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特開2023-122264食券販売機、食券販売システム、食券販売方法及び食券販売プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023122264
(43)【公開日】2023-09-01
(54)【発明の名称】食券販売機、食券販売システム、食券販売方法及び食券販売プログラム
(51)【国際特許分類】
   G07B 1/00 20060101AFI20230825BHJP
【FI】
G07B1/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022025865
(22)【出願日】2022-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114306
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 史郎
(74)【代理人】
【識別番号】100148655
【弁理士】
【氏名又は名称】諏訪 淳一
(72)【発明者】
【氏名】一橋 由香
(72)【発明者】
【氏名】小林 敬司
(57)【要約】
【課題】食券販売機の特性を踏まえたサブスクリプション・サービスを実現することを課題とする。
【解決手段】食券販売機10は、あらかじめ顧客が選択したサブスク条件を登録しておき、顧客が特定されたならば、顧客のサブスク条件に該当するメニューを操作表示部に表示させ、メニューの何れかが選択されたならば選択されたメニューの食券を食券取出口に排出する。かかるサブスク条件には、期間に関する条件が含まれ、最大限度額、最大購入回数、単位限度額、単位購入回数の少なくとも一つが含まれる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲食物の提供を受けるための食券を販売する食券販売機であって、
顧客を特定する顧客特定部と、
サブスクリプション・サービスに関するサブスクリプション条件を顧客毎に設定する条件設定部と、
購入可能な食券を選択可能に表示する表示部と、
前記顧客特定部により顧客が特定された場合、前記条件設定部で設定された当該顧客のサブスクリプション条件に該当するメニューを前記表示部に表示させ、前記メニューのうちの何れかが選択された場合に選択されたメニューの食券を販売する制御部と
を備えたことを特徴とする食券販売機。
【請求項2】
前記サブスクリプション条件が、
期間に関する条件を含み、最大限度額、最大購入回数、単位限度額、単位購入回数の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1に記載の食券販売機。
【請求項3】
前記条件設定部で設定された前記サブスクリプション条件を顧客毎に記憶する記憶部を更に備え、
前記制御部は、
前記顧客特定部により顧客が特定された場合、当該顧客の前記サブスクリプション条件を前記記憶部から読み出して前記表示部に表示させるメニューを特定する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の食券販売機。
【請求項4】
前記サブスクリプション条件を入力させる入力部を更に備え、
前記制御部は、
前記入力部で入力されたサブスクリプション条件に応じた料金を前記表示部に表示させ、料金の受付を行わせる
ことを特徴とする請求項1~3の何れか一つに記載の食券販売機。
【請求項5】
前記入力部は、
顧客の前記サブスクリプション・サービスを解約する意思を入力させ、
前記制御部は、
前記入力部で入力された解約意思に基づきサブスクリプション・サービスの解約を行い、料金の返金がある場合には返金を行わせる
ことを特徴とする請求項1~4の何れか一つに記載の食券販売機。
【請求項6】
前記サブスクリプション条件が、
前記メニューの対象としてセットメニューを含めるか否かの選択ができる
ことを特徴とする請求項1~5の何れか一つに記載の食券販売機。
【請求項7】
前記サブスクリプション条件に応じた料金が、店舗の休日に応じて設定されることを特徴とする請求項1~6の何れか一つに記載の食券販売機。
【請求項8】
サブスクリプション条件の期間が、所定の期間を除外して設定することができることを特徴とする請求項1~7の何れか一つに記載の食券販売機。
【請求項9】
飲食物の提供を受けるための食券を販売する食券販売機を含む食券販売システムであって、
顧客を特定する顧客特定部と、
サブスクリプション・サービスに関するサブスクリプション条件を顧客毎に設定する条件設定部と、
購入可能な食券を選択可能に表示する表示部と、
前記顧客特定部により顧客が特定された場合、前記条件設定部で設定された当該顧客のサブスクリプション条件に該当するメニューを前記表示部に表示させ、前記メニューのうちの何れかが選択された場合に選択されたメニューの食券を販売する制御部と
を備え、
前記サブスクリプション条件が、
期間に関する条件を含み、最大限度額、最大購入回数、単位限度額、単位購入回数の少なくとも一つを含むことを特徴とする食券販売システム。
【請求項10】
飲食物の提供を受けるための食券を販売する食券販売機における食券販売方法であって、
顧客を特定する特定工程と、
サブスクリプション・サービスに関するサブスクリプション条件を顧客毎に設定する条件設定工程と、
当該顧客の前記サブスクリプション条件に該当するメニューを所定の表示部に表示させる表示制御工程と、
前記メニューのうちの何れかが選択された場合に、選択されたメニューの食券を販売する販売工程と
を含むことを特徴とする食券販売方法。
【請求項11】
飲食物の提供を受けるための食券を販売する食券販売機における食券販売プログラムであって、
顧客を特定する特定手順と、
サブスクリプション・サービスに関するサブスクリプション条件を顧客毎に設定する設定手順と、
当該顧客の前記サブスクリプション条件に該当するメニューを所定の表示部に表示させる表示制御手順と、
前記メニューのうちの何れかが選択された場合に、選択されたメニューの食券を販売する販売手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする食券販売プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食券販売機の特性を踏まえたサブスクリプション・サービスを実現可能な食券販売機、食券販売システム、食券販売方法及び食券販売プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品又はサービスの提供を受ける権利に対して料金を支払うサブスクリプション(subscription)・サービスが知られている。例えば、定額で音楽を聴き放題とするサブスクリプション・サービス、定額で動画を見放題とするサブスクリプション・サービスなどが普及している。
【0003】
かかるサブスクリプション・サービスは、飲料を提供する自動販売機にも適用されつつある。例えば、顧客が固定の月額料金を支払う契約を行い、専用アプリをインストールした携帯端末を自動販売機に翳すことにより、毎日1本の飲料を受け取ることができるサブスクリプション・サービスが知られている。
【0004】
また、飲食店における商品(飲食物)の提供にサブスクリプション・サービスを適用した技術も知られている。例えば、特許文献1には、顧客が指定した所在地情報に合致する店舗の名称及び当店舗が用意する特典を受けるために必要な最低限条件を、顧客の端末に受信させ、実行させる技術が開示されている。また、特許文献2には、曜日又は時間帯別にシェア飲食店の出店を希望する業者の出店情報を登録し、各業者のシェア飲食店別に提供される複数種の商品を登録し、登録した出店情報及び商品情報を顧客の端末へ出力する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-051350号公報
【特許文献2】特開2021-096521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、食券販売機により食券を販売する運用形態を採用する店舗に適用したサブスクリプション・サービスは存在しない。食券販売機は、元々「お金を投入してボタンを押しさえすれば食券を発行できる」という簡単な操作を前提とする装置であり、「申込みなどに複雑な操作を要するサブスクリプション・サービスに馴染みにくい」という特性があるからである。
【0007】
また、食券販売機は、「季節、トレンド、セットメニュー等に応じて頻繁にメニューや価格が変わる」という特性があり、サブスクリプション・サービスを適用したならば設定が複雑化してしまう。また、食券販売機は、「店舗都合又は顧客都合の休日、連休、オン・オフシーズン等があり、時節に応じた設定をするのが難しい」という特性もある。
【0008】
その一方で、感染症対策などを考慮して、今後食券販売機を導入する店舗が拡大すると予想される。このような飲食店においても、「継続的な売上げを確保したい」とする店舗のニーズと、「割安で商品の提供を受けたい」とする顧客のニーズを調整することが重要である。このため、サブスクリプション・サービスを適用可能な食券販売機をいかに実現するかが重要な課題となっている。
【0009】
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであって、食券販売機の特性を踏まえたサブスクリプション・サービスを実現可能な食券販売機、食券販売システム、食券販売方法及び食券販売プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、本発明は、飲食物の提供を受けるための食券を販売する食券販売機であって、顧客を特定する顧客特定部と、サブスクリプション・サービスに関するサブスクリプション条件を顧客毎に設定する条件設定部と、購入可能な食券を選択可能に表示する表示部と、前記顧客特定部により顧客が特定された場合、前記条件設定部で設定された当該顧客のサブスクリプション条件に該当するメニューを前記表示部に表示させ、前記メニューのうちの何れかが選択された場合に選択されたメニューの食券を販売する制御部とを備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記発明において、前記サブスクリプション条件が、期間に関する条件を含み、最大限度額、最大購入回数、単位限度額、単位購入回数の少なくとも一つを含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記発明において、前記条件設定部で設定された前記サブスクリプション条件を顧客毎に記憶する記憶部を更に備え、前記制御部は、前記顧客特定部により顧客が特定された場合、当該顧客の前記サブスクリプション条件を前記記憶部から読み出して前記表示部に表示させるメニューを特定することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記発明において、前記サブスクリプション条件を入力させる入力部を更に備え、前記制御部は、前記入力部で入力されたサブスクリプション条件に応じた料金を前記表示部に表示させ、料金の受付を行わせることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記発明において、前記入力部は、顧客の前記サブスクリプション・サービスを解約する意思を入力させ、前記制御部は、前記入力部で入力された解約意思に基づきサブスクリプション・サービスの解約を行い、料金の返金がある場合には返金を行わせることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、上記発明において、前記サブスクリプション条件が、前記メニューの対象としてセットメニューを含めるか否かの選択ができることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、上記発明において、前記サブスクリプション条件に応じた料金が、店舗の休日に応じて設定されることを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、上記発明において、サブスクリプション条件の期間が、所定の期間を除外して設定することができることを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、飲食物の提供を受けるための食券を販売する食券販売機を含む食券販売システムであって、顧客を特定する顧客特定部と、サブスクリプション・サービスに関するサブスクリプション条件を顧客毎に設定する条件設定部と、購入可能な食券を選択可能に表示する表示部と、前記顧客特定手段により顧客が特定された場合、前記条件設定部で設定された当該顧客のサブスクリプション条件に該当するメニューを前記表示部に表示させ、前記メニューの内の何れかが選択された場合に選択されたメニューの食券を販売する制御部とを備え、前記サブスクリプション条件が、期間に関する条件を含み、最大限度額、最大購入回数、単位限度額、単位購入回数の少なくとも一つを含むことを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、飲食物の提供を受けるための食券を販売する食券販売機における食券販売方法であって、顧客を特定する特定工程と、サブスクリプション・サービスに関するサブスクリプション条件を顧客毎に設定する条件設定工程と、当該顧客の前記サブスクリプション条件に該当するメニューを所定の表示部に表示させる表示制御工程と、前記メニューのうちの何れかが選択された場合に、選択されたメニューの食券を販売する販売工程とを含むことを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、飲食物の提供を受けるための食券を販売する食券販売機における食券販売プログラムであって、顧客を特定する特定手順と、サブスクリプション・サービスに関するサブスクリプション条件を顧客毎に設定する設定手順と、当該顧客の前記リプションサブスクリプション条件に該当するメニューを所定の表示部に表示させる表示制御手順と、前記メニューのうちの何れかが選択された場合に、選択されたメニューの食券を販売する販売手順とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、食券販売機の特性を踏まえたサブスクリプション・サービスを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本実施形態1に係る食券販売機の概要を説明するための説明図である。
図2図2は、本実施形態1に係る食券販売機の外観構成を示す図である。
図3図3は、本実施形態1に係る食券販売機の構成を示す機能ブロック図である。
図4図4は、図3に示した顧客データの一例を示す図である。
図5図5は、図3に示したサブスク条件データの一例を示す図である。
図6図6は、図3に示した食券販売機の処理手順を示すフローチャートである。
図7図7は、期間を指定してサブスクリプション・サービスに申し込む場合の表示画面の一例を示す図(その1)である。
図8図8は、期間を指定してサブスクリプション・サービスに申し込む場合の表示画面の一例を示す図(その2)である。
図9図9は、期間を指定してサブスクリプション・サービスに申し込む場合の表示画面の一例を示す図(その3)である。
図10図10は、値段を指定してサブスクリプション・サービスに申し込む場合の表示画面の一例を示す図である。
図11図11は、回数を指定してサブスクリプション・サービスに申し込む場合の表示画面の一例を示す図である。
図12図12は、条件の継続、変更、解約を行う場合の表示画面の一例を示す図である。
図13図13は、管理者が店休日を設定する場合の表示画面の一例を示す図である。
図14図14は、管理者が対象期間を設定する場合の表示画面の一例を示す図である。
図15図15は、管理者が対象メニューを設定する場合の表示画面の一例を示す図である。
図16図16は、実施形態2に係る食券販売システムのシステム構成を示す図である。
図17図17は、図16に示した管理装置の構成を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明に係る食券販売機、食券販売システム、食券販売方法及び食券販売プログラムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下に示す実施形態1では、食券販売機に本発明を適用した場合を説明し、実施形態2では、複数の食券販売機及び管理装置からなる食券販売システムに本発明を適用した場合を説明する。
【0024】
<用語の定義>
本実施形態における「サブスク」とは、商品又はサービスの提供を受ける権利に対して料金を支払うサブスクリプション・サービスを意味する。本実施形態では、「サブスクリプション・サービス」、「サブスクリプション」及び「サブスク」と記載しているが、これらは同じ意味である。また、本実施形態における「メニュー」とは、飲食店が提供する飲食物の日替わり定食、カレーライス等のメニューを意味する。
【0025】
また、本実施形態における「管理者」とは、飲食店における店長又はマネージャー等の食券販売機の設定及び管理を行う者を意味する。また、本実施形態における「サブスク設定」とは、管理者が行う店休日などのサブスクリプション・サービスに関する設定を意味する。また、本実施形態における「サブスク利用設定」とは、顧客が食券販売機を用いて行う利用期間、値段、回数等の設定を意味する。
【0026】
<実施形態1>
まず、本実施の形態1に係る食券販売機10の概要について説明する。図1は、本実施形態1に係る食券販売機の概要を説明するための説明図である。本実施形態1に係る食券販売機10は、サブスクリプション・サービスを提供する装置である。本実施形態1では、カードIDを記憶するICカードを用いて顧客を特定する場合を示すこととする。なお、ICカードではなく、磁気カード、顔画像、指紋、掌紋などの生体情報を用いて顧客を特定することもできる。
【0027】
従来、飲料を提供する自動販売機又は飲食物を提供する飲食店に対してサブスクリプション・サービスを適用した従来技術は存在するが、食券販売機にサブスクリプション・サービスを適用した従来技術は存在しない。
【0028】
その理由の一つは、食券販売機は、元々「お金を投入してボタンを押しさえすれば食券を発行できる」という簡単な操作を前提とする装置であり、「申込みなどに複雑な操作を要するサブスクリプション・サービスに馴染みにくい」という特性があるからである。ウエブサイトにスマートフォンからアクセスし、サブスクリプション・サービスの申し込みを行う運用が考えられるが、食券販売機を利用する顧客のなかにはウエブアクセスが苦手な者が一定数存在し、またウエブアクセスしてまでサブスクリプション・サービスの申込みをしたくない者も一定数存在すると思われる。このため、食券販売機に関するサブスクリプション・サービスが想定されていない実情がある。
【0029】
また、食券販売機には、「季節、トレンド、セットメニュー等に応じて頻繁にメニューや価格が変わる」という特性もある。このため、サブスクリプション・サービスを適用したならば設定が複雑化してしまう。また、食券販売機は、「店舗都合又は顧客都合の休日、連休、オン・オフシーズン等があり、時節に応じた設定をするのが難しい」という特性もある。
【0030】
このため、本実施形態1に係る食券販売機10では、顧客が食券販売機10を用いて簡単にサブスクリプション・サービスの申込み、継続、変更又は解約等を行うことができ、また管理者が店休日の設定等を行えるようにしている。
【0031】
図1(a)に示すように、管理者Aは、顧客のサブスク利用設定に先立って、あらかじめサブスク設定を行う(S1)。かかるサブスク設定には、店休日等の項目の設定が含まれる。ここでは、各種の飲食物のメニュー及び料金等のサブスク基本データは登録済みであるものとする。管理者Aが、管理者自身が所持するICカードを食券販売機10のカードリーダに翳したならば、食券販売機10が管理者モードに移行し、管理者Aによるサブスク設定を行える状態となる。
【0032】
その後、顧客Bが、サブスクリプション・サービスの申込みを行う場合には、サブスク利用設定を行う(S2)。具体的には、表示画面に表示される初期画面に含まれる「サブスクリプション」を選択操作したならば、サブスクリプション・サービスの申込みを行える画面が表示される。この画面上で、サブスク条件を指定してサブスクリプション・サービスの申込みを行い、サブスク条件が登録される。かかるサブスク条件には、期間に関する条件が含まれ、最大限度額、最大購入回数、単位限度額、単位購入回数の少なくとも一つが含まれる。
【0033】
なお、かかる申込みを行う場合には、顧客Bに対して該顧客Bを一意に識別するカードIDを記憶したICカードが食券販売機10から発行される。なお、食券販売機10からICカードを発行するのではなく、顧客Bが所持する例えば交通系ICカードを挿入し、このICカードを用いて顧客を特定するよう構成することもできる。
【0034】
その後、図1(b)に示すように、顧客BがICカードをカードリーダに翳したならば(S3)、このICカードに記憶されたカードIDに基づいて顧客を特定し(S4)、この顧客Bが選択可能なメニューを特定し(S5)、特定したメニューを含む顧客専用画面を操作表示部に表示する(S6)。そして、顧客Bが顧客専用画面に表示された何れかのメニューを選択したならば(S7)、選択されたメニューに対応する食券を食券取出口に排出する(S8)。
【0035】
このように、食券販売機10は、あらかじめ顧客Bが選択したサブスク条件を登録しておき、顧客Bが特定されたならば、顧客Bのサブスク条件に該当するメニューを操作表示部に表示させ、メニューの何れかが選択されたならば選択されたメニューの食券を食券取出口に排出する。かかるサブスク条件には、期間に関する条件が含まれ、最大限度額、最大購入回数、単位限度額、単位購入回数の少なくとも一つが含まれる。
【0036】
<食券販売機10の外観構成>
次に、本実施形態1に係る食券販売機10の外観構成について説明する。図2は、本実施形態1に係る食券販売機10の外観構成を示す図である。図2に示すように、食券販売機10の筐体表面には、操作表示部11、カードリーダ12、カード発行口13a、食券取出口14a、紙幣入出金口15a、硬貨投入口16a及び硬貨取出口16bが儲けられている。
【0037】
操作表示部11は、液晶パネル、ディスプレイ、有機EL(Electroluminescence)等のデバイスを用いて表示を行うとともに、感圧式等によりの操作入力を受け付ける入力デバイス兼表示デバイスである。この操作表示部11には、顧客が選択できるメニューを含む画面が表示される。なお、かかる操作表示部11を用いて、管理者によるサブスク設定、顧客によるサブスク利用設定等の操作が行われる。
【0038】
カードリーダ12は、ICカードに記憶されたカードIDを読み取るリーダ部である。ここでは、非接触でカードIDを読み取る場合を示している。カード発行口13aは、サブスクリプション・サービスの申込みを行った顧客に対して発行したICカードを排出するための発行口である。
【0039】
食券取出口14aは、顧客により選択されたメニューに対応する食券を排出し、顧客が食券を取り出せるようにするための取出口である。紙幣入出金口15aは、サブスクリプション・サービスの申込みを行う場合の紙幣の入金、現金で食券を購入する場合の紙幣の入金、釣銭となる紙幣の出金、サブスクリプション・サービスの解約を行った場合の紙幣の出金を行うための入出金口である。
【0040】
硬貨投入口16aは、サブスクリプション・サービスの申込みを行う場合の硬貨の入金、現金で食券を購入する場合の硬貨の入金を行うための投入口であり、硬貨取出口16bは、釣銭となる硬貨、サブスクリプション・サービスの解約を行った場合の硬貨を取り出すための取出口である。
【0041】
<食券販売機10の内部構成>
次に、本実施形態1に係る食券販売機10の内部構成について説明する。図3は、本実施形態1に係る食券販売機10の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、食券販売機10は、操作表示部11と、カードリーダ12と、カード発行部13と、発券部14と、紙幣ユニット15と、硬貨ユニット16と、記憶部17と、制御部18とを有する。操作表示部11については、すでに説明した通りである。
【0042】
カードリーダ12は、非接触でICカードに記憶されたカードIDを読み取るリーダ装置である。具体的には、カードリーダ12から磁界を発生し、このカードリーダ12にICカードが翳されたならば、ICカードに内蔵されたアンテナの役目を果たすコイルにより無線通信でデータの授受が行われる。
【0043】
カード発行部13は、カードIDを記憶し、カードリーダ12との間で非接触によりカードIDの授受を行うことができるICカードを発行する処理部である。かかるICカードは、新たな顧客がサブスクリプション・サービスの申込みを行ったならば、この顧客に対して発行される。なお、かかるカード発行部13からICカードを発行せず、顧客が所持する社員証用ICカード、交通系ICカードなどを用いることもできる。
【0044】
発券部14は、紙片に小型プリンタで印字を行い、切断して食券取出口14aに排出することにより、顧客により選択されたメニューに対応する食券(チケット)を発券する処理部である。
【0045】
紙幣ユニット15は、紙幣収納部を有し、紙幣の入金処理、紙幣の出金処理、金種判定、真贋判定等を行うユニットである。硬貨ユニット16は、硬貨収納部を有し、硬貨の入金処理、硬貨の出金処理、金種判定、真贋判定等を行うユニットである。
【0046】
記憶部17は、ハードディスク装置又は不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスであり、メニューデータ17a、顧客データ17b、サブスク基本データ17c及びサブスク条件データ17dを記憶する。
【0047】
メニューデータ17aは、飲食店で提供する各種のメニューからなるデータである。ランチ時のようにある時間帯にのみ提供するメニュー、ある季節にのみ提供するメニュー等飲食店で提供する各種メニューを含む。かかるメニューデータ17aは、あらかじめ管理者等により設定される。
【0048】
顧客データ17bは、顧客を特定する際に用いられるデータであり、顧客を一意に識別する顧客IDと、ICカードを一意に識別するカードIDと、顧客の氏名及び電話番号等を対応付けたデータである。顧客IDとカードIDとを別個に設けた理由は、1つの顧客IDに複数のカードIDが対応付けられる場合があるからである。
【0049】
図4は、図3に示した顧客データ17bの一例を示す図である。同図は、顧客ID「A001」に対して、カードID「12345678」、氏名「○山一郎」、電話番号「070-1234-5678」が対応付けられ、顧客ID「A002」に対して、カードID「87654321」、氏名「×川花子」、電話番号「080-5678-9012」が対応付けられた状況を示している。
【0050】
サブスク基本データ17cは、サブスクリプション・サービスの基本事項を含むデータであり、顧客に提供する複数のサブスクリプション・サービスの種別に含まれるメニュー内容及び料金などが含まれる。例えば、1日500円のメニューを1ヶ月使う場合には「10,000円」、「10回の回数を指定して1回あたり500円のメニューを1ヶ月使う場合には4,500円」等の基本データが含まれる。
【0051】
サブスク条件データ17dは、顧客IDごとにサブスク受付日、サブスク終了日、サブスク条件及び利用済回数等を対応付けたデータである。かかるサブスク条件データ17dを参照することにより、顧客のサブスク条件を確認することができ、顧客に対してどのようなサブスクリプション・サービスを提供できるのかを判定することができる。
【0052】
図5は、図3に示したサブスク条件データ17dの一例を示す図である。同図は、顧客ID「A001」に対して、サブスク受付日「2022/1/7」、サブスク終了日「2022/2/7」、期間「1ヶ月」、単位限度額「500円」、単位購入回数「10回」、利用済回数「2回」が対応付けられた状況を示している。なお、サブスク受付日から1ヶ月後のサブスク終了日は、本来「2022/2/6」となるが、飲食店事情による店休日が1日設定されている関係で、サブスク終了日が「2022/2/7」とされている。
【0053】
また、顧客ID「A002」に対して、サブスク受付日「2022/1/10」、サブスク終了日「2022/4/12」、期間「3ヶ月」、最大限度額「1,000円」、最大購入回数「1回/日」、利用済回数「1回」が対応付けられた状況を示している。なお、サブスク受付日から3ヶ月後のサブスク終了日は、本来「2022/4/9」となるが、飲食店事情による店休日が3日設定されている関係で、サブスク終了日が「2022/4/12」とされている。
【0054】
制御部18は、食券販売機10の全体制御を行う制御部であり、メニュー管理部18aと、カード発行処理部18bと、顧客特定部18cと、紙幣処理部18dと、硬貨処理部18eと、サブスク設定部18fと、サブスク利用設定部18gと、表示制御部18hと、発券処理部18iとを有する。
【0055】
かかる制御部18は、サブスクリプション・サービスに関する一連の制御を行っており、具体的には、サブスクリプション・サービスの申込み、継続、変更、解約の手続き、管理者による店休日の設定、対象期間の設定、対象メニューの設定などを行うよう制御する。かかる制御部18が行うサブスクリプション・サービスの各種制御については、図7図15に示す表示画面例を用いて詳細に後述する。
【0056】
なお、上記のメニュー管理部18a、カード発行処理部18b、顧客特定部18c、紙幣処理部18d、硬貨処理部18e、サブスク設定部18f、サブスク利用設定部18g、表示制御部18h及び発券処理部18iに対応するプログラムを記憶部17等に記憶しておき、このプログラムをメインメモリにロードして、CPUで実行することにより、各処理部に対応するプロセスを実行させることになる。
【0057】
メニュー管理部18aは、メニューデータ17aを用いて飲食店のメニューを管理する管理部である。具体的には、メニューデータ17aに含まれる複数のメニューのうち、現在飲食店で提供しているメニューを管理する。
【0058】
カード発行処理部18bは、ICカードの発行をカード発行部13に指示する処理部である。具体的には、新たな顧客からサブスクリプション・サービスの申込みを受け付けたならば、新たなカードIDを記憶するICカードを発行するようカード発行部13に指示する。なお、顧客が所持する社員証用ICカード又は交通系ICカード等を食券販売機10で用いるICカードとすることもできる。この場合には、カードリーダ12により社員証用ICカード又は交通系ICカードに記憶されたカードIDを読み取り、このカードIDと顧客IDとを関連付けて顧客データ17bに登録する。
【0059】
顧客特定部18cは、顧客IDを特定する処理部である。具体的には、カードリーダ12によりICカードに記憶されたカードIDを読み取り、顧客データ17bに含まれるカードIDから顧客IDを特定する処理を行う。
【0060】
紙幣処理部18dは、紙幣ユニット15を用いて、紙幣の入金処理、紙幣の出金処理、金種判定、真贋判定及び紙幣の搬送制御を行う処理部である。硬貨処理部18eは、硬貨ユニット16を用いて、硬貨の入金処理、硬貨の出金処理、金種判定、真贋判定、硬貨の搬送制御を行う処理部である。
【0061】
サブスク設定部18fは、管理者による操作に応じて店休日などのサブスク設定を行う処理部である。具体的には、管理者により所持されたICカードに記憶されたカードIDをカードリーダ12にて読み取ったならば、食券販売機10は管理者モードに移行し、サブスク設定が可能な状態となる。かかるサブスク設定可能な状態において、管理者がサブスク設定を行うことができる。
【0062】
サブスク利用設定部18gは、顧客の操作に応じてサブスク利用設定を行う処理部である。具体的には、操作表示部11において「サブスクリプション」を選択操作したならば、顧客がサブスクリプション・サービスの申込みを行うことができる表示画面に移行し、適宜選択操作を繰り返すことにより、サブスク利用設定を行うことができる。サブスク利用設定が行われたならば、その結果がサブスク条件としてサブスク条件データ17dに登録される。
【0063】
表示制御部18hは、操作表示部11に対するメニュー関連、サブスク設定又はサブスク利用設定に関する情報を表示制御する制御部である。発券処理部18iは、顧客により選択されたメニューに対応する食券を発券するよう発券部14に指示する処理部である。
【0064】
<食券販売機10の処理手順>
次に、食券販売機10の処理手順を説明する。図6は、図3に示した食券販売機10の処理手順を示すフローチャートである。図6に示すように、食券販売機10の電源が投入されたならば、操作表示部11に初期画面が表示される(ステップS101)。ここでは説明の便宜上図示省略したが、かかる初期画面において、顧客がメニューを選択して料金を支払ったならば、通常通り食券取出口14aに食券が払い出される。
【0065】
また、顧客が初期画面に含まれる「サブスクリプション」を選択操作して、食券販売機10がサブスク申込操作を受け付けたならば(ステップS102;Yes)、サブスク申込受付処理を行った後に(ステップS103)、入金受付処理を行い(ステップS104)、ステップS101に移行する。かかるサブスク申込受付処理については、表示画面を用いて後ほど詳細に説明する。
【0066】
一方、カードリーダ12がICカードを受け付けたならば(ステップS102;No、ステップS105;Yes)、ICカードからカードIDを読み取り(ステップS106)、顧客データ17bを参照して顧客IDを特定する(ステップS107)。その後、サブスク条件データ17dを参照して該顧客IDに対応するサブスク条件を特定し(ステップS108)、サブスク条件に合致するメニューを含む顧客専用画面を操作表示部11に表示する(ステップS109)。
【0067】
この顧客専用画面において、サブスク関連操作、メニュー選択操作の受付待ちの状態となり(ステップS110、ステップS111;No)、メニュー選択操作を受け付けたならば(ステップS111;Yes)、選択されたメニューに対応する食券の発券処理を行い(ステップS112)、サブスク条件データ17dの利用済回数を更新する(ステップS113)。そして、上記一連の処理を終了しない場合には(ステップS114;No)、ステップS101に移行する。
【0068】
これに対して、顧客専用画面において、サブスク関連操作を受け付けたならば(ステップS110;Yes)、サブスク関連操作が「継続」であるか否かを判定する(ステップS115)。その結果、サブスク関連操作が「継続」である場合には(ステップS115;Yes)、サブスク継続処理を行い(ステップS116)、ステップS114に移行する。かかるサブスク継続処理では、サブスク条件データ17dの「サブスク終了日」を更新することになる。
【0069】
また、サブスク関連操作が「継続」でない場合には(ステップS115;No)、サブスク関連操作が「変更」であるか否かを判定する(ステップS117)。その結果、サブスク関連操作が「変更」である場合には(ステップS117;Yes)、サブスク変更処理を行い(ステップS118)、ステップS114に移行する。
【0070】
また、サブスク関連操作が「変更」でない場合には(ステップS117;No)、サブスク関連操作が「解約」であるか否かを判定する(ステップS119)。その結果、サブスク関連操作が「解約」である場合には(ステップS119;Yes)、サブスク解約処理を行い(ステップS120)、ステップS114に移行する。一方、サブスク関連操作が「解約」でない場合には(ステップS119;No)、そのままステップS114に移行する。
【0071】
<サブスクリプション・サービスの申込み>
次に、サブスクリプション・サービスの申込みを行う場合の表示画面の一例について説明する。図7図9は、期間を指定してサブスクリプション・サービスに申し込む場合の表示画面の一例を示す図である。
【0072】
図7(a)に示す初期画面において、顧客が「サブスクリプション」を選択操作したならば、図7(b)に示すように「サブスクリプション・サービスの申込みを行いますか?」とのメッセージが表示される。ここで、顧客により「決定」が選択操作されたならば、図7(c)に示す選択画面が表示される。
【0073】
この選択画面には、顧客が望む条件を指定することによりサブスクリプション・サービスの申込みを行うことができる「おまかせコース」と、顧客が望む条件を詳細に指定する「こだわりコース」が含まれる。「おまかせコース」には、「期間で選ぶ」、「値段で選ぶ」、「回数で選ぶ」が含まれ、このうちの何れかが選択される。なお、「こだわりコース」には「アレンジする」が含まれる。ここでは、「こだわりコース」についての説明は省略する。
【0074】
[期間で選ぶ]
図7(c)に示す選択画面において、顧客が「期間で選ぶ」を選択したならば、図7(d)に示すように、「10日間」、「1ヶ月」、「3ヶ月」、「6ヶ月」、「期間指定」の選択枠が表示される。この「期間指定」は、顧客が望む任意の期間を指定する選択枠である。
【0075】
ここで、「1ヶ月」の期間を指定したならば、図8(a)に示すように、1日当たりの金額の選択枠が表示される。ここでは、「1日¥300」、「1日¥500」、「1日¥1,000」、「1日¥1,500」、「食べ放題(無制限)」、「1日¥(金額指定)」の選択枠が表示される状況を示している。この「1日¥(金額指定)」は、顧客が望む任意の金額を指定する選択枠である。なお、以下では、「○○円」を「¥○○」と表記している。
【0076】
例えば、「1日¥500」を選択操作したならば、図8(b)に示すサブスクリプション・サービスの開始日の選択画面が表示される。ここでは、「今日から使う」、「日付を指定」、「アレンジする」の選択枠が表示される状況を示している。「今日から使う」が選択操作された場合には、操作した日がサブスクリプション・サービスの開始日となる。
【0077】
これに対して、「日付を指定」が選択操作された場合には、図8(c)に示すように、カレンダーが表示され、このカレンダーの中から開始日を選択操作することになる。同図では、2022年1月7日が開始日として選択操作された状況を示している。その結果、図8(d)に示すように、「1日¥500まで」、「2022/1/7~2022/2/7でお使い頂けます。」、「お支払いは¥10,000です。」と表示された状況を示している。なお、終了日が2月7日とされている理由は、1月7日から1ヶ月の間に店休日が設定されているためである。
【0078】
ここで、「決定」が選択操作されたならば、図示省略した支払い画面に移行する。本実施形態1では、貨幣により支払いを行う場合について説明したが、キャッシュカード、デビットカード、電子マネー等で決済できるよう構成することもできる。
【0079】
一方、図9(a)に示すように、「アレンジする」が選択操作されたならば、図9(b)に示すように、メニューのアレンジが可能な表示画面に移行する。ここでは、「日替わり」、「麺類」、「ソフトドリンク」を選択し、「決定」が選択操作された状況を示している。これにより、図9(c)に示すように、「1日¥500まで」、「2022/1/7~2022/2/7」、「日替わり、麺類、ソフトドリンクでお使い頂けます。」、「お支払いは¥8,500です。」と表示された状況を示している。
【0080】
[値段で選ぶ]
図10は、値段を指定してサブスクリプション・サービスに申し込む場合の表示画面の一例を示す図である。図10(a)に示す選択画面において、「値段で選ぶ」を選択操作した場合には、図10(b)に示す値段の選択画面に移行する。ここでは、「1日¥300」、「1日¥800」、「1日¥1,000」、「1日¥1,500」、「食べ放題(無制限)」、「1日¥(金額指定)」の選択枠が表示された状況を示している。この「1日¥(金額指定)」は、顧客が望む任意の金額を指定する選択枠である。この選択画面は、図8(a)に示したものと同様のものである。
【0081】
ここで、「1日¥(金額指定)」が選択操作されたならば、図10(c)に示す金額指定画面に移行する。金額指定画面に設けられたテンキーを用いて金額を入力し、期間を指定したならば、図8(b)に示したサブスクリプション・サービスの開始日の選択画面が表示される。
【0082】
[回数で選ぶ]
図11は、回数を指定してサブスクリプション・サービスに申し込む場合の表示画面の一例を示す図である。図11(a)に示す選択画面において、「回数で選ぶ」を選択操作した場合には、図11(b)に示す回数の選択画面に移行する。この選択画面には、「5回」、「10回」、「15回」、「20回」、「回数無制限」、「□回(回数指定)」の選択枠が表示された状況を示している。なお、回数で選ぶ場合には、期間が「1ヶ月」、開始日が「当日」となる。このため、「2022/1/7~2022/2/7で使用される回数を選択してください。」と表示されている。
【0083】
ここで、「10回」が選択操作された場合には、図10(c)に示す「1回あたりの金額の選択画面」に移行する。ここでは、「1回あたり¥500(¥4,500)」、「1回あたり¥1,000(¥8,500)」、「金額無制限(¥12,000)」、「¥□(金額指定)」の選択枠が表示された状況を示している。ここで、「1回あたり¥500(¥4,500)」を選択操作したならば、図11(d)に示すように、「1回あたり¥500まで 2022/1/7~2022/2/7で10回お使い頂けます。」、「お支払いは¥4,500です。」との表示がされる。ここで「決定」が選択操作されたならば、図示省略した支払い画面に移行する。
【0084】
<サブスクリプション・サービスの継続、変更、解約>
次に、サブスクリプション・サービスの申込みを行った顧客が、条件の継続、変更、解約を行う場合について説明する。図12は、条件の継続、変更、解約を行う場合の表示画面の一例を示す図である。顧客がカードリーダ12にICカードを翳し、これにより移行される顧客専用画面から継続、変更、解約を行うことができる。ここでは、説明の便宜上図示省略するが、顧客専用画面には、継続、変更、解約を行う選択枠が設けられている。
【0085】
顧客専用画面において「継続」が選択操作されたならば、図12(a)に示す画面が表示される。ここでは、「○○さんのご契約」、「1日¥500まで1ヶ月(2022/1/7~2022/2/7)」、「日替わり、麺類、ソフトドリンク」というメッセージとともに、「そのまま継続」、「継続しない」の選択枠が表示される。かかる選択枠を適宜選択することにより、顧客は簡単な操作でサブスクリプション・サービスを継続することができる。
【0086】
顧客専用画面において「変更」が選択操作されたならば、図12(b)に示す画面が表示される。ここでは、「○○さんのご契約」、「1日¥500まで1ヶ月(2022/1/7~2022/2/7)」、「日替わり、麺類、ソフトドリンク」というメッセージとともに、「期間変更」、「値段変更」の選択枠が表示される。かかる選択枠を適宜選択することにより、顧客は簡単な操作でサブスクリプション・サービスの期間変更又は値段変更を行うことができる。
【0087】
顧客専用画面において「解約」が選択操作されたならば、図12(c)に示す画面が表示される。ここでは、「申込時現金決済のみ解約可能です。契約内容により解約及び返金できない場合があります。」、「○○さんのご契約」、「6ヶ月 2022/1/7~2022/7/7 ¥50,000」、「1/11までの利用料と手数料を差引き、¥47,000を返金します」というメッセージが表示された状況を示している。ここで、「決定」が選択操作されたならば、「解約」が実行され、図示しない返金処理に移行する。このように、顧客は簡単な操作でサブスクリプション・サービスの解約を行うことができる。
【0088】
<管理者による設定変更>
[店休日の設定]
次に、管理者による設定変更について説明する。図13は、管理者が店休日を設定する場合の表示画面の一例を示す図である。管理者がカードリーダ12にICカードを翳し、これにより管理者専用画面に移行する。この管理者専用画面に含まれる「設定」の選択枠を操作されたならば、図13(a)に示す設定画面が表示される。この設定画面には、「サブスク関連」、「メニュー追加」、「メニュー変更」、「その他」の選択枠が含まれる状況を示している。
【0089】
ここで、管理者が「サブスク関連」を選択操作したならば、図13(b)に示す選択画面に移行する。この選択画面には、「店休日設定」、「対象期間」、「対象メニュー」が含まれる。このうち、「店休日設定」が選択操作されたならば、図13(c)に示す店休日の指定画面に移行する。ここでは、2022年1月11日が店休日として指定された状況を示している。なお、飲食店の都合で店休日が追加設定された場合には、サブスクリプション・サービスの提供期間は、その店休日分だけ延長される。これにより、飲食店の都合による店休日が生じた場合であっても、顧客が不利益を被ることが無い。
【0090】
そして、管理者により「決定」が選択操作されたならば、図13(d)に示す店休日の一覧が表示される。ここでは、1月の店休日が14/31日(営業日:17日)であり、2月の店休日が10/28日(営業日:18日)であり、3月の店休日が9/31日(営業日:22日)である状況を示している。そして、「決定」が選択操作されたならば、店休日が登録される。
【0091】
[対象期間の設定]
次に、サブスクリプション・サービスの対象期間の設定について説明する。図14は、管理者が対象期間を設定する場合の表示画面の一例を示す図である。図14(a)に示す選択画面において、管理者により「対象期間」が選択操作されたならば、図14(b)に示す選択画面に移行する。この選択画面では、「対象期間を指定」、「対象外期間を設定」の選択枠が含まれている。
【0092】
ここで、「対象外期間を指定」が選択操作されたならば、図14(c)に示す画面に移行する。この画面にはカレンダーが含まれており、対象外期間となる日が選択操作される。そして、「決定」が選択操作されたならば、図14(d)に示す画面が表示される。ここでは、「対象外期間として、1/1~1/11を設定しました。11日間を除いて価格設定をします。」と表示された状況が示されている。そして、「決定」が選択操作されたならば、対象外期間が設定される。なお、顧客がサブスクリプション・サービスの申込みを行った後に対象外期間が設定されたならば、この対象外期間がサブスクリプション・サービスの提供期間から除外され、顧客が不利な取扱を受けないことになる。
【0093】
[対象メニュー]
次に、サブスクリプション・サービスの対象メニューの設定について説明する。図15は、管理者が対象メニューを設定する場合の表示画面の一例を示す図である。図15(a)に示す選択画面において、管理者により「対象メニュー」が選択操作されたならば、図15(b)に示す選択画面に移行する。ここで、対象メニューに含める場合にはレ点を付し、対象メニューから除外する場合にはレ点を外すことになる。
【0094】
そして、「決定」が選択操作されたならば、図15(c)に示す画面が表示される。ここでは、「対象メニューとして、セットメニューを含む全メニューを設定しました。」と表示された状況を示している。ここで、「決定」が選択操作されたならば、対象メニューが設定される。
【0095】
上述してきたように、本実施形態1に係る食券販売機10は、あらかじめ顧客が選択したサブスク条件を登録しておき、顧客が特定されたならば、顧客のサブスク条件に該当するメニューを操作表示部に表示させ、メニューの何れかが選択されたならば選択されたメニューの食券を食券取出口に排出するよう構成したので、食券販売機の特性を踏まえたサブスクリプション・サービスを提供することができる。
【0096】
また、かかるサブスク条件には、期間に関する条件が含まれ、最大限度額、最大購入回数、単位限度額、単位購入回数の少なくとも一つが含まれる。また、顧客毎のサブスク条件を含むサブスク条件データ17dを記憶部17に記憶し、顧客特定部18cで顧客が特定された際に、当該顧客のサブスク条件を記憶部17から読み出して操作表示部11に表示させるメニューを特定するよう構成したので、食券販売機の特性を踏まえたサブスクリプション・サービスを提供することができる。
【0097】
また、操作表示部11は、顧客によるサブスクリプション・サービスの解約意思を画面から受け付け、制御部18は、解約意思に基づきサブスクリプション・サービスの解約を行い、料金の返金がある場合には返金を行わせるよう構成し、サブスク条件が、メニューの対象としてセットメニューを含めるか否かの選択ができるように構成したので、食券販売機10の特性を踏まえたサブスクリプション・サービスを提供することができる。
【0098】
また、サブスク条件に応じた料金が、飲食店の休日に応じて設定でき、サブスク条件の期間が、所定の期間を除外して設定できるよう構成したので、食券販売機10の特性を踏まえたサブスクリプション・サービスを提供することができる。
【0099】
なお、上記の実施形態1では、非接触式のICカードを用いて顧客(顧客ID)を特定する場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、顔、指紋、掌紋などの各種の生体情報を用いて顧客を特定することもできる。また、非接触式のICカードではなく、接触式のICカード又は磁気カードを用いて顧客を特定することもできる。
【0100】
<実施形態2>
ところで、上記実施形態1では、食券販売機10を単体運用する場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の食券販売機10と管理装置を設けた食券販売システムに適用することもできる。このため、本実施形態2では、チェーン展開する飲食店のおける食券販売システムに本発明を適用した場合について説明する。
【0101】
まず、本実施形態2に係る食券販売システムのシステム構成について説明する。図16は、実施形態2に係る食券販売システムのシステム構成を示す図である。同図に示すように、この食券販売システムは、食券販売機10Aと、食券販売機10Bと、管理装置20とがネットワークNに接続されたシステム構成となる。なお、ここでは2台の食券販売機を設けた場合について説明するが、3台以上の食券販売機を設けることもできる。
【0102】
食券販売機10Aは、ある飲食店に配設され、食券販売機10Bは別の飲食店に配設されるものとする。ただし、飲食店が大型店である場合には、店内に食券販売機10A及び10Bを配設することもできる。かかる食券販売機10A及び10Bは、実施形態1において説明した食券販売機10とほぼ同様の構成となり、ネットワークNに接続する通信I/F部と、管理装置20から通知されたメニューデータ及びサブスク基本データを受信して記憶部に記憶する処理部とが設けられる。ここでは、食券販売機10A及び10Bについての詳細な説明を省略する。
【0103】
次に、図16に示した管理装置20について説明する。図17は、図16に示した管理装置20の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、管理装置20は、入力部21と、表示部22と、通信I/F部23と、記憶部24と、制御部25とを有する。
【0104】
入力部21は、キーボード又はマウス等の入力デバイスであり、表示部22は、液晶パネル、ディスプレイ、有機EL等の表示デバイスである。通信I/F部23は、ネットワークNを介して食券販売機10A及び10Bと通信するための通信インターフェース部である。
【0105】
記憶部24は、ハードディスク装置又は不揮発性メモリ等の記憶デバイスからなり、メニューデータ24a及びサブスク基本データ24bを記憶する。メニューデータ24aは、実施形態1のメニューデータ17aと同様のものであり、各飲食店で提供する各種のメニューからなるデータである。ランチ時のようにある時間帯にのみ提供するメニュー、ある季節にのみ提供するメニュー等飲食店で提供する各種メニューを含む。
【0106】
サブスク基本データ24bは、実施形態1のサブスク基本データ17cと同様のものであり、サブスクリプション・サービスの基本事項を含むデータである。このサブスク基本データ24bには、顧客に提供する複数のサブスクリプション・サービスの種別に含まれるメニュー内容及び料金などが含まれる。
【0107】
制御部25は、管理装置20の全体制御を行う制御部であり、メニュー管理部25aと、メニューデータ通知部25bと、サブスク基本データ管理部25cと、サブスク基本データ通知部25dとを有する。実際には、上記のメニュー管理部25a、メニューデータ通知部25b、サブスク基本データ管理部25c及びサブスク基本データ通知部25dに対応するプログラムを記憶部24等に記憶しておき、このプログラムをメインメモリにロードして、CPUで実行することにより、各処理部に対応するプロセスを実行させることになる。
【0108】
メニュー管理部25aは、メニューデータ24aを用いて各飲食店のメニューを管理する管理部であり、メニューデータ24aに含まれる複数のメニューのうち、各飲食店で提供しているメニューを管理する。メニューデータ通知部25bは、メニューデータ24aを各飲食店に配設された食券販売機10A及び10Bに通知する処理部である。食券販売機10Aに通知するメニューデータと食券販売機10Bに通知するメニューデータとを異ならせることもできる。
【0109】
サブスク基本データ管理部25cは、サブスク基本データ24bを管理する管理部であり、サブスク基本データ通知部25dは、サブスク基本データ24bを各飲食店に配設された食券販売機10A及び10Bに通知する処理部である。
【0110】
上述してきたように、本実施形態2に係る食券販売システムでは、管理装置20がメニューデータ24a及びサブスク基本データ24bを管理しておき、これらのデータを食券販売機10A及び食券販売機10Bに通知するよう構成したので、各食券販売機10A及び10Bにおいて、食券販売機の特性を踏まえたサブスクリプション・サービスを提供することができる。
【0111】
なお、本実施形態2では、管理装置20がメニューデータ24a及びサブスク基本データ24bを管理する場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、実施形態1において説明した顧客データ17b及びサブスク条件データ17dを管理するよう構成することもできる。そして、サブスク設定、サブスク利用設定等を行う場合には、食券販売機10A及び10Bから管理装置20に問合せを行い、食券販売機10A及び10Bと管理装置20とが連携しつつ処理するよう構成することもできる。かかる一種のクラウドサービスの形態を実現することにより、顧客は、複数の店舗の食券販売機でサブスクリプション・サービスを受けることができる。
【産業上の利用可能性】
【0112】
以上のように、本発明に係る食券販売機、食券販売システム、食券販売方法及び食券販売プログラムは、食券販売機の特性を踏まえたサブスクリプション・サービスを実現する場合に適している。
【符号の説明】
【0113】
A 管理者
B 顧客
N ネットワーク
10,10A,10B 食券販売機
11 操作表示部
12 カードリーダ
13 カード発行部
13a カード発行口
14 発券部
14a 食券取出口
15 紙幣ユニット
15a 紙幣入出金口
16 硬貨ユニット
16a 硬貨投入口
16b 硬貨取出口
17 記憶部
17a メニューデータ
17b 顧客データ
17c サブスク基本データ
17d サブスク条件データ
18 制御部
18a メニュー管理部
18b カード発行処理部
18c 顧客特定部
18d 紙幣処理部
18e 硬貨処理部
18f サブスク設定部
18g サブスク利用設定部
18h 表示制御部
18i 発券処理部
20 管理装置
21 入力部
22 表示部
23 通信I/F部
24 記憶部
24a メニューデータ
24b サブスク基本データ
25 制御部
25a メニュー管理部
25b メニューデータ通知部
25c サブスク基本データ管理部
25d サブスク基本データ通知部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17