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特開2023-122320衛生管理装置、衛生管理システム、衛生管理方法、及び、除菌剤生成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023122320
(43)【公開日】2023-09-01
(54)【発明の名称】衛生管理装置、衛生管理システム、衛生管理方法、及び、除菌剤生成装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/18 20060101AFI20230825BHJP
   G06Q 50/12 20120101ALI20230825BHJP
【FI】
A61L2/18
G06Q50/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022025964
(22)【出願日】2022-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 史拓
(72)【発明者】
【氏名】米原 典彦
(72)【発明者】
【氏名】関口 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】柏原 啓三
【テーマコード(参考)】
4C058
5L049
【Fターム(参考)】
4C058AA23
4C058BB07
4C058DD03
4C058DD13
4C058DD14
4C058JJ07
5L049CC24
(57)【要約】
【課題】衛生管理を適切に行うことができる衛生管理装置を提供すること。
【解決手段】衛生管理装置は、除菌剤を生成する除菌剤生成装置から出力された前記除菌剤の有効性を示すパラメータを受け付ける除菌情報受付部と、前記パラメータに基づいて、前記除菌剤の有効性を管理する除菌管理部と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
除菌剤を生成する除菌剤生成装置から出力された前記除菌剤の有効性を示すパラメータを受け付ける除菌情報受付部と、
前記パラメータに基づいて、前記除菌剤の有効性を管理する除菌管理部と、を備える、
衛生管理装置。
【請求項2】
前記パラメータは、前記除菌剤の有効期限を含み、
前記除菌管理部は、前記有効期限を管理する、
請求項1に記載の衛生管理装置。
【請求項3】
前記パラメータは、前記除菌剤の有効成分の濃度又はpHを含み、
前記除菌管理部は、前記有効成分の濃度又はpHを管理する、
請求項1に記載の衛生管理装置。
【請求項4】
装置情報受付部と、
警告部と、を更に備え、
前記装置情報受付部は、前記除菌剤を使用して除菌を行う除菌装置を表す情報を受け付け、
前記警告部は、前記除菌装置が利用される際に前記除菌剤の有効期限が切れている場合、警告を行う、
請求項2に記載の衛生管理装置。
【請求項5】
装置情報受付部と、
推定部と、
警告部と、を更に備え、
前記装置情報受付部は、前記除菌剤を使用して除菌を行う除菌装置を表す情報を受け付け、
前記推定部は、前記除菌装置が利用される際の前記除菌剤の有効成分の濃度又はpHを推定し、
前記警告部は、前記推定部により推定された前記有効成分の濃度又はpHが、予め設定された適正濃度又は適正pH未満である場合、警告を行う、
請求項3に記載の衛生管理装置。
【請求項6】
前記除菌剤により除菌される除菌対象を表す情報を受け付ける対象情報受付部を更に備え、
前記警告部は、除菌対象の種類毎に設定された適正濃度又適正pHに基づいて、前記推定部により推定された前記濃度又は前記pHが、前記除菌される前記除菌対象に対応する前記適正濃度又は前記適正pH未満である場合、警告を行う、
請求項5に記載の衛生管理装置。
【請求項7】
前記除菌剤を使用して除菌を行う除菌装置を表す情報を受け付ける装置情報受付部と、
前記除菌剤により除菌される除菌対象を表す情報を受け付ける対象情報受付部と、
警告部と、を更に備え、
前記警告部は、前記除菌装置が利用される際の前記除菌剤の有効性を示すパラメータの値が、除菌対象の種類毎に設定された前記除菌剤の有効性を示す適正なパラメータの値でない場合、警告を行う、
請求項1に記載の衛生管理装置。
【請求項8】
前記除菌装置は、電子タグを備え、
前記除菌情報受付部は、前記除菌剤生成装置により前記電子タグに書き込まれた前記パラメータを受け付ける、
請求項4から7のいずれか一項に記載の衛生管理装置。
【請求項9】
前記除菌剤は、電解水である、
請求項1から8のいずれか一項に記載の衛生管理装置。
【請求項10】
除菌剤を生成する除菌剤生成装置と、
衛生管理装置と、を備え、
前記除菌剤生成装置は、前記除菌剤の有効性を示すパラメータを出力するパラメータ出力部を備え、
前記衛生管理装置は、
前記パラメータ出力部から出力された前記除菌剤の有効性を示すパラメータを受け付ける除菌情報受付部と、
前記パラメータに基づいて、前記除菌剤の有効性を管理する除菌管理部と、を備える、
衛生管理システム。
【請求項11】
前記除菌剤を使用して除菌を行う除菌装置を更に備え、
前記除菌装置は、電子タグを備え、
前記パラメータ出力部は、前記パラメータを前記電子タグに書き込む書込部により構成され、
前記除菌情報受付部は、前記電子タグに書き込まれた前記パラメータを受け付ける、
請求項10に記載の衛生管理システム。
【請求項12】
衛生管理装置が行う衛生管理方法であって、
前記衛生管理装置は、
除菌剤を生成する除菌剤生成装置から出力された前記除菌剤の有効性を示すパラメータを受け付け、
前記パラメータに基づいて、前記除菌剤の有効性を管理する、
衛生管理方法。
【請求項13】
除菌剤を生成する生成部と、
前記除菌剤の有効性を示すパラメータを出力するパラメータ出力部と、を備える、
除菌剤生成装置。
【請求項14】
前記パラメータ出力部は、前記除菌剤を使用して除菌を行う除菌装置に配置された電子タグに前記パラメータを書き込む書込部により構成されている、
請求項13に記載の除菌剤生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、衛生管理装置、衛生管理システム、衛生管理方法、及び、除菌剤生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、部屋の清掃の進捗状況を管理する構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の構成では、部屋に設置された清掃管理装置は、清掃者が有する清掃者通信端末から、清掃者識別子を含むビーコン信号を受信する。清掃管理装置は、ビーコン信号の受信状態に基づいて、部屋の清掃状況が未清掃、清掃中又は清掃完了のいずれかであることと、清掃実施者が誰かとを判定する。
【0003】
また、除菌に用いられる炭酸電解次亜水を生成する構成が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-128644号公報
【特許文献2】特開2021-53546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のような構成では、適切な清掃が行われたか否かを管理することができない。また、炭酸電解次亜水のような除菌用の電解水は時間の経過と共に濃度が低下して除菌力が落ちる特性を有するが、特許文献2のような構成では、実際に炭酸電解次亜水を使用する際に、適切な除菌を行うことができるか否かがわからない。
【0006】
本開示は、衛生管理を適切に行うことができる衛生管理装置、衛生管理システム、衛生管理方法、及び、除菌剤生成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の衛生管理装置は、除菌剤を生成する除菌剤生成装置から出力された前記除菌剤の有効性を示すパラメータを受け付ける除菌情報受付部と、前記パラメータに基づいて、前記除菌剤の有効性を管理する除菌管理部と、を備える。
【0008】
本開示の衛生管理システムは、除菌剤を生成する除菌剤生成装置と、衛生管理装置と、を備え、前記除菌剤生成装置は、前記除菌剤の有効性を示すパラメータを出力するパラメータ出力部を備え、前記衛生管理装置は、前記パラメータ出力部から出力された前記除菌剤の有効性を示すパラメータを受け付ける除菌情報受付部と、前記パラメータに基づいて、前記除菌剤の有効性を管理する除菌管理部と、を備える。
【0009】
本開示の衛生管理方法は、衛生管理装置が行う衛生管理方法であって、前記衛生管理装置は、除菌剤を生成する除菌剤生成装置から出力された前記除菌剤の有効性を示すパラメータを受け付け、前記パラメータに基づいて、前記除菌剤の有効性を管理する。
【0010】
本開示の除菌剤生成装置は、除菌剤を生成する生成部と、前記除菌剤の有効性を示すパラメータを出力するパラメータ出力部と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本開示の衛生管理装置、衛生管理システム、衛生管理方法、及び、除菌剤生成装置によれば、衛生管理を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】衛生管理システムの概略構成を示すブロック図
図2】衛生水生成装置及び噴射ボトルの概略構成を示す模式図
図3】サーバ装置の概略構成を示すブロック図
図4】ユーザ端末装置の概略構成を示すブロック図である。
図5A】除菌計画登録画面の概略構成を示す模式図
図5B】除菌計画画面の概略構成を示す模式図
図5C】除菌チェック計画画面の概略構成を示す模式図
図6】物品用ボトル情報の登録処理のフローチャート
図7】手指用ボトル情報の登録処理のフローチャート
図8】物品除菌履歴情報の登録処理のフローチャート
図9】衛生水の生成日時からの経過期間と濃度との関係を示す模式図
図10】手指用ボトル情報の登録処理のフローチャート
図11A】除菌履歴選択画面の概略構成を示す模式図
図11B】除菌履歴画面の概略構成を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0013】
[実施形態]
本開示の実施形態について説明する。
【0014】
<衛生管理システムの構成>
まず、衛生管理システムの構成について説明する。図1は、衛生管理システムの概略構成を示すブロック図である。
【0015】
図1に示される衛生管理システム10は、飲食店における除菌状況を管理する。なお、衛生管理システム10が除菌の実施状況(除菌状況)を管理する対象は、例えば、高齢者向け住宅、宿泊施設、病院、図書館であっても良い。衛生管理システム10は、衛生水生成装置1と、噴射ボトル2と、サーバ装置3と、ユーザ端末装置4と、入口端末装置5と、テーブル端末装置6と、を備える。なお、衛生管理システム10を構成する衛生水生成装置1、噴射ボトル2、サーバ装置3、ユーザ端末装置4、入口端末装置5、及び、テーブル端末装置6の数は、図1に示された数に限られない。
【0016】
衛生水生成装置1は、除菌剤生成装置の一例であり、除菌剤生成装置の例えば飲食店のキッチンに配置されている。衛生水生成装置1は、除菌に用いる衛生水を生成する。衛生水は、除菌剤の一例である。
【0017】
噴射ボトル2は、除菌装置の一例であり、除菌対象に衛生水を噴射することにより、除菌対象を除菌する。除菌対象としては、テーブル、椅子、調理用具、トイレ、手指を例示することができる。除菌対象の調理用具としては、まな板、包丁、鍋を例示することができる。なお、以下において、手指以外の物品の除菌に用いられる噴射ボトル2を「物品用噴射ボトル2A」と言う場合がある。また、トイレ以外の場所(例えば、休憩室)における手指の除菌に用いられる噴射ボトル2を「手指用噴射ボトル2B」と言う場合がある。また、トイレにおける手指の除菌に用いられる噴射ボトル2を「トイレ手指用噴射ボトル2C」と言う場合がある。物品用噴射ボトル2Aは、例えば、飲食店のスタッフにより所持される。手指用噴射ボトル2Bは、例えば、キッチン、又は、スタッフの休憩室等のトイレ以外の場所に配置されている。トイレ手指用噴射ボトル2Cは、例えば、トイレの洗面台に配置されている。
【0018】
サーバ装置3は、例えば、飲食店の外部に配置されている。なお、サーバ装置3は、飲食店内に配置されていても良い。サーバ装置3は、通信ネットワークNを介して、ユーザ端末装置4、入口端末装置5、及び、テーブル端末装置6との間で各種情報を送受信可能に構成されている。サーバ装置3は、除菌状況に関する各種情報を記憶する。
【0019】
ユーザ端末装置4は、衛生管理装置の一例であり、飲食店の飲食スペース内を移動する飲食店の管理者及びスタッフにそれぞれ所持される。ユーザ端末装置4は、除菌状況の管理に用いる各種情報のサーバ装置3への登録、及び、除菌状況の確認等に用いられる。
【0020】
入口端末装置5は、飲食店の入口に設置されている。テーブル端末装置6は、飲食スペース内のテーブルTに配置されている。入口端末装置5及びテーブル端末装置6は、例えば、サーバ装置3又はユーザ端末装置4に記憶された後述される物品除菌履歴情報に基づいて、飲食店における除菌状況を画像及び音声のうち少なくとも一方を用いて報知することができる。
【0021】
また、飲食店における除菌対象の物品には、それぞれ、例えばNFC(Near Field Communication)タグ(電子タグ)により構成された物品タグG1が取り付けてある。物品タグG1が取り付けられる物品は、例えば、テーブルT、調理用具、又は、トイレ等である。物品タグG1には、各物品固有の物品IDが記録されている。物品IDは、除菌対象を表す情報の一例である。物品IDにより、物品及び店舗が特定される。物品IDは、物品の除菌が行われる際に、ユーザ端末装置4により読み取られる。なお、物品タグG1を取り付けることが困難な物品の場合、当該物品の近くに位置する壁又は他の物品に、物品タグG1を取り付けても良い。また、複数の物品のそれぞれに物品タグG1を取り付けずに、複数の物品の物品タグG1を1枚の紙又は壁等にまとめて取り付けても良い。
【0022】
また、管理者及びスタッフのそれぞれの名札には、例えばNFCタグ(電子タグ)により構成されたユーザタグが取り付けてある。ユーザタグには、管理者又はスタッフ固有のユーザIDが記録されている。なお、管理者又はスタッフを特に区別して説明する必要がない場合、管理者及びスタッフのうち少なくとも一方を、ユーザと言う場合がある。
【0023】
次に、衛生管理システム10の各構成の詳細について説明する。図2は、衛生水生成装置及び噴射ボトルの概略構成を示す模式図である。図3は、サーバ装置の概略構成を示すブロック図である。図4は、ユーザ端末装置の概略構成を示すブロック図である。
【0024】
図2に示されるように、衛生水生成装置1は、生成部11と、供給部12と、書込部13と、表示部14と、生成制御部15と、を備える。
【0025】
生成部11は、生成制御部15の制御に基づいて、例えば、以下のようにして、衛生水としての炭酸電解次亜水を生成する。まず、生成部11は、食塩水タンク内の飽和塩水を電解槽で電気分解した後、水と混合して、電解次亜水を生成する。生成部11は、電解次亜水に炭酸ガスを混合することにより、炭酸電解次亜水を生成する。なお、生成部11を、飽和塩水を電気分解して電解液を生成する電解ラインと、水に炭酸ガスを混合して炭酸水を生成する希釈ラインと、電解液と炭酸水とを混合して炭酸電解次亜水を生成する混合ラインとにより構成しても良い。また、飽和塩水ではない低塩分濃度の食塩水を電気分解した後に、水と混合することにより電解次亜水を生成し、生成された電解次亜水に炭酸ガスを混合することにより、炭酸電解次亜水を生成しても良い。この場合、低塩分濃度の食塩水の提供は、タンクで行っても良いし、飽和塩水と希釈水のインライン混合により行っても良い。
【0026】
このように生成された炭酸電解次亜水の有効塩素濃度(有効成分の濃度)は、例えば25ppm以上200ppm以下であり、pHは5以上6.5以下である。なお、以下において、有効塩素濃度を、「濃度」と言う場合がある。生成部11で生成された時点における濃度を、「初期濃度」と言う場合がある。このような特性を有する炭酸電解次亜水は、同じ濃度の次亜塩素酸ナトリウムの約80倍の除菌力を有する。また、炭酸電解次亜水は、時間の経過と共に濃度が低下して、除菌力が落ちる特性を有する。また、生成部11は、炭酸を含有しない電解次亜水を生成することができる。電解次亜水としては、有効成分の濃度が40ppm以上200ppm以下、pHが7.5以上のものを例示することができる。なお、以下において、炭酸電解次亜水又は電解次亜水を、「衛生水」と言う場合がある。
【0027】
供給部12は、生成部11により生成された衛生水を噴射ボトル2に供給する。
【0028】
書込部13は、生成制御部15の制御に基づいて、噴射ボトル2に供給された衛生水の初期濃度、有効期限、生成日時を、噴射ボトル2の後述されるボトルタグG2に書き込む。ボトルタグG2に書き込まれる衛生水の初期濃度及び有効期限は、衛生水の生成時における有効性を示すパラメータの一例である。当該有効性を示すパラメータは、除菌の内容の一例である。書込部13は、衛生水の有効性を示すパラメータを出力するパラメータ出力部を構成する。
【0029】
表示部14は、報知部の一例であり、生成制御部15の制御に基づいて、各種情報を表示する。
【0030】
生成制御部15は、衛生水の初期濃度、有効期限、生成日時及び管理番号を関連付けて、図示されないメモリに記憶させる。生成制御部15は、図示されない操作部の操作に基づいて、所定の日時に生成された衛生水の有効期限を表示部14に表示させる。このように、衛生水の有効期限を衛生水生成装置1に表示させることにより、例えばスタッフは、衛生水をいつまで使えるのかを容易に認識することができ、衛生管理を適切に行うことができる。なお、衛生水の有効期限を衛生水生成装置1から音により報知するようにしても良い。
【0031】
噴射ボトル2は、ボトル部21と、噴射部22と、ビーコン信号発信部23と、を備える。
【0032】
ボトル部21は、容器の一例である。ボトル部21には、衛生水が収容される。ボトル部21には、ボトルタグG2が固定されている。ボトルタグG2は、例えばNFCタグ(電子タグ)により構成されている。ボトルタグG2には、噴射ボトル2固有のボトルIDが記録されている。ボトルIDは、除菌装置を表す情報の一例である。ボトルタグG2には、ボトル部21内の衛生水の初期濃度、有効期限、生成日時が記録される。噴射部22は、吐出部の一例である。噴射部22は、操作部の一例であるトリガ221を有し、トリガ221の操作回数に応じた量の衛生水を噴射する。ビーコン信号発信部23は、トリガ221の操作回数と同じ数のビーコン信号を発信する。ビーコン信号は、除菌時における衛生水の使用量を表す情報の一例である。除菌時における衛生水の使用量は、除菌の内容の一例である。ビーコン信号発信部23は、衛生水の使用量を表す情報を出力する発信部の一例である。ビーコン信号発信部23から発信されるビーコン信号には、除菌装置の固有の識別子であって、噴射部22固有のビーコンIDを表す情報が含まれる。
【0033】
次に、サーバ装置3について説明する。図3に示されるように、サーバ装置3は、サーバDB(データベース)31と、サーバ制御部32と、を備える。
【0034】
サーバDB31には、ユーザにそれぞれ対応するユーザ情報が記憶されている。ユーザ情報は、ユーザの名前と、ユーザIDと、を表す情報を含む。
【0035】
サーバDB31には、除菌対象の各物品にそれぞれ対応する物品情報が記憶されている。物品情報は、物品の名称(及び配置場所)と、物品IDと、適正噴射回数と、適正濃度と、を表す情報を含む。適正噴射回数は、物品を適切に除菌するために必要な衛生水の噴射回数である。適正濃度は、物品を適切に除菌するために必要な衛生水の濃度である。トイレには、ノロウィルス等のウィルスが存在する可能性がトイレ以外の物品よりも高いことから、トイレにおける適正濃度は、トイレ以外の物品における適正濃度よりも高いことが好ましい。
【0036】
サーバDB31には、手指用適正濃度情報が記憶されている。手指用適正濃度情報は、手指の除菌場所(トイレ、又は、トイレ以外の場所)と、適正濃度と、を表す情報を含む。適正濃度は、手指を適切に除菌するために必要な衛生水の濃度である。トイレには、ノロウィルス等のウィルスが存在する可能性がトイレ以外の場所よりも高いことから、トイレでの手指の除菌時の適正濃度は、トイレ以外の場所での手指の除菌時の適正濃度よりも高いことが好ましい。
【0037】
サーバDB31には、各噴射ボトル2(物品用噴射ボトル2A、手指用噴射ボトル2B、トイレ手指用噴射ボトル2C)にそれぞれ対応するボトル基本情報が記憶されている。ボトル基本情報は、各噴射ボトル2に共通な内容の情報を含む。ボトル基本情報は、噴射ボトル2の名称(及び配置場所)と、ボトルIDと、トリガ221が1回操作された際の衛生水の噴射量と、ボトル部21の容量と、衛生水の残量と、警告閾値と、衛生水の有効期限及び生成日時と、用途と、を表す情報を含む。衛生水の残量は、実際の残量に応じて更新される。警告閾値は、衛生水の残量が少ない旨を警告する際の基準となる残量である。用途は、噴射ボトル2が物品の除菌用、トイレ以外の場所における手指の除菌用、又は、トイレにおける手指の除菌用であることを表す。
【0038】
サーバDB31には、物品用噴射ボトル2Aに関する物品用ボトル情報が記憶されている。物品用ボトル情報は、物品用噴射ボトル2Aを利用するユーザのユーザIDと、物品用噴射ボトル2AのボトルIDと、衛生水の有効期限、初期濃度及び生成日時と、噴射部22のビーコンIDと、を表す情報を含む。
【0039】
サーバDB31には、手指用噴射ボトル2Bに関する手指用ボトル情報が記憶されている。手指用ボトル情報は、手指用噴射ボトル2BのボトルIDと、衛生水の有効期限、初期濃度及び生成日時と、噴射部22のビーコンIDと、を表す情報を含む。
【0040】
サーバDB31には、トイレ手指用噴射ボトル2Cに関するトイレ手指用ボトル情報が記憶されている。トイレ手指用ボトル情報は、トイレ手指用噴射ボトル2CのボトルIDと、衛生水の有効期限、初期濃度及び生成日時と、噴射部22のビーコンIDと、を表す情報を含む。
【0041】
サーバDB31には、除菌計画情報が記憶されている。除菌計画情報は、除菌を行うスタッフのユーザIDと、除菌が行われる物品の物品IDと、除菌日時と、を表す情報を含む。
【0042】
サーバDB31には、物品の除菌の実施状況を表す物品除菌履歴情報が記憶されている。物品除菌履歴情報は、物品の除菌を行ったスタッフのユーザIDと、除菌に用いた噴射ボトル2のボトルIDと、除菌が行われた物品の物品IDと、除菌が行われた際の衛生水の推定濃度、有効期限及び噴射回数と、除菌日時と、を表す情報を含む。
【0043】
サーバDB31には、手指の除菌の実施状況を表す手指除菌履歴情報が記憶されている。手指除菌履歴情報は、手指の除菌を行ったスタッフのユーザIDと、除菌に用いた噴射ボトル2のボトルIDと、除菌が行われた際の衛生水の推定濃度、有効期限及び噴射回数と、除菌日時と、手指の除菌を行った場所と、を表す情報を含む。手指の除菌を行った場所は、トイレ、又は、トイレ以外の場所である。
【0044】
ユーザ情報と、物品用ボトル情報と、除菌計画情報と、物品除菌履歴情報と、手指除菌履歴情報とは、ユーザIDにより関連付けられている。ボトル基本情報と、物品用ボトル情報、手指用ボトル情報、又は、トイレ手指用ボトル情報と、物品除菌履歴情報と、手指除菌履歴情報とは、ボトルIDにより関連付けられている。なお、サーバDB31に記憶された各情報の構成は、一例にすぎず、他の構成を適用することもできる。
【0045】
サーバ制御部32は、ユーザ端末装置4により生成されたユーザ情報、物品情報、手指用適正濃度情報、ボトル基本情報、物品用ボトル情報、手指用ボトル情報、トイレ手指用ボトル情報、除菌計画情報、物品除菌履歴情報、又は、手指除菌履歴情報を取得すると、サーバDB31に記憶させる一方で、当該記憶させた情報を生成しなかったユーザ端末装置4に送信する。このようなサーバ制御部32の処理により、サーバ装置3及びユーザ端末装置4の間で、同じ情報が共有される。
【0046】
次に、ユーザ端末装置4について説明する。
【0047】
図4に示されるユーザ端末装置4は、例えば、タブレット端末又はスマートフォン等の携帯端末装置により構成されている。ユーザ端末装置4は、通信部41と、読取部42と、ビーコン信号受信部43と、撮像部44と、タッチパネル45と、端末DB(データベース)46と、端末記憶部47と、端末制御部48と、を備える。
【0048】
通信部41は、サーバ装置3との通信を行う。読取部42は、ユーザタグ、物品タグG1、又は、ボトルタグG2に記録された情報を読み取る。ビーコン信号受信部43は、噴射ボトル2のビーコン信号発信部23からのビーコン信号を受信する。撮像部44は、撮像対象の撮像を行い、撮像画像を生成する。タッチパネル45は、端末制御部48の制御に基づく画像を表示させる表示部としての機能と、タッチパネル45における指等の接触状態に応じた操作信号を端末制御部48へ出力する操作部としての機能と、を有する。
【0049】
端末DB46は、ユーザ情報、物品情報、手指用適正濃度情報、ボトル基本情報、物品用ボトル情報、手指用ボトル情報、トイレ手指用ボトル情報、除菌計画情報、物品除菌履歴情報、及び、手指除菌履歴情報を記憶する。端末記憶部47は、ユーザ端末装置4の動作に必要な各種情報を記憶する。
【0050】
端末制御部48は、CPU(Central Processing Unit)を有し、端末記憶部47に保存された衛生管理プログラムをCPUが実行することにより、端末制御部48の機能を実現する。端末制御部48は、認証部481と、情報受付部482と、適正噴射回数設定部483と、適正濃度設定部484と、残量推定部485と、濃度推定部486と、警告部487と、除菌管理部488と、を備える。
【0051】
認証部481は、ユーザ端末装置4のユーザの認証処理を行い、当該認証部481を有するユーザ端末装置4と、サーバ装置3又は他のユーザ端末装置4との間で各種情報の送受信が可能な状態(ログイン状態)にする。
【0052】
情報受付部482は、読取部42により各タグから読み取られた情報を取得する。情報受付部482は、ユーザタグに記録されたユーザIDを受け付ける。情報受付部482は、物品タグG1に記録された物品IDを受け付ける対象情報受付部の一例である。情報受付部482は、ボトルタグG2に記録されたボトルIDを受け付ける装置情報受付部の一例である。情報受付部482は、ボトルタグG2に記録された衛生水の初期濃度及び有効期限を受け付ける除菌情報受付部の一例である。また、情報受付部482は、ビーコン信号受信部43におけるビーコン信号の受信回数を、除菌時における衛生水の使用量として受け付ける除菌情報受付部の一例である。
【0053】
適正噴射回数設定部483は、各除菌対象に対する衛生水の適正噴射回数を設定する。
【0054】
適正濃度設定部484は、各除菌対象に対する衛生水の適正濃度を設定する。
【0055】
残量推定部485は、衛生水による除菌を実施したときの噴射ボトル2における衛生水の残量を推定する。
【0056】
濃度推定部486は、衛生水による除菌を実施するときの衛生水の濃度を推定する。
【0057】
警告部487は、除菌時における各種の警告を行う。
【0058】
除菌管理部488は、物品除菌履歴情報及び手指除菌履歴情報を生成して、サーバ装置3のサーバDB31と、当該除菌管理部488を有さないユーザ端末装置4の端末DB46に記憶させる処理を行う。
【0059】
なお、適正噴射回数設定部483、適正濃度設定部484、残量推定部485、濃度推定部486、警告部487、及び、除菌管理部488が行う詳細な処理については後述する。また、以下において、管理者により所持されるユーザ端末装置4を、管理者端末装置4Aと言う場合がある。スタッフにより所持されるユーザ端末装置4を、スタッフ端末装置4Bと言う場合がある。
【0060】
<衛生管理システムの動作>
次に、衛生管理システムの動作について説明する。なお、以下に示す各種処理の手順は、一つの例示であり、他の手順を適用しても良い。また、以下において、管理者端末装置4Aを用いて、ユーザ情報、物品情報、手指用適正濃度情報、ボトル基本情報、及び、除菌計画情報の登録処理を行う場合について説明するが、スタッフ端末装置4Bを用いて、上述された情報の登録処理を行っても良い。
【0061】
<ユーザ情報の登録処理>
まず、ユーザ情報の登録処理について説明する。
【0062】
管理者は、衛生管理システム10の利用を開始するに際し、管理者自身のユーザ情報の登録処理を行う。管理者端末装置4Aを構成する端末制御部48(以下、「端末制御部48A」と言う場合がある)の除菌管理部488(以下、「除菌管理部488A」と言う場合がある)は、管理者による管理者端末装置4Aのタッチパネル45(以下、「タッチパネル45A」と言う場合がある)の操作に基づいて、ユーザ登録画面を表示させる。管理者は、ユーザ登録画面の内容に基づいて、管理者の名前及びユーザIDの入力操作を行う。除菌管理部488Aは、入力操作に基づく情報を含むユーザ情報を生成して、管理者端末装置4Aの端末DB46(以下、「端末DB46A」と言う場合がある)に記憶させる一方で、生成されたユーザ情報を、管理者端末装置4Aの通信部41(以下、「通信部41A」と言う場合がある)を介して、サーバ装置3へ送信する。サーバ装置3のサーバ制御部32は、ユーザ情報をサーバDB31に記憶させる。また、管理者は、自身のユーザ情報の登録処理と同様の操作を行うことにより、各スタッフのユーザ情報をサーバDB31に記憶させる。また、管理者は、図示されない書込装置を用いて、ユーザの名札のユーザタグに、ユーザIDを記録する。
【0063】
以上のユーザ情報の登録処理が完了した後、ユーザが自身の名札を管理者端末装置4Aの読取部42(以下、「読取部42A」と言う場合がある)又はスタッフ端末装置4Bの読取部42(以下、「読取部42B」と言う場合がある)にかざすと、読取部42A,42Bで読み取られたユーザIDに基づく認証処理が行われ、サーバ装置3と管理者端末装置4A又はスタッフ端末装置4Bとの間で各種情報の送受信が可能な状態(ログイン状態)になる。サーバ制御部32は、スタッフ端末装置4Bがログイン状態になると、ユーサー情報をスタッフ端末装置4Bへ送信して、端末DB46(以下、「端末DB46B」と言う場合がある)に記憶させる。
【0064】
<物品情報の登録処理>
次に、物品情報の登録処理について説明する。物品情報の登録処理は、例えば、新しい除菌対象の物品の使用を開始する際に行われる。例えば、管理者端末装置4Aの除菌管理部488Aは、ログイン状態において、管理者によるタッチパネル45Aの操作に基づいて、物品情報の登録画面を表示させる。管理者は、登録画面の内容に基づいて、物品の名称及び物品IDの入力操作と、管理者端末装置4Aの撮像部44(以下、「撮像部44A」と言う場合がある)を用いた物品の撮像と、を行う。また、管理者は、図示されない書込装置を用いて物品タグG1に物品IDを記録した後、当該物品タグG1を物品に取り付ける。
【0065】
管理者端末装置4Aの適正噴射回数設定部483(以下、「適正噴射回数設定部483A」と言う場合がある)は、撮像部44Aにより生成された撮像画像に基づいて、物品における除菌部位の面積を算出する。適正噴射回数設定部483Aは、例えば、除菌部位の面積と衛生水の適正噴射回数との関係を表す情報に基づいて、衛生水の適正噴射回数を決定する。適正噴射回数は、除菌部位の面積が大きいほど、多い回数に設定される。なお、適正噴射回数設定部483Aは、除菌部位と適正噴射回数との関係を表す情報に基づいて、適正噴射回数を決定しても良い。また、適正噴射回数設定部483Aは、例えばタッチパネル45Aの操作により入力される物品の名称と適正噴射回数との関係を表す情報に基づいて、適正噴射回数を決定しても良い。
【0066】
また、管理者端末装置4Aの適正濃度設定部484は、物品の種類と衛生水の適正濃度との関係を表す情報に基づいて、撮像画像又は入力された名称に基づき特定される物品における衛生水の適正濃度を決定する。適正濃度は、強い除菌が必要な物品ほど、高い濃度に設定される。例えば、テーブルTの適正濃度は100ppmに設定され、トイレの適正濃度は200ppmに設定される。なお、管理者が適正濃度を任意の濃度に設定できるようにしても良い。このような構成にすれば、噴射ボトル2の保管環境又は使用環境により、単位時間あたりの衛生水の濃度の低下率が異なる場合、管理者は、噴射ボトル2の保管環境又は使用環境に応じて、適切な適正濃度を設定することができる。また、適正濃度設定部484は、例えば、管理者により設定された、噴射ボトル2の保管時又は使用時における温度、噴射ボトル2の保管場所又は使用場所が屋内であるか否か、ボトル部21の材質等の、単位時間あたりの衛生水の濃度の低下率に影響を与えるファクターに基づいて、適正濃度を設定しても良い。
【0067】
除菌管理部488Aは、物品の名称と、物品IDと、適正噴射回数と、適正濃度と、を表す物品情報を生成する。除菌管理部488Aは、生成された物品情報を端末DB46Aに記憶させる一方で、通信部41Aを介して、サーバ装置3へ送信する。なお、適正噴射回数及び適正濃度のうち少なくとも一方は、管理者によるタッチパネル45Aの操作に基づく値に設定されるようにしても良い。
【0068】
サーバ装置3のサーバ制御部32は、物品情報を取得すると、サーバDB31に記憶させる一方で、当該物品情報を記憶していないスタッフ端末装置4Bへ送信する。スタッフ端末装置4Bの通信部41(以下、「通信部41B」と言う場合がある)を介して物品情報を取得した端末制御部48(以下、「端末制御部48B」と言う場合がある)の除菌管理部488(以下、「除菌管理部488B」と言う場合がある)は、当該物品情報を端末DB46Bに記憶させる。以上の処理により、管理者端末装置4Aにより生成された物品情報が、サーバ装置3、管理者端末装置4A、及び、スタッフ端末装置4Bの間で共有される。以下において、管理者端末装置4A、又は、スタッフ端末装置4Bにより生成された情報を、サーバ装置3、管理者端末装置4A、及び、スタッフ端末装置4Bの間で共有する処理を、共有処理と言う。また、以下において、共有処理の詳細な説明を省略する。
【0069】
<手指用適正濃度情報の登録処理>
次に、手指用適正濃度情報の登録処理について説明する。例えば、管理者端末装置4Aの除菌管理部488Aは、ログイン状態において、管理者によるタッチパネル45Aの操作に基づいて、手指用適正濃度情報の登録画面を表示させる。管理者は、登録画面の内容に基づいて、手指の除菌場所(トイレ、又は、トイレ以外の場所)、及び、適正濃度の入力操作を行う。除菌管理部488Aは、入力操作に基づく情報を手指用適正濃度情報を生成して、端末DB46Aに記憶させる一方で、通信部41Aを介して、サーバ装置3へ送信する。手指用適正濃度情報を取得したサーバ装置3のサーバ制御部32は手指用適正濃度情報の共有処理を行う。
【0070】
<ボトル基本情報の登録処理>
次に、ボトル基本情報の登録処理について説明する。ボトル基本情報の登録処理は、例えば、新しい噴射ボトル2の使用を開始する際に行われる。例えば、管理者端末装置4Aの除菌管理部488Aは、ログイン状態において、管理者によるタッチパネル45Aの操作に基づいて、ボトル基本情報の登録画面を表示させる。管理者は、登録画面の内容に基づいて、噴射ボトル2の名称、ボトルID、トリガ221が1回操作された際の衛生水の噴射量、ボトル部21の容量、衛生水の残量(残量なし)、警告閾値、及び用途の入力操作を行う。また、管理者は、登録対象の物品用噴射ボトル2AのボトルタグG2を読取部42Aにかざす。読取部42AによりボトルタグG2が読み取られると、情報受付部482(以下、「情報受付部482A」と言う場合がある)は、ボトルタグG2に記録された有効期限及び生成日時を受け付ける。また、管理者は、図示されない書込装置を用いてボトルタグG2にボトルIDを記録した後、当該ボトルタグG2を噴射ボトル2に取り付ける。
【0071】
除菌管理部488Aは、入力操作に基づく情報と、ボトルタグG2から受け付けた衛生水の有効期限及び生成日時と、に基づいて、ボトル基本情報を生成する。なお、噴射ボトル2に通信機能を設けて、除菌管理部488Aが、通信部41Aを介して、噴射ボトル2から衛生水の有効期限及び生成日時を取得してボトル基本情報を生成しても良い。また、この段階で生成されるボトル基本情報に、衛生水の有効期限及び生成日時が含まれないようにしても良い。この場合、衛生水の有効期限及び生成日時を、ボトル基本情報に含まれるボトルIDに対応する噴射ボトル2が初めて使用される際、後述される物品用ボトル情報、手指用ボトル情報、又は、トイレ手指用ボトル情報の登録処理において、ボトル基本情報に追加されるようにしても良い。除菌管理部488Aは、生成されたボトル基本情報を端末DB46Aに記憶させる一方で、通信部41Aを介して、サーバ装置3へ送信する。ボトル基本情報を取得したサーバ装置3のサーバ制御部32は、ボトル基本情報の共有処理を行う。なお、この段階で共有されるボトル基本情報に、衛生水の有効期限及び生成日時が含まれない構成にする場合、サーバ制御部32は、噴射ボトル2の生成制御部15から衛生水の有効期限及び生成日時を取得して、ボトル基本情報に登録しても良い。
【0072】
<除菌計画情報の登録処理>
次に、除菌計画情報の登録処理について、図面を参照しながら説明する。図5Aは、除菌計画登録画面の概略構成を示す模式図である。図5Bは、除菌計画画面の概略構成を示す模式図である。図5Cは、除菌チェック計画画面の概略構成を示す模式図である。
【0073】
例えば、管理者端末装置4Aの除菌管理部488は、ログイン状態において、管理者によるタッチパネル45Aの操作に基づいて、図5Aに示される除菌計画登録画面500を表示させる。管理者は、除菌計画登録画面500のプルダウンボタン501を操作して、店舗、清掃場所(除菌が行われる物品の物品ID)、時間(除菌日時)、及び、担当者(除菌を行うスタッフのユーザID)をそれぞれ選択して、登録ボタン502を操作する。
【0074】
除菌管理部488Aは、入力操作に基づく情報を取得して、除菌計画を生成する。そして、除菌管理部288Aは、生成された除菌計画に基づいて、図5Bに示される除菌計画画面510をタッチパネル45Aに表示させる。除菌計画画面510には、物品IDに基づく清掃場所、除菌日時、ユーザIDに基づく担当者がリスト形式で表示される。また、除菌管理部488は、除菌チェックの計画を除菌計画に含めることができる。除菌管理部488は、管理者によるタッチパネル45Aの操作に基づいて、除菌チェックの計画を生成して、図5Cに示される除菌チェック計画画面520を表示させる。除菌チェック計画画面520には、物品IDに基づく清掃場所、予定時間帯(チェックする時間帯)、備考がリスト形式で表示される。備考に、例えば、「テーブルに落ちない汚れがあります」等のコメントを登録することができる。除菌管理部488Aは、生成された除菌計画を除菌計画情報として端末DB46Aに記憶させる一方で、通信部41を介して、サーバ装置3へ送信する。除菌計画情報を取得したサーバ装置3のサーバ制御部32は、除菌計画情報の共有処理を行う。なお、上述された除菌計画登録画面500、除菌計画画面510、及び、除菌チェック計画画面520の構成は、一例にすぎず、適宜他の構成としても良い。
【0075】
<物品用ボトル情報の登録処理>
次に、物品用ボトル情報の登録処理について、図面を参照しながら説明する。物品用ボトル情報の登録処理は、例えば、物品用噴射ボトル2Aを用いて物品の除菌を行う前に行われる。一人のスタッフが、1日中同じ物品用噴射ボトル2Aを使用する場合、当該物品用噴射ボトル2Aに関する物品用ボトル情報の登録処理は、1日に1回行われれば良い。一方、一人のスタッフが、必要に応じて異なる物品用噴射ボトル2Aを使用する場合、それぞれの物品用噴射ボトル2Aに関する物品用ボトル情報の登録処理が行われれば良い。図6は、物品用ボトル情報の登録処理のフローチャートである。
【0076】
例えば、スタッフ端末装置4Bの除菌管理部488Bは、ログイン状態において、スタッフによるスタッフ端末装置4Bのタッチパネル45(以下、「タッチパネル45B」と言う場合がある)の操作に基づいて、物品用ボトル情報の登録画面を表示させる。スタッフは、登録画面の内容に基づいて、自身の名札をスタッフ端末装置4Bの読取部42Bにかざした後、登録対象の物品用噴射ボトル2AのボトルタグG2を読取部42Bにかざす。
【0077】
図6に示されるように、スタッフ端末装置4Bの読取部42Bは、ユーザタグを読み取る(ステップS1)。さらに、読取部42Bは、ボトルタグG2を読み取る(ステップS2)。次に、スタッフ端末装置4Bの情報受付部482(以下、「情報受付部482B」と言う場合がある)は、ボトルタグG2に記録されたボトルID、有効期限及び生成日時を受け付ける。なお、除菌管理部488Bは、物品用噴射ボトル2A内の衛生水の有効期限をタッチパネル45Bに表示させても良い。衛生水の有効期限をタッチパネル45Bに表示させることにより、スタッフは、衛生水をいつまで使えるのかを容易に認識することができ、衛生管理を適切に行うことができる。
【0078】
そして、除菌管理部488Bは、情報受付部482Bにより取得されたボトルIDに基づいて、端末DB46Bに記憶されたボトル基本情報の中から、登録対象の物品用噴射ボトル2Aに対応するボトル基本情報を特定する。除菌管理部488Bは、情報受付部482Bにより取得された衛生水の生成日時と、登録対象の物品用噴射ボトル2Aに対応するボトル基本情報に含まれる衛生水の生成日時とが同じか否かを判定する(ステップS3)。ステップS3において、情報受付部482Bにより取得された衛生水の生成日時と、ボトル基本情報に含まれる衛生水の生成日時とが同じであると判定されるのは、物品用噴射ボトル2Aの衛生水の入れ替えが行われていない場合であり、衛生水の残量が前回の除菌後の量と同じになる。一方、情報受付部482Bにより取得された衛生水の生成日時と、ボトル基本情報に含まれる衛生水の生成日時とが異なると判定されるのは、物品用噴射ボトル2Aの衛生水の入れ替えが行われていない場合である。
【0079】
除菌管理部488Bは、情報受付部482により取得された生成日時と、ボトル基本情報に含まれる生成日時とが異なると判定した場合(ステップS3:NO)、ボトル基本情報に含まれる衛生水の有効期限及び生成日時を更新する(ステップS4)。具体的に、除菌管理部488Bは、端末DB46Bのボトル基本情報に含まれる衛生水の有効期限及び生成日時を、情報受付部482により取得された衛生水の有効期限及び生成日時に更新するとともに、ボトル基本情報に含まれる衛生水の残量を、ボトル基本情報に含まれるボトル部21の容量の値に更新する。その後、除菌管理部488Bは、通信部41Bを介して、更新後のボトル基本情報をサーバ装置3へ送信する。ボトル基本情報を取得したサーバ装置3のサーバ制御部32は、ボトル基本情報の共有処理を行う。
【0080】
情報受付部482Bにより取得された衛生水生成日時とボトル基本情報の衛生水生成日時とが同じであると判定された場合(ステップS3:YES)、又は、ボトル基本情報の更新処理(ステップS4)が行われた後、スタッフ端末装置4Bの警告部487(以下、「警告部487B」と言う場合がある)は、ボトルタグG2から取得された有効期限と、ボトルタグG2の読取日時とに基づいて、衛生水の有効期限が切れているか否かを判定する(ステップS5)。警告部487Bは、衛生水の有効期限が切れていると判定した場合(ステップS5:YES)、有効期限が切れている旨の警告を行う(ステップS6)。警告部487Bは、タッチパネル45Bに警告を表示させても良いし、図示されない音声出力部から警告音を発せさせても良い。なお、以下に説明される処理における警告は、表示であっても良いし、音であっても良い。
【0081】
このように、ボトルタグG2から取得された衛生水の有効期限、つまり衛生水生成装置1から出力された有効期限に基づいて、衛生水の有効性が管理されるため、スタッフは、有効期限を設定する必要がなくなる。また、スタッフが有効期限を入力する場合には、誤入力が発生するおそれがあるが、ボトルタグG2から取得された有効期限に基づき衛生水の有効性が管理されるため、スタッフは、衛生管理を適切に行うことができる。特に、衛生水の有効性が切れている場合、スタッフ端末装置4Bによる警告が行われるため、スタッフは、当該衛生水の使用をやめることができ、衛生管理をより適切に行うことができる。
【0082】
ステップS6の警告処理が行われると、除菌管理部488Bは、物品用ボトル情報を生成せずに登録処理を終了する。なお、警告が行われた物品用噴射ボトル2AのボトルタグG2に、有効期限が切れていることを示す情報が記録されるようにしても良い。例えば、スタッフ又は管理者が、図示されない書込装置を用いてボトルタグG2に有効期限が切れていることを示す情報を記録しても良い。また、ユーザ端末装置4にボトルタグG2に情報を記録する機能を設け、スタッフ又は管理者が、当該ユーザ端末装置4を用いてボトルタグG2に有効期限が切れていることを示す情報を記録しても良い。
【0083】
一方、除菌管理部488Bは、衛生水の有効期限が切れていないと判定した場合(ステップS5:NO)、タッチパネル45Bに物品用噴射ボトル2Aのトリガ221の操作を促す画面を表示させる。スタッフによりトリガ221が操作されると、スタッフ端末装置4Bのビーコン信号受信部43B(以下、「ビーコン信号受信部43B」と言う場合がある)は、物品用噴射ボトル2Aからのビーコン信号を受信する(ステップS7)。除菌管理部488Bは、ユーザIDと、物品用噴射ボトル2AのボトルIDと、衛生水の有効期限、初期濃度及び生成日時と、ビーコン信号に基づくビーコンIDと、を表す情報を含む物品用ボトル情報を生成して、端末DB46Bに記憶させる(登録する)(ステップS8)。また、除菌管理部488Bは、通信部41Bを介して、物品用ボトル情報をサーバ装置3へ送信する。物品用ボトル情報を取得したサーバ装置3のサーバ制御部32は、物品用ボトル情報の共有処理を行う。なお、除菌管理部488Bは、物品用ボトル情報の登録処理において、ボトルタグG2に記録された衛生水の初期濃度と、物品用ボトル情報の登録処理の実施日時とに基づいて、当該登録処理の実施日時における衛生水の濃度を推定しても良い。
【0084】
<手指用ボトル情報及びトイレ手指用ボトル情報の登録処理>
次に、手指用ボトル情報及びトイレ手指用ボトル情報の登録処理について、図面を参照しながら説明する。手指用ボトル情報の登録処理は、手指用噴射ボトル2Bに衛生水が初期補充された後、又は、手指用噴射ボトル2Bの衛生水が入れ替えられた後に行われる。トイレ手指用ボトル情報の登録処理も、手指用ボトル情報の登録処理と同じタイミングで行われる。なお、手指用ボトル情報及びトイレ手指用ボトル情報の登録処理は同じであるため、手指用ボトル情報の登録処理について説明する。また、物品用ボトル情報の登録処理と同様の処理については、同一のステップ番号を付し、説明を省略、又は、簡略にする。図7は、手指用ボトル情報の登録処理のフローチャートである。
【0085】
例えば、管理者端末装置4Aの除菌管理部488Aは、ログイン状態において、管理者によるタッチパネル45Aの操作に基づいて、手指用ボトル情報の登録画面を表示させる。管理者は、登録画面の内容に基づいて、登録対象の手指用噴射ボトル2BのボトルタグG2を管理者端末装置4Aの読取部42Aにかざす。
【0086】
図7に示されるように、管理者端末装置4Aの読取部42Aは、手指用噴射ボトル2BのボトルタグG2を読み取る(ステップS21)。次に、管理者端末装置4Aの情報受付部482Aは、ボトルタグG2に記録されたボトルID、有効期限及び生成日時を受け付ける。そして、除菌管理部488Aは、情報受付部482Aにより受け付けられたボトルIDに基づいて、端末DB46Aのボトル基本情報の中から、登録対象の手指用噴射ボトル2Bに対応するボトル基本情報を特定する。除菌管理部488Aは、特定されたボトル基本情報に衛生水の有効期限及び生成日時を更新する(ステップS4)。その後、除菌管理部488Aは、通信部41Aを介して、更新後のボトル基本情報をサーバ装置3へ送信する。ボトル基本情報を取得したサーバ装置3のサーバ制御部32は、ボトル基本情報の共有処理を行う。
【0087】
除菌管理部488Aは、ボトル基本情報の更新処理(ステップS4)を行った後、タッチパネル45Aに手指用噴射ボトル2Bのトリガ221の操作を促す画面を表示させる。管理者によりトリガ221が操作されると、管理者端末装置4Aのビーコン信号受信部43(以下、「ビーコン信号受信部43A」と言う場合がある)は、手指用噴射ボトル2Bからのビーコン信号を受信する(ステップS22)。除菌管理部488Aは、手指用噴射ボトル2BのボトルIDと、衛生水の有効期限、初期濃度及び生成日時と、ビーコン信号に基づくビーコンIDと、を表す情報を含む手指用ボトル情報を生成して、端末DB46Aに記憶させる(登録する)(ステップS23)。また、除菌管理部488Aは、通信部41Aを介して、手指用ボトル情報をサーバ装置3へ送信する。手指用ボトル情報を取得したサーバ装置3のサーバ制御部32は、手指用ボトル情報の共有処理を行う。
【0088】
<物品除菌履歴情報の登録処理>
次に、物品除菌履歴情報の登録処理について、図面を参照しながら説明する。物品除菌履歴情報の登録処理は、物品の除菌が実施される毎に行われる。物品の除菌は、除菌計画情報に基づくタイミング、又は、除菌計画とは関係ないタイミングで行われる。図8は、物品除菌履歴情報の登録処理のフローチャートである。図9は、衛生水の生成日時からの経過期間と濃度との関係を示す模式図である。
【0089】
例えば、スタッフ端末装置4Bの除菌管理部488Bは、ログイン状態において、スタッフによるタッチパネル45Bの操作に基づいて、物品除菌履歴情報の登録画面を表示させる。スタッフは、登録画面の内容に基づいて、読取部42Bを除菌対象の物品の物品タグG1にかざす。図8に示されるように、読取部42Bは、物品タグG1を読み取る(ステップS31)。そして、情報受付部482Bは、物品タグG1に記録された物品IDを受け付ける。また、除菌管理部488Bは、除菌対象の物品の適正噴射回数をタッチパネル45Bに表示させる(ステップS32)。ステップS32の処理において、除菌管理部488Bは、情報受付部482Bにより受け付けられた物品IDに基づいて、端末DB46Bの物品情報の中から、除菌対象の物品に対応する物品情報を特定する。除菌管理部488Bは、特定された物品情報に含まれる適正噴射回数をタッチパネル45Bに表示させる。このように、物品の適正噴射回数をスタッフに報知することにより、スタッフは、物品の除菌に必要な衛生水の適切な噴射回数を容易に認識できる。なお、除菌管理部488Bは、ステップS32の適正噴射回数をタッチパネル45Bに表示させる処理を行わなくても良い。
【0090】
次に、スタッフは、物品用噴射ボトル2Aのトリガ221を操作して、除菌対象の物品に衛生水を噴射する。このとき、スタッフは、トリガ221を適正噴射回数以上操作することが好ましい。トリガ221が操作されると、操作回数(噴射回数)に応じた数のビーコン信号が、物品用噴射ボトル2Aのビーコン信号発信部23から発信される。スタッフ端末装置4Bのビーコン信号受信部43Bは、トリガ221の操作回数に応じたビーコン信号を受信する(ステップS33)。情報受付部482Bは、ビーコン信号受信部43Bにおけるビーコン信号の受信回数を、衛生水の噴射回数として受け付ける。
【0091】
除菌管理部488Bは、ログイン時のユーザIDに基づいて、端末DB46Bの物品用ボトル情報の中から、スタッフが使用している物品用噴射ボトル2Aに対応する物品用ボトル情報を特定する。なお、除菌管理部488Bは、ビーコン信号に含まれるビーコンIDに基づいて、スタッフが使用している物品用噴射ボトル2Aに対応する物品用ボトル情報を特定しても良い。さらに、除菌管理部488Bは、特定された物品用ボトル情報に含まれる物品IDに基づいて、端末DB46Bのボトル基本情報の中から、物品用噴射ボトル2Aに対応するボトル基本情報を特定する。そして、スタッフ端末装置4Bの残量推定部485(以下、「残量推定部485B」と言う場合がある)は、特定されたボトル基本情報に基づいて、物品用噴射ボトル2Aの衛生水の残量を推定する(ステップS34)。ステップS34の処理において、残量推定部485Bは、ボトル基本情報に含まれるトリガ221が1回操作された際の衛生水の噴射量と、ビーコン信号に基づく噴射回数とに基づいて、除菌時における衛生水の噴射量を算出する。次に、残量推定部485Bは、算出された噴射量を、ボトル基本情報に含まれる衛生水の残量から減じて、噴射後の衛生水の残量を推定する。
【0092】
警告部487Bは、推定された衛生水の残量(推定残量)が、ボトル基本情報に含まれる警告閾値未満か否かを判定する(ステップS35)。警告部487Bは、推定残量が警告閾値未満であると判定した場合(ステップS35:YES)、衛生水の残量が少ない旨の警告を行う(ステップS36)。スタッフは、ステップS35の警告を確認すると、物品の除菌が終了した後、物品用噴射ボトル2Aの衛生水を入れ替えて、物品用ボトル情報の登録処理を行うことが好ましい。このように、物品用噴射ボトル2A内の衛生水の残量が少ない旨の警告を行うことにより、スタッフは、衛生水の入れ替え時期を容易に認識することができる。このような警告は、ボトル部21の中が見えない場合、特に有効である。
【0093】
一方、推定残量が警告閾値未満でないと判定された場合(ステップS35:NO)、又は、衛生水の残量が少ない旨の警告処理を行われた後(ステップS36)、除菌管理部488Bは、端末DB46Bのボトル基本情報に含まれる衛生水の残量を、ステップS34で推定された残量に更新する(ステップS37)。この後、スタッフ端末装置4Bの濃度推定部486(以下、「濃度推定部486B」と言う場合がある)は、物品用ボトル情報に含まれる衛生水の初期濃度及び生成日時と、除菌日時(ビーコン信号の受信日時)とに基づいて、衛生水の濃度を推定する(ステップS38)。濃度推定部486は、例えば、生成日時からの経過期間が長いほど、初期濃度からの濃度の低下率が高くなるような関係に基づいて、衛生水の濃度を推定する。衛生水の濃度は、例えば、図9に示されるように、時間の経過と共に、ほぼ一次関数的に低下する。図9は、生成日時から経過期間が期間A未満の衛生水の濃度が、トイレの適正濃度以上であるため、当該衛生水をトイレ及びテーブルの除菌に利用できることを示す。また、図9は、生成日時から経過期間が期間A以上期間B未満の衛生水の濃度が、トイレの適正濃度未満且つテーブルの適正濃度以上であるため、当該衛生水をトイレの除菌に利用できないがテーブルの除菌に利用できることを示す。また、図9は、生成日時から経過期間が期間B以上の衛生水の濃度が、トイレ及びテーブルの適正濃度未満であるため、当該衛生水をトイレ及びテーブルの除菌に利用できないことを示す。なお、図9に示される図のような画面を、噴射ボトル2内の除菌液の状態(濃度)を表す画面として、タッチパネル45Bに表示させても良い。
【0094】
警告部487Bは、推定された衛生水の濃度(推定濃度)が、物品情報に含まれる適正濃度未満か否かを判定する(ステップS39)。警告部487Bは、推定濃度が適正濃度未満であると判定した場合(ステップS39:YES)、衛生水の濃度が物品の除菌に適さないほど低い旨の警告を行う(ステップS40)。スタッフは、ステップS40の警告を確認すると、物品の除菌が終了した後、物品用噴射ボトル2Aの衛生水を入れ替えて物品用ボトル情報の登録処理を行い、入れ替え後の衛生水を用いて再度物品の除菌を行うことが好ましい。このように、物品用ボトル情報に含まれる衛生水の初期濃度に基づいて、つまり衛生水生成装置1から出力された初期濃度に基づいて、衛生水の推定濃度が低い旨の警告が行われるため、スタッフは、適切な濃度の衛生水を用いた除菌が行われていないことを容易に認識することができ、衛生管理を適切に行うことができる。特に、物品の種類毎に適正濃度が異なっているため、スタッフは、物品の種類毎に、適切な濃度の衛生水を用いた除菌が行われていないことを容易に認識することができる。
【0095】
スタッフは、物品に噴射された衛生水をふきん等で拭き取ることにより除菌を行うと、再度、読取部42Bを除菌対象の物品の物品タグG1にかざす。読取部42Bは、物品タグG1を読み取る(ステップS41)。ステップS41の処理は、衛生水の推定濃度が適正濃度未満でない判定された場合(ステップS39:NO)、又は、衛生水の濃度が低い旨の警告処理(ステップS40)が行われた後に、行われる。そして、情報受付部482Bは、物品タグG1に記録された物品IDを受け付ける。その後、除菌管理部488Bは、除菌を行ったスタッフのユーザIDと、除菌に用いた物品用噴射ボトル2AのボトルIDと、物品IDと、除菌が行われた際の衛生水の推定濃度、有効期限及び噴射回数と、除菌日時と、を表す情報を含む物品除菌履歴情報を生成して、端末DB46Bに記憶させる(登録する)(ステップS42)。また、除菌管理部488Bは、通信部41Bを介して、物品除菌履歴情報をサーバ装置3へ送信する。物品除菌履歴情報を取得したサーバ装置3のサーバ制御部32は、物品除菌履歴情報の共有処理を行う。
【0096】
なお、ステップS41における物品タグG1の読取処理が行われることなく、衛生水の推定濃度が適正濃度未満でないと判定された場合(ステップS39:NO)、又は、ステップS40の処理が行われた後に、除菌管理部488Bが物品除菌履歴情報を生成してもよい。また、衛生水の残量推定結果に基づく処理(ステップS35~S37)を行った後に、衛生水の濃度推定結果に基づく処理(ステップS39~S40)を行ったが、これらの処理を逆の順序で行っても良いし、これらの処理のうち一方の処理を物品除菌履歴情報の登録処理で行わずに、他の処理フローで行っても良い。
【0097】
<手指除菌履歴情報の登録処理>
次に、手指除菌履歴情報の登録処理について、図面を参照しながら説明する。手指除菌履歴情報の登録処理は、ユーザの手指の除菌が行われる毎に行われる。なお、トイレでの手指の除菌時と、トイレ以外の場所での手指の除菌時とにおける手指除菌履歴情報の登録処理は同じであるため、トイレ以外の場所での手指の除菌時における手指除菌履歴情報の登録処理について説明する。また、物品除菌履歴情報の登録処理と同様の処理については、同一のステップ番号を付し、説明を省略、又は、簡略にする。図10は、手指用ボトル情報の登録処理のフローチャートである。
【0098】
例えば、スタッフは、スタッフ端末装置4Bがログインしている状態において、手指用噴射ボトル2Bのトリガ221を操作して、自身の手指に衛生水を噴射する。トリガ221が操作されると、操作回数(噴射回数)に応じた数のビーコン信号が、手指用噴射ボトル2Bのビーコン信号発信部23から発信される。図10に示されるように、スタッフ端末装置4Bのビーコン信号受信部43Bは、トリガ221の操作回数に応じたビーコン信号を受信する(ステップS51)。情報受付部482Bは、ビーコン信号受信部43Bにおけるビーコン信号の受信回数を、衛生水の噴射回数として受け付ける。
【0099】
除菌管理部488Bは、ビーコン信号に対応するビーコンIDに基づいて、スタッフが使用している手指用噴射ボトル2Bに対応する手指用ボトル情報を特定する。さらに、除菌管理部488Bは、手指用ボトル情報のボトルIDに基づいて、ボトル基本情報を特定する。除菌管理部488Bは、手指用ボトル情報及びボトル基本情報に基づいて、ステップS34~S37の処理を行う。スタッフは、ステップS36における衛生水の残量が少ない旨の警告を確認すると、手指用噴射ボトル2Bの衛生水を入れ替えて、手指用ボトル情報の登録処理を行うことが好ましい。
【0100】
次に、警告部487Bは、手指用ボトル情報に含まれる衛生水の有効期限と、除菌日時とに基づいて、衛生水の有効期限が切れているか否かを判定する(ステップS52)。警告部487Bは、衛生水の有効期限が切れていると判定した場合(ステップS52:YES)、有効期限が切れている旨の警告を行う(ステップS53)。スタッフは、ステップS53における有効期限が切れている旨の警告を確認すると、手指用噴射ボトル2Bの衛生水を入れ替えて、手指用ボトル情報の登録処理を行った後、入れ替え後の衛生水を用いて再度手指の除菌を行うことが好ましい。
【0101】
濃度推定部486Bは、衛生水の有効期限が切れていないと判定された場合(ステップS52:NO)、又は、衛生水の有効期限が切れている旨の警告処理を行われた後(ステップS53)、手指用ボトル情報に含まれる衛生水の初期濃度及び生成日時と、除菌日時とに基づいて、衛生水の濃度を推定する(ステップS38)。警告部487Bは、手指用噴射ボトル2Bに対応するボトル基本情報に含まれる用途と、端末DB46Bの手指用適正濃度情報とに基づいて、衛生水の適正濃度を特定する。警告部487Bは、推定濃度が、適正濃度未満か否かを判定する(ステップS39)。警告部487Bは、推定濃度が適正濃度未満であると判定した場合(ステップS39:YES)、衛生水の濃度が手指の除菌に適さないほど低い旨の警告を行う(ステップS40)。スタッフは、ステップS40の警告を確認すると、手指の除菌が終了した後、手指用噴射ボトル2Bの衛生水を入れ替えて手指用ボトル情報の登録処理を行い、入れ替え後の衛生水を用いて手指の除菌を再度行うことが好ましい。
【0102】
衛生水の推定濃度が適正濃度未満でない判定された場合(ステップS39:NO)、又は、衛生水の濃度が低い旨の警告処理(ステップS40)が行われた後、除菌管理部488Bは、ログイン時のユーザIDを特定する。また、除菌管理部488Bは、ボトル基本情報に含まれる用途に基づいて、手指の除菌を行われた場所を特定する。そして、除菌管理部488Bは、除菌を行ったスタッフのユーザIDと、除菌に用いた手指用噴射ボトル2BのボトルIDと、除菌が行われた際の衛生水の推定濃度、有効期限及び噴射回数と、除菌日時と、手指の除菌を行った場所と、を表す情報を含む手指除菌履歴情報を生成して、端末DB46Bに記憶させる(登録する)(ステップS54)。また、除菌管理部488Bは、通信部41Bを介して、手指除菌履歴情報をサーバ装置3へ送信する。手指除菌履歴情報を取得したサーバ装置3のサーバ制御部32は、手指除菌履歴情報の共有処理を行う。
【0103】
なお、衛生水の残量推定結果に基づく処理(ステップS35~S37)、衛生水の有効期限が切れているか否かに基づく処理(ステップS52~S53)、及び、衛生水の濃度推定結果に基づく処理(ステップS39~S40)を、当該順序で行ったが、これらの処理の順序は入れ替わっても良いし、これらの処理のうち少なくとも1つの処理を手指除菌履歴情報の登録処理で行わずに、他の処理フローで行っても良い。
【0104】
次に、除菌計画情報に基づく除菌チェック処理について説明する。
【0105】
スタッフ端末装置4Bの警告部487Bは、ログイン状態において、ログイン時のユーザIDと、端末DB46Bの除菌計画情報及び物品除菌履歴情報とに基づいて、スタッフが除菌計画情報に基づく日時に、除菌計画情報に基づく物品の除菌を行ったか否かを判定する。除菌管理部488Bは、スタッフが除菌計画情報に基づく除菌を行っていないと判定した場合、警告を行う。また、警告部487Bは、端末DB46Bの物品除菌履歴情報及び物品情報に基づいて、スタッフが衛生水を適正噴射回数噴射したか否かを判定する。警告部487Bは、スタッフが衛生水を適正噴射回数噴射していないと判定した場合、警告を行う。
【0106】
次に、除菌に関連する情報の表示処理について、図面を参照しながら説明する。図11Aは、除菌履歴選択画面の概略構成を示す模式図である。図11Bは、除菌履歴画面の概略構成を示す模式図である。
【0107】
例えば、ユーザ端末装置4の除菌管理部488は、ユーザによるタッチパネル45の操作に基づいて、物品除菌履歴情報又は手指除菌履歴情報に含まれる情報を、タッチパネル45に表示させることができる。除菌管理部488は、例えば、物品除菌履歴情報に基づいて、図11Aに示される除菌履歴選択画面530をタッチパネル45に表示させる。除菌履歴選択画面530には、カレンダーが表示される。ユーザによる所定の日付(例えば、9月30日)の選択操作が行われると、除菌管理部488は、図11Bに示される除菌履歴画面540をタッチパネル45に表示させる。除菌履歴画面540には、物品IDに基づく清掃場所、除菌完了時刻、衛生水の有効期限及び推定濃度、備考がリスト形式で表示される。また、除菌管理部488は、手指除菌履歴情報に基づいて、除菌履歴選択画面530及び除菌履歴画面540と同様の画面をタッチパネル45に表示させる。なお、除菌管理部488は、除菌履歴画面540に衛生水の初期濃度を表示させても良い。また、上述された除菌履歴選択画面530、及び、除菌履歴画面540の構成は、一例にすぎず、適宜他の構成としても良い。例えば、除菌履歴画面540は、模式的な店内マップの上に、除菌履歴を表示させる態様であっても良く、この場合、店内マップは、店舗業態ごとに設定可能に構成されても良いし、実際の店舗に合わせて設定可能に構成されても良い。また、除菌履歴画面540に、除菌の実施内容として「掃き掃除も実施」等のコメントを表示させるようにしても良い。
【0108】
このように表示(提示)された物品除菌履歴情報及び手指除菌履歴情報(除菌履歴情報)には、除菌対象と除菌の実施内容とが関連付けられて含まれている。このため、ユーザは、表示された除菌履歴情報を確認することにより、除菌対象に対する適切な除菌が行われたか否かを判定することができる。特に、除菌の実施内容に含まれる衛生水の有効期限及び推定濃度は、噴射ボトル2のボトルタグG2から取得された情報に基づく内容であるため、除菌担当のスタッフは、除菌の実施内容を入力する必要がなくなる。また、スタッフが除菌の実施内容を入力する場合には、誤入力が発生するおそれがあるが、ボトルタグG2から取得された情報に基づき除菌の実施内容が特定されるため、ユーザは、除菌の実施状況を正確に把握することができる。
【0109】
除菌履歴情報に、衛生水の有効期限が含まれているため、ユーザは、除菌に用いられた衛生水の有効期限を管理することができ、必要に応じて、有効期限が近い衛生水を入れ替えることができる。
【0110】
除菌履歴情報に、除菌を実施するときの衛生水の推定濃度が含まれているため、ユーザは、適切な濃度の衛生水を用いて除菌が行われたか否かを判定することができる。また、ユーザは、除菌に用いられた衛生水の濃度を管理することができ、必要に応じて、濃度が低い衛生水を入れ替えることができる。特に、時間の経過と共に濃度が低下して除菌力が落ちる炭酸電解次亜水又は電解次亜水等の電解水に対して、このような濃度推定は、適切な除菌を行う上で重要である。なお、例えば、店舗で利用している噴射ボトル2が1個の場合、少なくとも衛生水の推定濃度が除菌履歴情報に含まれていれば、適切な濃度の衛生水を用いて除菌が行われたか否かを判定することができる。
【0111】
除菌履歴情報に、ボトルIDが含まれているため、ユーザは、有効期限が近い衛生水、又は、濃度が低い衛生水が収容された噴射ボトル2を容易に特定することができ、必要に応じて噴射ボトル2の衛生水を入れ替えることができる。したがって、ユーザは、有効期限が切れていたり濃度が低すぎたりする衛生水を用いて、除菌が行われるリスクを低減すさせることができ、衛生管理を適切に行うことができる。
【0112】
除菌履歴情報に、衛生水の噴射回数が含まれているため、ユーザは、除菌に用いられた衛生水の使用量を管理することができる。
【0113】
[実施形態の変形例]
本開示は、これまでに説明した実施形態に示されたものに限られないことはいうまでもなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で、種々の変形を加えることができる。また、上記実施形態及び以下に示される変形例は、正常に機能する限り、どのように組み合わせても良い。
【0114】
例えば、衛生管理システムが、スタッフにより行われた物品の除菌状況を管理する構成を例示したが、各テーブルTに物品用噴射ボトル2Aを配置して、当該物品用噴射ボトル2Aを用いた客によるテーブルTの除菌状況を管理するようにしても良い。この場合、例えば、テーブルT用の物品用噴射ボトル2Aに関するテーブル用ボトル情報をサーバ装置3及びユーザ端末装置4の間で共有する。テーブル用ボトル情報は、テーブルTの物品IDと、物品用噴射ボトル2AのボトルIDと、噴射部22のビーコンIDと、を表す情報を含む。そして、テーブルTの最も近くに存在するユーザ端末装置4の除菌管理部488は、客が物品用噴射ボトル2Aのトリガ221を操作した際に発信されるビーコン信号に基づいて、衛生水の噴射回数と、客が使用している物品用噴射ボトル2Aに対応するテーブル用ボトル情報と、を特定する。除菌管理部488は、テーブルTの物品IDと、除菌に用いた物品用噴射ボトル2AのボトルIDと、衛生水の噴射回数と、除菌日時と、を表す情報を含む物品除菌履歴情報を生成して、端末DB46に登録する処理と共に、共有処理を行っても良い。なお、さらに、衛生水の有効期限、推定濃度を物品除菌履歴情報に含めるような処理を行っても良い。
【0115】
手指用ボトル情報及びトイレ手指用ボトル情報を用いた手指除菌履歴情報の登録処理を例示したが、これらの事前に登録されたボトル情報を用いずに手指除菌履歴情報の登録処理を行っても良い。例えば、手指除菌履歴情報を登録する場合、スタッフ端末装置4Bの除菌管理部488Bは、ログイン状態において、タッチパネル45Bに表示させた手指除菌ボタンがスタッフにより押された後、手指用噴射ボトル2Bのトリガ221が操作されると、衛生水の噴射回数を特定する。除菌を行ったスタッフのユーザIDと、衛生水の噴射回数と、除菌日時と、手指の除菌がトイレ以外の場所で行われたことと、を表す情報を含む手指除菌履歴情報を生成して、端末DB46Bに登録する処理と共に、共有処理を行っても良い。なお、さらに、衛生水の有効期限、推定濃度を手指除菌履歴情報に含めるような処理を行っても良い。
【0116】
物品タグG1の代わりに、バーコード又はQRコード(登録商標)等の二次元コードを適用すると共に、ユーザ端末装置4に二次元コードの読取部を配置して、二次元コードの読取部で読み取られた二次元コードに基づいて、除菌対象の物品を特定するようにしても良い。
【0117】
ユーザ端末装置4にGPS(Global Positioning System)信号を受信するGPS受信部を配置し、物品タグG1の代わりに、GPS信号を用いて、除菌対象の物品を特定するようにしても良い。例えば、除菌対象の物品の一例であるテーブルTの位置情報を、予めサーバ装置3及びユーザ端末装置4の間で共有する。物品を除菌する際、例えば、スタッフ端末装置4Bの除菌管理部488Bは、衛生水の噴射時にGPS受信部で受信したGPS信号に基づいて、スタッフが除菌している物品を特定しても良い。
【0118】
例えば、飲食スペースに、3個のビーコン信号発信機を配置し、物品タグG1の代わりに、ビーコン信号を用いて、除菌対象の物品を特定するようにしても良い。例えば、除菌対象の物品の一例であるテーブルTから3個のビーコン信号発信機までの距離を、予めサーバ装置3及びユーザ端末装置4の間で共有する。物品を除菌する際、例えば、スタッフ端末装置4Bの除菌管理部488Bは、ビーコン信号受信部43Bで受信した3個のビーコン信号発信機からのビーコン信号に基づいて、スタッフが除菌している物品を特定しても良い。
【0119】
例えば飲食スペースに、撮像装置を配置し、物品タグG1の代わりに、飲食スペースに設置された撮像装置の撮像画像を用いて、除菌対象の物品を特定するようにしても良い。例えば、スタッフ端末装置4Bの除菌管理部488Bは、衛生水の噴射時における撮像装置の撮像画像に基づいて、画像認識によりスタッフが除菌している物品を特定しても良い。さらに、画像認識により除菌を行っているスタッフを特定しても良い。
【0120】
除菌に関する情報を、サーバ装置3及びユーザ端末装置4の間で共有する構成を例示したが、サーバ装置3で一括管理しても良い(サーバ装置3のみに記憶させても良い)。この場合、サーバ装置3のサーバ制御部32を衛生管理装置として機能させ、ユーザ端末装置4の読取部42で読み取られた情報と、ビーコン信号受信部43で受信されたビーコン信号とに基づいて、少なくとも物品除菌履歴情報又は手指除菌履歴情報を生成するようにしても良い。また、衛生管理システムに、サーバ装置3を含めなくても良い。この場合、除菌に関する情報を、管理者端末装置4Aで一括管理しても良いし(管理者端末装置4Aのみに記憶させても良いし)、管理者端末装置4Aとスタッフ端末装置4Bとの間で共有するようにしても良い。また、衛生管理システムに、サーバ装置3及び管理者端末装置4Aを含めなくても良い。この場合、衛生管理システムに含まれるスタッフ端末装置4Bは、1台であっても良いし、複数台であっても良い。複数台のスタッフ端末装置4Bが衛生管理システムに含まれる場合、1台のスタッフ端末装置4Bが生成した除菌に関する情報を、全てのスタッフ端末装置4Bの間で共有するようにしても良い。
【0121】
サーバ装置3、管理者端末装置4A、及び、スタッフ端末装置4Bのうち少なくとも1つの装置に、物品除菌履歴情報及び手指除菌履歴情報のうち少なくとも一方の履歴に基づく除菌状況又は除菌評価を、インターネット上の飲食店を紹介するサイトにアップロードする機能を設けても良い。
【0122】
入口端末装置5及びテーブル端末装置6に、各テーブルTの除菌状況を表示するようにしても良い。例えば、物品除菌履歴情報の登録処理のステップS31の処理において、スタッフ端末装置4BによりテーブルTの物品タグG1が読み取られた場合、除菌管理部488Bは、当該テーブルTが除菌中(清掃中)であることを入口端末装置5又はテーブル端末装置6に表示させても良い。また、ステップS41の処理において、スタッフ端末装置4BによりテーブルTの物品タグG1が再び読み取られた場合、除菌管理部488Bは、当該テーブルTの除菌(清掃)が終了したことを入口端末装置5又はテーブル端末装置6に表示させても良い。
【0123】
除菌管理部488は、物品除菌履歴情報及び手指除菌履歴情報のうち少なくとも一方の履歴に、衛生水の噴射回数、有効期限、推定濃度のうち少なくとも1つの情報を含めなくても良いし、推定濃度の代わりに初期濃度を表す情報を含めても良い。推定濃度の代わりに初期濃度を表す情報を含める場合、警告部487は、上記実施形態と同様に、衛生水の初期濃度が適正濃度未満の場合、警告を行っても良い。除菌管理部488は、物品除菌履歴情報又は手指除菌履歴情報を生成しなくても良い。除菌管理部488は、衛生水の推定濃度が適正濃度未満であるか否かの判定処理を行わなくても良い。除菌管理部488は、衛生水の有効成分の濃度の代わりに、又は、当該濃度と共に、衛生水のpHを管理しても良い。ユーザ端末装置4に、衛生水の残量を管理する機能を設けなくても良い。
【0124】
例えば、警告部487は、物品除菌履歴情報の登録処理において、衛生水の推定濃度が所定の物品の適正濃度未満であるが、他の物品の適正濃度以上の場合、警告せずに、前記所定の物品の除菌には適さないが前記他の物品の除菌に用いることができる旨を報知しても良い。除菌対象の種類毎(物品の種類、手指)により適正濃度を異ならせる構成を例示したが、除菌対象の種類に関係なく適正濃度を同じにしても良く、この場合、警告部487は、上記実施形態と同様に、衛生水の推定濃度が適正濃度未満の場合、警告を行っても良い。
【0125】
ユーザ端末装置4が、衛生水生成装置1により設定された衛生水の有効性を示すパラメータを、ボトルタグG2を介して取得する構成を例示したが、例えば、衛生水生成装置1との間の通信により、衛生水生成装置1からパラメータを直接取得するようにしても良い。この場合、衛生水生成装置1の通信部によりパラメータ出力部が構成される。
【0126】
ユーザ端末装置4に、噴射ボトル2に関するモニタリング画面を表示させる機能を設けても良い。モニタリング画面に表示させる内容としては、各噴射ボトル2の店内における配置位置、衛生水の残量、補充日時、有効期限、推定濃度を例示することができる。また、各噴射ボトル2の店内における配置位置を、店舗マップに噴射ボトル2のイメージ図を表示させることにより表現しても良い。また、噴射ボトル2のイメージ図の色及びサイズのうち少なくとも一方を、噴射ボトル2を用いた除菌の実施中か否か、衛生水の残量が閾量以上か否か、有効期限が切れているか否か、推定濃度が適正濃度未満か否か等に応じて異ならせても良い。
【0127】
除菌剤として、炭酸電解次亜水、電解次亜水を例示したが、アルコール、次亜塩素酸ナトリウム等、除菌機能を有する除菌剤を利用することができる。
【0128】
除菌装置として、噴射ボトル2を例示したが、除菌装置は、除菌剤を吐出する吐出部を備えれば良い。従って、除菌剤を滴下する装置、除菌剤を塗布する装置等、除菌剤を除菌対象に接触させることができる除菌装置を利用することができる。つまり、本開示において、除菌剤を吐出するとは、除菌剤を塗布すること、除菌剤を滴下すること、除菌剤を除菌対象に接触させることを含む概念である。また、除菌装置は、物品上の除菌剤を拭き取る機能を有していても良い。また、除菌装置をビーコン信号発信部23及びボトルタグG2が設けられた噴射部22のみで構成しても良く、この場合、当該噴射部22を市販の容器(ボトル)に取り付けることにより、噴射ボトル2を構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0129】
本開示は、衛生管理装置、衛生管理システム、衛生管理方法、及び、除菌剤生成装置に適用できる。
【符号の説明】
【0130】
1 衛生水生成装置
2 噴射ボトル
2A 物品用噴射ボトル
2B 手指用噴射ボトル
2C トイレ手指用噴射ボトル
3 サーバ装置
4 ユーザ端末装置
4A 管理者端末装置
4B スタッフ端末装置
5 入口端末装置
6 テーブル端末装置
10 衛生管理システム
11 生成部
12 供給部
13 書込部
14 表示部
15 生成制御部
21 ボトル部
22 噴射部
23 ビーコン信号発信部
31 サーバDB
32 サーバ制御部
41,41A,41B 通信部
42,42A,42B 読取部
43,43A,43B ビーコン信号受信部
44,44A 撮像部
45,45A,45B タッチパネル
46,46A,46B 端末DB
47 端末記憶部
48,48A,48B 端末制御部
221 トリガ
481 認証部
482,482A,482B 情報受付部
483,483A 適正噴射回数設定部
484 適正濃度設定部
485,485B 残量推定部
486,486B 濃度推定部
487,487B 警告部
488,488A,488B 除菌管理部
500 除菌計画登録画面
501 プルダウンボタン
502 登録ボタン
510 除菌計画画面
520 除菌チェック計画画面
530 除菌履歴選択画面
540 除菌履歴画面
G1 物品タグ
G2 ボトルタグ
N 通信ネットワーク
T テーブル
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B