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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023122003
(43)【公開日】2023-09-01
(54)【発明の名称】マイコンメーターの端子台蓋
(51)【国際特許分類】
   G01F 3/22 20060101AFI20230825BHJP
   G01F 15/14 20060101ALI20230825BHJP
【FI】
G01F3/22 Z
G01F15/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022025414
(22)【出願日】2022-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000222211
【氏名又は名称】東洋ガスメーター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002996
【氏名又は名称】弁理士法人宮田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】段 祐司
(72)【発明者】
【氏名】水越 靖
(72)【発明者】
【氏名】水越 庸輔
(72)【発明者】
【氏名】梶谷 彰
(72)【発明者】
【氏名】寺西 豊
【テーマコード(参考)】
2F030
【Fターム(参考)】
2F030CA03
2F030CB02
2F030CC13
2F030CE09
2F030CE13
2F030CE22
2F030CE27
(57)【要約】
【課題】 端子台蓋を有するマイコンメーターにおいて端子台内端子と端子台蓋の端子とが良好に導通できる端子台蓋を提供すること。
【解決手段】
マイコンメーターの端子台を覆い隠す本体と、本体の下部に取り付ける底体とを有し、端子台は複数の端子台内端子を有しており、本体は、マイコンメーターの一方側面を覆い隠す直立部と、マイコンメーターの底面を覆い隠す奥行部とからなるL字状で、本体には、無線通信機能を有する通信ユニットと、通信ユニットと接続されていて、板バネであるばね端子と、ばね端子が取り付けられている中板とを組み込んであり、ばね端子は、上部に、一方側に開口して屈曲している屈曲部と、屈曲部の下端から下方に延びる当接部とを有しているととともに、マイコンメーターに取り付けられて一体となっている状態において、中板は通信ユニットよりも他方側にあり、ばね端子の屈曲部と当接部は特定の端子台内端子と接触している。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイコンメーターの端子台を覆い隠す本体と、該本体の下部に取り付ける底体と、を有するものであって、前記端子台は、複数の端子台内端子を有しており、前記本体は、前記マイコンメーターの一方側面を覆い隠す直立部と、該マイコンメーターの底面を覆い隠す奥行部と、からなるL字状で、前記本体には、無線通信機能を有する通信ユニットと、該通信ユニットと接続されていて、板バネであるばね端子と、該ばね端子が取り付けられている中板と、を組み込んであり、前記ばね端子は、上部に、一方側に開口して屈曲している屈曲部と、該屈曲部の下端から下方に延びる当接部と、を有しているとともに、マイコンメーターに取り付けられて一体となっている状態において、前記中板は、前記通信ユニットよりも他方側にあり、前記ばね端子の前記屈曲部と前記当接部は、前記端子台内端子のうち、特定の端子台内端子と接触していることを特徴とする端子台蓋。
【請求項2】
前記当接部の下端から一方側に傾斜して延びる傾斜部と、該傾斜部の下端から垂下して延び、前記中板に固定される固定部と、を有していることを特徴とする請求項1に記載の端子台蓋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器が組み込まれたガスメーターであるマイコンメーターの端子台蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスメーターは、家庭や事業所など、需要者毎にガスの消費量を計測するために用いられるが、近年は計測だけに留まらず、地震のほか、ガスの供給圧力や使用状態の異常を素早く検知し、ガスを自動で遮断する保安機能を備えた「マイコンメーター」が広く普及しており、安全性の向上に貢献している。マイコンメーターの内部には電子機器が組み込まれており、その前面下部には、外部との間で情報の伝達を行うための端子台が設けられている。端子台は、異物との接触や不用意な取り扱いから守られる必要があり、通常は端子台蓋で覆い隠されている。
【0003】
一般的なマイコンメーターの端子台蓋の形状例を図6に示す。この図のマイコンメーターは超音波を利用してガスの消費量を計測する方式で、計量膜がないため上下方向の寸法が抑制されている。そして、マイコンメーターの前面下部には段差が設けられており、その奥面には端子台が設けられている。端子台内の個々の端子は、内部の電子機器と接続されており、端子にケーブルが接続されることで、様々な情報を外部に伝達することができる。図6には、ケーブルを介し、無線子機NCU(Network Control Unit)およびガス漏れ警報器が接続されている様子が示されている。
【0004】
端子台蓋は、マイコンメーターの段差を覆い隠し、端子台を保護するためのものであり、美観を考慮して、マイコンメーターの外殻と面一に揃う形状であり、ビスでマイコンメーターに取り付けられている。そのため、段差の左右両端付近にはビスと螺合するメネジが設けられている。また、ケーブルが端子台直下の下板から伸びており、下板には、ケーブルをシールするためのブッシュが組み込まれている。なお、ケーブルで接続された無線子機NCUは、電波の送受信が良好な場所に設置されるほか、ガス漏れ警報器は、住人などが容易に知覚できる場所に設置される。
【0005】
マイコンメーターの外部に接続された無線子機NCUは、ガスの消費量やガス漏れなどの異常事態をリアルタイムで管理会社などに伝達することがある。図6に示されるように、既設のマイコンメーターに無線子機NCUが外付けされる際は、端子台蓋を取り外し、双方をケーブルで接続する作業が必要となる。この作業は特に複雑なものではないが、マイコンメーターを始めとするガスメーターは、日のあたらない屋外のように作業環境が過酷な場所に設置されていることも多く、作業環境に起因する接続不良などのトラブルを招く恐れがあった。
【0006】
また、周囲には配管や壁が近接していることも多く、特許文献1に開示されているような、マイコンメーターの側面にNCUを設置する方法では、マイコンメーターの側面に無線子機NCUを設置するための空間が確保できない場合がある。さらに、マイコンメーターの端子台内の端子には、ガス漏れ警報器など、他の機器から伸びるケーブルが接続されていることもある。したがって、新たに組み込む端子台蓋が、これらのケーブルと干渉する場合、ケーブルの経路を大きく変更するなどの余計な手間が発生する。加えて、マイコンメーターは前記のように過酷な場所に設置されていることが多いため、容易に保守管理できることが望ましい。
【0007】
非特許文献1では、こうした実情を基に開発された端子台蓋が開示されており、当該端子台蓋は、従来と同様、マイコンメーターの端子台を覆い隠すものであるが、端子台蓋自体に無線子機NCUとしての機能が組み込まれており、外付けの無線子機NCUが不要であることを特徴としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3113610号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】実用新案第3219927号公報
【0010】
しかしながら、非特許文献1では、マイコンメーターに設けられている複数の端子台内端子のうち、使用する端子台内端子がガスの種別によって変わることについては言及されていない(例えば、都市ガスの場合は右からN番目の端子を使用、LPガスは右からM番目の端子を使用する、など)。よって、非特許文献1に開示されている端子台蓋では、マイコンメーターで使用する端子台内端子が、端子台蓋の基板と相対している位置の端子台内端子であったとき、端子台蓋の端子の位置だけでなく、基板の位置を変更するなどして、使用する端子台内端子が端子台蓋の端子にのみ接触するよう、端子台蓋を組み立てておく必要がある。しかし、そのようにマイコンメーターで使用する端子台内端子の位置に応じて端子台蓋の端子や基板の位置を変えて端子台蓋を組み立てることは、構造上および工程上、効率的とは言い難い。
【0011】
また、端子台蓋の端子を、基板よりも外側(マイコンメーターと端子台蓋が一体となった状態における端子台側)になるよう組み込むなどして、マイコンメーターで使用する端子台内端子の位置に応じて端子台蓋の端子の位置のみを変えて組み立てるとしても、その場合、端子台蓋の端子と端子台内端子との距離が短くなってしまう。非特許文献1に開示されているような、ごく一般的な板バネで形成された端子台蓋の端子では、端子台内端子との距離が短くなってしまうと、板バネの固定端(支点)と荷重点との距離も短くなってしまい、端子台蓋の端子と端子台内端子との接触における、板バネの撓みが小さくなって応力が弱くなり、すなわち、端子同士を十分に接触させるための付勢が弱くなってしまうという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は上記の点に鑑み、無線子機NCUの機能が組み込まれた端子台蓋を有するマイコンメーターにおいて、マイコンメーターで使用する端子台内端子と端子台蓋の端子とが良好に導通できる端子台蓋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の請求項1記載の端子台蓋は、マイコンメーターの端子台を覆い隠す本体と、該本体の下部に取り付ける底体と、を有するものであって、前記端子台は、複数の端子台内端子を有しており、前記本体は、前記マイコンメーターの一方側面を覆い隠す直立部と、該マイコンメーターの底面を覆い隠す奥行部と、からなるL字状で、前記本体には、無線通信機能を有する通信ユニットと、該通信ユニットと接続されていて、板バネであるばね端子と、該ばね端子が取り付けられている中板と、を組み込んであり、前記ばね端子は、上部に、一方側に開口して屈曲している屈曲部と、該屈曲部の下端から下方に延びる当接部と、を有しているとともに、マイコンメーターに取り付けられて一体となっている状態において、前記中板は、前記通信ユニットよりも他方側にあり、前記ばね端子の前記屈曲部と前記当接部は、前記端子台内端子のうち、特定の端子台内端子と接触していることを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項2記載の端子台蓋は、前記当接部の下端から一方側に傾斜して延びる傾斜部と、該傾斜部の下端から垂下して延び、前記中板に固定される固定部と、を有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の請求項1記載の端子台蓋によれば、マイコンメーターで使用する、特定の端子台内端子が、端子台蓋の基板と相対している位置の端子台内端子であっても、端子台蓋のばね端子が、基板よりも外側(マイコンメーターに取り付けられて一体となっている状態における他方側)に組み込まれた中板に取り付けられているので、基板と干渉することなく、特定の端子台内端子と接触できる。また、中板を変えるのみで、ばね端子が取り付けられる位置を変更できるので、マイコンメーターで使用する端子台内端子の位置に応じた組み立てを効率的にできる。加えて、ばね端子は上部に、一方側に開口して屈曲している屈曲部と、屈曲部の下端から下方に延びる当接部とを有していて、端子台蓋がマイコンメーターに取り付けられて一体となっている状態において、屈曲部と当接部が特定の端子台内端子に各々接触するので、ばね端子と端子台内端子とは十分に接触して良好な導通が確保できる。
【0016】
本発明の請求項2記載の端子台蓋によれば、ばね端子は、当接部の下端から一方側に傾斜して延びる傾斜部と、傾斜部の下端から垂下して延びていて、中板に固定されている固定部とを有しているので、端子台蓋がマイコンメーターに取り付けられて一体となっている状態において、ばね端子が端子台内端子に接触した撓みによって十分な応力が生じて付勢されるため、ばね端子と端子台内端子とはさらに十分に接触して良好な導通が確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明によるマイコンメーターの端子台蓋の形状例を示す斜視図である。
図2図1の端子台蓋がマイコンメーターに取り付けられて一体となっている状態を示す斜視図である。
図3図1の端子台蓋のばね端子の、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
図4図1の端子台蓋の詳細を示す斜視図であり、各構成要素を分離して描いてある。
図5図1の端子台蓋がマイコンメーターに取り付けられて一体となっている状態における、ばね端子と端子台内端子の関係を示す断面図である。
図6】一般的なマイコンメーターの端子台蓋の形状例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は例示に過ぎず、本発明および、その適用物を制限することを意図するものではない。以降において、一方側および他方側とは図2に示す通りとする。
【0019】
本発明によるマイコンメーター51の端子台蓋の形状例を図1に示す。この図の端子台蓋は、マイコンメーター51の一方側面(前面)と底面との角部を覆い隠すように取り付けられ、マイコンメーター51の端子台53を保護する。なお、この図のマイコンメーター51は、超音波を利用してガスの消費量を計測する方式を想定しており、図1に示される通り、マイコンメーター51の上部には、ガスの入口口金58と出口口金59が並んでいるほか、前面には、ガスの供給を再開したい際に操作する復帰ボタン60や、消費量などを表示する液晶パネル61が並んでいる。さらに、前面下方には、奥方に落ち込んだ段差52が設けられており、段差52の奥面には端子台53が設けられ、端子台53には、ねじ状の端子台内端子530が複数個並んでいる。一連の端子台内端子530は、マイコンメーター51の内部に組み込まれた電子機器と接続されており、端子台内端子530を介して外部との間で情報の伝達を行うことができる。
【0020】
端子台53の直下には、段差52の底面を塞ぐように下板54が配置されており、そこから一本のケーブル56が伸び、その先にガス漏れ警報器などが接続される。そして、ケーブル56の一端は、ブッシュ57を介して下板54で保持されており、ブッシュ57と、ガス漏れ警報器などに使用される特定の端子台内端子530とがリード線で接続されている。なお、ブッシュ57によってケーブル56がシールされており、これによって、外部から段差52内に異物が入り込むことが防がれている。
【0021】
端子台蓋の外殻は、いずれも合成樹脂製の本体11と底体21で構成されており、そのうち本体11は、段差52を隙間なく覆い隠すことができるよう、直立部13と奥行部14とからなるL字状である。直立部13は、壁状に立ち上がる部位であり、直立部13により段差52の前面が覆い隠される。また奥行部14は、直立部13の下部から奥方に向けて水平に突出する部位であり、奥行部14により段差52の底面が覆い隠される。また、奥行部14には、ケーブル56を通すため、切り欠き状の配線路16が設けられている。そして、底体21は、本体11の下部に取り付けられているが、その形状は、本体11の底面と段差なく揃うものであり、取り付けられた状態では、図2に示される通り、本体11と底体21とが一体的な外観となる。なお、本体11は、ビス45でマイコンメーター51に取り付けられる。そのため、段差52の左右両端付近には、ビス45と螺合するメネジ55が設けられている。
【0022】
直立部13の前面には、図2に示される通り、窓15と凹部17が並んで設けられている。窓15は、マイコンメーター51の状態を光で外部に知らせるためのもので、一定の条件が揃った際、窓15が点灯する。また、凹部17は、通信ユニット31をメンテナンスモードに移行させるために設けられているものであり、凹部17に磁石を差し込むことでモードが移行する。
【0023】
直立部13の他方側面(後面)には、図1および図4に示される通り、中板43が組み込まれており、中板43は、直立部13の後面の外縁に応じた形状である。中板43には、図1および図5に示される通り、板バネであるばね端子430がねじ止めによって取り付けられており、ばね端子430が取り付けられる位置には、ねじ止めのためのメネジ43aと、中板43からばね端子430を突出させるための切欠部43bとが設けられている。この切欠部43bから突出しているばね端子430が、マイコンメーター51で使用する特定の端子台内端子530と接触し、その接触によって、情報の伝達が可能となる。マイコンメーター51で使用する特定の端子台内端子530の位置は、マイコンメーターのガスの種別によって異なる。
【0024】
ばね端子430は、図3(a)(b)に示される通り、上部に、前側に開口して屈曲している屈曲部431と、屈曲部431の下端から下方に延びる当接部432と、当接部432の下端から前側へ傾斜して延びる傾斜部433と、傾斜部433の下端から垂下して延びる固定部434とを有する。固定部434にはネジ孔434aが設けられており、ネジ孔434aが中板43のメネジ43aと、各々の孔の位置が合わされてねじ止めされることによって、ばね端子430は中板43に固定されて取り付けられる。
【0025】
中板43は、通信ユニット31を収容する空間を直立部13と形成しており、図4に示される通り、通信ユニット31は中板43の前側に組み込まれる。通信ユニット31は、無線子機NCUとしての無線通信機能を実現するためのものであり、一枚の基板32上に電子部品やアンテナ33を実装しており、直立部13にビス47によって固定されている。図4においては作図を省略しているが、奥行部14の底面は、底体21と接触しており、奥行部14と底体21で構成される内部空間には、通信ユニット31に電力を供給する電池34が収容されている。
【0026】
底体21は、ここでは作図を省略しているが、下方から差し込むビス46によって本体11に固定されている。また、底体21は上面が開放していて、底体21の内部空間に収容されている電池34と通信ユニット31とが、リード線で接続されている。また、底体21には、奥行部14と同様、図2に示されるように配線路26が設けられていて、底体21の配線路26は、奥行部14の配線路16と段差なく並んでおり、ケーブル56が無理なく通ることのできる空間が確保されている。
【0027】
通信ユニット31は、一枚の基板32上に各種電子部品のほか、電波の送受信を担うアンテナ33や、発光体35や、磁気センサー37が実装されている。磁気センサー37は、磁気を検知することで通信ユニット31をメンテナンスモードに移行させるスイッチの役割を担う。したがって、磁気センサー37に磁石が接近できるよう、直立部13には、奥方に陥没した凹部17が設けられている。また、発光体35は、一定の条件が揃った際、それを外部に知らせるために点灯する。
【0028】
基板32は必要最小限の大きさであり、必然的に、発光体35と磁気センサー37は隣接して配置される。そのため、発光体35の前方は、凹部17で覆い隠されてしまう。そこで直立部13には、凹部17からやや離れて窓15が設けられており、発光体35と窓15との間には、導光材41が挟み込まれている。導光材41は、透明な合成樹脂で構成され、かつ、凹部17と干渉しない形状であり、発光体35から放射された光は、斜め上方に導かれ、窓15から放射される。このように導光材41が用いられることで、発光体35の前方に窓15を配置できない場合においても、十分な光が外部に放射される。
【0029】
導光材41は、その前面に設けた凸部が窓15に嵌まり込むことで固定される。そのほか、本体11と底体21との境界や、中板43を除く直立部13の後面には、パッキン49が挟み込まれており、シール構造が実現されている。なお、図4に示されるパッキン49は、一部範囲だけが示されているが、実際には、底体21の上面や直立部13の後面の外縁に応じた形状となる。
【0030】
通信ユニット31には、発光体35と磁気センサー37が実装されており、凹部17は、磁気センサー37の前方を覆い隠すように配置されている。また、導光材41は、凹部17との干渉を避けるため、斜め上方に伸びており、その下部が発光体35に接触しており、その上部が窓15に嵌まり込む。一方、通信ユニット31はビス47で、中板43は、図1に示される通り、ビス48で本体11に固定して取り付けられ、通信ユニット31とばね端子430とは、リード線で接続される。このように、通信ユニット31とばね端子430とを分離することで、双方を最適な場所に配置することができる。また、通信ユニット31とばね端子430とが分離して本体11に取り付け可能で、かつ、ばね端子430の位置は、中板43のメネジ43aと、切欠部43bの位置を変えるのみで変更可能なので、マイコンメーター51で使用する、特定の端子台内端子530の位置に応じた端子台蓋の組み立てを効率的にできる。
【0031】
次に、マイコンメーター51に端子台蓋が取り付けられて一体となっている状態における様子について詳説する。端子台蓋は、マイコンメーター51にワンタッチで取り付けられて、図2に示されるようにマイコンメーター51と一体となる。そして、マイコンメーター51に端子台蓋が取り付けられて一体となっている状態では、端子台蓋のばね端子430は、図5に示される通り、マイコンメーター51の特定の端子台内端子530に接触しており、ばね端子430の屈曲部431と当接部432は端子台内端子530に各々接触している。
【0032】
また、ばね端子430は、端子台内端子530との接触による撓みにより、接触していないときよりも当然ながら前側に倒れているが、傾斜部433の長さが、屈曲部431と中板43とが触れない程度で、かつ、ばね端子430に十分な応力が生まれるように形成されている。よって、ばね端子430が端子台内端子530との接触で生まれる応力は十分で、ばね端子430は、端子台内端子530と十分に接触できるよう付勢されている。
【0033】
図5では、ばね端子430と端子台内端子530との接触は面で接触しているように示されているが、点接触していてもよく、その場合は、ばね端子430の屈曲部431と当接部432は端子台内端子530にそれぞれ点接触する。ばね端子430と端子台内端子530とが点接触する場合においても、ばね端子430に生まれる応力は十分で、ばね端子430は、端子台内端子530と十分に接触できるよう付勢されている。
【0034】
このように構成した本発明による作用効果について述べる。本発明の端子台蓋によれば、マイコンメーター51で使用する、特定の端子台内端子530が、端子台蓋の基板32と相対している位置にあったとしても、端子台蓋のばね端子430は、基板32よりも外側(マイコンメーターに取り付けられて一体となっている状態における後側)に組み込まれている中板43に取り付けられているので、端子台蓋のばね端子430は、基板32と干渉することなく、特定の端子台内端子530と接触できる。また、ばね端子430の位置は、中板43のメネジ43aと切欠部43bのそれぞれの位置を変えるのみで変更可能なので、マイコンメーター51で使用する端子台内端子530の位置に応じた端子台蓋の組み立てを効率的にできる。加えて、ばね端子430は上部に、前側に開口して屈曲している屈曲部431と、屈曲部431から下方に延びる当接部432とを有していて、屈曲部431と当接部432が端子台内端子530に各々接触するので、ばね端子430と端子台内端子530とは十分に接触して良好な導通が確保できる。
【0035】
さらに、ばね端子430は、当接部432の下端から前側に傾斜して延びる傾斜部433と、傾斜部433の下端から垂下して延びていて、中板43に固定されている固定部434とを有しているので、端子台蓋がマイコンメーター51に取り付けられて一体となっている状態において、ばね端子430が端子台内端子530に接触した撓みで十分な応力が生じて端子同士がより当接するよう付勢されるため、ばね端子430と端子台内端子530とはさらに十分に接触して良好な導通が確保できる。
【0036】
本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、例えば、マイコンメーターの端子台内端子はねじ状のものとしていたが、異なる形状の端子でもよい。
【符号の説明】
【0037】
11 本体
13 直立部
14 奥行部
15 窓
16 配線路
17 凹部
21 底体
26 配線路
31 通信ユニット
32 基板
33 アンテナ
34 電池
35 発光体
37 磁気センサー
38 リード線
41 導光材
43 中板
43a メネジ
43b 切欠部
430 ばね端子
431 屈曲部
432 当接部
433 傾斜部
434 固定部
434a ネジ孔
45 ビス(端子台蓋の取り付け用)
46 ビス(底体の取り付け用)
47 ビス(通信ユニットの取り付け用)
48 ビス(中板の取り付け用)
49 パッキン
51 マイコンメーター
52 段差
53 端子台
530 端子台内端子
54 下板
55 メネジ
56 ケーブル
57 ブッシュ
58 入口口金
59 出口口金
60 復帰ボタン
61 液晶パネル

図1
図2
図3
図4
図5
図6