(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023122243
(43)【公開日】2023-09-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/34 20060101AFI20230825BHJP
G06Q 10/047 20230101ALI20230825BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20230825BHJP
【FI】
G01C21/34
G06Q10/04 310
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022025833
(22)【出願日】2022-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】500578216
【氏名又は名称】株式会社ゼンリンデータコム
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】世古 将伸
(72)【発明者】
【氏名】吉田 智紀
(72)【発明者】
【氏名】松村 史生
【テーマコード(参考)】
2F129
5L049
【Fターム(参考)】
2F129DD66
2F129EE02
2F129FF11
2F129FF12
2F129FF20
2F129FF32
2F129HH02
2F129HH04
2F129HH12
2F129HH20
2F129HH21
5L049AA04
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】関連する敷地に含まれる地点間の移動が低減された巡回経路を生成することが可能となる情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】本発明の一側面に係る情報処理装置は、敷地に関連する敷地関連情報を取得する取得部と、複数の地点のうち敷地関連情報に対応する少なくとも2つの地点を、敷地関連情報に対応付けられた集約対象として設定する設定部と、集約対象として設定された少なくとも2つの地点を、所定の代表点に集約する集約部と、所定の代表点と、複数の地点のうち所定の代表点に集約されなかった地点とを巡回する経路を探索する探索部と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
敷地に関連する敷地関連情報を取得する取得部と、
複数の地点のうち前記敷地関連情報に対応する少なくとも2つの地点を、前記敷地関連情報に対応付けられた集約対象として設定する設定部と、
前記集約対象として設定された前記少なくとも2つの地点を、所定の代表点に集約する集約部と、
前記所定の代表点と、前記複数の地点のうち前記所定の代表点に集約されなかった地点とを巡回する経路を探索する探索部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記敷地関連情報は、前記敷地の領域を画定するためのポリゴンデータを含み、
前記設定部は、前記複数の地点のうち前記ポリゴンデータが画定する領域に含まれる少なくとも2つの地点を、前記ポリゴンデータに対応付けられた前記集約対象として設定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記集約部は、前記所定の代表点を、前記敷地に対して予め定められた地点に基づいて決定する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記敷地関連情報は、前記敷地にアクセスするためのアクセス地点が配置されたリンクであるアクセスリンクを含み、
前記設定部は、前記複数の地点のうち前記アクセスリンクに対応付けられる少なくとも2つの地点を、前記アクセスリンクに対応付けられた前記集約対象として設定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記集約部は、前記所定の代表点を、前記アクセスリンクに配置されたいずれかのアクセス地点に決定する、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記敷地関連情報は、前記敷地を特定するための住所を含み、
前記設定部は、前記複数の地点のうち前記住所が示す前記敷地に含まれる少なくとも2つの地点を、前記住所に対応付けられた前記集約対象として設定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記集約部は、前記所定の代表点を、前記少なくとも2つの地点に基づいて決定する、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記集約部は、前記所定の代表点を、前記少なくとも2つの地点の座標の加重平均に決定する、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記設定部は、前記複数の地点のうち前記敷地関連情報に対応する前記少なくとも2つの地点を、前記少なくとも2つの地点が同一のメッシュに含まれることを条件として、前記集約対象として設定する、請求項1から8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータが、
敷地に関連する敷地関連情報を取得するステップと、
複数の地点のうち前記敷地関連情報に対応する少なくとも2つの地点を、前記敷地関連情報に対応付けられた集約対象として設定するステップと、
前記集約対象として設定された前記少なくとも2つの地点を、所定の代表点に集約するステップと、
前記所定の代表点と、前記複数の地点のうち前記所定の代表点に集約されなかった地点とを巡回する経路を探索するステップと、
を実行する、情報処理方法。
情報処理方法。
【請求項11】
コンピュータを、
敷地に関連する敷地関連情報を取得する取得部と、
複数の地点のうち前記敷地関連情報に対応する少なくとも2つの地点を、前記敷地関連情報に対応付けられた集約対象として設定する設定部と、
前記集約対象として設定された前記少なくとも2つの地点を、所定の代表点に集約する集約部と、
前記所定の代表点と、前記複数の地点のうち前記所定の代表点に集約されなかった地点とを巡回する経路を探索する探索部と、
として機能させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、交通システムや物流システム等においては、複数の地点を巡回する場合に、どのような経路であれば最も効率良く巡回できるかという問題が検討されている。このような問題は、巡回経路探索問題や巡回セールスマン問題などと呼ばれ、当該問題に対する解法として、最適な経路を探索する方法が種々提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、複数の地点を巡回する最適配車計画を求める配車スケジュール方法が記載されている。当該配車スケジュール方法では、複数の地点に対する所定の評価関数を最小化するとともに各種制約条件を満足する近似解に基づいて、最適な一の配車計画が選択される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、巡回経路探索問題の解法の多くでは、地点と地点との間には必ず移動が介在するという前提で経路が探索される。そのため、例えば、複数の地点が同一の建物内にある場合などでは、当該複数の地点の間においても移動が必要であるものとして計算されてしまい、当該建物を含む区画周りの道路を余計に一周するような経路が生成される場合があった。また、1つの道路の周囲に複数の地点が密集しているような場合、当該道路において多くの地点毎に到着を繰り返させるような巡回経路が生成されてしまうという不都合もあった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、関連する敷地に含まれる地点間の移動が低減された巡回経路を生成することが可能となる情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係る情報処理装置は、敷地に関連する敷地関連情報を取得する取得部と、複数の地点のうち敷地関連情報に対応する少なくとも2つの地点を、敷地関連情報に対応付けられた集約対象として設定する設定部と、集約対象として設定された少なくとも2つの地点を、所定の代表点に集約する集約部と、所定の代表点と、複数の地点のうち所定の代表点に集約されなかった地点とを巡回する経路を探索する探索部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数の地点のうち同一の敷地関連情報に対応する少なくとも2つの地点が、集約対象として設定された上で代表点に集約される。そして、集約された地点の代表点と、複数の地点のうち代表点に集約されなかった地点とを巡回する経路が探索される。これにより、同一の敷地関連情報に対応付けられる地点間の移動が低減されるため、適切な巡回経路を生成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態に係るナビゲーションシステム1の装置構成の一例を示す図である。
【
図2】巡回経路探索装置10及び端末20のハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】巡回経路探索装置10の機能ブロック構成例を示す図である。
【
図4】地図情報100a及び敷地関連情報100bについて説明するための図である。
【
図5】端末20の機能ブロック構成例を示す図である。
【
図6】本実施形態に係るナビゲーションシステム1が実行する処理の一例を示す動作シーケンスである。
【
図7】配送アプリケーション画面の一例を示す図である。
【
図8】巡回経路探索装置10が実行する巡回経路探索処理の一例を示す動作フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0011】
<システム構成>
図1は、実施形態に係るナビゲーションシステム1の装置構成の一例を示す図である。ナビゲーションシステム1は、例えば、荷物の配送先等の複数の地点を巡回するための巡回経路を生成し、地図画面に重ねて表示する。また、ナビゲーションシステム1は、例えば、当該巡回経路に従って移動するように案内を行う。
【0012】
ナビゲーションシステム1は、巡回経路探索装置10と、端末20とを含む。巡回経路探索装置10は、例えば所定の管理者によって管理され、端末20からの要求に基づいて巡回経路探索を行い、巡回経路の探索結果を端末20に送信する。巡回経路探索装置10は、1つ又は複数の物理的なサーバ等から構成されていてもよいし、ハイパーバイザー(hypervisor)上で動作する仮想的なサーバを用いて構成されていてもよいし、クラウドサーバを用いて構成されていてもよい。端末20は、荷物の配送者等のユーザが操作する端末であり、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話機、パーソナルコンピュータ(PC)、ノートPC、携帯情報端末(PDA)、家庭用ゲーム機器など、通信機能を備えた端末であればあらゆる端末を用いることができる。端末20は、巡回の対象となる地点を示す情報を入力するための入力画面や、巡回経路探索装置10から受信した巡回経路及び巡回経路上の案内地点を示す文字列等を表示する案内画面等を表示する。
【0013】
なお、ナビゲーションシステム1は、スタンドアローン型として1つの装置で実現されていてもよい。すなわち、巡回経路探索装置10の機能及び端末20の機能の両方が、1つの装置で実現されていてもよい。本実施形態において、巡回経路探索装置10を、ナビゲーション装置又はコンピュータと称してもよいし、巡回経路探索装置10及び端末20の両方の機能を備えた装置を、ナビゲーション装置又はコンピュータと称してもよい。
【0014】
<ハードウェア構成>
図2は、巡回経路探索装置10及び端末20のハードウェア構成例を示す図である。巡回経路探索装置10及び端末20は、通信コントローラ30-1、CPU30-2、ワーキングメモリとして使用されるRAM(Random Access Memory)30-3、ブートプログラムなどを格納するROM(Read Only Memory)30-4、フラッシュメモリやHDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置30-5、ドライブ装置30-6、入出力I/F30-7などが、内部バスあるいは専用通信線によって相互に接続された構成となっている。通信コントローラ30-1は、他の情報処理装置との通信を行う。記憶装置30-5には、CPU30-2が実行するプログラム30-5aが格納されている。このプログラム30-5aは、DMA(Direct Memory Access)コントローラ(不図示)などによってRAM30-3に展開されて、CPU30-2によって実行される。入出力I/F30-7は、巡回経路探索装置10及び端末20に対する入力を受け付ける入力装置、及び所定の出力を実行する出力装置を含む。入力装置は、例えば、キーボード、タッチパネル、タッチパッド、マウス、マイク等の任意の入力デバイスであってよい。出力装置は、ディスプレイ、スピーカ等の任意の出力デバイスであってよい。なお、巡回経路探索装置10は必ずしも入出力I/F30-7を有しなくてもよい。
【0015】
<機能ブロック構成>
(巡回経路探索装置10)
図3は、巡回経路探索装置10の機能ブロック構成例を示す図である。巡回経路探索装置10は、記憶部100と、受信部101と、取得部102と、集約部104と、探索部105と、送信部106とを含む。記憶部100は、巡回経路探索装置10が備える記憶装置30-5を用いて実現することができる。また、受信部101と、取得部102と、集約部104と、探索部105と、送信部106とは、巡回経路探索装置10のCPU30-2が、記憶装置30-5に記憶されたプログラム30-5aを実行することにより実現することができる。また、当該プログラム30-5aは、記憶媒体に格納することができる。当該プログラム30-5aを格納した記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体(Non-transitory computer readable medium)であってもよい。非一時的な記憶媒体は特に限定されないが、例えば、USBメモリ又はCD-ROM等の記憶媒体であってもよい。
【0016】
記憶部100は、地図情報100a及び敷地関連情報100bを記憶する。
図4を参照して、地図情報100a及び敷地関連情報100bについて説明する。
【0017】
地図情報100aには、ノード及び道路リンク(以下、単に「リンク」と言う。)に関するデータが含まれる。ここで、ノードとは、交差点や道路上の結節点を示す用語であり、
図4には、一例としてノードN1、N2、N3、N4、N5が示されている。ノードに関するデータは、ノードの座標値、通行規制などを含んでもよい。また、リンクとは、ノードとノードとの間を結ぶ道路を示す用語であり、
図4には、一例として、道路R12、R13、R14、R15のそれぞれに対応するリンクL12、L13、L14、L15とが示されている。リンクに関するデータは、リンクの向きを示す情報(例えば、対応する道路において通行可能な方向を示す情報)、リンクの端点となるノードを識別するための情報、及びリンクに対応する道路に関する情報(国道・県道等の種別、車線数その他の属性情報や通行規制情報等)等を含んでもよい。リンク及びノードには、「コスト」が設定されてもよい。リンク及びノードに設定されるコストは、例えば、経路探索時に優先的に探索されるべきリンク及びノードであるほど、低いコストに設定されてもよい。例えば、道路が太い国道に対応するリンクの方が、道路が細い路地に対応するリンクよりも低いコストに設定されてもよい。また、リンクに設定されるコストは、渋滞情報に基づいて適宜更新されてもよい。例えば、渋滞している道路に対応するリンクのコストは、渋滞していない道路に対応するリンクのコストよりも高いコストに設定されてもよい。
【0018】
敷地関連情報100bは、建物や土地等の敷地に関連する情報であり、例えば、名称、ポリゴンデータ、代表点、アクセス地点、アクセス地点が配置されたリンクであるアクセスリンク等を含んでもよい。名称は、建物や土地等の敷地の名称であってもよいし、固有のIDであってもよい。
図4の例では、名称を「H1」とする敷地の敷地関連情報、及び名称を「H2」とする敷地の敷地関連情報が示されている。ポリゴンデータは、敷地の領域を画定するためのデータであって、例えば、敷地を画定する区画の頂点を示す座標(例えば、緯度及び経度)の組として表されてもよい。
図4の例では、頂点P1a、P1b、P1c、P1d、P1e、P1f、P1g、P1hを示す各座標の組が、敷地H1に対応するポリゴンデータとして設定されており、また、頂点P2a、P2b、P2c、P2dを示す各座標の組が、敷地H2に対応するポリゴンデータとして設定されている。
【0019】
代表点は、敷地の位置を表す地点の座標である。
図4の例では、地点C1が、敷地H1の代表点として設定されており、また、地点C2が、敷地H2の代表点として設定されている。代表点は、敷地の中心や重心(例えば、ポリゴンデータが含む各頂点の座標の中心や重心)であってもよいし、これらに限らず任意に設定可能であってよい。
【0020】
アクセス地点は、敷地にアクセスするための地点であり、アクセスリンクは、アクセス地点が配置されたリンクである。アクセス地点は、例えば、D2D情報(Door to Door情報)などとも称される。具体的には、アクセス地点は、敷地に近接する所定のアクセスリンク上に配置された点であって、当該アクセスリンクに対応する道路から敷地に出入りすることが可能であることを示す点である。アクセス地点及びアクセスリンクは、敷地の周囲の交通環境を踏まえて、任意に設定されてもよい。
図4の例では、リンクL14が敷地H1のアクセスリンクとして設定されており、また、リンクL14上の所定の位置に配置された地点G1が、敷地H1に対するアクセス地点として設定されている。同様に、リンクL14が敷地H2のアクセスリンクとしても設定されており、また、リンクL14上の所定の位置に配置された地点G2が、敷地H2に対するアクセス地点として設定されている。すなわち、敷地H1とH2とは、共通のアクセスリンク(リンクL14)に対応付けられている。
【0021】
なお、敷地に隣接する道路が、進入や移動が困難な道路である場合などがある。このような場合、アクセスリンクは、敷地に隣接しない道路に対応するリンクに設定されてもよく、アクセス地点は、当該アクセスリンク上に配置されてもよい。例えば、
図4の例では、敷地H1やH2のアクセスリンクは、敷地H1やH2に隣接する道路R14のリンクL14ではなく、当該リンクL14に(ノードを介して)接続するリンクL13やL15(敷地H2のアクセスリンクの場合、更にリンクL12も含む)に設定されてもよく、アクセス地点は、当該アクセスリンク上に配置されてもよい。
【0022】
受信部101は、例えば、端末20等の他の情報処理装置から各種の情報を受信する。例えば、受信部101は、端末20から巡回経路の要求を受信してもよい。巡回経路の要求には、例えば、荷物の配送先等の複数の地点それぞれを示す情報が含まれる。当該情報は、例えば、当該地点の住所であってもよいし、当該地点の座標であってもよい。住所は、例えば、操作者による端末20への入力に基づいて取得された情報であってもよい。座標は、例えば、端末20に表示された地図上の任意の位置を配送者等が指定することにより入力されてもよい。
【0023】
取得部102は、巡回対象の地点を含む敷地に関連する敷地関連情報を取得する。例えば、取得部102は、敷地関連情報として、敷地の領域を画定するためのポリゴンデータを取得してもよい。
図4に示す例では、取得部102は、敷地関連情報として、敷地H1の領域を画定するためのポリゴンデータである頂点P1a~P1hの各座標や、敷地H2の領域を画定するためのポリゴンデータである頂点P2a~P2dの各座標を取得してもよい。また、例えば、取得部102は、敷地関連情報として、敷地にアクセスするためのアクセス地点が配置されたリンクであるアクセスリンクを取得してもよい。
図4に示す例では、取得部102は、敷地関連情報として、敷地H1及びH2に対応付けられたアクセスリンクL14を取得してもよい。
【0024】
設定部103は、複数の地点のうち敷地関連情報に対応する少なくとも2つの地点を、該敷地関連情報に対応付けられた集約対象として設定する。具体的には、設定部103は、複数の地点のそれぞれが、取得された敷地関連情報のいずれかに対応するか否かを判定し、各地点を敷地関連情報に対応付ける。敷地関連情報に対応付けられた各地点は、後述する集約部104による集約の対象(集約対象)として設定される。
【0025】
例えば、敷地関連情報がポリゴンデータを含む場合、設定部103は、ポリゴンデータ毎に、当該ポリゴンデータが画定する領域に含まれる少なくとも2つの地点を集約対象に設定する。具体的には、設定部103は、各地点の座標についてポリゴンデータが示す領域内に含まれるか否かを判定した上で、ポリゴンデータが示す領域内に各地点の座標が含まれる場合、当該地点は当該ポリゴンデータが示す敷地に含まれると判定する。そして、設定部103は、ポリゴンデータに含まれる少なくとも2つの地点を、当該ポリゴンデータに対応付けられた集約対象として設定する。
図4に示す例では、設定部103は、例えば、敷地H1のポリゴンデータP1a~P1hが画定する領域(敷地H1)に含まれる地点T1a、T1b、T1c、T1d、及びT1eを、敷地H1のポリゴンデータP1a~P1hに対応付けられた集約対象に設定する。同様に、設定部103は、例えば、敷地H2のポリゴンデータP2a~P2dが画定する領域(敷地H2)に含まれる地点T2a、T2b、及びT2cを、敷地H2のポリゴンデータP2a~P2dに対応付けられた集約対象に設定する。なお、複数の領域のそれぞれに対応付けられた複数のポリゴンデータが所定の条件を満たす場合、当該複数のポリゴンデータを1つのポリゴンデータに併合してもよい。これにより、複数の領域のそれぞれに含まれる複数の地点も、集約対象として設定され得る。ここで、当該所定の条件としては、例えば、複数のポリゴンデータのそれぞれに対応付けられた複数の領域の面積や形状等により規定されてもよい。例えば、当該所定の条件は、複数の領域の面積の総和が所定の閾値以内であることを含んでもよい。
【0026】
また、例えば、敷地関連情報がアクセスリンク(敷地に対して設定されたアクセス地点が含まれるリンク)を含む場合、設定部103は、アクセスリンク毎に、アクセスリンクに対応付けられる少なくとも2つの地点を集約対象に設定する。具体的には、設定部103は、ポリゴンデータが示す領域内に各地点の座標が含まれるか否かを判定した上で、ポリゴンデータが示す領域内に各地点の座標が含まれる場合、当該地点は当該ポリゴンデータが示す敷地に含まれると判定する。そして、設定部103は、各地点を、当該ポリゴンデータが示す敷地に対応付けられたアクセスリンクに対応付けられた集約対象として設定する。
図4に示す例において、敷地H1及び敷地H2のそれぞれに対して、リンクL14がアクセスリンクとして対応付けられているものとする。この場合、設定部103は、例えば、敷地H1に含まれる地点T1a、T1b、T1c、T1d、及びT1eと、敷地H2に含まれる地点T2a、T2b、及びT2cとのいずれをも、アクセスリンク(リンクL14)に対応付けられた集約対象に設定する。
【0027】
集約部104は、敷地関連情報に少なくとも2つの地点が集約対象として対応付けられている場合、集約対象の当該少なくとも2つの地点を、所定の代表点に集約する。代表点は、例えば、集約対象の地点に基づいて決定されてもよい。より具体的には、当該代表点は、例えば、集約対象の各地点の加重平均に決定されてもよい。なお、各地点の加重平均とは、各座標に所定の重みを乗じて得られる値の合計であり、特にいずれの重みも等しい場合、当該加重平均は重心とも称される。
図4に示す例では、集約部104は、例えば、敷地H1に含まれる集約対象としての地点T1a、T1b、T1c、T1d、及びT1eの加重平均(例えば、重心)を、これら地点T1a、T1b、T1c、T1d、及びT1eの代表点に決定してもよい。同様に、集約部104は、例えば、敷地H2に含まれる集約対象としての地点T2a、T2b、及びT2cの加重平均(例えば、重心)を、これら地点T2a、T2b、及びT2cの代表点に決定してもよい。
【0028】
また、例えば、敷地関連情報としてのポリゴンデータ毎に集約対象が設定される場合、集約部104は、当該ポリゴンデータが示す敷地に対して予め定められた地点を、集約対象の地点の代表点に決定してもよい。
図4に示す例では、集約部104は、例えば、敷地H1に対して予め設定された代表点C1及びアクセス地点G1等を、敷地H1に含まれる集約対象としての地点T1a、T1b、T1c、T1d、及びT1eの代表点に決定してもよい。同様に、敷地H2に対して予め設定された代表点C2及びアクセス地点G2等を、敷地H2に含まれる集約対象としての地点T2a、T2b、及びT2cの代表点に決定してもよい。
【0029】
また、例えば、敷地関連情報としてのアクセスリンク毎に集約対象が設定される場合、集約部104は、アクセスリンクに配置されたいずれかのアクセス地点を、集約対象の地点の代表点に決定してもよい。
図4に示す例において、敷地H1に含まれる地点T1a、T1b、T1c、T1d、及びT1eと、敷地H2に含まれる地点T2a、T2b、及びT2cとがアクセスリンク(リンクL14)に対応付けられた集約対象として設定されているものとする。この場合、集約部104は、例えば、敷地H1のアクセス地点G1、又は、敷地H2のアクセス地点G2を、代表点に決定してもよい。
【0030】
探索部105は、巡回経路の要求に応じて巡回経路を決定する。巡回経路の決定においては、例えば、探索部105は、地図情報100aに含まれるリンク及びノードに設定されているコストに基づいて、候補となる経路それぞれに対してコストを算出した上で、当該コストを比較することにより少なくとも1つの巡回経路を決定する。特に、探索部105は、巡回経路の要求に含まれる複数の地点のうち、集約部104によって所定の代表点に集約された地点は巡回対象から除き、その代わりに、当該所定の代表点を巡回対象に含めてもよい。これにより、互いに近接する複数の地点が巡回対象に含まれる場合であっても、例えば、各地点を個別に巡回するための不要な移動が低減され、適切な巡回経路を生成することが可能となる。或いは、探索部105は、巡回経路の要求に含まれる複数の地点のうち、集約部104によって所定の代表点に集約された地点を巡回対象からは除かず、当該所定の代表点と当該集約された地点とを巡回対象に含めてもよい。特に、探索部105は、代表点から当該代表点に集約された地点への経路や、代表点に集約された地点から当該代表点への経路を、生成する巡回経路に含めてもよい。
【0031】
送信部106は、端末20等の他の情報処理装置に各種の情報を送信する。送信部106は、例えば、記憶部100から抽出した地図情報を端末20に送信してもよい。また、送信部106は、例えば、探索部105が決定した巡回経路のデータを端末20に送信してもよい。
【0032】
(端末20)
図5は、端末20の機能ブロック構成例を示す図である。端末20は、記憶部200と、受付部201と、送信部202と、受信部203と、表示制御部204とを含む。記憶部200は、端末20が備える記憶装置30-5を用いて実現することができる。また、受付部201と、送信部202と、受信部203と、表示制御部204とは、端末20のCPU30-2が、記憶装置30-5に記憶されたプログラム30-5aを実行することにより実現することができる。また、当該プログラム30-5aは、記憶媒体に格納することができる。当該プログラムを格納した記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体であってもよい。非一時的な記憶媒体は特に限定されないが、例えば、USBメモリ又はCD-ROM等の記憶媒体であってもよい。当該プログラム30-5aは、端末20にインストール可能な、配送アプリケーションや経路案内アプリケーション等であってもよい。
【0033】
記憶部200は、各種の情報を記憶する。記憶部200は、例えば、巡回経路探索装置10等から取得した地図情報を、当該地図情報を格納するためのキャッシュ200aに記憶してもよい。
【0034】
受付部201は、ユーザによる各種の操作を受け付ける。例えば、受付部201は、配送アプリケーションにおいて登録するための荷物に関する各種の情報(荷物の配送先、配達状況、時間指定、置き配利用の可否、宅配ボックス利用の可否等)の入力を受け付けてもよい。また、受付部201は、経路探索のための各種の地点の入力を受け付ける。
【0035】
送信部202は、巡回経路探索装置10等の他の情報処理装置に各種の情報を送信する。例えば、送信部202は、巡回経路の要求を巡回経路探索装置10に送信する。巡回経路の要求には、例えば、巡回対象の各地点を示す情報が含まれる。各地点を示す情報は、各地点の住所であってもよいし、各地点の座標であってもよい。各地点の住所は、例えば、操作者がテキストを指定することにより入力することができる。各地点の座標は、例えば、端末20に表示された地図上の任意の位置を操作者が指定することにより入力することができる。この場合、端末20は、地図上の位置と座標とを対応付けた所定のテーブル(端末20の記憶部200に記憶されたものであってもよいし、巡回経路探索装置10等にアクセスすることにより参照可能なものであってもよい)を参照して、指定された位置に対応する座標を取得する。
【0036】
受信部203は、巡回経路探索装置10等の他の情報処理装置から各種の情報を受信する。受信部203は、例えば、所定の地図情報を、巡回経路探索装置10から取得する。また、受信部203は、例えば、巡回経路探索装置10が探索した巡回経路のデータを、巡回経路探索装置10から取得する。
【0037】
表示制御部204は、各種の画面を、端末20に表示させる機能を有する。表示制御部204は、例えば、荷物の配送に関する各種情報を入力・閲覧等するための画面を端末20に表示させる。また、表示制御部204は、例えば、巡回経路探索装置10から取得した地図情報に基づいて、当該地図を端末20に表示させる。また、表示制御部204は、例えば、巡回経路探索装置10から取得した巡回経路のデータに基づいて、複数の荷物の各配送先を巡回する経路(巡回経路)を地図に重畳させて端末20に表示させる。
【0038】
<動作処理>
図6を参照して、本実施形態に係るナビゲーションシステム1が実行する処理について説明する。
図6は、本実施形態に係るナビゲーションシステム1が実行する処理の一例を示す動作シーケンスである。
図6は、本実施形態に係るナビゲーションシステム1が実行する処理において、端末20に表示される画面の表示例を示す図である。
【0039】
本実施形態に係る端末20では、例えば、配送アプリケーションと経路案内アプリケーションとが連携して、配送者等による複数の荷物の配送の支援が提供される。配送アプリケーションは、例えば、端末20に実装されたアプリケーションであり、各荷物の配送に関する各種情報を管理する。経路案内アプリケーションは、例えば、端末20に実装されたアプリケーションであり、複数の荷物の各配送先を巡回するための巡回経路の表示や案内を提供する。
【0040】
(S10)まず、端末20は、例えば、
図7に一例として示す配送アプリケーション画面を表示する。同図には、配送アプリケーション画面g1が示されている。同図に示すように、配送アプリケーション画面g1は、荷物の配送に関する各種情報を含む。荷物の配送に関する各種情報は、例えば、荷物の配送先、配達状況、時間指定、置き配利用の可否、宅配ボックス利用の可否を含む。
【0041】
(S11)次に、端末20は、例えば、配送アプリケーション画面g1における荷物の配送先を示す情報の入力を受け付ける。例えば、配送者は、配送アプリケーション画面g1における荷物の配送先の欄を選択した上で、端末20の入力装置を介して荷物の配送先となる住所をテキスト入力する。このとき、例えば、端末20は、入力された住所に基づいて、予測される住所の候補を取得し、これを荷物の配送先の欄等に表示してもよい。更に配送者が、住所の入力の途中であるか否かに関わらず、住所の候補を選択した場合に、端末20は選択された住所の候補を、荷物の配送先として受け付けてもよい。端末20は、予測される住所の候補の取得においては、例えば、所定の住所データベース(端末20の記憶部200に記憶されたものであってもよいし、巡回経路探索装置10等にアクセスすることにより参照可能なものであってもよい)から、荷物の配送先欄にそれまでに入力されているテキストと一致度の高い住所等を抽出した上で、これを予測される住所の候補として取得してもよい。ステップS11は、配送の対象となる複数の荷物のそれぞれについて実行される。なお、ステップS11においては、端末20は、例えば、所定の地図を表示した上で、地図上の位置の指定操作を受け付けることにより、荷物の配送先の座標の入力を受け付けてもよい。この場合、端末20は、地図上の位置と座標とを対応付けた所定のテーブル(端末20の記憶部200に記憶されたものであってもよいし、巡回経路探索装置10等にアクセスすることにより参照可能なものであってもよい)を参照して、指定された位置に対応する座標を取得する。また、ステップS11では、端末20は、配送者による荷物の配送先を示す情報の入力を受け付けずに、例えば、任意の外部の情報処理装置から、荷物の配送先を示す情報を受信してもよい。
【0042】
(S12)次に、配送者が配送アプリケーション画面g1に含まれる「ナビ」とテキスト表示されたオブジェクトg1a(ナビボタン)を選択すると、端末20は、当該オブジェクトg1aの選択を受け付ける。
【0043】
(S13)端末20は、ナビボタンの選択を受け付けると(S12)、巡回経路の要求を巡回経路探索装置10に送信する。巡回経路の要求には、例えば、端末20が取得した位置情報と、ステップS11で入力された複数の配送先の各配送先を示す情報(住所又は座標等)とが含まれる。なお、端末20は、少なくともナビボタンの選択の受付時にGPS機能により位置情報を取得してもよいし、或いは、周期的に位置情報を取得していてもよい。
【0044】
(S14)次に、巡回経路探索装置10は、端末20から巡回経路の要求を受信すると、当該要求に基づいて巡回経路探索処理を実行する。
【0045】
ここで、
図8を参照して、巡回経路探索装置10による巡回経路探索処理について説明する。
図8は、巡回経路探索装置10が実行する巡回経路探索処理の一例を示す動作フロー図である。
【0046】
(S20)まず、取得部102は、巡回経路の要求に含まれる各配送先について、当該各配送先の座標を取得する。巡回経路の要求に配送先の住所が含まれる場合、取得部102は、例えば、住所に座標を対応付けた所定のデータベースを参照することにより、各配送先の住所に対応付けられた座標を取得する。また、巡回経路の要求に配送先の座標が含まれる場合、取得部102は当該座標を取得する。また、取得部102は、巡回経路の要求に含まれる各配送先の住所を含む範囲の地図情報を、記憶部100に記憶された地図情報100aから抽出することにより取得する。
【0047】
(S21)次に、設定部103は、ステップS20で取得した地図情報に対応するメッシュのデータを記憶部100等から取得する。ここで、メッシュは、地図情報を分割するための網の目状に配列された矩形の区画である。メッシュの寸法は特に限定されないが、例えば、10m、25m、50m、100m、200m、500m等であってよく、任意に設定可能であってよい。
【0048】
(S22)次に、設定部103は、各配送先がいずれのメッシュに含まれるかを判定し、各配送先を、当該配送先を含むメッシュに対応付ける。後述する様に、設定部103は、同一のメッシュに対応付けられていることを条件として、各配送先を集約対象候補として設定してもよい。なお、ステップS21及びS22は、必ずしも実行されなくてもよい。
【0049】
(S23)次に、取得部102は、記憶部100から少なくとも1つの敷地関連情報を取得する。取得部102は、例えば、敷地関連情報としてポリゴンデータを取得してもよい。或いは、取得部102は、例えば、敷地関連情報として、敷地にアクセスするためのアクセス地点が配置されたアクセスリンクを取得してもよい。
【0050】
(S24)次に、設定部103は、いずれかの敷地関連情報に対応する少なくとも2つの配送先を、該敷地関連情報に対応付けられた集約対象として設定する。なお、上述したステップS21及びS22が実行される場合は、設定部103は、当該少なくとも2つの配送先が、ステップS22の結果として同一のメッシュに対応付けられていることを条件として、該敷地関連情報に対応付けられた集約対象として設定する。
【0051】
具体的には、設定部103は、各配送先がいずれかの敷地関連情報に対応するかを判定した上で、各配送先を、対応すると判定された敷地関連情報に対応付ける。そして、設定部103は、敷地関連情報に少なくとも2つの配送先が対応付けられている場合、当該少なくとも2つの配送先を、集約対象として設定する。例えば、敷地関連情報がポリゴンデータを含む場合、設定部103は、ポリゴンデータ毎に、当該ポリゴンデータが画定する領域に含まれる少なくとも2つの地点を集約対象に設定する。或いは、例えば、敷地関連情報がアクセスリンク(敷地にアクセスするためのアクセス地点が含まれるリンク)を含む場合、設定部103は、アクセスリンク毎に、アクセスリンクに対応付けられる少なくとも2つの配送先を集約対象に設定する。
【0052】
(S25)次に、集約部104は、ステップS24において集約対象として設定された少なくとも2つの配送先を、所定の代表点に集約する。例えば、集約部104は、集約対象の各配送先に基づいて、代表点を決定してもよい。当該代表点は、例えば、集約対象の各配送先の座標の加重平均であってもよい。また、例えば、敷地関連情報としてのポリゴンデータ毎に集約対象が設定される場合、集約部104は、当該ポリゴンデータが示す敷地に対して予め定められた地点を、集約対象の配送先の代表点に決定してもよい。また、例えば、敷地関連情報としてのアクセスリンク毎に集約対象が設定される場合、集約部104は、アクセスリンクに配置されたいずれかのアクセス地点を、集約対象の配送先の代表点に決定してもよい。
【0053】
(S26)次に、探索部105は、少なくとも1つの巡回経路を探索する。具体的には、探索部105は、集約部104により集約された代表点と、複数の配送先のうち集約されなかった配送先とを巡回する経路を探索する。換言すれば、巡回経路の探索処理において、巡回経路の要求に含まれる複数の配送先のうち、集約部104によって集約された配送先が巡回対象から除かれ、その代わりに、当該配送先が集約された代表点が巡回対象に含まれることとなる。なお、巡回経路の決定においては、例えば、探索部105は、地図情報100aに含まれるリンク及びノードに設定されているコストに基づいて、候補となる経路それぞれに対してコストを算出した上で、当該コストを比較することにより少なくとも1つの巡回経路を決定してもよい。
【0054】
(S15)再び、
図6を参照する。巡回経路探索装置10は、決定された少なくとも1つの巡回経路を示すデータを端末20に送信する。このとき、巡回経路探索装置10は、巡回経路を重畳するための地図情報を併せて端末20に送信してもよい。
【0055】
(S16)端末20は、巡回経路を示すデータを巡回経路探索装置10から受信すると、経路案内アプリケーションを起動して、巡回経路画面を端末20に表示させる。
図9は、巡回経路画面の一例を示す図である。同図には、巡回経路画面g2が示されている。巡回経路画面g2において、敷地H1に含まれる配送先T1a、T1b、T1c、T1d、及びT1eと、敷地H2に含まれる配送先T2a、T2b、及びT2cとが示されている。そして、敷地H1に含まれる配送先T1a、T1b、T1c、T1d、及びT1eは、敷地H1に対応する代表点G1に集約される。また、敷地H2に含まれる配送先T2a、T2b、及びT2cは、敷地H2に対応する代表点G2に集約される。同図では、巡回経路R1の一部が点線により示されている。同図に示す通り、巡回経路R1は、敷地H1に対応する代表点G1と、敷地H2に対応する代表点G2とを、それぞれ順次に経由するような経路となっている。これにより、複数の配送先が集約されるため、これら配送先を個別に巡回するために例えば敷地H1やH2を含むブロックを繰り返し周回するような移動が低減され、適切な巡回経路が生成されるようになる。
【0056】
[変形例]
上述した実施形態では、敷地関連情報には、敷地の領域を画定するためのポリゴンデータや、敷地にアクセスするためのアクセス地点が配置されたリンクであるアクセスリンクが含まれ、これら敷地関連情報に基づいて、複数の地点の集約が実行されるものとした。しかしながら、敷地関連情報は、これらポリゴンデータやアクセスリンクに限らず、敷地を特定するための住所であってもよい。ここで、敷地を特定するための住所とは、土地や建物等の敷地を特定するために必要にして十分な情報であれば、一般的な住所から部屋番号等を除いた部分のみであってもよい。
【0057】
取得部102は、敷地関連情報として、敷地を特定するための住所を取得してもよい。取得部102は、地点(配送者等により入力された配送先等)を示す住所を端末20から取得した場合、当該住所に含まれる、敷地を特定するための住所を敷地関連情報として取得してもよい。或いは、取得部102は、端末20から地点の座標を取得した場合、所定のデータベースを参照して、当該座標に対応付けられた住所を取得した上で、当該住所に含まれる、敷地を特定するための住所を敷地関連情報として取得してもよい。当該データベースは、住所と座標とを対応付けるデータベースであれば、特に限定されず、公知のジオコーディングのためのデータベース等であってもよい。
【0058】
設定部103は、複数の地点のそれぞれが、敷地を特定するための住所が示す敷地のうちいずれに含まれるかを判定する。例えば、設定部103は、端末20から取得した各地点の住所を、敷地関連情報として取得した敷地を特定するための住所と比較することにより、各地点がいずれの敷地に含まれるかを判定してもよい。そして、設定部103は、同一の敷地に含まれる少なくとも2つの地点を、当該住所に対応付けられた集約対象として設定してもよい。
【0059】
なお、以上説明した各実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。即ち、各実施形態に当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、各実施形態が備える各機能部やステップ等の要素、及びその配置や順序などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、各実施形態は例示であり、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換又は組み合わせが可能であることは言うまでもなく、これらも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0060】
1…ナビゲーションシステム、10…巡回経路探索装置、20…端末、30-1…通信コントローラ、30-2…CPU、30-3…RAM、30-4…ROM、30-5…記憶装置、30-5a…プログラム、30-6…ドライブ装置、30-7…入出力I/F、100…記憶部、100a…地図情報、100b…敷地関連情報、101…受信部、102…取得部、103…設定部、104…集約部、105…探索部、106…送信部、200…記憶部、200a…キャッシュ、201…受付部、202…送信部、203…受信部、204…表示制御部