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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023122007
(43)【公開日】2023-09-01
(54)【発明の名称】電動圧縮機
(51)【国際特許分類】
   F04B 39/00 20060101AFI20230825BHJP
   F04B 39/12 20060101ALI20230825BHJP
   F04C 29/00 20060101ALI20230825BHJP
【FI】
F04B39/00 102T
F04B39/00 106Z
F04B39/12 Z
F04C29/00 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022025419
(22)【出願日】2022-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000001845
【氏名又は名称】サンデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【氏名又は名称】西山 春之
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100217076
【弁理士】
【氏名又は名称】宅間 邦俊
(72)【発明者】
【氏名】小林 幹生
【テーマコード(参考)】
3H003
3H129
【Fターム(参考)】
3H003AA05
3H003AB06
3H003AC03
3H003BB05
3H003CD01
3H003CF01
3H129AA02
3H129AA33
3H129AB03
3H129BB25
3H129CC09
3H129CC27
(57)【要約】
【課題】インバータの回路基板の耐振性を確保すると共に、インバータの回路基板における電子部品の実装面積の減少を抑制しつつ、インバータ収容部のカバー部材の振動に起因する騒音を低減することができる電動圧縮機を提供する。
【解決手段】電動圧縮機1において、インバータ5は、電子部品が実装された回路基板7を含み、インバータ5を収容するインバータ収容部6は、収容部本体61と、回路基板7が固定される基板固定部と、カバー部材62とを含む。前記電子部品のうち、平滑コンデンサ51やフィルタコンデンサ54aなどの所定の電子部品は、熱硬化性の第2絶縁樹脂IR2でモールド封止された状態で回路基板7のカバー部材側の面上に固定配置され、カバー部材62の振動を低減する防振部材70は、モールド封止された前記所定の電子部品とカバー部材62との間に配置されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動モータ及び前記電動モータによって駆動される圧縮機構を収容するハウジングと、
前記電動モータを駆動するインバータであって、電子部品が実装された回路基板を含むインバータと、
前記インバータを収容するインバータ収容部であって、開口部を有する収容部本体と、前記開口部に対向する前記収容部本体の内底面から突出して設けられ、前記回路基板が固定される基板固定部と、前記収容部本体の前記開口部を閉塞するカバー部材とを含むインバータ収容部と、
前記カバー部材の振動を低減する防振部材と、
を含み、
前記電子部品のうちの所定の電子部品は、熱硬化性樹脂でモールド封止された状態で前記回路基板のカバー部材側の面上に固定配置されており、
前記防振部材は、モールド封止された前記所定の電子部品と前記カバー部材との間に配置されている、
電動圧縮機。
【請求項2】
前記所定の電子部品は、ケース部材内において前記熱硬化性樹脂でモールド封止されて前記ケース部材と一体化され、前記ケース部材と共に前記回路基板のカバー部材側の面上に固定配置されており、
前記防振部材は、前記ケース部材と前記カバー部材とで挟持されている、請求項1に記載の電動圧縮機。
【請求項3】
前記ケース部材は、前記基板固定部に対して前記回路基板と共締め固定されている、請求項2に記載の電動圧縮機。
【請求項4】
前記カバー部材は、前記カバー部材における他の部位よりも前記回路基板から離れる方向に膨出する膨出部であって、前記ケース部材の先端側を内部に収容する膨出部を有し、
前記防振部材は、前記ケース部材の先端面と前記カバー部材の前記膨出部の内面とで挟持されている、
請求項2又は3に記載の電動圧縮機。
【請求項5】
前記所定の電子部品は、前記熱硬化性樹脂によって前記回路基板と一体化されており、
前記防振部材は、モールド封止された前記所定の電子部品と前記カバー部材とで挟持されている、請求項1に記載の電動圧縮機。
【請求項6】
前記カバー部材は、前記カバー部材における他の部位よりも前記回路基板から離れる方向に膨出する膨出部であって、モールド封止された前記所定の電子部品の先端側を内部に収容する膨出部を有し、
前記防振部材は、モールド封止された前記所定の電子部品の先端部と前記カバー部材の前記膨出部の内面とで挟持されている、
請求項5に記載の電動圧縮機。
【請求項7】
電動モータ及び前記電動モータによって駆動される圧縮機構を収容するハウジングと、
前記電動モータを駆動するインバータであって、電子部品が実装された回路基板を含むインバータと、
前記インバータを収容するインバータ収容部であって、開口部を有する収容部本体と、前記開口部に対向する前記収容部本体の内底面から突出して設けられ、前記回路基板が固定される基板固定部と、前記収容部本体の前記開口部を閉塞するカバー部材とを含むインバータ収容部と、
前記カバー部材の振動を低減する防振部材と、
を含み、
前記電子部品のうちの所定の電子部品は、前記回路基板のカバー部材側の面上に配置されており、
前記防振部材は、前記所定の電子部品と前記カバー部材とで挟持されている、
電動圧縮機。
【請求項8】
前記カバー部材は、前記カバー部材における他の部位よりも前記回路基板から離れる方向に膨出する膨出部であって、前記所定の電子部品の先端側を内部に収容する膨出部を有し、
前記防振部材は、前記所定の電子部品の先端部と前記カバー部材の前記膨出部の内面とで挟持されている、
請求項7に記載の電動圧縮機。
【請求項9】
前記所定の電子部品は、直流電源からの直流電圧を平滑化する平滑コンデンサ、ノイズフィルタを構成するフィルタコンデンサ、及びノイズフィルタを構成するフィルタコイルのうちの少なくとも一つを含む、請求項1~8のいずれか一つに記載の電動圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インバータを一体に有する電動圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用空調装置で冷媒の圧縮に用いられる電動圧縮機の多くは、インバータを一体に有し、車載バッテリなどからの直流電力を交流電力に変換しながら圧縮機構を駆動する電動モータへの給電を制御して電動モータを駆動している。この種の電動圧縮機は、電動モータ及び圧縮機構を収容するハウジングと、ハウジングと一体的に設けられてインバータを収容するインバータ収容部とを含む。また、インバータ収容部は、開口部を有する収容部本体と、収容部本体の開口部を閉塞するカバー部材とを含み、カバー部材は、その周縁部がボルト等で収容部本体に締結固定されるように構成されている。
【0003】
ここで、圧縮機構等で発生した振動がハウジング及び収容部本体を介してカバー部材に伝達され、カバー部材が振動して騒音を発生することがある。この点に関し、特許文献1には、インバータを構成する回路基板を固定するボルトの頭部とカバー部材との間に防振部材を配置することによって、カバー部材の振動を抑制し、カバー部材の振動に起因する騒音を低減することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-56376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年の自動車の電動化により、そこで用いられる電動圧縮機については、軽量化、静粛化及びEMC(電磁両立性)についての対策がこれまで以上に求められている。特にEMC対策によってインバータのノイズフィルタが大型化し、インバータ収容部の容積も増加している。そのため、カバー部材の剛性が相対的に低下したり、カバー部材の収容部本体への締結箇所(固定箇所)が離れたりしてカバー部材が振動の影響を受けやすくなり、従来技術では、カバー部材の振動に起因する騒音を十分に低減できないおそれがあった。
【0006】
これに対し、カバー部材の中央部側に前記締結箇所(固定箇所)を増やすことでカバー部材の剛性を高めることも考えられる。しかし、インバータは、ノイズフィルタなど各種の電子部品が実装された回路基板を含むところ、カバー部材の中央部側に前記締結箇所(固定箇所)を増やすと、回路基板における電子部品の実装面積が減少してしまい、回路基板に電子部品を実装する際の制約になるので好ましくない。
【0007】
また、インバータの回路基板に実装された電子部品のうちのいくつかについては、回路基板の耐振性を確保するため、補強(耐振補強)が必要とされる場合があった。
【0008】
そこで、本発明は、インバータの回路基板の耐振性を確保すると共に、インバータの回路基板における電子部品の実装面積の減少を抑制しつつ、インバータ収容部のカバー部材の振動に起因する騒音を低減することができる電動圧縮機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一側面によると、電動圧縮機が提供される。この電動圧縮機は、電動モータ及び前記電動モータによって駆動される圧縮機構を収容するハウジングと、前記電動モータを駆動するインバータであって、電子部品が実装された回路基板を含むインバータと、前記インバータを収容するインバータ収容部であって、開口部を有する収容部本体と、前記開口部に対向する前記収容部本体の内底面から突出して設けられ、前記回路基板が固定される基板固定部と、前記収容部本体の前記開口部を閉塞するカバー部材とを含むインバータ収容部と、前記カバー部材の振動を抑制する防振部材とを含む。そして、前記電子部品のうちの所定の電子部品は、熱硬化性の絶縁樹脂でモールド封止された状態で前記回路基板のカバー部材側の面上に固定配置されており、前記防振部材は、モールド封止された前記所定の電子部品と前記カバー部材との間に配置されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、インバータの回路基板の耐振性を確保すると共に、インバータの回路基板における電子部品の実装面積の減少を抑制しつつ、インバータ収容部のカバー部材の振動に起因する騒音を低減することができる電動圧縮機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態に係る電動圧縮機の概略縦断面図である。
図2】インバータ収容部のカバー部材が取り外された状態の第1実施形態に係る電動圧縮機をインバータ収容部側から見た図である。
図3】第1実施形態に係る電動圧縮機のインバータの回路構成例を示す図である。
図4】インバータ収容部の内部を示す図である
図5】パワースイッチング素子を示す図である。
図6】スイッチング素子モジュールを示す図である。
図7】インバータ収容部内におけるスイッチング素子モジュール(パワースイッチング素子)の設置状態を示す図である。
図8】インバータの回路基板を示す図である。
図9】インバータの回路基板を示す図である。
図10】インバータの回路基板を示す図である。
図11】インバータの回路基板が基板固定部に載置された状態を示す図である
図12】インバータ収容部(収容部本体、カバー部材)、防振部材及びインバータの回路基板を示す図である。
図13】第2実施形態に係る電動圧縮機の概略縦断面図である。
図14】第3実施形態に係る電動圧縮機の概略縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0013】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る電動圧縮機1の概略縦断面図である。実施形態に係る電動圧縮機1は、インバータを一体に有する、いわゆるインバータ一体型電動圧縮機である。電動圧縮機1は、例えば、車両に搭載されて車両用空調装置の冷媒回路の一部を構成し、冷媒を圧縮して吐出するように構成され得る。
【0014】
図1を参照すると、電動圧縮機1は、電動モータ2と、電動モータによって駆動されて冷媒を圧縮する圧縮機構3と、電動モータ2及び圧縮機構3を収容するハウジング4と、電動モータ2を駆動するインバータ5と、インバータ5を収容するインバータ収容部6とを含む。
【0015】
電動モータ2は、例えば三相同期モータ(ブラシレスDCモータ)である。圧縮機構3は、例えばスクロール圧縮機構である。電動モータ2及び圧縮機構3は、ハウジング4内において、電動モータ2の出力軸2aの軸方向に直列に配置されている。電動モータ2の出力軸2aは、圧縮機構3(スクロール圧縮機構の場合には旋回スクロール)に連結されている。
【0016】
インバータ5は、各種の電子部品(後述する)と、各種の電子部品が実装された回路基板7とを含む。換言すれば、本実施形態において、各種の電子部品が回路基板7に実装されてインバータ5を構成している。
【0017】
インバータ収容部6は、ハウジング4と一体的に設けられている。インバータ収容部6は、前記軸方向におけるハウジング4の一端側に、具体的には、電動モータ2を挟んで圧縮機構3とは反対側に配置されている。本実施形態において、インバータ収容部6は、ハウジング4と一体に形成された収容部本体61と、収容部本体61に対して取り外し可能なカバー部材62とを含む。
【0018】
収容部本体61は、底壁611と、底壁611の周縁から立ち上がると共に底壁611に対向する開口部を画定する周壁612と、を有する。カバー部材62は、収容部本体61に取り付けられて前記開口部を閉塞するように構成されている。収容部本体61の底壁611(インバータ収容部6の底壁でもある)の一部は、ハウジング4内とインバータ収容部6内とを仕切る仕切壁8を構成している。なお、インバータ5から電動モータ2への給電線9は、気密及び液密な状態で仕切壁8(収容部本体61の底壁611)を貫通して延びている。
【0019】
図2は、インバータ収容部6のカバー部材62が取り外された状態の電動圧縮機1をインバータ収容部6側から見た図である。図2に示されるように、インバータ5を構成する回路基板7は、インバータ収容部6(収容部本体61)内に、複数の第1固定ボルト11(固定部材)により取り付けられている。
【0020】
図1に戻り、ハウジング4の仕切壁8側の部位には、外部からの冷媒をハウジング4内に流入させる冷媒流入口4aが形成されている。ハウジング4内に流入した冷媒は、ハウジング4内(電動モータ2の隙間)を流れて圧縮機構3に至る。圧縮機構3は、電動モータ2によって駆動されて冷媒を圧縮して吐出する。
【0021】
ハウジング4内に流入する冷媒は、例えば、前記車両用空気調和装置の冷媒回路における膨張弁及び蒸発器などを通過した冷媒であり、低温低圧の冷媒である。したがって、冷媒流入口4aからハウジング4内に流入する冷媒により、仕切壁8及び電動モータ2が冷却され得る。ハウジング4内を流れた冷媒は、圧縮機構3によって圧縮され、高温高圧の冷媒となって圧縮機構3から吐出される。そして、圧縮機構3から吐出された(高温高圧)の冷媒は、ハウジング4に形成された冷媒流出口4bから流出する。
【0022】
ここで、インバータ5について簡単に説明する。図3は、インバータ5の回路構成例を示す図である。本実施形態において、インバータ5は、外部電源(例えば、車載バッテリ)VBからの直流電力を三相交流電力に変換して電動モータ2に供給するように構成されている。
【0023】
図3に示されるように、インバータ5は、平滑コンデンサ51と、スイッチング部52と、制御回路53と、ノイズフィルタ54とを含む。そして、上述のように、これらが回路基板7に実装されてインバータ5を構成している。
【0024】
平滑コンデンサ51は、外部電源VBの電源ラインと接地ラインとの間に接続され、外部電源VBからの直流電圧を平滑化する。
【0025】
スイッチング部52は、6つのパワースイッチング素子Q1~Q6と、6つのダイオードD1~D6とを含む。特に限定されないが、パワースイッチング素子Q1~Q6は、IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)であり得る。スイッチング部52は、パワースイッチング素子Q1~Q6が制御(PMW制御)されることにより、平滑コンデンサ51によって平滑化された外部電源VBからの直流電圧を三相交流電圧に変換して電動モータ2に供給するように構成されている。
【0026】
スイッチング部52についてさらに説明すると、スイッチング部52は、外部電源VBの電源ラインと接地ラインとの間に互いに並列に設けられたU相アーム、V相アーム、及びW相アームを有する。
【0027】
U相アームには、2つのパワースイッチング素子Q1、Q2が直列に接続されており、各パワースイッチング素子Q1、Q2にはダイオードD1、D2がそれぞれ逆並列に接続されている。V相アームには、2つのパワースイッチング素子Q3、Q4が直列に接続されており、各パワースイッチング素子Q3、Q4にはダイオードD3、D4がそれぞれ逆並列に接続されている。W相アームには、2つのパワースイッチング素子Q5、Q6が直列に接続されており、各パワースイッチング素子Q5、Q6にはダイオードD5、D6がそれぞれ逆並列に接続されている。
【0028】
また、U、V、W各相アームの中間点は、それぞれの一端においてスター結線された電動モータ2のU、V、W各相コイルの他端に接続されている。つまり、U相アームのパワースイッチング素子Q1、Q2の中間点がU相コイルに接続され、V相アームのパワースイッチング素子Q3、Q4の中間点がV相コイルに接続され、及び、W相アームのパワースイッチング素子Q5、Q6の中間点がW相コイルに接続されている。
【0029】
そして、各相アームの電源ライン側のパワースイッチング素子のON期間と接地ライン側のパワースイッチング素子のON期間との比率が制御されることにより、すなわち、複数のパワースイッチング素子Q1~Q6がPWM制御されることにより、スイッチング部52は、平滑コンデンサ51によって平滑化された外部電源VBからの直流電力を三相交流電力に変換して電動モータ2に供給することができ、これによって、電動モータ2を駆動することができる。
【0030】
制御回路53は、外部(例えば、上述の車両用空調装置の制御装置)からの制御信号に基づいて、電動モータ2、ひいては圧縮機構3を駆動するため、パワースイッチング素子Q1~Q6を制御(PWM制御)する。
【0031】
ノイズフィルタ54は、コンデンサやコイル(インダクタ)などを含む。特に限定されるものではないが、本実施形態において、ノイズフィルタ54は、平滑コンデンサ51とスイッチング部52との間に設けられており、主にパワースイッチング素子Q1~Q6の動作に起因するリップルノイズやEMI/EMCノイズなどを抑制する。
【0032】
次に、本実施形態におけるインバータ5の収容構造について説明する。上述のように、本実施形態において、インバータ5は、インバータ収容部6に収容されている。
【0033】
[インバータ収容部6]
図4は、インバータ収容部6の内部(インバータ5がない状態)を示す図である。上述のように、インバータ収容部6は、収容部本体61と、カバー部材62とを含む。また、本実施形態において、インバータ収容部6は、内部に、パワースイッチング素子Q1~Q6が設置される設置部63と、インバータ5を構成する回路基板7が固定される基板固定部64とを有する。
【0034】
設置部63は、収容部本体61の内底面61a、すなわち、仕切壁8のインバータ収容部6側の面に設けられている。収容部本体61の内底面61aは、収容部本体61の前記開口部に対向している。
【0035】
また、図4には1つしか示されていないが、設置部63には、パワースイッチング素子Q1~Q6のそれぞれを固定するための固定部材としての第2固定ボルト12(図5参照)が螺合される、パワースイッチング素子Q1~Q6と同数(つまり、6つ)のボルト穴631が形成されている。
【0036】
基板固定部64は、収容部本体61の内底面61aから(収容部本体61の前記開口部に向かって)突出して設けられ、設置部63よりも収容部本体61の内底面61aから離れた位置で回路基板7を支持するように構成されている。つまり、インバータ収容部6内において、回路基板7は、パワースイッチング素子Q1~Q6よりもカバー部材62に近い位置に配置される。本実施形態において、基板固定部64は、それぞれが収容部本体61の内底面から突出した複数の突出部641を含み、複数の突出部641のそれぞれの上面には、固定部材としての第1固定ボルト11(図1図2参照)が螺合されるボルト穴が形成されている。
【0037】
[パワースイッチング素子Q1~Q6及びスイッチング素子モジュール]
図5は、パワースイッチング素子を示す図である。本実施形態において、パワースイッチング素子Q1~Q6のそれぞれは、自身を固定するための第2固定ボルト12が挿通される挿通孔(以下「第1挿通孔」という)21を有する。第1挿通孔21は、パワースイッチング素子の上面から下面までを貫通している。
【0038】
また、パワースイッチング素子Q1~Q6のそれぞれは、3つの端子22を有する。本実施形態において、3つの端子22は、パワースイッチング素子の1つの側面から側方に延びると共に途中で屈曲して先端が上方を向いている。
【0039】
本実施形態において、パワースイッチング素子Q1~Q6は、図6に示されるように、エポキシ樹脂などの熱硬化性の第1絶縁樹脂IR1で固められて、すなわち、一体化されてスイッチング素子モジュール30を構成している。
【0040】
そして、本実施形態においては、図7に示されるように、スイッチング素子モジュール30がパワースイッチング素子Q1~Q6と同数の第2固定ボルト12によって設置部63に固定されている。
【0041】
[回路基板7]
図1図8図11を参照して回路基板7について説明する。本実施形態において、回路基板7は、スイッチング素子モジュール30が設置部63に設置(固定)された後に、基板固定部64に取り付け固定される。
【0042】
本実施形態において、回路基板7には、インバータ5を構成する電子部品のうち、パワースイッチング素子Q1~Q6以外の他の電子部品があらかじめ実装されている。具体的には、本実施形態では、インバータ収容部6内において、カバー部材62を向く回路基板7の面(以下「カバー部材側の面」という)7aに、平滑コンデンサ51と、ダイオードD1~D6と、制御回路53と、ノイズフィルタ54を構成するフィルタコンデンサ54aと、ノイズフィルタ54を構成するフィルタコイル54bとがあらかじめ実装されている。但し、図8図11においては、ダイオードD1~D6が省略されている。
【0043】
また、回路基板7には、パワースイッチング素子Q1~Q6のそれぞれの端子22が接続(挿通)される端子孔71が形成されている。さらに、回路基板7には、それぞれに第1固定ボルト11が挿通可能な複数の挿通孔(以下「第2挿通孔」という)72が形成されている。複数の第2挿通孔72は、基板固定部64を構成する複数の突出部641に対応するように配置されている。
【0044】
ここで、本実施形態において、回路基板7に実装された前記他の電子部品のうち、相対的に高さが高い所定の電子部品、換言すれば、振動の影響をうけやすい電子部品については、耐振補強が施されている。特に限定されるものではないが、本実施形態において、相対的に高さが高い(振動の影響をうけやすい)所定の電子部品は、平滑コンデンサ51、フィルタコンデンサ54a及びフィルタコイル54bである。
【0045】
具体的には、図1図8及び図9を参照すると、前記所定の電子部品(平滑コンデンサ51、フィルタコンデンサ54a及びフィルタコイル54b)は、フィルターケース55内において熱硬化性の第2絶縁樹脂IR2でモールド封止されてフィルターケース55と一体化されており、この状態で(つまり、フィルターケース55と共に)回路基板7のカバー部材側の面7a上に固定配置されている。第2絶縁樹脂IR2は、第1絶縁樹脂IR1と同種の樹脂であってもよいし、異なる樹脂であってもよい。
【0046】
前記所定の電子部品に対する耐振補強についてさらに説明すると、前記所定の電子部品(平滑コンデンサ51、フィルタコンデンサ54a及びフィルタコイル54b)は、半田付けによって回路基板7のカバー部材側の面7aに取り付けられている。
【0047】
フィルターケース55は、例えば、金属材料で形成されている。フィルターケース55は、図10に示されるように、一面が開口する箱状に形成され、回路基板7のカバー部材側の面7aに取り付けられた前記所定の電子部品を収容可能な大きさを有している。フィルターケース55の外底面55aの少なくとも一部は、平坦な面として形成されている。また、フィルターケース55は、前記開口の周囲に、第1固定ボルト11が挿通可能な複数の挿通孔(以下「第3挿通孔」という)551を有している。複数の第3挿通孔551は、回路基板7の第2挿通孔72の一部と対応するように配置されている。
【0048】
前記所定の電子部品が取り付けられた回路基板7は、適量の熱硬化性の第2絶縁樹脂IR2が充填されたフィルターケース55と組み合わされる。具体的には、回路基板7とフィルターケース55とは、図10に示されるように、回路基板7が上側とされ、(第2絶縁樹脂IR2が充填された)フィルターケース55が下側とされ、前記所定の電子部品をフィルターケース55の前記開口からフィルターケース55内に挿入させるようにして組み合わされる。このとき、フィルターケース55の各第3挿通孔551と回路基板7の対応する第2挿通孔72とが位置合わせされる。これにより、回路基板7のカバー部材側の面7aに半田付けされた前記所定の電子部品は、フィルターケース55内において第2絶縁樹脂IR2でモールド封止されると共にフィルターケース55と一体化される。
【0049】
その後、図11に示されるように、回路基板7は、カバー部材側の面7aを上側としてインバータ収容部6の基板固定部64(すなわち、複数の突出部641の上面)に載置される。このとき、回路基板7の複数の第2挿通孔72は、複数の突出部641の上面に形成されたボルト穴上に配置される。また、設置部63に設置されているスイッチング素子モジュール30におけるパワースイッチング素子Q1~Q6のそれぞれの端子22が、回路基板7の端子孔71に挿通され、端子22の先端部が回路基板7のカバー部材側の面7aから突出する。
【0050】
そして、基板固定部64(複数の突出部641の上面)に載置された回路基板7は、複数の第1固定ボルト11によって基板固定部64に固定される。具体的には、複数の第2挿通孔72に挿通された複数の第1固定ボルト11が、複数の突出部641の上面に形成されたボルト穴に螺合されることにより、回路基板7が基板固定部64に固定される。このとき、フィルターケース55は、いくつかの第1固定ボルト11によって、基板固定部64に対して回路基板7と共締め固定される(図2参照)。これにより、フィルターケース55は、回路基板7のカバー部材側の面7a上にしっかりと固定された状態で配置されることになる。なお、フィルターケース55の外底面55aは、回路基板7のカバー部材側の面7a上に固定配置されたフィルターケース55の先端面を構成する。
【0051】
また、パワースイッチング素子Q1~Q6のそれぞれの端子22の先端部が回路基板7に半田付けされることでパワースイッチング素子Q1~Q6と回路基板7とが電気的に接続される。つまり、パワースイッチング素子Q1~Q6が回路基板7のカバー部材側の面7aと反対側の面(収容部本体61の内底面61a側の面)に実装される。
【0052】
なお、詳細な説明は省略するが、給電線9(又はその端子部)も回路基板7に形成された挿通孔に挿通されて先端部が回路基板7のカバー部材側の面7aから突出し、図示省略の接続部材などによって回路基板7に電気的に接続される。また、回路基板7は、基板固定部64に載置される際に、コネクタ13を介して外部電源VBに電気的に接続される。
【0053】
[カバー部材62]
図12は、インバータ収容部6(収容部本体61、カバー部材62)、防振部材70及び回路基板7を示す図である。本実施形態において、カバー部材62は、回路基板7が基板固定部64に固定され、且つ上述の電気的な接続が行われた後に、図示省略の締結ボルトなどを介して収容部本体61に取り付けられる。これにより、インバータ5がインバータ収容部6に収容される。
【0054】
本実施形態において、カバー部材62は、カバー部材62における他の部位よりも収容部本体61から離れる方向に、換言すれば、基板固定部64に固定された回路基板7から離れる方向に膨出する膨出部62aを有する。膨出部62aは、回路基板7のカバー部材側の面7a上のフィルターケース55に対応する位置に設けられ、フィルターケース55の先端側の部位を内部に収容可能に構成されている。なお、膨出部62aの内面は、平坦面となっている。
【0055】
そして、カバー部材62が収容部本体61に取り付けられる際、回路基板7上のフィルターケース55の先端面(外底面55a)とカバー部材62の膨出部62aの内面との間に防振部材70が配置される。防振部材70は、主にカバー部材62の振動を低減(吸収を含む)するために設けられる。防振部材70は、柔軟性を有する材料、好ましくは、柔軟性及び放熱性を有する材料で形成され得る。特に限定されるものではないが、防振部材70としては、例えば、シリコーン樹脂を主成分とするシート状の放熱/防振材が用いられ得る。
【0056】
防振部材70は、カバー部材62が収容部本体61に取り付けられることにより、フィルターケース55の先端面(外底面55a)とカバー部材62の膨出部62aの内面とで挟持されて適量圧縮される。
【0057】
本実施形態に係る電動圧縮機1によれば、以下の効果が得られる。
【0058】
インバータ5の回路基板7に実装される電子部品のうちの所定の電子部品(平滑コンデンサ51、フィルタコンデンサ54a及びフィルタコイル54b)は、熱硬化性の第2絶縁樹脂IR2でモールド封止された状態で回路基板7のカバー部材側の面7a上に固定配置されている。より具体的には、前記所定の電子部品は、フィルターケース55内で熱硬化性の第2絶縁樹脂IR2によりモールド封止されてフィルターケース55と一体化されている。そして、フィルターケース55が基板固定部64に対して回路基板7と共締め固定されることにより、前記所定の電子部品は、フィルターケース55と共に回路基板7のカバー部材側の面7a上に固定配置されている。このため、前記所定の電子部品は、一体化された状態でしっかりと固定されることになり、前記所定の電子部品、ひいては回路基板7の耐振性が確保され得る。
【0059】
また、カバー部材62の振動を低減する防振部材70は、モールド封止された前記所定の電子部品とカバー部材62との間に配置されている。より具体的には、フィルターケース55の先端面と、フィルターケース55の先端側の部位を収容するカバー部材62の膨出部62aの内面とで挟持されている。つまり、本実施形態において、防振部材70は、回路基板7における前記所定の電子部品が実装されている領域の上方の空間を利用して配置されている。このため、回路基板7における電子部品の実装面積の減少を抑制しつつ、防振部材70によってカバー部材62の振動を低減することができる。したがって、カバー部材62の振動に起因する騒音も低減され得る。
【0060】
特に、カバー部材62は、膨出部62aを有することにより、カバー部材62の剛性が高まると共に、より厚みのある(より圧縮される)防振部材70を使用することも可能になるため、カバー部材62の振動及びこれに起因する騒音がさらに低減され得る。
【0061】
なお、上述の実施形態において、フィルターケース55は、基板固定部64に対して回路基板7と共締め固定されている。しかし、これに限られるものではない。フィルターケース55は、回路基板7のカバー部材側の面7a上に固定配置されていればよく、収容部本体61における基板固定部64以外の部位に固定されることによって回路基板7のカバー部材側の面7a上に固定配置されてもよいし、回路基板7に直接固定されてもよい。
【0062】
また、上述の実施形態において、カバー部材62は、膨出部62aを有している。しかし、カバー部材62は、必ずしも膨出部62aを有する必要はない。この場合、防振部材70は、フィルターケース55の(平坦な)先端面と、カバー部材62の(平坦な)内面(平坦面)とで挟持されて適量圧縮され得るように構成され得る。
【0063】
[第2実施形態]
図13は、第2実施形態に係る電動圧縮機10の概略縦断面図である。以下、主に第1実施形態に係る電動圧縮機1と相違する第2実施形態に係る電動圧縮機10の構成について説明し、第1実施形態に係る電動圧縮機1と共通する構成についての説明は省略する。また、第1実施形態に係る電動圧縮機1(図1)と共通する構成要素については同一の符号を用いてその説明を省略する。
【0064】
第1実施形態に係る電動圧縮機1(図1)と、第2実施形態に係る電動圧縮機10(図13)との主な相違は、第2実施形態に係る電動圧縮機10では、フィルターケース55が用いられていないことである。
【0065】
第2実施形態に係る電動圧縮機10においても、前記所定の電子部品(平滑コンデンサ51、フィルタコンデンサ54a及びフィルタコイル54b)は、第2絶縁樹脂IR2でモールド封止された状態で回路基板7のカバー部材側の面7a上に固定配置されている。但し、第2実施形態に係る電動圧縮機10においては、フィルターケース55が用いられておらず、前記所定の電子部品は、回路基板7のカバー部材側の面7aに半田付けによって取り付けられた後、回路基板7のカバー部材側の面7a上において熱硬化性の第2絶縁樹脂IR2でモールド封止されて回路基板7と一体化されている。
【0066】
この場合、好ましくは、回路基板7のカバー部材側の面7a上において、前記所定の電子部品の全体が熱硬化性の第2絶縁樹脂IR2によって覆われており、熱硬化性の第2絶縁樹脂IR2の先端部、換言すれば、熱硬化性の第2絶縁樹脂IR2でモールド封止された前記所定の電子部品の先端部は、少なくとも一部が平坦面として形成される。
【0067】
また、防振部材70は、モールド封止された前記所定の電子部品とカバー部材62とで挟持されて適量圧縮されるように構成される。より具体的には、カバー部材62は、カバー部材62における他の部位よりも基板固定部64に固定された回路基板7から離れる方向に膨出する膨出部62aを有する。膨出部62aは、モールド封止された前記所定の電子部品の先端側の部位を内部に収容可能に構成されている。膨出部62aの内面は、平坦面となっている。そして、防振部材70は、モールド封止された前記所定の電子部品の先端部とカバー部材62の膨出部62aの内面とで挟持されて適量圧縮される。
【0068】
第2実施形態に係る電動圧縮機10よっても第1実施形態に係る電動圧縮機1と同様の効果が得られる。すなわち、回路基板7の耐振性が確保され得ると共に、回路基板7における電子部品の実装面積の減少を抑制しつつ、カバー部材62の振動に起因する騒音が低減することができる。なお、第2実施形態に係る電動圧縮機10においても、カバー部材62は、必ずしも膨出部62aを有する必要はない。
【0069】
[第3実施形態]
図14は、第3実施形態に係る電動圧縮機100の概略縦断面図である。以下、主に第2実施形態に係る電動圧縮機10と相違する第3実施形態に係る電動圧縮機100の構成について説明し、第1実施形態に係る電動圧縮機1(図1)及び第2実施形態に係る電動圧縮機10と共通する構成についての説明は省略する。また、第1実施形態に係る電動圧縮機1(図1)及び第2実施形態に係る電動圧縮機10と共通する構成要素については同一の符号を用いてその説明を省略する。
【0070】
第2実施形態に係る電動圧縮機10(図13)と、第3実施形態に係る電動圧縮機100(図14)との主な相違は、第3実施形態に係る電動圧縮機100では、前記所定の電子部品(平滑コンデンサ51、フィルタコンデンサ54a及びフィルタコイル54b)のうち、より高さのある平滑コンデンサ51及びフィルタコンデンサ54aがモールド封止されていないことである。
【0071】
第3実施形態に係る電動圧縮機100では、前記所定の電子部品のうちの平滑コンデンサ51及びフィルタコンデンサ54aに対するモールド封止が省略されている。そして、防振部材70は、カバー部材62の振動を低減すると共に、前記所定の電子部品のうちの平滑コンデンサ51及びフィルタコンデンサ54aの振動をも低減するように構成されている。すなわち、第3実施形態に係る電動圧縮機100において、防振部材70は、平滑コンデンサ51とカバー部材62とで挟持されて適量圧縮され、及びフィルタコンデンサ54aとカバー部材62とで挟持されて適量圧縮されるように構成されている。
【0072】
より具体的には、カバー部材62は、カバー部材62における他の部位よりも基板固定部64に固定された回路基板7から離れる方向に膨出する膨出部62aを有する。膨出部62aは、平滑コンデンサ51の先端側の部位及びフィルタコンデンサ54aの先端側の部位を内部に収容可能に構成されている。そして、防振部材70は、平滑コンデンサ51の先端部とカバー部材62の膨出部62aの内面とで挟持されて適量圧縮され、及びフィルタコンデンサ54aの先端部とカバー部材62の膨出部62aの内面とで挟持されて適量圧縮されるように構成されている。ここで、防振部材70の形状は、例えば、平滑コンデンサ51の先端部の形状、平滑コンデンサ51の先端部とカバー部材62の膨出部62aの内面との距離、フィルタコンデンサ54aの先端部の形状、及びフィルタコンデンサ54aの先端部とカバー部材62の膨出部62aの内面との距離を考慮して決定される。
【0073】
第3実施形態に係る電動圧縮機100においても、前記所定の電子部品、ひいては回路基板7の耐振性が確保され得ると共に、回路基板7における電子部品の実装面積の減少を抑制しつつ、カバー部材62の振動に起因する騒音が低減することができる。
【0074】
以上、本発明の実施形態及びその変形例について説明したが、本発明は、上述の実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいてさらなる変形が可能であることはもちろんである。
【符号の説明】
【0075】
1,10,100…電動圧縮機、2…電動モータ、3…圧縮機構、4…ハウジング、5…インバータ、6…インバータ収容部、7…回路基板、7a…カバー部材側の面、30…スイッチング素子モジュール、51…平滑コンデンサ、54…ノイズフィルタ、54a…フィルタコンデンサ、55…フィルターケース(ケース部材)、61…収容部本体、62…カバー部材、62a…膨出部、64…基板固定部、70…防振部材、IR1…熱硬化性の第1絶縁樹脂、IR2…熱硬化性の第2絶縁樹脂(熱硬化性樹脂)、Q1~Q6…パワースイッチング素子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14