IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 河淳株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-ラック 図1
  • 特開-ラック 図2
  • 特開-ラック 図3
  • 特開-ラック 図4
  • 特開-ラック 図5
  • 特開-ラック 図6
  • 特開-ラック 図7
  • 特開-ラック 図8
  • 特開-ラック 図9
  • 特開-ラック 図10
  • 特開-ラック 図11
  • 特開-ラック 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023122058
(43)【公開日】2023-09-01
(54)【発明の名称】ラック
(51)【国際特許分類】
   A47B 57/40 20060101AFI20230825BHJP
   A47B 13/00 20060101ALI20230825BHJP
   A47B 83/04 20060101ALI20230825BHJP
   A47B 17/00 20060101ALI20230825BHJP
【FI】
A47B57/40 B
A47B13/00 Z
A47B83/04
A47B17/00 B
A47B17/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022025480
(22)【出願日】2022-02-22
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年4月16日、令和3年8月5日、令和3年8月26日、令和3年9月21日、令和3年10月6日、令和3年10月15日、令和3年11月24日、令和3年12月3日、令和3年12月17日、令和4年1月19日、の打ち合わせで、発明の新規性の喪失の例外の規定の適用を受けるための証明書に記載の相手に資料A、Bを開示した。
(71)【出願人】
【識別番号】394016874
【氏名又は名称】河淳株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002538
【氏名又は名称】弁理士法人あしたば国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】下山 峻
(72)【発明者】
【氏名】大原 崇裕
(72)【発明者】
【氏名】林 大輔
【テーマコード(参考)】
3B053
3B260
【Fターム(参考)】
3B053NP07
3B053NQ03
3B053NQ06
3B053NQ10
3B053SB01
3B053SD01
3B260AB01
3B260AB04
3B260AD01
(57)【要約】
【解決課題】汎用性を向上したラックを提供する。
【解決手段】ラックは、縦方向に延びる複数の支柱と、前記複数の支柱のいずれかの前記縦方向の任意の位置に対して着脱可能に構成される複数のブラケット対と、前記複数のブラケット対に対して着脱可能に支持される複数の棚板と、前記複数のブラケット対に含まれる1個のブラケット対に対して着脱可能に支持されるとともに一対の側板を有するデスクと、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦方向に延びる複数の支柱と、
前記複数の支柱のいずれかの前記縦方向の任意の位置に対して着脱可能に構成される複数のブラケット対と、
前記複数のブラケット対に対して着脱可能に支持される複数の棚板と、
前記複数のブラケット対に含まれる1個のブラケット対に対して着脱可能に支持されるとともに一対の側板を有するデスクと、
を備えるラック。
【請求項2】
前記1個のブラケット対は、前記デスクを取り外した状態で前記複数の棚板とは異なる棚板を着脱可能に支持可能である請求項1に記載のラック。
【請求項3】
前記複数のブラケット対に含まれる少なくとも1個のブラケット対であって、前記デスクよりも下側に位置した少なくとも1個のブラケット対を前記支柱から除去した請求項1又は請求項2に記載のラック。
【請求項4】
前記デスクは、底板を有し、前記底板は、底板本体と、前記底板本体に対して回動可能な可動底板であって、前記底板本体に沿った第1位置と、前記底板本体に対して起立して前記一対の側板の間に収納された第2位置と、の間で回動する可動底板と、を有する請求項1~3のいずれか1項に記載のラック。
【請求項5】
前記一対の側板の少なくとも一方と前記可動底板との間に渡される少なくとも1個のステーであって、前記第1位置から前記第2位置に移動する前記可動底板に対して前記第1位置から前記第2位置に向かう方向に付勢可能な少なくとも1個のステーを備える請求項4に記載のラック。
【請求項6】
前記複数の棚板に含まれる第1棚板は、前記底板本体と横並びの位置に設置される請求項4又は請求項5に記載のラック。
【請求項7】
前記底板本体は、前記1個のブラケット対に含まれるブラケットの長手方向に関して、前記第1棚板と略同等の寸法を有する請求項6に記載のラック。
【請求項8】
前記デスクは、前記底板に対向する天板を有し、
前記可動底板は、前記第2位置にあるときに、前記底板本体と前記天板との間に収納される請求項4~7のいずれか1項に記載のラック。
【請求項9】
前記デスクは、前記天板の下面に固定された照明器具を有する請求項8に記載のラック。
【請求項10】
前記可動底板は、前記底板本体と近接する第1端部と、前記第1端部とは反対側の第2端部と、前記第1端部と前記第2端部とを接続する接続部と、を含み、
前記デスクは、前記天板から下方に突出する突出片であって、前記第2位置にある前記可動底板の前記第2端部とオーバラップし且つ前記第2位置にある前記可動底板の前記接続部からは外れるように設けられた突出片を有する請求項9に記載のラック。
【請求項11】
前記可動底板は、前記第2端部に設けられ、前記第1位置にある前記可動底板の上面と側面との間の角を面取りするように形成した面取面を有する請求項10に記載のラック。
【請求項12】
前記複数の棚板に含まれる第2棚板は、前記天板と横並びの位置に設置される請求項8~10のいずれか1項に記載のラック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着脱可能なデスクを有するラックに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、収納ラックが知られている(例えば、特許文献1参照)。この収納ラックは、天板と、天板の下方に設けられる収納部と、を備える。収納部には収納物が収納可能である。収納部は、固定手段によって着脱可能な構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-52166号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、収納部を着脱可能とするだけでなく、さらに汎用性を高くした収納家具に対するニーズが存在していた。
【0005】
従って、本発明の目的は、汎用性を向上したラックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は、以下の本発明により解決される。すなわち、本発明(1)のラックは、
縦方向に延びる複数の支柱と、
前記複数の支柱のいずれかの前記縦方向の任意の位置に対して着脱可能に構成される複数のブラケット対と、
前記複数のブラケット対に対して着脱可能に支持される複数の棚板と、
前記複数のブラケット対に含まれる1個のブラケット対に対して着脱可能に支持されるとともに一対の側板を有するデスクと、
を備える。
【0007】
また、本発明(2)のラックは、(1)記載のラックであって、
前記1個のブラケット対は、前記デスクを取り外した状態で前記複数の棚板とは異なる棚板を着脱可能に支持可能である。
【0008】
また、本発明(3)のラックは、(1)又は(2)記載のラックであって、
前記複数のブラケット対に含まれる少なくとも1個のブラケット対であって、前記デスクよりも下側に位置した少なくとも1個のブラケット対を前記支柱から除去した。
【0009】
また、本発明(4)のラックは、(1)~(3)のいずれか1項に記載のラックであって、
前記デスクは、底板を有し、前記底板は、底板本体と、前記底板本体に対して回動可能な可動底板であって、前記底板本体に沿った第1位置と、前記底板本体に対して起立して前記一対の側板の間に収納された第2位置と、の間で回動する可動底板と、を有する。
【0010】
また、本発明(5)のラックは、(4)に記載のラックあって、
前記一対の側板の少なくとも一方と前記可動底板との間に渡される少なくとも1個のステーであって、前記第1位置から前記第2位置に移動する前記可動底板に対して前記第1位置から前記第2位置に向かう方向に付勢可能な少なくとも1個のステーを備える。
【0011】
また、本発明(6)のラックは、(4)又は(5)に記載のラックであって、
前記複数の棚板に含まれる第1棚板は、前記底板本体と横並びの位置に設置される。
【0012】
また、本発明(7)のラックは、(6)に記載のラックであって、
前記底板本体は、前記1個のブラケット対に含まれるブラケットの長手方向に関して、前記第1棚板と略同等の寸法を有する。
【0013】
また、本発明(8)のラックは、(4)~(7)のいずれか1項に記載のラックであって、
前記デスクは、前記底板に対向する天板を有し、
前記可動底板は、前記第2位置にあるときに、前記底板本体と前記天板との間に収納される。
【0014】
また、本発明(9)のラックは、(8)に記載のラックであって、
前記デスクは、前記天板の下面に固定された照明器具を有する。
【0015】
また、本発明(10)のラックは、(9)に記載のラックであって、
前記可動底板は、前記底板本体と近接する第1端部と、前記第1端部とは反対側の第2端部と、前記第1端部と前記第2端部とを接続する接続部と、を含み、
前記デスクは、前記天板から下方に突出する突出片であって、前記第2位置にある前記可動底板の前記第2端部とオーバラップし且つ前記第2位置にある前記可動底板の前記接続部からは外れるように設けられた突出片を有する。
【0016】
また、本発明(11)のラックは、(10)に記載のラックであって、
前記可動底板は、前記第2端部に設けられ、前記第1位置にある前記可動底板の上面と側面との間の角を面取りするように形成した面取面を有する。
【0017】
また、本発明(12)のラックは、(8)~(11)のいずれか1項に記載のラックであって、
前記複数の棚板に含まれる第2棚板は、前記天板と横並びの位置に設置される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、汎用性を向上したラックを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態のラックを示す斜視図である。
図2図1に示すラックのデスクを拡大して示し、デスクの可動底板が第1位置にある状態を示す斜視図である。
図3図1に示すデスクを取り外して、ブラケット対およびそれらが取り付けられた一対の支柱本体を前方から示す斜視図である。
図4図1に示すデスクを取り外して、ブラケット対およびそれらが取り付けられた一対の支柱本体を後方から示す斜視図である。
図5図3に示すブラケット対のブラケット(左側のブラケット)を後方外側から示した斜視図である。
図6図5に示すブラケット対のブラケット(左側のブラケット)を前方内側から示した斜視図である。
図7図4に示すブラケット対に対して、図2図8に示すデスクを取り付ける工程を模式的に示した斜視図である。
図8図4に示すブラケット対に対して、図2図8に示すデスクの取り付けが完了した状態であって、可動底板が第2位置にある状態を示した斜視図である。
図9図2に示すデスクを縦方向に切断して示す断面図であり、可動底板が第1位置にある状態を示す断面図である。
図10図9に示すデスクの可動底板を第2位置にした状態を示す断面図である。
図11】変形例のラックを示す斜視図である。
図12図11に示すラックのA部を拡大して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下図面を参照して、本発明のラックの実施形態について説明する。本発明のラックは、ホテルや住居の居室内に設けられ、棚板やデスクの位置を利用者の要望や居室内の雰囲気に応じて適宜に変更して設置可能な汎用性の高いラックである。
【0021】
図1図10を参照して、実施形態のラック11について説明する。図1に示すように、ラック11は、複数の支柱12と、複数の支柱12に支持される複数のブラケット対13と、複数のブラケット対13に着脱可能に支持される複数の棚板14と、複数のブラケット対13に含まれる1個のブラケット対13に着脱可能に支持されるデスク15と、を備える。
【0022】
複数の支柱12は、本実施形態において、例えば3本で構成されている。支柱12の本数は一例であり、2本でもよいし、4本以上で構成されていてもよい。複数の支柱12のそれぞれは、縦方向(例えば鉛直方向)に延びる支柱本体16と、支柱本体16を壁面17に固定するように横方向に延びた複数の固定部18と、支柱本体16の前面とは反対側の後面に設けられた複数の通孔21と、支柱本体16を床面22に固定するための脚部23と、を有する。
【0023】
支柱本体16は、例えばスチール等の金属材料によって、角柱形に形成されている。複数の固定部18のそれぞれは、例えばスチール等の金属材料によって、角柱形に形成され、支柱本体16と一体に形成されている。
【0024】
図4に示すように、複数の通孔21は、例えば2列で縦並びに設けられている。通孔21は、支柱本体16の後面を貫通するように縦長の長方形に形成されている。本実施形態において、複数の通孔21は、図3図4に示すように、支柱本体16の後面に形成され、利用者から複数の通孔21が見えない位置に形成される。このため、ラック11の体裁は極めて良好であり、室内の上質感・高級感を演出できる。通孔21に対して、ブラケット24の後述するフック部25を差し込んで引っ掛けることができる。
【0025】
複数の棚板14同士は、例えば、略均等なピッチで互いに縦方向に離間して設けられている。棚板14の設置位置は、利用者が縦方向にブラケット対13の位置を変更することで、適宜に変更できる。棚板14は、例えば、木材によって上方から見て長方形の平板状に形成されている。棚板14は、複数のブラケット対13のそれぞれに着脱可能に支持されている。棚板14は、上面とは反対側の下面で、4か所の角部に、ブラケット24の後述するピン26を差し込むための4個の穴27を有する。穴27は、図7に示すデスク15の底板本体45の下面の4か所の角部に設けられる4個の穴27と同形態且つ同配置に構成される。
【0026】
複数のブラケット対13は、縦並びの複数の通孔21によって、複数の支柱12のいずれかの縦方向の任意の位置に対して着脱可能に構成されている。複数のブラケット対13に含まれる1個のブラケット対13は、複数のブラケット対13に含まれる他のブラケット対13と同一の形態を有する。また、本実施形態において、デスク15よりも下側に存在すべき少なくとも1個のブラケット対13および棚板14(図1に示す紙面左側最下段の棚板14と横並び位置になる棚板)は、予め支柱12から除去されている。このため、デスク15を利用する利用者がデスク15の下側に足を入れやすくなっている。
【0027】
図3図4に示すように、複数のブラケット対13のそれぞれは、正面から見て左側のブラケット24と、正面から見て右側のブラケット24と、を有する。右側のブラケット24は、左側のブラケット24と左右対称形(鏡像)であるために、以下では、左側のブラケットの構造を説明し、右側のブラケット24については同様の構成を有するために説明を省略する。
【0028】
ブラケット24の各部は、例えばスチール等の金属材料によって形成されている。図3図6に示すように、ブラケット24は、断面L字形で縦方向と交差する横方向(例えば、水平方向)に延びるように形成されるブラケット本体31と、ブラケット本体31から外側に突出した腕部32と、腕部32の先端に設けられる1以上のフック部25と、フック部25よりも上側に設けられ支柱本体16に当接可能な第1当接部33と、フック部25よりも下側に設けられ支柱本体16に当接可能な第2当接部34と、ブラケット本体31の載置部31Aから上方に突出する1以上のピン26と、ブラケット本体31の載置部31Aに設けられた1以上の貫通孔38と、を有する。ブラケット本体31は、横方向に平坦に延びた載置部31Aと、載置部31Aから起立するように縦方向に延びた起立部31Bと、を含む。
【0029】
腕部32は、ブラケット本体31の起立部31Bに対して、例えば溶接で固定されている。腕部32は、ブラケット本体31の起立部31Bに対して例えばねじ止め等で着脱可能に固定されていてもよい。
【0030】
1以上のフック部25は、本実施形態において、例えば2個で構成されている。フック部25は、1個でもよいし、3個以上であってもよい。図5に示すように、1以上のフック部25のそれぞれは、例えばプレス加工で打ち抜かれた板金によって、横方向に突出した後に下向きに折れ曲がった、いわゆるかぎ状の形態に形成されている。第1当接部33および第2当接部34は、フック部25の付け根の位置よりも、支柱本体16に近づく方向に突出している。第1当接部33および第2当接部34の支柱本体16の後面と当接する箇所は、平坦に形成されている。
【0031】
ブラケット24を支柱本体16の通孔21に固定した際に、第1当接部33は、支柱本体16の後面に当接することで、ブラケット本体31の前側Fに荷重が加えられた際に、ブラケット本体31の前側Fが下がることを防止する。一方、第2当接部34は、支柱本体16の後面に当接することで、ブラケット本体31の後側Rに荷重が加えられた際に、ブラケット本体31の後側Rが下がることを防止する。
【0032】
1以上のピン26は、本実施形態において、例えば2個で構成されている。ピン26は、1個でもよいし、3個以上であってもよい。1以上のピン26のそれぞれは、円柱形で先端が半球形状に形成されている。1以上の貫通孔38は、長円形に形成されている。図6に示すように、例えば、1以上の貫通孔38の一方は、例えばブラケット本体31の長手方向Lに沿って細長く形成され、1以上の貫通孔38の他方は、例えばブラケット本体31の長手方向Lと交差する方向(幅方向)に沿って細長く形成されている。利用者は、必要に応じて、貫通孔38およびブラケット本体31に支持された棚板14又はデスク15の底板35に対してねじを締結することで、ブラケット本体31に対して棚板14又はデスク15を固定することができる。
【0033】
図2に示すように、デスク15は、底板35と、底板35の左右方向における外側端部から起立するように設けられた一対の側板36と、底板35の後方向の端部から起立するように設けられた奥板37と、底板35に対向する天板41と、天板41の下面に固定された照明器具42と、天板41から下方に突出する突出片43と、一対の側板36の少なくとも一方と底板35の可動底板46との間に渡された少なくとも1個のステー44と、を有する。照明器具42は、一般的なLED照明で構成されている。
【0034】
図2に示すように、デスク15は、木製の板材でそれぞれ構成される、底板35、一対の側板36、奥板37、および天板41を箱状に組み立てることによって一体に形成されている。天板41の上面は、平坦に形成されている。図1に示すように、複数の棚板14に含まれる第2棚板14Bは、天板41と横並びの位置に設置される。このため、ラック11は体裁が良く、また利用者は、必要に応じて、天板41の上面を物品を載置できる棚板としても利用できる。
【0035】
底板35は、上方から見て長方形をなした平板状の底板本体45と、底板本体45に対して回動可能な可動底板46と、可動底板46を回動可能に底板本体45と可動底板46とを連結するヒンジ部47と、を含む。ヒンジ部47は、例えば、複数(2~3個)の一般的な蝶番で構成されている。底板本体45および可動底板46は、それぞれ木製の板材によって構成されている。可動底板46は、底板本体45に沿った第1位置P1と、底板本体45に対して起立して一対の側板36の間に収納された第2位置P2と、の間で回動することができる。可動底板46は、第2位置P2にあるときに、底板本体45と天板41との間に収納される。図1に示すように、複数の棚板14に含まれる第1棚板14Aは、底板本体45と横並びの位置に設置される。このため、ラック11は、ラック全体として調和がとれており、体裁が良好である。
【0036】
底板本体45は、例えば、棚板14と略同等の寸法関係(長さ、幅、厚さ)を有する。したがって、底板本体45は、1個のブラケット対13に含まれるブラケット24の長手方向Lに関して、横並び位置の第1棚板14Aと略同等の寸法を有する。図9に示すように、底板本体45は、さらに、ヒンジ部47の取り付け部分となる内板部45Aを有する。可動底板46の上面と内板部45Aの上面とは、可動底板46が第1位置P1にあるときに面一になっている。底板本体45は、図7に示すように、下面の4か所の角部に4個の穴27を有する。この穴27に対して、ブラケット24の載置部31Aにあるピン26を差し込むことで、デスク15は、ブラケット対13に対して着脱可能に支持される。
【0037】
図9図10に示すように、可動底板46は、底板本体45と近接する第1端部51と、第1端部51とは反対側の第2端部52と、第1端部51と第2端部52とを接続する接続部53と、を含んでいる。第1端部51は、ヒンジ部47と接続されている。第2端部52は、第1位置P1にある可動底板46の上面46Aと側面46Bとの間の角を面取りするように形成した面取面52Aを有する。
【0038】
図9図10に示すように、突出片43は、木製の板材で構成され、天板41に対して固定されている。突出片43は、第2位置P2にある可動底板46の第2端部52とオーバラップするように設けられている。突出片43は、第2位置P2にある可動底板46の接続部53からは外れるような突出長さで設けられている。突出片43は、第2位置P2から第1位置P1に移動する可動底板46を第2位置P2で受け止めることができる。このため、突出片43は、可動底板46が第2位置P2を過ぎてデスク15の内側に入り込んでしまうことを防止する。突出片43は、照明器具42に対する目隠しとして機能し、照明器具42からの光が直接に利用者の目に入ってしまうことを防止できる。
【0039】
図2に示すように、本実施形態において、ステー44は、デスク15内で一対に設置されている。すなわち、ステー44の一方は、側板36の一方と可動棚板14とに渡されるように設置され、ステー44の他方は、側板36の他方と可動棚板14とに渡されるように設置される。なお、本実施形態では、ステー44は、一対に設置されているが、上記一対のステー44のうち、いずれか一方のみを設置しても当然によい。
【0040】
一対のステー44に含まれるステー44の一方(正面から見て左側のステー)は、一対のステー44に含まれるステー44の他方(正面から見て右側のステー)と左右対称形に形成される。このため、以下では、左側のステー44について説明し、右側のステー44については同様の構成を有するために説明を省略する。
【0041】
図9図10に示すように、ステー44は、側板にねじ等で固定されたステー本体61と、ステー本体61に設けられた回転軸62と、回転軸62回りに回転可能に取り付けられたロッド状の第1アーム63と、第1アーム63の回転軸62側の端部とは反対側の端部(先端)に対して回転可能に取り付けられたロッド状の第2アーム64と、第2アーム64の第1アーム63側の端部とは反対側の端部(先端)に回転可能に取り付けられた連結部65と、回転軸62回りに設けられた付勢部材66と、を含む。
【0042】
連結部65は、可動底板46にねじ止め等で固定されており、第2アーム64の端部(先端)と可動底板46とを連結している。付勢部材66は、例えば、ねじりコイルばねで構成されており、ステー本体61の内壁と第1アーム63との間に張り渡され、反発力を付与するようにしている。したがって、付勢部材66は、第1アーム63を上向きに回転させるように第1アーム63を付勢できる。なお、付勢部材66は、ねじりコイルばねに限られず、第1アーム63を上方に引き上げるように付勢できるものであればどのようなものでもよい。付勢部材66は、例えば、ぜんまいばねや板ばね等で構成されていてもよい。
【0043】
続いて、図7図8を参照して、本実施形態のデスク15の装着作業について説明する。ラック11の利用者は、予めデスク15を設置する予定の位置に、支柱本体16に対してブラケット対13を固定する。ブラケット対13の固定は、支柱本体16の通孔21に対してフック部25を差し込めば足り、ワンタッチで行うことができる。
【0044】
2個の支柱本体16の同じ高さでブラケット対13を設置した後に、利用者は、デスク15を持ち上げて、ブラケット24の載置部31Aに対してデスク15を載置するようにする。その際、図7に示すように、底板本体45の下面の穴27に対して、ブラケット24のピン26を差し込んで、ブラケット24に対してデスク15を位置決めする(なお、図7では、説明のためにラック11の後背の壁面17を無視してデスク15を後傾させた状態を示しているが、実際にはブラケット本体31とデスク15の底板本体45とが平行になるように利用者がデスク15を持ち上げる。)。穴27に対してピン26が正しく差し込まれると、図8に示すように、ブラケット対13に対してデスク15が固定される。デスク15をさらに安定させたい場合には、必要に応じて、ブラケット本体31の貫通孔38に対してねじを締結してブラケット対13にデスク15を固定してもよいし、或いは、壁面17に対してデスク15の奥板37をねじ等で固定してもよい。
【0045】
一方、デスク15をブラケット対13から取り外す際には、(デスク15を固定している場合にはねじ等を除去した後に、)利用者がデスク15を上方に持ち上げれば足りる。このため、ブラケット対13に対するデスク15の着脱は、ワンタッチで行うことができる。
【0046】
また、このようにデスク15の着脱をワンタッチで行うことができるため、利用者は、必要に応じて適宜にデスク15と棚板14を互いに入れ替えるようにそれらの位置を変更できる。
【0047】
続いて、図2図8から図10を参照して、デスク15の可動底板46の回動動作について説明する。
【0048】
利用者がデスク15を利用する際には、図2図9に示すように可動底板46を底板本体45と略平行になった第1位置P1で利用する。利用者がデスク15の利用を完了し、可動底板46を折り畳みたい場合には、可動底板46を上方に持ち上げて可動底板46を第1位置P1から第2位置P2に移動させる。利用者が可動底板46を第1位置P1から第2位置P2に至る途中の位置まで持ち上げると、付勢部材66の反発力が可動底板46の自重に打ち勝って、付勢部材66がデスク15の内側(第1位置P1から第2位置P2に向かう方向)に可動底板46を引き込むように付勢する。これによって、可動底板46は、第1位置P1から第2位置P2に移動する途中から、半自動的にデスク15の内側に引き込まれる。
【0049】
このとき、図10に示すように、第1アーム63は回転軸62回りに上方に回転し、第2アーム64は第1アーム63に重なるように回転する。したがって、可動底板46が第2位置P2にある際には、第1アーム63および第2アーム64は逆V字形をなすように配置される。可動底板46が第2位置P2まで移動すると、可動底板46が突出片43に突き当たって停止する。これによって、可動底板46の第2位置P2への移動が完了する。
【0050】
利用者が再びデスク15を利用したい場合には、利用者は、可動底板46の第2端部52の面取面52Aに対して指を掛けて、可動底板46を第1位置P1に向けて回動させる。可動底板46は、第2位置P2から第1位置P1に至る途中で、その自重によって付勢部材66の反発力に打ち勝つようになる。それ以降、可動底板46は、自重によって第1位置P1にまで移動する。第1位置P1において、利用者はデスク15を利用することができる。
【0051】
本実施形態によれば、以下のことがいえる。ラック11は、縦方向に延びる複数の支柱12と、複数の支柱12のいずれかの前記縦方向の任意の位置に対して着脱可能に構成される複数のブラケット対13と、複数のブラケット対13に対して着脱可能に支持される複数の棚板14と、複数のブラケット対13に含まれる1個のブラケット対13に対して着脱可能に支持されるとともに一対の側板36を有するデスク15と、を備える。
【0052】
この構成によれば、デスク15と複数の棚板14とが一体に作り込まれたラック11を簡単な構造で実現できる。また、棚板14およびデスク15が共に着脱自在に構成されるため、設置先の要求に応じて、適宜に棚板14とデスク15との位置を入れ替えることができる。これによって、汎用性が高く使い勝手の良好なラック11を実現できる。
【0053】
この場合、ラック11は、複数のブラケット対13に含まれる少なくとも1個のブラケット対13であって、デスク15よりも下側に位置した少なくとも1個のブラケット対13を支柱12から除去している。
【0054】
この構成によれば、デスク15を利用する利用者がデスク15の下側に足を入れやすくすることができる。これによって、デスク15の利用者が楽な姿勢をとることができ、利用者の利便性を向上できる。
【0055】
デスク15は、底板35を有し、底板35は、底板本体45と、底板本体45に対して回動可能な可動底板46であって、底板本体45に沿った第1位置P1と、底板本体45に対して起立して一対の側板36の間に収納された第2位置P2と、の間で回動する可動底板46と、を有する。
【0056】
この構成によれば、不使用時にデスク15の底板35を目立たないようにコンパクトに折り畳むことができる。これによって、不使用時にデスク15の底板35が室内に突出することがなく、周囲にいる人の邪魔になることを防止できる。また、デスク15の不使用時にラックの体裁を良好にできる。これによって、室内の上質感・高級感を演出できる。
【0057】
ラック11は、一対の側板36の少なくとも一方と可動底板46との間に渡される少なくとも1個のステー44であって、第1位置P1から第2位置P2に移動する可動底板46に対して第1位置P1から第2位置P2に向かう方向に付勢可能な少なくとも1個のステー44を備える。
【0058】
この構成によれば、利用者がデスク15の利用を終えてデスク15の可動底板46を第1位置P1から第2位置P2に向けて折り畳む際に、ステー44が可動底板46の移動をアシストできるために、利用者が可動底板46を持ち上げるのに必要な力を低減して、利用者の利便性を向上できる。
【0059】
複数の棚板14に含まれる第1棚板14Aは、底板本体45と横並びの位置に設置される。
【0060】
この構成によれば、デスク15と調和するように横並びの位置に第1棚板14を配置することができる。これによって、デスク15と第1棚板14の位置が調和した、体裁の良好なラックを実現できる。
【0061】
底板本体45は、1個のブラケット対13に含まれるブラケット24の長手方向Lに関して、第1棚板14Aと略同等の寸法を有する。
【0062】
この構成によれば、可動棚板14を第2位置P2に折り畳んだ状態で、横並びの位置の第1棚板14と調和するような構造のデスク15を実現できる。これによって、体裁の良好なラック11を実現できる。
【0063】
デスク15は、底板35に対向する天板41を有し、可動底板46は、第2位置P2にあるときに、底板本体45と天板41との間に収納される。
【0064】
この構成によれば、第2位置P2にある可動棚板14をさらに目立たないように天板41と底板35との間に収納できる。これによって、デスク15の不使用時にラック11の体裁を良好にできる。
【0065】
デスク15は、天板41の下面に固定された照明器具42を有する。この構成によれば、デスク15の利用者がデスク15上をうす暗く感じてしまうことを防止できる。上記構成は、例えば、ラック11を室内の壁面17側につけて配置した場合に、デスク15の利用者が暗く感じてしまうことを防止できる点で、特に有用である。
【0066】
可動底板46は、底板本体45と近接する第1端部51と、第1端部51とは反対側の第2端部52と、第1端部51と第2端部52とを接続する接続部53と、を含み、デスク15は、天板41から下方に突出する突出片43であって、第2位置P2にある可動底板46の第2端部52とオーバラップし且つ第2位置P2にある可動底板46の接続部53からは外れるように設けられた突出片43を有する。
【0067】
この構成によれば、突出片43によって、第1位置P1から第2位置P2に移動する可動底板46を受け止めることができる。これによって、第2位置P2よりも内側に可動底板46が移動してしまうことを防止できる。また、突出片43によって、デスク15の利用者の視界から照明器具42を隠すことができる。これによって、いわゆる間接照明とすることができ、デスク15の利用者の目の健康にも配慮することができる。
【0068】
可動底板46は、第2端部52に設けられ、第1位置P1にある可動底板46の上面46Aと側面46Bとの間の角を面取りするように形成した面取面52Aを有する。この構成によれば、利用者が可動棚板46を第2位置P2から第1位置P1に移動させる際に、第2端部52(面取面52A)に指を掛けやすくすることができる。
【0069】
複数の棚板14に含まれる第2棚板14Bは、天板41と横並びの位置に設置される。この構成によれば、デスク15と調和するように横並びの位置の第2棚板14を配置することができる。これによって、デスク15と第2棚板14が調和した、体裁の良好なラック11を実現できる。また、天板41は、棚板14を兼ねることができ、天板41の上面に物品を載置することもできる。これによって、利用者の利便性を向上できる。
【0070】
以下の変形例では、主として上記実施形態と異なる部分について説明し、上記実施形態と共通する部分については、図示又は説明を省略する。
【0071】
図11図12を参照して、変形例のラック11について説明する。本実施形態のラック11は、デスク15を設置していない点で、上記実施形態とは異なっている。
【0072】
本変形例では、デスク15に置き換えるように、デスク15の底板本体45があった位置に、当初から設置されている複数の棚板14とは異なる別の棚板14を設けている。ただし、この別の棚板14は、当初から設置されている複数の棚板14のそれぞれの棚板14と同一の寸法関係(長さ、幅、厚さ)を有する。さらに、デスク15の天板41があった位置で、支柱本体16にブラケット対13を固定し、このブラケット対13に対して、当初から設置されている複数の棚板14とは異なる別の棚板14を渡している。この別の棚板14も同様に、当初から設置されている複数の棚板14のそれぞれの棚板14と同一の寸法関係(長さ、幅、厚さ)を有する。
【0073】
デスク15から棚板14への置き換えは、極めて簡単に行うことができる。すなわち、利用者は、ブラケット対13からデスク15を持ち上げてデスク15を除去する。続いて、空になったブラケット対13に対して棚板14を渡し、棚板14の下面の穴27にブラケット24のピン26を差し込むことで、ブラケット24に対して棚板14を支持固定できる。
【0074】
さらに、デスク15の天板41があった位置で、支柱本体16にブラケット対13を固定し、このブラケット対13に対して天板41を上記同様に渡すことで足りる。
【0075】
本変形例によれば、以下のことがいえる。1個のブラケット対13は、デスク15を取り外した状態で複数の棚板14とは異なる棚板14を着脱可能に支持可能である。
【0076】
この構成によれば、設置先の要求や利用者の好みに応じて、1個の棚板14に代えてデスク15を設置したり、或いは、デスク15を配置せずに複数の棚板14のみを設置したりすることができる。これによって、汎用性が高く使い勝手の良好なラック11を実現できる。
【0077】
上記した実施形態および変形例は、さらなる種々の置き換えや変形を加えて実施できる。
【符号の説明】
【0078】
11 ラック
12 支柱
13 ブラケット対
14 棚板
14A 第1棚板
14B 第2棚板
15 デスク
24 ブラケット
35 底板
36 側板
37 奥板
41 天板
42 照明器具
43 突出片
44 ステー
45 底板本体
46 可動底板
47 ヒンジ部
P1 第1位置
P2 第2位置
51 第1端部
52 第2端部
52A 面取面
53 接続部
66 付勢部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12