(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023122051
(43)【公開日】2023-09-01
(54)【発明の名称】清掃具用の交換シート
(51)【国際特許分類】
A47L 13/254 20060101AFI20230825BHJP
A47L 13/24 20060101ALI20230825BHJP
【FI】
A47L13/254
A47L13/24 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022025472
(22)【出願日】2022-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】594066176
【氏名又は名称】株式会社遠州
(71)【出願人】
【識別番号】521348580
【氏名又は名称】有限会社アスキイ
(71)【出願人】
【識別番号】000106151
【氏名又は名称】株式会社サンエー化研
(74)【代理人】
【識別番号】100097559
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 浩司
(74)【代理人】
【識別番号】100123674
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 亮
(72)【発明者】
【氏名】難波 睦雄
(72)【発明者】
【氏名】淺原 秀樹
【テーマコード(参考)】
3B074
【Fターム(参考)】
3B074AA01
3B074AA02
3B074AA04
3B074AA08
3B074AB01
3B074EE01
(57)【要約】
【課題】清掃用具のヘッドに対して衛生的に取り付け、取り外し作業ができる清掃具用の交換シートを提供する。
【解決手段】本発明は、板状に形成され、上面と下面を備えたヘッドと、ヘッドの上面に装着された柄とを備えた清掃用具のヘッドに着脱される清掃用具用の交換シート1である。交換シート1は、ヘッドの形状と同形状で、片面に清掃用シート100が取着された本体部10Aと、本体部10Aの一側部に一体形成されるフラップ片20と、本体部10Aの一側部と対向する他側部に一体形成され、フラップ片20の端部に形成された係合部23を係止させる係止片30と、を有し、紙製の板材10で構成されていることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状に形成され、上面と下面を備えたヘッドと、前記ヘッドの上面に装着された柄とを備えた清掃用具の前記ヘッドに着脱される清掃用具用の交換シートであって、
前記ヘッドの形状と同形状で、片面に清掃用シートが取着された本体部と、
前記本体部の一側部に一体形成されるフラップ片と、
前記本体部の一側部と対向する他側部に一体形成され、前記フラップ片の端部に形成された係合部を係止させる係止片と、を有し、紙製の板材で構成されていることを特徴とする清掃用具用の交換シート。
【請求項2】
前記フラップ片は、前記ヘッドの柄の両サイドに配されるように一対設けられており、
前記一対のフラップ片の夫々の端部には、前記係合部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の清掃用具用の交換シート。
【請求項3】
前記係止片は、前記係合部を差し込んで抜け止めするスリットを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の清掃用具用の交換シート。
【請求項4】
前記フラップ片には、フラップ片を切断するカットラインが形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の清掃用具用の交換シート。
【請求項5】
前記本体部には、前記ヘッドに装着した際、ヘッドの外郭から外方に突出する足踏み用の突片が一体形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の清掃用具用の交換シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床などを拭き掃除する清掃用具に装着可能な清掃具用の交換シートに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、特許文献1に見られるように、床などを拭き掃除する清掃用具が知られている。この清掃用具は、矩形の板状のヘッドと、ヘッドの上面の中央部分に回動可能に装着される柄(パイプ部材)を備えており、ヘッドに交換可能な清掃用シートを取り付けることで拭き掃除が行なえるようになっている。
【0003】
上記した清掃用シートについては、乾式、湿式など、各種様々な構成のものが知られており、基本的には、多数の繊維を絡めた薄いシート状(不織布シート)に構成されている。このような清掃用シートは、前記柄が取り付けられているヘッドの上面とは反対側の面(下面;清掃側の面)に被着されるようになっており、板状のヘッドよりも多少大きめに裁断されている。
【0004】
通常、清掃用シートは、多数枚を収容してパック詰めして販売されており、ユーザは1枚ずつ取り出して、ヘッドの下面に密着させ、はみ出した部分をヘッドの上面に折り返し、ヘッドの上面に形成されている係止スリット等に差し込んで使用状態にしている。そして、床などを拭き掃除して埃などを吸着した後は、清掃用シートを摘まんでヘッドから取り外し、燃えるゴミとして廃棄している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した清掃用シートは、埃やゴミ等を吸着した後は、手で摘まんでヘッドから取り外す必要があり、衛生的ではない。特に、医療施設等では、ウイルス対策として不十分である。この場合、衛生面を考慮して、手袋をして清掃用シートを取り扱うこともあるが、装着作業や交換作業が煩わしい。
【0007】
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、清掃用具のヘッドに対して衛生的に取り付け、取り外し作業ができる清掃具用の交換シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した目的を達成するために、本発明に係る清掃具用の交換シートは、板状に形成され、上面と下面を備えたヘッドと、前記ヘッドの上面に装着された柄とを備えた清掃用具の前記ヘッドに着脱されるよう構成されており、前記ヘッドの形状と同形状で、片面に清掃用シートが取着された本体部と、前記本体部の一側部に一体形成されるフラップ片と、前記本体部の一側部と対向する他側部に一体形成され、前記フラップ片の端部に形成された係合部を係止させる係止片と、を有し、紙製の板材で構成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る清掃具用の交換シートは、従来、一般化されている清掃用シートが、紙製の板材の本体部に取着された構造となっている。この板材には、前記本体部の一側部に一体形成されるフラップ片と、前記本体部の一側部と対向する他側部に一体形成される係止片が設けられている。そして、清掃用具のヘッドの下面側に、前記本体部に取着された清掃用シートが露出するように当て付け、この状態で、ヘッドの上面側において、前記フラップ片の係合部を係止片に係止することで、清掃具用の交換シートはヘッドに取り付けられる。このような交換シートを、拭き掃除した後、廃棄する場合は、清掃用シートに触れることなく、紙製の本体部、フラップ片、係止片等を摘まむことができるため、衛生的に清掃具用の交換シートの取り付け、取り外し作業が行える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、清掃具用の交換シートを、清掃用具のヘッドに対して衛生的に取り付け、取り外し作業を行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明に係る清掃具用の交換シートの一実施形態を示した展開図。
【
図2】(a)~(d)は、
図1に示す清掃具用の交換シートを、清掃用具のヘッドに取り付ける手順例を示す図。
【
図3】(a)~(c)は、
図1に示す清掃具用の交換シートを、清掃用具のヘッドから取り外す手順例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る清掃具用の交換シートの一実施形態について説明する。
図1は、本発明に係る清掃具用の交換シート(以下、交換シートと称する)の一実施形態を示した展開図であり、
図2は、
図1に示す清掃具用の交換シートを、清掃用具のヘッドに取り付ける手順例を順に示す図である。
【0013】
本発明における交換シート1は、紙製の板材10の本体部10Aに、従来、一般化されている清掃用シート100を、接着、熱溶着等によって取着した構造となっている。
本実施形態の紙製の板材10は、
図1に示すように裁断されており、例えば、打ち抜き加工等によって形成することが可能である。このような板材10は、所定の枚数積層した積層体から1枚ずつ繰り出し、オフセット印刷機等の印刷機(図示せず)を用いて所定の位置(本体部10A)に、印刷によってヒートシール材を塗布して形成される。或いは、矩形形状の板材の所定の位置に、印刷等によってヒートシール材を塗布し、その後、
図1に示すような形状に打ち抜き加工して形成しても良い。このため、一般的な塗工機のようにロール状の原反から製造する必要はない。
【0014】
前記紙製の板材10の素材は、特に限定されることはなく、例えば、植物性天然繊維、動物性天然繊維、化学繊維等が用いられる。また、板材として用いられる紙は、ある程度、腰があるものを用いることが好ましく、清掃用具のヘッドに容易に装着できるように、250g/m2 ~400g/m2 のものであることが好ましい。
【0015】
上記したヒートシール材は、環境を考慮して水系のもの(水性化された樹脂)が用いられ、具体的には、水溶性型の水系樹脂、水分散型の水系樹脂等を用いることができる。水性化される樹脂材としては、例えば、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アイオノマー樹脂等を用いることができ、これらを水媒体に分散したもの(ディスパージョン型)や、乳化したもの(エマルジョン型)がヒートシール材として上記した板材に対して積層される。このような水系のヒートシール材については、各種、汎用化されたものを用いることができるが、紙の素材、重量(目付)などに応じて、適切なものを選択して用いれば良い。
【0016】
上記したヒートシール材は、板材10の本体部10Aに塗布され、この部分に、清掃用シート100が熱溶着される。この場合、清掃用シート100は、各種の汎用品を用いることができ、例えば、不織布のシート状に形成されたものが被着される。清掃用シート100については限定されることはなく、乾式、湿式を用いことができ、その材料、構成材料(繊維や添加剤の種類等)、内部構造等、限定されることはない。すなわち、清掃用シート100は、拭き掃除した際に、埃、ゴミ等を絡め取ったり、吸着できるような構成であれば、特定の構造に限定されることはない。
【0017】
前記本体部10Aの形状については、一般に市販されている清掃用具のヘッド形状に合わせて形成されている。
ここで、
図2を参照して清掃用具について説明する。
【0018】
清掃用具200としては、各種の製品が市販されており、代表的な製品としてクイックルワイパー(花王株式会社の商品名)が挙げられる。この清掃用具200のヘッド201の形状については、長方形で板状に形成されており、各種の製品の間では略統一化されている。ヘッド201は、所定の厚みを有しており、上面201aと下面201bを備えており、上面201aの略中央部分には、接続機構203を介して柄(パイプ部材)205が回動可能に設けられている。
【0019】
前記板材10の本体部10Aは、
図2に示した汎用の清掃用具200のヘッド201の形状と同程度(多少の差異があっても良い)の形状を備えており、このような板材10(本体部10Aの片面に清掃用シート100が取着された状態の板材)がヘッド201に対して着脱されるようになっている。なお、板材10のヘッド201に対する取り付けは、以下の係止構造、具体的には、本体部10Aの一側部に一体形成されたフラップ片20を、本体部10Aの他側部に一体形成された係止片30に係止することで行なわれる。
【0020】
前記本体部10Aの一側部には、フラップ片20が一体形成されている。本実施形態では、長方形状の一対の長辺の片側に形成されており、ヘッド201の厚さを考慮して、立ち上げ片21を介在して一体形成されている。また、本体部10Aの一側部と対向する他側部には、前記フラップ片20の端部に形成された係合部23を係止させる係止片30が一体形成されている。この係止片30についても、ヘッド201の厚さを考慮して、立ち上げ片31を介在して一体形成されている。
【0021】
本実施形態の係止構造は、前記係合部23が略三角形状の突片として構成されており、係止片30は、そのような係合部23を差し込んで抜け止めする横長のスリット33として構成されている。すなわち、係合部23をスリット33に差し込むと、係合部23の根元の切欠部23aがスリット33の両端部に係止されて抜け止め、保持されるようになり、交換シート1を容易にヘッドに取り付けることができる。
【0022】
また、本実施形態のフラップ片20は、ヘッド201の柄205の両サイドに配されるように一対設けられている。一対のフラップ片の夫々は同一の構造であり、図では、符号20Aで示されている。このため、一対のフラップ片20Aの夫々の端部には、係合部23が形成されると共に、前記係止片30にも一対のスリット33が形成されている。
【0023】
前記一対のフラップ片20Aの間には、隙間Sが形成されている。この隙間Sの奥側には、ヘッド201の接続機構203と干渉しないように凹部S1が形成されている。
【0024】
上記したフラップ片20Aには、その中間部分にカットライン(ミシン目)25を形成しておくことが好ましい。このようなカットラインを形成することで、交換シート1をヘッド201から取り外す際、フラップ片が切断されることから取り外し作業が容易に行えるようになる。或いは、カットラインを形成することなく、切れ易くするようにフラップ片の一部を幅狭に形成しておいても良い。
【0025】
前記本体部10Aには、ヘッド201に装着した際、ヘッドの外郭から外方に突出する足踏み用の突片40を一体形成しておくことが望ましい。本実施形態では、上記した係止構造と干渉しないように、長方形状の一対の短辺の両側に、外方に突出するように形成されている。この場合、大きさについては、足で踏むことができる程度に形成しておけば良い。
【0026】
次に、上記した構成の交換シート1の使用方法について、
図1から
図3を参照して説明する。
上記したように構成される交換シート1は、
図1で示すような平面状態で複数枚が積層され、これが1つの包装体としてパック詰めされて販売することが可能である。
【0027】
ユーザは、交換シート1を取り出し、清掃用シート100側が床面に面するように設置し、この状態で、清掃用具200のヘッド201の下面201bを本体部10A上に載置する(
図2(a)参照)。そして、この状態で、立ち上げ片21,31をヘッドの長辺に沿って立ち上げ、各フラップ片20Aを折って先端の係合部23を反対側の係止片30の各スリット33に差し込む(
図2(b)(c)参照)。この際、各係合部23の切欠部23aがスリット33の両端部に係止されると共に、フラップ片20Aの隙間Sの凹部S1にヘッド201の接続機構203が位置することから(
図2(d)参照)、ヘッド201を床面に沿って摺動して拭き掃除しても、交換シート1は変位することなく取り付け状態は安定する。
【0028】
上記した交換シート1をヘッド201から取り外す場合、
図3(a)に示すように、いずれかの足踏み用の突片40を踏みつける。この状態で、清掃用具200の柄205を踏みつけた側と反対側にスライドさせると、上記したように、片方のフラップ片20A´のカットライン25´がカットされ(
図3(b)参照)、そのまま清掃用具200を交換シート1から取り外すことができる(
図3(c)参照)。
【0029】
このため、本体部10Aの裏面側に取着されている汚れた清掃用シート100に触れることなく、本体部10A、フラップ片20A、係止片30、立ち上げ片21,31等を摘まんで廃棄することができるので、手袋などをしなくても、衛生的に取り付け、取り外し作業を行なうことが可能となる。
【0030】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0031】
上記した構成では、本体部10Aに、足踏み用の突片40を一体形成したが、このような突片を形成しなくても良い、この場合、フラップ片20Aを摘まんで引き裂く等すれば、交換シート1をヘッド201から取り外すことができる。また、上記した立ち上げ片21,31については、取り付け操作が容易に行えるように、本体部10Aとの間で折り目を形成しておくことが好ましい。また、本実施形態の係止構造は、上記したように、係合部とスリットの差し込み構造としたが、粘着テープを取着する等、接着で固定するような構造であっても良い。更に、板材10や、清掃シート100が取り付けられる本体部10Aの形状については、清掃用具200の構成、及び、ヘッド201の構成に応じて変形することが可能である。
【符号の説明】
【0032】
1 交換シート
10 板材
10A 本体部
20,20A フラップ片
23 係合部
25 カットライン
30 係止片
33 スリット
100 清掃用シート
200 清掃用具
201 ヘッド