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特開2023-122271情報表示システムおよび情報表示方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023122271
(43)【公開日】2023-09-01
(54)【発明の名称】情報表示システムおよび情報表示方法
(51)【国際特許分類】
   B66B 5/00 20060101AFI20230825BHJP
【FI】
B66B5/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022025877
(22)【出願日】2022-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】児玉 耕一郎
【テーマコード(参考)】
3F304
【Fターム(参考)】
3F304BA01
3F304BA21
3F304ED05
(57)【要約】
【課題】エレベータの点検作業のために変更したスイッチ状態の戻し忘れを防止することができる情報表示システムおよび情報表示方法を提供する。
【解決手段】CPU111は、エレベータの点検作業の開始前の第1タイミングでカメラ115によって撮像された第1画像を取得する。CPU111は、第1画像から複数のスイッチ61~74の状態を第1スイッチ状態として抽出する。CPU111は、第1タイミングより後の第2タイミングでカメラ115によって撮像された第2画像を取得する。CPU111は、第2画像から複数のスイッチ61~74の状態を第2スイッチ状態として抽出する。CPU111は、第1スイッチ状態と第2スイッチ状態とで状態が異なるスイッチの情報を抽出する。表示部121は、状態が異なるスイッチの情報を表示する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータのかご内に配置された複数のスイッチの情報を表示する情報表示システムであって、
前記複数のスイッチを撮像するカメラと、
前記カメラによって撮像された前記複数のスイッチの画像を処理する処理部と、
前記複数のスイッチの情報を表示する表示部とを備え、
前記複数のスイッチの各々は、前記エレベータの動作を切り替えるためのスイッチであり、
前記処理部は、
前記エレベータの点検作業の開始前の第1タイミングで前記カメラによって撮像された第1画像を取得し、
前記第1画像から前記複数のスイッチの状態を第1スイッチ状態として抽出し、
前記第1タイミングより後の第2タイミングで前記カメラによって撮像された第2画像を取得し、
前記第2画像から前記複数のスイッチの状態を第2スイッチ状態として抽出し、
前記第1スイッチ状態と前記第2スイッチ状態とで状態が異なるスイッチの情報を抽出し、
前記表示部は、前記状態が異なるスイッチの情報を表示する、情報表示システム。
【請求項2】
前記表示部は、前記状態が異なるスイッチの色が特定色に変更された前記第2画像を表示する、請求項1に記載の情報表示システム。
【請求項3】
前記処理部は、
所定時間ごとに前記第2画像を取得し、
前記第2画像を取得するたびに、前記第2スイッチ状態を抽出するとともに前記状態が異なるスイッチの情報を抽出し、
前記表示部は、前記状態が異なるスイッチの情報が抽出されるたびに、前記状態が異なるスイッチの色が特定色に変更された前記第2画像を表示する、請求項1に記載の情報表示システム。
【請求項4】
前記表示部は、前記状態が異なるスイッチがある場合、前記状態が異なるスイッチがある旨の警告メッセージを表示する、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の情報表示システム。
【請求項5】
前記第2タイミングは、前記点検作業の終了後のタイミングである、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の情報表示システム。
【請求項6】
前記複数のスイッチは、前記かご内に設けられたかご操作盤に配置され、
前記かご操作盤には、前記複数のスイッチが配置されるとともに前記複数のスイッチのそれぞれに対応して前記複数のスイッチ名称が記載され、
前記処理部は、前記第1画像から前記複数のスイッチ名称を抽出し、
抽出された前記複数のスイッチ名称をユーザが変更可能な入力部をさらに備え、
前記表示部は、前記状態が異なるスイッチの情報として、当該スイッチのスイッチ名称と、前記第1画像および前記第2画像から抽出された当該スイッチの状態とを表示する、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の情報表示システム。
【請求項7】
前記第1スイッチ状態の履歴を記憶する記憶部をさらに備え、
前記表示部は、前記第1スイッチ状態の履歴を表示する、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の情報表示システム。
【請求項8】
エレベータのかご内に配置された複数のスイッチの情報を表示する情報表示方法であって、
前記複数のスイッチをカメラによって撮像するステップと、
前記カメラによって撮像された前記複数のスイッチの画像を処理するステップと、
前記複数のスイッチの情報を表示するステップとを備え、
前記複数のスイッチの各々は、前記エレベータの動作を切り替えるためのスイッチであり、
前記処理するステップは、
前記エレベータの点検作業の開始前の第1タイミングで前記カメラによって撮像された第1画像を取得するステップと、
前記第1画像から前記複数のスイッチの状態を第1スイッチ状態として抽出するステップと、
前記第1タイミングより後の第2タイミングで前記カメラによって撮像された第2画像を取得するステップと、
前記第2画像から前記複数のスイッチの状態を第2スイッチ状態として抽出するステップと、
前記第1スイッチ状態と前記第2スイッチ状態とで状態が異なるスイッチの情報を抽出するステップとを含み、
前記表示するステップは、前記状態が異なるスイッチの情報を表示する、情報表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エレベータのかご内に配置された複数のスイッチの情報を表示する情報表示システムおよび情報表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータのかご内には、エレベータの動作を変更するためのスイッチが複数配置されている。これらのスイッチ状態は、エレベータが設置されたビルのオーナーあるいはビルの管理者等がビルの運用状況に応じて適宜変更している。エレベータの点検作業を行う保守員は、点検作業を開始する際に、これらのスイッチ状態を点検作業用に変更し、点検作業が終了したときにこれらのスイッチ状態を元に戻している。
【0003】
従来、保守員は、点検作業前のスイッチ状態を目視して、それをメモしていた。そして、点検作業後に、メモに基づきスイッチを元の状態に戻していた。しかしながら、メモの記載ミスや確認ミスによって、スイッチ状態の戻し忘れが発生する可能性があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-162380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のミスを防止するために、点検作業前にスイッチ状態をカメラで撮影し、点検作業後に、撮影した画像を見ながらスイッチ状態を元に戻すような運用が行われていた。しかしながら、画像を見ながらスイッチ状態を元に戻したとしても、目視であるが故にスイッチ状態の戻し忘れを防げるとは限らない。
【0006】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、エレベータの点検作業のために変更したスイッチ状態の戻し忘れを防止することができる情報表示システムおよび情報表示方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る情報表示システムは、エレベータのかご内に配置された複数のスイッチの情報を表示する。情報表示システムは、カメラと、処理部と、表示部とを備える。カメラは、複数のスイッチを撮像する。処理部は、カメラによって撮像された複数のスイッチの画像を処理する。表示部は、複数のスイッチの情報を表示する。複数のスイッチの各々は、エレベータの動作を切り替えるためのスイッチである。処理部は、エレベータの点検作業の開始前の第1タイミングでカメラによって撮像された第1画像を取得する。処理部は、第1画像から複数のスイッチの状態を第1スイッチ状態として抽出する。処理部は、第1タイミングより後の第2タイミングでカメラによって撮像された第2画像を取得する。処理部は、第2画像から複数のスイッチの状態を第2スイッチ状態として抽出する。処理部は、第1スイッチ状態と第2スイッチ状態とで状態が異なるスイッチの情報を抽出する。表示部は、状態が異なるスイッチの情報を表示する。
【0008】
本開示に係る情報表示方法は、エレベータのかご内に配置された複数のスイッチの情報を表示する情報表示方法である。情報表示方法は、複数のスイッチをカメラによって撮像するステップと、カメラによって撮像された複数のスイッチの画像を処理するステップと、複数のスイッチの情報を表示するステップとを備える。複数のスイッチの各々は、エレベータの動作を切り替えるためのスイッチである。処理するステップは、エレベータの点検作業の開始前の第1タイミングでカメラによって撮像された第1画像を取得するステップと、第1画像から複数のスイッチの状態を第1スイッチ状態として抽出するステップと、第1タイミングより後の第2タイミングでカメラによって撮像された第2画像を取得するステップと、第2画像から複数のスイッチの状態を第2スイッチ状態として抽出するステップと、第1スイッチ状態と第2スイッチ状態とで状態が異なるスイッチの情報を抽出するステップとを含む。表示するステップは、状態が異なるスイッチの情報を表示する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、エレベータの点検作業のために変更したスイッチ状態の戻し忘れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施の形態における、かご内での端末によるかご操作盤の撮像について説明するための図である。
図2】点検作業開始前のスイッチ状態の一例を説明するための図である。
図3】点検作業終了後のスイッチ状態の一例を説明するための図である。
図4】情報表示システムのハードウェア構成の一例を示す図である。
図5】情報表示システムの機能ブロック図の一例を示す図である。
図6】メイン処理のフローチャートである。
図7】表示処理のフローチャートである。
図8】情報表示システムでのスイッチ名称の編集およびスイッチ状態の表示について説明するための図である。
図9】情報表示システムでのスイッチ状態の表示について説明するための図である。
図10】履歴表示処理のフローチャートである。
図11】情報表示システムでのスイッチ状態の履歴表示について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0012】
図1は、本実施の形態における、かご10内での端末100よるかご操作盤150の撮像について説明するための図である。端末100は、後述する情報表示システム1(図4参照)に含まれる端末である。
【0013】
本実施の形態においては、端末100は、保守員52が使用するスマートフォンである。保守員52はエレベータの点検作業を実施し、端末100は点検作業の際に使用される。図1において、保守員52は、エレベータのかご10に乗車し、かご10内において端末100を用いてかご操作盤150を撮像している。
【0014】
本実施の形態において、エレベータが設置されたビルは4階建てであるとする。かご10内には、扉160およびかご操作盤150等が設けられている。かご操作盤150には、エレベータを操作するためのボタンおよびスイッチ等が設けられている。具体的には、かご操作盤150には、扉160を開くための戸開釦152と、扉160を閉じるための戸閉釦153と、1F~4Fまでの行先階(かご呼び)を登録するためのかご呼び釦が設けられている。
【0015】
かご呼び釦は、1Fへのかご呼びを登録する1F呼び釦161と、2Fへのかご呼びを登録する2F呼び釦162と、3Fへのかご呼びを登録する3F呼び釦163と、4Fへのかご呼びを登録する4F呼び釦164とを含む。また、かご操作盤150には、かご10の走行方向と、走行階または停止階が表示されるインジケータ151が備えられている。走行方向は、上方向(「UP方向」とも称する)または下方向(「DN方向」とも称する)を示す。
【0016】
さらに、かご操作盤150には、スイッチボックス40が設けられている。図1において、保守員52は、スイッチボックス40内に配置された複数のスイッチを撮像している。
【0017】
図2は、点検作業開始前のスイッチ状態の一例を説明するための図である。図2に示すように、スイッチボックス40内には、複数のスイッチ61~74が配置されている。複数のスイッチ61~74の各々は、エレベータの動作(エレベータの機能、運転モード、オプション設定等)を切り替えるためのスイッチである。これらのスイッチは、スイッチボックス40の内部に取り付けられており、スイッチボックス40の開戸を開くことで操作可能となる。
【0018】
ここで、図2は、スイッチボックス40内部をほぼ正面から見た状態である。スイッチ61~71は、正面側に取り付けられている。一方で、スイッチ72~74は、スイッチボックス40内部の左側の側面40aに取り付けられている。
【0019】
本実施の形態におけるスイッチ61~74は、波動スイッチである。スイッチ61~74は、上部が押し込まれて、スイッチ上部よりもスイッチ下部の方が設置面に対して飛び出した状態が、ON状態を示す。一方、スイッチ61~74は、下部が押し込まれて、スイッチ下部よりもスイッチ上部の方が設置面に対して飛び出した状態が、OFF状態を示す。なお、これに限らず、スイッチは、突起物を上部に押し上げた状態をON状態とし、突起物を下部に押し下げた状態をOFF状態としてもよい。
【0020】
また、上記のものに限らず、スイッチ61~74は、どのような形状のスイッチであってもよい。たとえば、スイッチ61~74は、トグルスイッチであってもよいし、ロータリースイッチであってもよいし、キースイッチであってもよい。また、ランプの点灯状態によって、ONまたはOFF状態を示すようなものであってもよい。スイッチの状態は、ON状態およびOFF状態の2つの状態も持つものに限らず、複数の状態を持ち、これらの複数の状態を切り替え可能なものであってもよい。
【0021】
かご操作盤150には、複数のスイッチ61~74が配置されるとともに、複数のスイッチ61~74のそれぞれに対応して複数のスイッチ名称が記載されている。本実施の形態において、スイッチ61は、照明スイッチとも称する。スイッチ61の上部には、照明スイッチのスイッチ名称として「照明」の文字が付されている。なお、スイッチ61の下部に、スイッチがOFF状態であることを示す「切」の文字を付してもよい。
【0022】
照明スイッチは、かご10に設けられた照明をON状態またはOFF状態に切り変えるためのスイッチである。照明スイッチがON状態であるときにかご10の照明がON状態となり、照明スイッチがOFF状態であるときにかご10の照明がOFF状態となる。本例では、スイッチ61はON状態である。あるいは、かご10に設けられたイルミネーションランプを点灯させるようなスイッチが設置されてもよい。
【0023】
スイッチ62は、FAN(ファン)スイッチとも称する。スイッチ62の上部には、FANスイッチのスイッチ名称として「FAN」の文字が付されている。FANスイッチは、かご10に設けられたファンをON状態またはOFF状態に切り変えるためのスイッチである。FANがON状態であるときにかご10のファンがON状態となり、FANスイッチがOFF状態であるときにかご10のファンがOFF状態となる。本例では、スイッチ61はON状態である。
【0024】
スイッチ63は、かご10の運転を自動運転または手動運転に切り変えるためのスイッチである。自動運転に設定されている場合、かご10は、乗場からの乗場呼びまたはかご内でのかご呼びに応答可能である。手動運転に設定されている場合は、これらの呼びに応答せず、点検作業時の保守員52の操作により、かご10をUP方向またはDN方向に移動させることができる。
【0025】
スイッチ63の上部には、自動運転がON状態であることを示す「自動」の文字が付されている。スイッチ63の下部には、手動運転がON状態であることを示す「手動」の文字が付されている。本例では、かご10は自動運転である(スイッチの上部が押し込まれた状態で、手動運転がOFF状態となり、自動運転がON状態となる)ことを示している。スイッチ63を切り変えると、かご10が手動運転となる(スイッチの下部が押し込まれた状態で、手動運転がON状態となり、自動運転がOFF状態となる)。
【0026】
スイッチ64~71は、それぞれ、スイッチX1~X8とも称し、上部には、スイッチ名称を示すX1~X8の文字が付されている。本例では、スイッチ64~67,70はON状態であり、スイッチ68,69,71はOFF状態である。
【0027】
スイッチ72~74は、それぞれ、スイッチY1~Y3とも称し、上部には、スイッチ名称を示すY1~Y3の文字が付されている。本例では、スイッチ72,73はON状態であり、スイッチ74はOFF状態である。
【0028】
たとえば、スイッチ64~67は、停止階を設定するスイッチであってもよい。この場合、X1~X4には、それぞれ「1F」~「4F」の文字が付される。スイッチがON状態である場合に、スイッチに対応する階に停止可能となり、スイッチがOFF状態である場合に、スイッチに対応する階に停止することができない(この状態を「サービス切放し」、「サービスカット」とも称する)。
【0029】
たとえば、スイッチ65をON状態にすると、かご10は2階に停止可能となるが、スイッチ65をOFF状態にすると、2階がサービスカット状態となり、かご10は2階に停止することができなくなる。なお、行先釦(かご呼び釦)を操作して指定階のサービスカットを設定するようにしてもよい(この場合、かご呼び釦のランプの点灯によりサービスカット階を示すようにしてもよい)。
【0030】
ここで、エレベータの点検作業開始前の複数のスイッチ61~74のスイッチ状態は、エレベータが設置されたビルのオーナーあるいはビルの管理者(以下、「ビルの管理者等」と称する)が設定している状態を示している。エレベータの点検作業を行うにあたり、点検作業用にこれらのスイッチ状態を変更する必要がある。
【0031】
たとえば、病院等の施設において、一時的に2階への立ち入りを禁止している場合において、施設の管理者は、2階をサービスカットするために、スイッチ65をOFF状態に設定する。ところが、エレベータの点検作業を行う際には、こうしたサービスカット設定をクリアして、かご10を各階に停止可能にする。そして、点検作業の終了後に、複数のスイッチ61~74のスイッチ状態を、ビルの管理者等が元々行っている設定に戻す必要がある。その際、2階は再度サービスカットされる。
【0032】
図2の例では、点検作業開始前において、スイッチ61~67,70,72,73がON状態である。図3は、点検作業終了後のスイッチ状態の一例を説明するための図である。これに対して、図3に示すように、点検作業終了後は、スイッチ61~67,72がON状態である。本例においては、保守員52は、スイッチ70(X7スイッチ)およびスイッチ73(Y2スイッチ)をOFF状態からON状態に戻すことを忘れている。
【0033】
複数のスイッチ61~74の設定は、ビルの管理者等がビルの運用状況に応じて適宜変更する。このため、これらのスイッチがどのように設定されているかは、実際にスイッチ61~74を見る以外、保守員52が把握することができない。
【0034】
従来、保守員52は、点検作業前のスイッチ状態を目視して、それをメモしていた。そして、点検作業後に、メモに基づきスイッチを元の状態に戻していた。しかしながら、メモの記載ミスや確認ミスがあったために、スイッチの戻し忘れが発生する可能性があった。
【0035】
上述のミスを防止するために、保守点検前にスイッチボックス40をカメラで撮影し、保守点検後に、撮影した画像を見ながらスイッチを元の状態に戻すような運用を行っていた。しかしながら、画像を見ながらスイッチを元に戻したとしても、目視であるが故にスイッチの戻し忘れを防げるとは限らない。本実施の形態では、より確実にスイッチの戻し忘れを防止できる構成とした。以下、本実施の形態の方法について説明する。
【0036】
図4は、情報表示システム1のハードウェア構成の一例を示す図である。図4に示すように、情報表示システム1は、図1で説明した端末100(本実施の形態においては、スマートフォン)と、サーバ200とで構成される。端末100とサーバ200とは通信可能である。
【0037】
情報表示システム1は、エレベータのかご10内に配置された複数のスイッチ61~74の情報を表示する装置である。複数のスイッチ61~74は、かご10内のかご操作盤150に設けられたスイッチボックス40に配置されている。
【0038】
端末100は、CPU(Central Processing Unit)111と、ROM(Read Only Memory)112と、RAM(Random Access Memory)113と、記憶部114と、カメラ115と、通信インターフェイス120と、表示部121と、入力部122とを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能に接続されている。
【0039】
CPU111は、ROM112に保存されているプログラムをRAM113に読み込んで実行し、端末100の各種機能を実現する。ROM112は、端末100の処理手順が記されたプログラムを格納する。
【0040】
RAM113は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域となるものであり、プログラムやプログラムを実行する際のデータ等を一時的に記憶する。
【0041】
記憶部114は、不揮発性の記憶装置である。記憶部114は、たとえば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等であってもよい。入力部122は、ユーザからの入力を受け付ける。入力部122は、たとえば、タッチパネルであるが、キーボード、マウスであってもよい。表示部121は、各種情報の表示を行う(たとえば、複数のスイッチ61~74の情報を表示)。表示部121は、たとえば、液晶表示器、ディスプレイである。
【0042】
情報表示システム1を構成する端末100のカメラ115は、複数のスイッチ61~74を撮像する。端末100は、通信インターフェイス120を介して、サーバ200と接続可能である。たとえば、サーバ200は、保守員52が所属する保守会社が管理するサーバである。端末100は、サーバ200と接続することで、エレベータの点検作業に関する各種情報にアクセス可能である。
【0043】
サーバ200は、処理部としてのCPU211と、ROM212と、RAM213と、記憶部214と、通信インターフェイス220とを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能に接続されている。
【0044】
CPU211は、ROM212に保存されているプログラムをRAM213に読み込んで実行し、サーバ200の各種機能を実現する。ROM212は、サーバ200の処理手順が記されたプログラムを格納する。RAM213は、CPU211がプログラムを実行する際の作業領域となるものであり、プログラムやプログラムを実行する際のデータ等を一時的に記憶する。記憶部214は、不揮発性の記憶装置である。記憶部214は、たとえば、HDDやSSD等であってもよい。
【0045】
サーバ200は、通信インターフェイス220を介して、端末100と接続可能である。たとえば、端末100は、所定のURLを指定することで、ブラウザを介してサーバ200にアクセスしてもよい。あるいは、端末100に予めインストールされたアプリケーションを起動し、本アプリケーションからサーバ200にアクセスするようにしてもよい。
【0046】
本実施の形態においては、端末100は、カメラ115によって撮像された複数のスイッチ61~74の画像をサーバ200に送信する。サーバ200のCPU211は、端末100から送信された上記画像を処理して、その結果を複数のスイッチ61~74の情報として端末100に送信する。そして、端末100の表示部121は、複数のスイッチ61~74の情報を表示する。
【0047】
つまり、情報表示システム1は、端末100のカメラ115で撮影したスイッチの画像を、サーバ200のCPU211で処理し、その処理結果を端末100の表示部121において表示する構成となっている。
【0048】
なお、上記のような構成に限らず、情報表示システム1は、端末100のみで構成されるようにしてもよい。この場合、サーバ200のCPU211が実行する処理を端末100のCPU111が実行するようにすればよい。
【0049】
たとえば、あらかじめ端末100に複数のスイッチ61~74の画像処理を行うアプリケーションをインストールしておき、当該アプリケーションを起動させるようにしてもよい。そして、情報表示システム1(端末100)は、カメラ115で撮影したスイッチの画像を、端末100のCPU111で処理し、その処理結果を端末100の表示部121において表示するように構成する。
【0050】
図5は、情報表示システム1の機能ブロック図の一例を示す図である。情報表示システム1は、取得部131と、抽出部132と、比較部133とを含んでいる。以下、情報表示システム1が実行する処理の概略を説明する。本処理は、端末100およびサーバ200を用いて実現してもよいし、端末100のみを用いて実現してもよい。
【0051】
カメラ115は、かご操作盤150のスイッチボックス40に配置された複数のスイッチ61~74を撮像する。取得部131は、カメラ115が撮像した画像を取得する。
【0052】
抽出部132は、取得部131が取得した画像から複数のスイッチ61~74のスイッチ状態(ON状態であるかOFF状態であるか)を抽出する。記憶部214は、抽出されたスイッチ状態を記憶する。取得部は、周期的にカメラ115が撮像した画像を取得し、当該画像から抽出された抽出結果は、記憶部214に記憶されている。
【0053】
記憶部214は、点検作業前のスイッチ状態を記憶している。そして、比較部133は、現在カメラ115から取得された画像に基づき抽出されたスイッチ状態と、作業点検前のスイッチ状態とを比較する。
【0054】
表示部121は、比較部133による比較結果を表示する。図2図3の例では、点検作業前においてスイッチX7,Y2がON状態であったのに対し、これを戻し忘れて、点検作業後において、X7,Y2がOFF状態になっている。このため、本実施の形態においては、表示部121は、戻し忘れたX7,Y2に相当する画像を赤く表示するように構成している。以下、フローチャートを用いて詳細に説明する。
【0055】
図6は、メイン処理のフローチャートである。情報表示システム1は、メイン処理を実行する。たとえば、端末100にインストールされたアプリケーションを起動することでメイン処理が開始するようにしてもよい。以下、「ステップ」を単に「S」とも称する。
【0056】
保守員52は、アプリケーションを起動して、図1に示したように端末100のカメラ115をスイッチボックス40に向ける(撮影する)。たとえば、この時の各スイッチの状態が図2に示す通りであったとする。
【0057】
図6に示すように、メイン処理が開始すると、情報表示システム1(情報表示システム1のCPU211)は、S101において、カメラ115から第1画像を取得する。第1画像は、図2で示したような、エレベータの点検作業の開始前の第1タイミングでカメラ115によって撮像された画像である。
【0058】
情報表示システム1は、S102において、第1画像から複数のスイッチ61~74の状態を第1スイッチ状態として抽出する。たとえば、図2の例では、スイッチ61~67,70,72,73をON状態として抽出し、その他のスイッチをOFF状態として抽出する。
【0059】
スイッチの状態の抽出は、公知の画像処理技術を用いて実現すればよい。たとえば、画像からスイッチに相当する箇所(たとえば、黒いスイッチであれば、黒い領域)を抽出し、抽出した各画像において、下部が飛び出した状態をON状態と認識させ、上部が飛び出した状態をOFF状態と認識させるように処理を行う。なお、真正面から撮影したためにスイッチのON/OFF状態が認識できない場合は、保守員52がカメラの位置を変えて、斜めから撮影するようにアプリケーション上に表示させる(指示する)ようにしてもよい。
【0060】
情報表示システム1は、S103において、スイッチ名称の設定があるか否かを判定する。具体的には、記憶部214に、過去に設定されたスイッチ名称が記憶されているか否かを判定する。
【0061】
情報表示システム1は、スイッチ名称の設定があると判定した場合(S103でYES)、処理をS105に進める。一方、情報表示システム1は、スイッチ名称の設定があると判定しなかった場合(S103でNO)、処理をS104に進める。
【0062】
情報表示システム1は、S105において、記憶部214からスイッチ名称を読み込み、S107に進む。一方、情報表示システム1は、S104において、第1画像から全てのスイッチ名称を抽出し、S106に進む。
【0063】
ここで、図8は、情報表示システム1でのスイッチ名称の編集およびスイッチ状態の表示について説明するための図である。保守員52が、エレベータの点検作業の開始前の第1タイミングでカメラ115によって画像を撮影している状態において、端末100の表示部121には、図8のような画面が表示される。
【0064】
画面の左側には、第1画像(図2の画像)が表示されている。これとともに、S102において抽出した各スイッチが特定できるように、第1画像の各スイッチに番号1~14を割り振って表示している。たとえば、照明スイッチには番号「1」が割り振られ、FANスイッチには番号「2」が割り振られている。
【0065】
画面の右側には、エレベータが設置されたビルの名称「ABCビル」が表示されるとともに、各スイッチが点検作業開始前の状態である旨が表示されている。また、画面上には、「スイッチ名称を読み取りました。読み取り不能または読み取り間違いがある箇所はスイッチ名称を入力してください」が表示されている。
【0066】
さらに画面には、本日の日付「2021/2/1」が表示されるとともに、各スイッチの番号と、番号に対応したスイッチ名称と、スイッチの状態が表示される。スイッチの状態としては、S102において抽出した第1スイッチ状態を表示している。
【0067】
スイッチ名称は、S105において記憶部214から読み込んだスイッチ名称、または、S104において第1画像から抽出したスイッチ名称を表示している。スイッチ名称の抽出は、画像から文字情報を抽出する公知の技術を用いて実現すればよい。
【0068】
たとえば、番号「1」において、スイッチ名称「照明」およびスイッチ状態「ON状態」が表示されている。番号「2」において、スイッチ名称「FAN」およびスイッチ状態「ON状態」が表示されている。番号「3」において、スイッチ名称「自動」およびスイッチ状態「ON状態」、スイッチ名称「手動」およびスイッチ状態「OFF状態」が表示されている(すなわち、スイッチが自動運転側に投入されていることが示されている)。
【0069】
本例では、番号「12」~「14」に対応するスイッチY1~Y3のスイッチ名称が第1画像から抽出されなかった。図2に示したように、これらのスイッチの名称は、スイッチボックス40の側面に記載されている。このため、保守員52が、スイッチY1~Y3のスイッチ名称が読み取れる位置にカメラ115の位置を変更し、あらためて、スイッチ名称を抽出させるようにしてもよい。
【0070】
また、入力部122によって、抽出された複数のスイッチ名称をユーザが変更可能である。本例においては、保守員52は、入力部122を用いて、番号「12」に対応するスイッチ名称が「Y1」であり、番号「13」に対応するスイッチ名称が「Y2」であり、番号「14」に対応するスイッチ名称が「Y3」である旨を入力することができる。
【0071】
また、番号9において、番号「9」に対応するスイッチ名称は「X6」であるが、第1画像からは誤って「X8」と抽出されている。このため、保守員52は、入力部122を用いて、番号「9」に対応するスイッチ名称を「X8」に変更することができる。
【0072】
このように、情報表示システム1は、S106において、保守員52からのユーザ入力があればスイッチ名称を変更し、S107に進む。情報表示システム1は、S107において、第1スイッチ状態およびスイッチ名称を記憶部214に記憶する。なお、「終了」ボタンをクリックすると、アプリケーションが終了する。
【0073】
さらに、情報表示システム1は、S108において、所定時間(たとえば、100msec)が経過したか否かを判定する。情報表示システム1は、所定時間が経過したと判定した場合(S108でYES)、処理をS109に進める。一方、情報表示システム1は、所定時間が経過したと判定しなかった場合(S108でNO)、処理をS108に戻す。
【0074】
情報表示システム1は、S109において、カメラ115から第2画像を取得する。つまり、第2画像は、第1タイミングより後の第2タイミングでカメラ115によって撮像された画像である。また、S108~S113に示すように、情報表示システム1は、所定時間が経過するたびに第2画像を取得する。たとえば、第2タイミングは、点検作業の終了後のタイミングであってもよいし、点検作業中のタイミングであってもよいし、どのようなタイミングであってもよい。
【0075】
情報表示システム1は、S110において、第2画像から複数のスイッチ61~74の状態を第2スイッチ状態として抽出する。
【0076】
情報表示システム1は、S111において、第2スイッチ状態において、第1スイッチ状態と状態が異なるスイッチの情報を抽出する(第1スイッチ状態と第2スイッチ状態とで状態が異なるスイッチの情報を抽出する)。つまり、情報表示システム1は、第2画像を取得するたびに、第2スイッチ状態を抽出するとともに状態が異なるスイッチの情報を抽出している。
【0077】
情報表示システム1は、S112において、表示処理(図7参照)を実行する。情報表示システム1は、S113において、終了ボタンのクリックがあったか否かを判定する。情報表示システム1は、終了ボタンのクリックがあったと判定した場合(S113でYES)、メイン処理を終了する。一方、情報表示システム1は、終了ボタンのクリックがあったと判定しなかった場合(S113でNO)、処理をS108に戻す。
【0078】
図7は、表示処理のフローチャートである。図7に示すように、表示処理が開始すると、情報表示システム1は、S201において、状態が異なるスイッチがあるか否かを判定する。情報表示システム1は、状態が異なるスイッチがあると判定した場合(S201でYES)、処理をS202に進める。一方、情報表示システム1は、状態が異なるスイッチがあると判定しなかった場合(S201でNO)、処理をS24に進める。
【0079】
つまり、情報表示システム1は、第1スイッチ状態と第2スイッチ状態と(第1画像と第2画像と)を比較することで、点検作業開始前のスイッチ状態から変化があったスイッチを抽出することができる。
【0080】
情報表示システム1は、S202において、第2画像において、状態が異なるスイッチを赤色に変更する。情報表示システム1は、S203において、状態が異なるスイッチの情報(たとえば、スイッチの名称および点検前後のスイッチ状態)および警告メッセージを表示する。情報表示システム1は、S204において、第1スイッチ状態をスイッチ名称とともに表示する。情報表示システム1は、S205において、第2画像を表示し、表示処理を終了する。以下、図9を用いて具体例を説明する。
【0081】
図9は、情報表示システム1でのスイッチ状態の表示について説明するための図である。図9の例では、端末100の表示部121には、点検作業前後における複数のスイッチ61~73の差異に関する情報が表示されている。表示部121には、かご10が設置されているビルが「ABCビル」であることを示している。
【0082】
表示部121は、状態が異なるスイッチの色が特定色(たとえば、赤色)に変更された第2画像を表示する。表示部121の左側には、複数のスイッチ61~73を撮像した画像において、スイッチX7,Y2に相当する画像が赤く表示されている。これにより、作業開始前のスイッチX7,Y2の状態が現在の状態と異なることが示されている。
【0083】
表示部121は、状態が異なるスイッチがある場合、状態が異なるスイッチがある旨の警告メッセージを表示する。表示部121の右部には、「以下のスイッチが作業前後に差異があります。」というメッセージが表示される。
【0084】
表示部121は、状態が異なるスイッチの情報として、当該スイッチのスイッチ名称と、第1画像および第2画像から抽出された当該スイッチの状態とを表示する。本例では、作業開始前のX7スイッチがON状態であり、作業終了後のX7スイッチがOFF状態であり、作業開始前のY2スイッチがON状態であり、作業終了後のY2スイッチがOFF状態であることを示している。
【0085】
表示部121の右側には、作業開始前のスイッチ状態が一覧として表示されている。作業開始前には、照明スイッチ、FANスイッチ、X1~X4,X7,Y2スイッチがON状態であり、かご10が自動運転であり、その他のスイッチがOFF状態であることが示されている。また、作業開始前後で差異があるスイッチ(X7,Y2スイッチ)が識別できるように表示される。
【0086】
以上のように構成することで、作業前後でどのスイッチに戻し忘れがあるかが一目瞭然となる。保守員52は、赤く表示されたスイッチを切り替えることで、作業前の状態に戻すことができる。
【0087】
また、情報表示システム1は、所定時間経過ごとに第1画像と第2画像とを比較しているため、保守員52がカメラ115で撮影したままの状態にすれば、リアルタイムでスイッチ間の差分を確認することができる。たとえば、図9の状態で、保守員52がスイッチY2を切り変えると、スイッチY2は赤色で表示されなくなり、保守員52がスイッチX7を切り変えると、スイッチX7は赤色で表示されなくなる。このように、カメラ115で撮影しながら、赤色の画像がなくなるまでスイッチを切り変えることで、作業前のスイッチ状態に戻すことができる。
【0088】
図9の例では、作業開始前と作業終了後とのスイッチ状態の差異を表示しているが、これに限らず、作業開始前と任意のタイミングとのスイッチ状態の差異も表示することができる。たとえば、作業開始前と作業中とのスイッチ状態の差異を表示させた場合、点検作業においてどのスイッチを変更したかが一目瞭然となる。
【0089】
このように、表示部121は、状態が異なるスイッチの情報が抽出されるたびに、状態が異なるスイッチの色が特定色(たとえば、赤色)に変更された第2画像を表示する。
【0090】
次に、履歴表示処理について説明する。記憶部214は、図6のS107で示したように、保守員52が点検作業を開始するたびに、第1スイッチ状態の履歴をスイッチ名称とともに記憶する。そして、表示部121は、第1スイッチ状態の履歴を表示可能である。
【0091】
図10は、履歴表示処理のフローチャートである。図10に示すように、履歴表示処理が開始すると、情報表示システム1は、S301において、記憶部214からスイッチ名称を取得する。情報表示システム1は、S302において、記憶部214から第1スイッチ状態の時系列データを取得する。
【0092】
情報表示システム1は、S303において、スイッチ名称とともに第1スイッチ状態の時系列データを表示する。情報表示システム1は、S304において、前回と状態が異なるスイッチを強調表示する。以下、図11を用いて具体例について説明する。
【0093】
図11は、情報表示システム1でのスイッチ状態の履歴表示について説明するための図である。画面には、ビルの名称「ABCビル」が表示されるとともに、「スイッチ状態の履歴(作業開始前)」が表示されている。
【0094】
保守員52は、2021年の2月1日、3月1日、4月1日、5月1日に点検作業を行っており、画面上には各点検作業日における作業開始前のスイッチ状態が表示されている。
【0095】
たとえば、2月1日の点検作業開始前において、照明スイッチはON状態であり、FANスイッチはON状態である。ここで、2月1日においてX5スイッチはOFF状態であるのに対して、3月1日においてX5スイッチはON状態となっている。このように、次回の点検作業において、点検作業開始前のスイッチ状態が変更された場合は、そのスイッチを強調して表示する。
【0096】
同様に、3月1日においてX5スイッチはON状態、Y1スイッチはON状態であるのに対して、4月1日においてX5スイッチはOFF状態、Y1スイッチはOFF状態となっているため、これらのスイッチを強調して表示している。また、4月1日においてFANスイッチはON状態であるのに対して、5月1日においてFANスイッチはOFF状態となっているため、このスイッチを強調して表示している。
【0097】
上述のように、複数のスイッチ61~74の設定は、ビルの管理者等がビルの運用状況に応じて適宜変更している。このため、図11に示すように、点検作業ごとにスイッチ状態が変更されているケースも珍しくない。しかしながら、ビルの管理者等が間違えてスイッチ状態を変更しているケースも想定される。このため、図11のようなスイッチ状態の履歴をビルの管理者等に提示することで、ビルの管理者等がスイッチ状態を間違えて設定した場合であっても、これを発見することが容易となる。
【0098】
以上説明したように、情報表示システム1のCPU211は、エレベータの点検作業の開始前の第1タイミングでカメラ115によって撮像された第1画像を取得する。CPU211は、第1画像から複数のスイッチ61~74の状態を第1スイッチ状態として抽出する。CPU211は、第1タイミングより後の第2タイミングでカメラ115によって撮像された第2画像を取得する。CPU211は、第2画像から複数のスイッチ61~74の状態を第2スイッチ状態として抽出する。CPU211は、第1スイッチ状態と第2スイッチ状態とで状態が異なるスイッチの情報を抽出する。表示部121は、状態が異なるスイッチの情報を表示する。たとえば、第2タイミングは、点検作業の終了後のタイミングである。このようにすることで、エレベータの点検作業のために変更したスイッチ状態の戻し忘れを防止することができる。
【0099】
表示部121は、状態が異なるスイッチの色が特定色(たとえば、赤色)に変更された第2画像を表示する。表示部121は、状態が異なるスイッチがある場合、状態が異なるスイッチがある旨の警告メッセージを表示する。このようにすることで、エレベータの点検作業のために変更したスイッチ状態の戻し忘れをより確実に防止することができる。
【0100】
CPU211は、所定時間ごとに第2画像を取得する。CPU211は、第2画像を取得するたびに、第2スイッチ状態を抽出するとともに状態が異なるスイッチの情報を抽出する。表示部121は、状態が異なるスイッチの情報が抽出されるたびに、状態が異なるスイッチの色が特定色(たとえば、赤色)に変更された第2画像を表示する。このようにすることで、リアルタイムで差分を確認することができるため、画像を確認しながらスイッチ状態を元に戻すことができる。
【0101】
CPU211は、第1画像から複数のスイッチ名称を抽出する。入力部122は、抽出された複数のスイッチ名称をユーザが変更可能である。表示部121は、状態が異なるスイッチの情報として、当該スイッチのスイッチ名称と、第1画像および第2画像から抽出された当該スイッチの状態とを表示する。このようにすることで、スイッチに対応するスイッチ名称を管理することができるとともに、変更されたスイッチ状態を把握しやすくなる。
【0102】
記憶部214は、第1スイッチ状態の履歴を記憶する。表示部121は、第1スイッチ状態の履歴を表示する。このようにすることで、ビルの管理者等がスイッチ状態を間違えて設定した場合であっても、これを発見することが容易となる。
【0103】
今回開示された実施の形態は例示であって、上記内容のみに制限されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0104】
1 情報表示システム、10 かご、40 スイッチボックス、40a 側面、52 保守員、61~74 スイッチ、100 端末、111 CPU、112 ROM、113 RAM、114 記憶部、115 カメラ、120 通信インターフェイス、121 表示部、122 入力部、131 取得部、132 抽出部、133 比較部、150 かご操作盤、151 インジケータ、152 戸開釦、153 戸閉釦、160 扉、161 1F呼び釦、162 2F呼び釦、163 3F呼び釦、164 4F呼び釦、200 サーバ、211 CPU、212 ROM、213 RAM、214 記憶部、220 通信インターフェイス。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11