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  • 特開-魚介類採取装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023121991
(43)【公開日】2023-09-01
(54)【発明の名称】魚介類採取装置
(51)【国際特許分類】
   A01K 80/00 20060101AFI20230825BHJP
【FI】
A01K80/00
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022025392
(22)【出願日】2022-02-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-11-14
(71)【出願人】
【識別番号】522070112
【氏名又は名称】佐々木 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】110000316
【氏名又は名称】弁理士法人ピー・エス・ディ
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 文雄
【テーマコード(参考)】
2B105
【Fターム(参考)】
2B105AD04
2B105AG09
2B105AG20
2B105AG23
2B105AJ01
(57)【要約】
【課題】 効率的に海底土壌を掘り起こして魚介類を収集することができるとともに、収集される魚介類に損傷を与えることのない魚介類採取装置を提供する。
【解決手段】 本装置は、フレーム(2)と、海底土壌内の魚介類を堀り起こす掘り起こし部(3)と、掘り起こされた魚介類を収集する収集部(4)とを備える。フレーム(2)は、装置の最前部に配置され、曳航具を介して漁船に連結される部分である。フレーム(2)には、掘り起こし部(3)と、掘り起こし部の後方に配置される収集部(4)とが連結される。フレームは、海中を進行中にフレームを海底方向に押し下げる力を生じさせるフラップ(24)を有する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
漁船に曳航されて海中を進行しながら海底土壌内の魚介類を掘り起こして採取する魚介類採取装置であって、
装置の最前部に配置され、曳航具を介して漁船に連結されるフレーム(2)と、
前記フレームに連結され、海底土壌内の魚介類を堀り起こす掘り起こし部(3)と、
前記フレームに連結されるとともに、前記掘り起こし部の後方に配置され、掘り起こされた魚介類を収集する収集部(4)と
を備え、
前記フレームが、海中を進行中に前記フレームを海底方向に押し下げる力を生じさせるフラップ(24)を有することを特徴とする魚介類採取装置。
【請求項2】
前記フラップは、走行中に水平より上向きの角度で後方に延出した状態となるように前記フレームに取り付けられていることを特徴とする、請求項1の記載の魚介類採取装置。
【請求項3】
前記掘り起こし部は、
走行方向に延びる複数の縦チェーン(31)と、
前記複数の縦チェーンの各々の間において走行方向に間隔をもって複数渡され、各々の長さが隣接する前記複数の縦チェーンの間隔より長い、複数の振りチェーン(32)と
を有することを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の魚介類採取装置。
【請求項4】
前記フレームと前記掘り起こし部の前記複数の縦チェーンとの連結部(23)が、前記フレームの幅方向に一直線上に並んでいることを特徴とする、請求項3に記載の魚介類採取装置。
【請求項5】
前記収集部は、複数の開口(43a、44a)を持つ入口部(42)を前端部分に有することを特徴とする、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の魚介類採取装置。
【請求項6】
前記入口部は、
走行中に海底側に位置し、複数の第1の開口(43a)からなる第1の開口列(43)と、
前記第1の開口列の上に隣接し、複数の第2の開口(44a)からなる第2の開口列(44)と
を有し、
前記複数の第1の開口は前記複数の第2の開口より小さいことを特徴とする、請求項5に記載の魚介類採取装置。
【請求項7】
前記入口部の下に、走行中に海底土壌に接する、海底土壌側に湾曲した金属板(46)を有することを特徴とする、請求項5又は請求項6に記載の魚介類採取装置。
【請求項8】
前記収集部は、収集された魚介類を保護する保護部材(45)が少なくとも内面に設けられたことを特徴とする請求項1~請求項7までのいずれか1項に記載の魚介類採取装置。
【請求項9】
前記掘り起こし部の上方に拡散防止部(6)をさらに備える、請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の魚介類採取装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、漁船に曳航されることによって海底を走行しながら、海底土壌中に潜り込んでいる魚介類を掘り起こして採取する魚介類採取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
なまこやホタテなどの魚介類を採取するための魚介類採取装置が古くから用いられており、これらの装置は、そのサイズに由来して、通称「八尺」と呼ばれる。なまこやホタテなどの魚介類は、海底の土壌中に生息しており、八尺は、海底土壌を掘り起こして魚介類を採取することができるように構成されている。
【0003】
八尺は、漁船に曳航されて海中を走行し、例えば特許文献1や特許文献2に提案されるように、典型的には、八尺本体の前方部分に複数の爪を有し、爪の後方に袋状の網を有する。爪は、海底土壌から魚介類を掘り起こすためのものであり、袋状の網は、掘り起こされた魚介類を収集するためのものである。爪の前方には、曳航ロープが連結されるとともに、曳航による引っ張りに対して八尺を安定させる目的で、重量のあるフレームが配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-299143号公報
【特許文献2】特許第6559919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の八尺においては、重量のあるフレームが用いられているものの、実際に海底を走行させたときには、海底の岩石等によってバウンドしたり、水の抵抗による上下動や左右動が発生したりすることがある。八尺が上方に移動したときには爪が海底から離れ、土壌中の魚介類を掘り起こすことができない。より大径のフレームを用いたり、フレームを大型化したりすることによって重量をさらに増加させれば、これらの問題は抑制されるが、重量の大きな装置は取り扱いに困難が生じるともに、装置の導入費用や維持費用が大きくなる。
【0006】
また、従来の八尺では、海底土壌を掘り起こすための手段として爪が用いられている。しかし、爪は、土壌中の魚介類を傷つけることがある。傷がついた魚介類は商品価値が著しく低下し、取引価格に大きな影響を与える。
【0007】
さらに、袋状の網に収集された魚介が、土壌から掘り起こされ魚介類とともに袋状の網に入り込んだ石に当たったり、網の中で互いに衝突したりすることによって、傷がつくこともある。
【0008】
本発明は、上述の問題を解決するために提案されるものであり、より効率的に海底土壌を掘り起こして魚介類を収集することができるとともに、収集される魚介類に損傷を与えることのない魚介類採取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、漁船に曳航されて海中を進行しながら海底土壌内の魚介類を掘り起こして採取する魚介類採取装置を提供する。本装置は、フレーム(2)と、海底土壌内の魚介類を堀り起こす掘り起こし部(3)と、掘り起こされた魚介類を収集する収集部(4)とを備える。フレーム(2)は、装置の最前部に配置され、曳航具を介して漁船に連結される部分である。フレーム(2)には、掘り起こし部(3)と、掘り起こし部の後方に配置される収集部(4)とが連結される。フレームは、海中を進行中にフレームを海底方向に押し下げる力を生じさせるフラップ(24)を有する。フラップは、走行中に水平より上向きの角度で後方に延出するようにフレームに取り付けられていることが好ましい。
【0010】
掘り起こし部は、複数の縦チェーン(31)と複数のフリチェーン(32)とを有するものとすることができる。複数の縦チェーンは、走行方向に延びるように取り付けられている。複数の振りチェーンは、複数の縦チェーンの各々の間において走行方向に間隔をもって複数渡され、各々の長さが隣接する縦チェーンの間隔より長いことが好ましい。掘り起こし部の上方には、拡散防止部(6)をさらに備えることが好ましい。
【0011】
フレームと掘り起こし部の複数の縦チェーンとの連結部(23)は、フレームの幅方向に一直線上に並んでいることが好ましい。収集部は、収集された魚介類を保護する保護部材(45)が内面に設けられていることが好ましい。
【0012】
一実施形態において、収集部は、複数の開口(43a、44a)を持つ入口部(42)を前端部分に有する。入口部は、走行中に海底側に位置し、複数の第1の開口(43a)からなる第1の開口列(43)と、第1の開口列の上に隣接し、複数の第2の開口(44a)からなる第2の開口列(44)とを有することが好ましく、複数の第1の開口は、複数の第2の開口より小さいことが好ましい。入口部の下には、走行中に海底土壌に接する、海底土壌側に湾曲した金属板(46)を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明にかかる魚介類採取装置によれば、フレームにフラップが取り付けられており、フラップが、本装置の海中進行中に海流を受けて、フレームを海底方向に押し下げる力(下向きの力)を生じさせるため、本装置が海底に押し付けられ、不要な上下左右動が抑制されるとともに、土壌を深く掘り起こし、より多くの魚介類を採取することができる。また、本発明にかかる魚介類採取装置によれば、海底土壌を掘り起こすための複数のチェーンが本装置の底部から下方に円弧状に垂れ下がり、この円弧状の垂れ下がり部分が海底土壌を効果的に掘り起こすことができるため、より多くの魚介類を採取することができる。さらに、本発明にかかる魚介類採取装置によれば、魚介類とともに掘り起こされた石などが収集部に入りにくくなっているとともに、収集した魚介類が損傷しないように網袋内での移動を抑制することができるため、魚介類の商品価値を低下させることがない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態による魚介類採取装置全体を斜め後方からみた斜視図である。
図2図1に示される魚介類採取装置のフレームの斜視図である。
図3図1に示される魚介類採取装置の掘り起こし部の斜視図であり、ここでは、複数の列からなる掘り起こし部の一列のみを示す。
図4図1に示される魚介類採取装置の収集部の斜視図であり、ここでは、4つの袋網のうちの1つのみを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態による魚介類採取装置1の全体を斜め後方からみた斜視図である。図2は、図1に示される魚介類採取装置1のフレームのみの図である。図3は、図1に示される魚介類採取装置の掘り起こし部の斜視図であり、ここでは、複数の列からなる掘り起こし部の一列のみを示している。図4は、図1に示される魚介類採取装置の収集部の斜視図である。
【0017】
[装置の概要]
魚介類採取装置1(通称「八尺」。以下、装置1という。)は、装置1の最前部に配置されるフレーム2を備える。フレーム2は、例えばロープ取付部25に取り付けられた曳航ロープなどを介して漁船に連結される。フレーム2には、その上部にフラップ24が取り付けられる。
【0018】
装置1は、フレーム2の後方に、フレーム2に連結された掘り起こし部3を備える。掘り起こし部3は、海底の土壌中に生息する魚介類を土壌から掘り起こす機能を有する。掘り起こし部3の後方には、掘り起こされた魚介類を収集する収集部4を備える。掘り起こし部3の上には、掘り起こされた魚介類が装置1から海中に逃げないようにするために拡散防止部6を備えることが好ましい。
【0019】
以下、各部分を詳細に説明する。なお、本明細書では、装置1が漁船に曳航されて進行する方向(図1の左上方向)を前方、その反対方向(図1の右下方向)を後方、進行時の海底の方向(図1の下方向)を下方、その反対方向(図1の上方向)を上方とする。
【0020】
[フレーム]
フレーム(八尺台ともいう。)2は、上面視で最前方に頂点を、その後方に底辺を有する略二等辺三角形の形状の上部フレーム21と、上部フレーム21の斜辺から下方に伸びた後に後方に向かって湾曲するように形成された下部フレーム22とを有する。下部フレーム22の最後端には、後述される掘り起こし部3が連結される。
【0021】
下部フレーム22と掘り起こし部3との連結部23は、フレーム2の幅方向に一直線上に並んでいる。これにより、複数の連結部23にかかる力が均等になり、装置1の蛇行が少なくなる。また、連結部23が一直線上に並んでいることによって、後述される複数の縦チェーン31の長さをすべて同一の長さとすることができる。そのため、縦チェーン31の長さを調節するための部品や手間が不要であり、装置1の作製が容易かつ低コストであるとともに、複数の連結部23にかかる負荷が均等なので一部の連結部23のみの寿命が短くなることがなく、維持費用が低減する。
【0022】
フラップ24は、複数のフラップ取付板24aによってフレーム2(より具体的には上部フレーム21)に取り付けられ、漁船に曳航されて装置1が海中を進行する際に海流を受けて、フレーム2を海底方向に押し下げる力(下向きの力)を生じさせる。フラップ24が装置1に下向きの力を与えることによって、装置1が海底に押し付けられるため、装置1の重量を大きくすることなく、曳航する漁船の上下動にかかわらず上下左右動が抑制されるとともに、土壌を深く掘り起こし、より多くの魚介類を採取することができる。フラップ24は、装置1の走行中に水平より上向きの角度で後方に延出した状態となるように、フレーム2に取り付けられる。装置1は、通常、海中進行時に水平から30~40°(45°より小さい)の角度で後方が下方に下がった状態で曳航されることが一般的であり、そうした曳航角度の場合には、フラップ24の角度を45°とすることが好ましい。ただし、装置1を曳航する時の角度は、水深の深い操業場所では大きくなり、水深の浅い操業場所では小さくなる。操業の深さは、それぞれの漁師によって異なるため、フラップ24の角度は、装置1を引く角度に合わせて適宜決めることができる。
【0023】
[掘り起こし部]
掘り起こし部3は、下部フレーム22の連結部23に連結される複数の縦チェーン31と、複数の縦チェーン31の各々の間に渡された複数の振りチェーン32と、複数の縦チェーン31の間隔を定める複数の張りチェーン33とを有する。振りチェーン32は、長さが隣接する縦チェーン31の間隔より長く、複数の縦チェーン31の各々の間において走行方向に間隔をもって複数渡される。振りチェーン32は、海中を進行中に複数の縦チェーン31からなる面(底面)から下方に向かって垂れ下がり、その垂れ下がり部分が海底土壌を掻くことによって、土壌を効果的に掘り起こすことができる。縦チェーン31の後端は、後述される収集部4に連結される。
【0024】
図1の実施形態では、振りチェーン32は、一対の縦チェーン31の間において進行方向に間隔をもって4つ設けられているが、これに限定されるものではない。また、各々の振りチェーン32の走行方向における間隔は、一定であることに限定されない。縦チェーン31の間隔並びに振りチェーン32の数、長さ及び間隔は、海底土壌の掘り起こしの効果と、装置1の重量、コスト、及びメンテナンス頻度などを考慮して、適宜決定される。
【0025】
[収集部]
収集部(袋ともいう。)4は、上部フレーム21の幅方向両端部に接続された上棚51と、下部フレーム22の最後端の両端部に接続された下棚52とに連結される。また、収集部4は、後述される網棚61と収集部4の前方に設けられた股ロープ54とを連結する筋縄53によっても支持される。収集部4は、掘り起こし部3の後方かつ装置1の最後部に配置され、掘り起こし部3で掘り起こされた魚介類を装置1の進行にともなって内部に取り込むように構成されている。
【0026】
収集部4は、装置1の幅方向に並べられた複数の網袋41を有する。網袋41の数及びそれぞれの大きさは、特に限定されるものではなく、収集する魚介類の種類や目標とする収集量、装置1の全体重量、水揚げ時の手間などの条件に応じて、適宜決めることができる。網袋41の各々には、前方の前端部分に魚介類の入口部42が設けられ、入口部42には、複数の開口が並んでいる。入口部42には、金属製の枠42aが設けられており、枠42aが、上棚51及び下棚52に連結される。網袋41の各々が有する枠42aは、上下二段に分かれていることが好ましく、進行中に海底側に位置する(すなわち下段の)複数の開口43aからなる開口列(第1の開口列)43と、下側の開口列43の上方に配置された(すなわち上段の)1つ又は複数の開口44aからなる開口列(第2の開口列)44とを有することが好ましい。なお、図1及び図4の形態においては、1つの網袋41について、6つの開口43aと3つの開口44aとを有する。
【0027】
第1の開口列43における複数の開口43aの各々は、第2の開口列44における複数の開口44aの各々より小さいことが好ましい。下段の複数の開口43aを、海底の大きな石の侵入を防止することができるように小さくし、上段の複数の開口44aを、魚介類をスムーズに取り入れることができるように大きくすることによって、網袋41に収集された魚介類が、一緒に入り込んだ石によって損傷することを防ぐことができるので、魚介類の商品価値を低下させることがない。
【0028】
網袋41の内部には、収集した魚介類が損傷しないように、魚介類及び入り込んだ小石の網袋内での動きを抑制する保護部材45が設けられることが好ましい。保護部材45として、ポリエチレン原糸を束ねてふさ状にしたもの(通称、スレープという)が、網袋41の内部全体にわたって多数用いられていることが好ましい。保護部材45は、網袋41の内面全体に取り付けてもよく、網袋41の内側の上面及び下面のみに取り付けてもよい(図1には保護部材45は示されておらず、また図4では、図面が煩雑にならないように、保護部材45が底面にのみ、かつ、少数だけ示されていることに留意されたい。)。また、保護部材45と同様に作製された保護部材45を、網袋41の外面、より好ましくは、海底に接する下面にも取り付けることがより好ましい。なお、保護部材45と同様に作製された保護部材5が、装置1の側部全体にわたって取り付けられることが好ましい(図1では、図面が煩雑にならないように、いくつかの保護部材55のみが側部に示されていることに留意されたい)
【0029】
網袋41は、後端に、内部の魚介類を取り出すための取出口46が設けられることが好ましい。取出口46は、ファスナーの開閉によって形成される開口であってもよいし、ナイロンロープを用いてすぼめたり広げたりすることができる開口であってもよい。
【0030】
収集部4の入口部42の下(収集部4の前端底部)に、海底土壌側に湾曲した(前端部分が上方に反り返った)複数の金属板(ソリともいう。)47が取り付けられている。図4においては、1つの網袋41の入口部42の幅と同じ幅の金属板47が示されているが、これに限定されるものではなく、入口部42の幅方向全体に渡って複数の金属板47が取り付けられてもよい。この金属板47は、海底と接触することによって収集部4が海底面上をスムーズに滑るようにするために設けられる。
【0031】
[拡散防止部]
掘り起こし部3の上方には、掘り起こされた魚介類の一部が海中に拡散して収集部4に入らなくなることを防止するために、拡散防止部6が設けられている。拡散防止部6は、典型的には、掘り起こし部3全体を覆うように掘り起こし部3の上方及び側方に張られた網とすることができる。拡散防止部6の網は、上棚51の間に渡された網棚61と、側方の上棚51及び下棚52と、収集部4の入口部42の枠42aの上部とに渡って張られている。網棚61は、上部フレーム21に連結された上網張56によって支持される。なお、網棚61には複数の浮子62が取り付けられることが好ましい。
【符号の説明】
【0032】
1 魚介類採取装置
2 フレーム
21 上部フレーム
22 下部フレーム
23 連結部
24 フラップ
24a 取付板
25 ロープ取付部
3 掘り起こし部
31 縦チェーン
32 振りチェーン
33 張りチェーン
4 収集部
41 網袋
42 入口部
42a 枠
43 第1の開口列
43a 開口
44 第2の開口列
44a 開口
45 保護部材
46 取出口
47 金属板
51 上棚
52 下棚
53 筋縄
54 股ロープ
55 保護部材
56 上網張
6 拡散防止部
61 網棚
62 浮子


図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2022-07-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
漁船に曳航されて海中を進行しながら海底土壌内の魚介類を掘り起こして採取する魚介類採取装置であって、
装置の最前部に配置され、曳航具を介して漁船に連結されるフレーム(2)と、
前記フレームに連結され、海底土壌内の魚介類を堀り起こす掘り起こし部(3)と、
前記フレームに連結されるとともに、前記掘り起こし部の後方に配置され、掘り起こされた魚介類を収集する収集部(4)であって、その内部に収集された魚介類の動きを抑制して魚介類を保護するための保護部材(45)が内部に設けられた、収集部
を備え、
前記フレームが、海中を進行中に前記フレームを海底方向に押し下げる力を生じさせるフラップ(24)を有することを特徴とする魚介類採取装置。
【請求項2】
前記フラップは、魚介類採取装置の後方が水平から下方に下がった姿勢で曳航されるときに、水平より上向きの角度で後方に延出した状態となるように前記フレームに取り付けられていることを特徴とする、請求項1の記載の魚介類採取装置。
【請求項3】
前記掘り起こし部は、
走行方向に延びる複数の縦チェーン(31)と、
前記複数の縦チェーンの各々の間において走行方向に間隔をもって複数渡され、各々の長さが隣接する前記複数の縦チェーンの間隔より長い、複数の振りチェーン(32)と
を有することを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の魚介類採取装置。
【請求項4】
前記フレームと前記掘り起こし部の前記複数の縦チェーンとの連結部(23)が、前記フレームの幅方向に一直線上に並んでいることを特徴とする、請求項3に記載の魚介類採取装置。
【請求項5】
前記収集部は、複数の開口(43a、44a)を持つ入口部(42)を前端部分に有することを特徴とする、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の魚介類採取装置。
【請求項6】
前記入口部は、
走行中に海底側に位置し、複数の第1の開口(43a)からなる第1の開口列(43)と、
前記第1の開口列の上に隣接し、複数の第2の開口(44a)からなる第2の開口列(44)と
を有し、
前記複数の第1の開口は前記複数の第2の開口より小さいことを特徴とする、請求項5に記載の魚介類採取装置。
【請求項7】
前記入口部の下に、走行中に海底土壌に接する、海底土壌側に湾曲した金属板(47)を有することを特徴とする、請求項5又は請求項6に記載の魚介類採取装置。
【請求項8】
前記保護部材(45)が、前記収集部の内面全体に設けられたことを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の魚介類採取装置。
【請求項9】
前記掘り起こし部の上方に拡散防止部(6)をさらに備える、請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の魚介類採取装置。