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特開2023-122220制御装置、生コンクリート製造装置、移動体、制御方法、及びプログラム
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  • 特開-制御装置、生コンクリート製造装置、移動体、制御方法、及びプログラム 図1
  • 特開-制御装置、生コンクリート製造装置、移動体、制御方法、及びプログラム 図2
  • 特開-制御装置、生コンクリート製造装置、移動体、制御方法、及びプログラム 図3
  • 特開-制御装置、生コンクリート製造装置、移動体、制御方法、及びプログラム 図4
  • 特開-制御装置、生コンクリート製造装置、移動体、制御方法、及びプログラム 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023122220
(43)【公開日】2023-09-01
(54)【発明の名称】制御装置、生コンクリート製造装置、移動体、制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B28C 7/00 20060101AFI20230825BHJP
   B28C 5/42 20060101ALI20230825BHJP
【FI】
B28C7/00
B28C5/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022025797
(22)【出願日】2022-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】597170210
【氏名又は名称】株式会社エコシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 実
【テーマコード(参考)】
4G056
【Fターム(参考)】
4G056AA06
4G056CD44
4G056CD64
(57)【要約】
【解決手段】制御装置は、生コンクリートを製造するための複数の材料を収容する収容部と、前記収容部内の前記複数の材料を攪拌する攪拌羽根部と、前記攪拌羽根部を回転させる駆動部とを有するミキサとを備える生コンクリート製造装置を制御する制御装置でよい。制御装置は、一バッチ分の前記複数の材料を前記収容部内に投入する前に、前記攪拌羽根部及び収容部202の内側壁の少なくとも一方に付着した前記複数の材料を含む付着物の量を予測する予測部を備えてよい。前記制御装置は、前記予測部により予測される前記付着物の量が閾値を超えた場合、一バッチ分の前記複数の材料を前記収容部内に投入する前に、前記収容部内を洗浄すべきことを通知する通知部を備えてよい。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生コンクリートを製造するための複数の材料を収容する収容部と、前記収容部内の前記複数の材料を攪拌する攪拌羽根部と、前記攪拌羽根部を回転させる駆動部とを有するミキサとを備える生コンクリート製造装置を制御する制御装置であって、
一バッチ分の前記複数の材料を前記収容部内に投入する前に、前記攪拌羽根部及び前記収容部の内側壁の少なくとも一方に付着した前記複数の材料を含む付着物の量を予測する予測部と、
前記予測部により予測される前記付着物の量が閾値を超えた場合、一バッチ分の前記複数の材料を前記収容部内に投入する前に、前記収容部内を洗浄すべきことを通知する通知部と
を備える制御装置。
【請求項2】
前記収容部内の内容物の重量を取得する重量取得部をさらに備え、
前記予測部は、一バッチ分の前記複数の材料を前記収容部内に投入する前に前記重量取得部により取得される重量に基づいて、前記付着物の量を予測する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記駆動部が前記攪拌羽根部を回転させるときのトルク値を取得するトルク値取得部をさらに備え、
前記予測部は、一バッチ分の前記複数の材料を前記収容部内に投入する前に前記トルク値取得部により取得されるトルク値に基づいて、前記付着物の量を予測する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記収容部内の内容物の重量を取得する重量取得部と、
前記駆動部が前記攪拌羽根部を回転させるときのトルク値を取得するトルク値取得部と
をさらに備え、
前記予測部は、一バッチ分の前記複数の材料を前記収容部内に投入する前に、前記重量取得部により取得される重量と、前記トルク値取得部により取得されるトルク値とに基づいて、前記付着物の量を予測する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項5】
前記駆動部が前記攪拌羽根部を回転させるときのトルク値と、前記攪拌羽根部で攪拌されている生コンクリートのスランプ値との関係を示す関係情報に基づいて、前記トルク値取得部により取得される前記トルク値に対応する前記複数の材料から製造される生コンクリートのスランプ値を導出する導出部と、
前記予測部により予測される前記付着物の量に基づいて、前記トルク値を補正する補正部と
をさらに備える、請求項3または4に記載の制御装置。
【請求項6】
請求項1から5の何れか1つに記載の制御装置と、
前記ミキサと
を備える生コンクリート製造装置。
【請求項7】
請求項6に記載の生コンクリート製造装置を搭載して移動する移動体。
【請求項8】
生コンクリートを製造するための複数の材料を収容する収容部と、前記収容部内の前記複数の材料を攪拌する攪拌羽根部と、前記攪拌羽根部を回転させる駆動部とを有するミキサとを備える生コンクリート製造装置を制御する制御方法であって、
一バッチ分の前記複数の材料を前記収容部内に投入する前に、前記攪拌羽根部及び前記収容部の内側壁の少なくとも一方に付着した前記複数の材料を含む付着物の量を予測する段階と、
前記予測する段階で予測される前記付着物の量が閾値を超えた場合、一バッチ分の前記複数の材料を前記収容部内に投入する前に、前記収容部内を洗浄すべきことを通知する段階と
を備える制御方法。
【請求項9】
請求項1から5の何れか1つに記載の制御装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、生コンクリート製造装置、移動体、制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1及び特許文献2には、コンクリートの現場練り製造ユニットが開示されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2019-43028号公報
[特許文献2]特開2019-188825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
コンクリートの現場練り製造ユニットなどが備えるミキサの攪拌用の羽根等に付着物が付着して、生コンクリートの製造に影響を与えることがある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様に係る制御装置は、生コンクリートを製造するための複数の材料を収容する収容部と、前記収容部内の前記複数の材料を攪拌する攪拌羽根部と、前記攪拌羽根部を回転させる駆動部とを有するミキサとを備える生コンクリート製造装置を制御する制御装置でよい。制御装置は、一バッチ分の前記複数の材料を前記収容部内に投入する前に、前記攪拌羽根部及び前記収容部の内側壁の少なくとも一方に付着した前記複数の材料を含む付着物の量を予測する予測部を備えてよい。前記制御装置は、前記予測部により予測される前記付着物の量が閾値を超えた場合、一バッチ分の前記複数の材料を前記収容部内に投入する前に、前記収容部内を洗浄すべきことを通知する通知部を備えてよい。
【0005】
前記制御装置は、前記収容部内の内容物の重量を取得する重量取得部をさらに備えてよい。前記予測部は、一バッチ分の前記複数の材料を前記収容部内に投入する前に前記重量取得部により取得される重量に基づいて、前記付着物の量を予測してよい。
【0006】
前記制御装置は、前記駆動部が前記攪拌羽根部を回転させるときのトルク値を取得するトルク値取得部をさらに備えてよい。
【0007】
前記予測部は、一バッチ分の前記複数の材料を前記収容部内に投入する前に前記トルク値取得部により取得されるトルク値に基づいて、前記付着物の量を予測してよい。
【0008】
前記制御装置は、前記収容部内の内容物の重量を取得する重量取得部と、前記駆動部が前記攪拌羽根部を回転させるときのトルク値を取得するトルク値取得部とをさらに備えてよい。前記予測部は、一バッチ分の前記複数の材料を前記収容部内に投入する前に、前記重量取得部により取得される重量と、前記トルク値取得部により取得されるトルク値とに基づいて、前記付着物の量を予測してよい。
【0009】
前記制御装置は、前記駆動部が前記攪拌羽根部を回転させるときのトルク値と、前記攪拌羽根部で攪拌されている生コンクリートのスランプ値との関係を示す関係情報に基づいて、前記トルク値取得部により取得される前記トルク値に対応する前記複数の材料から製造される生コンクリートのスランプ値を導出する導出部をさらに備えてよい。前記制御装置は、前記予測部により予測される前記付着物の量に基づいて、前記トルク値を補正する補正部をさらに備えてよい。
【0010】
本発明の一態様に係る生コンクリート製造装置は、上記制御装置と、前記ミキサとを備えてよい。
【0011】
本発明の一態様に係る移動体は、前記生コンクリート製造装置を搭載して移動する移動体でよい。
【0012】
本発明の一態様に係る制御方法は、生コンクリートを製造するための複数の材料を収容する収容部と、前記収容部内の前記複数の材料を攪拌する攪拌羽根部と、前記攪拌羽根部を回転させる駆動部とを有するミキサとを備える生コンクリート製造装置を制御する制御方法でよい。制御方法は、一バッチ分の前記複数の材料を前記収容部内に投入する前に、前記攪拌羽根部及び前記収容部の内側壁の少なくとも一方に付着した前記複数の材料を含む付着物の量を予測する段階を備えてよい。制御方法は、前記予測する段階で予測される前記付着物の量が閾値を超えた場合、一バッチ分の前記複数の材料を前記収容部内に投入する前に、前記収容部内を洗浄すべきことを通知する段階を備えてよい。
【0013】
本発明の一態様に係るプログラムは、前記制御装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムでよい。
【0014】
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】生コンクリート製造装置を搭載した車両の一例を示す模式図である。
図2】生コンクリート製造装置の全体構成を示す機能ブロックの一例を示す図である。
図3】トルク値とスランプ値との関係を示すスランプ関係情報の一例を示す図である。
図4】付着物の量に応じて洗浄アラートを通知する手順の一例を示すフローチャートである。
図5】ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0017】
図1は、本実施形態に係る生コンクリート製造装置10を搭載した車両20の一例を示す模式図である。図2は、本実施形態に係る生コンクリート製造装置10の全体構成を示す機能ブロックの一例を示す図である。生コンクリート製造装置10は、トラックなどの車両20の荷台22に搭載される移動式の生コンクリート製造プラントである。生コンクリート製造装置10は、船舶、飛行体などの車両以外の移動体に搭載されてもよい。生コンクリート製造装置10は、例えば、中型トラックの荷台に設置されてよい。
【0018】
生コンクリート製造装置10は、制御装置100、ミキサ200、メインホッパ300、ベルトコンベア302、サブホッパ310、スクリューフィーダ312、タンク320、及びポンプ322を備える。
【0019】
制御装置100は、生コンクリート製造装置10の全体を制御する。制御装置100は、CPU及びメモリを備えるコンピュータで構成されてよい。
【0020】
ミキサ200は、収容部202、攪拌羽根部204、駆動部206、及び計量センサ208を有する。収容部202は、生コンクリートを製造するための複数の材料を収容する。生コンクリートは、超速硬コンクリート、超速硬モルタル、繊維補強コンクリート、繊維補強モルタル、ポーラスコンクリート、緑化コンクリート、夜間特殊コンクリート、夜間特殊モルタル、断面修復材、瓦舗装材、土舗装材、または三和土でよい。
【0021】
収容部202は、桶状の容器と、容器を密閉する蓋とを有する。攪拌羽根部204は、収容部202の容器内に設置される。攪拌羽根部204は、容器内に配置され、容器内の複数の材料を攪拌させる攪拌羽根、及び攪拌羽根を連結する基軸を有する。駆動部206は、モータを有し、モータの回転軸に攪拌羽根を連結する基軸が固定されている。モータが駆動することで、攪拌羽根が回転軸を中心に回転する。ミキサ200は、パン型ミキサでよく、モータの回転軸は、容器の底面から垂直に起立、もしくは容器の上部から垂直に吊り下がってもよい。ミキサ200は、強制2軸ミキサ、傾胴ミキサでもよい。計量センサ208は、収容部202の容器内の内容物の重量を計測する。計量センサ208は、内容物の重量に応じた電気信号を出力するロードセルでよい。
【0022】
2つのメインホッパ300は、それぞれ生コンクリートの材料を格納する。一方のメインホッパ300は、例えば、砂などの細骨材を格納し、他方のメインホッパ300は、例えば、砂利などの粗骨材を格納する。ベルトコンベア302は、メインホッパ300に格納された材料をミキサ200まで運搬し、収容部202の容器内に投入する。
【0023】
サブホッパ310は、生コンクリートの材料を格納する。サブホッパ310は、例えば、セメント、またはセメント及び細骨材がプレミックされたモルタルを格納する。サブホッパ310の容量は、メインホッパ300の容量より小さくてよい。
【0024】
タンク320は、生コンクリートの液体の材料を格納する。タンク320は、例えば、水を格納する。ポンプ322は、タンク320内の水などの液体を吸い上げて、収容部202の容器内に供給する。
【0025】
このように構成された生コンクリート製造装置10を使用した生コンクリートの製造を繰り返すことで、ミキサ200の攪拌羽根、基軸、収容部202の内側壁などに生コンクリートなどの付着物が付着してくる。付着物が多くなると、ミキサ200による生コンクリートの攪拌に悪影響を与える可能性がある。したがって、ミキサ200の容器内を適当なタイミングで、水などで洗浄する必要がある。移動式ではない、通常の生コンクリート製造装置であれば、バッチ間隔は、一定であるため、予め定められたバッチ数の生コンクリートを製造した段階で、その都度、ミキサ200の容器内を洗浄すればよい。
【0026】
しかしながら、本実施形態に係る生コンクリート製造装置10は、車両20に搭載されて移動する。そして、生コンクリート製造装置10は、大型トラックなどが侵入できない特殊な現場で用いられることが多い。このような現場では、車両20が打設ごとに場所を移動する場合に、車両20が移動するのにかかる時間が一定とならないことがある。したがって、バッチ間隔は、一定とならない。バッチ間隔が長くなると、ミキサ200の容器内に付着した付着物が固まり、除去しづらくなる。このような状態でミキサ200により生コンクリートの攪拌を繰り返していると、洗浄のタイミングが遅くなり、攪拌羽根などへの付着物の量が多くなる可能性がある。
【0027】
そこで、本実施形態に係る生コンクリート製造装置10によれば、攪拌羽根部204及び収容部202の内側壁の少なくとも一方への付着物の量を予測して、付着物の量が閾値を超えると、ミキサ200を洗浄すべきことを外部に通知する。
【0028】
制御装置100は、重量取得部102、トルク値取得部104、予測部106、通知部108、導出部110、補正部112、記憶部114を備える。
【0029】
重量取得部102は、収容部202内の内容物の重量を取得する。重量取得部102は、計量センサ208を介して収容部202内の内容物の重量を取得する。重量取得部102は、ミキサ200を洗浄後に、収容部202の容器内が空の状態で、内容物の基準の重量を取得し、予測部106に提供する。ミキサ200の洗浄は、作業者が手動で行ってよい。ミキサ200が、洗浄機能を有し、自動で洗浄してもよい。洗浄機能は、収容部202内に設けたノズルから水などの洗浄液を噴射することで、容器内を洗浄する機能でよい。
【0030】
予測部106は、一バッチ分の複数の材料を収容部202内に投入する前に、攪拌羽根部204及び収容部202の内側壁の少なくとも一方に付着した複数の材料を含む付着物の量を予測する。攪拌羽根部204への付着物の付着は、攪拌羽根、及び攪拌羽根を連結する基軸の少なくとも一方への付着を含む。予測部106は、一バッチ分の複数の材料を収容部202内に投入する前に、重量取得部102から現時点の収容部202内の内容物の重量を取得する。予測部106は、基準の重量と、現時点の重量とに基づいて、付着物の量を予測してよい。予測部106は、現時点の重量から基準の重量を減算することで、付着物の量を予測してよい。
【0031】
トルク値取得部104は、駆動部206が攪拌羽根部204を回転させるときのトルク値を取得する。トルク値取得部104は、攪拌羽根を回転させるモータに入力される電流値、または電流値に予め定められた係数を乗算した値を、トルク値として取得してよい。ミキサ200を洗浄後に、制御装置100は、収容部202の容器内が空の状態で、駆動部206を駆動させて、攪拌羽根部204を回転させる。トルク値取得部104は、収容部202の容器内が空の状態で、駆動部206が攪拌羽根部204を回転させたときのトルク値を基準のトルク値として取得し、予測部106に提供する。
【0032】
予測部106は、一バッチ分の複数の材料を収容部202内に投入する前に、駆動部206が攪拌羽根部204を回転させたときの現時点のトルク値をトルク値取得部104から取得する。予測部106は、基準のトルク値と現時点のトルク値とに基づいて、付着物の量を予測してよい。予測部106は、基準のトルク値と現時点のトルク値との差分と、付着物の量との関係を示す予め定められた関係情報に従って、付着物の量を予測してよい。予め定められた関係情報は、付着物の量を変えながら、実際にトルク値を取得する実験から導出して、制御装置100の記憶部114に予め記憶してよい。
【0033】
予測部106は、一バッチ分の複数の材料を収容部202内に投入する前に、重量取得部102により取得される重量と、トルク値取得部104により取得されるトルク値とに基づいて、付着物の量を予測してよい。予測部106は、重量取得部102により取得される重量から予測される付着物の量と、トルク値取得部104により取得されるトルク値から予測される付着物の量とに基づいて、付着物の量を予測してよい。予測部106は、重量取得部102により取得される重量から予測される付着物の量と、トルク値取得部104により取得されるトルク値から予測される付着物の量とにそれぞれ予め定められた重み付けを行った後、重み付けされたそれぞれの付着物の量から、付着物の量を予測してよい。
【0034】
通知部108は、予測部106により予測される付着物の量が閾値を超えた場合、一バッチ分の複数の材料を収容部202内に投入する前に、収容部202内を洗浄すべきことを通知する。通知部108は、収容部202内を洗浄すべきことを示すメッセージを制御装置100が備える表示部に表示させることで、通知してよい。通知部108は、収容部202内を洗浄すべきことを示すメッセージを生コンクリート製造装置10の管理者宛に電子メール等で送信することで、通知してよい。通知部108は、生コンクリート製造装置10が備える洗浄すべきことを示すランプを点灯させることで、通知してよい。通知部108は、生コンクリート製造装置10が備えるマイクから洗浄すべきことを示す音声を出力することで通知してよい。通知部108は、ミキサ200が備える洗浄機能の制御部に向けて、洗浄を命令することで、通知してよい。洗浄機能の制御部は、命令を受けてミキサ200の洗浄を実行してよい。
【0035】
導出部110は、駆動部206が攪拌羽根部204を回転させるときのトルク値と、攪拌羽根部204で攪拌されている生コンクリートのスランプ値との関係を示すスランプ関係情報に基づいて、トルク値取得部104により取得されるトルク値に対応する複数の材料から製造される生コンクリートのスランプ値を導出する。スランプ関係情報は、トルク値とスランプ値との関係を示す関数でよい。スランプ関係情報は、例えば、図3に示すようなトルク値とスランプ値との関係を示す曲線L1を示す関数でよい。スランプ関係情報は、トルク値を変化させながら、実際にスランプコーンを用いてスランプ値を測定し、その時のトルク値とスランプ値との関係から予め導出してよい。スランプ関係情報は、記憶部114に予め記憶しておいてよい。
【0036】
ここで、攪拌羽根部204及び収容部202の内側壁の少なくとも一方に付着物が付着している場合、トルク値とスランプ値とのスランプ関係に変化が生じる可能性がある。すなわち、導出部110が、付着物が付着していない状態で導出されたスランプ関係情報に基づいて、トルク値からスランプ値を導出した場合、付着物の量によって、スランプ値の誤差が大きくなる可能性がある。付着物の量が多くなると、実際よりもスランプ値が大きくなる可能性がある。
【0037】
そこで、補正部112は、予測部106により予測される付着物の量に基づいて、スランプ値を補正する。補正部112は、予測部106により予測される付着物の量に基づいて、スランプ関係情報を補正することで、スランプ値を補正してよい。補正部112は、付着物の量と補正量との関係を示す補正関係情報に基づいて、スランプ関係情報を補正してよい。例えば、補正部112は、図3に示すように、予測部106により予測される付着物の量に応じた補正量分、トルク値から導出されるスランプ値が小さくなるように、曲線L1から曲線L2にスランプ関係情報を補正してよい。
【0038】
図4は、付着物の量に応じて洗浄アラートを通知する手順の一例を示すフローチャートである。
【0039】
一バッチ分の複数の材料を収容部202内に投入する前に、予測部106は、攪拌羽根部204及び収容部202の内側壁の少なくとも一方に付着した複数の材料を含む付着物の量を、収容部202内の内容物の重量及びトルク値の少なくとも一方に基づいて予測する(S100)。補正部112は、付着物の量に基づいてスランプ値を導出するスランプ関係情報を、付着物の量に基づいて補正する(S102)。
【0040】
通知部108は、予測された付着物の量が閾値を超えるか否かを判定する(S104)。予測された付着物の量が閾値を超えていれば、一バッチ分の複数の材料を収容部202内に投入する前に、通知部108は、ミキサ200を洗浄すべきことを示す洗浄アラートを通知する(S106)。予測された付着物の量が閾値を超えていない場合、制御装置100は、ベルトコンベア302、スクリューフィーダ312、及びポンプ322を制御して、一バッチ分の複数の材料を収容部202内に投入する(S108)。
【0041】
以上のように、本実施形態によれば、一バッチ分の複数の材料が収容部202内に投入される前に、その都度、ミキサ200を洗浄すべきかどうかが判定される。これにより、攪拌羽根、基軸、または収容部202の内側壁に多くの付着物が付着された状態で、生コンクリートの製造が繰り返されることを未然に防ぐことができる。よって、攪拌羽根、基軸、または収容部202の内側壁に多くの付着物が付着していることで、ミキサ200による生コンクリートの攪拌が不十分になり、生コンクリートに含まれる空気の量が所望の量にならず、所望の品質の生コンクリートが製造できなくなることを未然に防ぐことができる。また、攪拌羽根、基軸、または収容部202の内側壁に多くの付着物が付着していることで、収容部202の容器から、材料が溢れ出すことを未然に防ぐことができる。
【0042】
図5は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化してよいコンピュータ1200の一例を示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーションまたは当該装置の1または複数の「部」として機能させることができる。または、当該プログラムは、コンピュータ1200に当該オペレーションまたは当該1または複数の「部」を実行させることができる。当該プログラムは、コンピュータ1200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつかまたは全てに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0043】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、及びRAM1214を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、入力/出力ユニットを含み、それらは入力/出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。コンピュータ1200はまた、ROM1230を含む。CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。
【0044】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブが、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納してよい。ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/またはコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。プログラムが、CD-ROM、USBメモリまたはICカードのようなコンピュータ可読記録媒体またはネットワークを介して提供される。プログラムは、コンピュータ可読記録媒体の例でもあるRAM1214、またはROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーションまたは処理を実現することによって構成されてよい。
【0045】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、またはUSBメモリのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0046】
また、CPU1212は、USBメモリ等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0047】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0048】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ1200上またはコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0049】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよい。その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0050】
コンピュータ可読命令は、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードの何れかを含んでよい。ソースコードまたはオブジェクトコードは、従来の手続型プログラミング言語を含む。従来の手続型プログラミング言語は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語でよい。コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供されてよい。プロセッサまたはプログラマブル回路は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0051】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0052】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0053】
10 生コンクリート製造装置
20 車両
22 荷台
100 制御装置
102 重量取得部
104 トルク値取得部
106 予測部
108 通知部
110 導出部
112 補正部
114 記憶部
200 ミキサ
202 収容部
204 攪拌羽根部
206 駆動部
208 計量センサ
300 メインホッパ
302 ベルトコンベア
310 サブホッパ
312 スクリューフィーダ
320 タンク
322 ポンプ
1200 コンピュータ
1210 ホストコントローラ
1212 CPU
1214 RAM
1220 入力/出力コントローラ
1222 通信インタフェース
1230 ROM
図1
図2
図3
図4
図5