(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023121932
(43)【公開日】2023-09-01
(54)【発明の名称】食器皿収納具及び食器皿収納ワゴン
(51)【国際特許分類】
A47F 10/06 20060101AFI20230825BHJP
A47B 31/00 20060101ALI20230825BHJP
【FI】
A47F10/06
A47B31/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022025298
(22)【出願日】2022-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】390010319
【氏名又は名称】株式会社石野製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石野 晴紀
(72)【発明者】
【氏名】松井 智史
(72)【発明者】
【氏名】西山 佳祐
(57)【要約】
【課題】本願は、積み重なった状態の食器皿を容易に移動可能な食器皿収納具及び食器皿収納ワゴンを開示する。
【解決手段】食器皿を積み重ねた状態で収納可能な食器皿収納具であって、積み重なった複数の食器皿を下側から支持可能な下側支持部と、下側支持部から上方へ向かって立設されており、積み重なった複数の食器皿の積み重ね方向に沿って延在する側方支持部と、側方支持部の上部に固定されており、人が把持可能な把持部と、を備え、下側支持部は、食器皿の糸底が通過可能な横幅を有する切欠部を有し、側方支持部は、積み重なった複数の食器皿が通過可能な横幅を有する出し入れ部を、切欠部の切欠き方向と同一方向の部分に有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食器皿を積み重ねた状態で収納可能な食器皿収納具であって、
積み重なった複数の食器皿を下側から支持可能な下側支持部と、
前記下側支持部から上方へ向かって立設されており、前記積み重なった複数の食器皿の積み重ね方向に沿って延在する側方支持部と、
前記側方支持部の上部に固定されており、人が把持可能な把持部と、を備え、
前記下側支持部は、食器皿の糸底が通過可能な横幅を有する切欠部を有し、
前記側方支持部は、前記積み重なった複数の食器皿が通過可能な横幅を有する出し入れ部を、前記切欠部の切欠き方向と同一方向の部分に有する、
食器皿収納具。
【請求項2】
前記下側支持部は、前記切欠部により略U字状の形状を有する板材によって形成される、
請求項1に記載の食器皿収納具。
【請求項3】
前記側方支持部は、前記下側支持部から立設される複数の棒材によって形成される、
請求項1又は2に記載の食器皿収納具。
【請求項4】
前記下側支持部は、前記積み重なった複数の食器皿を前記切欠き方向の反対方向へ傾けるための突起を、前記下側支持部のうち前記切欠き方向側の部位に有する、
請求項1から3の何れか一項に記載の食器皿収納具。
【請求項5】
前記把持部は、板状の上側支持部を介して前記側方支持部の上部に固定されている、
請求項1から4の何れか一項に記載の食器皿収納具。
【請求項6】
前記上側支持部は、前記食器皿収納具を出し入れ可能な食器皿収納ワゴンの収納部の出し入れ部分に設けられる被係合部に係合可能な係合部を有する、
請求項5に記載の食器皿収納具。
【請求項7】
前記係合部は、前記上側支持部のうち前記切欠き方向側の部位に有する、
請求項6に記載の食器皿収納具。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の食器皿収納具を出し入れ可能な収納部と、
前記収納部の出し入れ部分に設けられる被係合部と、を備える、
食器皿収納ワゴン。
【請求項9】
前記収納部は、収納された前記食器皿収納具の前記積み重なった複数の食器皿を側方から支持する壁部を有する、
請求項8の食器皿収納ワゴン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食器皿収納具及び食器皿収納ワゴンに関する。
【背景技術】
【0002】
飲食店においては、大量の食器皿が取り扱われる。また、例えば、回転寿司店のように飲食物を載せた皿をコンベアで搬送する飲食店においては、同じ形状の皿が大量に用いられている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
食器皿は、店舗内の各所を移動する。例えば、洗浄された食器皿は、厨房内の保管場所へ移動したり、飲食物の盛り付け作業を行う作業台へ移動したり、或いは搬送装置等へ移動する。よって、食器皿の移動を効率的に行うには、積み重なった状態の食器皿をそのまま移動できることが望ましい。
【0005】
そこで、本願は、積み重なった状態の食器皿を容易に移動可能な食器皿収納具及び食器皿収納ワゴンを開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明では、積み重なった複数の食器皿を下側から支持可能な下側支持部に、食器皿の糸底が通過可能な横幅を有する切欠部を設けると共に、積み重なった複数の食器皿の積み重ね方向に沿って延在する側方支持部に、積み重なった複数の食器皿が通過可能な横幅を有する出し入れ部を設けることにした。
【0007】
詳細には、本発明は、食器皿を積み重ねた状態で収納可能な食器皿収納具であって、積み重なった複数の食器皿を下側から支持可能な下側支持部と、下側支持部から上方へ向かって立設されており、積み重なった複数の食器皿の積み重ね方向に沿って延在する側方支持部と、側方支持部の上部に固定されており、人が把持可能な把持部と、を備え、下側支持部は、食器皿の糸底が通過可能な横幅を有する切欠部を有し、側方支持部は、積み重なった複数の食器皿が通過可能な横幅を有する出し入れ部を、切欠部の切欠き方向と同一方向の部分に有する。
【0008】
このような食器皿収納具であれば、食器皿の糸底の干渉を避けるための切欠部が下側支持部に設けられており、また、食器皿が通過可能な横幅を有する出し入れ部が側方支持部に設けられているため、食器皿収納具の取扱者は、積み重なっている状態の食器皿を下側支持部ですくい上げるようにして食器皿収納具に収めることができる。そして、食器皿収納具の取扱者は、把持部を掴んで食器皿収納具を吊り下げるようにして食器皿を運ぶことができる。よって、積み重なった状態の食器皿を容易に移動可能である。
【0009】
なお、下側支持部は、切欠部により略U字状の形状を有する板材によって形成されていてもよい。このような形態の下側支持部であれば、食器皿を容易にすくい上げることができる。
【0010】
また、側方支持部は、下側支持部から立設される複数の棒材によって形成されていてもよい。このような形態の側方支持部であれば、側方支持部を容易に形成可能であり、食器皿収納具に収納されている食器皿の確認も容易である。
【0011】
また、下側支持部は、積み重なった複数の食器皿を切欠き方向の反対方向へ傾けるための突起を、下側支持部のうち切欠き方向側の部位に有していてもよい。これによれば、食器皿収納具に収納されている食器皿を安定した姿勢で保持可能である。
【0012】
また、把持部は、板状の上側支持部を介して側方支持部の上部に固定されていてもよい。これによれば、側方支持部の上部への把持部の固定が容易である。
【0013】
また、上側支持部は、食器皿収納具を出し入れ可能な食器皿収納ワゴンの収納部の出し入れ部分に設けられる被係合部に係合可能な係合部を有していてもよい。この場合、係合部は、上側支持部のうち切欠き方向側の部位に有していてもよい。これによれば、食器皿収納具を食器皿収納ワゴンに安定した状態で収納可能である。
【0014】
また、本発明は、食器皿収納ワゴンであって、上記食器皿収納具を出し入れ可能な収納部と、収納部の出し入れ部分に設けられる被係合部と、を備えるものであってもよい。これによれば、食器皿収納具を食器皿収納ワゴンに安定した状態で収納可能である。
【0015】
また、収納部は、収納された食器皿収納具の積み重なった複数の食器皿を側方から支持する壁部を有していてもよい。これによれば、食器皿収納ワゴンに収まっている食器皿収納具の出し入れ口は壁部に覆われた状態となるため、収納部内で食器皿を転倒させること無く安定的に保持可能である。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る食器皿収納具及び食器皿収納ワゴンであれば、積み重なった状態の食器皿を容易に移動可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、実施形態に係る食器皿収納具の外観を示した斜視図である。
【
図2】
図2は、各部の寸法の詳細を示した図である。
【
図3】
図3は、食器皿収納具に食器皿を収納する様子を示した図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る食器皿収納ワゴンの外観を示した斜視図である。
【
図5】
図5は、食器皿収納ワゴンに食器皿収納具を収納した様子を示した図である。
【
図6】
図6は、食器皿収納ワゴンから食器皿収納具を出し入れする様子を示した図である。
【
図7】
図7は、食器皿を収納した食器皿収納具を食器皿収納ワゴンに収めた様子を示した図である。
【
図8】
図8は、食器皿収納ワゴンの収納部に収められた状態の食器皿収納具を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本願発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態は、本願発明の一態様であり、本願発明の技術的範囲を限定するものではない。以下に示す各実施形態や変形例は、例えば、寿司や飲料物、そばやうどんといった丼物、から揚げ、天ぷら、焼肉といった各種の飲食物を提供する飲食店に好適である。
【0019】
図1は、実施形態に係る食器皿収納具の外観を示した斜視図である。食器皿収納具1は
、積み重なった状態の食器皿を収納可能な器具であり、
図1に示すように、上側支持部2と側方支持部3と下側支持部4とを備える。
【0020】
上側支持部2は、上側板材21を主要な構成要素とする部位であり、積み重なった食器皿の上側に位置する部材である。上側板材21は、矩形の板材の4つの角を面取りしたような形態の部材であり、食器皿収納具1に収納する食器皿を上側から覆うことが可能な大きさを有している。上側板材21の中央部付近には、食器皿収納具1を人が取り扱うための把持部材22が設けられている。また、上側板材21には、後述する食器皿収納ワゴンの係合突起に係合可能な係合孔23が、食器皿収納具1の前側(
図1において紙面手前側)の縁に2つ設けられている。
【0021】
側方支持部3は、棒状の奥側支持棒31及び手前側支持棒32によって形成される部位である。側方支持部3は、積み重なった食器皿を側方から支持する役割を果たすと共に、積み重なった食器皿を出し入れするための出し入れ口33を形成する。より詳細には、側方支持部3は、奥側支持棒31同士の間隔、及び、奥側支持棒31と手前側支持棒32との間の間隔が食器皿の横幅より狭くなっており、手前側支持棒32同士の間隔が食器皿の横幅より広くなっている。これにより、側方支持部3は、積み重なった食器皿を食器皿収納具1の左側、右側、後側から支持すると共に、食器皿を食器皿収納具1の正面側の出し入れ口33から出し入れ可能にする。
【0022】
下側支持部4は、下側板材41を主要な構成要素とする部位であり、積み重なった食器皿を下側から支持する役割を果たす。下側板材41は、矩形の板材の4つの角を面取りすると共に、中央部付近に達する切り欠き42で切り欠いたような形態の部材であり、全体的に略U字状の形状を有している。切り欠き42は、食器皿の糸底を干渉させないための切り欠きであり、糸底が通過可能な横幅を有している。よって、下側板材41は、食器皿の糸底との干渉を切り欠き42で避けつつ、食器皿を下側から支持することが可能となっている。また、下側支持部4には、下側板材41のうち切り欠き42の切り欠き方向側の縁の部分に突起43が設けられている。この突起43は、左右対称に2つ設けられている。
【0023】
食器皿収納具1を形成する部材は、適当な強度を有する樹脂や金属等の部材で形成されている。そして、奥側支持棒31と手前側支持棒32の端部が上側板材21や下側板材41とネジで締結されることで、食器皿収納具1全体が形作られている。
【0024】
図2は、各部の寸法の詳細を示した図である。
図2では、食器皿が収納されている状態における下側支持部4付近の様子を三方向から見た様子を示している(上面図、右側面図、正面図)。
【0025】
図2を見ると判るように、手前側支持棒32同士の間の間隔W1は、食器皿Dの全幅(皿上面部D1の部分の直径)W2よりも大きい。一方、奥側支持棒31同士の間の間隔W5は、食器皿Dの全幅W2より小さい。また、奥側支持棒31と手前側支持棒32との間の間隔W6も、食器皿Dの全幅W2より小さい。これにより、側方支持部3は、積み重なった食器皿Dを食器皿収納具1の左側、右側、後側から支持すると共に、食器皿Dを食器皿収納具1の正面側の出し入れ口33から出し入れ可能にする。
【0026】
また、
図2を見ると判るように、切り欠き42の横幅W3は、食器皿Dの全幅W2よりは小さいが、食器皿Dの糸底D2の横幅W4よりは大きい。よって、切り欠き42は、食器皿Dの糸底D2が通過可能となっている。また、下側板材41は、食器皿Dの糸底D2との干渉を切り欠き42で避けつつ、食器皿Dを下側から支持することが可能となっている。
【0027】
また、上述したように、下側支持部4には2つの突起43が設けられているため、
図2を見ると判るように、食器皿Dが切欠き方向の反対方向(食器皿収納具1の後側)へ傾いている。よって、積み重なった食器皿Dが食器皿収納具1に収まり且つ最下部の食器皿Dの糸底D2が接触面(テーブルの天面等)から離れて浮き上がった状態になると、食器皿収納具1に収まっている積み重なった食器皿Dが食器皿収納具1の後側に傾く。この結果、食器皿収納具1に収まっている食器皿Dは、奥側支持棒31に寄りかかる状態になり、奥側支持棒31の支持により姿勢が安定した状態になる。
【0028】
図3は、食器皿収納具1に食器皿Dを収納する様子を示した図である。食器皿Dは、例えば、食器を1枚ずつ自動的に洗浄して皿排出口に積み上げる皿洗浄装置により、適当な枚数で積み重なっている。或いは、食器皿Dは、飲食店のスタッフの手作業により積み重なっている。食器皿収納具1には、食器皿Dの糸底D2の干渉を避けるための切り欠き42が下側板材41に設けられており、また、食器皿Dが通過可能な横幅を有する出し入れ口33が設けられているため、食器皿収納具1の取扱者は、積み重なっている状態の食器皿Dに食器皿収納具1を近づけ、積み重なった複数の食器皿Dを下側板材41ですくい上げるようにして食器皿Dを食器皿収納具1に収めることができる。そして、食器皿収納具1の取扱者は、把持部材22を掴んで食器皿収納具1を吊り下げるようにして食器皿Dを運ぶことができる。食器皿収納具1は、積み重なった複数の食器皿Dを、最下段の食器皿Dからすくい上げることも可能であり、途中の段の食器皿Dからすくい上げることも可能である。
【0029】
図4は、実施形態に係る食器皿収納ワゴンの外観を示した斜視図である。食器皿収納ワゴン101は、食器皿収納具1を収納可能なワゴンであり、
図4に示すように、本体フレーム102やハンドル103、キャスター104を備える。本体フレーム102は、略直方体の収納部105を形成するための骨格となる金属製の部材である。収納部105を形成する複数の棒材は、溶接によって接合されていてもよいし、その他の方法で接合されていてもよい。収納部105は、底面を形成する底板108と、前後左右の4つの側面を形成する透明な樹脂製の4つの壁板106によって形成されている。よって、食器皿収納ワゴン101の取扱者は、壁板106を通じて収納部105内の収容物を確認することができる。
【0030】
本体フレーム102や壁板106によって形成され、上部が開放状態の略直方体である収納部105には、食器皿収納具1を複数個収納することができる。そして、本体フレーム102のうち収納部105の開口部分の縁に相当する部分には、食器皿収納具1の係合孔23に係合可能な係合突起107が設けられている。本実施形態では、収納部105が6つの食器皿収納具1を収納可能な大きさとなっており、6つの食器皿収納具1に対応する係合突起107が
図4に図示されている。しかし、食器皿収納ワゴン101は、6つの食器皿収納具1を収納可能なものに限定されるものではない。食器皿収納ワゴン101が収納可能な食器皿収納具1の個数は適宜設計変更してもよい。
【0031】
図5は、食器皿収納ワゴン101に食器皿収納具1を収納した様子を示した図である。食器皿収納具1は、食器皿Dを収納していない状態においても、例えば、
図5に示すように、食器皿収納ワゴン101に収納しておくことが可能である。そして、食器皿収納具1に食器皿Dを収納したい場合に、食器皿収納具1を食器皿収納ワゴン101から取り出して使用することができる。
【0032】
図6は、食器皿収納ワゴン101から食器皿収納具1を出し入れする様子を示した図である。食器皿収納ワゴン101に収納された食器皿収納具1は、例えば、把持部材22を掴んだ状態で、
図6に示すように上下に動かして出し入れすることができる。
【0033】
図7は、食器皿Dを収納した食器皿収納具1を食器皿収納ワゴン101に収めた様子を示した図である。食器皿収納ワゴン101は、例えば、
図7に示すように、食器皿Dを収納した食器皿収納具1を複数収めることが可能である。また、壁板106が透明な樹脂であるため、食器皿収納ワゴン101の取扱者は、食器皿収納ワゴン101に収まっている食器皿Dの枚数や絵柄、色を把握したり、複数ある食器皿収納具1の何れに食器皿Dが収納されているかを容易に確認したりすることができる。
【0034】
図8は、食器皿収納ワゴン101の収納部105に収められた状態の食器皿収納具1を示した図である。上述したように、食器皿収納具1の上側板材21には係合孔23が設けられている。また、食器皿収納ワゴン101の本体フレーム102には係合突起107が設けられている。よって、食器皿収納ワゴン101の収納部105に食器皿収納具1を収納する際、係合突起107が係合孔23に嵌合するように食器皿収納具1を収納部105へ収めることで、食器皿収納具1は、
図8に示すように、収納部105内で本体フレーム102から吊り下げられたような状態となっている。すなわち、食器皿収納具1の底部である下側支持部4が底板108から離間している。このため、食器皿収納具1に収納されている複数の食器皿Dのうちの最下段にある食器皿Dの糸底D2は、食器皿収納ワゴン101の底板108に支持されておらず、底板108から浮いた状態となっている。このため、食器皿収納具1に収納されている食器皿Dは、突起43によって奥側支持棒31の方へ寄りかかった状態となる。
【0035】
食器皿収納ワゴン101は、食器皿収納具1をこのような状態で収納部105に収めることができるため、食器皿収納ワゴン101の移動中も食器皿Dを収納した食器皿収納具1を安定した状態で保持することができる。また、食器皿収納ワゴン101に収まっている食器皿収納具1の出し入れ口33は、壁板106に覆われた状態となる。このため、食器皿収納ワゴン101に多少の振動が加わっても、収納部105内で食器皿Dを転倒させること無く安定的に保持可能である。また、収納部105は、壁板106や底板108に取り囲まれた状態となっているため、食器皿収納ワゴン101周辺の床で水や粉塵等が飛散しても食器皿Dが汚れない。
【0036】
食器皿収納具1及び食器皿収納ワゴン101の説明は以上の通りである。上記実施形態の食器皿収納具1及び食器皿収納ワゴン101は、飲食店における利用に好適であるが、例えば、食器皿Dを大量に取り扱う食器皿Dの製造工場や、食器皿Dを使って飲食物以外の物品を取り扱う建物等においても利用可能である。
【0037】
また、食器皿収納具1及び食器皿収納ワゴン101は上記の実施形態に限定されるものではない。例えば、食器皿収納具1は、棒状の部材で側方支持部3が形成されていたが、奥側支持棒31や手前側支持棒32、出し入れ口33に相当する部位を板材等で形成してもよい。また、上側板材21は、奥側支持棒31や手前側支持棒32の上端と把持部材22とを締結可能な部材であればよく、例えば、板材の代わりに立体的な構造体や、把持部材22を含む樹脂製或いはダイカスト製の一体品等であってもよい。また、下側支持部4は、板状の下側板材41で形成されるものに限定されるものでなく、例えば、爪状の部材やU字状の棒材を奥側支持棒31や手前側支持棒32から内側に突出させたようなものであってもよい。
【0038】
また、上記実施形態の食器皿収納具1は、積み重なった状態の食器皿Dを出し入れ口33から出し入れする形態となっていたが、例えば、皿洗浄機の皿排出口に着脱可能な形態とすることで、皿洗浄機が食器皿収納具1内に食器皿Dを自動的に積み重ね可能であってもよい。
【0039】
その他、上記実施形態の食器皿収納具1と食器皿収納ワゴン101は適宜変形してもよい。上記実施形態では、平皿を食器皿Dとして例示していたが、食器皿Dとしては、丼物用の丼椀、汁物用の汁椀、その他各種の食器皿を適用可能である。
【符号の説明】
【0040】
D・・食器皿
1・・食器皿収納具
2・・上側支持部
3・・側方支持部
4・・下側支持部
D1・・皿上面部
D2・・糸底
21・・上側板材
22・・把持部材
23・・係合孔
31・・奥側支持棒
32・・手前側支持棒
33・・出し入れ口
41・・下側板材
42・・切り欠き
43・・突起
101・・食器皿収納ワゴン
102・・本体フレーム
103・・ハンドル
104・・キャスター
105・・収納部
106・・壁板
107・・係合突起
108・・底板