IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東友ファインケム株式会社の特許一覧

特開2023-121741着色感光性樹脂組成物、カラーフィルタ、及び画像表示装置
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023121741
(43)【公開日】2023-08-31
(54)【発明の名称】着色感光性樹脂組成物、カラーフィルタ、及び画像表示装置
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/027 20060101AFI20230824BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20230824BHJP
   G03F 7/031 20060101ALI20230824BHJP
   G02B 5/20 20060101ALI20230824BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20230824BHJP
【FI】
G03F7/027 502
G03F7/004 505
G03F7/031
G02B5/20 101
G09F9/30 349B
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023335
(22)【出願日】2023-02-17
(31)【優先権主張番号】10-2022-0022484
(32)【優先日】2022-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】514217912
【氏名又は名称】東友ファインケム株式会社
【氏名又は名称原語表記】DONGWOO FINE-CHEM CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】132,Yakchon-ro,Iksan-si Jeollabuk-do 570-977,Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】イ,サンボム
(72)【発明者】
【氏名】キム,ミンス
【テーマコード(参考)】
2H148
2H225
5C094
【Fターム(参考)】
2H148BE03
2H148BE12
2H148BF16
2H148BG02
2H148BG06
2H148BG07
2H148BH02
2H148BH18
2H148BH22
2H225AC32
2H225AC33
2H225AC36
2H225AC43
2H225AC44
2H225AC46
2H225AC49
2H225AC63
2H225AD06
2H225AN38P
2H225AN39P
2H225AN66P
2H225AN94P
2H225BA01P
2H225BA16P
2H225BA17P
2H225BA35P
2H225CA16
2H225CB05
2H225CC01
2H225CC13
5C094AA05
5C094AA43
5C094BA27
5C094BA31
5C094BA43
5C094ED02
5C094FB01
5C094JA01
(57)【要約】      (修正有)
【解決手段】本発明は、着色剤、アルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤、及び溶剤を含み、前記光重合性化合物は、特定構造のエチレンオキシドが45個以上付加された4官能以上の(メタ)アクリル単量体を光重合性化合物の全体100重量%に対して10~50重量%の量で含む着色感光性樹脂組成物、これを用いて形成されるカラーフィルタ、及び前記カラーフィルタを備えた画像表示装置を提供する。
【効果】本発明に係る着色感光性樹脂組成物は、超高解像度パターンの形成時に密着性に優れ、且つ下部基材の残渣及び現像むらが発生しない。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着色剤、アルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤、及び溶剤を含む着色感光性樹脂組成物であって、
前記光重合性化合物は、下記化学式1で表されるエチレンオキシドが付加された4官能以上の(メタ)アクリル単量体を光重合性化合物の全体100重量%に対して10~50重量%の量で含む、着色感光性樹脂組成物。
【化1】

前記式中、
Xは、酸素、ヘテロ原子が含まれるか含まれていない炭素数1~10の脂肪族炭化水素基又はAであり、
は、酸素、又はヘテロ原子が含まれるか含まれていない炭素数1~10の脂肪族炭化水素基であり、
は、ヘテロ原子が含まれるか含まれていない炭素数1~10の脂肪族炭化水素基であり、
Aは、
【化2】

であり、
は、水素又はメチル基であり、
EOは、エチレンオキシド基であり、
nは、1~4の整数であり、
mは、45~96の整数である。
【請求項2】
前記光重合性化合物は、3官能以上の(メタ)アクリル単量体をさらに含む、請求項1に記載の着色感光性樹脂組成物。
【請求項3】
前記3官能以上の(メタ)アクリル単量体は、光重合性化合物の全体100重量%に対して50~90重量%の量で含まれる、請求項2に記載の着色感光性樹脂組成物。
【請求項4】
前記光重合性化合物は、着色感光性樹脂組成物中の全体固形分100重量%に対して5~80重量%の量で含まれる、請求項1に記載の着色感光性樹脂組成物。
【請求項5】
前記光重合開始剤は、オキシム系光重合開始剤を含む、請求項1に記載の着色感光性樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の着色感光性樹脂組成物を用いて形成されるカラーフィルタ。
【請求項7】
請求項6に記載のカラーフィルタが備えられたことを特徴とする画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着色感光性樹脂組成物、カラーフィルタ、及び画像表示装置に係り、より詳しくは、超高解像度パターンの形成時に密着性に優れ、且つ下部基材の残渣及び現像むらが発生しない着色感光性樹脂組成物、これを用いて形成されるカラーフィルタ、及び前記カラーフィルタを備えた画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カラーフィルタ(color filter)は、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶表示装置(LCD)、電界放出ディスプレイ(FEL)、及び発光ディスプレイ(LED)などに広く利用されるものであって、その応用範囲が急速に拡大している。特に、LCDの色調を再現するうえでカラーフィルタは最も重要な部品の一つとして認識されている。
【0003】
最近では、超高解像度画質の実現のためにカラーフィルタの画素の大きさが小さくなりつつあり、これに伴い、超微細パターンの形成時にも密着性に優れ、且つ下部基材の残渣及び現像むらが発生しない着色感光性樹脂組成物が求められている。
【0004】
従来では、光重合性化合物として、例えば液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)用のカラーフィルタの形成にはジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(以下、DPHAと称する)が用いられ、従来ではDPHAのみを含む組成物が用いられていた。しかし、DPHAのみを用いると、超微細パターンの形成時に現像の際にアルカリ現像液によって除去されるべき組成物が残渣として基板上に残るという問題点があった。
【0005】
特に、現像液の節減及び大面積均一度の確保のためのパドル方式にて現像の際にかかる問題がさらに深刻となる。
【0006】
一方、大韓民国公開特許第10-2009-0072754号では、顔料及びバインダー樹脂を含むカラーフィルタ用組成物を開示しているが、超高解像度パターンの形成時にパターン特性が低下するという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の一目的は、超高解像度パターンの形成時に密着性に優れ、且つ下部基材の残渣及び現像むらが発生しない着色感光性樹脂組成物を提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、前記着色感光性樹脂組成物を用いて形成されるカラーフィルタを提供することである。
【0009】
本発明のまた他の目的は、前記カラーフィルタを備えた画像表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一方で、本発明は、着色剤、アルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤、及び溶剤を含む着色感光性樹脂組成物であって、
前記光重合性化合物は、下記化学式1で表されるエチレンオキシドが付加された4官能以上の(メタ)アクリル単量体を光重合性化合物の全体100重量%に対して10~50重量%の量で含む着色感光性樹脂組成物を提供する。
【0011】
【化1】
【0012】
前記式中、
Xは、酸素、ヘテロ原子が含まれるか含まれていない炭素数1~10の脂肪族炭化水素基又はAであり、
は、酸素、又はヘテロ原子が含まれるか含まれていない炭素数1~10の脂肪族炭化水素基であり、
は、ヘテロ原子が含まれるか含まれていない炭素数1~10の脂肪族炭化水素基であり、
Aは、
【0013】
【化2】
【0014】
であり、
は、水素又はメチル基であり、
EOは、エチレンオキシド基であり、
nは、1~4の整数であり、
mは、45~96の整数である。
【0015】
本発明の一実施形態において、前記光重合性化合物は、3官能以上の(メタ)アクリル単量体をさらに含んでよい。
【0016】
本発明の一実施形態において、前記3官能以上の(メタ)アクリル単量体は、光重合性化合物の全体100重量%に対して50~90重量%の量で含まれてよい。
【0017】
本発明の一実施形態において、前記光重合性化合物は、着色感光性樹脂組成物中の全体固形分100重量%に対して5~80重量%の量で含まれてよい。
【0018】
本発明の一実施形態において、前記光重合開始剤は、オキシム系光重合開始剤を含んでよい。
【0019】
他の一方で、本発明は、前記着色感光性樹脂組成物を用いて形成されるカラーフィルタを提供する。
【0020】
また他の一方で、本発明は、前記カラーフィルタが備えられたことを特徴とする画像表示装置を提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る着色感光性樹脂組成物は、光重合性化合物として特定構造のエチレンオキシドが45個以上付加された4官能以上の(メタ)アクリル単量体を特定含量の範囲で含むことで密着性に優れ、且つ下部基材の残渣及び現像むらが発生しないため、超高解像度パターンを形成するためにパドル方式の現像過程を経ても現像性に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明をより詳しく説明する。
本発明の一実施形態は、着色剤(A)、アルカリ可溶性樹脂(B)、光重合性化合物(C)、光重合開始剤(D)、及び溶剤(E)を含み、前記光重合性化合物(C)は、特定構造のエチレンオキシドが45個以上付加された4官能以上の(メタ)アクリル単量体を光重合性化合物の全体100重量%に対して10~50重量%の量で含む、着色感光性樹脂組成物に関する。
【0023】
着色剤(A)
本発明の一実施形態において、前記着色剤(A)は、顔料(a1)及び/又は染料(a2)を含む。
【0024】
顔料(a1)
前記顔料は、当該分野で一般に用いられる有機顔料又は無機顔料を用いてよい。
前記有機顔料は、印刷インク、インクジェットインクなどに用いられる各種の顔料を用いてよい、具体的には、水溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、イソインドリン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、ジオキサジン顔料、アントラキノン顔料、ジアントラキノニル顔料、アントラピリミジン顔料、アンタントロン(anthanthrone)顔料、インダントロン(indanthrone)顔料、フラバントロン顔料、ピラントロン(pyranthrone)顔料、ジケトピロロピロール顔料などを挙げられる。
【0025】
前記無機顔料としては、金属酸化物や金属錯塩などの金属化合物が挙げられ、具体的には、鉄、コバルト、アルミニウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、アンチモンなどの金属の酸化物又は複合金属酸化物;カーボンブラックなどが挙げられる。
【0026】
特に、前記有機顔料及び無機顔料としては、具体的に、色指数(The society of Dyers and Colourists出版)でピグメントとして分類されている化合物が挙げられ、より具体的には、以下のような色指数(C.I.)番号の顔料が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0027】
C.I.ピグメントイエロー13、20、24、31、53、83、86、93、94、109、110、117、125、137、138、139、147、148、150、153、154、166、173、180、及び185
C.I.ピグメントオレンジ13、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65、及び71
C.I.ピグメントレッド9、97、105、122、123、144、149、166、168、176、177、180、192、208、215、216、224、242、254、255、及び264
C.I.ピグメントバイオレット14、19、23、29、32、33、36、37、及び38
C.I.ピグメントブルー15(15:3、15:4、15:6など)、21、28、60、64、及び76
C.I.ピグメントグリーン7、10、15、25、36、47、及び58
C.I.ピグメントブラウン28
C.I.ピグメントブラック1及び7など
前記例示されたC.I.ピグメント顔料の中でも、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド208、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、及びC.I.ピグメントグリーン58から選択される顔料が好適に用いられてよい。
【0028】
これらはそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いてよい。
【0029】
前記顔料は、その粒径が均一に分散された顔料分散液を用いることが好ましい。顔料の粒径を均一に分散させるための方法の一例として、顔料分散剤(a3)を含有させて分散処理する方法などが挙げられ、この方法によれば、顔料が溶液中に均一に分散された状態の顔料分散液を得ることができる。
【0030】
顔料分散剤(a3)
前記の顔料分散剤(a3)は、顔料の脱凝集及び安定性維持のために添加するものであって、顔料分散剤の具体的な例としては、陽イオン系、陰イオン系、非イオン系、両性、ポリエステル系、ポリアミン系などの界面活性剤などが挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いてよい。
【0031】
また、ブチルメタクリレート(BMA)又はN,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)を含むアクリレート系分散剤(以下、アクリレート系分散剤という)を含むことが好ましい。前記アクリレート系分散剤の市販品としては、DISPER BYK-2000、DISPER BYK-2001、DISPER BYK-2070又はDISPER BYK-2150などが挙げられ、前記アクリレート系分散剤は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いてよい。
【0032】
前記顔料分散剤(a3)は、前記アクリレート系分散剤のほか、他の樹脂タイプの顔料分散剤を用いてもよい。前記他の樹脂タイプの顔料分散剤としては、公知の樹脂タイプの顔料分散剤、特に、ポリウレタン、ポリアクリレートに代表されるポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸の(部分的)アミン塩、ポリカルボン酸のアンモニウム塩、ポリカルボン酸のアルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアミドホスフェート塩、ヒドロキシル基-含有ポリカルボン酸のエステル及びこれらの改質生成物、又はフリー(free)カルボキシル基を有するポリエステルとポリ(低級アルキレンイミン)との反応によって形成されたアミド又はこれらの塩のような油質の分散剤;(メト)アクリル酸-スチレンコポリマー、(メト)アクリル酸-(メト)アクリレートエステルコポリマー、スチレン-マレイン酸コポリマー、ポリビニルアルコール又はポリビニルピロリドンのような水溶性樹脂又は水溶性ポリマー化合物;ポリエステル;改質ポリアクリレート;エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドの付加生成物、及びホスフェートエステルなどが挙げられる。
【0033】
前記樹脂型分散剤の市販品としては、陽イオン系樹脂分散剤として、例えば、BYK(ビッグ)ケミ―社の商品名:DISPER BYK-160、DISPER BYK-161、DISPER BYK-162、DISPER BYK-163、DISPER BYK-164、DISPER BYK-166、DISPER BYK-171、DISPER BYK-182、DISPER BYK-184;BASF社の商品名:EFKA-44、EFKA-46、EFKA-47、EFKA-48、EFKA-4010、EFKA-4050、EFKA-4055、EFKA-4020、EFKA-4015、EFKA-4060、EFKA-4300、EFKA-4330、EFKA-4400、EFKA-4406、EFKA-4510、EFKA-4800;Lubrizol社の商品名:SOLSPERS-24000、SOLSPERS-32550、NBZ-4204/10;川研ファインケミカル社の商品名:ヒノアクト(HINOACT)T-6000、ヒノアクトT-7000、ヒノアクトT-8000;味の素社の商品名:アジスパー(AJISPUR)PB-821、アジスパーPB-822、アジスパーPB-823;共栄社化学社の商品名:フローレン(FLORENE)DOPA-17HF、フローレンDOPA-15BHF、フローレンDOPA-33、フローレンDOPA-44などが挙げられる。
【0034】
前記アクリル分散剤のほか、他の樹脂タイプの顔料分散剤は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いてよく、アクリル分散剤と併用して用いてもよい。
【0035】
前記顔料分散剤(a3)の含量は、顔料(a1)100重量部に対して5~60重量部、好ましくは、15~50重量部である。顔料分散剤(a3)の含量が60重量部を超えると、粘度が高くなることがあり、5重量部未満の場合には、顔料の微粒化が難しくなることや、分散後ゲル化などの問題をもたらすことがある。
【0036】
染料(a2)
前記染料(a2)は、有機溶剤に対する溶解性を持つものであれば制限なく用いてよい。好ましくは、有機溶剤に対する溶解性を持ち且つアルカリ現像液に対する溶解性や耐熱性、耐溶剤性などの信頼性を確保できる染料を用いることが好ましい。
【0037】
前記染料としては、スルホン酸やカルボン酸などの酸性基を有する酸性染料、酸性染料と窒素含有化合物の塩、酸性染料のスルホンアミド系などとこれらの誘導体から選択されたものを用いてよく、それ以外にもアゾ系、キサンテン系、フタロシアニン系の酸性染料及びこれらの誘導体も選択してよい。
【0038】
好ましくは、前記染料は、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)内で染料として分類されている化合物や、染色ノート(色染社)に記載されている公知の染料が挙げられる。
【0039】
前記染料の具体的な例としては、C.I.ソルベント染料として、
C.I.ソルベントイエロー4、14、15、16、21、23、24、38、56、62、63、68、79、82、93、94、98、99、151、162、163などの黄色染料;
C.I.ソルベントレッド8、45、49、89、111、122、125、130、132、146、179などの赤色染料;
C.I.ソルベントオレンジ2、7、11、15、26、41、45、56、62などのオレンジ色染料;
C.I.ソルベントブルー5、35、36、37、44、59、67、70などの青色染料;
C.I.ソルベントバイオレット8、9、13、14、36、37、47、49などのバイオレット染料;
C.I.ソルベントグリーン1、3、4、5、7、28、29、32、33、34、35などの緑色染料などが挙げられる。
【0040】
これらの中でも、C.I.ソルベント染料のうちの有機溶媒に対する溶解性に優れるC.I.ソルベントイエロー14、16、21、56、79、93、151;C.I.ソルベントレッド8、49、89、111、122、132、146、179;C.I.ソルベントオレンジ41、45、62;C.I.ソルベントブルー35、36、44、70;C.I.ソルベントバイオレット13が好ましく、さらにこれらの中でも、C.I.ソルベントイエロー21、79;C.I.ソルベントレッド8、122、132;C.I.ソルベントオレンジ45、62がより好ましい。
【0041】
また、C.I.アシッド染料として、
C.I.アシッドイエロー1、3、7、9、11、17、23、25、29、34、36、38、40、42、54、65、72、73、76、79、98、99、111、112、113、114、116、119、123、128、134、135、138、139、140、144、150、155、157、160、161、163、168、169、172、177、178、179、184、190、193、196、197、199、202、203、204、205、207、212、214、220、221、228、230、232、235、238、240、242、243、251などの黄色染料;
C.I.アシッドレッド1、4、8、14、17、18、26、27、29、31、34、35、37、42、44、50、51、52、57、66、73、80、87、88、91、92、94、97、103、111、114、129、133、134、138、143、145、150、151、158、176、182、183、198、206、211、215、216、217、227、228、249、252、257、258、260、261、266、268、270、274、277、280、281、195、308、312、315、316、339、341、345、346、349、382、383、394、401、412、417、418、422、426などの赤色染料;
C.I.アシッドオレンジ6、7、8、10、12、26、50、51、52、56、62、63、64、74、75、94、95、107、108、169、173などのオレンジ色染料;
C.I.アシッドブルー1、7、9、15、18、23、25、27、29、40、42、45、51、62、70、74、80、83、86、87、90、92、96、103、112、113、120、129、138、147、150、158、171、182、192、210、242、243、256、259、267、278、280、285、290、296、315、324:1、335、340などの青色染料;
C.I.アシッドバイオレット6B、7、9、17、19、66などのバイオレット色染料;
C.I.アシッドグリーン1、3、5、9、16、25、27、50、58、63、65、80、104、105、106、109などの緑色染料などが挙げられる。
【0042】
これらの中でも、アシッド染料のうちの有機溶媒に対する溶解度に優れるC.I.アシッドイエロー42;C.I.アシッドレッド52、92;C.I.アシッドブルー80、90;C.I.アシッドバイオレット66;C.I.アシッドグリーン27が好ましい。
【0043】
また、C.I.ダイレクト染料として、
C.I.ダイレクトイエロー2、33、34、35、38、39、43、47、50、54、58、68、69、70、71、86、93、94、95、98、102、108、109、129、136、138、141などの黄色染料;
C.I.ダイレクトレッド79、82、83、84、91、92、96、97、98、99、105、106、107、172、173、176、177、179、181、182、184、204、207、211、213、218、220、221、222、232、233、234、241、243、246、250などの赤色染料;
C.I.ダイレクトオレンジ34、39、41、46、50、52、56、57、61、64、65、68、70、96、97、106、107などのオレンジ色染料;
C.I.ダイレクトブルー38、44、57、70、77、80、81、84、85、86、90、93、94、95、97、98、99、100、101、106、107、108、109、113、114、115、117、119、137、149、150、153、155、156、158、159、160、161、162、163、164、166、167、170、171、172、173、188、189、190、192、193、194、196、198、199、200、207、209、210、212、213、214、222、228、229、237、238、242、243、244、245、247、248、250、251、252、256、257、259、260、268、274、275、293などの青色染料;
C.I.ダイレクトバイオレット47、52、54、59、60、65、66、79、80、81、82、84、89、90、93、95、96、103、104などのバイオレット色染料;
C.I.ダイレクトグリーン25、27、31、32、34、37、63、65、66、67、68、69、72、77、79、82などの緑色染料などが挙げられる。
また、C.I.モーダント染料として、
C.I.モーダントイエロー5、8、10、16、20、26、30、31、33、42、43、45、56、61、62、65などの黄色染料;
C.I.モーダントレッド1、2、3、4、9、11、12、14、17、18、19、22、23、24、25、26、30、32、33、36、37、38、39、41、43、45、46、48、53、56、63、71、74、85、86、88、90、94、95などの赤色染料;
C.I.モーダントオレンジ3、4、5、8、12、13、14、20、21、23、24、28、29、32、34、35、36、37、42、43、47、48などのオレンジ色染料;
C.I.モーダントブルー1、2、3、7、8、9、12、13、15、16、19、20、21、22、23、24、26、30、31、32、39、40、41、43、44、48、49、53、61、74、77、83、84などの青色染料;
C.I.モーダントバイオレット1、2、4、5、7、14、22、24、30、31、32、37、40、41、44、45、47、48、53、58などのバイオレット色染料;
C.I.モーダントグリーン1、3、4、5、10、15、19、26、29、33、34、35、41、43、53などの緑色染料などが挙げられる。
【0044】
本発明では、前記染料(a2)はそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いてよい。
【0045】
前記着色剤(A)は、着色感光性樹脂組成物中の全体固形分100重量%に対して5~60重量%、好ましくは、10~45重量%の量で含まれてよい。前記着色剤(A)の含量が前記範囲内であると、薄膜の形成時に画素の色濃度が十分になり、且つ現像時に非画素部の抜け性が低下しないため残渣が発生しないという長所がある。
【0046】
本発明において着色感光性樹脂組成物中の固形分とは、溶媒を除いた成分の合計を意味する。
【0047】
アルカリ可溶性樹脂(B)
本発明の一実施形態において、前記アルカリ可溶性樹脂(B)は、通常、光や熱の作用による反応性及びアルカリ溶解性を持ち、着色材料の分散媒として作用する。
前記アルカリ可溶性樹脂(B)は、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(b1)を共重合して製造することが好ましい。
【0048】
前記カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(b1)の具体的な例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸類;フマル酸、メサコン酸、イタコン酸などのジカルボン酸類;これらのジカルボン酸の無水物;ω-カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなどの両末端にカルボキシル基とヒドロキシ基を有するポリマーのモノ(メタ)アクリレート類などが挙げられる。これらの中でもアクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
【0049】
前記アルカリ可溶性樹脂(B)は、さらなる現像性を確保するために水酸基を付与してよい。
【0050】
アルカリ可溶性樹脂(B)に水酸基を付与するためには、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(b1)と水酸基を有するエチレン性不飽和単量体(b2)とを共重合して製造してよく、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(b1)の共重合体にグリシジル基を有する化合物(b3)をさらに反応させて製造してよい。また、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(b1)と水酸基を有するエチレン性不飽和単量体(b2)との共重合体にさらにグリシジル基を有する化合物(b3)を反応させて製造してよい。
【0051】
前記水酸基を有するエチレン性不飽和単量体(b2)の具体的な例としては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、N-ヒドロキシエチルアクリルアミドなどがあり、これらの中でも2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましく、前記の水酸基を有するエチレン性不飽和単量体(b2)は2種以上を組み合わせて用いてよい。
【0052】
前記グリシジル基を有する化合物(b3)の具体的な例としては、ブチルグリシジルエーテル、グリシジルプロピルエーテル、グリシジルフェニルエーテル、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、グリシジルブチレート、グリシジルメチルエーテル、エチルグリシジルエーテル、グリシジルイソプロピルエーテル、t-ブチルグリシジルエーテル、ベンジルグリシジルエーテル、グリシジル4-t-ブチルベンゾエート、グリシジルステアレート、アリルグリシジルエーテル、メタクリル酸グリシジルエステルなどがあり、これらの中でも、ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、メタクリル酸グリシジルエステルが好ましく、前記のグリシジル基を有する化合物(b3)は、2種以上を組み合わせて用いてよい。
【0053】
また、前記アルカリ可溶性樹脂(B)の製造の際に前記カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(b1)に水酸基を有するエチレン性不飽和単量体(b2)及びグリシジル基を有する化合物(b3)の他にも、共重合可能な不飽和単量体(b4)が共重合されてよい。
【0054】
前記共重合可能な不飽和単量体(b4)の具体的な例としては、
スチレン、ビニルトルエン、α-メチルスチレン、p-クロロスチレン、o-メトキシスチレン、m-メトキシスチレン、p-メトキシスチレン、o-ビニルベンジルメチルエーテル、m-ビニルベンジルメチルエーテル、p-ビニルベンジルメチルエーテル、o-ビニルベンジルグリシジルエーテル、m-ビニルベンジルグリシジルエーテル、p-ビニルベンジルグリシジルエーテルなどの芳香族ビニル化合物;
N-シクロヘキシルマレイミド、N-ベンジルマレイミド、N-フェニルマレイミド、N-o-ヒドロキシフェニルマレイミド、N-m-ヒドロキシフェニルマレイミド、N-p-ヒドロキシフェニルマレイミド、N-o-メチルフェニルマレイミド、N-m-メチルフェニルマレイミド、N-p-メチルフェニルマレイミド、N-o-メトキシフェニルマレイミド、N-m-メトキシフェニルマレイミド、N-p-メトキシフェニルマレイミドなどのN-置換マレイミド系化合物;
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、i-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、i-ブチル(メタ)アクリレート、sec-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート類;
シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-8-イル(メタ)アクリレート、2-ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどの脂環族(メタ)アクリレート類;
フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどのアリール(メタ)アクリレート類;
3-(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、3-(メタクリロイルオキシメチル)-3-エチルオキセタン、3-(メタクリロイルオキシメチル)-2-トリフルオロメチルオキセタン、3-(メタクリロイルオキシメチル)-2-フェニルオキセタン、2-(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、2-(メタクリロイルオキシメチル)-4-トリフルオロメチルオキセタンなどの不飽和オキセタン化合物などがある。
【0055】
前記共重合可能な不飽和単量体(b4)として例示した単量体は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いてよい。
【0056】
前記共重合体の製造方法は特に制限されず、従来公知の重合方法が用いられてよく、公知の重合方法のうちの溶液重合法が好ましい。また、重合温度や重合時間は導入する単量体の種類や割合、所望のアルカリ可溶性樹脂の分子量及び酸価に応じて異なるが、例えば、60~130℃で1~10時間重合させてよい。
【0057】
前記重合の際に溶媒を用いる場合には、通常のラジカル重合反応の際に用いられる溶媒を用いてよく、具体的には、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3-メトキシブチルアセテート、メタノール、エタノール、プロパノール、n-ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロホルム、ジメチルスルホキシドなどを用いてよい。これらの溶媒は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてよい。
【0058】
前記重合の際に用いられる重合開始剤としては、通常用いられる重合開始剤を添加してよく、特に制限されるものではない。具体的には、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、ジ-t-ブチルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、t-ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、t-アミルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエートなどの有機過酸化物;2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)などの窒素化合物が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いてよい。
【0059】
前記重合の際、共重合体の分子量や分子量の分布を制御するために連鎖移動剤を用いてよい。前記連鎖移動剤としては、n-ドデカンチオール、メルカプト酢酸、メルカプト酢酸メチルなどのメルカプト化合物;α-メチルスチレンダイマーなどを用いてよい。
【0060】
前記アルカリ可溶性樹脂(B)の酸価は30~150mgKOH/gが好ましい。ここで酸価とは、重合体1gを中和するのに要する水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であり、通常、水酸化カリウム水溶液を用いて滴定することで求めることができる。アルカリ可溶性樹脂(B)の酸価が30mgKOH/g未満の場合、着色感光性樹脂組成物が十分な現像速度を確保し難く、また150mgKOH/gを超える場合、基板との密着性が減少してパターンの短絡が発生し易く且つ染料との相溶性の問題が発生して着色感光性樹脂組成物中の染料が析出したり、着色感光性樹脂組成物の貯蔵安定性が低下して粘度が上昇し易い。
【0061】
また、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC;テトラヒドロフランを溶出溶剤とする)で測定したポリスチレン換算重量平均分子量(以下、略して「重量平均分子量」という)が5,000~50,000、好ましくは、5,000~30,000であるアルカリ可溶性樹脂が好ましい。アルカリ可溶性樹脂(B)の重量平均分子量が前記範囲にあると、塗膜硬度が向上し、残膜率も高く、未露光部の現像液に対する溶解性が良好となり、解像度が向上する傾向があるので好ましい。
【0062】
アルカリ可溶性樹脂(B)の分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は1.5~6.0であることが好ましく、1.8~4.0であることがより好ましい。分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]が1.5~6.0であると、現像性に優れるので好ましい。
【0063】
前記アルカリ可溶性樹脂(B)は、着色感光性樹脂組成物中の全体固形分100重量%に対して10~80重量%、好ましくは、10~70重量%の量で含まれてよい。前記アルカリ可溶性樹脂(B)が前記範囲で含まれる場合、現像液に対する溶解性が十分になってパターンの形成が容易であり、且つ現像時に露光部の画素部分の膜減少が防止されて非画素部分の抜け性が良好になるので好ましい。
【0064】
光重合性化合物(C)
本発明の一実施形態において、前記光重合性化合物(C)は、下記光重合開始剤(D)の作用で重合可能な化合物であって、特定構造のエチレンオキシドが45個以上付加された4官能以上の(メタ)アクリル単量体を含む。
【0065】
前記エチレンオキシドが45個以上付加された4官能以上の(メタ)アクリル単量体は、下記化学式1で表される化合物である。
【0066】
【化3】
【0067】
前記式中、
Xは、酸素、ヘテロ原子が含まれるか含まれていない炭素数1~10の脂肪族炭化水素基又はAであり、
は、酸素、又はヘテロ原子が含まれるか含まれていない炭素数1~10の脂肪族炭化水素基であり、
は、ヘテロ原子が含まれるか含まれていない炭素数1~10の脂肪族炭化水素基であり、
Aは、
【0068】
【化4】
【0069】
であり、
は、水素又はメチル基であり、
EOは、エチレンオキシド基であり、
nは、1~4の整数であり、
mは、45~96の整数である。
【0070】
本発明の一実施形態において、Xは、酸素、炭素数1~10のアルキレン、炭素数1~10のオキシアルキレン又はAであってよく、特に酸素又はAであってよい。
【0071】
本発明の一実施形態において、Rは、酸素、炭素数1~10のアルキレン又は炭素数1~10のオキシアルキレンであってよく、特にメチレン基であってよい。
【0072】
本発明の一実施形態において、Rは、炭素数1~10のアルキレン又は炭素数1~10のオキシアルキレンであってよく、特にメチレン基であってよい。
【0073】
本発明の一実施形態において、mは、前記のように45~96の整数であってよい。前記mが45未満の整数であると、超高解像度パターンの形成時に現像性が低下したり残渣が発生したりすることがあり、また96超の整数であると、密着性が不足してパターン剥がれが発生することがある。
【0074】
前記化学式1で表されるエチレンオキシドが付加された4官能以上の(メタ)アクリル多官能単量体の市販品としては、新中村工業社のA-DPH-48E、A-DPH-96Eなどがある。
【0075】
前記化学式1で表されるエチレンオキシドが付加された4官能以上の(メタ)アクリル多官能単量体は、光重合性化合物の全体100重量%に対して10~50重量%、好ましくは、20~40重量%の量で含まれてよい。前記化学式1で表されるエチレンオキシドが付加された4官能以上の(メタ)アクリル多官能単量体の含量が前記範囲未満であると、超高解像度パターンの形成時に現像性が不足して残渣が発生することがあり、また前記範囲を超えると、超高解像度パターンの形成時に密着性が不足してパターン剥がれが発生することがある。
【0076】
本発明の一実施形態において、前記光重合性化合物は、3官能以上の(メタ)アクリル単量体をさらに含んでよい。前記3官能以上の(メタ)アクリル単量体は、3官能~6官能の(メタ)アクリル単量体であってよい。
【0077】
例えば、前記3官能以上の(メタ)アクリル単量体としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシレイテッドトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシレイテッドトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エトキシレイテッドジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロポキシレイテッドジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0078】
前記3官能以上の(メタ)アクリル単量体は、光重合性化合物の全体100重量%に対して50~90重量%、好ましくは、60~80重量%の量で含まれてよい。前記3官能以上の(メタ)アクリル単量体の含量が50重量%未満であると、超高解像度パターンの形成時に密着性が不足してパターン剥がれが発生することがあり、また90重量%を超えると、超高解像度パターンの形成時に現像性が不足して残渣が発生することがある。
【0079】
本発明の一実施形態において、前記光重合性化合物は、着色感光性樹脂組成物中の全体固形分100重量%に対して5~80重量%、好ましくは、20~60重量%、より好ましくは、30~50重量%の量で含まれてよい。前記光重合性化合物が前記範囲で含まれる場合、画素部の強度や平滑性が良好になることがあり、且つ超高解像度パターンの形成時にパターン特性が良好になることがある。
【0080】
光重合開始剤(D)
本発明の一実施形態において、前記光重合開始剤(D)は、光重合性化合物(C)を重合させ得るものであれば、その種類は特に制限されずに用いてよい。前記光重合開始剤(D)は、重合特性、開始効率、吸収波長、入手性、価格などの観点から、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、トリアジン系化合物、ビイミダゾール系化合物、オキシム系化合物、及びチオキサントン系化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を用いることが好ましく、特にオキシム系化合物を用いることが超高解像度パターンの形成時にパターン特性の面から好ましい。
【0081】
前記アセトフェノン系化合物の具体的な例としては、ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、ベンジルジメチルケタール、2-ヒドロキシ-1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-メチルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)ブタン-1-オン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパン-1-オン、2-(4-メチルベンジル)-2-(ジメチルアミノ)-1-(4-モルフォリノフェニル)ブタン-1-オンなどが挙げられる。
【0082】
前記ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、0-ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルスルフィド、3,3’,4,4’-テトラ(tert-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノンなどがある。
【0083】
前記ビイミダゾール系化合物の具体的な例としては、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール、2,2’-ビス(2,3-ジクロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラ(アルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラ(トリアルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2-ビス(2,6-ジクロロフェニル)-4,4’5,5’-テトラフェニル-1,2’-ビイミダゾール又は4,4’,5,5’位のフェニル基がカルボアルコキシ基で置換のビイミダゾール化合物などが挙げられる。これらの中でも、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール、2,2’-ビス(2,3-ジクロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール、及び2,2-ビス(2,6-ジクロロフェニル)-4,4’5,5’-テトラフェニル-1,2’-ビイミダゾールが好ましく用いられる。
【0084】
前記トリアジン系化合物の具体的な例としては、2,4-ビス(卜リクロロメチル)-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(卜リクロロメチル)-6-(4-メトキシナフチル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(卜リクロロメチル)-6-ピペロニル-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(卜リクロロメチル)-6-(4-メトキシスチリル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(卜リクロロメチル)-6-[2-(5-メチルフラン-2-イル)エテニル]-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(卜リクロロメチル)-6-[2-(フラン)-2-イル)エテニル]-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(卜リクロロメチル)-6-[2-(4-ジエチルアミノ-2-メチルフェニル)エテニル]-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(卜リクロロメチル)-6-[2-(3,4-ジメトキシフェニル)エテニル]-1,3,5-トリアジンなどが挙げられる。
【0085】
前記オキシム系化合物としては、1,2-オクタンジオン、1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-,2-(O-ベンゾイルオキシム)、エタノン1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9Hカルバゾール-3-イル]-1-(O-アセチルオキシム)などがあり、市販品としては、TR-PBG-305(TRONLY社)、OXE-01(BASF社)、OXE-02(BASF社)などがある。
【0086】
前記チオキサントン系化合物としては、例えば、2-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントンなどがある。
【0087】
また、前記光重合開始剤(D)は、本発明の着色感光性樹脂組成物の感度を向上させるために、光重合開始補助剤(d1)と併用されてよい。本発明に係る着色感光性樹脂組成物は、光重合開始補助剤(d1)を含有することで、感度がさらに高くなって生産性を向上させることができる。
【0088】
前記光重合開始補助剤(d1)は、例えば、アミン化合物、カルボン酸化合物、及びチオール基を有する有機硫黄化合物からなる群より選択される1種以上の化合物が好ましく用いられてよい。
【0089】
前記アミン化合物としては、具体的に、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどの脂肪族アミン化合物;4-ジメチルアミノ安息香酸メチル、4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4-ジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル、安息香酸2-ジメチルアミノエチル、N,N-ジメチルパラトルイジン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称:ミヒラーズケトン)、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどの芳香族アミン化合物を用いてよく、特に芳香族アミン化合物を用いることが好ましい。
【0090】
前記カルボン酸化合物としては、芳香族ヘテロ酢酸類であることが好ましく、具体的に、フェニルチオ酢酸、メチルフェニルチオ酢酸、エチルフェニルチオ酢酸、メチルエチルフェニルチオ酢酸、ジメチルフェニルチオ酢酸、メトキシフェニルチオ酢酸、ジメトキシフェニルチオ酢酸、クロロフェニルチオ酢酸、ジクロロフェニルチオ酢酸、N-フェニルグリシン、フェノキシ酢酸、ナフチルチオ酢酸、N-ナフチルグリシン、ナフトキシ酢酸などが挙げられる。
【0091】
前記チオール基を有する有機硫黄化合物の具体的な例としては、2-メルカプトベンゾチアゾール、1,4-ビス(3-メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5-トリス(3-メルカプトブチルオキシエチル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3-メルカプトプロピオネート)、テトラエチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)などが挙げられる。
【0092】
前記光重合開始剤(D)は、前記アルカリ可溶性樹脂(B)と前記光重合性化合物(C)の合計量100重量部に対して0.1~40重量部、好ましくは、1~30重量部の量で含まれてよい。前記光重合開始剤(D)が前記範囲で含まれる場合、本発明の着色感光性樹脂組成物が高感度化して露光時間が短縮することで生産性が向上し且つ高い解像度を維持することができるので好ましい。また、上述した条件の組成物を用いて形成した画素部の強度や前記画素部の表面での平滑性が良好になることがある。
【0093】
また、前記光重合開始補助剤(d1)をさらに用いる場合、前記光重合開始補助剤(d1)は、前記アルカリ可溶性樹脂(B)と前記光重合性化合物(C)の合計量100重量部に対して0.1~40重量部、好ましくは、1~30重量部の量で含まれてよい。前記光重合開始補助剤(d1)が前記範囲で含まれる場合、着色感光性樹脂組成物の感度がさらに高くなり、且つ前記組成物を用いて形成されるカラーフィルタの生産性が向上することがある。
【0094】
溶剤(E)
本発明の一実施形態において、前記溶剤(E)は、着色感光性樹脂組成物に含まれる他の成分を溶解させるうえで効果的なものであれば、通常の着色感光性樹脂組成物で用いられる溶剤を特に制限されずに用いてよく、特にエーテル類、芳香族炭化水素類、ケトン類、アルコール類、エステル類又はアミド類などが好ましい。
【0095】
前記溶剤(E)は、具体的に、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルなどのジエチレングリコールジアルキルエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテートなどのアルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、アセトン、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、グリセリンなどのアルコール類;乳酸エチル、乳酸ブチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-メトキシプロピオン酸メチルなどのエステル類、γ-ブチロラクトンなどの環状エステル類などが挙げられる。
【0096】
前記溶剤(E)は、塗布性及び乾燥性の面から沸点が100℃~200℃の有機溶剤が好ましく、より好ましくは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、乳酸エチル、乳酸ブチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-メトキシプロピオン酸メチルなどを用いてよい。
【0097】
本発明の一実施形態において、前記溶剤(E)は、着色感光性樹脂組成物の全体100重量%に対して60~90重量%、好ましくは、65~85重量%の量で含まれてよい。前記溶媒(E)が前記範囲で含まれる場合、ロールコータ、スピンコータ、スリットアンドスピンコータ、スリットコータ(ダイコータとも称することがある)、インクジェットなどの塗布装置で塗布したときに塗布性が良好になることがある。
【0098】
添加剤(F)
本発明の一実施形態に係る着色感光性樹脂組成物は、前記成分のほか、本発明の目的を損なわない範囲で当業者の必要に応じて充填剤、他の高分子化合物、硬化剤、界面活性剤、密着促進剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤などの添加剤(F)を併用することも可能である。
【0099】
前記充填剤は、具体的に、ガラス、シリカ、アルミナなどを用いてよいが、これらに限定されるものではない。
【0100】
前記他の高分子化合物は、具体的に、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリフルオロアルキルアクリレート、ポリエステル、ポリウレタンなどの熱可塑性樹脂などを用いてよいが、これらに限定されるものではない。
【0101】
前記硬化剤は、深部硬化及び機械的強度を高めるために用いられ、具体的に、エポキシ化合物、多官能イソシアネート化合物、メラミン化合物、オキセタン化合物などを用いてよいが、これらに限定されるものではない。前記エポキシ化合物は、具体的に、ビスフェノールA系エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ビスフェノールF系エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールF系エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、その他芳香族系エポキシ樹脂、脂環族系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系樹脂、グリシジルアミン系樹脂、又はこのようなエポキシ樹脂のブロム化誘導体、エポキシ樹脂及びそのブロム化誘導体以外の脂肪族、脂環族又は芳香族エポキシ化合物、ブタジエン(共)重合体エポキシ化物、イソプレン(共)重合体エポキシ化物、グリシジル(メタ)アクリレート(共)重合体、トリグリシジルイソシアヌレートなどを用いてよいが、これらに限定されるものではない。前記オキセタン化合物は、具体的に、カーボネートビスオキセタン、キシレンビスオキセタン、アジペートビスオキセタン、テレフタレートビスオキセタン、シクロヘキサンジカルボン酸ビスオキセタンなどを用いてよいが、これらに限定されるものではない。
【0102】
前記硬化剤は、硬化剤と共に、エポキシ化合物のエポキシ基、オキセタン化合物のオキセタン骨格を開環重合させることが可能な硬化補助化合物を併用してよい。前記硬化補助化合物は、具体的に、多価カルボン酸類、多価カルボン酸無水物類、酸発生剤などを用いてよい。前記カルボン酸無水物類は、エポキシ樹脂硬化剤として市販されるものを用いてよい。市販される前記エポキシ樹脂硬化剤としては、例えば、商品名(アデカハードナーEH-700)(アデカ工業(株)製)、商品名(リカシッドHH)(新日本理化(株)製)、商品名(MH-700)(新日本理化(株)製)などが挙げられる。
前記例示した硬化剤及び硬化補助化合物は、それぞれ単独で又は2種以上混合して用いてよい。
【0103】
前記界面活性剤は、本発明の着色感光性樹脂組成物の被膜形成性をより向上させるために用いてよく、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などが好ましく用いられてよい。
【0104】
前記シリコーン系界面活性剤は、例えば、市販品としてのダウコーニング東レシリコーン社のDC3PA、DC7PA、SH11PA、SH21PA、SH8400などがあり、GE東芝シリコーン社のTSF-4440、TSF-4300、TSF-4445、TSF-4446、TSF-4460、TSF-4452などがある。前記フッ素系界面活性剤は、例えば、市販品としての大日本インキ化学工業(株)のメガファックF-470、F-471、F-475、F-482、F-489、F-554などがある。
【0105】
前記例示された界面活性剤は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いてよい。
【0106】
前記密着促進剤は、具体的に、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、及び3-イソシアネートプロピルトリエトキシシランからなる群より選択された単独又はこれらの混合物を用いてよい
前記密着促進剤は、着色感光性樹脂組成物中の全体固形分100重量%に対して0.01~10重量%、好ましくは、0.05~2重量%の量で含まれてよい。
【0107】
前記紫外線吸収剤は、具体的に、2-(3-tert-ブチル-2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノンなどを用いてよいが、これらに制限されるものではない。
【0108】
前記凝集防止剤は、具体的に、ポリアクリル酸ナトリウムなどを用いてよいが、これに制限されるものではない。
【0109】
本発明の一実施形態に係る着色感光性樹脂組成物は、例えば、下記のような方法にて製造することができる。
【0110】
先ず、前記着色剤(A)のうちの顔料(a1)を溶剤(E)と混合し、顔料の平均粒径が0.2μm以下程度になるまでビーズミルなどを用いて分散させる。このとき、必要に応じて、顔料分散剤(a3)、アルカリ可溶性樹脂(B)の一部又は全部、又は染料(a2)を溶剤(E)と共に混合させて溶解又は分散させてよい。前記混合した分散液に、アルカリ可溶性樹脂(B)の残り、光重合開始剤(D)、光重合性化合物(C)、及び添加剤(F)と、必要に応じて、溶剤(E)を所定の濃度になるようにさらに添加して、本発明に係る着色感光性樹脂組成物を製造することができる。
【0111】
本発明の一実施形態は、上述した着色感光性樹脂組成物を用いて形成されるカラーフィルタに関する。本発明の一実施形態に係るカラーフィルタは、基板上に上述した着色感光性樹脂組成物を塗布し所定のパターンで露光及び現像して形成される着色層を含むことを特徴とする。
【0112】
以下、本発明の着色感光性樹脂組成物を用いたパターン形成方法について詳しく説明する。
【0113】
本発明の着色感光性樹脂組成物を用いてパターンを形成する方法は、当該技術分野で公知の方法を用いてよいが、通常、塗布段階;露光段階;及び除去段階を含む。本発明の着色感光性樹脂組成物を基材上に塗布し、光硬化及び現像を行ってパターンを形成することで、着色画素(着色画像)として用いることができるようになる。
【0114】
具体的に、前記着色感光性樹脂組成物を、何も塗布されていないガラス基板又はSiNx(保護膜)が500~1,500Åの厚さで塗布されているガラス基板上にスピン塗布、スリット塗布などの好適な方法にて2.0~3.4μmの厚さで塗布する。塗布後はカラーフィルタに必要なパターンを形成するように光を照射する。光の照射後、塗布層をアルカリ現像液で処理すると塗布層の非照射部分が溶解しカラーフィルタに必要なパターンが形成される。このような過程を必要なR、G、B色の数分繰り返し行うことで、所望のパターンを有するカラーフィルタを得ることができる。また、前記過程で、現像によって得られた画像パターンを再び加熱し又は活性線照射などによって硬化させることで耐クラック性、耐溶剤性などをさらに向上させることができる。
【0115】
本発明の一実施形態は、上述したカラーフィルタが備えられた画像表示装置に関する。
【0116】
本発明のカラーフィルタは、通常の液晶表示装置(LCD)だけでなく、エレクトロルミネッセンス表示装置(EL)、プラズマ表示装置(PDP)、電界放出表示装置(FED)、有機発光素子(OLED)などの各種の画像表示装置に適用可能である。
【0117】
本発明の画像表示装置は、上述したカラーフィルタを備えたことを除いては、当該技術分野で知られた構成を含む。
【0118】
以下、実施例、比較例及び実験例によって本発明をより具体的に説明することにする。なお、これらの実施例、比較例及び実験例は、単に本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲がこれらに限定されるものではないことは当業者にとって自明である。
【0119】
製造例1:顔料分散液A-1の製造
C.I.ピグメントブルー15:6 12.0重量部、C.I.アシッドレッド52 1.8重量部、顔料分散剤としてBYK-2001 4.0重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート82.2重量部を混合し、ビーズミルにて12時間混合及び分散して顔料分散液A-1を製造した。
【0120】
合成例1:アルカリ可溶性樹脂の合成(B-1)
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート、及び窒素導入管を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート120重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル80重量部、AIBN 2重量部、アクリル酸19重量部、ベンジルメタクリレート10重量部、スチレン51重量部、n-ドデシルメルカプタン3重量部を投入し、窒素置換した。その後、撹拌し、温度を 110℃に上昇させて6時間反応させた。次いで、反応液の温度を常温に下げ、フラスコ内の空気を一般空気に置換した後、トリエチルアミン0.3重量部、グリシジルメタクリレート20重量部を投入し、110℃で5時間反応させてアルカリ可溶性樹脂を製造した(固形分60重量%)。このように合成されたアルカリ可溶性樹脂の固形分の酸価は80mgKOH/gであり、GPCにて測定した重量平均分子量(Mw)は約22,000であった。
【0121】
実施例1~6及び比較例1~6:着色感光性樹脂組成物の製造
下記表1の組成にて各成分を混合して着色感光性樹脂組成物を製造した(単位:重量部)。
【0122】
【表1】
【0123】
A-1:製造例1の顔料分散液
B-1:合成例1のアルカリ可溶性樹脂
C-1:トリメチロールプロパントリアクリレート(3官能(メタ)アクリル単量体、A-TMPT、新中村工業社)
C-2:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(6官能(メタ)アクリル単量体、A-9550、新中村工業社)
C-3:化学式1中、mが48である化合物(6官能、A-DPH-48E、新中村工業社)
C-4:化学式1中、mが96である化合物(6官能、A-DPH-96E、新中村工業社)
C-5:化学式1中、mが24である化合物(6官能、A-DPH-24E、新中村工業社)
C-6:1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(A-HD-N、新中村工業社)
D-1:エタノン1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9Hカルバゾール-3-イル]-1-(O-アセチルオキシム)(Irgacure OXE-02、BASF社)
E-1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
実験例1
前記実施例及び比較例で製造された着色感光性樹脂組成物を用いて下記のようにカラーフィルタを製造し、このときの物性を下記のような方法にて測定し、その結果を下記表2に表した。
【0124】
<カラーフィルタの製造>
着色感光性樹脂組成物をスピンコーティング法にてガラス基板上に塗布した後、該ガラス基板を加熱板上に載置して100℃の温度で3分間維持して薄膜を形成させた。次いで、前記薄膜上に1μm~10μmのライン/スペースパターンを有する試験フォトマスクを載置し紫外線を照射した。このとき、紫外線光源はg、h、i線をいずれも含有する1KWの高圧水銀灯を用いて100mJ/cmで照射し、特別な光学フィルタは使用しなかった。前記紫外線が照射された薄膜をpH10.5のKOH水溶液の現像溶液を用いてパドル方式にて現像した。前記薄膜が塗布されたガラス基板を蒸留水を用いて洗浄した後、窒素ガスを吹き付けて乾燥し、230℃の加熱オーブンで5分間加熱してカラーフィルタを製造した。
【0125】
(1)密着性
下記の評価基準に従い、生成されたパターンを光学顕微鏡にて確認したときのパターン像に生じた剥がれ現象程度で評価した。
【0126】
<評価基準>
○:パターン像に剥がれ無し
△:パターン像に剥がれ1~5個有り
×:パターン像に剥がれ5個超有り
(2)下部基材の残渣
下記の評価基準に従い、生成されたカラーフィルタのパターンのない部分を光学顕微鏡にて確認したときの下部基材上の未現像程度で評価した。
【0127】
<評価基準>
○:残渣無し
△:下部基材の一部分に残渣有り
×:下部基材の全体に残渣有り
(3)現像むら
基板上に蒸留水を滴下して2分間常温で放置した後、窒素ガスを吹き付けて乾燥した。次いで、前記基板にNaランプを照射し塗膜の表面状態を観察してむらの発生の有無を目視判断し、下記の評価基準に従い現像むらを評価した。
【0128】
<評価基準>
○:塗膜表面に円形の水シミが認知されない
△:塗膜表面に円形の水シミが微細に認知される
×:塗膜表面に水シミが鮮明に認知される
【0129】
【表2】
【0130】
前記表2に表したように、本発明に係る光重合性化合物として特定構造のエチレンオキシドが45個以上付加された4官能以上の(メタ)アクリル単量体を光重合性化合物の全体100重量%に対して10~50重量%の量で含む実施例1~6の着色感光性樹脂組成物は、超微細パターンの形成時に密着性に優れ、且つ下部基材の残渣及び現像むらが発生しないことを確認することができた。
【0131】
これに対し、特定構造のエチレンオキシドが45個以上付加された4官能以上の(メタ)アクリル単量体を含まないか、前記含量範囲を外れた比較例1~5の着色感光性樹脂組成物は、超微細パターンの形成時に密着性が低下したり、下部基材の残渣及び/又は現像むらが発生したりすることを確認することができた。一方、3官能未満の(メタ)アクリル単量体を用いた比較例6の着色感光性樹脂組成物は、密着性が不足してパターン剥がれが発生する結果を示した。
【0132】
以上、本発明の特定の部分について詳しく記述したが、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者にとってこのような具体的な記述は単に好適な具現例であるに過ぎず、これらによって本発明の範囲が制限されるものではないことは明らかである。本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、前記内容を基に本発明の範疇内で種々の応用および変形を行うことが可能であろう。
【0133】
したがって、本発明の実質的な範囲は、特許請求の範囲とその等価物によって定義されると言えよう。