(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023122196
(43)【公開日】2023-09-01
(54)【発明の名称】園芸用トンネルの換気部材及び換気部材施工方法
(51)【国際特許分類】
A01G 13/02 20060101AFI20230825BHJP
A01G 9/24 20060101ALI20230825BHJP
【FI】
A01G13/02 K
A01G9/24 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022025750
(22)【出願日】2022-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】501203344
【氏名又は名称】国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
(74)【代理人】
【識別番号】100098545
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100189717
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 貴章
(72)【発明者】
【氏名】米田 有希
(72)【発明者】
【氏名】川嶋 浩樹
【テーマコード(参考)】
2B024
2B029
【Fターム(参考)】
2B024EA02
2B024EA03
2B024EA08
2B024EA10
2B029NA02
2B029NA07
2B029NA08
2B029NA09
(57)【要約】
【課題】換気を容易に行える園芸用トンネルの換気部材を提供すること。
【解決手段】本発明の園芸用トンネルの換気部材は、被覆シート2の頂部から一方の裾までの範囲を覆う第1被覆材12Xと、被覆シート2の頂部から他方の裾までの範囲を覆う第2被覆材12Yとを有し、第1被覆材12Xの下端には第1下部支持材13Xを設け、第1被覆材12Xの上端には第1上部支持材14Xを設け、第2被覆材12Yの下端には第2下部支持材13Yを設け、第2被覆材12Yの上端には第2上部支持材14Yを設け、第1下部支持材13X及び第2下部支持材13Yを被覆シート2の裾の位置で固定し、第1上部支持材14X及び第2上部支持材14Yを被覆シート2の頂部に位置させることで園芸用トンネル3を保温状態とし、第1上部支持材14X及び第2上部支持材14Yを被覆シート2の頂部から離間させることで園芸用トンネル3を換気状態とすることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定間隔で複数本の円弧状の支柱が畝に沿って立設され、複数本の前記支柱に被覆シートを被せて前記畝を覆う園芸用トンネルの一部に配置して用いる園芸用トンネルの換気部材であって、
前記被覆シートの頂部から一方の裾までの範囲を覆う第1被覆材と、
前記被覆シートの前記頂部から他方の裾までの範囲を覆う第2被覆材と
を有し、
前記第1被覆材の下端には第1下部支持材を設け、
前記第1被覆材の上端には第1上部支持材を設け、
前記第2被覆材の下端には第2下部支持材を設け、
前記第2被覆材の上端には第2上部支持材を設け、
前記第1下部支持材及び前記第2下部支持材を前記被覆シートの前記裾の位置で固定し、
前記第1上部支持材及び前記第2上部支持材を前記被覆シートの前記頂部に位置させることで前記園芸用トンネルを保温状態とし、
前記第1上部支持材及び前記第2上部支持材を前記被覆シートの前記頂部から離間させることで前記園芸用トンネルを換気状態とする
ことを特徴とする園芸用トンネルの換気部材。
【請求項2】
前記第1被覆材の両側に第1フレーム材を設け、
前記第2被覆材の両側に第2フレーム材を設けた
ことを特徴とする請求項1に記載の園芸用トンネルの換気部材。
【請求項3】
前記第1被覆材と前記第2被覆材とを前記被覆シートの前記頂部で重ね合わせ、
前記第1被覆材と前記第2被覆材との重なり位置に上部留め具を設けた
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の園芸用トンネルの換気部材。
【請求項4】
前記第1被覆材の前記下端側と前記第2被覆材の前記下端側とに前記上部留め具と係止できる下部留め具を設けた
ことを特徴とする請求項3に記載の園芸用トンネルの換気部材。
【請求項5】
前記留め具として面ファスナーを用いる
ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の園芸用トンネルの換気部材。
【請求項6】
前記換気状態における前記第1上部支持材及び前記第2上部支持材を前記園芸用トンネルに保持するストッパーを有する
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の園芸用トンネルの換気部材。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の園芸用トンネルの換気部材を用いた換気部材施工方法であって、
前記畝に沿って配置される前記被覆シートの一部の前記裾を地面から離間させて前記換気状態とし、
前記換気状態とした前記裾の前記位置に、前記第1被覆材及び前記第2被覆材を配置する
ことを特徴とする換気部材施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被覆材を対象物に被せる園芸用トンネルの換気部材及び換気部材施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
園芸用トンネルは、アーチ状の支柱にビニールなどの被覆材を被覆する構造で、夜間の低温環境でも保温効果が得られる。一方、日中は太陽光により、トンネル内は高温環境になってしまうため、裾部分を引き上げて換気を行う。この換気作業は、かがんで被覆資材を上げ下げする必要があり、作業者にとっての労働負荷が大きい。
これまでに、気温変化を利用した裾換気(特許文献1から特許文献3)の自動化や、トンネルの基本構造を変える方法(特許文献4から特許文献11)が考えられている。
特許文献4から特許文献6は蛇腹式開閉を提案し、特許文献7及び特許文献8は上部開閉式を提案し、特許文献9から特許文献11は穴あけ換気を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-254689号公報
【特許文献2】実願昭60-108748号(実開昭62-16254号)のマイクロフィルム
【特許文献3】実用新案登録3167867号公報
【特許文献4】特開2018-93855号公報
【特許文献5】特開2009-136293号公報
【特許文献6】特開2012-143165号公報
【特許文献7】特開平09-182531号公報
【特許文献8】実願平04-42822号(実開平06-3052号)のCD-ROM
【特許文献9】特開2006-14633号公報
【特許文献10】特開平10-215710号公報
【特許文献11】特開2001-112359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1から特許文献3に記載された裾換気方式では、急な天候の変化に対応できないという問題があり、特許文献4から特許文献10に記載された新たなトンネル構造や特許文献11に記載された新たなトンネル構造又は被覆材構造においても、複数箇所を同時に微調整できるものではない。
このように、園芸用トンネルの換気部材では、換気が重要な作業であるが、作業者の負担も大きく、農業従事者の高齢化を考慮すると、今後さらに換気作業の省力化は求められる。
【0005】
そこで本発明は、換気を容易に行える園芸用トンネルの換気部材及び換気部材施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明の園芸用トンネル3の換気部材10は、所定間隔で複数本の円弧状の支柱1が畝に沿って立設され、複数本の前記支柱1に被覆シート2を被せて前記畝を覆う園芸用トンネル3の一部に配置して用いる園芸用トンネル3の換気部材10であって、前記被覆シート2の頂部から一方の裾までの範囲を覆う第1被覆材12Xと、前記被覆シート2の前記頂部から他方の裾までの範囲を覆う第2被覆材12Yとを有し、前記第1被覆材12Xの下端には第1下部支持材13Xを設け、前記第1被覆材12Xの上端には第1上部支持材14Xを設け、前記第2被覆材12Yの下端には第2下部支持材13Yを設け、前記第2被覆材12Yの上端には第2上部支持材14Yを設け、前記第1下部支持材13X及び前記第2下部支持材13Yを前記被覆シート2の前記裾の位置で固定し、前記第1上部支持材14X及び前記第2上部支持材14Yを前記被覆シート2の前記頂部に位置させることで前記園芸用トンネル3を保温状態とし、前記第1上部支持材14X及び前記第2上部支持材14Yを前記被覆シート2の前記頂部から離間させることで前記園芸用トンネル3を換気状態とすることを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の園芸用トンネル3の換気部材10において、前記第1被覆材12Xの両側に第1フレーム材11Xを設け、前記第2被覆材12Yの両側に第2フレーム材11Yを設けたことを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載の園芸用トンネル3の換気部材10において、前記第1被覆材12Xと前記第2被覆材12Yとを前記被覆シート2の前記頂部で重ね合わせ、前記第1被覆材12Xと前記第2被覆材12Yとの重なり位置に上部留め具15Aを設けたことを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項3に記載の園芸用トンネル3の換気部材10において、前記第1被覆材12Xの前記下端側と前記第2被覆材12Yの前記下端側とに前記上部留め具15Aと係止できる下部留め具15Bを設けたことを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項3又は請求項4に記載の園芸用トンネル3の換気部材10において、前記留め具として面ファスナーを用いることを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の園芸用トンネル3の換気部材10において、前記換気状態における前記第1上部支持材14X及び前記第2上部支持材14Yを前記園芸用トンネル3に保持するストッパー16を有することを特徴とする。
請求項7記載の本発明の換気部材10は、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の園芸用トンネル3の換気部材10を用いた換気部材施工方法であって、前記畝に沿って配置される前記被覆シート2の一部の前記裾を地面から離間させて前記換気状態とし、前記換気状態とした前記裾の前記位置に、前記第1被覆材12X及び前記第2被覆材12Yを配置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の園芸用トンネルの換気部材によれば、第1上部支持材及び第2上部支持材を被覆シートの頂部から離間させることで保温状態から換気状態にすることができるため、被覆シートの裾を手作業で開閉する手間が無く、保温状態と換気状態とを容易に変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施例による園芸用トンネルの換気部材によって園芸用トンネルを保温した状態を示す概念図
【
図2】本実施例による園芸用トンネルの換気部材によって園芸用トンネルを換気した状態を示す概念図
【
図3】本発明の他の実施例による園芸用トンネルの換気部材を示す概念図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1の実施の形態による園芸用トンネルの換気部材は、被覆シートの頂部から一方の裾までの範囲を覆う第1被覆材と、被覆シートの頂部から他方の裾までの範囲を覆う第2被覆材とを有し、第1被覆材の下端には第1下部支持材を設け、第1被覆材の上端には第1上部支持材を設け、第2被覆材の下端には第2下部支持材を設け、第2被覆材の上端には第2上部支持材を設け、第1下部支持材及び第2下部支持材を被覆シートの裾の位置で固定し、第1上部支持材及び第2上部支持材を被覆シートの頂部に位置させることで園芸用トンネルを保温状態とし、第1上部支持材及び第2上部支持材を被覆シートの頂部から離間させることで園芸用トンネルを換気状態とするものである。本実施の形態によれば、第1上部支持材及び第2上部支持材を被覆シートの頂部から離間させることで保温状態から換気状態にすることができるため、被覆シートの裾を手作業で開閉する手間が無く、保温状態と換気状態とを容易に変更できる。
【0010】
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による園芸用トンネルの換気部材において、第1被覆材の両側に第1フレーム材を設け、第2被覆材の両側に第2フレーム材を設けたものである。本実施の形態によれば、第1被覆材及び第2被覆材に構造的強度を持たせることができる。
【0011】
本発明の第3の実施の形態は、第1又は第2の実施の形態による園芸用トンネルの換気部材において、第1被覆材と第2被覆材とを被覆シートの頂部で重ね合わせ、第1被覆材と第2被覆材との重なり位置に上部留め具を設けたものである。本実施の形態によれば、風によって第1被覆材及び第2被覆材が浮き上がることを防止でき、保温状態を維持することができる。
【0012】
本発明の第4の実施の形態は、第3の実施の形態による園芸用トンネルの換気部材において、第1被覆材の下端側と第2被覆材の下端側とに上部留め具と係止できる下部留め具を設けたものである。本実施の形態によれば、換気状態において、第1被覆材及び第2被覆材を地面から離間させた状態を維持でき、第1被覆材及び第2被覆材の汚れを防止できるとともに、畝に沿って移動する作業者の障害にもならない。
【0013】
本発明の第5の実施の形態は、第3又は第4の実施の形態による園芸用トンネルの換気部材において、留め具として面ファスナーを用いるものである。本実施の形態によれば、留め具の係止と解除を容易に行うことができる。
【0014】
本発明の第6の実施の形態は、第1から第5のいずれかの実施の形態による園芸用トンネルの換気部材において、換気状態における第1上部支持材及び第2上部支持材を園芸用トンネルに保持するストッパーを有するものである。本実施の形態によれば、ストッパーによって第1上部支持材及び第2上部支持材を園芸用トンネルの上方位置で保持できるため、換気状態において、第1被覆材及び第2被覆材を地面から離間させた状態を維持でき、第1被覆材及び第2被覆材の汚れを防止できるとともに、畝に沿って移動する作業者の障害にもならない。
【0015】
本発明の第7の実施による換気部材施工方法は、第1から第6のいずれかの実施の形態による園芸用トンネルの換気部材を用い、畝に沿って配置される被覆シートの一部の裾を地面から離間させて換気状態とし、換気状態とした裾の位置を、被覆材で覆うように主フレーム材を配置するものである。本実施の形態によれば、被覆材によって園芸用トンネルを覆うことで保温状態とすることができ、支持材を一方側の裾から離間させることで保温状態から換気状態にすることができる。
【実施例0016】
以下本発明の一実施例による園芸用トンネルの換気部材について説明する。
図1は本実施例による園芸用トンネルの換気部材によって園芸用トンネルを保温した状態を示す概念図であり、
図1(a)は同換気部材の概念斜視図、
図1(b)は
図1(a)の側面図である。
また、
図2は本実施例による園芸用トンネルの換気部材によって園芸用トンネルを換気した状態を示す概念図であり、
図2(a)は同換気部材の概念斜視図、
図2(b)は
図2(a)の側面図である。
本実施例による園芸用トンネル3の換気部材10は、所定間隔で複数本の円弧状の支柱1が畝に沿って立設され、複数本の支柱1に被覆シート2を被せて畝を覆う園芸用トンネル3の一部に配置して用いるものである。
【0017】
本実施例による園芸用トンネル3の換気部材10は、被覆シート2の頂部から一方の裾までの範囲を覆う第1被覆材12Xと、被覆シート2の頂部から他方の裾までの範囲を覆う第2被覆材12Yとを有している。
第1被覆材12Xの下端には第1下部支持材13Xを設け、第1被覆材12Xの上端には第1上部支持材14Xを設けている。また、第2被覆材12Yの下端には第2下部支持材13Yを設け、第2被覆材12Yの上端には第2上部支持材14Yを設けている。
第1下部支持材13X及び第2下部支持材13Yは被覆シート2の裾の位置で地面に固定する。
【0018】
図1に示すように、第1上部支持材14X及び第2上部支持材14Yを被覆シート2の頂部に位置させることで園芸用トンネル3を保温状態とする。
また、
図2に示すように、第1上部支持材14X及び第2上部支持材14Yを被覆シート2の頂部から離間させることで園芸用トンネル3を換気状態とする。
本実施例によれば、第1上部支持材14X及び第2上部支持材14Yを被覆シート2の頂部から離間させることで保温状態から換気状態にすることができるため、被覆シート2の裾を手作業で開閉する手間が無く、保温状態と換気状態とを容易に変更できる。
なお、第1被覆材12Xの両側に第1フレーム材11Xを設け、第2被覆材12Yの両側に第2フレーム材11Yを設けることで、第1被覆材12X及び第2被覆材12Yに構造的強度を持たせることができる。
【0019】
換気部材10は、第1被覆材12Xと第2被覆材12Yとを被覆シート2の頂部で重ね合わせ、第1被覆材12Xと第2被覆材12Yとの重なり位置に上部留め具15Aを設けている。
上部留め具15Aを設けることで、風によって第1被覆材12X及び第2被覆材12Yが浮き上がることを防止でき、保温状態を維持することができる。上部留め具15Aには、例えば面ファスナーが適している。上部留め具15Aとして面ファスナーを用いることで、上部留め具15Aの係止と解除を容易に行うことができる。なお、上部留め具15Aには、磁石を用いることもできる。
【0020】
また、
図2に示すように、換気部材10は、換気状態における第1上部支持材14X及び第2上部支持材14Yを園芸用トンネル3に保持するストッパー16を有することが好ましい。ストッパー16は、第1フレーム材11X又は第2フレーム材11Yと支柱1とを接続する接続材とすることが好ましい。このようなストッパー16を設けることで、風によって第1被覆材12X及び第2被覆材12Yが園芸用トンネル3から離脱して飛ばされ、損失してしまうことを防止できる。
また、ストッパー16によって第1上部支持材14X及び第2上部支持材14Yを園芸用トンネル3の上方位置で保持できるため、換気状態において、第1被覆材12X及び第2被覆材12Yを地面から離間させた状態を維持でき、第1被覆材12X及び第2被覆材12Yの汚れを防止できるとともに、畝に沿って移動する作業者の障害にもならない。
【0021】
図3は本発明の他の実施例による園芸用トンネルの換気部材を示す概念図である。
図示のように、換気部材10は、第1被覆材12Xの下端側と第2被覆材12Yの下端側とに上部留め具15Aと係止できる下部留め具15Bを設けている。
上部留め具15Aと下部留め具15Bとを係止状態とすることで、換気状態において、第1被覆材12X及び第2被覆材12Yを地面から離間させた状態を維持でき、第1被覆材12X及び第2被覆材12Yの汚れを防止できるとともに、畝に沿って移動する作業者の障害にもならない。
【0022】
図4は本実施例による換気部材の施工を示す図である。
図4に示すように、本実施例による園芸用トンネル3の換気部材10は、被覆シート2の一部の裾を地面から離間させた位置に施工する。
このように、一部の裾を地面から離間させた位置に換気部材10を用いることで、畝に沿って配置される被覆シート2の一部の裾を地面から離間させて換気状態とし、換気状態とした裾の位置を、被覆材12X、12Yで覆うようにフレーム材11X、11Yを配置するように施工し、被覆材12X、12Yによって園芸用トンネル3を覆うことで、保温状態とすることができ、第1上部支持材14X及び第2上部支持材14Yを被覆シート2の頂部から離間させることで保温状態から換気状態にすることができる。
【0023】
なお、上記実施例で説明した第1フレーム材11X及び第2フレーム材11Yは、アーチ状に形状が保持されているものであっても、弾力性を有することで使用時に変形できるものであってもよい。
また、被覆シート2、第1被覆材12X、及び第2被覆材12Yは、保温を目的とする場合には、一般的にはポリエチレンシート、塩化ビニールシート、又はポリオレフィン系特殊シートのような透光性フィルムを用いるが、遮光、防虫、防寒、又は防霜を目的とする場合には、寒冷紗や、着色フィルム、紫外線制御フィルム、赤外線制御フィルムなどの光選択性被覆資材を用い、その他として、防虫ネット、遮光ネット、不織布などの被覆材を用いることもできる。
本発明は、施設園芸において利用でき、露地に設定して利用できるだけでなく、温室や屋内にも設置して利用でき、畝栽培だけでなく、ポット栽培や水耕栽培にも利用でき、作業者の労働負担を軽減できる。