周波数回路の部分的回路図である。
【
図3B】本発明の1つの実施形態に係るコネクタがセンサに接続された時の無線周波数回路の部分的回路図である。
【
図4A】本発明の別の実施形態に係るコネクタがセンサに接続されていない時の無線周波数回路の部分的回路図である。
【
図4B】本発明の別の実施形態に係るコネクタがセンサに接続された時の無線周波数回路の部分的回路図である。
【
図5】本発明の1つの実施形態に係るセンサの回路図である。
【
図6A】本発明の1つの実施形態に係るマルチプレクサに対してエラー検出を行った時の概略図である。
【
図6B】本発明の1つの実施形態に係るクロストーク現象を示す概略図である。
【
図7A】本発明の1つの実施形態に係る複数の伝送線に対してエラー検出を行った時の概略図である。
【
図7B】本発明の1つの実施形態に係る感知線の構成の概略図である。
【
図7C】本発明の別の実施形態に係る感知線の構成の概略図である。
【
図8】本発明の1つの実施形態に係る増幅器に対してエラー検出を行った時の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本発明の1つの実施形態に係る無線周波数(RF)回路10の素子のブロック図である。
図1を参照すると、無線周波数回路10は、ベースプレート11と、1つまたはそれ以上の被試験素子12と、1つまたはそれ以上の伝送線TLと、1つまたはそれ以上の感知線SLと、コントローラ13とを含む(ただし、本発明はこれに限定されない)。無線周波数回路10は、モバイルネットワーク、Wi-Fi、ブルートゥース(Bluetooth、登録商標)、または他の通信プロトコルをサポートする通信トランシーバに適用される。
【0010】
ベースプレート11は、プリント回路板(printed circuit board)の本体または電子素子の他のサポートまたはキャリアであってもよい。1つの実施形態において、ベースプレート11は、第1表面S1を有する。別の実施形態において、ベースプレート11は、第1表面S1の他に、第1表面S1に対向する第2表面をさらに含む(後述する実施形態において説明する)。
【0011】
被試験素子12は、ベースプレート11上に配置される。被試験素子12は、マルチプレクサ(multiplexer)、低雑音増幅器(low noise amplifier, LNA)、位相器(phase shifter)、ミキサー、分周器(frequency divider)、スイッチ、フィルタ、または他の電子素子であってもよい。被試験素子12は、1つまたはそれ以上の出力ポート121を有し、RF信号RSを出力する。異なる設計要求に応じて、RF信号RSのキャリア周波数は、300MHz~300GHzの範囲であってもよいが、本発明はこれに限定されない。
【0012】
伝送線TLは、ベースプレート11の第1表面S1に配置され、被試験素子12の出力ポート121に電気接続される。伝送線TLは、銅、またはRF信号RSを送るために使用される他の金属、合金、または金属複合線であってもよい。
【0013】
1つの実施形態において、無線周波数回路10は、さらに、二次素子122を含む。二次素子122は、伝送線TLに電気接続され、RF信号RSを受信する。二次素子122は、例えば、アンテナ、フィルタ(回路)、ミキサー、またはRF信号を受信することのできる任意の他の能動または受動電子回路あるいは電子素子である。
【0014】
感知線SLは、ベースプレート11上に配置される。感知線SLは、ベースプレート11の感知領域SA内において伝送線TLに対して実質的に平行である。つまり、回路配線において、少なくとも感知領域SAにおける感知線SLの線分は、伝送線TLの線分の一部に対して実質的に平行である。しかしながら、感知領域SA、感知線SL、および伝送線TLの外側は、空間において平行配置に限定されない。
【0015】
また、感知領域SA、感知線SL、および伝送線TLの内側は、第1長さL1で分離される。1つの実施形態において、第1長さL1は、伝送線TLの線幅の約8分の1から伝送線TLの線幅までである。
【0016】
注意すべきこととして、伝送線TLおよび感知線SLが互いに平行であり、且つ分離される特性に基づき、これらの線の間には容量結合または誘導結合が存在する。あるいは、クロストークまたは誘導結合とも称す。そのため、感知線SLは、伝送線TL上にRF信号RSを誘導するのに適しており、それに基づいて、誘導信号SSを生成することができる。つまり、RF信号RSが感知領域SAを通過した時、それに反応して、感知線SLは、カップリング現象に基づいて感知領域SAに誘導信号SSを生成する。
【0017】
1つの実施形態において、伝送線TLおよび感知線SLは、ベースプレート11の第1表面S1に配置される。つまり、伝送線TLおよび感知線SLは、同じ層上に位置する。
【0018】
図2Aは、本発明の1つの実施形態の伝送線TLおよび感知線SLの構成に基づく透視概略図であり、
図2Bは、断面線A-Aに沿った
図2Aの断面図である。
図2Aおよび
図2Bを参照すると、伝送線TLは、ベースプレート11の第1表面S1に配置され、感知線SLは、ベースプレート11の第2表面S2に配置される。第1表面S1および第2表面S2のピッチは、第1長さL1である。つまり、伝送線TLは、第1層上に位置し、感知線SLは、第2層上に位置する。
【0019】
図2Cは、本発明の1つの実施形態に係る無線周波数回路10の部分的断面図である。
図2Cを参照すると、いくつかの実施形態において、ベースプレート11の感知領域SAの外側において、第1表面S1/第1層と第2表面S2/第2層の間の第3層は、接地GNDに接続され、接地層として使用される。つまり、接地層は、第1表面S1/第1層と第2表面S2/第2層の間に挟まれる。
【0020】
図2Dは、本発明の1つの実施形態に係る無線周波数回路10の部分的断面図である。
図2Dを参照すると、いくつかの実施形態において、感知線SLは、ベースプレート11を貫通してもよい。そのため、感知線SLの一部は、ベースプレート11の第1表面S1に配置され、ベースプレート11を貫通しているため、感知線SLの別の部分は、ベースプレート11の感知領域SAの第2表面S2に配置される。つまり、感知線SLは、第1表面S1の伝送線TLが位置する別の側まで感知領域SAを周回する。
【0021】
図1を参照すると、コントローラ13は、ベースプレート11上に配置され、感知線SLに電気接続される。コントローラ13は、中央処理装置(central processing unit, CPU)、プログラム可能な一般用途または特殊用途のマイクロプロセッサ(microprocessor)、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor, DSP)、プログラマブルコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array, FPGA)、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit, ASIC)、または他の類似する構成要素、あるいはこれらの構成要素の組み合わせであってもよい。
【0022】
1つの実施形態において、コントローラ13は、感知線SLからの誘導信号SSに基づいて被試験素子12の状態を判断するよう構成される。被試験素子12の状態は、例えば、故障状態、正常状態、省エネ状態、または高効率状態である。異なる設計要求に応じて、コントローラ13は、誘導信号SSの有無、強度、周波数、または他の物理特性に基づいて、被試験素子12が故障状態にあるか、正常状態にあるかを判断することができるが、その応用状況については、後述する実施形態において説明する。
【0023】
1つの実施形態において、無線周波数回路10は、さらに、センサ(後述する実施形態において説明する)を含む。センサは、ベースプレート11上に配置される。センサは、感知線SLおよびコントローラ13に電気接続される。センサは、誘導信号SSを変換するよう構成される。変換された信号は、被試験素子の状態を判断するためにコントローラ13によって使用される。センサによる変換は、ゲイン調整、フィルタリング、および/またはアナログ-デジタル変換であってもよい。
【0024】
1つの実施形態において、センサは、感知線SLに直接接続される。
【0025】
別の実施形態において、無線周波数回路10は、脱着可能構造を提供することができる。例えば、無線周波数回路10は、さらに、コネクタを含む。コネクタは、ベースプレート11上に位置し、感知線SLに結合され、センサを接続するのに適している。コネクタがセンサに接続され、感知線SLが誘導信号SSを有する時、それに反応して、センサは、誘導信号SSを受信することができる。
【0026】
例えば、
図3Aは、本発明の1つの実施形態に係るコネクタ14Aがセンサ16Aに接続されていない時の無線周波数回路10の部分的回路図であり、
図3Bは、本発明の1つの実施形態に係るコネクタ14Aがセンサ16Aに接続された時の無線周波数回路10の部分的回路図である。
図3Aを参照すると、コネクタ14Aは、第1導電構造141および第2導電構造142を含む。
【0027】
第1導電構造141は、感知線SLに電気接続される。第2導電構造142は、ベースプレート11上の第1電圧源に電気接続され、第1電圧を受信する。第1電圧は、システム電圧VDDであってもよく、第1電圧源は、電源、バッテリー、または電力変換器であってもよい。しかしながら、第1電圧は、他のカスタム電圧であってもよい。
【0028】
1つの実施形態において、第1導電構造141および第2導電構造142のうちの少なくとも1つは、外部の力によって変形することのできる屈曲性または弾性の部材を含む。
図3Aを参照すると、コネクタ14Aがセンサ16Aに接続されていない時、それに反応して、第1導電構造141および第2導電構造142のうちの少なくとも1つがそのリセット力によって第1位置に位置するため、第1導電構造141および第2導電構造142は、締め付け状態にある。つまり、第1導電構造141および第2導電構造142は、互いに当接する。
【0029】
図3Bを参照すると、コネクタ14Aがセンサ16Aに接続された時、それに反応して、第1導電構造141および第2導電構造142のうちの少なくとも1つがセンサ16Aの端子によって第2位置まで押されるため、第1導電構造141および第2導電構造142は、センサ16Aを締め付ける。
【0030】
さらに詳しく説明すると、1つの実施形態において、第1導電構造141は、第1導体リード(conductor reed)141Aおよび第1導体板141Bを含む。第1導体リード141Aは、外部の力によって屈曲可能である。第1導体板141Bは、ベースプレート11上に固定して配置され、第1端e1および第2端e2を含む。第1導体板141Bの第1端e1は、第1導体リード141Aの一端に接続される。第1導体板141Bの第2端e2は、感知線SLに接続される。
【0031】
図3Aを参照すると、コネクタ14Aがセンサ16Aに接続されていない時、それに反応して、第1導電構造141および第2導電構造142は、締め付け状態を形成する。例えば、第1導体リード141Aは、第2導電構造142に当接する。この時、感知線SLは、接地GNDに接続される。
【0032】
図3Bを参照すると、コネクタ14Aがセンサ16Aに接続された時、それに反応して、第1導電構造141および第2導電構造142は、センサ16Aを締め付ける。例えば、第1導体リード141Aおよび第2導電構造142は、センサ16Aに当接する。
【0033】
一方、センサ16Aは、コンデンサC1、増幅器161、およびアナログ-デジタル変換器(analog to digital converter, ACD)162を含む(ただし、本発明はこれに限定されない)。
図3Bを参照すると、コネクタ14Aがセンサ16Aに接続された時、それに反応して、システム電圧V
DDは、コンデンサC1およびブリーダー(bleeder)回路を介してさらに接地GNDに接続される。
【0034】
図4Aは、本発明の別の実施形態に係るコネクタ14Bがセンサ16Bに接続されていない時の無線周波数回路10の部分的回路図であり、
図4Bは、本発明の別の実施形態に係るコネクタ14Bがセンサ16Bに接続された時の無線周波数回路10の部分的回路図である。
図4Aおよび
図4Bを参照すると、
図3Aおよび
図3Bとの相違点は、コネクタ14BがさらにコンデンサC2を含み、センサ16BがコンデンサC1を含まないことである。そのため、コネクタ14Bがセンサ16Bに接続された時、それに反応して、システム電圧V
DDは、センサ16BのコンデンサC2およびブリーダー回路を介してさらに接地GNDに接続される。
【0035】
注意すべきこととして、別の実施形態において、コネクタは、2つの導電構造に限定されず、導電構造は、リードおよび板に限定されない。例えば、プラグインコネクタであってもよい。感知線SLに対応する他端は、DC電源に電気接続され、固定電圧を取得するため、コネクタ14Aおよび14Bが挿入されていない時、それに反応して、感知線SLが接地GNDまたは固定電圧として使用され、それにより、浮遊回路の主信号線(例えば、伝送線TL)の特性に対する影響を低減することができる。別の例において、さらに多くの導電構造を提供してもよい。
【0036】
図5は、本発明の1つの実施形態に係るセンサ16A/16Bの回路図である。
図5を参照すると、センサ16A/16Bは、ピーク検出器または電力センサである。コネクタがセンサ16A/16Bに接続された時、それに反応して、センサは、誘導信号SSに基づいて判定信号DSを生成するのに適している。さらに詳しく説明すると、センサ16A/16Bの増幅器161は、誘導信号SSを増幅して出力信号OSを生成するよう構成される。アナログ-デジタル変換器162は、増幅器161に結合される。アナログ-デジタル変換器162は、増幅器161によって出力された出力信号OSをデジタル形式の判定信号DSに変換するよう構成される。
【0037】
コントローラ13は、センサ16A/16Bの出力値を読み出して、判定信号DSを生成することができる。1つの実施形態において、コントローラ13は、アナログ-デジタル変換器を有する判定回路であってもよい。
【0038】
また、コントローラ13は、判定信号DSに基づいて被試験素子12の状態を判断することができる。例えば、判定信号DSの「0」は、故障状態を示し、判定信号DSの「1」は、作動状態を示す。しかしながら、判定信号DSと被試験素子12の状態の間の対応関係は、実際の必要に応じて変更してもよい。
【0039】
別の実施形態において、センサ16Aおよび16Bは、コントローラ13に一体化されてもよい。
【0040】
1つの実施形態において、コントローラ13は、また、通信トランシーバー(図示せず)に接続するよう構成される。通信トランシーバーは、Wi-Fi、モバイルネットワーク、ブルートゥース、光ファイバーネットワーク、または他の通信プロトコルをサポートするトランシーバ回路であってもよい。通信トランシーバーは、コントローラ13が判断した故障状態または誘導信号SSを送信するよう構成される。このようにして、被試験素子12の状態を知ることができる。別の実施形態において、故障状態または誘導信号SSは、ディスプレイまたはスピーカーを介して提示してもよい。
【0041】
本発明の精神をさらに理解してもらうため、以下、いくつかの応用状況について説明する。
【0042】
図6Aは、本発明の1つの実施形態に係るマルチプレクサMP_11に対してエラー検出を行った時の概略図である。
図6Aを参照すると、被試験素子12は、1~NのマルチプレクサMP_11である。Nは、正の整数である。マルチプレクサMP_11は、Nの出力ポート121を含み、それぞれ伝送線TL11、TL12、…、TL1Nに接続される。伝送線TL11、TL12、…、TL1Nは、それぞれマルチプレクサMP_12、MP_13、およびMP_14に接続される。また、感知線SL11、SL12、…、SL1Nは、それぞれ感知領域SA内において伝送線TL11、TL12、…、TL1Nに対して実質的に平行である。感知線SL11、SL12、…、SL1Nは、センサ16A/16Bに接続される。
【0043】
伝送線TL11および感知線SL11を例に挙げると、マルチプレクサMP_11がRF信号RSをマルチプレクサMP_12送信するが、感知線SL11が誘導信号SSを生成しない時(すなわち、誘導失敗)、それに反応して、コントローラ13は、マルチプレクサMP_11(すなわち被試験素子)が故障状態にあると判断する。例えば、伝送線TL11に接続された出力回路が故障している。別の例において、マルチプレクサMP_12の入力回路が故障している。
【0044】
図6Bは、本発明の1つの実施形態に係るクロストーク現象を示す概略図である。
図6Aおよび
図6Bを参照すると、マルチプレクサMP_11がRF信号RSをマルチプレクサMP_12に送信し、感知線SL11が誘導信号SS1を生成した時、それに反応して、コントローラ13は、マルチプレクサMP_11が正常な状態にあると判断する。注意すべきこととして、感知線SL11が誘導信号SS1を生成したかどうかを判断する基準は、対応する閾値との比較結果であってもよい。対応する閾値は、例えば、RF信号RS1の電力強度の10分の1、100分の1、または他の定数であってもよく、および/または感知線SL11と伝送線TL11の間の長さ、および誘導結合の強度に関連してもよい。あるいは、誘導信号SS1の波形がRF信号RS1の波形と同じであるかどうかを判断してもよい。
【0045】
また、感知線SL11によって誘導信号SS1が生成される他に、感知線SL12、…、SL1Nのうちの任意の1つも同時に誘導信号SSを生成するため、伝送線TL11、TL12、…、TL1Nの間で漏洩が生じる可能性がある。
【0046】
同様にして、マルチプレクサMP_11は、マルチプレクサMP_13およびMP_14にそれぞれRF信号RSを送信し、対応する感知線SL12およびSL1Nに誘導信号SSが生成されたかどうかを判断することができるが、ここでは詳しい説明を省略する。
【0047】
図7Aは、本発明の1つの実施形態に係る複数の伝送線TL21、TL12、…、TL25に対してエラー検出を行った時の概略図である。
図7Aを参照すると、被試験素子12は、1~4のマルチプレクサMP_21、MP_22、MP_23、およびMP_24である。マルチプレクサMP_21の4つの出力ポート121は、それぞれマルチプレクサMP_22、MP_23、MP_24、およびMP_25に接続される。感知線SL21は、感知領域SA内において伝送線TL21に対して実質的に平行である。感知線SL21は、センサ16A/16Bに接続される。
【0048】
同様にして、マルチプレクサMP_21がRF信号RSをマルチプレクサMP_22に送信した時、それに反応して、センサ16A/16Bが感知線SL21上の誘導信号SSを受信したかどうかによって、マルチプレクサMP_21および/またはMP_22が故障しているかどうかが判断される。
【0049】
マルチプレクサMP_22がマルチプレクサMP_21からRF信号RSを受信したことを確認した後、マルチプレクサMP_22の出力が正常であるかどうかの判断が継続される。マルチプレクサMP_22の4つの出力ポート121は、それぞれ伝送線TL22、TL23、TL24、およびTL25に接続される。感知線SL22およびSL23は、感知領域SA内において伝送線TL22、TL23、TL24、およびTL25に対して実質的に平行である。感知線SL22およびSL23は、センサ16A/16Bに接続される。
【0050】
図7Bは、本発明の1つの実施形態に係る感知線SL22およびSL23の構成の概略図である。
図7Bを参照すると、感知線SL22およびSL23は、伝送線TL22、TL23、TL24、およびTL25の外側に位置する。感知線SL22と比較して、感知線SL23は、追加の感知線とみなされる。伝送線TL22と比較して、伝送線TL23、TL24、およびTL25は、追加の伝送線とみなされる。感知線SL22およびSL23は、伝送線TL22、TL23、TL24、およびTL25上のRF信号RSを誘導して、誘導信号SSを生成し、それに基づいて、マルチプレクサMP_22の状態を判断するのに適している。
【0051】
マルチプレクサMP_22の第1出力ポートは、伝送線TL22を介してRF信号RSを送信する。伝送線TL22の誘導信号SSの電力強度が第1閾値よりも小さい時、それに反応して、コントローラ13は、マルチプレクサMP_22が故障状態にあると判断することができる。また、伝送線TL22の誘導信号SSの電力強度が第1閾値よりも小さくない時、それに反応して、コントローラ13は、マルチプレクサMP_22が正常な状態にあると判断することができる。
【0052】
コントローラ13は、感知線SL22およびSL23を介して伝送線TL22のRF信号RSを同時に誘導する。カップリング現象の影響の度合いは、距離によって決まる。そのため、異なる伝送線TL22~TL23のRF信号RSに対し、感知線SL22およびSL23上の誘導信号SSは、電力強度が異なっていてもよい。一般的に、伝送線TLと感知線SLの間の距離が遠くなればなるほど、感知線SL上の誘導信号SSは、電力強度が弱くなり、伝送線TLと感知線SLの間の距離が近くなればなるほど、感知線SL上の誘導信号SSは、電力強度が大きくなる。第1閾値は、誘導信号を生成するかどうかを評価するための基準である。そのため、第1閾値および伝送線TL22から感知線SL22およびSL23までの距離D1およびD2は、それぞれ重量関係を有する。例えば、D2は、D1の4倍である。隣接する伝送線TL22~TL25の間の距離の長さは、D1である。伝送線TL22上のRF信号RSに対し、感知線SL22に対応する第1閾値は、感知線SL23に対応する第1閾値の約4倍であってもよい。また、第1閾値は、感知線SL22およびSL23の誘導結合の強度にも関連する。
【0053】
一方、感知線SL22の誘導信号の強度が感知線SL23の誘導信号の強度の約4倍である時、それに反応して、伝送線TL22を介してRF信号RSを送信すると判断する。感知線SL23の誘導信号の強度が感知線SL22の誘導信号の強度の約4倍である時、それに反応して、伝送線TL25を介してRF信号RSを送信すると判断する。感知線SL22の誘導信号の強度が感知線SL23の誘導信号の強度よりわずかに強い時、伝送線TL23を介してRF信号RSを送信すると判断する。感知線SL22の誘導信号の強度が感知線SL23の誘導信号の強度よりわずかに弱い時、伝送線TL24を介してRF信号RSを送信すると判断する。このようにして、2つの感知線のみを配置して、4つの伝送線に対応するスイッチ/素子が正常に作動しているかどうかを判断する。
【0054】
注意すべきこととして、マイクロストリップ(microstrip)の隣接線およびストリップライン(stripline)の隣接線は、ピッチが増加するにつれて、異なる減少度の近端(near-end)ノイズをもたらす。マイクロストリップと比較して、ストリップラインの近端ノイズは、ピッチが増加するにつれて大幅に減少する。隣接線間で一定程度の近端クロストークを可能にするために、隣接線間のピッチは、線幅の2倍であるが、本発明はこれに限定されない。また、誘導信号の強度は、ピッチの1.5乗~2乗に反比例するが、本発明はこれに限定されない。
【0055】
しかしながら、感知線SL22およびSL23の構成は、
図7Bに示した構成に限定されない。
図7Cは、本発明の別の実施形態に係る感知線SL22およびSL23の構成の概略図である。
図7Cを参照すると、
図7Bとの相違点は、感知線SL23が伝送線TL23とTL24の間に位置することである。同様にして、第1閾値および伝送線TL22から感知線SL22およびSL23までの距離D1およびD3は、それぞれ重量関係を有する。例えば、D3は、D1の2倍である。伝送線TL22上のRF信号RSに対し、感知線SL22に対応する第1閾値は、感知線SL23に対応する第1閾値の約2倍であってもよい。
【0056】
また、マルチプレクサMP_22が伝送線TL22を介してRF信号RSを送信し、感知線SL23の誘導信号SSの電力強度が第2閾値より小さい時、それに反応して、コントローラ13は、伝送線TL22とTL23の間に漏洩が生じていないと判断することができる。マルチプレクサMP_22が伝送線TL22を介してRF信号RSを送信し、感知線SL23の誘導信号SSの電力強度が第2閾値より小さくない時、それに反応して、コントローラ13は、伝送線TL22とTL23の間に漏洩が生じたと判断することができる。同様にして、第2閾値および伝送線TL23から感知線SL22およびSL23までの距離は、それぞれ重量関係を有する。
【0057】
図7Cを参照すると、マルチプレクサMP_22が伝送線TL22を介してRF信号RSを送信した時、それに反応して、感知線SL22の誘導信号SSの電圧は、0.5ボルトより大きいはずであり、感知線SL23は、距離が遠すぎるため、誘導信号SSを生成できるはずがない。この時、感知線SL23の誘導信号SSの電圧が依然として0.4ボルトより大きい時、それに反応して、漏洩により感知線SL23によって誘導された伝送線TL23に電流の漏洩が存在する可能性がある。つまり、伝送線TL22がRF信号RSを送信した時、それに反応して、別の伝送線TL23に隣接する感知線SL23を介して漏洩を判断する。
【0058】
伝送線TL23、TL24、およびTL25上のRF信号RSは、上述した伝送線TL22上のRF信号RSの説明を参照することができるため、ここでは詳しい説明を省略する。つまり、感知線SL22およびSL23の誘導信号SSの異なる電力強度は、異なる伝送線TL22、TL23、TL24、およびTL25上にRF信号が存在することを反映する。また、感知線の数および構成は、
図7Bおよび
図7Cに示した実施形態に限定されない。そのため、より少ない感知線SL22およびSL23によって、より多くの伝送線TL22~TL25が誘導される。
【0059】
図8は、本発明の1つの実施形態に係る増幅器に対してエラー検出を行った時の概略図である。
図8を参照すると、被試験素子12は、増幅器AMP(例えば、LNA)である。増幅器AMPの出力ポート121は、伝送線TLに接続され、伝送線TLの線分の一部は、感知線SLに対して実質的に平行である。増幅器AMPの出力ポートの誘導信号SSの電力強度が第3閾値より小さい時、それに反応して、コントローラ13は、増幅器AMPが故障状態にあると判断することができる。増幅器AMPの出力ポートの誘導信号SSの電力強度が第3閾値より小さくない時、それに反応して、コントローラ13は、増幅器AMPが正常な状態にあると判断することができる。第3閾値は、増幅器AMPのゲインに基づいて決定される。増幅器AMPの目的の1つは、入力信号のゲインを調整することであるため、増幅器AMPによって出力されたRF信号RSのカップリングによって生成される誘導信号SSも、対応する電力強度を有していなければならない。
【0060】
例えば、増幅器AMPは、理想上、信号電力を10dB増幅することができ、誘導信号SSとRF信号RSの間のカップリング比は、1/10である。‐10dBmの入力信号が増幅器AMPに入力された時、それに反応して、誘導信号SSの電力は、‐10dBmのはずである。誘導信号SSの電力が‐11dBmの時、それに反応して、増幅器AMPのゲインは、9dBしかないため、理想の10dBより小さい。実際のゲインと理想のゲインの間の差は、増幅器AMPの非理想性によって生じる。この種の非理想性は、時間とともに変化するため、本実施形態は、無線周波数回路が現読み取り値に基づいて自己調整できるようにし、対応するゲイン補償および他の制御を提供する。
【0061】
注意すべきこととして、異なる種類の被試験素子12に対し、非試験素子12の状態を判断する基準は、電力強度に限定されない。例えば、被試験素子12がミキサーまたは周波数ドライバーであると仮定すると、誘導信号SSの周波数を使用して判断が行われる。別の例において、被試験素子12が位相器であると仮定すると、誘導信号SSの位相を使用して判断が行われる。
【0062】
以上のように、本発明の実施形態のエラー検出機能を有する無線周波数回路は、実質的に平行な感知線および被試験素子の出力ポートに接続された伝送線を感知領域に配置する。クロストークにより感知線によって生成された誘導信号を使用して、被試験素子の状態を判断する。このようにして、回路構造全体に大きな影響を与えずに、エラー検出機能を実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明の実施形態のエラー検出機能を有する無線周波数回路は、機械を分解せずに、素子/信号エラー検出機能を有する無線周波数回路を実現することができる。
【符号の説明】
【0064】
10 無線周波数回路
11 ベースプレート
12 被試験素子
TL、TL11~TL1N、TL21~TL25 伝送線
SL、SL11~SL1N、SL21~SL23 感知線
13 コントローラ
S1 第1表面
121 出力ポート
122 第2素子
RS、RS1 RF信号
SA 感知領域
SS、SS1 誘導信号
L1 第1長さ
A-A 断面線
S2 第2表面
14A、14B コネクタ
16A、16B センサ
141 第1導電構造
142 第2導電構造
VDD システム電圧
141A 第1導体リード
141B 第1導体板
e1 第1端
e2 第2端
C1、C2 コンデンサ
161、AMP 増幅器
162 アナログ-デジタル変換器
GND 接地
OS 出力信号
DS 判定信号
MP_11、MP_12、MP_13、MP_14、MP_21、MP_22、MP_23、MP_24、MP_25 マルチプレクサ
D1、D2、D3 距離
【外国語明細書】