(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023122325
(43)【公開日】2023-09-01
(54)【発明の名称】電磁弁マニホールド
(51)【国際特許分類】
F16K 27/00 20060101AFI20230825BHJP
【FI】
F16K27/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022025969
(22)【出願日】2022-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000106760
【氏名又は名称】CKD株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】林 濃男
(72)【発明者】
【氏名】羽田野 寿
(72)【発明者】
【氏名】小杉 光弘
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 新治
【テーマコード(参考)】
3H051
【Fターム(参考)】
3H051AA01
3H051BB05
3H051CC01
(57)【要約】
【課題】流体の圧力損失を抑えること。
【解決手段】第1逆止弁40Aは、第1排出流路34内に配置されている。排出口49の一部は、弁体41の移動方向に対して直交する方向で弁座48と重なっている。これによれば、弁体41が弁座48から離間すると、第1排出ポートから弁孔47を介して弁室46に流出した流体は、排出口49に至るまでの間で、弁体41と周壁45bとの間の隙間を通過することが無い。よって、第1排出ポートから弁孔47を介して弁室46に流出した流体は、弁体41と周壁45bとの間の隙間を通過せずに、排出口49を介して第1排出流路34へ排出される。したがって、流体が第1排出ポートから第1排出流路34へスムーズに排出される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排出ポートを有する電磁弁と、
前記電磁弁が載置される載置面、及び前記載置面に開口するとともに前記排出ポートに連通する排出流路を有するマニホールドベースと、
前記排出ポートから前記排出流路への流体の流れを許容し、且つ前記排出流路から前記排出ポートへの流体の流れを阻止する逆止弁と、を備え、
前記逆止弁は、
弁体と、
前記弁体が着座する弁座を有する弁ハウジングと、
前記弁体を前記弁座に向けて付勢する付勢部材と、を有し、
前記弁ハウジングは、
前記弁体を収容する弁室と、
前記弁室を区画する筒状の周壁と、
前記弁室と前記排出ポートとを連通する弁孔と、
前記弁室と前記排出流路とを連通する排出口と、を有し、
前記弁座は、前記弁ハウジングの一部であって、前記弁孔における前記弁室側の開口の周囲の部位から前記弁室内へ環状に突出しており、
前記弁体は、前記弁室内を前記周壁の軸方向に往復動することで前記弁座に対して接離する方向へ移動する電磁弁マニホールドであって、
前記逆止弁は、前記排出流路内に配置されており、
前記排出口は、前記周壁に形成されるとともに少なくとも一部が前記弁体の移動方向に対して直交する方向で前記弁座と重なっていることを特徴とする電磁弁マニホールド。
【請求項2】
前記排出流路は、
前記載置面から前記マニホールドベースにおける前記載置面とは反対側の面に向けて延びる第1流路と、
前記第1流路における前記載置面とは反対側の端部に連通するとともに前記第1流路の延在方向に対して交差する方向に延びる第2流路と、を有し、
前記逆止弁は、前記周壁の軸方向が前記第1流路の延在方向に一致するとともに、少なくとも前記周壁における前記排出口が形成されている部位が、前記第1流路から前記第2流路に突出した状態で、前記排出流路内に配置されており、
前記排出口は、前記排出口の軸方向と前記第2流路の延在方向とが一致した状態で、前記第2流路に連通していることを特徴とする請求項1に記載の電磁弁マニホールド。
【請求項3】
前記弁ハウジングは、前記弁体における前記弁座とは反対側の面である背面と前記弁ハウジングとの間の流体を前記排出流路へ排出する呼吸孔を有していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電磁弁マニホールド。
【請求項4】
前記弁ハウジングは、前記電磁弁のバルブボディとは別部材であり、
前記弁ハウジングは、前記バルブボディと前記マニホールドベースとで挟持されるフランジ部を有していることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の電磁弁マニホールド。
【請求項5】
前記弁体における前記弁座とは反対側の面である背面であって、前記弁体の移動方向で前記弁座に重なる部分の一部には、漏れ検出用溝が形成されていることを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の電磁弁マニホールド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁弁マニホールドに関する。
【背景技術】
【0002】
電磁弁マニホールドは、電磁弁と、マニホールドベースと、を備えている。電磁弁は、排出ポートを有している。マニホールドベースは、電磁弁が載置される載置面を有している。マニホールドベースは、排出流路を有している。排出流路は、載置面に開口するとともに排出ポートに連通している。
【0003】
また、電磁弁マニホールドは、例えば特許文献1のような逆止弁を備えている。逆止弁は、弁体と、弁ハウジングと、付勢部材と、を有している。弁ハウジングは、弁座と、弁室と、周壁と、弁孔と、排出口と、を有している。弁室は、弁体を収容する。周壁は、弁室を区画する筒状である。弁孔は、弁室と排出ポートとを連通する。排出口は、弁室と排出流路とを連通する。弁座は、弁ハウジングの一部であって、弁孔における弁室側の開口の周囲の部位から弁室内へ環状に突出している。弁座には、弁体が着座する。付勢部材は、弁体を弁座に向けて付勢する。弁体は、弁室内を周壁の軸方向に往復動することで弁座に対して接離する方向へ移動する。そして、逆止弁は、排出ポートから排出流路への流体の流れを許容し、且つ排出流路から排出ポートへの流体の流れを阻止する。これにより、排出流路から排出ポートへ流体が逆流することによる電磁弁の誤動作が回避されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えば特許文献1の逆止弁は、排出ポートの内側に配置されている。そして、弁体が弁座から離間すると、排出ポートから弁孔を介して弁室に流出した流体は、弁体と周壁との間の隙間を通過して排出口に至る。その後、流体は、排出口を介して排出流路へ排出される。このような場合、弁体と周壁との間の隙間の流路断面積が確保されていないと、流体が排出ポートから排出流路へスムーズに排出され難くなるため、流体の圧力損失が増大してしまう。かといって、弁体と周壁との間の隙間の流路断面積を極力確保するために、例えば、弁体の体格を小さくすると、弁体の体格に応じて弁座の径も小さくなるため、結果的に、弁孔の流路断面積が小さくなる。すると、流体が排出ポートから排出流路へスムーズに排出され難くなるため、流体の圧力損失が増大してしまう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する電磁弁マニホールドは、排出ポートを有する電磁弁と、前記電磁弁が載置される載置面、及び前記載置面に開口するとともに前記排出ポートに連通する排出流路を有するマニホールドベースと、前記排出ポートから前記排出流路への流体の流れを許容し、且つ前記排出流路から前記排出ポートへの流体の流れを阻止する逆止弁と、を備え、前記逆止弁は、弁体と、前記弁体が着座する弁座を有する弁ハウジングと、前記弁体を前記弁座に向けて付勢する付勢部材と、を有し、前記弁ハウジングは、前記弁体を収容する弁室と、前記弁室を区画する筒状の周壁と、前記弁室と前記排出ポートとを連通する弁孔と、前記弁室と前記排出流路とを連通する排出口と、を有し、前記弁座は、前記弁ハウジングの一部であって、前記弁孔における前記弁室側の開口の周囲の部位から前記弁室内へ環状に突出しており、前記弁体は、前記弁室内を前記周壁の軸方向に往復動することで前記弁座に対して接離する方向へ移動する電磁弁マニホールドであって、前記逆止弁は、前記排出流路内に配置されており、前記排出口は、前記周壁に形成されるとともに少なくとも一部が前記弁体の移動方向に対して直交する方向で前記弁座と重なっている。
【0007】
上記電磁弁マニホールドにおいて、前記排出流路は、前記載置面から前記マニホールドベースにおける前記載置面とは反対側の面に向けて延びる第1流路と、前記第1流路における前記載置面とは反対側の端部に連通するとともに前記第1流路の延在方向に対して交差する方向に延びる第2流路と、を有し、前記逆止弁は、前記周壁の軸方向が前記第1流路の延在方向に一致するとともに、少なくとも前記周壁における前記排出口が形成されている部位が、前記第1流路から前記第2流路に突出した状態で、前記排出流路内に配置されており、前記排出口は、前記排出口の軸方向と前記第2流路の延在方向とが一致した状態で、前記第2流路に連通しているとよい。
【0008】
上記電磁弁マニホールドにおいて、前記弁ハウジングは、前記弁体における前記弁座とは反対側の面である背面と前記弁ハウジングとの間の流体を前記排出流路へ排出する呼吸孔を有しているとよい。
【0009】
上記電磁弁マニホールドにおいて、前記弁ハウジングは、前記電磁弁のバルブボディとは別部材であり、前記弁ハウジングは、前記バルブボディと前記マニホールドベースとで挟持されるフランジ部を有しているとよい。
【0010】
上記電磁弁マニホールドにおいて、前記弁体における前記弁座とは反対側の面である背面であって、前記弁体の移動方向で前記弁座に重なる部分の一部には、漏れ検出用溝が形成されているとよい。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、流体の圧力損失を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態における電磁弁マニホールドを示す断面図である。
【
図7】マニホールドベース及び逆止弁を示す平面図である。
【
図8】弁体の背面が弁座に対向するように弁体が弁室に収容されている状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、電磁弁マニホールドを具体化した一実施形態を
図1~
図8にしたがって説明する。
<電磁弁マニホールド10>
図1に示すように、電磁弁マニホールド10は、電磁弁11と、マニホールドベース30と、を備えている。電磁弁11は、複数並設されている。マニホールドベース30は、複数並設される電磁弁11に対応して電磁弁11の並設方向に複数並んで配置されている。したがって、マニホールドベース30の並設方向は、電磁弁11の並設方向に一致している。
【0014】
<電磁弁11>
各電磁弁11は、バルブケーシング12を有している。バルブケーシング12は、長四角ブロック状である。バルブケーシング12は、バルブボディ13と、第1連結ブロック14と、第2連結ブロック15と、を有している。バルブボディ13は、長四角ブロック状である。第1連結ブロック14は、バルブボディ13の長手方向の第1端に連結されている。第2連結ブロック15は、バルブボディ13の長手方向の第2端に連結されている。バルブボディ13は、マニホールドベース30に対向する本体対向面13aを有している。
【0015】
<スプール弁孔16>
バルブケーシング12は、スプール弁孔16を有している。スプール弁孔16は、バルブボディ13に形成されている。スプール弁孔16は、円孔状である。スプール弁孔16は、バルブボディ13の長手方向に延びている。スプール弁孔16の第1端は、バルブボディ13の長手方向の第1端面に開口している。スプール弁孔16の第2端は、バルブボディ13の長手方向の第2端面に開口している。よって、スプール弁孔16は、バルブボディ13を長手方向に貫通している。
【0016】
<スプール弁17>
各電磁弁11は、スプール弁17を有している。スプール弁17は、スプール弁孔16内に収容されている。スプール弁17は、スプール弁17の軸方向がスプール弁孔16の軸方向に一致した状態でスプール弁孔16内に収容されている。スプール弁17は、スプール弁孔16内を往復動可能に収容されている。
【0017】
<電磁弁11の各ポート>
各電磁弁11は、供給ポートP、第1出力ポートA、第2出力ポートB、第1排出ポートR1、及び第2排出ポートR2を有している。したがって、本実施形態の各電磁弁11は、5ポート電磁弁である。第1排出ポートR1及び第2排出ポートR2は、電磁弁11の排出ポートである。したがって、電磁弁11は、排出ポートを2つ有している。
【0018】
供給ポートP、第1出力ポートA、第2出力ポートB、第1排出ポートR1、及び第2排出ポートR2は、バルブボディ13に形成されている。供給ポートP、第1出力ポートA、第2出力ポートB、第1排出ポートR1、及び第2排出ポートR2は、スプール弁孔16にそれぞれ連通している。
【0019】
供給ポートP、第1出力ポートA、第2出力ポートB、第1排出ポートR1、及び第2排出ポートR2は、バルブボディ13の長手方向の第1端から第2端に向かうにつれて、第1排出ポートR1、第1出力ポートA、供給ポートP、第2出力ポートB、第2排出ポートR2の順に並んでバルブボディ13に形成されている。供給ポートP、第1出力ポートA、第2出力ポートB、第1排出ポートR1、及び第2排出ポートR2それぞれの第1端はスプール弁孔16に連通している。供給ポートP、第1出力ポートA、第2出力ポートB、第1排出ポートR1、及び第2排出ポートR2それぞれの第2端は、バルブボディ13の本体対向面13aに開口している。
【0020】
<第1ピストン18及び第2ピストン19>
各電磁弁11は、第1ピストン18と、第2ピストン19と、を有している。第1ピストン18は、円板状である。第1ピストン18は、スプール弁17の第1端に連結されている。第1ピストン18は、スプール弁17と一体的に移動する。第2ピストン19は、円板状である。第2ピストン19は、スプール弁17の第2端に連結されている。第2ピストン19は、スプール弁17と一体的に移動する。
【0021】
<第1パイロット圧作用室21>
第1連結ブロック14には、円孔状の第1ピストン収容凹部20が形成されている。第1ピストン収容凹部20には、第1ピストン18が往復動可能に収容されている。そして、第1ピストン収容凹部20と第1ピストン18とによって、第1パイロット圧作用室21が区画されている。第1パイロット圧作用室21には、パイロット流体が給排される。
【0022】
<第2パイロット圧作用室23>
第2連結ブロック15には、円孔状の第2ピストン収容凹部22が形成されている。第2ピストン収容凹部22には、第2ピストン19が往復動可能に収容されている。そして、第2ピストン収容凹部22と第2ピストン19とによって、第2パイロット圧作用室23が区画されている。第2パイロット圧作用室23には、パイロット流体が給排される。
【0023】
<第1パイロット弁V1及び第2パイロット弁V2>
各電磁弁11は、第1パイロット弁V1と、第2パイロット弁V2と、を備えている。したがって、電磁弁11は、ダブルソレノイドタイプのパイロット形電磁弁である。第1パイロット弁V1及び第2パイロット弁V2に対する電圧の印加は、例えば、図示しないプログラマブルロジックコントローラ(PLC)等の外部制御機器によって行われる。
【0024】
<スプール弁17の第1位置及び第2位置>
スプール弁17は、第1位置と、第2位置と、に切り換え可能である。例えば、第1パイロット弁V1への電圧の印加が行われているとともに、第2パイロット弁V2への電圧の印加が停止されているとする。すると、第1パイロット弁V1によって、図示しない流体供給源からの圧縮された流体が第1パイロット圧作用室21にパイロット流体として供給される。一方で、第2パイロット弁V2によって、第2パイロット圧作用室23内のパイロット流体が大気へ排出される。これにより、スプール弁17が第2ピストン収容凹部22に向けて移動する。その結果、スプール弁17は、供給ポートPと第1出力ポートAとを連通し、且つ第2出力ポートBと第2排出ポートR2とを連通する第1位置に切り換わる。また、スプール弁17が第1位置に切り換わると、供給ポートPと第2出力ポートBとの間が遮断されるとともに、第1出力ポートAと第1排出ポートR1との間が遮断される。
【0025】
また、例えば、第1パイロット弁V1への電圧の印加が停止されているとともに、第2パイロット弁V2への電圧の印加が行われているとする。すると、第2パイロット弁V2によって、流体供給源からの圧縮された流体が第2パイロット圧作用室23にパイロット流体として供給される。一方で、第1パイロット弁V1によって、第1パイロット圧作用室21内のパイロット流体が大気へ排出される。これにより、スプール弁17が第1ピストン収容凹部20に向けて移動する。その結果、スプール弁17は、供給ポートPと第2出力ポートBとを連通し、且つ第1出力ポートAと第1排出ポートR1とを連通する第2位置に切り換わる。また、スプール弁17が第2位置に切り換わると、供給ポートPと第1出力ポートAとの間が遮断されるとともに、第2出力ポートBと第2排出ポートR2との間が遮断される。
【0026】
よって、第1パイロット弁V1における第1パイロット圧作用室21に対するパイロット流体の給排、及び第2パイロット弁V2における第2パイロット圧作用室23に対するパイロット流体の給排が行われることにより、スプール弁17が第1位置と第2位置との間でスプール弁孔16内を往復動する。そして、スプール弁17が第1位置と第2位置とに切り換わることにより、各ポート間の連通が切り換えられる。なお、
図1では、スプール弁17が第2位置に位置している状態を示している。
【0027】
<マニホールドベース30>
各マニホールドベース30は、長四角ブロック状である。各マニホールドベース30は、載置面30aを有している。載置面30aには、電磁弁11が載置されている。各マニホールドベース30の長手方向は、バルブケーシング12の長手方向に一致している。
【0028】
各マニホールドベース30は、供給流路31、第1出力流路32、第2出力流路33、第1排出流路34、及び第2排出流路35、を有している。供給流路31、第1出力流路32、第2出力流路33、第1排出流路34、及び第2排出流路35は、載置面30aに開口している。第1排出流路34及び第2排出流路35は、マニホールドベース30の排出流路である。したがって、マニホールドベース30は、排出流路を2つ有している。
【0029】
供給流路31における載置面30a側の端部は、供給ポートPに連通している。第1出力流路32における載置面30a側の端部は、第1出力ポートAに連通している。第2出力流路33における載置面30a側の端部は、第2出力ポートBに連通している。第1排出流路34における載置面30a側の端部は、第1排出ポートR1に連通している。第2排出流路35における載置面30a側の端部は、第2排出ポートR2に連通している。
【0030】
供給流路31における載置面30aとは反対側の端部は、例えば、配管等を介して、図示しない流体供給源に接続されている。第1出力流路32における載置面30aとは反対側の端部、及び第2出力流路33における載置面30aとは反対側の端部は、例えば、配管等を介して、図示しない流体圧機器にそれぞれ接続されている。
【0031】
<第1排出流路34>
図2に示すように、第1排出流路34は、第1流路34aと、第2流路34bと、をそれぞれ有している。第1流路34aは、載置面30aからマニホールドベース30における載置面30aとは反対側の面30bに向けて延びている。第1流路34aにおける載置面30a側の端部は、第1排出ポートR1に連通している。第1流路34aにおける載置面30aとは反対側の端部は、第2流路34bに連通している。したがって、第2流路34bは、第1流路34aにおける載置面30aとは反対側の端部に連通している。
【0032】
第2流路34bは、第1流路34aの延在方向に対して直交する方向に延びている。したがって、第2流路34bは、第1流路34aの延在方向に対して交差する方向に延びている。第2流路34bは、マニホールドベース30の幅方向に延びている。第2流路34bの第1端は、マニホールドベース30の幅方向の一方に位置する第1側面30cに開口している。第2流路34bの第2端は、マニホールドベース30の幅方向の他方に位置する第2側面30dに開口している。したがって、第2流路34bは、マニホールドベース30を幅方向に貫通している。並設方向で隣り合うマニホールドベース30の第2流路34b同士は、互いに連通している。したがって、各マニホールドベース30の第2流路34bは、並設方向で全て連通することで共通の排出流路を形成している。そして、各第2流路34bは、大気に連通している。
【0033】
<第2排出流路35>
図3に示すように、第2排出流路35は、第1流路35aと、第2流路35bと、をそれぞれ有している。第1流路35aは、載置面30aからマニホールドベース30における載置面30aとは反対側の面30bに向けて延びている。第1流路35aにおける載置面30a側の端部は、第2排出ポートR2に連通している。第1流路35aにおける載置面30aとは反対側の端部は、第2流路35bに連通している。したがって、第2流路35bは、第1流路35aにおける載置面30aとは反対側の端部に連通している。
【0034】
第2流路35bは、第1流路35aの延在方向に対して直交する方向に延びている。したがって、第2流路35bは、第1流路35aの延在方向に対して交差する方向に延びている。第2流路35bは、マニホールドベース30の幅方向に延びている。第2流路35bの第1端は、マニホールドベース30の第1側面30cに開口している。第2流路35bの第2端は、マニホールドベース30の第2側面30dに開口している。したがって、第2流路35bは、マニホールドベース30を幅方向に貫通している。並設方向で隣り合うマニホールドベース30の第2流路35b同士は、互いに連通している。したがって、各マニホールドベース30の第2流路35bは、並設方向で全て連通することで共通の排出流路を形成している。そして、各第2流路35bは、大気に連通している。
【0035】
<ガスケット36>
図1に示すように、電磁弁マニホールド10は、環状のガスケット36を備えている。ガスケット36は、例えば、薄板状である。ガスケット36は、各電磁弁11のバルブケーシング12と各マニホールドベース30との間をシールしている。
【0036】
<逆止弁40>
電磁弁マニホールド10は、逆止弁40を備えている。逆止弁40は、第1排出流路34内、及び第2排出流路35内にそれぞれ配置されている。なお、以下の説明では、第1排出流路34内に配置されている逆止弁40を「第1逆止弁40A」と記載し、第2排出流路35内に配置されている逆止弁40を「第2逆止弁40B」と記載する場合もある。第1逆止弁40Aは、第1排出ポートR1から第1排出流路34への流体の流れを許容し、且つ第1排出流路34から第1排出ポートR1への流体の流れを阻止する。第2逆止弁40Bは、第2排出ポートR2から第2排出流路35への流体の流れを許容し、且つ第2排出流路35から第2排出ポートR2への流体の流れを阻止する。なお、第1逆止弁40Aの構成は、第2逆止弁40Bの構成と同じであるため、第1逆止弁40A及び第2逆止弁40Bそれぞれのことを単に「逆止弁40」と記載する場合もある。
【0037】
図4に示すように、逆止弁40は、弁体41と、弁ハウジング42と、付勢部材43と、を有している。弁ハウジング42は、電磁弁11のバルブボディ13とは別部材である。
【0038】
<弁ハウジング42>
弁ハウジング42は、ハウジング本体44と、ハウジングカバー45と、を有している。ハウジング本体44は、筒状である。ハウジングカバー45は、板状の端壁45aと、筒状の周壁45bと、を有している。周壁45bは、端壁45aの外周部から円筒状に延びている。ハウジングカバー45は、周壁45bにおける端壁45aとは反対側の端部が、ハウジング本体44の外周面に係止されることにより、ハウジング本体44に取り付けられている。
【0039】
<弁室46>
弁ハウジング42は、弁室46を有している。弁室46は、ハウジング本体44とハウジングカバー45とによって区画されている。具体的には、弁室46は、ハウジング本体44の軸方向の一方に位置する第1端面と、ハウジングカバー45の端壁45a及び周壁45bとによって区画される空間である。したがって、弁ハウジング42は、弁室46を区画する筒状の周壁45bを有している。弁室46は、弁体41を収容する。弁体41における弁室46内での移動方向は、周壁45bの軸方向に一致している。
【0040】
<弁孔47>
ハウジング本体44は、弁孔47を有している。したがって、弁ハウジング42は、弁孔47を有している。弁孔47は、ハウジング本体44の軸方向に貫通している。弁孔47の第1端は、ハウジング本体44の第1端面に開口している。したがって、弁孔47は、弁室46に連通している。弁孔47の第2端は、ハウジング本体44の軸方向の他方に位置する第2端面に開口している。
【0041】
<弁座48>
ハウジング本体44は、弁座48を有している。したがって、弁ハウジング42は、弁座48を有している。弁座48は、ハウジング本体44の第1端面であって、弁孔47における弁室46側の開口の周囲の部位から弁室46内へ環状に突出している。したがって、弁座48は、弁ハウジング42の一部であって、弁孔47における弁室46側の開口の周囲の部位から弁室46内へ環状に突出している。弁座48には、弁体41が着座する。弁体41は、弁室46内を周壁45bの軸方向に往復動することで弁座48に対して接離する方向へ移動する。
【0042】
<付勢部材43>
付勢部材43は、弁体41を弁座48に向けて付勢する。付勢部材43は、ばねである。付勢部材43は、弁室46に収容されている。付勢部材43の第1端は、ハウジングカバー45の端壁45aに支持されている。付勢部材43の第2端は、弁体41における弁座48とは反対側の面である背面41aに支持されている。
【0043】
<排出口49>
ハウジングカバー45は、排出口49を有している。したがって、弁ハウジング42は、排出口49を有している。排出口49は、周壁45bに複数形成されている。本実施形態では、排出口49は、周壁45bに4つ形成されている。4つの排出口49は、周壁45bの周方向で等間隔置きに配置されている。したがって、4つの排出口49は、周壁45bの周方向で90度置きに配置されている。各排出口49は、周壁45bを貫通している。
【0044】
ハウジングカバー45は、各排出口49におけるハウジング本体44側の縁部が、ハウジング本体44の第1端面に連続するように、ハウジング本体44に取り付けられている。これにより、各排出口49の一部は、弁体41の移動方向に対して直交する方向で弁座48と重なっている。
【0045】
<呼吸孔50>
ハウジングカバー45は、呼吸孔50を有している。したがって、弁ハウジング42は、呼吸孔50を有している。呼吸孔50は、周壁45bにおける端壁45a寄りの部位に複数形成されている。各呼吸孔50は、周壁45bを貫通している。
【0046】
<弁体41>
弁体41は、弁座48に着座することにより、弁孔47と弁室46との連通を遮断する。したがって、弁体41が弁座48に着座している状態は、逆止弁40が閉弁している状態である。一方で、弁体41は、弁座48から離間することにより、弁孔47と弁室46との連通を許容する。したがって、弁体41が弁座48から離間している状態は、逆止弁40が開弁している状態である。
【0047】
<漏れ検出用溝51>
図5及び
図6に示すように、弁体41には、漏れ検出用溝51が形成されている。漏れ検出用溝51は、弁体41の背面41aであって、弁体41の移動方向で弁座48に重なる部分の一部に形成されている。本実施形態では、漏れ検出用溝51は、弁体41の背面41aに2つ形成されている。
【0048】
<フランジ部52>
図4に示すように、ハウジング本体44は、フランジ部52を有している。したがって、弁ハウジング42は、フランジ部52を有している。フランジ部52は、ハウジング本体44の外周面における第2端面側の部位からハウジング本体44の軸方向に対して直交する方向に延びる薄板状である。本実施形態では、フランジ部52は、ハウジング本体44から2つ突出している。なお、
図4では、図示の都合上、2つのフランジ部52のうちの1つだけを図示している。
【0049】
<第1逆止弁40Aと第1排出流路34との関係>
図2及び
図7に示すように、第1逆止弁40Aは、周壁45bの軸方向が第1流路34aの延在方向に一致した状態で、第1排出流路34に挿入されている。なお、ハウジング本体44と第1流路34aとの間は、シール部材53によってシールされている。そして、
図2に示すように、周壁45bにおける排出口49が形成されている部位は、第1流路34aから第2流路34bに突出している。したがって、第1逆止弁40Aは、周壁45bの軸方向が第1流路34aの延在方向に一致するとともに、少なくとも周壁45bにおける排出口49が形成されている部位が、第1流路34aから第2流路34bに突出した状態で、第1排出流路34内に配置されている。さらに、4つの排出口49のうちの2つの排出口49は、当該2つの排出口49の軸方向と第2流路34bの延在方向とが一致した状態で、第2流路34bに連通している。各排出口49は、第2流路34bに連通している。したがって、各排出口49は、弁室46と第1排出流路34とを連通している。また、各呼吸孔50は、弁体41の背面41aと弁ハウジング42との間の空間と、第1排出流路34の第2流路34bとを連通している。
【0050】
図7に示すように、各フランジ部52は、載置面30aにおける第1流路34aの開口の周囲に載置されている。そして、バルブボディ13がマニホールドベース30に取り付けられることにより、各フランジ部52は、バルブボディ13とマニホールドベース30とで挟持されている。第1逆止弁40Aは、各フランジ部52が、バルブボディ13とマニホールドベース30とで挟持されることにより、第1排出流路34に対して着脱可能に配置されている。第1逆止弁40Aの弁孔47は、弁室46と第1排出ポートR1とを連通している。
【0051】
<第2逆止弁40Bと第2排出流路35との関係>
図3及び
図7に示すように、第2逆止弁40Bは、周壁45bの軸方向が第1流路35aの延在方向に一致した状態で、第2排出流路35に挿入されている。なお、ハウジング本体44と第1流路35aとの間は、シール部材53によってシールされている。そして、
図3に示すように、周壁45bにおける排出口49が形成されている部位は、第1流路35aから第2流路35bに突出している。したがって、第2逆止弁40Bは、周壁45bの軸方向が第1流路35aの延在方向に一致するとともに、少なくとも周壁45bにおける排出口49が形成されている部位が、第1流路35aから第2流路35bに突出した状態で、第2排出流路35内に配置されている。さらに、4つの排出口49のうちの2つの排出口49は、当該2つの排出口49の軸方向と第2流路35bの延在方向とが一致した状態で、第2流路35bに連通している。各排出口49は、第2流路35bに連通している。したがって、各排出口49は、弁室46と第2排出流路35とを連通している。また、各呼吸孔50は、弁体41の背面41aと弁ハウジング42との間の空間と、第2排出流路35の第2流路35bとを連通している。
【0052】
図7に示すように、各フランジ部52は、載置面30aにおける第1流路35aの開口の周囲に載置されている。そして、バルブボディ13がマニホールドベース30に取り付けられることにより、各フランジ部52は、バルブボディ13とマニホールドベース30とで挟持されている。第2逆止弁40Bは、各フランジ部52が、バルブボディ13とマニホールドベース30とで挟持されることにより、第2排出流路35に対して着脱可能に配置されている。第2逆止弁40Bの弁孔47は、弁室46と第2排出ポートR2とを連通している。
【0053】
[実施形態の作用]
次に、本実施形態の作用について説明する。
例えば、スプール弁17が第1位置に切り換えられている場合、供給ポートPに供給されている流体は、第1出力ポートA及び第1出力流路32を介して流体圧機器に出力される。そして、流体圧機器からの流体が、第2出力流路33、第2出力ポートB、及び第2排出ポートR2を介して第2排出流路35へ流れ込もうとする。
【0054】
このとき、第2排出ポートR2を介して第2排出流路35へ流れ込もうとする流体の圧力が、付勢部材43の付勢力に抗することにより、弁体41が弁座48から離間する。これにより、第2逆止弁40Bが開弁状態となる。各排出口49の一部は、弁体41の移動方向に対して直交する方向で弁座48と重なっている。したがって、弁体41が弁座48から離間すると、第2排出ポートR2から弁孔47を介して弁室46に流出した流体は、排出口49に至るまでの間で、弁体41と周壁45bとの間の隙間を通過することが無い。よって、第2排出ポートR2から弁孔47を介して弁室46に流出した流体は、弁体41と周壁45bとの間の隙間を通過せずに、各排出口49を介して第2排出流路35へ排出される。したがって、流体が第2排出ポートR2から第2排出流路35へスムーズに排出される。第2排出流路35へ排出された流体は、第2排出流路35から外部へ排出される。
【0055】
また、第2逆止弁40Bの弁体41が弁座48から離間したときに、弁体41の背面41aと弁ハウジング42との間の流体が各呼吸孔50を介して第2排出流路35へ排出される。よって、第2逆止弁40Bの各呼吸孔50は、弁体41の背面41aと弁ハウジング42との間の流体を第2排出流路35へ排出する。したがって、弁体41が弁座48から離間したときに、弁体41の背面41aと弁ハウジング42との間の圧力が上昇することで、弁体41が弁座48に向けて押し戻されてしまうといった問題が回避されている。その結果として、弁体41が弁座48から離間したときに弁体41が振動してしまうことが抑制されている。
【0056】
第1逆止弁40Aの弁体41は、付勢部材43の付勢力によって、弁座48に着座している。これにより、第1逆止弁40Aが閉弁状態となっている。したがって、別の電磁弁11から排出されて第2流路34bを流れる流体が、第1排出ポートR1へ逆流することが回避されている。したがって、電磁弁11が誤動作してしまうことが回避されている。
【0057】
一方で、
図1に示すように、スプール弁17が第2位置に切り換えられている場合、供給ポートPに供給されている流体は、第2出力ポートB及び第2出力流路33を介して流体圧機器に出力される。そして、流体圧機器からの流体が、第1出力流路32、第1出力ポートA、及び第1排出ポートR1を介して第1排出流路34へ流れ込もうとする。
【0058】
このとき、第1排出ポートR1を介して第1排出流路34へ流れ込もうとする流体の圧力が、付勢部材43の付勢力に抗することにより、弁体41が弁座48から離間する。これにより、第1逆止弁40Aが開弁状態となる。各排出口49の一部は、弁体41の移動方向に対して直交する方向で弁座48と重なっている。したがって、弁体41が弁座48から離間すると、第1排出ポートR1から弁孔47を介して弁室46に流出した流体は、排出口49に至るまでの間で、弁体41と周壁45bとの間の隙間を通過することが無い。よって、第1排出ポートR1から弁孔47を介して弁室46に流出した流体は、弁体41と周壁45bとの間の隙間を通過せずに、各排出口49を介して第1排出流路34へ排出される。したがって、流体が第1排出ポートR1から第1排出流路34へスムーズに排出される。第1排出流路34へ排出された流体は、第1排出流路34から外部へ排出される。
【0059】
また、第1逆止弁40Aの弁体41が弁座48から離間したときに、弁体41の背面41aと弁ハウジング42との間の流体が各呼吸孔50を介して第1排出流路34へ排出される。よって、第1逆止弁40Aの各呼吸孔50は、弁体41の背面41aと弁ハウジング42との間の流体を第1排出流路34へ排出する。したがって、弁体41が弁座48から離間したときに、弁体41の背面41aと弁ハウジング42との間の圧力が上昇することで、弁体41が弁座48に向けて押し戻されてしまうといった問題が回避されている。その結果として、弁体41が弁座48から離間したときに弁体41が振動してしまうことが抑制されている。
【0060】
第2逆止弁40Bの弁体41は、付勢部材43の付勢力によって、弁座48に着座している。これにより、第2逆止弁40Bが閉弁状態となっている。したがって、別の電磁弁11から排出されて第2流路35bを流れる流体が、第2排出ポートR2へ逆流することが回避されている。したがって、電磁弁11が誤動作してしまうことが回避されている。
【0061】
図8に示すように、例えば、作業者が、第1逆止弁40Aの弁体41の背面41aが弁座48に対向するように、弁体41を弁室46に誤って収容してしまったとする。この場合、弁体41が弁座48に着座したときに、弁孔47と弁室46とが漏れ検出用溝51を介して連通する。したがって、第1排出ポートR1と第1排出流路34とが常に連通した状態となるため、作業者は、流体の漏れを検出することで、誤組付を把握することが可能となる。なお、例えば、作業者が、第2逆止弁40Bの弁体41の背面41aが弁座48に対向するように、弁体41を弁室46に誤って収容してしまった場合も同様であるため、その詳細な説明を省略する。
【0062】
[実施形態の効果]
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。なお、第1逆止弁40Aに関する効果と第2逆止弁40Bに関する効果とは同じであるため、以下の効果の説明では、第1逆止弁40Aに関する効果のみ説明する。
【0063】
(1)第1逆止弁40Aは、第1排出流路34内に配置されている。排出口49の一部は、弁体41の移動方向に対して直交する方向で弁座48と重なっている。これによれば、弁体41が弁座48から離間すると、第1排出ポートR1から弁孔47を介して弁室46に流出した流体は、排出口49に至るまでの間で、弁体41と周壁45bとの間の隙間を通過することが無い。よって、第1排出ポートR1から弁孔47を介して弁室46に流出した流体は、弁体41と周壁45bとの間の隙間を通過せずに、排出口49を介して第1排出流路34へ排出される。したがって、流体が第1排出ポートR1から第1排出流路34へスムーズに排出されるため、流体の圧力損失を抑えることができる。
【0064】
(2)排出口49は、排出口49の軸方向と第2流路34bの延在方向とが一致した状態で、第2流路34bに連通している。このため、排出口49からの排出先に第1排出流路34を形成する壁面が存在しない。したがって、第1排出ポートR1から弁孔47を介して弁室46に流出した流体が、第1排出流路34の壁面に衝突すること無く、排出口49を介して第2流路34bにスムーズへ排出される。よって、流体の圧力損失をさらに抑え易くすることができる。
【0065】
(3)弁ハウジング42は、弁体41における弁座48とは反対側の面である背面41aと弁ハウジング42との間の流体を第1排出流路34へ排出する呼吸孔50を有している。これによれば、例えば、弁体41が弁座48から離間したときに、弁体41の背面41aと弁ハウジング42との間の流体を呼吸孔50を介して第1排出流路34へ排出することができる。したがって、弁体41が弁座48から離間したときに、弁体41の背面41aと弁ハウジング42との間の圧力が上昇することで、弁体41が弁座48に向けて押し戻されてしまうといった問題を回避することができる。その結果として、弁体41が弁座48から離間したときに弁体41が振動してしまうことを抑制することができるため、信頼性の向上を図ることができる。
【0066】
(4)弁ハウジング42は、電磁弁11のバルブボディ13とは別部材である。弁ハウジング42は、バルブボディ13とマニホールドベース30とで挟持されるフランジ部52を有している。これによれば、例えば、第1逆止弁40Aのメンテナンスを行う際に、フランジ部52におけるバルブボディ13とマニホールドベース30との挟持を解除することにより、第1逆止弁40Aを第1排出流路34から取り出すことができる。弁ハウジング42が、電磁弁11のバルブボディ13とは別部材であるため、例えば、第1逆止弁40Aを新しい第1逆止弁40Aに取り換える必要がある場合に、バルブボディ13も新しいバルブボディ13に取り換える必要が無い。したがって、コストの削減を図ることができる。
【0067】
(5)弁体41における弁座48とは反対側の面である背面41aであって、弁体41の移動方向で弁座48に重なる部分の一部には、漏れ検出用溝51が形成されている。これによれば、例えば、作業者が、弁体41の背面41aが弁座48に対向するように、弁体41を弁室46に誤って収容してしまったとしても、弁体41が弁座48に着座したときに、弁孔47と弁室46とが漏れ検出用溝51を介して連通する。したがって、第1排出ポートR1と第1排出流路34とが常に連通した状態となるため、作業者は、流体の漏れを検出することで、誤組付を把握することが可能となる。
【0068】
[変更例]
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0069】
・実施形態において、排出口49の一部が、弁体41の移動方向に対して直交する方向で弁座48と重なっていたが、これに限らず、例えば、排出口49の全ての部分が、弁体41の移動方向に対して直交する方向で弁座48と重なっていてもよい。要は、排出口49は、少なくとも一部が弁体41の移動方向に対して直交する方向で弁座48と重なっていればよい。
【0070】
・実施形態において、排出口49が、排出口49の軸方向と第2流路34b,35bの延在方向とが一致した状態で、第2流路34b,35bに連通していなくてもよい。
・実施形態において、排出口49は、周壁45bに4つ形成されていたが、これに限らず、周壁45bに形成される排出口49の数は特に限定されるものではない。例えば、周壁45bの排出口49が6つ形成されており、6つの排出口49が、周壁45bの周方向で等間隔置きに配置されていてもよい。したがって、6つの排出口49は、周壁45bの周方向で60度置きに配置されていてもよい。
【0071】
・実施形態において、呼吸孔50は、周壁45bにおける端壁45a寄りの部位に複数形成されていたが、これに限らず、例えば、端壁45aに形成されていてもよい。要は、呼吸孔50は、弁体41の背面41aと弁ハウジング42との間の流体を第1排出流路34又は第2排出流路35へ排出可能であればよい。
【0072】
・実施形態において、弁ハウジング42は、呼吸孔50を有していなくてもよい。
・実施形態において、弁体41の背面41aには、漏れ検出用溝51が形成されていなくてもよい。
【0073】
・実施形態において、付勢部材43は、ばねでなくてもよく、例えば、ゴム部材のような弾性変形可能な弾性体であってもよい。要は、付勢部材43は、弁体41を弁座48に向けて付勢する部材であればよい。
【0074】
・実施形態において、例えば、弁ハウジング42と電磁弁11のバルブボディ13とが一体形成されていてもよい。この場合、フランジ部52は不要である。
・実施形態において、電磁弁11は、ダブルソレノイドタイプのパイロット形電磁弁であったが、これに限らず、例えば、パイロット弁が1つだけ搭載されたシングルソレノイドタイプのパイロット形電磁弁であってもよい。
【0075】
・実施形態において、電磁弁11は、例えば、第2排出ポートR2を省略した4ポート電磁弁であってもよい。要は、電磁弁11は、少なくとも1つの排出ポートを有していればよい。また、電磁弁11は、供給ポート、出力ポート、及び排出ポートを有する3ポート電磁弁であってもよい。
【符号の説明】
【0076】
10…電磁弁マニホールド、11…電磁弁、13…バルブボディ、30…マニホールドベース、30a…載置面、34…排出流路である第1排出流路、34a,35a…第1流路、34b,35b…第2流路、35…排出流路である第2排出流路、40…逆止弁、40A…逆止弁である第1逆止弁、40B…逆止弁である第2逆止弁、41…弁体、41a…背面、42…弁ハウジング、43…付勢部材、45b…周壁、46…弁室、47…弁孔、48…弁座、49…排出口、50…呼吸孔、51…漏れ検出用溝、52…フランジ部、R1…排出ポートである第1排出ポート、R2…排出ポートである第2排出ポート。