IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝産業機器システム株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-ブレーキ付回転機 図1
  • 特開-ブレーキ付回転機 図2
  • 特開-ブレーキ付回転機 図3
  • 特開-ブレーキ付回転機 図4
  • 特開-ブレーキ付回転機 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023012210
(43)【公開日】2023-01-25
(54)【発明の名称】ブレーキ付回転機
(51)【国際特許分類】
   H02K 7/102 20060101AFI20230118BHJP
   H02K 7/14 20060101ALI20230118BHJP
   H02K 9/06 20060101ALI20230118BHJP
   F16D 55/06 20060101ALI20230118BHJP
   F16D 65/847 20060101ALI20230118BHJP
   F16D 65/12 20060101ALI20230118BHJP
   B66B 11/08 20060101ALN20230118BHJP
【FI】
H02K7/102
H02K7/14 A
H02K9/06 Z
F16D55/06 A
F16D65/847
F16D65/12 U
B66B11/08 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021115718
(22)【出願日】2021-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】513296958
【氏名又は名称】東芝産業機器システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】川瀬 弘明
【テーマコード(参考)】
3F306
3J058
5H607
5H609
【Fターム(参考)】
3F306AA07
3F306BA09
3J058AA43
3J058AA48
3J058AA58
3J058AA69
3J058AA78
3J058AA79
3J058AA88
3J058BA37
3J058CB22
3J058DE04
3J058EA02
3J058FA42
5H607BB01
5H607DD03
5H607EE07
5H607FF04
5H609BB09
5H609BB16
5H609PP17
5H609QQ02
5H609RR03
(57)【要約】
【課題】ブレーキ部を備えたものにあって、ブレーキ部の大型化を防止しながらも、回転機本体の熱によるブレーキディスクの劣化を抑制する。
【解決手段】本実施形態のブレーキ付回転機は、回転機本体の反負荷側に、回転軸に取付けられたブレーキディスクを、ブラケットに設けられた制動面に押付ける構成のブレーキ部を備えるものであって、前記ブラケットと前記ブレーキディスクとの間に、それらブラケット及びブレーキディスクに冷却風を送風する冷却ファンが設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転機本体の反負荷側に、回転軸に取付けられたブレーキディスクを、ブラケットに設けられた制動面に押付ける構成のブレーキ部を備えるブレーキ付回転機であって、
前記ブラケットと前記ブレーキディスクとの間に、それらブラケット及びブレーキディスクに冷却風を送風する冷却ファンが設けられているブレーキ付回転機。
【請求項2】
前記冷却ファンは、前記ブレーキディスクに一体に設けられている請求項1記載のブレーキ付回転機。
【請求項3】
回転機本体の反負荷側に、回転軸に取付けられたブレーキディスクを、ブラケットに設けられた制動面に押付ける構成のブレーキ部を備えるブレーキ付回転機であって、
前記ブラケットには、前記制動面につながる部分に位置して熱伝導を抑止するための薄肉部が形成されているブレーキ付回転機。
【請求項4】
回転機本体の反負荷側に、回転軸に取付けられたブレーキディスクを、ブラケットに設けられた制動面に押付ける構成のブレーキ部を備えるブレーキ付回転機であって、
前記ブレーキディスクの外周部には、放熱用の冷却フィンが設けられているブレーキ付回転機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、回転機本体の反負荷側に、ブレーキ部を備えるブレーキ付回転機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばエレベータ装置の巻上機に用いられる回転機としては、回転機本体の反負荷側にディスク式のブレーキ部を備えるブレーキ付回転機が採用されている(例えば特許文献1参照)。前記ブレーキ部は、モータの回転軸と一体的に回転するブレーキディスクと、電磁石及びばね等を備えるアーマチュアとを備えている。また、回転機本体の反負荷側のモータブラケットの外面には、前記ブレーキディスクが押付けられる制動面が設けられる。これにて、ブレーキ部が動作されると、アーマチュアがブレーキディスクをモータブラケットの制動面に押付けることによって、制動力を得て回転軸を停止させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-47593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、使用時においては、回転機本体の発する熱により、回転機のフレームひいてモータブラケットは比較的高温となり、上記ブレーキ部が動作されると、ブレーキディスクの摩擦材が、高温の制動面に押付けられるようになる。そのため、ブレーキディスクの摩擦材が劣化し、摩擦係数が低下してブレーキトルクの低下を招いてしまう問題がある。これを解消するためには、ブレーキディスクの摩擦材を耐熱性のより高い材料に変更することが試みられているが、耐熱性の高い樹脂材料等は、耐熱性に反比例して摩擦係数が小さくなる。それを補うためには、摩擦材の制動面積を大きくすることが必要となり、ブレーキ部の大型化を招いてしまう。
【0005】
そこで、ブレーキ部を備えたものにあって、ブレーキ部の大型化を防止しながらも、回転機本体の熱によるブレーキディスクの劣化を抑制することができるブレーキ付回転機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態のブレーキ付回転機は、回転機本体の反負荷側に、回転軸に取付けられたブレーキディスクを、モータブラケットに設けられた制動面に押付ける構成のブレーキ部を備えるものであって、前記ブラケットと前記ブレーキディスクとの間に、それらブラケット及びブレーキディスクに冷却風を送風する冷却ファンが設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施形態を示すもので、ブレーキ付回転機の後部の拡大縦断側面図
図2】ブレーキ付回転機の全体構成を概略的に示す縦断側面図
図3】第2の実施形態を示すもので、ブレーキ付回転機の後部の拡大縦断側面図
図4】第3の実施形態を示すもので、ブレーキ付回転機の後部の拡大縦断側面図
図5】第4の実施形態を示すもので、ブレーキ付回転機の後部の拡大縦断側面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、例えばエレベータの巻上機の駆動源として用いられるディスクブレーキ付きの永久磁石式同期モータに適用したいくつかの実施形態について、図面を参照しながら説明する。尚、複数の実施形態間で、回転機本体等の構成は共通するので、同一部分には、同一符号を付して詳しい説明や新たな図示を省略することとする。
【0009】
(1)第1の実施形態
以下、第1の実施形態について、図1及び図2を参照して説明する。図2は、本実施形態に係るブレーキ付回転機1の構成を概略的に示しており、右側を前側即ち負荷側、左側を後側即ち反負荷側としている。ここで、ブレーキ付回転機1は、永久磁石式同期モータからなる回転機本体2の反負荷側つまり図で左側に、ディスク式のブレーキ部3を備えている。
【0010】
まず、前記回転機本体2について簡単に述べる。図2に示すように、前記回転機本体2は、ほぼ角筒状をなすフレーム4の前後両端部に、鉄等の金属製のモータブラケット5、6を有し、それらブラケット5、6に、回転軸7が軸受8、8を介して回転可能に支持されている。前記モータブラケット6の外形は矩形状をなし、その後端部の外面には後述する制動面が設けられている。前記フレーム4の内周部には、固定子9が設けられ、前記回転軸7には、前記固定子9の内側に位置して回転子10が設けられている。図示はしないが、前記回転軸7の前端部即ち負荷側端部には、巻上機が連結され、ブレーキ付回転機1が巻上機の駆動源となるように構成される。
【0011】
図1にも示すように、前記ブレーキ部3は、円板状のブレーキディスク11を備えると共に、制動機構部12を備えている。前記ブレーキディスク11は、その中心部が、前記回転軸7の後端側部分に対し、いわゆるスプライン係合されていることにより、軸方向には所定範囲の移動が可能で、回転方向には一体回転するように取付けられている。また、ブレーキディスク11の両面には、外周寄り部分に位置して、例えば合成樹脂等からなる耐摩耗性の高い摩擦ライニング13が円環状に設けられている。
【0012】
前記制動機構部12は、周知のように、前面側が開口した矩形箱状のケース12a内に、図示しない電磁石、アーマチュア14、図示しないコイルばね等を備えて構成されている。前記電磁石は、ブレーキディスク11の後方に位置してケース12a内に固定的に設けられ、前記アーマチュア14は、電磁石の前面側でブレーキディスク11の後面側に位置して、前後方向即ち軸方向に移動可能に設けられている。前記コイルばねは、それら電磁石とアーマチュア14との間に位置し、アーマチュア14を前方即ちブレーキディスク11に対し押付ける方向に付勢するように設けられている。この制動機構部10は、前記モータブラケット6に対し固定的に設けられている。
【0013】
これにて、制動機構部13は、電磁石に対する通電時には、コイルばねのばね力に抗してアーマチュア14を後方に吸引して、ブレーキディスク11ひいては回転軸7を回転可能とさせる。そして、電磁石に対する通電停止時には、コイルばねのばね力によって、アーマチュア14を前方に移動させ、ブレーキディスク11を前方に押圧して、モータブラケット6の後面部の制動面に押付ける。このとき、モータブラケット6の後面部の制動面、即ち摩擦ライニング13が接する部分には、例えば合成樹脂製の摩擦ライニング15がリング状に設けられている。これにより、ブレーキディスク11ひいては回転軸7が回転不能となるようにブレーキがかけられる。
【0014】
さて、図1に示すように、本実施形態のブレーキ付回転機1には、前記モータブラケット6とブレーキディスク11との間に位置して、それらブラケット6及びブレーキディスク11部分に冷却風を送風するための、冷却ファン16が設けられている。この冷却ファン16は、複数枚の送風羽根を有して構成され、回転軸7に取付けられて一体的に回転するようになっている。
【0015】
次に、上記構成の作用・効果について述べる。上記構成のブレーキ付回転機1においては、回転機本体2の発する熱により、フレーム4ひいてモータブラケット6が比較的高温となる事情がある。ここで、ブレーキ付回転機1の駆動停止時には、ブレーキ部3が動作され、ブレーキディスク11の摩擦ライニング13が、モータブラケット6の制動面の摩擦ライニング15に押付けられることによって、制動力を得て回転軸7が停止される。このとき、モータブラケット6の制動面が高温であると、制動面に押付けられるブレーキディスク11の摩擦ライニング13が高温となり、ひいては摩擦ライニング13が劣化し、摩擦係数が低下してブレーキトルクが低下してしまう虞がある。
【0016】
ところが、本実施形態では、冷却ファン16を設けたことにより、モータブラケット6及びブレーキディスク11部分つまり摩擦部分に対して冷却風が送風され、摩擦部分が冷却される。そのため、回転機本体2の熱がモータブラケット6の制動面に伝達される事情があっても、モータブラケット6の制動面の摩擦ライニング15部分の冷却及びブレーキディスク11の摩擦ライニング13の冷却が図られる。従って、ブレーキ部3の摩擦部分が高温となることを抑制し、ブレーキディスク11に対する熱影響を低減することができ、熱に起因するブレーキディスク11の摩擦ライニング13の摩擦材の劣化を抑えることができる。
【0017】
このように本実施形態によれば、ブレーキディスク11の摩擦ライニング13の劣化を防止し、ブレーキ部3のブレーキトルクを長期間にわたって確保することができ流。この場合、ブレーキディスク11の制動面積を大きくする必要はなく、ブレーキ部3を無用に大型化することなく済ませることができる。この結果、ブレーキ部3を備えたものにあって、ブレーキ部3の大型化を防止しながらも、回転機本体2の熱によるブレーキディスク11の劣化を抑制することができるという優れた効果を得ることができる。
【0018】
(2)第2の実施形態
図3は、第2の実施形態に係るブレーキ付回転機21の要部構成を示すものである。この第2の実施形態が上記第1の実施形態と異なる点は、反負荷側である後端側のモータブラケット22の構成にある。即ち、モータブラケット22の後面部には、ブレーキディスク11が押付けられる制動面に摩擦ライニング15が設けられているのであるが、その後面部からやや前部の、制動面につながる部分に位置して熱伝導を抑止するための薄肉部23が形成されている。この薄肉部23は、モータブラケット6の外周部に、全周に渡って一定幅の溝部が形成されている形態で設けられている。
【0019】
尚、本実施形態においても、回転軸7の後端部には、リング状の摩擦ライニング13が設けられたブレーキディスク11等を備えるブレーキ部3が設けられている。さらに、本実施形態では、モータブラケット22とブレーキディスク11との間に位置して、冷却風を送風するための冷却ファン16も設けられている。但し、この冷却ファン16に関しては、省略することも可能である。
【0020】
この第2の実施形態のブレーキ付回転機21においては、モータブラケット22には、熱伝導を抑止するための薄肉部23が設けられているので、回転機本体2において発生した熱が、制動面に伝達することを抑制することができる。従って、モータブラケット22の制動面の温度上昇が抑えられ、比較的低温で済ませることができる。これにより、ブレーキディスク11の摩擦部分が高温となることを抑制でき、摩擦ライニング13に対する熱影響を低減することができる。ひいては、熱に起因する、ブレーキディスク11の摩擦ライニング13の劣化を防止することができる。
【0021】
従って、この第2の実施形態によっても、ブレーキ部3を備えたものにあって、ブレーキ部3の大型化を防止しながらも、回転機本体2の熱によるブレーキディスク11の劣化を抑制することができる。特に本実施形態では、モータブラケット22とブレーキディスク11との間に冷却ファン16を備えるので、上記第1の実施形態と同様に、モータブラケット22及びブレーキディスク11部分つまり摩擦部分に対して冷却風を送風でき、摩擦部分を冷却することができるので、より効果的となる。
【0022】
(3)第3の実施形態
図4は、第3の実施形態に係るブレーキ付回転機31の構成を示している。この第3の実施形態が上記第2の実施形態と異なるところは、ブレーキ部3に、ブレーキディスク11に代えてブレーキディスク32を備える点にある。このブレーキディスク32は、外周部に、放熱用の冷却フィン33を備えており、この冷却フィン33は、例えば円周方向に均等間隔に並んで多数個が一体的に設けられている。
【0023】
尚、前記ブレーキディスク32の両面には、やはり外周寄り部分に位置して摩擦ライニング13が円環状に設けられている。また、本実施形態においても、モータブラケット22には、熱伝導を抑止するための薄肉部23が設けられている。さらに、本実施形態では、モータブラケット22とブレーキディスク32との間に位置して、冷却風を送風するための冷却ファン16も設けられている。但し、それら薄肉部23及び冷却ファン16に関しては、一方又は双方を省略することも可能である。
【0024】
この第3の実施形態のブレーキ付回転機31においては、ブレーキディスク32の外周部に、放熱用の冷却フィン33が設けられていることにより、ブレーキディスク32からの放熱を促進することができる。これと共に、ブレーキディスク32の回転に伴い、冷却フィン33により空気の流れが形成されることによる、冷却の効果も期待できる。従って、モータブラケット22の制動面が高温となる事情があっても、ブレーキディスク32からの放熱が図られることによって、摩擦ライニング13が高温となることを抑えることができ、熱影響を低減することができる。ひいては、熱に起因する、ブレーキディスク32の摩擦ライニング13の劣化を防止することができる。
【0025】
従って、この第3の実施形態によっても、ブレーキ部3を備えたものにあって、ブレーキ部3の大型化を防止しながらも、回転機本体2の熱によるブレーキディスク32の劣化を抑制することができる。特に本実施形態では、モータブラケット22には、熱伝導を抑止するための薄肉部23が設けられているので、回転機本体2において発生した熱が、制動面に伝達することを抑制することができ、モータブラケット22の制動面の温度上昇を抑えることができる。さらに本実施形態では、モータブラケット22とブレーキディスク32との間に冷却ファン16を備えるので、上記第1の実施形態と同様に、モータブラケット22及びブレーキディスク32部分つまり摩擦部分に対して冷却風を送風でき、摩擦部分を冷却することができるので、より一層効果的となる。
【0026】
(4)第4の実施形態、その他の実施形態
図5は、第4の実施形態に係るブレーキ付回転機41の構成を示している。この第4の実施形態が上記第3の実施形態と異なるところは、モータブラケット22とブレーキディスク42との間に、冷却ファン16を設けることに代えて、ブレーキディスク42に冷却ファン43を一体に設けた点にある。この冷却ファン43は、ブレーキディスク42のモータブラケット22側を向く前面のうち、摩擦ライニング13より内周側の部分の外面に、複数の羽根片43aを設けることにより構成されている。
【0027】
尚、この第4の実施形態においても、上記第2、第3の実施形態と同様に、モータブラケット22には、熱伝導を抑止するための薄肉部23が設けられている。また、本実施形態においても、上記第3の実施形態と同様に、ブレーキディスク42の外周部に、放熱用の冷却フィン33が設けられている。但し、それら薄肉部23及び冷却フィン33に関しては、一方又は双方を省略することも可能である。
【0028】
この第4の実施形態のブレーキ付回転機41においては、モータブラケット22とブレーキディスク42との間に、冷却ファン43が設けられているので、モータブラケット22及びブレーキディスク42部分つまり摩擦部分に対して冷却風を送風して、冷却を図ることができる。従って、ブレーキ部3の摩擦部分が高温となることを抑制し、ブレーキディスク42に対する熱影響を低減することができ、熱に起因するブレーキディスク42の摩擦ライニング13の摩擦材の劣化を抑えることができる。
【0029】
このように、第4の実施形態によれば、ブレーキ部3を備えたものにあって、ブレーキ部3の大型化を防止しながらも、回転機本体2の熱によるブレーキディスク42の劣化を抑制することができる。そして、冷却ファン43をブレーキディスク42に一体に設けたことにより、部品数の削減や、構成の簡単化を図ることができ、冷却ファンを設けたことに伴い回転軸方向に大型化することを防止することができる。特に本実施形態では、モータブラケット22には、熱伝導を抑止するための薄肉部23が設けられているので、モータブラケット22の制動面の温度上昇を抑えることができる。さらに、ブレーキディスク42の外周部に冷却フィン33を設けたことにより、ブレーキディスク42からの放熱を促進することができ、摩擦ライニング13が高温となることを抑えることができ、より一層効果的となる。
【0030】
尚、上記各実施形態では、エレベータの巻上機用のモータに適用するようにしたが、各種用途のブレーキ付回転機に適用することができる。回転機本体の形状や構造についても、様々な変形が可能であることは勿論である。ブレーキ部の構成としても、2つのアーマチュアを備えるものでも良い。また、モータブラケットに薄肉部を設ける場合の形状、構造などについても、適宜変更して実施できる。摩擦ライニングをゴム系の材料から構成する等、各部の材質についても、様々な変更が可能である。
【0031】
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0032】
図面中、1、21、31、41はブレーキ付回転機、2は回転機本体、3はブレーキ部、6、22はモータブラケット、7は回転軸、11、32、42はブレーキディスク、12は制動機構部、13は摩擦ライニング、14はアーマチュア、15は摩擦ライニング、23は薄肉部、33は冷却フィン、43は冷却ファンを示す。
図1
図2
図3
図4
図5