(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023122123
(43)【公開日】2023-09-01
(54)【発明の名称】管理システムおよび管理方法
(51)【国際特許分類】
G08B 25/10 20060101AFI20230825BHJP
G08B 21/24 20060101ALI20230825BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20230825BHJP
G06Q 10/109 20230101ALI20230825BHJP
【FI】
G08B25/10 A
G08B21/24
H04Q9/00 301Z
H04Q9/00 311J
G06Q10/10 340
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022025589
(22)【出願日】2022-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 智和
(72)【発明者】
【氏名】土居 敦
(72)【発明者】
【氏名】尾形 大輔
【テーマコード(参考)】
5C086
5C087
5K048
5L049
【Fターム(参考)】
5C086AA05
5C086BA13
5C086BA30
5C086CB01
5C086DA08
5C086DA14
5C086FA18
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA25
5C087BB02
5C087BB20
5C087BB74
5C087DD33
5C087EE07
5C087EE14
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF03
5C087FF04
5C087GG08
5K048BA34
5K048DA02
5K048DB01
5K048DC01
5K048EB10
5K048HA01
5K048HA02
5K048HA03
5L049AA13
(57)【要約】 (修正有)
【課題】より適切に異常を認識する管理システム及び管理方法を提供すること。
【解決手段】管理システムA1は、対象物の温度を測定する複数のセンサ装置Es1~Esnと、複数の照明装置L1~Lnと、制御装置Ctと、インターネットItを介して相互通信可能な設定装置CL、ユーザ端末Ut及び管理端末Mtとを備える。制御装置Ct又は設定装置CLは、測定データに基づいて対象物について異常の有無を判定する。設定装置CL又は管理端末Mtは、判定の結果に基づいて対象物について異常があると判定した場合に、異常を示す異常通知をユーザ端末Utに送信する。設定装置CL又は管理端末Mtは、確認回答を受信していない場合であって、制御装置Ct又は設定装置CLが異常と同一の異常が発生したと判定した場合又は所定時間が経過した場合に異常通知をユーザ端末Utに送信する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物の温度を測定する複数のセンサ装置と、
前記複数のセンサ装置が測定した測定データを送受信する複数の中継ユニットと、
前記複数の中継ユニットから前記測定データを受信する制御装置と、
公衆ネットワークを介して相互通信可能な設定装置、ユーザ端末および管理端末と、を備え、
前記設定装置は、前記制御装置から送信された前記測定データを記憶し、
前記管理端末および前記ユーザ端末は、前記測定データの内容を確認可能であり、
前記制御装置または前記設定装置は、前記測定データに基づいて前記対象物について異常の有無を判定し、
前記設定装置または前記管理端末は、前記判定の結果に基づいて前記対象物について異常があると判定された場合に、異常を示す異常通知と、所定の期間に亘って前記異常通知を行うこととなるリマインド設定の要否の確認回答を要求する確認通知と、を前記ユーザ端末に送信し、
前記設定装置または前記管理端末は、前記確認回答を受信していない場合であって、前記制御装置または前記設定装置が前記異常と同一の異常が発生したと判定した場合、または、所定時間が経過した場合に、前記異常通知を前記ユーザ端末に送信する、管理システム。
【請求項2】
前記設定装置または前記管理端末は、前記ユーザ端末から前記確認回答を受信するまで、前記所定時間毎に前記異常通知を繰り返し送信する、請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
前記設定装置または前記管理端末は、前記ユーザ端末から前記確認回答を受信したことに基づいて、前記ユーザ端末に前記異常通知を一度のみ送信する、請求項2に記載の管理システム。
【請求項4】
対象物の物理量を測定する複数のセンサ装置と、
前記複数のセンサ装置が測定した測定データを送受信する複数の中継ユニットと、
前記複数の中継ユニットから前記測定データを受信する制御装置と、
公衆ネットワークを介して相互通信可能な設定装置、ユーザ端末および管理端末と、を用い、
前記設定装置は、前記制御装置から送信された前記測定データを記憶し、
前記管理端末および前記ユーザ端末は、前記測定データの内容を確認可能である、管理方法であって、
前記制御装置または前記設定装置が、前記測定データに基づいて前記対象物について異常の有無を判定する工程と、
前記設定装置または前記管理端末が、前記判定の結果に基づいて前記対象物について異常があると判定された場合に、異常を示す異常通知と、所定の期間に亘って前記異常通知を行うこととなるリマインド設定の要否の確認回答を要求する確認通知と、を前記ユーザ端末に送信する工程と、
前記設定装置または前記管理端末が、前記確認回答の受信を確認する工程と、
前記設定装置または前記管理端末が、前記確認回答を受信していない場合であって、前記制御装置または前記設定装置が前記異常と同一の異常が発生したと判定した場合、または、所定時間が経過した場合に、前記異常通知を前記ユーザ端末に送信する工程と、を備える、管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理システムおよび管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、温度センサ等の複数のセンサを用いた管理システムが種々に提案されている。特許文献1には、従来の管理システムの一例が開示されている。同文献に開示された管理システムでは、温度センサの記録データがモニタリング部に記録される。温度センサの記録データが異常値であった場合、通信部を介して関係者に異常を知らせるメールが送信される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
異常を知らせるメールを関係者が確認し忘れた場合等に、適切に異常を認識できないことが懸念される。
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、より適切に異常を認識することが可能な管理システムおよび管理方法を提供することをその課題とする。
【0006】
本発明の第1の側面によって提供される管理システムは、対象物の温度を測定する複数のセンサ装置と、前記複数のセンサ装置が測定した測定データを送受信する複数の中継ユニットと、前記複数の中継ユニットから前記測定データを受信する制御装置と、公衆ネットワークを介して相互通信可能な設定装置、ユーザ端末および管理端末と、を備え、前記設定装置は、前記制御装置から送信された前記測定データを記憶し、前記管理端末および前記ユーザ端末は、前記測定データの内容を確認可能であり、前記制御装置または前記設定装置は、前記測定データに基づいて前記対象物について異常の有無を判定し、前記設定装置または前記管理端末は、前記判定の結果に基づいて前記対象物について異常があると判定された場合に、異常を示す異常通知と、所定の期間に亘って前記異常通知を行うこととなるリマインド設定の要否の確認回答を要求する確認通知と、を前記ユーザ端末に送信し、前記設定装置または前記管理端末は、前記確認回答を受信していない場合であって、前記制御装置または前記設定装置が前記異常と同一の異常が発生したと判定した場合、または、所定時間が経過した場合に、前記異常通知を前記ユーザ端末に送信する。
【0007】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記設定装置または前記管理端末は、前記ユーザ端末から前記確認回答を受信するまで、前記所定時間毎に前記異常通知を繰り返し送信する。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記設定装置または前記管理端末は、前記ユーザ端末から前記確認回答を受信したことに基づいて、前記ユーザ端末に前記異常通知を一度のみ送信する。
【0009】
本発明の第2の側面によって提供される管理方法は、対象物の物理量を測定する複数のセンサ装置と、前記複数のセンサ装置が測定した測定データを送受信する複数の中継ユニットと、前記複数の中継ユニットから前記測定データを受信する制御装置と、公衆ネットワークを介して相互通信可能な設定装置、ユーザ端末および管理端末と、を用い、前記設定装置は、前記制御装置から送信された前記測定データを記憶し、前記管理端末および前記ユーザ端末は、前記測定データの内容を確認可能である、管理方法であって、前記制御装置または前記設定装置が、前記測定データに基づいて前記対象物について異常の有無を判定する工程と、前記設定装置または前記管理端末が、前記判定の結果に基づいて前記対象物について異常があると判定された場合に、異常を示す異常通知と、所定の期間に亘って前記異常通知を行うこととなるリマインド設定の要否の確認回答を要求する確認通知と、を前記ユーザ端末に送信する工程と、前記設定装置または前記管理端末が、前記確認回答の受信を確認する工程と、前記設定装置または前記管理端末が、前記確認回答を受信していない場合であって、前記制御装置または前記設定装置が前記異常と同一の異常が発生したと判定した場合、または、所定時間が経過した場合に、前記異常通知を前記ユーザ端末に送信する工程と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、より適切に異常を認識することができる。
【0011】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る管理システムを示すシステム構成図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る管理システムの照明装置を示すブロック図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る管理システムの制御装置を示すブロック図である。
【
図4】(a)~(c)は、本発明の第1実施形態に係る管理システムの管理対象の管理温度例を示す表である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係る管理システムのセンサ装置を示すブロック図である。
【
図6】本発明の第1実施形態に係る管理システムのユーザ端末を示すブロック図である。
【
図7】本発明の第1実施形態に係る管理システムの管理端末を示すブロック図である。
【
図8】本発明の第1実施形態に係る管理システムを示す概略配置図である。
【
図9】本発明の第1実施形態に係る管理システムのシーケンスダイアグラムである。
【
図10】本発明の第1実施形態に係る管理システムのシーケンスダイアグラムである。
【
図11】本発明の第1実施形態に係る管理システムのフローチャートである。
【
図12】本発明の第1実施形態に係る管理システムのフローチャートである。
【
図13】本発明の第1実施形態に係る管理システムのフローチャートである。
【
図14】本発明の第1実施形態に係る管理システムのシーケンスダイアグラムの他の例である。
【
図15】本発明の第1実施形態に係る管理システムのシーケンスダイアグラムの他の例である。
【
図16】本発明の第1実施形態に係る管理システムのフローチャートの他の例である。
【
図17】本発明の第1実施形態に係る管理システムの第1変形例のシステム構成図である。
【
図18】本発明の第2実施形態に係る管理システムのシーケンスダイアグラムである。
【
図19】(a)~(c)は、異常通知の送信間隔の設定を説明する図である。
【
図20】(a)~(c)は、異常通知の送信間隔の設定の他の例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0014】
本発明における「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、単に識別のために用いたものであり、それらの対象物に順列を付することを意図していない。
【0015】
<第1実施形態>
図1~
図18は、本発明の第1実施形態に係る管理システムを示している。本実施形態の管理システムA1は、複数のセンサ装置Es、複数の照明装置L、制御装置Ct、設定装置CL、ユーザ端末Utおよび管理端末Mtを備える。管理システムA1は、たとえば
図8に示すように、店舗内に配置されたショーケースScに設置された温度測定機能を有するセンサ装置Esを用いて、ショーケースScの庫内温度を管理するシステムである。ただし、センサ装置Esが検出する物理量や、複数のセンサ装置Esが設置される環境は、何ら限定されない。
【0016】
〔照明装置L(中継ユニット)〕
照明装置Lは、本発明における中継ユニットの具体例である。中継ユニットの具体例としては、照明装置Lに限定されない。たとえば、以降に説明する照明装置Lから光源部11を除いた専用の構成の中継ユニットを用いてもよい。
【0017】
複数の照明装置Lは、たとえば屋内の照明に用いられ、天井、壁面、床面等の種々の箇所に設置される。また、照明装置Lは、屋外の照明に用いられる構成であってもよい。照明装置Lの具体的な形態は何ら限定されず、直管形蛍光灯の代替照明や高天井照明、シーリングライト、ダウンライト、ベースライト、スポットライト等の種々の形態を適宜採用可能である。本実施形態においては、
図8に示すように、複数の照明装置Lは、店舗の天井に設置されている。以降の説明においては、照明装置Lの一般的な構成を述べる場合に照明装置Lと称するとともに、複数の照明装置Lを区別する場合に照明装置L1、・・・照明装置Ln等の符号を適宜用いる場合がある(nは、自然数)。複数の照明装置L1~Lnは、それぞれの構成が同一であってもよいし、互いの一部が共通していてもよいし、互いに異なる構成であってもよい。以降の説明においては、特段の記載がない限り、複数の照明装置L1~Lnが同一の構成である場合を例に説明する。
【0018】
図2は、照明装置Lのブロック図である。照明装置Lは、光源部11、制御部12、記憶部13、無線通信モジュール14および電源部15を備える。
【0019】
光源部11は、照明装置L1において発光機能を果たす部位である。光源部11の具体的構成は何ら限定されず、たとえば、基板と当該基板に列をなして搭載された複数のLEDとからなる。また、照明装置L1は、光源部11からの光を透過させる透明または半透明のカバー(図示略)を適宜有する。
【0020】
制御部12は、たとえば制御装置Ctからの指示等に基づいて、照明装置Lの各部を制御するためのものである。制御部12の具体的構成は特に限定されず、たとえばCPUからなる。記憶部13は、制御部12の制御に必要な情報を記憶するためのものであり、たとえば半導体メモリからなる。なお、記憶部13は、照明装置Lの筐体(図示略)に内蔵されるものに限定されず、照明装置Lの筐体の外部に着脱可能に設けられるものであってもよい。
【0021】
無線通信モジュール14は、制御装置Ct、複数の照明装置Lおよび複数のセンサ装置Esと無線通信を行うためのものであり、無線信号を送信および受信するモジュールである。無線通信モジュール14は、たとえば、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)通信によって制御部12と接続されているが、これに限定されない。無線通信モジュール14は、第1無線通信部141および第2無線通信部142を有する。
【0022】
無線通信モジュール14の機能を例示すると、制御装置Ct、他の照明装置Lおよびセンサ装置Esからの信号を受信し、受信した信号に含まれるデータを制御部12に送信する。また、照明制御信号を受信したことを示すアクノリッジ信号を制御装置Ctに送信する。また、照明装置Lの動作状況を示すステータス情報信号を制御装置Ctに送信してもよい。
【0023】
本実施形態においては、複数の照明装置Lの各々が有する固有の灯具IDが、無線通信モジュール14に記憶されている。灯具IDの情報形式は特に限定されず、たとえばMAC(Media Access Control)アドレスが用いられる。なお、灯具IDは、第1無線通信部141および第2無線通信部142のいずれか、もしくはこれら以外の無線通信モジュール14の構成要素に記憶されていてもよいし、たとえば記憶部13に記憶されていてもよい。
【0024】
第1無線通信部141は、制御装置Ctおよび他の照明装置Lと第1プロトコルを用いた無線通信を行うためのものである。第1プロトコルを用いた無線通信の通信周波数は何ら限定されず、たとえ920MHz帯、2.4GHz帯、5GHz帯等が例示される。また、第1プロトコルの具体例は特に限定されず、たとえば、BLE(Bluetooth Low Energy)を含むBluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)などが例示される。本実施形態においては、第1無線通信部141を有する複数の照明装置Lと制御装置Ctとが、メッシュネットワークである無線通信ネットワークCn1を構築している。第1プロトコルは、後述のように複数の照明装置L間で各種データの転送に用いられるため、それらのデータ転送に必要となる転送速度や、信頼性を確保した上で、メッシュネットワークを構築できるプロトコルが選択される。
【0025】
第2無線通信部142は、センサ装置Esと第2プロトコルを用いた無線通信を行うためのものである。第2プロトコルを用いた無線通信の通信周波数は何ら限定されず、たとえば920MHz帯、2.4GHz帯、5GHz帯等が例示される。また、第2プロトコルの具体例は特に限定されず、たとえば、BLE(Bluetooth Low Energy)を含むBluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)などが例示される。図示された例においては、第2無線通信部142は、SPI(Serial Peripheral Interface)通信によって第1無線通信部141と接続されているが、これに限定されない。
【0026】
第1プロトコルと第2プロトコルとは、互いの通信が干渉しないように通信周波数が異なるものを選択することが好ましい。また、第1無線通信部141による無線通信と第2無線通信部142による無線通信とは、互いの通信タイミングを異ならせることが好ましい。なお、第2プロトコルを用いた無線通信は、たとえば、第1プロトコルを用いた無線通信よりも通信距離が短いものを選択してもよい。
【0027】
無線通信モジュール14は、たとえば第1無線通信部141によって制御装置Ctからセンサ装置Esのデータ取得を要求する要求信号を受信した場合、当該要求信号を第1プロトコルから第2プロトコルに変換することによって転送データを構築し、この転送データを制御部12からセンサ装置Esに送信する。また、センサ装置Esから送信された測定データを第2無線通信部142が受信した場合、当該測定データを第1プロトコルに変換することによって転送データを構築し、制御装置Ctに送信する。具体的な例を挙げると、無線通信モジュール14は、センサ装置Esからの測定データが第2プロトコルを用いた通信であることを通信データ中のプロトコルフラグから検出する。次いで、第2プロトコルに応じた手順で所定の処理を行って第2無線通信部142によって受信する。そして、測定データを第1プロトコルを用いた通信のデータ形式に変換することで転送データを構築し、無線通信ネットワークCn1で隣接する照明装置Lに転送する。なお、転送データの構築は、新規の転送データを生成する処理を含む。また、転送データの構築は、予め用意された複数の転送データから条件に合致する等の転送データを選択する処理を含む。以降の説明において、特段の記載がない限り、転送データの構築は、これらの処理を含むものとして用いられる。
【0028】
電源部15は、光源部11、制御部12および無線通信モジュール14等に動作に必要な電力を供給するためのものである。電源部15は、たとえば商用の交流100Vまたは200V電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータとしての機能や、変圧機能等を有する。
【0029】
〔制御装置Ct〕
制御装置Ctは、複数の照明装置L1~Lnの点灯制御や複数のセンサ装置Esの測定制御を行うものである。制御装置Ctは、複数の照明装置L1~Lnが設置されている建物(倉庫等)と同じ建物に設置されていてもよいし、別の建物に設置されていてもよい。本実施形態においては、
図8に示すように、制御装置Ctは、複数の照明装置L1~Lnとともに、店舗内に配置されている。制御装置Ctと複数の照明装置L1~Lnとがある程度離れている場合、制御装置Ctと複数の照明装置L1~Lnとは、無線通信だけでなく、有線通信と無線通信とを利用して互いに通信する構成であってもよい。なお、管理システムA1は、少なくとも1つの制御装置Ctを備えていればよく、他の構成において複数の制御装置Ctを備えていてもよい。なお、本実施形態の制御装置Ctは、複数の照明装置Lとの双方に通信可能である。
【0030】
図3は、制御装置Ctのブロック図である。本実施形態においては、制御装置Ctは、表示部21、制御部22、記憶部23、無線通信部24および電源部25を備える。
【0031】
表示部21は、後述する管理システムA1の管理方法においては、必ずしも必要ではないが、制御装置Ctの初期設定やメンテナンス等に用いられる。表示部21は、たとえば液晶ディスプレイ等であり、さらにタッチパネル機能を有してもよい。また、表示部21がタッチパネルとして機能することに代えて、制御装置Ctは、たとえばキーボードやマウス等の操作デバイスを別途備えていてもよい。
【0032】
制御部22は、複数の照明装置L1~Lnの点灯制御や複数のセンサ装置Esの測定制御を行う主要な構成要素であり、制御装置Ctの各部を制御するためのものである。たとえば、制御部22は、無線通信部24が設定装置CLから受信した指示信号に基づいて、対象とする照明装置Lへ制御信号を送信するように、無線通信部24に制御信号を伝達する。制御部22の具体的構成は特に限定されず、たとえばCPUからなる。記憶部23は、制御部22の制御に必要なプログラムや設定条件等の情報を記憶するためのものであり、たとえば半導体メモリやハードディスクドライブ等からなる。
【0033】
また、制御装置Ctは、センサ装置Esの測定データについて、異常の有無を判定してもよい。
【0034】
無線通信部24は、複数の照明装置L1~Lnの無線通信モジュール14の第1無線通信部141と無線通信を行うためのものである。無線通信部24の周波数帯や準拠する無線通信の規格は、上述の第1プロトコルを用いた無線通信である。無線通信部24は、たとえば、制御部22から複数の照明装置L1~Lnへの制御信号を送信する。また、複数のセンサ装置Esへの測定要求信号を送信する。あるいは、設定装置CLから送信される指示信号を受信する。受信した指示信号は、制御部22に伝達される。なお、
図1に示す例においては、制御装置Ctは、Wi-Fi(登録商標)等によってユーザ端末Utと通信可能であり、ユーザ端末Utを介してインターネットItに接続されている。
【0035】
電源部25は、表示部21、制御部22および無線通信部24等に動作に必要な電力を供給するためのものである。電源部25は、たとえば商用の交流100Vまたは200V電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータとしての機能や、変圧機能等を有する。
【0036】
制御装置Ctは、複数の照明装置Lの灯具IDや複数のセンサ装置Esの機器IDを保有しており、これらがたとえば記憶部43に記憶されている。制御装置Ctが保有する灯具IDや機器IDは、照明装置Lが保有する灯具IDとしてのMACアドレスやセンサ装置Esが保有する機器IDとしてのMACアドレスでもよいし、これらのMACアドレスと対応付けされた別の灯具IDや機器IDであってもよい。
【0037】
尚、制御装置Ctは、後述するように、インターネットIt等の公衆ネットワークを介して、ユーザ端末Utを介さずにクラウド(設定装置CL)に測定データを送信することとしてもよい。このような構成は、携帯電話回線網(LTE)やLAN回線に制御装置Ctが接続されることで実現することができる。
【0038】
なお、管理システムA1内に時計ユニット(図示略)を別途配置してもよい。この時計ユニットは、FM電波を受信し、無線通信ネットワークCn1を介して時間情報を制御装置Ctに送信する。制御装置Ctから各照明装置Lや各センサ装置Esに送信されるデータには、この時間情報を付与する。各照明装置Lや各センサ装置Esは受信した時計情報をもとにそれぞれの時刻をカウントする。これにより、管理システムA1を構成する機器や装置の時刻をより正確に合わせることができる。
【0039】
〔設定装置CL〕
設定装置CLは、たとえば商用クラウドサービス等によって構築されており、制御部61、記憶部62および通信部63を有する。ただし、本発明の設定装置は、クラウド上に構築された例に限定されず、たとえば制御装置Ctやユーザ端末Utとは異なる場所に設置されたサーバ機器であってもよい。
【0040】
制御部61は後述の設定装置CLの動作を制御するものであり、たとえばCPU等が用いられる。
【0041】
記憶部62は、管理システムA1における後述の指定情報や予め用意された設定コマンド等を保存するものであり、半導体メモリ、ハードディスク等が用いられる。
【0042】
通信部63は、公衆ネットワーク(たとえばインターネットIt)を介して、制御装置Ct、ユーザ端末Ut、管理端末Mtと通信を行うものであり、有線通信および無線通信のいずれかまたは双方が可能である。
【0043】
設定装置CLは、たとえば制御装置Ctから送信された測定データを記憶部62に記憶する。また、設定装置CLは、センサ装置Esからの測定データに基づいて異常の有無を判定する。また、設定装置CLは、後述の異常通知および確認通知の電子メールをユーザ端末Utに送信する機能を有していてもよい。
【0044】
〔センサ装置Es〕
センサ装置Esは、様々な対象物の物理量を検出するものであり、たとえば、温度センサ、湿度センサ、人感センサ、二酸化炭素濃度センサ等として機能するものである。複数のセンサ装置Esの設置箇所は何ら限定されず、天井、壁面、床面等の種々の箇所や、屋内および屋外に設置された各種機器に取り付けられ、あるいは内蔵される。以降の説明においては、センサ装置Esの一般的な構成を述べる場合にセンサ装置Esと称するとともに、複数のセンサ装置Esを区別する場合にセンサ装置Es1、・・・センサ装置Esn等の符号を適宜用いる場合がある。
図1における複数のセンサ装置Es1~Esnは、それぞれの構成が同一であってもよいし、互いの一部が共通していてもよいし、互いに異なる構成、異なる形態であってもよい。以降の説明においては、特段の記載がない限り、複数のセンサ装置Es1~Esnが同一の構成である場合を例に説明する。また、本実施形態においては、
図8に示すように、センサ装置Esが店舗内に設置されたショーケースScに取り付けられた温度センサとして機能する場合を例に説明する。ショーケースScは、センサ装置Esが物理量を測定する対象物の一例である。本発明における対象物は、種々の装置、機器、物体、所定空間等が含まれる概念であり、何ら限定されない。
【0045】
センサ部41は、センサ装置Esの環境に関する物理量を測定する機能を果たすものである。本実施形態のセンサ部41は、温度センサおよび湿度センサである。センサ部41の測定原理は何ら限定されない。
【0046】
制御部42は、センサ装置Esの各部を制御するためのものである。制御部42の具体的構成は特に限定されず、たとえばCPUからなる。記憶部43は、制御部42の制御に必要なプログラムや設定条件等の情報を記憶するためのものであり、たとえば半導体メモリ等からなる。
【0047】
無線通信部44は、対応する照明装置Lと上述した第2プロトコルを用いた無線通信を行うためのものである。
【0048】
本実施形態においては、センサ装置Esが固有の機器IDを有する。機器IDの具体例は何ら限定されず、たとえばMAC(Media Access Control)アドレスが用いられる。なお、機器IDは、無線通信部44に記憶されていてもよいし、たとえば記憶部43に記憶されていてもよい。
【0049】
電源部45は、センサ部41、制御部42および無線通信部44等に動作に必要な電力を供給するためのものである。電源部45は、たとえば商用の交流100Vまたは200V電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータとしての機能や、変圧機能等を有するもの、あるいは充電可能なバッテリーである。
【0050】
無線通信部44は、対応する照明装置Lから受信した後述の設定コマンドが、自機器の機器IDを含む場合、当該設定コマンドを制御部42に送信する。制御部42は、設定コマンドにしたがって送信周期を設定する。また、制御部42は、測定要求をセンサ部41に送信する。センサ部41は測定の結果得られた測定値を制御部42に出力する。制御部42は、機器ID、測定値、測定時刻(タイムスタンプ)等を含む測定データを構築し、無線通信部44から送信周期に応じて送信する。なお、測定データの構築は、制御部42がプログラムを実行することにより新規の測定データを生成する処理を含む。また、測定データの構築は、たとえば予め用意された複数の測定データが記憶部43に記憶されており、これらの測定データから条件に合致する等の測定データを制御部42が選択する処理を含む。以降の説明において、特段の記載がない限り、測定データの構築は、これらの処理を含むものとして用いられる。
【0051】
センサ装置Esのセンサ部41が測定を行う測定周期は、たとえば設定装置CLから送信される測定周期設定に基づいて設定される。あるいは、センサ装置Esの初期設定時に、測定周期が設定され、この初期に設定された測定周期で、センサ部41が測定を行ってもよい。
【0052】
〔ユーザ端末Ut〕
ユーザ端末Utは、たとえば
図8に示すように、管理システムA1が用いられる店舗のバックヤード等に設置され、当該店舗の店員等が操作する端末である。ユーザ端末Utは、たとえばタブレット端末、PC等である。
【0053】
図6は、ユーザ端末Utのブロック図である。本実施形態においては、ユーザ端末Utは、表示部31、制御部32、記憶部33、通信部35および電源部36を備える。
【0054】
表示部31は、ユーザ端末Utの操作等に必要な情報や画像を表示するためのものである。表示部31は、たとえば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイである。また、31は、タッチパネル機能を有していてもよい。なお、表示部31がタッチパネルとして機能することに代えて、ユーザ端末Utは、たとえばキーボードやマウス等の操作デバイスを別途備えていてもよい。
【0055】
制御部32は、ユーザ端末Utの各部を制御するためのものである。制御部32の具体的構成は特に限定されず、たとえばCPUからなる。記憶部33は、制御部32の制御に必要なプログラムや設定条件等の情報を記憶するためのものであり、たとえば半導体メモリやハードディスクドライブ等からなる。
【0056】
通信部35は、公衆ネットワーク(たとえばインターネットIt)を介して、たとえば設定装置CLと相互通信可能である。その場合に、設定装置CLに記憶されている測定データをユーザ端末Utからの操作によって確認することが可能である。また、通信部35は、たとえば制御装置Ctとの間で2.4GHzの独自プロトコルによる無線通信が可能である。
【0057】
電源部36は、表示部31、制御部32および通信部35等に動作に必要な電力を供給するためのものである。電源部36は、たとえば充電可能なバッテリーである。
【0058】
〔管理端末Mt〕
管理端末Mtは、たとえば
図8に示すように、センサ装置Es、複数の照明装置L、制御装置Ctおよびユーザ端末Utが配置された店舗等とは離れた位置に配置されており、たとえば管理システムA1を提供する企業内に配置されている。管理端末Mtは、管理システムA1を遠隔操作によって管理する端末である。管理端末Mtは、たとえばPC等である。
【0059】
図7は、管理端末Mtのブロック図である。本実施形態においては、管理端末Mtは、表示部51、制御部52、記憶部53、通信部55および電源部56を備える。
【0060】
表示部51は、管理端末Mtの操作等に必要な情報や画像を表示するためのものである。表示部51は、たとえば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイである。
【0061】
制御部52は、管理端末Mtの各部を制御するためのものである。制御部52の具体的構成は特に限定されず、たとえばCPUからなる。記憶部53は、制御部52の制御に必要なプログラムや設定条件等の情報を記憶するためのものであり、たとえば半導体メモリやハードディスクドライブ等からなる。
【0062】
通信部55は、公衆ネットワーク(たとえばインターネットIt)を介して、たとえば設定装置CLと相互通信可能である。その場合に、設定装置CLに記憶されている測定データを管理端末Mtからの操作によって確認することが可能である。また、通信部55は、異常通知のメールや、確認通知のメールをユーザ端末Utに送信する。
【0063】
電源部56は、表示部51、制御部52および通信部55等に動作に必要な電力を供給するためのものである。電源部56は、たとえば充電可能なバッテリーである。
【0064】
管理端末Mtは、後述の異常通知および確認通知の電子メールをユーザ端末Utに送信する機能を有していてもよい。
【0065】
なお、ユーザ端末Utの制御部32または管理端末Mtの制御部52に特定のプログラムを実行させることで、管理システムA1における異常通知、確認通知などをユーザ端末Utの表示部31または管理端末Mtの表示部51に表示することができる。また、管理端末Mtという専用の端末を設置する概念に限定されず、他の汎用の端末にインストールされるアプリが、管理システムA1の管理端末Mtとして機能してもよい。
【0066】
図8は、管理システムA1の配置例を示している。同図に示す配置例においては、スーパーマーケット等の店舗内に、複数の照明装置L1~Ln、複数のセンサ装置Esおよび制御装置Ctが配置されている。複数のセンサ装置Esは、ショーケースScに取り付けられており、ショーケースScの庫内温度を測定する。ユーザ端末Utは、たとえば事務室やバックヤード等の店舗の陳列スペースから離隔した場所に設置される。
【0067】
次に、管理システムA1の動作について、以下に説明する。
【0068】
図9および
図10は、管理システムA1の動作例を示している。
図9のステップS1では、まず制御装置Ctの制御部22がRTC(リアルタイムクロック)機能に基づいて、現在時刻を確認する。現在時刻が測定時刻になっていることを確認すると、制御部22は、測定促進コマンドを無線通信部24からセンサ装置Esに送信する。測定促進コマンドは、センサ装置Esに温度測定を促すコマンドである。測定促進コマンドは、無線通信ネットワークCn1において第1プロトコルに基づく転送データとされて、複数の照明装置Lを中継される。照明装置L1が転送データを受信すると、転送データに含まれる測定促進コマンドが、近隣に設置されたセンサ装置Es1が対象に含まれていることを認識する。照明装置L1の制御部12は、転送データを第2プロトコルに変換し、無線通信モジュール14の第2無線通信部142から第2プロトコルでセンサ装置Es1に送信する。
【0069】
ステップS2では、センサ装置Es1の無線通信部44が測定促進コマンドを受信すると、制御部42は、センサ部41によってショーケースScの庫内温度を測定し、測定データを取得する。制御部42は、測定データを無線通信部44から制御装置Ctに第2プロトコルで送信する。送信された測定データは、照明装置L1において、第1プロトコルに基づく転送データに変換される。この転送データは、照明装置L1から複数の照明装置Lを経由して、制御装置Ctに第1プロトコルで転送される。
【0070】
ステップS3では、測定データを含む転送データを制御装置Ctの無線通信部24が受信する。制御部22は、受信した転送データに含まれる測定データを記憶部23に記憶する。制御部22は、測定データについて異常の有無を判定する。制御部22による異常の有無の判定は、たとえば
図4に示すショーケースScの設定温度範囲と、食品の保管温度と、に基づいて判定する。たとえば、ショーケースScが冷凍ケースの場合、同図(a)に示すケース上限温度TU1およびケース下限温度TL1を基準として用いる。また、対象商品が冷凍食品群である場合、同図(c)の冷凍食品群の保管温度を基準として用いる。判定の結果、異常の有無を表す判定結果を無線通信部24から送信する。本実施形態においては、送信された判定結果は、たとえばWi-Fi(登録商標)を用いて、ユーザ端末Utの通信部35が受信する。ユーザ端末Utの制御部32は、受信した判定結果を、たとえばインターネットItを介して設定装置CLおよび管理端末Mtのいずれかまたは双方に送信する。なお、本例とは異なり、測定データについての異常の有無の判定は、設定装置CLが行ってもよい。
【0071】
図9におけるステップS4では、設定装置CLの通信部63または管理端末Mtの通信部55が、判定結果を受信する。ステップS5では、設定装置CLまたは管理端末Mtは、異常通知と確認通知とを、ユーザ端末Utに送信する。異常通知は、判定結果に基づいて測定データに異常があると判定された場合に、異常の内容を示す通知である。確認通知は、ユーザ端末Utの使用者に、異常通知を確認したことの回答を要求するものである。尚、異常通知と確認通知は、別々のメール、音声データなどで構成してもよいし、一のメール、音声データに異常の内容及び異常通知を確認したことの回答を要求する内容を表示したものであってもよい。一のメールに各内容を記載しているパターンであれば、使用者が各メールを確認する手間を省くことができる。
【0072】
ここで、
図11~
図13は、設定装置CLまたは管理端末Mtが、受信した判定結果に基づいて行う処理の一例を示している。これらの処理は、設定装置CLの制御部61または管理端末Mtの制御部52で、たとえばタイマー割り込みなどのルーチン処理の一環として行われる。
【0073】
図11は、リマインド機能フラグをONに設定する処理を示している。ステップS91で異常結果を受信したかを確認する。異常結果を受信していない場合(ステップS91:No)、ステップS91を再び実行する。異常結果を受信した場合(ステップS91:Yes)、異常通知に対応する確認回答が、設定装置CLの記憶部62または管理端末Mtの記憶部53に記憶されているかを確認する。確認回答が記憶されていない場合(ステップS92:No)、リマインド機能のフラグをONに設定する(ステップS93)。一方、確認回答が記憶されている場合(ステップS92:Yes)、ステップS93を実行せずに終了する。
【0074】
図12は、リマインド機能フラグをOFFに設定する処理を示している。ステップS81では、異常通知に対応する確認回答が、設定装置CLの記憶部62または管理端末Mtの記憶部53に記憶されているかを確認する。確認回答が記憶されている場合(ステップS81:Yes)、リマインド機能のフラグをOFFに設定する(ステップS82)。
【0075】
図13は、リマインド設定の解除を求めるかの確認処理を示している。ステップS101で、判定の結果、異常があると判定された場合(ステップS101:Yes)、ステップS102で、リマインド機能のフラグがONであるかを確認する。リマインド機能のフラグがONである場合(ステップS102:Yes)、設定装置CLまたは管理端末Mtは、異常通知および確認通知の電子メールをユーザ端末Utに送信する(ステップS103)。一方、ステップS102でリマインド機能のフラグがOFFである場合(ステップS102:No)、ステップS103の電子メールは送信しない。
【0076】
図9においては、ステップS4に続いて、ステップS5で、設定装置CLまたは管理端末Mtが異常通知および確認通知の電子メールをユーザ端末Utに送信する。ステップS6でユーザ端末Utが異常通知および確認通知の電子メールを受信する。
【0077】
ステップS7では、設定装置CLまたは管理端末Mtが、確認回答の有無を確認する(ステップS92に相当)。ステップS8で確認回答がない場合(ステップS92:Noに相当)、ステップS9でリマインド機能のフラグをONに設定する(ステップS93に相当)。ステップS10で異常結果を受信すると(ステップS101:Yesに相当)、設定装置CLまたは管理端末Mtが異常通知および確認通知の電子メールをユーザ端末Utに送信する(ステップS102:Yes、ステップS103に相当)。これにより、ユーザ端末Utは、ステップS6に続き、ステップS12で異常通知および確認通知の電子メールを受信する。
【0078】
この後に、たとえばステップS13~ステップS17のように、ステップS7~ステップS11と同じ状態が維持されると、ステップS17で、設定装置CLまたは管理端末Mtが異常通知および確認通知の電子メールをユーザ端末Utに送信する。
【0079】
ステップS18で、ユーザ端末Utは、ステップS12で異常通知および確認通知の電子メールを受信する。たとえば、この電子メールをユーザ端末Utの使用者が確認すると、この使用者は、ユーザ端末Utから確認回答の電子メールを、設定装置CLまたは管理端末Mtに送信する(ステップS19)。ステップS20では、設定装置CLまたは管理端末Mtが、確認回答の有無を確認する(ステップS92に相当)。ステップS21で確認回答があることを確認すると(ステップS92:Yes、ステップS81:Yesに相当)、ステップS22でリマインド機能のフラグをOFFに設定する(ステップS82に相当)。これにより、設定装置CLまたは管理端末Mtは、異常通知の電子メールの送信を停止する(ステップS102:Noに相当)。
【0080】
図14~
図16は、管理システムA1の動作の他の例を示している。
図14のステップS1~ステップS9は、
図9のステップS1~ステップS9と同様である。本例では、設定装置CLおよび管理端末Mtにおいて、
図16に示す処理が、
図13に示す処理に変えて、たとえばタイマー割り込みなどのルーチン処理の一環として行われる。
【0081】
図16に示すリマインド設定の解除を求めるかの確認処理では、ステップS101で異常と判定された場合(ステップS101:Yes)、ステップS102でリマインド機能のフラグを確認する。リマインド機能のフラグがONである場合(ステップS102:Yes)、ステップS103で異常通知および回答要求の電子メールを送信する。次いで、ステップS104では、たとえば予め設定された所定時間が経過したかを判断する。所定時間が経過した場合(ステップS104:Yes)、再びステップS102を実行する。ここで、リマインド機能のフラグがONであると(ステップS102:Yes)、ステップS103を実行する。
【0082】
図16に示す処理が採用されているため、
図14において、ステップS10で異常通知および確認通知の電子メールが送信され、ユーザ端末Utが異常通知および確認通知の電子メールを受信する(ステップS11)。この後、
図15のステップS12~ステップS14を経て、ステップS15にて所定時間が経過したかを確認する(S104に相当)。所定時間が経過したことを確認すると(S104:Yes)、設定装置CLまたは管理端末Mtは、異常通知および確認通知の電子メールをユーザ端末Utに送信する(ステップS16)。ステップS18で異常通知および確認通知の電子メールをユーザ端末Utで受信し、確認回答の電子メールを送信すると(ステップS19)、
図10のステップS20~ステップS23と同様に、ステップS20~ステップS23が実行される。
【0083】
次に、管理システムA1の作用について説明する。
【0084】
本実施形態によれば、
図9および
図10に示すように、ステップS9でリマインド機能がONに設定されると、ステップS10、ステップS16で異常結果を受信する毎に、設定装置CLまたは管理端末Mtから異常通知および回答要求の電子メールが送信される(ステップS11、ステップS17)。これにより、ユーザ端末Utの使用者は、異常通知および回答要求の電子メールを繰り返し受信する(ステップS12、ステップS18)。したがって、ショーケースSc等に異常が生じている場合に、使用者がより適切に異常を認識することが可能であり、使用者が異常に気づかない事態や、異常を解消するために十分な対処がなされていない事態等を抑制することができる。
【0085】
また、
図14~
図16に示す動作例によれば、リマインド機能がONである場合に、異常通知を重ねて受信しなくても、所定時間が経過していれば(ステップS15)、異常通知および確認通知の電子メールが繰り返し送信される。したがって、使用者がより適切に異常を認識することができる。なお、
図9~
図13に示す動作と、
図14~
図16に示す動作は、管理システムA1において、いずれかを選択して実行してもよいし、双方を組み合わせて動作させてもよい。
【0086】
図17~
図20は、本発明の変形例および他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。また、各変形例および各実施形態における各部の構成は、技術的な矛盾を生じない範囲において相互に適宜組み合わせ可能である。
【0087】
<第1実施形態 第1変形例>
図17は、管理システムA1の第1変形例を示している。本変形例の管理システムA11においては、制御装置Ctが、ユーザ端末Utを介さずにインターネットItに直接通信可能である。本変形例の場合、制御装置Ctは、たとえば店舗内に設置されたルータおよび通信HUBを介して、インターネットItに接続される。あるいは、制御装置Ctは、たとえば携帯電話回線網を介して、インターネットItに接続される構成であってもよい。
【0088】
本変形例から理解されるように、制御装置CtとインターネットItとの具体的な接続形態は、何ら限定されない。
【0089】
<第2実施形態>
図18は、本発明の第2実施形態における管理システムの動作を示している。本実施形態においては、
図9におけるステップS1~ステップS6と同様のステップS1~ステップS6が実行され、ステップS7において、ユーザ端末Utの使用者が異常通知および確認通知の電子メールを確認し、確認回答の電子メールを設定装置CLまたは管理端末Mtに送信している。
図10のステップS20~ステップS22と同様に、
図18の第2実施形態では、ステップS8~ステップS10を実行する。ただし、ステップS10でリマインド機能のフラグをOFFに設定した後に、ステップS11で設定装置CLまたは管理端末Mtが、異常通知の電子メールをユーザ端末Utに送信する点が、上述した第1実施形態と異なっている。このため、ステップS12では、ユーザ端末Utが異常通知の電子メールを受信する。
【0090】
本実施形態によっても、より適切に異常を認識することができる。また、ユーザ端末Utの使用者が、確認回答の電子メールを送った場合であっても、異常通知の電子メールを送信する処理を冗長的に実行する(ステップS11)。これにより、使用者が異常通知および確認通知を十分に認識していない状態で、誤操作等によってステップS7の確認回答の電子メールが送信されてしまった場合等に、ステップS12で異常通知の電子メールを受信することにより、さらに確実に異常を認識することができる。
【0091】
図19は、制御装置Ctまたは設定装置CLが、異常通知を送信する時間間隔を設定する設定方法の一例を示している。同図においては、ショーケースScが冷凍ケースである場合(
図4(a)の場合)であり、対象商品がアイスクリームの保管温度(
図4(c))が採用されている。
図19(a)では、センサ装置Esによる検出温度Tsは、-20℃である。この場合、検出温度Tsは、ケース下限温度TL1(-25℃)とケース上限温度TU1(-10℃)の間の値であり、ショーケースScが正常に動作していると推定される。一方、検出温度Tsは、食品上限温度TU2よりも高い値である。すなわち、この検出温度Tsは、ショーケースScの庫内温度としては正常な範囲にあり、対象商品であるアイスクリームの保管温度としては不適である。この場合、ショーケースScの冷却機能によって、検出温度Tsは、適正な保管温度に是正されることが期待される。このため、異常通知を送信する時間間隔は、たとえば20分程度に設定される。
【0092】
次に、
図19(b)では、検出温度Tsが-26℃である。この検出温度Tsは、アイスクリームの保管温度としては適正であるが、ケース下限温度TL1を下回っている。このため、ショーケースScに何らかの異常(故障)が生じている可能性がある。したがって、この場合、異常通知を送信する時間間隔は、たとえば上述の20分よりも短いたとえば10分に設定される。
【0093】
次に、
図19(c)では、検出温度Tsが-9℃である。この検出温度Tsは、食品上限温度TU2よりも高く、さらにケース上限温度TU1よりも高い。この場合、ショーケースScが正常に動作しておらず、対象商品であるアイスクリームの温度が適正な保管温度からすでに逸脱していると推定される。このような事態は、早急に改善される必要があり、使用者に早急に異常を知らせる必要があるため、異常通知を送信する時間間隔は、たとえば上述の10分よりも短いたとえば3分に設定される。
【0094】
このような時間間隔の設定例によれば、センサ装置Esによる検出温度Tsと、ケース下限温度TL1、食品上限温度TU2および食品上限温度TU2等とを比較することにより、対象商品の温度が不適である場合、ショーケースScの動作が不適である場合、対象商品の温度およびショーケースScの動作の双方が不適である場合、のように異常の程度に重み付けを行って、時間間隔を設定することが可能である。これにより、異常通知がいたずらに頻繁に送信されることを回避しつつ、重大な異常が懸念される場合に、より高い頻度で異常通知を送信することができる。
【0095】
図20は、制御装置Ctまたは設定装置CLが、異常通知を送信する時間間隔を設定する設定方法の他の例を示している。本例においては、あるセンサ装置Esでの検出温度Tsについて、ケース下限温度TL1、ケース上限温度TU1および食品上限温度TU2との関係で、どのような異常状態であるかを場合分けして記憶可能である。すなわち、(a)の2022/1/1に、検出温度Tsがケース下限温度TL1を下回る異常が生じると、制御装置Ctまたは設定装置CLは、この異常が生じたことを記憶する。(a)で生じた当該異常が初回である場合、異常通知を送信する時間間隔は、たとえば上述の20分よりも短いたとえば10分に設定される。
【0096】
次に、(b)の2022/1/4に検出温度Tsがケース下限温度TL1を下回る異常が再び生じている。この場合、制御装置Ctまたは設定装置CLは、当該異常が2回目であることを認識し、(a)以降に異常の原因が是正されていないと想定される。したがって、異常通知を送信する時間間隔は、たとえば上述の10分よりも短いたとえば3分に設定される。
【0097】
さらに、(c)の2022/1/5に検出温度Tsがケース下限温度TL1を下回る異常が再び生じている。この場合、制御装置Ctまたは設定装置CLは、当該異常が3回目であることを認識し、(a)以降に異常の原因が是正されていないか、(b)以降に異常の原因が是正されたにも関わらず、同様の異常が再発したと想定される。したがって、異常通知を送信する時間間隔は、たとえば上述の10分よりも短いたとえば3分に設定される。
【0098】
このような時間間隔の設定によれば、ショーケースScに同様の異常が複数回発生した場合に、初回の発生時よりも2回目の発生時、さらに2回目の発生時よりも3回目の発生時に、時間間隔を段階的に短く設定することが可能である。これにより、同様の異常が繰り返し発生する事態が、長期間に亘って放置されてしまうことを回避することができる。
【0099】
本発明に係る管理システムおよび管理方法は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る管理システムおよび管理方法の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0100】
A1,A11:管理システム
11 :光源部
12 :制御部
13 :記憶部
14 :無線通信モジュール
15 :電源部
21 :表示部
22 :制御部
23 :記憶部
24 :無線通信部
25 :電源部
31 :表示部
32 :制御部
33 :記憶部
35 :通信部
36 :電源部
41 :センサ部
42 :制御部
43 :記憶部
44 :無線通信部
45 :電源部
51 :表示部
52 :制御部
53 :記憶部
55 :通信部
56 :電源部
61 :制御部
62 :記憶部
63 :通信部
141 :第1無線通信部
142 :第2無線通信部
CL :設定装置
Cn1 :無線通信ネットワーク
Ct :制御装置
Es,Es1,Esn:センサ装置
HUB :通信
It :インターネット
L,L1,Ln:照明装置
Mt :管理端末
Sc :ショーケース
TL1 :ケース下限温度
TU1 :ケース上限温度
TU2 :食品上限温度
Ts :検出温度
Ut :ユーザ端末