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特開2023-121877リール格納装置および部品実装システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023121877
(43)【公開日】2023-09-01
(54)【発明の名称】リール格納装置および部品実装システム
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20230825BHJP
【FI】
H05K13/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022025197
(22)【出願日】2022-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】木納 俊之
(72)【発明者】
【氏名】吉武 高徳
(72)【発明者】
【氏名】上山口 潤
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353DD05
5E353EE32
5E353EE34
5E353GG01
5E353HH26
5E353HH30
5E353HH40
5E353HH71
5E353JJ21
5E353JJ42
5E353JJ48
5E353LL03
5E353LL04
5E353QQ12
5E353QQ30
(57)【要約】
【課題】リールの識別情報の読取り精度を向上させることができるリール格納装置および部品実装システムを提供することを目的とする。
【解決手段】部品を収納し、側面に識別子が付された複数のリールRLが一の方向に並んで格納される格納部32と、格納部32内に設けられ、複数のリールRLの並び方向に移動して格納部32に格納されたリールRLの識別子MKから識別情報を読み取る読取りユニット38を備える。そして、読取りユニット38は、識別子MKから識別情報を読み取ろうとする一のリールRLを他のリールRLの並びから突出するように移動させる起伏アーム42と、起伏アーム42によって他のリールRLの並びから突出するように移動された一のリールRLの識別子MKから識別情報を読み取る読取りセンサ44を備える。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を収納し、側面に識別子が付された複数のリールが一の方向に並んで格納される格納部と、
前記格納部内に設けられ、前記複数のリールの並び方向に移動して前記格納部に格納されたリールの識別子から識別情報を読み取る読取りユニットと、を備え、
前記読取りユニットは、
前記識別子から識別情報を読み取ろうとする一のリールを他のリールの並びから突出するように移動させるリール移動部と、
前記リール移動部によって前記他のリールの並びから突出するように移動された前記一のリールの識別子から識別情報を読み取る読取り部と、
を備えたリール格納装置。
【請求項2】
前記読取りユニットは、前記リール移動部によって移動された前記一のリールを回転させるリール回転部を備え、前記読取り部は前記リール回転部により回転されている状態の前記一のリールの識別子から識別情報を読み取る、請求項1に記載のリール格納装置。
【請求項3】
前記読取りユニットは、前記リール移動部によって移動された前記一のリールを回転させるリール回転部を備え、前記リール回転部は前記一のリールを回転させて、その一のリールに付された識別子を他のリールによって隠れない位置に移動させる、請求項1に記載のリール格納装置。
【請求項4】
前記格納部内には前記複数のリールそれぞれを個別に格納する複数の格納スロットが前記一の方向に並んで設けられ、前記読取りユニットは前記複数の格納スロットそれぞれにおけるリールの有無を検出するリール検出部を備え、前記リール検出部により前記複数の格納スロットのうちリールが格納されたことが検出された格納スロット内のリールの識別子から識別情報を読み取る、請求項1~3のいずれかに記載のリール格納装置。
【請求項5】
前記読取りユニットは、前記複数の格納スロットに格納された全てのリールの識別子から識別情報を読み取る、請求項4に記載のリール格納装置。
【請求項6】
前記読取り部が読み取った識別情報に基づいて、リールとそのリールが格納されている格納スロットとの対応関係が正しいか否かの判断を行う判断部を備えた、請求項4または5に記載のリール格納装置。
【請求項7】
前記判断部によりリールとの対応関係が正しくないと判断された格納スロットについてその旨を報知する報知部を備えた、請求項4~6のいずれかに記載のリール格納装置。
【請求項8】
部品供給部から供給される部品を装着ヘッドによりピックアップして基板に装着する部品装着装置と、
請求項1~7のいずれかに記載のリール格納装置と、を備え、
前記リール格納装置は前記格納部に格納されたリールを前記リール移動部により移動させて前記部品供給部に供給する、部品実装システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品を収納したリールを格納するリール格納装置および基板に部品を装着して実装基板を製造する部品実装システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、部品を装着ヘッドによりピックアップして基板に装着することで実装基板を製造する部品装着装置と、部品装着装置の部品供給部に部品を補給する補給部を備えた部品実装システムが知られている(例えば、下記の特許文献1参照)。この部品実装システムでは、部品を収納したキャリアテープが巻き付けられたリールがカセットに収納されており、リールの識別情報はカセットに貼り付けられた識別子(RFID)に記録されている。リールが補給部に補給されるときには、その補給時のリールの移動過程でカセットに貼り付けられた識別子から識別情報が取得され、リールと生産データとの整合性が確認されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-216379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の構成では、リールの識別情報の読み取りがリール(カセット)の移動過程で行われるため、識別情報の読み取り精度が不安定になるおそれがあるという問題点があった。
【0005】
そこで本発明は、リールの識別情報の読取り精度を向上させることができるリール格納装置および部品実装システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のリール格納装置は、部品を収納し、側面に識別子が付された複数のリールが一の方向に並んで格納される格納部と、前記格納部内に設けられ、前記複数のリールの並び方向に移動して前記格納部に格納されたリールの識別子から識別情報を読み取る読取りユニットと、を備え、前記読取りユニットは、前記識別子から識別情報を読み取ろうとする一のリールを他のリールの並びから突出するように移動させるリール移動部と、前記リール移動部によって前記他のリールの並びから突出するように移動された前記一のリールの識別子から識別情報を読み取る読取り部と、を備えた。
【0007】
本発明の部品実装システムは、部品供給部から供給される部品を装着ヘッドによりピックアップして基板に装着する部品装着装置と、上記本発明のリール格納装置と、を備え、前記リール格納装置は前記格納部に格納されたリールを前記リール移動部により移動させて前記部品供給部に供給する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、リールの識別情報の読取り精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施の形態における部品実装システムの要部側面図
図2】本発明の一実施の形態における部品実装システムが備えるリール格納装置の側面図
図3】本発明の一実施の形態における部品実装システムが備えるリール格納装置の透視斜視図
図4】本発明の一実施の形態における部品実装システムが備えるリール格納装置の背面図
図5】本発明の一実施の形態における部品実装システムが備えるリール格納装置の透視平面図
図6】本発明の一実施の形態におけるリール格納装置が備える読取りユニットの斜視図
図7】本発明の一実施の形態におけるリール格納装置の制御系統を示すブロック図
図8】(a)(b)(c)本発明の一実施の形態におけるリール格納装置が備える読取りユニットの動作説明図
図9】本発明の一実施の形態におけるリール格納装置が備える格納スロットとリールの関係と、格納スロットに対応するランプ対の表示状態との対応を示す図
図10】本発明の一実施の形態におけるリール格納装置が行うリールチェック作業の流れを示すフローチャート
図11】(a)(b)本発明の一実施の形態におけるリール格納装置が備える読取りユニットの動作説明図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の一実施の形態における部品実装システム1を示している。部品実装システム1は、部品装着装置2とリール格納装置3を備えている。部品装着装置2は搬入した基板KBに部品BHを装着して搬出する部品装着動作を繰り返し実行する装置である。リール格納装置3は部品BHが収納されたリールRLを部品装着装置2に供給(補充)する装置である。
【0011】
図1において、部品装着装置2は、基台11、基板搬送部12、部品供給部13、ヘッド移動機構14および装着ヘッド15を備えている。基台11は床面FL上に設置されており、基板搬送部12は基台11上に設けられている。基板搬送部12は水平方向に延びた一対のコンベア機構12aから成り、基板KBの搬入、位置決めおよび搬出を行う。以下、説明の便宜上、基板搬送部12によって基板KBを搬送する方向をX方向(作業者OPから見た左右方向)、X方向と直交する水平方向をY方向(作業者OPから見た前後方向)とし、上下方向をZ方向とする。
【0012】
図1において、部品供給部13はフィーダ台車21、複数のテープフィーダ22および複数のリール保持部23を備えている。フィーダ台車21は床面FL上を走行させることができ、作業者OPによって操作されて基台11に連結される。フィーダ台車21は上部にブロック状のフィーダベース21Fを備えており、複数のテープフィーダ22はフィーダベース21FにX方向に並んで設けられている。
【0013】
図1において、複数のリール保持部23は、フィーダ台車21のフィーダベース21Fよりも下方の位置にX方向に並んで設けられている。複数のリール保持部23はそれぞれ現行リール保持部23Aと補充リール保持部23Bから成る。
【0014】
現行リール保持部23Aと補充リール保持部23Bのそれぞれには、部品BHが収納されたキャリアテープCTが巻き付けられたリールRLが保持されている。テープフィーダ22の後部に設けられたテープ挿入口22Gには、現行リール保持部23Aに保持されたリールRLから引き出されたキャリアテープCTの先頭部が挿入されている。テープフィーダ22は、内蔵された図示しないスプロケットによってキャリアテープCTを前方(基板搬送部12により位置決めされた基板KB側)に搬送し、部品供給口22Kに部品BHを連続的に供給する。
【0015】
補充リール保持部23Bには補充用のリールRLが保持されており、補充用のリールRLの先頭部もテープフィーダ22のテープ挿入口22Gに挿入されている。テープフィーダ22のテープ挿入口22Gに対するリールRLの先頭部の挿入は、図示しないテープ挿入機構によってなされる。
【0016】
テープフィーダ22は、現行リール保持部23Aに保持されたリールRLが空になったときには補充リール保持部23Bに保持されたリールRLが供給するキャリアテープCTを搬送することによって、部品供給動作を継続する。現行リール保持部23Aに保持されたリールRLが空になったときには、その空のリールRLは現行リール保持部23Aから下方に脱落し、補充リール保持部23Bに保持されたリールRLが現行リール保持部23Aに移動する。
【0017】
図1において、ヘッド移動機構14は基台11上に設けられており、例えばXYテーブルから成る。ヘッド移動機構14は装着ヘッド15を基台11の上方で水平方向に移動させる。装着ヘッド15は下方に延びた複数のノズル15Nを備えている。装着ヘッド15はノズル15Nの下端に部品BHを真空吸着させてその部品BHをピックアップすることができる。
【0018】
リール格納装置3は作業者OPによって床面FL上を走行操作されて部品装着装置2の部品供給部13(詳細にはフィーダ台車21)に後方から連結される。リール格納装置3は、補充用のリールRLを格納しており、部品装着装置2から要求があったときに、部品供給部13が備えるリール保持部23(詳細には補充リール保持部23B)にリールRLを供給(補充)する。リール格納装置3の構成の詳細については後述する。
【0019】
部品実装システム1の部品装着装置2が基板KBに部品BHを装着する部品装着作業を行う場合には、先ず、基板搬送部12を作動させて、外部から基板KBを搬入して所定の作業位置に位置決めする。基板KBを作業位置に位置決めしたら、テープフィーダ22によって部品BHを部品供給口22Kに供給しつつ、ヘッド移動機構14によって装着ヘッド15をテープフィーダ22と基板KBとの間で繰り返し移動させる。装着ヘッド15は、ノズル15Nに部品BHを吸着させる動作(部品ピックアップ動作)と基板KB上で部品BHを離脱させる動作(部品装着動作)を交互に行うことによって、基板KB上に部品BHを装着させていく。
【0020】
部品装着装置2は、装着ヘッド15が部品ピックアップ動作と部品装着動作を繰り返し実行することによって基板KBに装着すべき部品BHが全て装着されたことを検知したら、基板搬送部12を作動させて、基板KBを外部に搬出する。これにより基板KBの1枚当たりの部品装着作業が終了する。
【0021】
次に、リール格納装置3について説明する。リール格納装置3は、図2図3および図4に示すように、複数の車輪31Hを備えて床面FL上を走行させることが可能な車体部31と、車体部31に架装された筐体から成る格納部32を備えている。格納部32の内部には、X方向に延びた2本の支持ロッド33がY方向(前後方向)に並んで設けられている。
【0022】
図2および図3において、格納部32の前壁32Fの上部には上部開口32Kが設けられており、前壁32Fの下部には下部開口32Mが設けられている。上部開口32Kは、格納部32内のリールRLを部品供給部13の現行リール保持部23AにリールRLを供給(補充)する際のリールRLの出口として機能する。下部開口32Mは格納部32内に形成された排出リール収容スペース32J(図2)と繋がっている。下部開口32Mは、部品装着装置2の現行リール保持部23Aから排出されたリールRLが排出リール収容スペース32Jに排出される際のリールRLの入口として機能する。
【0023】
2本の支持ロッド33には、YZ面に沿って広がる複数の仕切り板34がX方向に一定間隔おきに取り付けられている。2本の支持ロッド33の上方領域のうち、隣接する2つの仕切り板34によって挟まれる空間のひとつひとつは、リールRLを個別に格納する格納スロット35となっている。このように本実施の形態におけるリール格納装置3は、部品BHを収納した複数のリールRLが一の方向(ここではX方向)に並んで格納される格納部32を備えており、格納部32内には、複数のリールRLそれぞれを個別に格納する複数の格納スロット35が一の方向(ここではX方向)に並んで設けられた構成となっている。
【0024】
図2図3および図4において、格納部32の後部には上下方向に開閉可能な扉32Tが設けられている。作業者OPは、扉32Tを上方に開いて格納部32内を開放状態にすることで、複数の格納スロット35それぞれにリールRLを出し入れすることができる。
【0025】
リールRLはYZ面に平行で、キャリアテープCTの先頭部がリールRLの上側から前方に延びる向きを正しい向きとして、格納スロット35内に挿入される。図2図3および図5に示すように、格納スロット35に挿入されたリールRLは、その重心GVが平面視において2本の支持ロッド33の間に位置する(図2)。このため格納スロット35内のリールRLは、2本の支持ロッド33によって安定的に支持される。
【0026】
図2において、各リールRLの側面にはリールRLの識別情報が記録された識別子MKが付されている。識別子MKはここでは二次元バーコートから成る。識別子MKは、格納スロット35に正しい向きで挿入された場合に、リールRLの右側となる位置に付されている。
【0027】
図3および図4において、格納部32の後面の下部には青ランプ36aと赤ランプ36bから成るランプ対36が複数組、X方向に並んで設けられている。これらランプ対36は、複数の格納スロット35それぞれに対応して配置されている。
【0028】
図2図3図4および図5において、格納部32内には移動ガイド37が設けられている。移動ガイド37は2本の支持ロッド33の前方(詳細には前側の支持ロッド33の前方)の領域をX方向に延びている。
【0029】
移動ガイド37上には読取りユニット38が設けられている。読取りユニット38は、例えばリニアモータから成るユニット移動機構39(図5および図6)を介して移動ガイド37に取り付けられている。読取りユニット38はユニット移動機構39を作動させることによって、移動ガイド37に沿って(すなわちX方向に)移動させることができる。
【0030】
図6において、読取りユニット38は、移動ガイド37上に設けられている。読取りユニット38は、移動ガイド37上を移動自在なベース部41と、ベース部41上に設けられた起伏アーム42、リール回転ローラ43および読取りセンサ44を備えており、複数のリールRL(格納スロット35)の並び方向(X方向)に移動して格納部32内(直接的には格納スロット35内)に格納されたリールRLの識別子MKから識別情報を読み取る機能を有する装置である。
【0031】
起伏アーム42は直線状に延びた棒状の部材から成り、基端部がベース部41に取り付けられている。起伏アーム42は先端側を後方に向けており、リール回転ローラ43は起伏アーム42の先端部に取り付けられている。
【0032】
起伏アーム42は基端部を支点としてYZ面に沿って起伏自在となっており、ベース部41内に設けられた起伏モータ51によって起伏させることができる。詳細には、先端部を後方に向けた水平姿勢となる待機位置を基本位置とし、その位置から所定の仰角まで起仰させることができる。
【0033】
リール回転ローラ43はYZ面内で回転自在なローラ部材から成る。ベース部41内にはローラ駆動モータ52が設けられており、リール回転ローラ43は起伏アーム42内に設けられた図示しないベルト機構によってローラ駆動モータ52と連結されている。ローラ駆動モータ52が回転するとその動力がベルト機構に伝達され、リール回転ローラ43が回転駆動される。
【0034】
読取りセンサ44は、ベース部41の上面から上方に延びたセンサ支持部44Sによって支持されている。読取りセンサ44は起伏アーム42の起伏動作面42P(起伏アーム42の軸線を通りYZ面に平行な面。図4)の側方に位置している。
【0035】
読取りセンサ44はここでは二次元バーコードリーダから成り、読取り面44Mを起伏アーム42の起伏動作面42Pに向けている。本実施の形態では、読取りセンサ44は作業者OPから(すなわちリール格納装置3の後方から)見て右側に位置しており、読取りセンサ44の読取り面44Mは左方を向いている(図4)。読取りセンサ44は照明部44Lを備えており(図6)、読取り動作を行うときには照明部44Lから照明光を照射する。
【0036】
図5および図6において、起伏アーム42の上面にはリール検出センサ45が設けられている。リール検出センサ45はここでは非接触型のセンサ(例えば光学センサ)から成り、検出面を上方に向けている。リール検出センサ45は、格納スロット35内にリールRLが格納されている場合に、そのリールRLを検出する。
【0037】
図7はリール格納装置3の制御系統を示している。リール格納装置3が備える制御装置60は、ユニット移動機構39、起伏モータ51、ローラ駆動モータ52、照明部44Lおよび複数のランプ対36それぞれの作動を制御する。制御装置60はユニット移動機構39を作動させることによって、読取りユニット38を移動ガイド37上で移動させる。これにより読取りユニット38は複数の格納スロット35の並びの前方領域を、複数のリールRLの並び方向(X方向)に移動する。
【0038】
制御装置60は起伏モータ51を作動させることによって、起伏アーム42を待機位置から起仰させ、あるいは待機位置まで倒伏させる。また制御装置60は、ローラ駆動モータ52を作動させることによって、リール回転ローラ43をYZ面内で回転させる。このように本実施の形態において、リール回転ローラ43は、起伏アーム42によって移動されたリールRLを回転させるリール回転部となっている。
【0039】
リール検出センサ45は、リールRLが格納されている状態の格納スロット35の下方に起伏アーム42が位置している状態で、その格納スロット35にリールRLが格納されているか否かを検出し、その検出情報を制御装置60に送信する。すなわち本実施の形態において、リール検出センサ45は、複数の格納スロット35それぞれにおけるリールRLの有無を検出するリール検出部となっている。
【0040】
格納スロット35に格納されたリールRLの識別子MKからそのリールRLの識別情報を読み取る場合には、制御装置60は起伏アーム42を待機位置に位置させた状態で読取りユニット38をX方向に移動させて、その格納スロット35の下方に起伏アーム42を位置させる(図8(a))。そして起伏モータ51を作動させて起伏アーム42を待機位置から起仰させ(図8(a)→図8(b))、起伏アーム42の仰角が所定の仰角となる姿勢(「第1の起仰姿勢」と称する)にする(図8(b))。
【0041】
起伏アーム42が水平姿勢から第1の起仰姿勢まで起仰されると、その過程においてリール回転ローラ43はリールRLの下縁側に当接し、リールRLは起伏アーム42によって持ち上げられる。これによりリールRLは後側の支持ロッド33から離れ、前側の支持ロッド33とリール回転ローラ43によって支持された状態となる。そして、起伏アーム42の起仰動作に伴ってリール回転ローラ43が上昇するにつれて、リールRLは上前方に移動する(図8(a)→図8(b))。
【0042】
起伏アーム42によって持ち上げられたリールRLは、他の格納スロット35に格納された他のリールRLの並び方向と垂直な方向(YZ面内方向)に移動し、その一部が他のリールRLの並び(図8(b)において一点鎖線で示すリールRL参照)から側方にはみ出た位置に位置する(図8(b))。起伏アーム42によって持ち上げられることによって他のリールRLの並びからはみ出た位置に位置したリールRLの一部は、読取りセンサ44の読取り面44MとX方向に対向する位置に位置し、読取りセンサ44の読取り視野内に入るようになる。
【0043】
上記のように、起伏アーム42によって押し上げたリールRLの一部が他のリールRLの並びからはみ出た状態となったら、制御装置60は読取りセンサ44の照明部44LからリールRL側に向けて照明光を照射させたうえで、ローラ駆動モータ52を駆動してリール回転ローラ43を回転させる(図8(c))中に示す矢印R1)。起伏アーム42によって持ち上げられた状態のリールRLはリール回転ローラ43と接触しているので、リール回転ローラ43が回転すると、これに従ってリールRLがリール回転ローラ43の回転方向と反対の方向に回転する(図8(c)中に示す矢印R2)。
【0044】
リール回転ローラ43を回転させると、リールRLは前側の支持ロッド33とリール回転ローラ43によって支持された状態で、中心位置をほとんど移動させることなく回転する。このためリールRLに付された識別子MKは、リールRLの中心を中心とするYZ面内の円軌道上をリールRLの回転方向に移動する。これによりリールRLに付された識別子MKは読取りセンサ44の読取り視野内を移動(すなわち読取りセンサ44に対して相対移動)し、読取りセンサ44は二次元バーコードからなるリールRLの識別子MKから、そのリールRLの識別情報を読み取ることが可能となる。
【0045】
制御装置60は、リール回転ローラ43によるリールRLの回転を開始したら読取りセンサ44に識別子MKからリールRLの識別情報を読み取らせる。すなわち本実施の形態では、読取りセンサ44は、リール回転ローラ43により回転されている状態のリールRLの識別子MKから識別情報を読み取るようになっている。
【0046】
読取りセンサ44は、リールRLの識別子MKから読み取ったリールRLの識別情報を制御装置60に送信する。制御装置60はリールRLの識別情報を取得したら、リール回転ローラ43の回転を停止させてリールRLの回転を止め、起伏アーム42を待機位置まで倒伏させてリールRLを下ろす(図8(b)→図8(a))。これによりリールRLは再び2本の支持ロッド33によって支持された状態となる(図8(a))。
【0047】
このように本実施の形態におけるリール格納装置3では、格納部32内で一の方向(ここではX方向)に並んだ複数のリールRLの中の一のリールRLを起伏アーム42によって移動させ、その一のリールRLを他のリールRLの並びから側方に突出させてから識別情報を読み取るようになっているので、一の方向に並んだ状態となっているリールRLひとつひとつの識別情報を読み取ることができる。このためリールRLの識別情報をリールRLが格納部32(格納スロット35)内に格納された状態のまま読み取ることが可能であり、リールRLの識別情報の読取り精度を向上させることができる。
【0048】
ここで、読取りセンサ44によってリールRLの識別情報を読み取る場合には、少なくともリールRLを1回転させればよいが、リールRLを1回転させる間に読取りセンサ44が識別情報の読取りに失敗した場合であっても、リールRLをさらに回転させることによって、識別情報を確実に読み取ることができる。
【0049】
また、リール検出センサ45によって格納スロット35内にリールRLが格納されている状態が検出されているにも拘らず、読取りセンサ44によって識別情報を読み取れなかった場合には、格納スロット35に格納されているリールRLが正しい向きとは反対の向きで格納されていると判断でき、リールRLを格納スロット35に格納する際に発生した人為的なミスを検出することもできる。
【0050】
制御装置60は複数のランプ対36を構成する青ランプ36aと赤ランプ36bそれぞれの発光状態(点灯、点滅または消灯)を制御することで、各格納スロット35とその格納スロット35に格納されるリールRLとの関係を作業者OPに報知する。部品装着装置2が備える制御部(図示せず)は、装着基板を製造するときの生産データに基づいて、複数のテープフィーダ22それぞれが供給する部品BHの種類等を管理している。
【0051】
リール格納装置3の制御装置60は、部品装着装置2の制御部と連携することによって、部品装着装置2側(詳細にはテープフィーダ22)が必要としている補充用のリールRLが誤りなく所定の格納スロット35に格納されるように、各格納スロット35に対応するランプ対36(青ランプ36aと赤ランプ36b)を制御(点灯、点滅または消灯)する。これにより作業者OPには必要な報知がなされ、作業者OPは作業を適切に行うことができるようになっている。
【0052】
具体的には、制御装置60は、格納スロット35がリールRLの格納を要求していない状態にある場合には、その格納スロット35に対応する青ランプ36aと赤ランプ36bをともに消灯させて(図9の(a)欄)、その格納スロット35は生産動作に影響を与えていない状態にある旨を作業者OPに報知する。また制御装置60は、格納スロット35がリールRLの格納を要求しているにも拘らずリールRLがまだ格納されていない状態にある場合には、その格納スロット35に対応する青ランプ36aを点滅(赤ランプ36bは消灯)させることによって(図9の(b)欄)、その格納スロット35が非正常状態にある旨を作業者OPに報知し、リールRLの格納作業を促す。
【0053】
また制御装置60は、格納スロット35がリールRLの格納を要求しており、実際に生産データと整合した正しいリールRLが正しい向きで格納されている状態にある場合には、その格納スロット35に対応する青ランプ36aを点灯(赤ランプ36bは消灯)させて(図9の(c)欄)、その格納スロット35が正常状態にある旨を作業者OPに報知する。
【0054】
また制御装置60は、格納スロット35がリールRLの格納を要求しており、実際にリールRLが格納されてはいるものの、そのリールRLの向きが正しくない状態にある場合には、その格納スロット35に対応する赤ランプ36bを点滅(青ランプ36aは消灯)させて(図9の(d)欄)、その格納スロット35が非正常状態にある旨を作業者OPに報知する。
【0055】
また制御装置60は、格納スロット35がリールRLの格納を要求していないにも拘らずリールRLが格納されている状態にある場合には、その格納スロット35に対応する赤ランプ36bを点灯(青ランプ36aは消灯)させた後(図9の(e)欄)、一定の時間が経過したときや、一連のチェック状態から生産動作に移行したときに、青ランプ36aと赤ランプ36bをともに消灯させる(図9の(a)欄)。リールRLの格納が要求されていない格納スロット35にリールRLが格納されている状態は、生産データ通りではないとはいえ、生産に影響を与える性質ものではないので、赤ランプ36bの点灯は作業者OPに注意を与える程度の一時的なものとする趣旨である。
【0056】
このように本実施の形態において、各格納スロット35に対応して設けられたランプ対36は、判断部60aによりリールRLとの対応関係が正しいと判断された格納スロット35について、またリールRLとの対応関係が正しくないと判断された格納スロット35について、その旨を報知する報知部となっている。
【0057】
図10は、リール格納装置3が行うリールチェック作業の流れを示すフローチャートである。リールチェック作業とは、作業者OPによって扉32Tが閉じられたことを検知したときに制御装置60が実施する、格納スロット35とリールRLとの対応をチェックする作業である。
【0058】
制御装置60は、作業者OPによって扉32Tが閉じられたことを検知したら、先ず、起伏アーム42を待機位置に位置させた状態の読取りユニット38を格納スロット35の並びの一端側の端部に位置する格納スロット35に移動させて(ステップST1)、その格納スロット35におけるリールRLの有無(リールRLが格納されているか否か)の検査を行う(ステップST2)。その結果、格納スロット35内にリールRLがない(格納スロット35にリールRLが格納されていない)ことを検知した場合には、生産データに基づいて、その格納スロット35にリールRLの要求がなされていたかどうかを調べる(ステップST3)。
【0059】
制御装置60は、ステップST3において、その格納スロット35にリールRLの要求がなされていなかったことが分かった場合には、その格納スロット35とリールRLとの対応は正常であると判断し(ステップST4)、その格納スロット35に対応したランプ対36の制御を行う(ステップST5)。ここでは図9の(a)欄に従って、その格納スロット35に対応する青ランプ36aと赤ランプ36bをともに消灯状態にして(あるいは消灯状態を維持して)、その格納スロット35は正常状態にある旨を作業者OPに報知する。
【0060】
一方、制御装置60は、ステップST3において、その格納スロット35にリールRLの要求がなされていたことが分かった場合には、その格納スロット35とリールRLとの対応は非正常であると判断し(ステップST6)、その格納スロット35に対応したランプ対36の制御を行う(ステップST5)。ここでは図9の(b)欄に従って、その格納スロット35に対応する青ランプ36aを点滅状態(赤ランプ36bは消灯状態)にすることによって、その格納スロット35が非正常状態にある旨を作業者OPに報知し、作業者OPにリールRLの格納作業を促す。
【0061】
制御装置60は、ステップST2において、格納スロット35内にリールRLがある(格納スロット35にリールRLが格納されている)ことを検知した場合には、生産データに基づいて、その格納スロット35にリールRLの要求がなされていたかどうかを調べる(ステップST7)。そして、制御装置60は、その格納スロット35にリールRLの要求がなされていなかったことが分かった場合には、作業者OPに注意を喚起することが必要であると判断し(ステップST8)、その格納スロット35に対応したランプ対36の制御を行う(ステップST5)。ここでは、その格納スロット35に対応する赤ランプ36bを点灯状態(青ランプ36aは消灯状態)にした後(図9の(e)欄)、一定時間が経過したとき等に、青ランプ36aと赤ランプ36bをともに消灯させる(図9の(a)欄)。
【0062】
一方、制御装置60は、ステップST7において、生産データに基づき、その格納スロット35にリールRLの要求がなされていたことが分かった場合には、その格納スロット35に格納されているリールRLの識別情報の読取りを行う。リールRLの識別情報の読取りでは、前述したように、制御装置60は先ず、起伏アーム42を起仰させてリールRLを持ち上げる(ステップST9)。そして、リール回転ローラ43を作動させてリールRLを回転させ(ステップST10)、読取りセンサ44によってリールRLに付された識別子MKから識別情報を読み取る(ステップST11)。
【0063】
制御装置60は、リールRLの識別情報が読み取ったら、リール回転ローラ43の回転を停止させ、起伏アーム42を待機位置まで倒伏させる。そして、読み取った識別情報が生産データと整合しているか否かを判断する(ステップST12)。その結果、読み取った識別情報と生産データとが整合しており、リールRLを要求している格納スロット35に正しいリールRLが正しい向きで格納されていることを検知した場合には、格納スロット35とリールRLとの対応は正常であると判断し(ステップST13)、その判断に対応したランプ対36の制御を行う(ステップST5)。ここでは図9の(c)欄に従って、その格納スロット35に対応した青ランプ36aを点灯状態(赤ランプ36bは消灯状態)にすることによって、その格納スロット35が正常状態にある旨を作業者OPに報知する。
【0064】
これに対し、制御装置60は、ステップST12において、ステップST11で読み取った識別情報と生産データとが整合しておらず、リールRLを要求している格納スロット35に誤ったリールRLが格納されていた、あるいはリールRLが反対向きに格納されていたことを検知した場合には、格納スロット35とリールRLとの対応は非正常であると判断し(ステップST14)、その判断に対応したランプ対36の制御を行う(ステップST5)。ここでは図9の(d)欄に従って、その格納スロット35に対応した赤ランプ36bを点滅状態(青ランプ36aは消灯状態)にすることによって、その格納スロット35が非正常状態にある旨を作業者OPに報知する。
【0065】
制御装置60は、上記のステップST4、ステップST6、ステップST8、ステップST13またはステップST14を経てステップST5のランプ対36の制御を実行したら、読取りユニット38は格納スロット35の並びの他端側の端部に位置する格納スロット35に到達しているかどうかを判断する(ステップST15)。その結果、制御装置60は、読取りユニット38が格納スロット35の並びの他端側の端部に位置する格納スロット35に到達していなかった場合には、読取りユニット38を隣の格納スロット35に移動させたうえで(ステップST16)、ステップST2~ステップST15の工程を繰り返し実行する。一方、ステップST15において、読取りユニット38が格納スロット35の他端側の端部に位置する格納スロット35に到達していた場合には、全ての格納スロット35についてチェックが終わったとして、一連のリールチェック作業を終了する。
【0066】
このように本実施の形態において、読取りユニット38は、リール検出センサ45により複数の格納スロット35のうちリールRLが格納されたことが検出された格納スロット35内のリールRLの識別子MKから識別情報を読み取るようになっている(ステップST2→ステップST7→ステップST9→ステップST10→ステップST11)。そして、制御装置60の判断部60aは、読取りユニット38の読取りセンサ44が読み取った識別情報に基づいて、リールRLとそのリールRLが格納されている格納スロット35との対応関係が正しいか(格納スロット35とリールRLの関係が生産データと整合するか)否かの判断を行うようになっている(ステップST12)。
【0067】
このため本実施の形態におけるリール格納装置3では、作業者OPによって格納部32内に新たにリールRLが格納された場合を含め、格納部32に対してリールRLの出し入れがあった場合には、その作業者OPが行った作業が正しいかったかどうかが自動で判断されるので、作業者OPによる人為的なミスが防止される。
【0068】
リール格納装置3の制御装置60は、上記のリールチェック作業を行った後、部品装着装置2からリールRLの供給(補充)の要求があった場合には、先ず、要求されたリールRLが格納されている格納スロット35の位置に読取りユニット38を移動させる。そして、起伏モータ51を作動させて起伏アーム42を起仰させ(図11(a)→図11(b))、第1の起仰姿勢を超える仰角まで起仰する所定の起仰姿勢(「第2の起仰姿勢」と称する)にする(図11(b))。
【0069】
起伏アーム42が水平姿勢から第2の起仰姿勢まで起仰される過程において、リールRLはリール回転ローラ43を介して起伏アーム42によって持ち上げられる。このときリールRLは後側の支持ロッド33から離れ、前側の支持ロッド33とリール回転ローラ43によって支持された状態となる。そして、起伏アーム42の起仰動作に伴ってリール回転ローラ43が上昇するにつれて、リールRLは上前方に移動する。
【0070】
起伏アーム42が第1の起仰姿勢を超えてさらに起仰し、リール回転ローラ43が前側の支持ロッド33に近接していくと、起伏アーム42によって持ち上げられたリールRLの重心GVは前側の支持ロッド33に近づいていく。そして、リールRLの重心GVが前側の支持ロッド33よりも前方に位置すると、リールRLは前側の支持ロッド33は前方に転動し(図11(b))、格納部32の上部開口32Kから格納部32の前方に位置する現行リール保持部23Aに移動する。これにより部品装着装置2の部品供給部13にリールRLが供給(補充)された状態となる。
【0071】
以上説明したように、本実施の形態における部品実装システム1が備えるリール格納装置3では、格納部32内で一の方向(X方向)に並んだ複数のリールRLの中の一のリールRLを起伏アーム42によって移動させ、その一のリールRLを他のリールRLの並びから側方に突出させてから識別情報を読み取るようになっているので、一の方向に並んだ状態となっているリールRLひとつひとつの識別情報を読み取ることができる。このためリールRLの識別情報をリールRLが格納部32(格納スロット35)内に格納された状態のまま読み取ることが可能であり、リールRLの識別情報の読取り精度を向上させることができる。
【0072】
また本実施の形態におけるリール格納装置3において、読取りユニット38は、リール検出センサ45により複数の格納スロット35のうちリールRLが格納されたことが検出された格納スロット35内のリールRLの識別子MKから識別情報を読み取るようになっており、制御装置60の判断部60aは、読取りユニット38の読取りセンサ44が読み取った識別情報に基づいて、リールRLとそのリールRLが格納されている格納スロット35との対応関係が正しいか否かの判断を行うようになっている。このため作業者OPによって格納部32内に新たにリールRLが格納された場合を含め、格納部32に対してリールRLの出し入れがあった場合には、その作業者OPが行った作業が正しいかったかどうかが自動で判断され、作業者OPによる人為的なミスが防止される。
【0073】
これまで本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上述したものに限定されず、種々の変形等が可能である。例えば、上述の実施の形態では、識別子MKは二次元バーコードから成り、読取りセンサ44は二次元バーコードリーダからなっていたが、これは一例であり、識別子MKはリールRLの識別情報が記録されていればよく、読取りセンサ44は識別子MKに記録された識別情報を読み取ることができるものであればよい。また、上述の実施の形態では、識別子MKが二次元バーコードであったために読取りセンサ44はリールRLを回転させた状態で、すなわち読取りセンサ44に対して相対移動させながら識別情報を読み取るようになっていたが、読取りセンサ44が撮像機能を有するものからなるのであれば、リールRLを回転させながら識別情報を読み取る必要はない(他のリールRLに隠れた識別子MKが他のリールRLに隠れない位置に移動させるためにリールRLを回転させる必要はある)。
【0074】
また、上述の実施の形態では、読取りユニット38は、リール検出センサ45により複数の格納スロット35のうちリールRLが格納されたことが検出された格納スロット35内のリールRL識別子MKからのみ識別情報の読取りを行うようになっていたが、リールRLの有無によらず、複数の格納スロット35に格納された全てのリールRLの識別子MKから識別情報の読取りを行う(少なくとも読み取るための動作、すなわち起伏アーム42の起仰等を行う)ようになっていてもよい。この場合、リールRLが格納されていない格納スロット35についてはリールRLが持ち上げられることはなく、読取りセンサ44は識別情報を読み取ることはないため無駄な動作が生じるが、リール検出部(リール検出センサ45)が不要になるという利点がある。
【産業上の利用可能性】
【0075】
リールの識別情報の読取り精度を向上させることができるリール格納装置および部品実装システムを提供する。
【符号の説明】
【0076】
1 部品実装システム
2 部品装着装置
3 リール格納装置
13 部品供給部
15 装着ヘッド
32 格納部
33 支持ロッド
34 仕切り板
35 格納スロット
36 ランプ対(報知部)
36a 青ランプ
36b 赤ランプ
37 移動ガイド
38 読取りユニット
42 起伏アーム(リール移動部)
43 リール回転ローラ(リール回転部)
44 読取りセンサ(読取り部)
45 リール検出センサ(リール検出部)
60 制御装置
60a 判断部
RL リール
MK 識別子
BH 部品
KB 基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11