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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023122112
(43)【公開日】2023-09-01
(54)【発明の名称】車両用シート
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/64 20060101AFI20230825BHJP
   B60N 2/68 20060101ALI20230825BHJP
【FI】
B60N2/64
B60N2/68
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022025563
(22)【出願日】2022-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000133098
【氏名又は名称】株式会社タチエス
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】山岡 俊介
(72)【発明者】
【氏名】文岩 太紀
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087CB12
3B087DB02
3B087DB06
3B087DE01
(57)【要約】
【課題】樹脂プレートに形成した複数のボスの間に高さ方向の寸法にばらつきがあっても、樹脂プレートをシートバックの側に組み付ける場合の組付け作業に困難をきたさず、また、不快な異音の発生を防止する。
【解決手段】車両用シートにおいて、シートバックの樹脂プレートにはシートバック側フレームに対向する位置に複数のボスを形成して、樹脂プレートが無負荷の状態においては複数のボスのうちの一部のボスがシートバック側フレームに接して複数のボスのうちの一部のボス以外のボスはシートバック側フレームに接しないようにし、シートバック側フレームの方向への負荷がかかって樹脂フレームが変形した状態において前記一部のボスとこの一部のボス以外のボスとがシートバック側フレームに接して負荷を受けるように構成した。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートクッションとシートバックとヘッドレストとを備えた車両用シートであって、
前記シートバックはシートバック側パッドと、シートバック側フレームと、樹脂プレートとを有し、
前記樹脂プレートには前記シートバック側フレームに対向する位置に複数のボスが形成されており、
前記樹脂プレートが無負荷の状態においては前記複数のボスのうちの一部のボスが前記シートバック側フレームに接して前記複数のボスのうちの前記一部のボス以外のボスは前記シートバック側フレームに接していない
ことを特徴とする車両用シート。
【請求項2】
請求項1記載の車両用シートであって、
前記樹脂フレームに前記シートバック側フレームの方向への負荷がかかって前記樹脂フレームが変形した状態において前記一部のボスと前記一部のボス以外の前記ボスとが前記シートバック側フレームに接して前記負荷を受けるように構成されている
ことを特徴とする車両用シート。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の車両用シートであって、
前記シートバックは、前記シートバック側フレームと接続する補助フレームと前記補助フレームと接続する連結フレームとを更に備え、前記樹脂プレートの前記補助フレームに対向する位置と前記連結フレームに対向する位置にも前記ボスが形成されていることを特徴とする車両用シート。
【請求項4】
請求項1記載の車両用シートであって、
前記複数のボスのうち前記樹脂プレートが無負荷の状態において前記シートバック側フレームに接する前記一部のボスは、前記シートバック側フレームに接しない前記一部のボス以外の前記ボスよりも前記樹脂プレートからの高さが高く形成されていることを特徴とする車両用シート。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の車両用シートであって、
前記複数のボスは、前記樹脂プレートと一体で形成されていることを特徴とする車両用シート。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の車両用シートであって、
前記樹脂プレートからの高さが高く形成されている前記一部のボスが前記シートバック側フレームに沿って複数配置されている間に挟まれた位置に前記一部のボス以外の前記ボスが形成されていることを特徴とする車両用シート。
【請求項7】
シートクッションとシートバックとヘッドレストとを備えた車両用シートであって、
前記シートバックはシートバック側パッドと、シートバック側フレームと、樹脂プレートとを有し、
前記樹脂プレートの前記シートバック側フレームに対向する位置には高さが高い複数のボスと高さが低い複数のボスとが前記樹脂プレートと一体で形成されており、
前記樹脂プレートが無負荷の状態においては、前記高さが高い複数のボスが前記シートバック側フレームに接して前記高さが低い複数のボスは前記シートバック側フレームから離れている
ことを特徴とする車両用シート。
【請求項8】
請求項7記載の車両用シートであって、
前記樹脂フレームに前記シートバック側フレームの方向への負荷がかかって前記樹脂フレームが変形した状態においては、前記高さが高い複数のボスと前記高さが低い複数のボスとが前記シートバック側フレームに接するように構成されている
ことを特徴とする車両用シート。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の車両用シートであって、
前記シートバックは、前記シートバック側フレームと接続する補助フレームと前記補助フレームと接続する連結フレームとを更に備え、前記樹脂プレートの前記補助フレームに対向する位置と前記連結フレームに対向する位置にも前記高さが低い複数のボスが形成されていることを特徴とする車両用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用シートのシートバックは、着座した搭乗者の背中が当たる面の側に設けられたクッション部材と、このクッション部材を支持するフレームと、フレームの背面をカバーするカバー部材を備えと構成を有している。
【0003】
特許文献1には、このシートバックの構成として、板金をプレス成型した背面パネルをフレーム本体に溶接した構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-150732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
シートバックの背面パネルを特許文献1に記載されているようなプレス成型した板金に替えて樹脂で形成する場合、樹脂製の背面パネルをフレーム本体に対して全面を接触させるのではなく、樹脂製の背面パネルの側にボスなどの突起部を複数の個所に設けて、この突起部とフレーム本体とを接触させる方法が考えられる。
【0006】
しかし、樹脂製の背面パネルの側にボスなどの突起部を背面パネルと一体で形成する場合、形成条件によっては複数のボスの間に高さにばらつきが発生し、樹脂プレートをシートバックの側に組み付ける場合の組付け作業に困難をきたしてしまう場合が生じる。
【0007】
また、シートバックをシートクッションの側に倒した状態で樹脂製の背面パネルの上に荷物を置くとき、複数のボスが金属のシートバック側フレームにわずかに接触した状態で動くことによる不快な異音が発生する場合がある。
【0008】
本発明は、上記した課題を解決して、シートバックの樹脂プレートに形成した複数のボスの間に高さ方向の寸法が設計寸法に対して多少ばらつきがあっても、樹脂プレートをシートバックの側に組み付ける場合の組付け作業に困難をきたすこと無く、また、複数のボスが金属のシートバック側フレームにわずかに接触した状態で動くことによる不快な異音の発生を防止できる車両用シートを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決するために、本発明では、シートクッションとシートバックとヘッドレストとを備え、シートバックはシートバック側パッドと、シートバック側フレームと、樹脂プレートとを有する車両用シートにおいて、樹脂プレートにはシートバック側フレームに対向する位置に複数のボスが形成されており、樹脂プレートが無負荷の状態においては複数のボスのうちの一部のボスがシートバック側フレームに接して複数のボスのうちの一部のボス以外のボスはシートバック側フレームに接しないように構成した。
【0010】
また、上記した課題を解決するために、本発明では、シートクッションとシートバックとヘッドレストとを備え、シートバックはシートバック側パッドと、シートバック側フレームと、樹脂プレートとを有する車両用シートにおいて、樹脂プレートのシートバック側フレームに対向する位置には高さが高い複数のボスと高さが低い複数のボスとが樹脂プレートと一体で形成されており、樹脂プレートが無負荷の状態においては高さが高い複数のボスがシートバック側フレームに接して高さが低い複数のボスはシートバック側フレームから離れているように構成した。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、シートバックの樹脂プレートに形成した複数のボスの間に高さ方向の寸法が設計寸法に対して多少ばらつきがあっても、樹脂プレートをシートバックの側に組み付ける場合の組付け作業に困難をきたすこと無くなるようになった。
【0012】
また、本発明によれば、樹脂プレートが負荷を受けて変形した場合には、複数のボスが同時に金属製のフレームに接する構造としたことにより、樹脂プレートに対する応力の集中を緩和することができ、比較的大きな負荷にも耐えることができるようになった。
【0013】
さらに、本発明によれば、複数のボスが金属のシートバック側フレームにわずかに接触した状態で動くことによる不快な異音の発生を防止することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施例に係る車両用シートの全体構成を示す斜視図である。
図2】本実施例に係る車両用シートにおいて、シートバックをシートクッションの側に倒した状態を示す斜視図である。
図3図2のB-B断面矢視図である。
図4】本実施例に係る車両用シートにおいて、シートバックのパッドを取り外して、シートバック側フレームと樹脂プレートとを組み合わせた状態の斜視図である。
図5】本実施例に係る車両用シートにおいて、シートバックのパッドを取り外して、シートバック側フレームと樹脂プレートとを組み合わせた状態の正面図である。
図6図5のC-C断面矢視図を上下反転させて表示した図で、樹脂プレートが無負荷の状態における図である。
図7図5のC-C断面矢視図を上下反転させて表示した図で、樹脂プレートに矢印方向の負荷がかかっている状態における図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、車両用シートのシートバックをシートクッションの側に倒した状態で、シートバックの上に荷物を載せたときに、シートバックの裏面をカバーする樹脂プレートに形成したボスがシートバックの金属フレームに当たるようにして、樹脂プレートが大きく撓むのを防止するようにした構成に関するものである。
【0016】
樹脂プレートでその上に乗せた荷物の荷重を支えるためには、樹脂プレートと一体に形成した複数のボスがシートバックの金属フレームに複数の個所で当たって、荷重を支えるような構造にすることが必要である。
【0017】
しかし、無負荷の状態で複数のボスがそれぞれ金属のフレームに当たるような構成にすると、複数のボスの高さ方向の寸法のばらつきにより、一体で形成された樹脂プレートをシートバックの側に組み付けることは難しくなってしまう場合が発生する。
【0018】
さらに、高さ方向の寸法のばらつきによりボスが金属フレームにわずかに接触した状態においてシートバックをシートクッションに対して倒したり起こしたりするとき、ボスが金属フレームにわずかに接触した状態で動くことによりボスと金属フレームとがこすれあって不快な異音を発生させる場合がある。
【0019】
本発明は、これらの不具合を解決するものであって、シートバックの裏面の樹脂プレートが無負荷の状態では樹脂プレートに一体形成したボスがシートバックの金属フレームに接触する箇所を少なくし、樹脂プレートに負荷がかかって樹脂プレートが変形した状態では樹脂プレートに形成した複数のボスが同時に金属フレームに当接するような構造とした。
【0020】
このような構造とすることにより、ボスの高さ方向の寸法が設計寸法に対して多少ばらつきがあっても、樹脂プレートをシートバックの側に組み付ける場合の組付け作業を困難にすること無く、また、ボスが金属フレームにわずかに接触した状態で動くことによる不快な異音の発生を防止できるようにしたものである。
【0021】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。本実施の形態を説明するための全図において同一機能を有するものは同一の符号を付すようにし、その繰り返しの説明は原則として省略する。
【0022】
ただし、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。本発明の思想ないし趣旨から逸脱しない範囲で、その具体的構成を変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。
【実施例0023】
図1は、本実施例に係る車両用シート100の全体構成を示す斜視図である。本実施例に係る車両用シート100は、搭乗者が着座するシートクッション1と、着座した搭乗者が背をもたれ掛かるシートバック2と、着座した搭乗者の頭部を保護するヘッドレスト3を備えている。
【0024】
なお、実際の車両用シートには、シートクッション1に対するシートバック2の角度を調整するためのリクライニング機構や、シートクッション1及びシートバック2に空気を送るための送風機、着座した搭乗者の腰部をシートバック2の側から押すランバー機構部などを備えているが、本発明とは直接的な関係が無いので、声明を簡略化するためのそれらの構成については図示及び説明を省略する。
【0025】
図2は、本実施例に係る車両用シート100において、シートバック2をシートクッション1の側に倒した状態を示す斜視図である。このようにシートクッション1の上にシートバック2を倒すことによりシートバック2の上面(図2においてシートバック2の上側の面)を車両の図示していない床面(図2において、シートクッション1の下側)にほぼ平行な状態にすることができ、シートバック2の上面に荷物を置くことが可能になる。
【0026】
このように、シートバック2をシートクッション1の側に倒した状態における図2のB-B断面の矢視図を図3に示す。
【0027】
図3に示した状態において、シートクッション1の側のフレーム(シートクッション側フレーム)12に保持されているシートクッション側パッド11と、シートバック2側のフレーム(シートバック側フレーム)22で保持されているシートバック側パッド21とが接触した状態で、シートバック側フレーム22に保持されている樹脂プレート23がシートバック2の上面に位置している。
【0028】
図3に示した構成おいて、シートクッション側フレーム12とシートバック側フレーム22とは接続プレート5で回動可能に接続されている。
【0029】
シートバック側フレーム22には筒状のヘッドレストサポート25が固定されている。ヘッドレストサポート25にはヘッドレスト3のクッション部材31をサポートするヘッドレストフレーム32の先端部分が挿入され、支持されている。
【0030】
図4には、図1に示した車両用シート100のA-A断面矢視図を示す。すなわち、図4は、シートバック2のシートバック側パッド21を取り外して、シートバック側フレーム22と樹脂プレート23とを組み合わせた状態を斜め方向から見た図を示している。
【0031】
図4において、シートバック側フレーム22と連結バー51との間には、補助フレーム41と42が接続され、補助フレーム41と42の間には、横フレーム43が接続されている。また、樹脂プレート23には、樹脂プレート23と一体で形成された突起部(ボス)24が複数形成されている。
【0032】
図4の構成を正面から見た図を、図5に示す。樹脂プレート23に形成された複数の突起部(ボス)24(図5に記載された全ての突起部(ボス)を総称して突起部(ボス)24と記す)のうち、突起部(ボス)241と242,243,245、及び突起部(ボス)2401と2402,2403,2404は、シートバック側フレーム22の裏側に配置されている。
【0033】
また、突起部(ボス) 2403,2404は補助フレーム41と42の裏側に配置され、突起部(ボス) 2406は横フレーム43の裏側に配置されている。
【0034】
更に、突起部(ボス)246と247及び2407と2408とは、連結バー51の裏側に配置されている。
【0035】
図5におけるC-C断面を上下反転させて樹脂プレート23を上側にして示した図を、図6図7に示す。
【0036】
図6は樹脂プレート23に負荷(荷重)がかかっていない状態を示し、図7は樹脂プレート23に矢印方向から負荷(荷重)がかかっている状態を示している。すなわち、図5は、図3に示したようにシートバック2をシートクッション1の側に倒した状態において樹脂プレート23の上に荷物が置かれていない状態を示し、図6は、図3に示したようにシートバック2をシートクッション1の側に倒した状態において樹脂プレート23の上に荷物が置かれていて、図7に示した矢印の方向に負荷がかかっている状態を示している。
【0037】
図6に示すように、樹脂プレート23に負荷がかかっていない状態で樹脂プレート23に形成した突起部(ボス)241と242とがシートバック側フレーム22に接し、突起部(ボス)241と242との間に配置された突起部(ボス)2401と2402とはシートバック側フレーム22との間にdの間隔でギャップが形成されている。
【0038】
このように、樹脂プレート23に負荷がかかっていない状態で樹脂プレート23に形成した突起部(ボス)241と242とだけがシートバック側フレーム22に接する構成としたことにより、突起部(ボス)241及び242と突起部(ボス)2401及び2402との間で高さ方向の寸法に多少のばらつきがあったとしても、樹脂プレート23をシートバック側フレーム22に組付けるときに、組付けの作業性を悪くする原因とならないようにすることができる。
【0039】
また、突起部(ボス)241と242と突起部(ボス)2401及び2402とが同時にシートバック側フレーム22に接する構成とした場合、突起部(ボス)241と242と突起部(ボス)2401及び2402との間で高さ方向の寸法に多少のばらつきがあると、樹脂プレート23をシートバック側フレーム22に組付けるときにシートバック側フレーム22との接触圧が異なるために接触圧が小さい部分で擦れが生じ、異音が発生する原因になる。これに対して本実施例では、シートバック側フレーム22との間にdの間隔でギャップが形成されるように突起部(ボス)2401及び2402の高さ方向の寸法を設定したことにより、異音の発生を防止することができる。
【0040】
一方、図7に示すように、樹脂プレート23に矢印方向の負荷がかかった場合、樹脂プレート23は図7の下側に撓み、突起部(ボス)2401及び2402もシートバック側フレーム22と接触する。これにより、樹脂プレート23にかかった矢印方向の負荷を、突起部(ボス)241及び242と突起部(ボス)2401及び2402とで支えることになり、樹脂プレート23の矢印方向への変形量をd程度にすることができ、負荷がかかることにより樹脂プレート23が大きく変形するのを防止することができる。
【0041】
図6及び図7を用いて、図5のC-C断面矢視図の構成について説明したが、図5に示した突起部(ボス)243,245と突起部(ボス)2403,2404,2406の関係、及び突起部(ボス)246,247と突起部(ボス)2407,2408の関係も、図6及び図7における突起部(ボス)241、242と突起部(ボス)2401、2402との関係と同じである。
【0042】
すなわち、突起部(ボス)243,245に対して突起部(ボス)243と245との間に形成された突起部(ボス)2403,2404,2406は高さが低く形成されており、樹脂プレート23に負荷がかかっていない状態(図6で説明した状態に相当)では、突起部(ボス)243,245がシートバック側フレーム22に接触し、突起部(ボス)2403,2404,2406は、それぞれ補助フレーム41と42、横フレーム43との間にdの間隔でギャップが形成されている。
【0043】
また、樹脂プレート23に負荷がかかっていない無負荷の状態(図6で説明した状態に相当)で、突起部(ボス)246と247は連結バー51に接触し、突起部(ボス)246と247との間に形成された突起部(ボス)2407,2408は連結バー51との間にdの間隔でギャップが形成されている。
【0044】
一方、樹脂プレート23に負荷がかかっている状態(図7で説明した状態に相当)では、突起部(ボス)243,245と突起部(ボス)2403,2404,2406との何れもがシートバック側フレーム22に接触し、突起部(ボス)246、247と突起部(ボス)2407,2408とのいずれもが連結バー51と接触する。
【0045】
このように、樹脂プレート23に負荷がかかっていない状態では樹脂プレート23に形成した多数の突起部(ボス)のうち一部だけがシートバック側フレーム22または、連結バー51に接触し、樹脂プレート23に負荷がかかった状態ですべての突起部(ボス)24がシートバック側フレーム22、連結バー51、補助フレーム41と42、横フレーム43の内の何れかと接触することにより樹脂プレート23が大きく変形するのを防ぐことができる。
【0046】
なお、図4乃至図7で説明した突起部(ボス)24は断面が円形の構造で説明したが、他の断面形状を有していてもよい。また、実施例で説明した樹脂プレート23に負荷がかかっていない状態でシートバック側フレーム22、補助フレーム41と42、横フレーム43、連結バー51に接触しない突起部(ボス)24の数は一例であって、実施例で説明した数よりも多くても、又は、少なくてもよい。
【0047】
以上説明したように、本実施例によれば、シートバック2の裏面の樹脂プレート23が無負荷の状態では樹脂プレート23に一体形成した複数のボス24のうちシートバック側フレーム22に接触する個数を少なくするような構造としたことにより、複数のボス24の間に高さ方向の寸法が設計寸法に対して多少ばらつきがあっても、樹脂プレート23をシートバック2の側に組み付ける場合の組付け作業に困難をきたすこと無くなる。
【0048】
一方、樹脂プレート23に負荷がかかって樹脂プレート23が変形した状態では、樹脂プレート23に形成した複数のボス24が同時に金属製のシートバック側フレーム22や連結バー51、補助フレーム41と42、横フレーム43に当接して負荷を分散するような構造としたことにより、樹脂プレート23に対する応力の集中を緩和することができ、比較的大きな負荷にも耐えることができる。
【0049】
また、図2に示すようにシートバック2をシートクッション1の側に倒した状態で、樹脂プレート23の上に荷物を置くとき、複数のボスが金属のシートバック側フレームにわずかに接触した状態で動くことによる不快な異音の発生を防止することができる。
【0050】
なお、上記した実施例においては、樹脂プレート23と複数の突起部(ボス)24を一体形成するとしたが、これを一体ではなく別々に成形し、この別体で形成された複数の突起部(ボス)24を樹脂プレート23に接続(接着)するように構成としてもよい。
【0051】
また、上記した実施例においては、例えば突起部(ボス)241、242と突起部(ボス)2401、2402との間に高さの差を設けて、樹脂プレート23が無負荷の状態では突起部(ボス)241、242が金属製のシートバック側フレーム22に接するような構成について説明したが、突起部(ボス)241、242と突起部(ボス)2401、2402との間に高さの差を設けずすべて同じ高さで形成し、シートバック側フレーム22の側に突起部(ボス)2401、2402に対向する箇所にくぼみを設けて樹脂プレート23が無負荷の状態では突起部(ボス)2401、2402とシートバック側フレーム22との間に間隔dが形成されるように構成としてもよい。
【0052】
以上、本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、実施例の構成の一部について、他の公知の構成の追加・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0053】
1 シートクッション
2 シートバック
3 ヘッドレスト
22 シートバック側フレーム
23 樹脂プレート
24,241,242,243,245,246,247,2401,2402,2403,2404,2406,2407,2408 突起部(ボス)
41,42 補助フレーム
43 横フレーム
51 連結バー
100 車両用シート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7