(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023121923
(43)【公開日】2023-09-01
(54)【発明の名称】車両収容玩具
(51)【国際特許分類】
A63H 17/44 20060101AFI20230825BHJP
【FI】
A63H17/44
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022025281
(22)【出願日】2022-02-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-01-23
(71)【出願人】
【識別番号】000003584
【氏名又は名称】株式会社タカラトミー
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 拓哉
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150CA08
2C150DA06
2C150DC03
2C150DD14
2C150DF03
2C150DG02
2C150DG13
2C150EB01
2C150ED28
2C150EE02
2C150EE07
2C150FC03
(57)【要約】
【課題】斬新な構成で、意外性と驚きがあり、楽しむことができる車両収容玩具を提供すること。
【手段】 第1の車両玩具70と、
前記第1の車両玩具70が収容される第1の車庫10aを有し、前記第1の車庫10aの前側の外壁に出口13bが形成された建物10と、
を備え、
前記第1の車庫10aに車両前部を前にして前記第1の車両玩具70を収容した状態で、前記車両前部が前記出口13bの全域から露出し建物10の外壁の一部を構成する、ことを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の車両玩具と、
前記第1の車両玩具が収容される第1の車庫を有し、前記第1の車庫の前側の外壁に出口が形成された建物と、
を備え、
前記第1の車庫に車両前部を前にして前記第1の車両玩具を収容した状態で、前記車両前部が前記出口の全域から露出し建物の外壁の一部を構成する、ことを特徴とする車両収容玩具。
【請求項2】
前記出口は、前記第1の車庫の車両入出口を構成し、
前記建物の左右方向中央に前記車両入出口が形成され、前記車両入出口は、前記車両入出口の左右両脇に配置された一対のゲートブロックで区画され、前記一対のゲートブロックは、互いに離接する方向に移動可能に構成され、互いに接近して前記車両入出口を前記第1の車両玩具が辛うじて通行可能な大きさ程度に狭める閉じ位置と、互いに離間して前記車両入出口を拡張する展開位置とを取り得るように構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の車両収容玩具。
【請求項3】
前記第1の車庫の床の少なくとも一部は、前方に向けて下り勾配を有するスロープとなっており、前記第1の車庫には、前記第1の車庫に収容した前記第1の車両玩具を係止するストッパが設けられ、前記ストッパは、前記一対のゲートブロックが展開されたときに係止を解除するように構成されている、ことを特徴とする請求項2に記載の車両収容玩具。
【請求項4】
前記一対のゲートブロックの各々には、前記第1の車両玩具よりも小型の第2の車両玩具を収容する第2の車庫が形成され、前記第2の車庫の前側が出口となっており、前記出口には、前記第2の車庫を開閉する起倒式の扉が付設され、前記扉の裏面は、前記扉を倒したときに走行路となる、ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の車両収容玩具。
【請求項5】
前記一対のゲートブロックの後方には、前記建物の本体ブロックが設けられ、前記本体ブロックには、前記一対のゲートブロックが閉じ位置にあるときに前記一対のゲートブロックで前側を被覆され、且つ、前記一対のゲートブロックが展開状態にあるときに露出する車両収容スペースが付設され、前記車両収容スペースの前側の出口には起倒式の車両止めが設けられている、ことを特徴とする請求項4に記載の車両収容玩具。
【請求項6】
前記建物には、前記車両収容スペースに前記第2の車両玩具を入れるための孔が形成され、前記孔から前記車両収容スペースの出口まで下りのスロープとなっている、ことを特徴とする請求項5に記載の車両収容玩具。
【請求項7】
前記第1の車両玩具には車両搭載部が形成され、前記建物には、前記車両搭載部に前記第2の車両玩具を搭載させるための孔が形成されている、ことを特徴とする請求項4~請求項6のいずれか一項に記載の車両収容玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両収容玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、建物内に自動車玩具を収容しておき、所定の条件で建物の開口から、中の自動車玩具を排出させるように構成された車両収容玩具が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この自動車玩具によれば、建物の孔から自動車玩具が飛び出してくるので、驚きがあるが、孔から何か飛び出してくるとの予測ができるものとなっていた。また、扉を開くと中から自動車玩具が出てくるものも知られているが、こちらも何か飛び出してくるとの予測ができるものとなっていた。
本発明は、斬新な構成で、意外性と驚きがあり、楽しむことができる車両収容玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の手段は、
第1の車両玩具と、
前記第1の車両玩具が収容される第1の車庫を有し、前記第1の車庫の前側の外壁に出口が形成された建物と、
を備え、
前記第1の車庫に車両前部を前にして前記第1の車両玩具を収容した状態で、前記車両前部が前記出口の全域から露出し建物の外壁の一部を構成する、ことを特徴とする。
ここで、「車両出口の全域から露出」とは、第1の車両玩具の前部と車両出口の大きさが略同じで車両出口から顔を出していることを意味している。
【0006】
第2の手段は、第1の手段であって、
前記出口は、前記第1の車庫の車両入出口を構成し、
前記建物の左右方向中央に前記車両入出口が形成され、前記車両入出口は、前記車両入出口の左右両脇に配置された一対のゲートブロックで区画され、前記一対のゲートブロックは、互いに離接する方向に移動可能に構成され、互いに接近して前記車両入出口を前記第1の車両玩具が辛うじて通行可能な大きさ程度に狭める閉じ位置と、互いに離間して前記車両入出口を拡張する展開位置とを取り得るように構成されている、ことを特徴とする。
【0007】
第3の手段は、第2の手段であって、前記第1の車庫の床の少なくとも一部は、前方に向けて下り勾配を有するスロープとなっており、前記第1の車庫の床には、前記第1の車庫に収容した前記第1の車両玩具を係止するストッパが設けられ、前記ストッパは、前記一対のゲートブロックが展開されたときに係止を解除するように構成されている、ことを特徴とする。
【0008】
第4の手段は、第2の手段であって、
前記一対のゲートブロックの各々には、前記第1の車両玩具よりも小型の第2の車両玩具を収容する第2の車庫が形成され、前記第2の車庫の前側が出口となっており、前記出口には、前記第2の車庫を開閉する起倒式の扉が付設され、前記扉の裏面は、前記扉を倒したときに走行路となる、ことを特徴とする。
【0009】
第5の手段は、第4の手段であって、
前記一対のゲートブロックの後方には、前記建物の本体ブロックが設けられ、前記本体ブロックには、前記一対のゲートブロックが閉じ位置にあるときに前記一対のゲートブロックで前側を被覆され、且つ、前記一対のゲートブロックが展開状態にあるときに露出する車両収容スペースが付設され、前記車両収容スペースの前側の出口には起倒式の車両止めが設けられている、ことを特徴とする。
【0010】
第6の手段は、第5の手段であって、前記建物には、前記車両収容スペースに前記第2の車両玩具を入れるための孔が形成され、前記孔から前記車両収容スペースの出口まで下りのスロープとなっている、ことを特徴とする。
【0011】
第7の手段は、第4~第6のいずれかの手段であって、前記第1の車両玩具には車両搭載部が形成され、前記建物には、前記車両搭載部に前記第2の車両玩具を搭載させるための孔が形成されている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
第1の手段によれば、車両収容スペースに収容された第1の車両玩具の車両前部(いわゆる車両玩具の顔)が建物の外壁の一部を構成するので、意外性と驚きのある車両収容玩具が実現できる。
【0013】
第2の手段によれば、車両入出口を区画する一対のゲートブロックが展開するので、さらに、意外性と驚きのある車両収容玩具が実現できる。
【0014】
第3の手段によれば、一対のゲートブロックが展開した際に第1の車両玩具が自動的に出動するので、興趣性の高い車両収容玩具が実現できる。
【0015】
第4の手段によれば、閉じ位置と展開位置とを取り得る一対のゲートブロックに第2の車庫が設けられ、第2の車両玩具を異なる位置から出動させることができるので、興趣性の高い車両収容玩具が実現できる。
【0016】
第5の手段によれば、一対のゲートブロックが展開位置を取るときに露出する車両収容スペースからも第2の車両玩具を出動させるので、興趣性の高い車両収容玩具が実現できる。
【0017】
第6の手段によれば、車両収容スペースに簡単に第2の車両玩具を入れることができる。
【0018】
第7の手段によれば、第1の車両玩具を第1の車庫に収容した後でも、第2の車両玩具を搭載させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図2】車両収容玩具の使用状態を示す斜視図である。
【
図5】車両止め及び係止部材の側面側の斜視図である。
【
図7】右のゲートブロックの床及び扉の斜視図である。
【
図8】ゲートブロックの開閉機構を示す斜視図である。
【
図13】大型車両の使用状態の一例を示す側面側の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0021】
図1は、車両収容玩具100の斜視図、
図2は、車両収容玩具100の使用状態を示す斜視図、
図3は、建物10の分解斜視図である。
この車両収容玩具100は、消防署を模した建物10と、消防自動車に模した大型車両玩具70と、付属品としての消防自動車や救急車を模した小型車両玩具90(
図2参照)とを備える。
【0022】
《建物10》
建物10は、基台11と、基台11上に取り付けられ建物10の後部を構成する本体ブロック12L,12Rと、建物10の前部を構成する左右のゲートブロック13L,13Rと、本体ブロック12L,12Rの上に取り付けられた司令塔14と、本体ブロック12L,12Rに取り付けられた屋上パーツ25と、屋上パーツ25に取り付けられたスロープ26と、を備える。
【0023】
〈基台11〉
基台11は盤状に形成されている。基台11の前部中央には、大型車両用の段差スロープ11aが形成され、スロープ11aの脇には小型車両用の段差スロープ11L,11Rが形成されている。
【0024】
〈本体ブロック12L,12R〉
本体ブロック12L,12Rは左右対称の構造となっているので、本体ブロック12L,12Rの説明において、右の本体ブロック12Rを説明し、左の本体ブロック12Lの説明を適宜省略するものとする。
図4(A)は、右の本体ブロック12Rの前面側の斜視図、
図4(B)は、右の本体ブロック12Rの後面側の斜視図である。
本体ブロック12Lと本体ブロック12Rとの間には大型車両玩具70の後部が入るスペース12a(
図3参照)が形成されている。また、本体ブロック12R内には、前方に向けて下り勾配を有するスロープ12bが形成されている。本体ブロック12Rの後壁にはスロープ12bの入口12cが形成され、本体ブロック12Rの前壁にはスロープ12bの出口12dが形成されている。スロープ12bの出口12dには車両止め12eが設けられている。
【0025】
図5は、車両止め12e及び係止部材12fの側面側の斜視図である。
スロープ12bの出口12dには車両止め12eが設けられている、車両止め12eは軸12gを中心に回動して起倒可能となるように本体ブロック12Rに取り付けられている。この車両止め12eの横には、係止部材12fが設けられている。係止部材12fは本体ブロック12Rに上下動可能に設けられ、コイルばね12hの付勢力によって、
図5(A)に示すように、係合部12iを車両止め12eの側壁12jに係合させて車両止め12eを起立位置に係止するとともに、レバー12kの上方への操作によって、係止部材12fを上昇させると、係合部12iと車両止め12eの側壁12jとの係合が解除され、車両止め12eが倒れる(
図5(B)参照)。なお、倒れた車両止め12eは、レバー12kから手を離すと、係止部材12の下端がコイルばね12hの付勢力によって車両止め12eの基端の突片12lに当たり、自動的に起立する。
【0026】
〈ゲートブロック13L,13R〉
ゲートブロック13L,13Rは左右対称形の構造となっているので、ゲートブロック13L,13Rの説明において、右のゲートブロック13Rを説明し、左のゲートブロック13Lの説明を適宜省略するものとする。
図6(A)は、右のゲートブロック13Rの前面側の斜視図、
図6(B)は、右のゲートブロック13Rの後面側の斜視図である。
左右のゲートブロック13L,13Rは、左右に延びるスリット11b(
図3参照)に係合し、当該スリット11bに沿って左右に移動可能に構成され、互いに接近する閉じ位置と、互いに離間する展開位置とを取り得る。左右のゲートブロック13L,13Rは、閉じ位置で大型車両玩具70用の車両入出口13b(
図3参照)を区画するとともに、左右のゲートブロック13L,13Rの間に大型車両玩具70の前部を収容するスペースを形成する。車両入出口13bの大きさは、車両入出口13bの全域から大型車両玩具70の前部が露出する大きさである。つまり、大型車両玩具70の前部と車両入出口13bの大きさが略同じで車両入出口13bから大型車両玩具70が顔を出していることを意味している。この左右のゲートブロック13L,13Rの間に形成されたスペースと、左右の本体ブロック12L,12Rの間に形成されたスペース12aとによって、大型車両玩具70の車庫10a(
図2参照)が形成される。車庫10aの後部は開放されるとともに、車庫10aの床後部には固定の車両止め(符号省略)が設けられている。これにより、車庫10aに大型車両玩具70を入れると、ちょうど、大型車両玩具70の前部が建物10の外壁を構成する。
【0027】
ゲートブロック13Rには、小型車両玩具90が入る車庫13cが形成されている。車庫13cには小型車両玩具90を1台収容可能となっている。この車庫13cの前壁は扉13dとなっている。扉13dは、軸13eを中心に回動して起倒可能となるようにゲートブロック13Rに取り付けられている。
【0028】
図7は、右のゲートブロック13Rの床13f及び扉13dの斜視図である。
車庫13cの床13fは、軸13gを中心に回動可能にゲートブロック13Rに取り付けられている。床13fには、側壁13hが立設され、側壁13hの前縁は係合部13iを構成している。この係合部13iは、
図7(A)に示すように、扉13dを起立させた際に、扉13dの側壁の張出し部13jに係合し、扉13dを起立状態に保持する。一方、この係合部13jは、側壁13hに付設されたレバー13kを持ち上げ、床13fを傾動させると、張出し部13jとの係合を解除する。そして、
図7(B)に示すように、扉13dが倒れる。つまり、床13fにある小型車両玩具90が扉13dの開放によって排出(出動)される。
【0029】
(ゲートブロック13L,13Rの開閉機構)
図8は、ゲートブロック13L,13Rの開閉機構を示す斜視図である。
ゲートブロック13L,13Rには、床13fに下側に支持板14L,14Rが配置されている。一方、基台11の内部には、前後で対向するラック15L,15Rが配置され、このラック15L,15Rの上には連結部材16L,16Rが設けられている。ラック15L,15Rは、連結部材16L,16Rと一体的に動作するようにクラッチ17L,17Rを介して係合している。そして、連結部材16L,16Rはスリット11bを通して支持板14L,14Rに連結されている。
ラック15L,15Rの歯には、正逆回転可能なモータ(図示せず)に連結された歯車機構18中の歯車18aが噛合している。その結果、ラック15L,15Rは、互いに反対の方向に移動する。この場合のラック15L,15Rの移動方向は、モータの回転方向によって異なり、このラック15L,15Rの移動によって、ゲートブロック13L,13Rは閉じ位置と、展開位置とを取る。
【0030】
(大型車両玩具70の係止機構)
図9は、大型車両玩具70の係止機構を示す斜視図である。
基台11には、車両入出口13bの直ぐ後方に、車庫10aに収容された大型車両玩具70の下面の突起(図示せず)に係合して大型車両玩具70を係止するストッパ60が設けられている。ストッパ60は、軸60aを中心に回動可能に構成され、トーションばね60bによって上方に向けて付勢されている。ストッパ60は前面側が傾斜面となっており、後面側が起立面となっており、車庫10aの床上に突出している。そして、大型車両玩具70が車庫10aに進入する方向では、大型車両玩具70の突起がストッパ60の傾斜面を押し、ストッパ60はトーションばね60bの付勢力に抗して軸60aを中心に下方に回動し、大型車両玩具70の進入を許容する。一方、大型車両玩具70が車庫10aから出動する方向では、大型車両玩具70の突起がストッパ60の直立面に当たるが、側面のリブ60cが車庫10aの床下面に当たり、その出動が阻止される。
【0031】
また、ストッパ60の自由端には突起60dが形成されている。一方、ラック15Lには係止解除部材19が設けられている。係止解除部材19の先は斜となっていて、ゲートブロック13L,13Rが展開状態となったときに、突起60dの上に乗り、ストッパ60を押し下げる。その結果、車庫10aに収容された大型車両玩具70の係止が解除され、大型車両玩具70が出動されることになる。
【0032】
(司令塔14)
司令塔14には、メインスイッチ(図示せず)、スイッチ41及びスイッチ42が設けられている(
図1参照)。また、司令塔14の内部には各種電子部品や電気部品が設置された基板(図示せず)が設置されている。
【0033】
(屋上パーツ25)
屋上パーツ25は、屋上を拡張させるもので、装着時には、屋上に孔25a、孔25L,25Rを形成する。また、屋上パーツ25には、スロープ27L,27Rが形成されている。孔25aは、車庫に入った大型車両玩具70に小型車両玩具90を搭載させるための孔である。また、孔25L,25Rは、スロープ27L,27Rを通じて本体ブロック12L,12Rのスロープ12bに小型車両玩具90を収容させるためのものである。
【0034】
(スロープ26)
スロープ26は屋上パーツ25に係合して取り付けられている。
【0035】
(制御構成)
図11は、建物10の制御構成を示すブロック図である。
建物10は、制御構成として、処理制御部51と、記憶部52と、開閉動作部53と、音出力部54、発光部55とを備えている。
【0036】
処理制御部51は、本実施形態では、中央処理装置及びその周辺回路を備えて構成されている。処理制御部51は、様々なプログラムを実行することにより、建物10としての機能を実現する。なお、処理制御部51が実行する処理については、後述する。
【0037】
記憶部52は、不揮発性の記憶素子を備えて構成されている。この記憶部52には、建物10で利用される様々な情報データが含まれている。こうした情報データには、処理制御部51が実行するプログラムデータ等が含まれている。なお、記憶部52には、処理制御部51がアクセス可能となっている。
【0038】
開閉動作部53は、一対のゲートブロック13L,13Rを動作させる正逆回転可能なモータと、閉じ位置と展開位置とに一対のゲートブロック13L,13Rを止めさせるリミットスイッチと、を備えている。
【0039】
音出力部54は、スピーカを備えて構成されている。音出力部54は、処理制御部51から送られた出力音データを受ける。そして、音出力部54は、当該出力音データに応じた音を出力する。例えば、処理制御部51は、事件発生の報知、出動命令等の音声や効果音を出力させる。
【0040】
発光部55は、LEDを備えて構成されている。発光部55は、処理制御部51から送られた発光データを受ける。そして、発光部55は、当該発光データに応じた発光をさせる。例えば、発光部55は、事件発生の報知、出動命令等の音声を出力する際にLEDを赤く点滅等させる。
【0041】
《大型車両玩具70》
図12は、大型車両玩具70の側面側の斜視図、
図13は、大型車両玩具70の使用状態の一例を示す側面側の斜視図である。
大型車両玩具70は、手転がしで走行する自動車玩具であり、キャビンの前面がフラットとなっている。そして、実施形態の大型車両玩具70と車両入出口13bとは、車庫10aに大型車両玩具70を入れた場合に、車両前部が車両入出口13bの全域から露出し、一対のゲートブロック13L,13Rの外壁と略面一となり、大型車両玩具70の前部が建物10の外壁を構成している。ただし、車庫10aに大型車両玩具70を入れた場合に、必ずしも、大型車両玩具70の前部と一対のゲートブロック13L,13Rとは略面一とならなくてもよい。そこに、なんとなく車両があると分かっていたとしても、そこから車両が飛び出すことは斬新であり、意外性があり、驚きを生じさせることができる。
なお、大型車両玩具70の前部と車両入出口13bの少なくとも縁とを色や模様を大型車両玩具70の前部に合わせてその境界が分からないようにすることもできる。反対に、大型車両玩具70の前部の色や模様を外壁に合わせてその境界が分からないようにすることもできる。
【0042】
大型車両玩具70の後部フレーム71には旋回フレーム72が取り付けられ、旋回フレーム72には、はしご本体73が上下方向に回動可能に取り付けられている。はしご本体73には、はしご拡張パーツ74を受容する凹部73aが形成されている。はしご本体73の凹部73a内には、はしご拡張パーツ74がはしご本体73の長尺方向に移動可能に取り付けられている。すなわち、図示はしないが、はしご拡張パーツ74の基端部には軸が付設され、この軸は、はしご本体73の凹部73aの側壁に形成され且つ長尺方向に延びる凹条(レール)73bに係合している。その結果、はしご拡張パーツ74は、はしご本体73に対して引き出し位置と,収容位置とを取ることができる。また、はしご拡張パーツ74は、渋みによって、引き出し位置と収容位置との中間位置を保持することができる。はしご拡張パーツ74の引き出し位置では、はしご拡張パーツ74は、はしご本体73に対して下方に回動可能となっている。そして、
図12に示すように、はしご拡張パーツ74は大型車両玩具70の運転席の前側で下方に回動してスロープを構成する。
【0043】
また、はしご拡張パーツ74の先端には起倒可能なストッパ75が付設されている。このストッパ75は、はしご本体73によって支持された軸(図示せず)を中心に回動することではしご本体75に対して起倒する。また、ストッパ75には、レバー(図示せず)が付設されている。そして、はしご拡張パーツ74が着地する際にレバーが接地することで押され、ストッパ75が軸75aを中心に回動して倒れる。ストッパ75を復帰すときは手で戻す。なお、トーションばねを付けておき自動で復帰するようにしてもよい。
【0044】
《小型車両玩具90》
小型車両玩具90は手転がしで走行する自動車玩具である。
【0045】
《遊び方》
例えば、ゲートブロック13L,13Rが閉じている状態で、スロープ26を上らせる。そして、屋上の左右の孔25L,25R及び中央の孔25aから小型車両玩具90を2台ずつ入れる。左右の孔25L,25Rに入れられた小型車両玩具90は、本体ブロック12L,12Rに入り、スロープ12bを下り、車両止め12eによって縦列状態で止められる。また、中央の孔25aに入れられた小型車両玩具90は、大型車両玩具70に搭載される。
このゲートブロック13L,13Rが閉じている状態では、レバー13kの操作によって、車庫13cにある小型車両玩具90が扉13dの開放によって排出(出動)される。
【0046】
その後、スイッチ41を押すと、事件が発生したことが音声報知され、発光部のLEDが赤く点滅される。この場合、大型車両玩具70はストッパ60に係止されているため、出動させることができない。また、ゲートブロック13L,13Rは展開されないので、本体ブロック12L,12Rのスロープ12bの小型車両玩具90は出動させることができないが、例えば、左右のレバー13kを操作して、ゲートブロック13L,13Rの車庫13cにある小型車両玩具90を出動させることができる。
【0047】
一方、スイッチ42を押すと、特殊事件が発生したことが音声報知され、発光部のLEDが赤く点滅される。そして、左右のゲートブロック13L,13Rが展開され、大型車両玩具70が車庫10aの床であるスロープを下って出動する。そして、本体ブロック12L,12Rの車両収容部が露出する。この場合には、ゲートブロック13L,13R内にある小型車両玩具90と、本体ブロック12L,12R内にある小型車両玩具90すべてを出動させることができる。また、大型車両玩具70に積載されている小型車両玩具90も、はしご拡張パーツ74を接地させることにより、大型車両玩具70から下ろして出動させることができる。なお、左右のゲートブロック13L,13Rは所定時間経過後に閉じるか、もう一度、スイッチ42を押すことにより閉じる。左右のゲートブロック13L,13Rが閉じた後にも大型車両玩具70を車庫13bに入れることができる。
【0048】
なお、ゲートブロック13L,13Rが閉じている状態では、屋上で、ゲートブロック13L,13R上まで手転がしで小型車両玩具90を移動させることができ、司令塔14の周りを周回させることができる。ただし、左右のゲートブロック13L,13Rが展開した状態では、ルートが途切れるので、司令塔14の周りを周回できない。
【0049】
(変形例)
上記実施形態では、車両入出口13bの全域から大型車両玩具70の前部が露出する構成としたが、入口と出口とが異なる場合には出口側の開口の全域から大型車両玩具70の前部が露出する構成としてもよい。また、車庫13bに入れた大型車両玩具70の前部が単なる開口全域から露出するようにしてもよい。
【0050】
また、上記実施形態では、車両入出口13bの全域から大型車両玩具70の前部(いわゆる顔)が露出する構成としたが小型車両玩具90の前部をその出口の全域から露出させるようにしてもよい。
【0051】
また、上記実施形態では、車両を自動車玩具としたが、列車その他の自動車玩具であってもよい。
【0052】
また、上記実施形態では、左右のゲートブロック13L,13Rを前側に本体ブロック12L,12Rを後側に設けたが、逆であってもよい。
【0053】
また、上記実施形態では、ゲートブロック13L,13Rの開閉機構を床13fの下側に設けたが、例えば、本体ブロックをゲートブロック13L,13Rの上まで延出し、そこに、ゲートブロック13L,13Rの開閉機構を設けてもよい。
【0054】
さらに、上記実施形態では、左右のゲートブロック13L,13Rを左右方向に往復動作させることとしたが、左右のゲートブロック13L,13Rを上下方向に往復動作させることとしてもよい。
【0055】
また、上記実施形態では、車庫10aに入っている大型車両玩具70をストッパ60の下降により自動的に出動させるようにしたが、車庫10aの床を水平又は後方に向けて下り勾配を有するように構成し、大型車両玩具70を後方から手で押し出すように構成してもよい。
【符号の説明】
【0056】
10 建物
10a 車庫
11 基台
12L,12R 本体ブロック
12b スロープ
12d 出口
13L,13R ゲートブロック
13b 車両入出口
13c 車庫
18 ストッパ
70 大型車両玩具
【手続補正書】
【提出日】2022-07-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
第1の手段は、
第1の車両玩具と、
前記第1の車両玩具が収容される第1の車庫を有し、前記第1の車庫の前側の外壁に出口が形成された建物と、
を備え、
前記第1の車庫に車両前部を前記出口側にして前記第1の車両玩具を収容した状態で、前記出口の大きさが前記第1の車両玩具の前部と略同じであり、前記第1の車庫に、前記車両前部が前記出口の全域から露出し前記建物の外壁の一部を構成するように前記第1の車両玩具が定位置で位置決め収容されるように構成され、
前記車両玩具は、前記定位置から前記建物の外側に出動可能となっている、
ことを特徴とする。
ここで、「車両出口の全域から露出」とは、第1の車両玩具の前部と車両出口の大きさが略同じで車両出口から顔を出していることを意味している。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の車両玩具と、
前記第1の車両玩具が収容される第1の車庫を有し、前記第1の車庫の前側の外壁に出口が形成された建物と、
を備え、
前記第1の車庫に車両前部を前記出口側にして前記第1の車両玩具を収容した状態で、前記出口の大きさが前記第1の車両玩具の前部と略同じであり、前記第1の車庫に、前記車両前部が前記出口の全域から露出し前記建物の外壁の一部を構成するように前記第1の車両玩具が定位置で位置決め収容されるように構成され、
前記車両玩具は、前記定位置から前記建物の外側に出動可能となっている、
ことを特徴とする車両収容玩具。
【請求項2】
前記出口は、前記第1の車庫の車両入出口を構成し、
前記建物の左右方向中央に前記車両入出口が形成され、前記車両入出口は、前記車両入出口の左右両脇に配置された一対のゲートブロックで区画され、前記一対のゲートブロックは、互いに離接する方向に移動可能に構成され、互いに接近して前記車両入出口を前記第1の車両玩具が辛うじて通行可能な大きさ程度に狭める閉じ位置と、互いに離間して前記車両入出口を拡張する展開位置とを取り得るように構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の車両収容玩具。
【請求項3】
前記第1の車庫の床の少なくとも一部は、前方に向けて下り勾配を有するスロープとなっており、前記第1の車庫には、前記第1の車庫に収容した前記第1の車両玩具を係止するストッパが設けられ、前記ストッパは、前記一対のゲートブロックが展開されたときに係止を解除するように構成されている、ことを特徴とする請求項2に記載の車両収容玩具。
【請求項4】
前記一対のゲートブロックの各々には、前記第1の車両玩具よりも小型の第2の車両玩具を収容する第2の車庫が形成され、前記第2の車庫の前側が出口となっており、前記出口には、前記第2の車庫を開閉する起倒式の扉が付設され、前記扉の裏面は、前記扉を倒したときに走行路となる、ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の車両収容玩具。
【請求項5】
前記一対のゲートブロックの後方には、前記建物の本体ブロックが設けられ、前記本体ブロックには、前記一対のゲートブロックが閉じ位置にあるときに前記一対のゲートブロックで前側を被覆され、且つ、前記一対のゲートブロックが展開状態にあるときに露出する車両収容スペースが付設され、前記車両収容スペースの前側の出口には起倒式の車両止めが設けられている、ことを特徴とする請求項4に記載の車両収容玩具。
【請求項6】
前記建物には、前記車両収容スペースに前記第2の車両玩具を入れるための孔が形成され、前記孔から前記車両収容スペースの出口まで下りのスロープとなっている、ことを特徴とする請求項5に記載の車両収容玩具。
【請求項7】
前記第1の車両玩具には車両搭載部が形成され、前記建物には、前記車両搭載部に前記第2の車両玩具を搭載させるための孔が形成されている、ことを特徴とする請求項4~請求項6のいずれか一項に記載の車両収容玩具。
【手続補正書】
【提出日】2022-10-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
第1の手段は、
第1の車両玩具と、
前記第1の車両玩具が収容される第1の車庫を有し、前記第1の車庫の前側の外壁に出口が形成された建物と、
を備え、
前記第1の車庫に車両前部を前記出口の側にして前記第1の車両玩具を収容した状態で、前記出口の大きさが前記第1の車両玩具の前部と略同じであり、前記第1の車庫に、前記車両前部が前記出口の全域から露出し前記建物の外壁の一部を構成するように前記第1の車両玩具が定位置で位置決め収容されるように構成され、
前記第1の車両玩具は、前記定位置から前記建物の外側に出動可能となっている、
ことを特徴とする。
ここで、「車両出口の全域から露出」とは、第1の車両玩具の前部と車両出口の大きさが略同じで車両出口から顔を出していることを意味している。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の車両玩具と、
前記第1の車両玩具が収容される第1の車庫を有し、前記第1の車庫の前側の外壁に出口が形成された建物と、
を備え、
前記第1の車庫に車両前部を前記出口の側にして前記第1の車両玩具を収容した状態で、前記出口の大きさが前記第1の車両玩具の前部と略同じであり、前記第1の車庫に、前記車両前部が前記出口の全域から露出し前記建物の外壁の一部を構成するように前記第1の車両玩具が定位置で位置決め収容されるように構成され、
前記第1の車両玩具は、前記定位置から前記建物の外側に出動可能となっている、
ことを特徴とする車両収容玩具。
【請求項2】
前記出口は、前記第1の車庫の車両入出口を構成し、
前記建物の左右方向中央に前記車両入出口が形成され、前記車両入出口は、前記車両入出口の左右両脇に配置された一対のゲートブロックで区画され、前記一対のゲートブロックは、互いに離接する方向に移動可能に構成され、互いに接近して前記車両入出口を前記第1の車両玩具が辛うじて通行可能な大きさ程度に狭める閉じ位置と、互いに離間して前記車両入出口を拡張する展開位置とを取り得るように構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の車両収容玩具。
【請求項3】
前記第1の車庫の床の少なくとも一部は、前方に向けて下り勾配を有するスロープとなっており、前記第1の車庫には、前記第1の車庫に収容した前記第1の車両玩具を係止するストッパが設けられ、前記ストッパは、前記一対のゲートブロックが展開されたときに係止を解除するように構成されている、ことを特徴とする請求項2に記載の車両収容玩具。
【請求項4】
前記一対のゲートブロックの各々には、前記第1の車両玩具よりも小型の第2の車両玩具を収容する第2の車庫が形成され、前記第2の車庫の前側が出口となっており、前記出口には、前記第2の車庫を開閉する起倒式の扉が付設され、前記扉の裏面は、前記扉を倒したときに走行路となる、ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の車両収容玩具。
【請求項5】
前記一対のゲートブロックの後方には、前記建物の本体ブロックが設けられ、前記本体ブロックには、前記一対のゲートブロックが閉じ位置にあるときに前記一対のゲートブロックで前側を被覆され、且つ、前記一対のゲートブロックが展開状態にあるときに露出する車両収容スペースが付設され、前記車両収容スペースの前側の出口には起倒式の車両止めが設けられている、ことを特徴とする請求項4に記載の車両収容玩具。
【請求項6】
前記建物には、前記車両収容スペースに前記第2の車両玩具を入れるための孔が形成され、前記孔から前記車両収容スペースの出口まで下りのスロープとなっている、ことを特徴とする請求項5に記載の車両収容玩具。
【請求項7】
前記第1の車両玩具には車両搭載部が形成され、前記建物には、前記車両搭載部に前記第2の車両玩具を搭載させるための孔が形成されている、ことを特徴とする請求項4~請求項6のいずれか一項に記載の車両収容玩具。