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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023122181
(43)【公開日】2023-09-01
(54)【発明の名称】遊技場用システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20230825BHJP
【FI】
A63F7/02 350Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022025716
(22)【出願日】2022-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】小島 紹広
(72)【発明者】
【氏名】衣斐 大祐
(72)【発明者】
【氏名】内藤 慎之介
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088CA23
2C088CA27
(57)【要約】
【課題】遊技性を十分に把握していない遊技者が興趣を高めた上で遊技可能とする。
【解決手段】情報表示装置は、対応する遊技機が遷移可能な複数の遊技状態を示すゲームフロー情報の表示を可能とし、その表示における遊技状態の内、遊技機から送信される遊技信号により特定される遊技状態が何れの遊技状態に対応するかを示す現況情報を表示するので、遊技性を今一歩把握していない遊技者が興趣を高めた上で遊技可能となる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の遊技機が設置された遊技場における遊技場用システムであって、
遊技機側から出力される遊技信号に基づいて、当該遊技機における遊技状態を特定する遊技状態特定手段と、
遊技機に対応して設けられ、当該遊技機での遊技の進行に伴う遊技状態間の遷移を示すゲームフロー情報を遊技者向けに表示可能な表示手段と、を備え、
前記表示手段は、前記ゲームフロー情報を表示する場合に、当該ゲームフロー情報に示される複数の遊技状態の内、前記遊技状態特定手段により特定される遊技状態が何れの遊技状態に対応するかを示す現況情報を表示可能である遊技場用システム。
【請求項2】
前記ゲームフロー情報に示される複数の遊技状態の内、遷移元と遷移先となる遊技状態を対応付ける対応付手段を備え、
前記表示手段は、前記ゲームフロー情報において前記現況情報に対応する遊技状態を遷移元として、遷移先となる遊技状態に関する遷移情報を表示可能である請求項1に記載の遊技場用システム。
【請求項3】
前記表示手段は、前記遊技状態特定手段により特定される遊技状態が、前記ゲームフロー情報における複数の遊技状態に対応する場合、それらの遊技状態を特定可能な現況情報を表示可能である請求項1又は2に記載の遊技場用システム。
【請求項4】
前記遊技状態として、遊技機における通常状態と、この通常状態よりも遊技者にとって有利な特別状態であって当該通常状態から遷移した新たな特別状態である初特別状態と、この初特別状態の後、通常状態とは異なる他の遊技状態を介して連続的に遷移する連荘中の特別状態と、を含み、
前記表示手段は、前記ゲームフロー情報を表示する場合、前記初特別状態を1つの遊技状態として表示する一方、前記連荘中において連続的に遷移する特別状態と他の遊技状態とを1つの連荘特別状態としてまとめて表示する請求項1から3の何れか一項に記載の遊技場用システム。
【請求項5】
前記表示手段は、前記遊技状態が遷移したこと、及び遊技者による操作を受付けたことの少なくとも一方に応じて、前記現況情報を表示する請求項1から4の何れか一項に記載の遊技場用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場に設置される遊技機には、例えば天井や小当りRUSHといったように複雑な機能を有したものも少なくなく、遊技者は遊技性を理解した上で遊技することが望ましいが、係る複雑な遊技性を事前に把握した遊技者ばかりではないため、遊技を十分に楽しめない虞がある。
このような事情に鑑み例えば特許文献1では遊技機に撮影用の画像を表示させ、その画像を遊技者が所有する携帯端末にて撮像させ、その携帯端末に遊技性に関する情報を表示することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-97610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の特許文献1に示されるような機能が遊技機側に設けられていたとしても、携帯端末を取り出して撮像するといったことを面倒に感じて利用しない遊技者もいれば、そのような携帯端末を持合わせていない遊技者もおり、年配者に代表されるそのような遊技者こそ、事前に遊技性を把握していないことが多く、当該遊技者に対して適切に遊技性を把握させることが必要視されている。
一方で、遊技機は例えば大当りや確変状態といった複数の遊技状態に遷移し、遊技状態に応じて有利度合いが異なっていることから、現状の遊技状態がどの程度有利な遊技状態なのかを把握することで遊技の興趣を高められるが、同特許文献1の図13のようにただただ遊技性を示す情報を表示するだけでは、表示されている情報が現在の遊技状態とどのように対応しているかを把握できないことから興趣を高めることが今一歩難しいものとなっていた。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、遊技性を十分に把握していない遊技者が興趣を高めた上で遊技可能な遊技場用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、複数の遊技機が設置された遊技場における遊技場用システムであって、
遊技機側から出力される遊技信号に基づいて、当該遊技機における遊技状態を特定する遊技状態特定手段(例えば情報表示装置3)と、遊技機に対応して設けられ、当該遊技機での遊技の進行に伴う遊技状態間の遷移を示すゲームフロー情報(例えば図4に示す複数の遊技状態の区分領域Fr及びそれら区分領域Fr間で遷移方向を示す矢印Arを含む情報)を遊技者向けに表示可能な表示手段(例えば情報表示装置3)と、を備え、前記表示手段は、前記ゲームフロー情報を表示する場合に、当該ゲームフロー情報に示される複数の遊技状態の内、前記遊技状態特定手段により特定される遊技状態が何れの遊技状態に対応するかを示す現況情報(例えば図4に示す「今ココ!」との文字表示領域Gr)を表示可能である。
【0007】
上記構成によれば、対応する遊技機が遷移可能な複数の遊技状態を示すゲームフロー情報の表示を可能とし、その表示における遊技状態の内、遊技機から送信される遊技信号により特定される遊技状態が何れの遊技状態に対応するかを示す現況情報を表示するので、遊技性を今一歩把握していない遊技者が興趣を高めた上で遊技可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態を示す遊技場用システムの概略図
図2】情報表示装置の正面図
図3】情報表示装置を中心に示す電気的ブロック図
図4】情報表示装置に表示されるゲームフロー情報を例示する図(その1)
図5】情報表示装置に表示されるゲームフロー情報を例示する図(その2)
図6】遊技状態各々の遷移先及びその特定条件を例示する説明図
図7】情報表示装置に表示される突入時演出画面を例示する図
図8】情報表示装置に表示される特別状態画面を例示する図
図9】管理装置にて作成されるゲームフローの作成用画面を例示する図
図10】第2実施形態におけるゲームフロー情報を例示する図
図11】第3実施形態におけるゲームフロー情報を例示する図
図12】第4実施形態におけるゲームフロー情報を例示する図
図13】第5実施形態におけるRUSH条件の設定を例示する説明図
図14】情報表示装置に表示されるRUSH突入演出画面を例示する図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場用システムの全体構成を示す概略図である。遊技場内には多数の遊技機1が設置されており、それら遊技機1各々と1対1で対応して、遊技装置2及び情報表示装置3が付設されている。遊技機1、遊技装置2及び情報表示装置3は、2台ずつ中継装置4に接続され、中継装置4は、LAN5を介して管理装置6と接続されている。管理装置6は、遊技機1における遊技状況を示す遊技情報を受信することにより、遊技機1毎に遊技情報を管理する。また、遊技場にはPOSや残高精算機(何れも図示略)も設置されており、これらPOSや残高精算機も、LAN5を介して管理装置6と接続されている。なお、図1では図示を省略したが、実際には例えば数百台の遊技機1が管理装置6の管理対象となっている。
【0010】
管理装置6は、遊技場内の例えば事務室などに設置されており、遊技場の管理者が操作するキーボード7、モニタ8が接続されると共に、図示しないマウスやプリンタ等が接続されている。管理装置6は、遊技機側(遊技機1、遊技装置2など)から出力される遊技信号を入力することで、遊技機1毎の遊技データを遊技情報として管理する。
また、図1に示すサーバ100は、例えば遊技場外のような本遊技場とは別に設置されており、遊技場の管理装置6は、インターネットやVPN接続等の公衆回線9を介してサーバ100と接続されている。これにより、遊技場の管理装置6は、サーバ100との間で各種信号や各種情報の通信が可能に構成されている。
【0011】
遊技機1は、遊技媒体(遊技価値)を玉とするCR(カードリーダ)パチンコ機であり、盤面1aに玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル10、上受皿11、下受皿12を有し、盤面1aに、液晶表示部13、普図入賞口14、第1始動口15、第2始動口16、大入賞口17を有する。また、遊技機1における上受皿11上面には残高表示部11a、貸出釦11b、返却釦11cを有する。
【0012】
遊技機1は以下に示すように動作する。
(1)第1始動口15は入賞率が変動しない入賞口(所謂ヘソ入賞口)であり、第2始動口16は入賞率が変動する入賞口(所謂電チュー)である。各始動口15,16への入賞(始動入賞)に応じて大当り抽選を行い、抽選結果を液晶表示部13にて行う図柄変動(単位遊技)にて報知し、その変動結果に応じて大当りとなる。
【0013】
(2)図柄変動中に始動入賞した場合には所定の保留上限値(例えば各4つ)まで図柄変動を累積的に保留し、図柄変動終了後に保留している図柄変動を開始する。なお、保留している図柄変動数(保留数)が上限値である状態で始動入賞した場合、図柄変動は保留されず、第2始動口16に保留がある場合は第1始動口15の保留に優先して保留している図柄変動を実行する。
【0014】
(3)大当り抽選の当選確率(大当り確率)は1/310で、大当りがその後確変状態(確変)となる大当り(確変大当り)となる割合である確変率は、ヘソ入賞では50%であるのに対して電チューでは100%である。大当りが発生すると振分けられたラウンド(R)分だけ大入賞口17を開放する。
ここでラウンドは、後述する円グラフ(図2等参照)でも示すように、ヘソ入賞では全てが4Rに振分けられる一方、電チューでは10Rに60%、3Rに40%で振分けられる。なお、1Rの上限入賞数は10個、上限開放時間は30秒であり、上限入賞数または上限開放時間の何れかが満たされた場合に1Rを終了する。
【0015】
(4)確変中は大当り確率が1/70に向上すると共に第2始動口16への入賞率が高くなる時短状態(時短)になる複合時短となり、大当り発生或いは120回の図柄変動が行われるまで継続する所謂STとなる。一方で、確変とならない通常大当りが発生した場合、40回の図柄変動が行われるまで継続する確変ではない時短(単独時短)となり、大当りが発生しなければ、その後、通常状態となる。
【0016】
(5)第2始動口16は普図入賞口14への入賞に応じて変動する普通図柄(普図)が当りとなった場合に入賞率の高い開放状態となる。この場合、普図1回の変動時間は通常状態では30秒であり時短状態では3秒となる。また、開放時間は通常状態では0.3秒であり時短状態では5秒となる。即ち、時短状態では通常状態と比較して普図変動時間が短くなる一方、開放時間は長くなることで第2始動口16の入賞率が高くなる。
【0017】
(6)初期化条件成立(例えば大当り発生やラムクリア)後に所定数(1000回)の図柄変動を行う迄大当りとならなかった場合は所定数(1100回)の図柄変動を行う迄時短(天井時短、天時)となるが、確変にはならないので単独時短となる。ここで、天時を発生させるための図柄変動(天時S)は複合時短も含め確変中は加算対象にならないが、単独時短は確変ではないので加算対象となる。また、大当りが発生しないまま天時が終了した場合、それ以降に再度所定数(1000回)の図柄変動を行っても天時は発生しない。
【0018】
また、大当り抽選同様に突然時短(突時)の抽選も行っており、当選した場合(当選確率=1/500)、1000回の図柄変動を行う迄単独時短となる突時となる。即ち、一旦、突時が発生すれば突時が終了する図柄変動数を得れば天時Sが所定数に達するため、通常状態に戻ることなく天時へ遷移するが、突時の残り図柄変動数に関わらず天時Sが所定数に達した時点から天時が優先して発生する。このような遊技機1以外に、確変中も天時Sの加算対象となるような遊技機や、単独時短が発生しない遊技機、或いは大当り確率が複数設けられ、設定により変更可能な遊技機といった例示した遊技機1以外の遊技機を管理対象としてもよい。
【0019】
遊技機側からは、遊技者による玉の打込みや各始動口15,16への始動入賞等の遊技の進行に伴って、以下の遊技信号を出力する。
・アウト信号=消費玉を回収するアウトBOXから出力される消費価値(アウト)を特定可能な信号(稼動信号)。消費(使用、打込、回収)玉10玉に対して1パルスが出力されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定する。なお、遊技機1から出力される信号でもよい。
【0020】
・セーフ信号=遊技機1から出力される入賞付与価値(セーフ)を特定可能な信号。入賞に応じた払出10玉に対して1パルスが出力されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定する。なお、補給装置から出力される補給信号をセーフ信号としてもよい。また、玉を実際に払い出した際に出力される実セーフ信号と、入賞に応じて払い出しが予約された場合に出力される入賞セーフ信号とがあるが、入賞から出力までのタイムラグを極力省くため後者を採用することが望ましい。
【0021】
スタート信号=遊技機1から出力される始動入賞(S入賞)により変動(作動)する液晶表示部13(役物)におけるスタート処理(図柄変動、役物作動、単位遊技)及びスタート(スタート処理数)を特定可能な信号。図柄変動確定時に出力されるので、信号入力に応じてスタート処理を特定する。なお、始動口15,16へ入賞したことを示すS入賞信号により代用してもよい。
【0022】
・大当り信号=遊技機1から出力される大当り期間を特定可能な信号。大当り中にレベル出力される状態信号なので大当り信号入力中を大当り中として特定する。
・特別状態信号=遊技機1から出力される特別状態(甘中)を特定可能な信号。第2始動口16の入賞率が向上する特別状態中(時短中(複合時短を含む))にレベル出力される状態信号なので、特別状態信号入力中を特別状態中として特定するが、確変であるかは特定不能。なお、別途、大当り確率が向上する確変中にレベル出力される状態信号(確変信号)を出力してもよいが、本実施形態では確変であるかを特定不能な特別状態信号を対象として説明する。また、大当り信号と特別状態信号の何れも入力していない期間を通常状態として特定する。
【0023】
図1に示す遊技装置2は、所謂各台計数機能付の貸出機であり、遊技機1の遊技状態や遊技装置2の状態を示す状態表示灯2a、貨幣が投入される貨幣投入口21、タッチパネル式の表示部22、持玉を払出すための払出釦23、払出された玉が通過する払出ノズル24、一般カード(持玉券)や会員カードといったICカード(図示しない記録媒体)が挿入されるカード挿入口25、遊技機1の下受皿12の下方に位置する計数受皿26等を有する。
【0024】
遊技装置2は、以下に示すように動作する。
(1)貨幣を受付けすると(貨幣受付処理)と、遊技機1と遊技装置2の双方に入金額を残高に加算して表示させる。残高がある状態で遊技機1の貸出釦11bが押下(貸出操作、付与操作)されると、貸出1単位分(例えば500円)の貸出玉(対価付与価値)を遊技機1から払い出させ(対価付与処理)、レートに応じた対価分を残高から引き落とす。貨幣は複数回分の対価付与処理の対応分を受付可能である(例えば1万円まで)。
【0025】
(2)計数玉を受付けした場合は計数玉を持玉として特定し、その持玉を払出釦23の押下に応じて払戻す払戻処理を可能とし、払戻した場合にはその対価分(例えば払戻した玉数と同数)の持玉を減算する。残高や持玉が残存する状態で遊技機1の返却釦11cが押下される(発行操作を受付ける)と、遊技装置2にストックされていた残高や持玉を特定可能な一般カードを発行する。なお、持玉の一部や残高のみを発行対象とする分割発行は説明の簡略化のため不可とするが、可能としてもよい。
【0026】
(3)中継装置4とのシリアル通信(売上信号の受信)により管理装置6にて貨幣受付処理や対価付与処理、残高や持玉、貸出玉数、払戻玉数、入金額、計数玉数や貸出玉数や貸出玉の対価となる売上額、及び一般カードの受付や発行処理等の各種情報を特定可能とするが、これらをパルス信号(例えば入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルス等)にて特定可能としてもよい。
【0027】
図2は、情報表示装置3を拡大して示す正面図である。情報表示装置3は、対応する遊技機1の上側の位置に設けられ、各種の遊技情報を遊技者向けに表示可能な表示画面を有する表示手段である。
情報表示装置3には、遊技者が従業員を呼出すための呼出釦30、その呼出釦30での呼出表示時や特別状態中等にイルミネーション演出を行うLEDで構成されたイルミネーション部31、及び前記表示画面として各種遊技情報等を表示する表示領域32が設けられ、その表示領域32の外面にはタッチパネル33が設けられている。
【0028】
表示領域32は、図2に示すように正面から見て左方側のサブ表示部34と、右方側のメイン表示部35とに区分されている。
サブ表示部34は、例えばLEDにより「0」~「9」の数字を表示する7セグメントディスプレイにより、大当り回数やボーナス回数等を表示する複数の表示部34a,34bで構成されている。メイン表示部35は、例えばフルカラー表示可能なLCD(Liquid Cristal Display)たる液晶表示部からなり、後述するゲームフローやキャラクタ等、数字以外にも様々な表示が可能で、又、複数の表示部35a~35dに区分して表示する等、多様な表示態様での表示が可能である。
【0029】
情報表示装置3の制御部36は、図3の機能ブロック図で示すように、CPU36a、ROM36b、RAM36c、I/O36d等を有するマイクロコンピュータにより構成されており、ROM36b等に記憶されているコンピュータプログラムに基づいて当該装置3全体の動作を制御する。制御部36は、信号を入出力するI/F(送受信部)37を介して中継装置4に接続されており、遊技機側からの遊技信号や管理装置6からの遊技情報を、中継装置4(及びLAN5)を介して入力する。また、制御部36における各種の設定も、中継装置4を介して管理装置6にて行うことができる。
【0030】
制御部36は、上記の如く遊技機側から出力される遊技信号に基づいて、当該遊技機1における遊技状態を特定するように構成されている。例えば、対応する遊技機1からI/F37を介して入力される大当り信号等に基づいて、通常状態から発生した大当りである初当りを特定する。このように、制御部36は「通常状態」「初当り」の他、図6に例示する各種遊技状態の特定が可能であるが、詳しくは後述する。
【0031】
また、図3に示すように、制御部36には、呼出釦30やタッチパネル33が接続されると共に、イルミネーション部31としてのLED、サブ表示部34としてのセグメント表示部、メイン表示部35としての液晶表示部等が接続されている。制御部36は、タッチパネル33等での操作や前記遊技情報等に基づいて、イルミネーション部31、サブ表示部34、メイン表示部35の表示制御を実行することで、図2に示す表示画面や図4以降に示す様々な表示画面を表示させることができる。以下では、制御主体となる制御部36(表示手段乃至表示制御手段、遊技状態特定手段、対応付手段)を単に「情報表示装置3」と称して説明を簡単化する。
【0032】
さて、本実施形態の情報表示装置3は、対応する遊技機1での遊技の進行に伴う遊技状態間の遷移を示すゲームフロー情報を遊技者向けに表示可能であり、係るゲームフロー情報を表示する場合に、当該ゲームフロー情報に示される複数の遊技状態の内、遊技状態特定手段として特定した遊技状態が何れの遊技状態に対応するかを示す現況情報を表示可能である。
【0033】
ここで、ゲームフロー情報とは、対応する遊技機1での遊技情報として例えば図6に示す「通常状態」「初当り」「高確率」「時短」「突時」「天時」を含み、その一の遊技状態から他の遊技状態へ移り変わりを特定可能なフローとして表示するものである。本実施形態のゲームフロー情報は、図4以降の符号Fr,Arで示すように、メイン表示部35において各遊技状態を特定する区分領域Fr(矩形枠Frで囲われた遊技情報の区分情報)と、それら区分領域Fr間に掛け渡された遷移方向を指し示す矢印Ar(遷移情報)と、を含む情報を例とする。
【0034】
また、現況情報とは、対応する遊技機1における現状の遊技状態(現状態)を遊技信号に基づき特定して、その現状態を遊技者が把握可能な表示態様で表示するものをいう。本実施形態の現況情報は、図4以降の符号Grで示すように、メイン表示部35における遊技状態の区分領域Frと画像を重ねて(或いは近傍に位置させて)、吹き出し文字表示領域Gr(或いは注目領域Gr)で示すものを例とするが、以下に説明するように、現況情報やゲームフロー情報の表示態様は適宜変更しうるものである。
以下では、先ず「1.情報表示装置における通常表示」について説明した後、「2.ゲームフロー情報と現況情報の表示態様」について説明する。
【0035】
(1.情報表示装置における通常表示)
図2に示すように、情報表示装置3は通常表示として、左側のサブ表示部34における複数の表示部34a,34bに大当り回数やスタート回数等を表示する一方、右側のメイン表示部35に、複数の表示部35a~35dを区分して表示する。
詳細には、サブ表示部34は、図2に例示するように、大当り回数やボーナス回数等を表示する第1サブ表示部34aと、初期化条件成立後(営業開始や特別状態の終了などにより成立)からのスタート(図柄変動)回数を表示する第2サブ表示部34bとで構成される。また、第2サブ表示部34bの下方には、対応する遊技機1の台番を示す台番表示部34cがシールとして貼付されている。
【0036】
一方、メイン表示部35は、図2に例示するように上側から順に第1メイン表示部35a、第2メイン表示部35b及び第3メイン表示部35c、並びに第4メイン表示部35dに区分されるものとする。
第1メイン表示部35aは、対応する機種に応じた画像と大当り確率のようなスペックや遊技場からの案内や機種名等を表示する。第2メイン表示部35bは、該当期間(営業日)単位にて発生した「大当り」回数や「初当り」回数(通常状態にて発生した大当り回数)、「天井時短」発生回数や天井時短の対象となる「スタート」(天時S)等を表示する。そして、第3メイン表示部35cは、ゲームフロー情報を表示し、第4メイン表示部35dは、遊技情報表示の切替えや休憩する場合に操作する釦群を表示する。
【0037】
メイン表示部35は、少なくとも第4メイン表示部35dの部分(或いはメイン表示部35全部)にタッチパネル33が配置されたタッチパネル式のものであり、前記釦群とタッチパネル33とでタッチ操作に供される操作釦群を構成する。この操作釦群には、後述するゲームフローナビ釦33aが含まれる。
【0038】
また例えば、操作釦群のタッチ操作により、情報表示装置3は、図示しない差玉数の推移を示す所謂差玉グラフや、大当り履歴等を切替え表示可能としている。メイン表示部35では、全部の表示部35a~35d或いは一部の表示部を統合して(例えば第2及び第3メイン表示部35b及び35cを統合して)、差玉推移グラフや遊技状態に応じた演出表示等を表示することも可能である。
【0039】
上記した図2は通常表示、つまりは対応する遊技機1における遊技開始前の非稼動時の表示画面50全体(情報表示装置3全体)を例示しており、第3メイン表示部35cのゲームフロー情報における、現況情報を非表示としている。
以下の図4以降の表示画面51~では、ゲームフロー情報等を表す第3メイン表示部35c或いはメイン表示部35側の部分を特化して示すものとし、現況情報を示すゲームフロー情報を中心に詳述する。
【0040】
(2.ゲームフロー情報と現況情報の表示態様)
図4並びに図5は、現況情報の表示を含むゲームフロー情報であって、対応する遊技機1の現状態が初当りの場合の表示画面51、並びにST或いは時短の場合の表示画面52を例示している。
ここで、同表示画面51,52に表示される遊技状態として、遊技機1における「通常」状態を表す区分領域Fr1と、この通常状態よりも遊技者にとって有利な特別状態であって当該通常状態から遷移した新たな特別状態である「初当り」(初特別状態、大当り)を表す区分領域Fr2と、この初当りの後、通常状態とは異なる他の遊技状態(例えばST)を介して連続的に遷移する大当り(連荘中の特別状態)と当該他の遊技状態とを1つの連荘特別状態としてまとめて表示する「RUSH」を表す区分領域Fr3と、に区分されるものとする。
【0041】
より具体的には、遊技状態は図4中、左側に示す通常状態の区分領域Fr1を包含する「低確率時」の区分領域Fr0と、右側に示す「高確率時」の「RUSH」の区分領域Fr3とに大別され、これとは別に初当りの区分領域Fr2も区分して、1つの表示画面51で表示される。このうちRUSHは、所謂連荘に対応しており、実際の遊技機1においては大当りとSTとの遊技状態にて構成されるが、図4ではそれらをまとめてRUSHとし、実際の遊技機1の遊技状態の区分とは異なる状態表示としている(つまり同図のRUSHは、必ずしも遊技機1の遊技状態と一致しないが対応する遊技状態を示している)。これは、ゲームフロー情報を表示画面51で表示する場合、初当り(通常状態となってから遷移した初めての大当り)を1つの遊技状態(区分領域Fr2)として表示する一方、連荘中において連続的に遷移する特別状態(例えば大当り)と他の遊技状態(例えばST)とを1つの区分領域Fr3で連荘特別状態としてまとめて表示するものといえる。
【0042】
ゲームフロー情報として、図4に示す各区分領域Fr0,Fr2,Fr3に併せて上記した遊技機1のスペックを表示するようになっており、低確率では「1/310」、RUSHでは「1/70」で大当りが発生し、初当りでは示される円グラフにより「4R」しか発生しない旨、RUSHでは示される円グラフにより「10R」が60%、「3R」が40%で大当りが発生する旨を示している。
【0043】
また、区分領域Fr3では、大当り後は83%でRUSHが継続すること(ST120回のスタートで大当りが発生し得る期待値、確変率のような他の期待値としてもよい)を示している。更に、区分領域Fr3に包含される「ST」の区分領域Fr、及び区分領域Fr0に包含される「時短」「突時」「天時」の各区分領域Frには、対応する各遊技状態の終了条件となるスタート回数「回」を示している。
【0044】
ゲームフロー情報における、各区分領域Fr0,Fr1,Fr2,Fr3,Fr(単に「各区分領域Fr」とも称す)間にて遷移方向を示す矢印Arは、その一部を太くした部分に数値を付す等して遷移情報を表している。
例えば、通常状態の区分領域Fr1から天時の区分領域Frに向かう矢印Arには、確変中を除いた天時Sが1000回に達することで天時が発生する旨を「スタート1000回」として示している。初当りの区分領域Fr2から高確率の区分領域Fr3や時短の区分領域Frへ向かう矢印Arには、初当り後に遷移する割合(同図4の例では何れも「50%」)を示している。なお、時短、突時、天時の区分領域Frから高確率に向かう矢印Arは、大当りが発生(当選)した場合にRUSHに遷移する旨を、その遷移方向により示している。このように、各区分領域Frや矢印Arには、大当り確率やラウンド振分率、乃至遷移情報としての数値といった属性情報が付されるものとする。
【0045】
そして、図4は初当り中の表示画面51であり、その初当りの区分領域Fr2の近辺に「今ココ!」とのメッセージの表示領域Grを示すとともに、初当りの区分領域Fr2を点滅表示させることで現況情報を示している。この場合、「今ココ!」を表示せずに、現状態の区分領域Fr2を点滅させるだけ、或いは目立つ色で際立たせるといった他の表示方法にて現況情報を表示してもよい。
【0046】
また、図4に示すように、係る現状態の区分領域Fr2から遷移先へ向かう矢印Ar´(遷移先に関わる遷移情報)は、赤色等の目立つ色で表され、他の矢印Arの色(例えばグレーアウト表示)と異ならせ、現状態からどのような遷移先となるかを把握しやすいようにしている。この場合、遷移情報は、赤色で識別するだけでなく、その矢印方向に収縮させる、或いは点滅させる等して、該当する遷移先を他の遷移先と識別可能に表示してもよい。
【0047】
こうした、現況情報や遷移先となる遊技状態は、対応する遊技機側から出力される遊技信号と、図6に示す遊技状態と遷移先特定条件とを紐づけて規定した特定条件テーブルとに基づき特定される。
即ち図6は、情報表示装置3において予め記憶された特定条件テーブルを説明図として示しており、同図中、左端の欄に示す「通常状態」「初当り」…といった複数の遊技状態と、夫々の遷移先となる遊技状態とを対応付け、その遊技状態により特定される遷移先の特定方法(特定条件)を規定している。
【0048】
例えば、特定条件テーブルにおける最上段の「通常状態」の遷移先は、「初当り」「突時」「天時」の何れかであり、その「遷移先特定条件」として、大当り信号受信の場合に初当り、特別状態信号受信の場合に、天井条件成立であれば(天時Sが1000回に達していれば)天時、不成立であればなら突時として規定している(但し、天時からの遷移後は大当り発生まで天時を遷移先から除外している)。
なお、特定条件テーブルにおける二段目の「初当り」の遷移先について、その初当り後、受信した特別状態信号が「確変と時短とを区別可能」かが示されているが、これは予め何れかに設定可能であり、本実施形態では上記の如く区別できない遊技機1(確変であるかを特定不能な特別状態信号)の場合を示している。
【0049】
こうして、情報表示装置3は、特定条件テーブルを照合することにより、ゲームフロー情報に示される複数の遊技状態の内、遷移元と遷移先となる遊技状態(図6の「遊技状態」と「遷移先」の遊技状態)を対応付ける対応付手段として機能する。従ってまた、情報表示装置3は、特定条件テーブルと遊技機側から出力される遊技信号とに基づいて、ゲームフロー情報において該当する区分領域Frに「今ココ!」といった現況情報を表示するとともに、その現況情報に対応する遊技状態を遷移元として、遷移先となる遊技状態に関する遷移情報を矢印Ar´で表示可能である。
【0050】
一方、図5は初当り後に特別状態が発生したときの表示画面52であり、その特別状態がRUSHに対応したSTなのか、対応しない時短なのかが特定できない状態信号に基づき特定されるため、その双方の可能性を示すべく、「ここか!?」との表示領域Gr´,Gr´(現況情報)の表示を複数の遊技状態(高確率の区分領域Fr3と時短の区分領域Fr)を対象として行っている。つまり、図6の特定条件テーブルにおける「高確率or時短」の場合に相当するため、図4の「今ココ!」との表示領域Grとは異なる表示領域Gr´,Gr´の現況情報を示している。この場合、異なる現況表示とすることを例示したが、共通する現況表示を採用しても勿論よい。
このように、情報表示装置3は、遊技状態特定手段として特定した遊技状態が、前記区分領域Fr3,Frの如くゲームフロー情報における複数の遊技状態に対応する場合、それらの遊技状態(例えば高確率または時短)を特定可能な現況情報を表示可能である。
【0051】
また、図5に示すように、「ここか!?」との2つの現況情報に対応する遊技状態が遷移元となる場合、夫々の遷移先となる遊技状態に関する遷移情報は、夫々対応する複数の矢印Ar´で表されることとなる。この場合の矢印Ar´も、図4の矢印Ar´と同様の強調表示がなされ、グレーアウト表示される他の矢印Arと区別される。なお、現況情報や遷移情報の識別方法を複数例示したが、単数としてもよいし、例示しない他の識別方法を採用することやそれらを組合せた複数の識別方法を併用してもよい。
【0052】
上記したように、現況情報は非稼動時では表示されず(図2参照)、稼動中(例えばアウト信号やスタート信号を入力した際に作動する所謂稼動タイマの作動中)に表示される。従って、稼動中には、その遊技状態が通常状態であれば、対応する区分領域Fr1の近辺にて「今ココ!」との現況情報(図示略)が表示される。なお、非稼動中に現況情報を表示しても勿論よい。
【0053】
また、上記した図4の表示画面51や図5の表示画面52は、対応する遊技機1の遊技状態が遷移するとき(状態遷移時)に表示されるものとする。
即ち例えば、情報表示装置3において、対応する遊技機1の遊技状態が通常状態から突時へ遷移したと判定した場合、その状態遷移に合わせて、先ず図7に示す当該突時(遷移先の遊技状態)に対応した突入時演出画面53を所定期間(例えば10秒)表示させ、その突時の現況情報をゲームフロー情報とともに表す図示しない表示画面(図4図5と同様のゲームフロー表示画面)を所定期間(例えば20秒)表示し、その後、図8に示す当該突時に対応した特別状態表示画面54を表示する。
【0054】
図7の突入時演出画面53は第1~第4メイン表示35a~35dを使って表示される一方、図8の特別状態表示画面54は第1~第3メイン表示部35a~35cを使って表示されることから、その特別状態表示画面54の表示中であっても、第4メイン表示部35dの操作釦群(図2の符号33参照)が表示され、遊技者によるタッチ操作(以下「操作」と称す)が可能である。
【0055】
従って、当該操作釦群の内のゲームフローナビ釦33aを操作することで、図4図5で示したゲームフロー表示画面51,52を所定期間(例えば15秒)ポップアップ表示させ、現況情報や遷移情報の識別表示を可能としている。このように、情報表示装置3は、遊技状態が遷移したこと及び遊技者による操作を受付けたことの何れにおいても、現況情報を含むゲームフロー表示画面51,52を表示させることができ、所期のタイミングで現況情報を把握することができる。なお、遊技状態が遷移したこと及び遊技者による操作を受付けたことの少なくとも一方に応じて、現況情報を表示するように構成されることが望ましいが、そのような条件に関わらず常に表示してもよい。
【0056】
ここで、図9は、管理装置6のモニタ8に表示される画面であって、上記したゲームフロー表示画面51,52で表示するゲームフローの作成用画面60を示す。
遊技場管理者は、ゲームフロー作成用画面60において下側の「機種コード」の欄61に対象となる機種のIDを入力して「書き出し」釦62を押下する入力操作を行うことで、管理装置6や遊技機1の製造メーカが作成したデフォルトのゲームフロー図100と、上記した特定条件テーブルとを当該管理装置6へとダウンロード可能であり、そのデフォルトに基づき、ゲームフロー図100中の任意の位置に各遊技状態を示すパーツ(各区分領域Fr)を移動可能とする。この場合、管理装置6において、遷移先の対応付けは特定条件テーブルのままなので、矢印Arのような遷移情報はパーツの移動に伴って移動させられるが、各遊技状態を示すパーツ同様に任意に移動させられるようにしてもよい。
【0057】
ゲームフロー作成用画面60上側には、各遊技状態に対応した釦群63が示されるが、釦群63の内の何れかの釦を押下すると、対応する遊技状態を現状態とした現況情報や遷移情報(矢印Ar´を含む)のプレビュー表示が行われる。このようにしてカスタマイズした場合、「保存」釦64を押下する入力操作に応じてその内容を示すファイル(データ)を保存可能であり、当該保存したファイルは、そのファイル名をファイル名欄に入力して「ファイル読み込み」釦65を押下する入力操作を行うことで読込が可能となる。また、「転送」釦66を押下する入力操作を行うことにより、機種コードに対応した台番の情報表示装置3に当該データが転送される。勿論、デフォルトの内容のままでも転送可能であるし、他の情報表示に掛かる設定情報と共に、情報表示装置3へ転送してもよい。このように、図4図5に例示したゲームフロー表示画面51,52は、各区分領域Frを所望のレイアウトにする等、適宜変更しうるものである。
【0058】
管理装置6では、ゲームフロー作成用画面60におけるゲームフロー図100(或いは特定条件テーブル)の編集を行う場合、それらゲームフロー図100等に含まれる各構成要素の削除や分割は、不慣れな遊技場管理者が操作することで、ゲームフロー表示画面を表示できなくなるといった不具合が生ずる虞があるので変更不能としているが、変更可能として不具合が生ずるような変更が行われた場合には保存や転送といった処理を不能として、その理由を示すように構成してもよい。また、上記のような遊技場管理者によるカスタマイズを不能としてもよい。
【0059】
以上に説明した本実施形態によれば、次の効果を得ることができる。
情報表示装置3は、例示したゲームフロー表示画面51,52の如くゲームフロー情報を表示する場合に、当該ゲームフロー情報に示される複数の遊技状態の各区分領域Frの内、遊技状態特定手段として特定した遊技状態が何れの遊技状態に対応するかを例えば「今ココ!」等の表示で示す現況情報の表示を行うので、遊技性を今一歩把握していない遊技者が興趣を高めた上で遊技可能となる。
【0060】
情報表示装置3は、ゲームフロー情報において現況情報に対応する遊技状態の区分領域Frを遷移元として、遷移先となる遊技状態の区分領域Frに関する遷移情報を表示するので、現状態からどのような遊技状態に遷移するのか、又、希望する遊技状態に現状態から遷移可能かを把握可能となる。
【0061】
情報表示装置3は、遊技状態特定手段として特定する遊技状態が、ゲームフロー情報における複数の遊技状態(例えば図6に示した「高確率時」と「時短」の状態)に対応する場合、それらの遊技状態を特定可能な現況情報を(例えば同図6の複数の表示領域Gr´,Gr´で)表示することから、例えば遊技信号により1つの現状態を特定できない場合や、遊技性を考慮して現状態を1つに絞って報知しない方がよい場合でもこれから遷移する可能性のある遊技状態を遊技者に把握させられるようになる。
【0062】
情報表示装置3は、ゲームフロー情報を表示する場合、例えば初当り(初特別状態)を1つの遊技状態として表示する一方、連荘中において連続的に遷移する大当り(特別状態)とST(他の遊技状態)とを1つの連荘特別状態としてまとめて表示する表示するので、遊技者が目標とする遊技状態である連荘中のゲームフローを簡略化することができ、他の遊技状態のゲームフローの表示スペースを確保できる。また、連荘中を連荘特別状態としてまとめた大きな表示とすることが可能となり、係る識別表示により連荘中であることを大きくアピールできるようになり、遊技者向けの限られた表示領域しか確保できない情報表示装置3にて好適な表示が可能となる。
【0063】
情報表示装置3は、遊技状態が遷移したこと、及び例えばゲームフローナビ釦33aで遊技者による操作を受付けたことの少なくとも一方に応じて、現況情報を表示することから遊技者がゲームフローを確認したいタイミングにて現況表示を行うことが可能となる。
【0064】
<その他の実施形態>
図10図14は、第2~第5実施形態を示しており、以下では上記した第1実施形態と同じ構成については同一の符号を付す等して説明を省略し、異なるところを説明する。
【0065】
図10に示す第2実施形態のゲームフロー表示画面71は、第1実施形態のゲームフロー表示画面51,52と以下の点で相違する。
即ち、図10のゲームフロー表示画面71では、RUSH中の遊技状態を1つの区分領域Fr3としてまとめずに、大当りの区分領域Fr11とSTの区分領域Fr12とに区分したゲームフロー表示としている。このため、図10に示すようにSTの区分領域Fr12に合わせて「今ココ!」との表示領域Grを設けたり、その区分領域Fr12を点滅させる等して現況情報を表示させることができる。
【0066】
また、遷移情報についても、STの区分領域Fr12と大当りの区分領域Fr11との何れにも対応して表示させることができ、図10ではST中なので、突時の区分領域Frや通常状態の区分領域Fr1、及び大当りの区分領域Fr11へ向かう矢印Ar´は遷移先に関わる遷移情報として、他の矢印Arと表示形態を異ならせている。
なお、図示は省略するが、大当り中であれば、その遷移先に関わる矢印Ar´は、STの区分領域Fr12へ向けたものだけで、突時の区分領域Frや通常状態の区分領域Fr1へ向けた矢印Arは、グレーアウト表示される(識別表示されない)。
このような第2実施形態によっても、遊技性を十分に把握していない遊技者が興趣を高めた上で遊技可能となる等、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0067】
図11は、第3実施形態のゲームフロー表示画面72を示している。
ゲームフロー表示画面72は、RUSH中の表示画面72である。本第3実施形態では、RUSH以外の場合、例えば初当り中は図4の表示画面51(第1実施形態と同様の表示画面)を表示させるものとし、RUSHへの移行に伴い図11のゲームフロー表示画面72に遷移する。
【0068】
このとき、図11のゲームフロー表示画面72では、図10のゲームフロー表示画面71と同様、RUSH中の遊技状態をSTの区分領域Fr12と大当りの区分領域Fr11とに区分する一方、RUSHからの遷移先の対象とならない遊技状態の区分領域Frを表示対象としない(表示対象から除外する)ものとしている。
これにより、本第3実施形態のゲームフロー表示画面72は、上記各実施形態のゲームフロー表示画面と比較して、RUSH中の状態遷移を大きく詳細に表示することが可能となり、RUSH中に関連しない遊技状態の表示を除くとともに、遊技状態の区分領域の表示を簡素化して全体として見易い表示とすることができる。
【0069】
図12は、第4実施形態のゲームフロー表示画面73を示している。
本第4実施形態のゲームフロー表示画面73は、第2、第3実施形態のゲームフロー表示画面71,72と同様にRUSH中の遊技状態を区分しているが、対象となる遊技機が第1~第3実施形態の遊技機1とは異なるので、その遊技性を以下に説明する。
【0070】
先ず、ゲームフロー表示画面73で示すように「初当り」が発生した場合、その後、30%でRUSH、70%で通常状態となる。RUSHとなった場合、発生する大当りは3Rと10Rとがあり、最低でも4回の大当りが発生するまで継続するが、その残りの何れかの大当りで10Rとなった場合、残りの大当り数が4回に戻るといったゲームフローを繰返し、その残りの大当りにて10Rが発生しなかった場合、RUSH終了となる。
【0071】
以上のような遊技性であるため、RUSH中の大当り回数に応じて遊技状態の区分領域を符号Fr21,Fr22,Fr23,Fr24で示す4つに区分するとともに、残りの大当り数を把握可能なように、発生回数に応じた現況情報を、例えば「今ココ!」との表示領域Gr及び該当する区分領域Fr22の点滅表示により行っている。また例えば、2回目の大当り(3R)が発生した場合、当該大当り後、残りの大当り回数が2回であることを把握できる。この場合、次の大当りが3Rであれば「大当り3回目」の区分領域Fr22に現況情報の表示領域Grも遷移するが、10Rであれば「大当り1回目」に戻る。また、遷移情報としては3Rと10Rとの別に矢印Arが識別表示され、遷移先の遷移情報については矢印Ar´で示される。
このように、本第4実施形態では初当りだけでなくRUSH中の大当りをも区分して表示し、これに合わせて現況情報の表示領域Grを表示させることで、遊技機の遊技性に則してRUSH中の遊技状態をより詳細に把握することが可能となる。
なお、図12では遊技機の遊技性が「初当り」と「大当り1回目」とが異なる大当り(例えばラウンド数が異なる)であるため、両者を区分しているが、同じ大当りである場合、或いはRUSH終了の計数対象となる大当りに初当りが含まれる場合には、「初当り」後に「大当り2回目」に移行するようにしてもよい。ただし、この場合も通常状態に移行する可能性が「初当り」はある一方、「大当り2回目」のような他の大当りから移行した「大当り1回目」はないため、図12同様に両者を区別して表示することが望ましい。勿論、他の実施形態も同様だが、同じ表示として状況に応じて通常状態への遷移情報の有無を調整するようにしてもよい。
【0072】
図13及び図14は、第5実施形態のRUSH条件設定及びRUSH突入演出画面74を示している。
本第5実施形態では、RUSH突入時に図14のような画面74で突入演出を行う点と、その突入演出を行う条件をゲームフロー上のRUSH突入条件と別途設定可能、つまり異なるタイミングとする点で上記した各実施形態と相違する。
【0073】
具体的には、RUSH条件設定は、図13に例示する「機種名」の如く機種別に設定されており、「RUSH突入タイミング」(以下、突入条件)は高確率に移行する条件を規定している。
この点、図6で説明した特定条件テーブルは、遷移元別に遷移先の特定条件として天時を含めて規定したが、図13の突入条件は、遷移先をRUSHとするための条件であって、天時が発生しない遊技機を想定している。なお、当然ではあるが、図13において天時のような例示していない遊技状態を発生可能な遊技機を対象としても勿論よい。
【0074】
また、図13では、機種名に「機種タイプ」「突入判定」「突入条件」「突入演出」「RUSH突入演出タイミング」(以下、演出条件)を対応付けている。
このうち、機種タイプは当該機種の遊技性を示す。突入判定は、RUSHに突入したかを判定するかの設定で、例えば連荘性が低い、確変機能がないような機種AAAの場合「無」となり、連荘性が高い、確変機能があるような機種BBBや機種CCC等は「有」となる。突入条件は上記の通りだが、突入判定が「無」であれば「-」となり他は設定対象外となる。同様に、突入演出は、上記した画面74で突入演出を行うかの設定で、突入判定が「無」であれば他は設定対象外となるが、突入判定が「有」であっても遊技場の任意で「無」とすることも可能である。演出条件は、図14による突入演出を行うための条件を示す。
【0075】
以下、突入条件と演出条件について詳述する。図13に示すように、突入条件と演出条件は、夫々確変信号の有無により区別しており、機種別に設定する場合は当該機種が確変信号を出力するかにより、有無の何れかだけを設定すればよいが、機種タイプ別に設定した場合、その機種タイプの中に確変信号を出力する機種もあれば出力しない機種もあるので、その場合も考慮して同図の如く条件を規定している。
【0076】
さて、例えば機種BBBの場合、何れの条件も「初当り後の特別状態」となっており、この場合、初当り後に特別状態となればRUSHとなるが、RUSHにならなければ図4で示した時短のようなRUSH以外の特別状態を介さずに通常状態に戻る遊技機が対象となる。このことから演出条件も同様となる。
【0077】
例えば機種CCCの場合、突入条件は何れも「2連目大当り」となっているが、この場合、例えば初当り、即ちヘソ入賞に基づく大当り後は継続回数が少ない(例えば10回)第1STとなり、その第1ST中に入賞し易くなる電チュー入賞に基づく大当り(例えば2連目大当り)後は継続回数が第1STよりも多い(例えば100回)第2STとなるような遊技機が対象となる。また、この場合、RUSH自体は第2STに移行する2連目大当りにて確定するため、突入条件は2連目大当りとなるが、遊技機側にて第2ST遷移時に演出が行われるといった事情に鑑み、突入が確定する(突入条件となる)大当り時ではなく、その後の特別状態(つまり、第2ST)を演出条件としている。なお、このような機種の場合、初当りとRUSHとの間に第2STに対応した遊技状態をゲームフロー上(ゲームフロー情報のフロー中)に示してもよい。
【0078】
また、例えば機種DDDの場合、図4に示した機種のように初当り後にSTのような確変か、単独時短かに振分けられるタイプが対象で、確変信号が出ていなければ図4同様に2連目大当り(=高確率or時短からの大当り)となるが、確変信号が出ていれば2連目大当りを待たずに確変信号の入力によりRUSHを特定できるので、「初当り後の確変状態」となっている。また、上記同様にST移行時に遊技機側の演出が行われることから、演出条件は大当り時ではなく確変状態や特別状態の遷移時となる。なお、確変信号が出力されない場合、初当り後の特別状態ではSTか単独時短かが分からないため、遊技機側では突入演出が行われるがシステム側では単独時短である場合を考慮して突入演出を行わないようにしてもよいが、本例では2連目大当り後の特別状態としている。
【0079】
上記の通りであるが、例示した以外の機種タイプを対象とする場合には適宜、適当に設定すればよい。なお、図14のRUSH突入演出画面74は、図7の突入時演出画面53と同様に第1~第4メイン表示35a~35dを使って表示し、図7のような他の突入演出がある場合、RUSH突入演出画面74から当該他の突入演出画面へと遷移するように順番に表示されることになる。
【0080】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形または拡張することができる。
遷移情報は、遷移先となる遊技状態に関する情報を示すものであればよく、上記実施形態の如く遷移情報の全部(又は一部)を表示してもよいし、例えば突時となる確率や天時のスタート等のような必要性の低い遷移情報を表示対象から除外してもよい。
【0081】
大当り確率やラウンドの振分比率、或いは遷移情報等例示した属性情報は全てを表示しても任意の項目を表示しても、或いは表示しなくともよい。現況情報(現況表示)を複数の遊技状態に対応付ける条件として遊技信号により判定不能な場合を例示したが、遊技性を考慮して遊技信号では判定可能だが、遊技機では特定可能な情報が表示されないことから遊技者が何れの遊技状態かを把握できない場合に複数の遊技状態に対応付けて現況表示を行ってもよい。この場合、遊技信号により判定可能な遊技状態による遷移先と遷移元との組合せといった遷移状況を示す遷移条件を予め設定し、当該遷移条件が成立したら複数の現況表示を行えばよい。
【0082】
第1~第4実施形態に示したゲームフロー表示の何れにするかを例えば機種単位で設定可能としてもよい。この場合、第1~第4実施形態の全てを対象とせず、例えば第1実施形態と第2実施形態との内、何れかを設定可能とするといったような構成も想定できる。
遊技機1上方の情報表示装置3にて表示する構成を例示したが、遊技装置2のような遊技機1間に設けられる情報表示装置や島端に設けられる集合情報表示装置に本発明を適用してもよい。
【0083】
関連する設定情報は予め設定されていれば遊技場管理者が任意に設定しても、管理装置6の製造メーカにて設定しても、外部(例えばチェーン店本部や遊技機メーカ等)の管理サーバからダウンロードして設定してもよい。
例示した全ての遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても演算式を利用して間接的に特定してもよい。また、機種としては、メーカ単位やスペック単位等、遊技機の種類を示せばどの様な区分としてもよい。
【0084】
数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用してもよい。また、演算式については単なる例示であり例示した演算式と同様の値を示す、或いは同様の意義を持つ演算値を演算するのであれば、どの様な演算式を採用してもよい。
以下と未満についてはどちらを採用してもよく、「達していない」等の表現は以下或いは未満となった場合の何れにも対応する表現となる。以上と超過についても同様で、「達している」等の表現は双方に対応する表現となる。
情報表示装置3の液晶表示(表示手段)を例示したが、有機EL等の他の表示方法を採用してもよい。
【0085】
対象となる遊技機はパチンコ遊技機だけでなくスロットマシン他も例示することができ、単位遊技は所謂図柄変動やゲームとすればよいが、その他に遊技媒体を排出せずデータ上のポイントを遊技に応じて更新する所謂封入式の遊技機等も想定できるため、玉やメダル等の遊技媒体や上記ポイントを包含する遊技価値という表現を適宜使用している。また、所定数の図柄変動を行った場合に確変が終了する所謂ST機を例示したが、確変となった場合に大当りが発生するまで確変が継続する遊技機や、特別状態中に小当りの発生確率が高まる所謂小当りRUSH機能を備えた遊技機を対象としてもよい。
【0086】
情報表示装置3が行う処理(例えば遊技状態特定手段として遊技状態を特定する処理)の一部を管理装置6、遊技装置2、中継装置4等にて行ってもよいし、情報表示装置3のみで全てを構成してもよい。また、例示した構成を適宜設定に応じて採用するか否かを変更してもよいし、変形例を含む例示した構成をどのように組合せてもよいし、適宜構成を除外してもよい。
【符号の説明】
【0087】
図面中、1は遊技機、3は情報表示装置(表示手段、遊技状態特定手段、対応付手段)、35はメイン表示部(表示手段)である。
図1
図2
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図5
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図10
図11
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