(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023122364
(43)【公開日】2023-09-01
(54)【発明の名称】保持装置
(51)【国際特許分類】
F16M 11/22 20060101AFI20230825BHJP
【FI】
F16M11/22 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022026031
(22)【出願日】2022-02-22
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】000116596
【氏名又は名称】愛知株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】熊澤 工
(57)【要約】
【課題】様々な保持対象物を特定の位置に保持することができる保持装置を提供する。
【解決手段】所定の保持対象物を保持する保持装置は、支持部と、柱部と、を備える。支持部は、設置面に配置される。柱部は、支持部によって支持される。また、柱部は、上下方向に延びる扁平な部材である延出部を含む。また、柱部は、保持対象物を保持する保持部を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の保持対象物を保持する保持装置であって、
設置面に配置される支持部と、
前記支持部によって支持される柱部と、
を備え、
前記柱部は、上下方向に延びる扁平な部材である延出部を含み、
前記柱部は、前記保持対象物を保持する保持部を有する、保持装置。
【請求項2】
請求項1に記載の保持装置であって、
前記保持部は、磁石が吸着可能な部分である吸着部を有する、保持装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の保持装置であって、
前記柱部は、前記支持部から間隔を空けた上方の位置において、前記延出部に対して傾斜して延びる拡大部を有する、保持装置。
【請求項4】
請求項3に記載の保持装置であって、
少なくとも前記拡大部が前記保持部を有する、保持装置。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載の保持装置であって、
少なくとも、前記延出部における前記拡大部と接続する部分と、前記拡大部における前記延出部と接続する部分と、は同一の材料で構成されている、保持装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の保持装置であって、
前記柱部は、水平方向に長さを有し、下方に手指を配置して握ることが可能に構成された手掛け部を有する、保持装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の保持装置であって、
前記柱部は、前記柱部の長さ方向と交差する方向に延び出す、電線を巻き付け可能な少なくとも1つの巻取り部を有する、保持装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の保持装置であって、
前記柱部は、前記柱部の厚さ方向に電線が貫通可能な少なくとも1つの孔を有する、保持装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の保持装置であって、
前記延出部は、板状の部材であり、板厚が1.6mmから8.0mmである、保持装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の保持装置であって、
前記柱部は、鉄で構成されている、保持装置。
【請求項11】
請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の保持装置であって、
前記延出部は、前記支持部から延びる、保持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、プラグ差し込み口を有する配線器具が開示されている。この配線器具は、床に接地可能な接地部を備えるベース部と、ベース部に支持され、上方に延びているポール部と、ポール部の上端部に配置され、複数のプラグ差し込み口を有するプラグ接続部と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の配線器具では、予め設定された高さで、予め設定された個数のプラグしか使用できない。しかし、プラグを差し込みたい位置や、使用したいプラグの個数は、状況に応じて変化するため、使用態様や用途によっては不便さを感じてしまう場合があった。また、ケーブルを有する一般的な配線器具は、高さを調整することができず、使用する際に不便である場合がある。
【0005】
本開示の一局面は、様々な保持対象物を特定の位置に保持することができる保持装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、所定の保持対象物を保持する保持装置であって、支持部と、柱部と、を備える。支持部は、設置面に配置される。柱部は、支持部によって支持される。また、柱部は、上下方向に延びる扁平な部材である延出部を含む。また、柱部は、保持対象物を保持する保持部を有する。このような構成によれば、例えば配線器具の差込口部分を保持対象物として保持部により保持することで、様々な保持対象物を保持部の位置に保持することができる。
【0007】
本開示の一態様では、保持部は、磁石が吸着可能な部分である吸着部を有してもよい。このような構成によれば、磁石を吸着させることで保持対象物を柱部の所定の位置にて保持することができる。よって、様々な保持対象物を保持部の位置に保持することができる。
【0008】
本開示の一態様では、柱部は、支持部から間隔を空けた上方の位置において、延出部に対して傾斜して延びる拡大部を有してもよい。このような構成によれば、上下に延びる部分と傾斜して延びる部分とを組み合わせることによって、単に上下に真っ直ぐに延びる板のみを備える構成と比較して、目に留まり易く、外観を印象的なものとすることができる。また、例えば、使用者は拡大部を持って保持装置を持ち運ぶことができる。
【0009】
本開示の一態様では、少なくとも拡大部が保持部を有してもよい。このような構成によれば、拡大部にて保持対象物を保持することができる。
本開示の一態様では、少なくとも、延出部における拡大部と接続する部分と、拡大部における延出部と接続する部分と、は同一の材料で構成されていてもよい。このような構成によれば、一体感のある外観を創出することができる。
【0010】
本開示の一態様では、柱部は、水平方向に長さを有し、下方に手指を配置して握ることが可能に構成された手掛け部を有してもよい。このような構成によれば、使用者が容易に保持装置を持ち運ぶことができる。
【0011】
本開示の一態様では、柱部は、柱部の長さ方向と交差する方向に延び出す、電線を巻き付け可能な少なくとも1つの巻取り部を有してもよい。このような構成によれば、保持対象物が電線を備える場合に、その電線を巻取り部にてまとめることができる。よって、電線が乱雑に置かれることによる美観の低下を抑制することができる。
【0012】
本開示の一態様では、柱部は、柱部の厚さ方向に電線が貫通可能な少なくとも1つの孔を有してもよい。このような構成によれば、保持対象物が電線を備える場合に、電線を孔に通すことによって電線を案内し、すっきりと配線することができる。よって、美観を損ねずに保持対象物を保持することができる。
【0013】
本開示の一態様では、延出部は、板状の部材であり、板厚が1.6mmから8.0mmであってもよい。このような構成によれば、延出部が狭い隙間を通過するように保持装置を配置することができる。よって、使用者が保持装置を配置することによって違和感を受けることを抑制できる。多くの使用例のうちの一つとしては、机と机との間に大きな間隙を空けることなく、延出部を挟み込むように保持装置を配置することができる。
【0014】
本開示の一態様では、柱部は、鉄で構成されていてもよい。このような構成によれば、高い剛性と柔軟性を備えるため、破損しにくい柱部を形成することができる。また、柱部のいずれの位置においても磁石を吸着させることが可能となる。よって、柱部のいずれの位置に置いても磁石を有する保持対象物を保持することができる。なお、ここでいう鉄とは、主たる金属を鉄として、様々な元素が含まれる金属材料を含む。
【0015】
本開示の一態様では、延出部は、支持部から延びてもよい。このような構成によれば、一体感のある外観を創出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】
図2Aは第1実施形態の保持装置の正面図であり、
図2Bは第1実施形態の保持装置の平面図であり、
図2Cは第1実施形態の保持装置の底面図であり、
図2Dは第1実施形態の保持装置の側面図であり、
図2Eは第1実施形態の保持装置の背面図である。
【
図3】
図3は第1実施形態の保持装置における使用態様の一例を説明するための図である。
【
図4】
図4A~4Cは第2実施形態の保持装置の斜視図である。
【
図5】
図5Aは第2実施形態の保持装置の正面図であり、
図5Bは第2実施形態の保持装置の平面図であり、
図5Cは第2実施形態の保持装置の底面図であり、
図5Dは第2実施形態の保持装置の側面図であり、
図5Eは第2実施形態の保持装置の背面図である。
【
図6】
図6は第2実施形態の保持装置における使用態様の一例を説明するための図である。
【
図8】
図8Aは第3実施形態の保持装置の正面図であり、
図8Bは第3実施形態の保持装置の平面図であり、
図8Cは第3実施形態の保持装置の底面図であり、
図8D,8Eは第3実施形態の保持装置の側面図であり、
図8Fは第3実施形態の保持装置の背面図である。
【
図9】第3実施形態の保持装置の使用例の一例を示す図である。
【
図13】
図13Aは第3実施形態の変形例における保持装置の正面図であり、
図13Bは第3実施形態の変形例における保持装置の平面図であり、
図13Cは第3実施形態の変形例における保持装置の底面図であり、
図13D,13Eは第3実施形態の変形例における保持装置の側面図であり、
図13Fは第3実施形態の変形例における保持装置の背面図である。
【
図15】第3実施形態の変形例における保持装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本開示の例示的な実施形態について図面を参照しながら説明する。
[1.第1実施形態]
[1-1.構成]
図1A,1B,2A~2Eに示されるように、保持装置1は、所定の保持対象物10を保持するための装置である。所定の保持対象物10とは、一例として電源タップである。本実施形態において保持対象物10は、磁石を内蔵しており、強磁性体を有する部材に吸着可能に構成されている。
【0018】
保持装置1は、支持部11と、柱部12と、を備える。
支持部11は、設置面3に配置される。支持部11は、設置面3に沿って広がる板状の部材である。設置面3とは、一例として床面のことである。支持部11は、略U字型の部分であって、第1折曲げ部13と接続する主部11aと、主部11aから延び出す一対の側部11bと、を有する。一対の側部11bの間の間隔L1は、延出部21の幅とほぼ等しく、僅かに大きい。なお、支持部11の形状はこれに限定されるものではない。支持部11の形状は、全体が矩形であってもよいし、円形であってもよい。また、設置面3とは床面以外であってもよく、例えば屋外の地面であってもよい。
【0019】
柱部12は、支持部11によって支持される。柱部12は、強磁性体を有する金属により構成されている。一例として、柱部12は鉄である。柱部12は、板状の部材であり、板厚が3.2mm程度である。柱部12は、延出部21と、拡大部22と、を備える。
【0020】
延出部21は、上下方向に延びる扁平な部材である。延出部21は、一例として、支持部11から鉛直方向に延びる長尺状の部材である。なお、延出部21は、支持部11から鉛直方向に対して傾斜して延びる部材であってもよいし、蛇行するように延びる部材であってもよい。
【0021】
支持部11と延出部21とは、第1折曲げ部13を介して接続している。具体的には、支持部11と延出部21とは、第1折曲げ部13を中心にして90度に折れ曲がっている。支持部11と延出部21とは同一材料から形成されるため、新たに延出部21を形成するための別の部品を取り付ける必要がなくなる。
【0022】
拡大部22は、支持部11から間隔を空けた上方の位置において、延出部21に対して傾斜して延びる部材である。一例として、拡大部22は、支持部11から間隔を空けた上方の位置において、延出部21に対して略水平に延びる部材である。拡大部22は、略矩形の形状を有する。
【0023】
延出部21と拡大部22とは、第2折曲げ部14を介して接続している。具体的には、延出部21と拡大部22とは、第2折曲げ部14を中心にして90度に折れ曲がっている。延出部21と拡大部22とは同一材料から形成されるため、新たに拡大部22を形成するための別の部品を取り付ける必要がなくなる。
【0024】
柱部12には吸着部23が設けられている。吸着部23は、磁石が吸着可能な部分である。本実施形態では、柱部12が強磁性体を有する金属により構成されているため、柱部12の全域が吸着部23に相当する。
【0025】
柱部12には手掛け部24が設けられている。手掛け部24は、水平方向に長さを有し、下方に手指を配置して握ることが可能に構成されている。一例として、手掛け部24は、使用者が保持装置1を持ち運ぶための手掛けとなる貫通孔である。貫通孔は、拡大部22に形成される。貫通孔は、略長方形の形状を有する。貫通孔の長手方向と、拡大部22の長手方向とは、略平行である。貫通孔は、第2折曲げ部14から保持対象物10を載置可能な間隔を空けて形成される。
【0026】
延出部21には巻取り部25が設けられている。巻取り部25は、延出部21の長さ方向と交差する方向に延び出す、電線10aを巻き付け可能な部材である。一例として巻取り部25は、2つの突起25aを有する。2つの突起25aは、上下に間隔を空けて延出部21に配置される。2つの突起25aは、それぞれ、円柱部31と、係止部32と、を備える。円柱部31は、延出部21から側方に延び出す円柱状の部材である。係止部32は、円柱部31の延び出した端部に設けられ、円柱部31の軸から放射状に広がる円盤状の部材である。
【0027】
巻取り部25の使用例を
図1Bを用いて説明する。拡大部22に載置された保持対象物10から延び出す電線10aを、2つの突起25aのうち、下部に設けられた突起と上部に設けられた突起とに交互に引っ掛ける。電線10aが長い場合、さらに、下部に設けられた突起と上部に設けられた突起に繰り返し電線10aを巻き付けてもよい。また、電線10aの保持対象物10とは異なる側の端部を後述する孔部26に通すことで、電線10aが孔部26に通される。これは、巻取り部25への電線10aの巻付けの後に行ってもよいし、巻付けの前に行ってもよい。
【0028】
延出部21には孔部26が設けられている。孔部26は、柱部12の厚さ方向に貫通する孔である。保持対象物10に接続する電線10aは、柱部12の一方の面から、孔部26を通って柱部12の他方の面へ貫通可能である。
【0029】
[1-2.効果]
以上詳述した第1実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1a)吸着部23は、磁石が吸着可能な部分であり、柱部12の全域が吸着部23に相当する。このような構成によれば、柱部12のいずれの位置においても、保持対象物10を吸着させることができ、保持対象物10を任意の位置で保持することができる。延出部21に保持対象物10を吸着させることで、複数人で保持対象物10を用いることもできる。また、電源タップ以外の保持対象物も任意の位置で保持することができる。また保持装置1は、複数の保持対象物を保持することもできる。
【0030】
(1b)拡大部22は、支持部11から間隔を空けた上方の位置において、延出部21に対して略水平に延びる部材である。このような構成によれば、
図1Bに示されるように、拡大部22に保持対象物10を吸着させて使用することが容易になる。また、使用者の手の届きやすい位置に保持対象物10を保持することができる。
【0031】
(1c)支持部11と延出部21とは同一の材料で構成されている。このような構成によれば、一体感のある外観を創出することができる。
(1d)手掛け部24は、使用者が保持装置1を持ち運ぶための手掛けとなる貫通孔であり、拡大部22に形成される。このような構成によれば、貫通孔に手指を挿入して手掛け部24を握ることで、容易に保持装置1を持ち運ぶことができる。
【0032】
(1e)保持装置1は、2つの突起25aを有する巻取り部25を備える。このような構成によれば、保持対象物10が備える電線10aをまとめることができる。よって、美観を損ねずに保持対象物10を保持することができる。また、使用者が保持対象物10と保持装置1とを持ち運ぶときに、電線10aが邪魔になるのを抑制することができる。
【0033】
(1f)柱部12は、板状の部材であり、板厚が3.2mm程度である。このような構成によれば、
図3に示されるように、机と机との間に大きな間隙を空けることなく、延出部21を挟むことができる。よって、使用者が違和感をもつことなく、机と机との間に保持装置1を配置することができる。
【0034】
(1g)柱部12は、鉄により構成されている。このような構成によれば、高い剛性と柔軟性を備えるため、破損しにくい丈夫な柱部12を形成することができる。また、柱部12のいずれの位置においても磁石を吸着させることが可能となる。よって、柱部12のいずれの位置に置いても磁石を有する保持対象物を保持することができる。なお、ここでいう鉄とは、いわゆる鉄鋼を意味しており、主たる金属を鉄として、様々な元素が含まれる金属材料を含む。すなわち、鋼、鉄合金、特殊鋼なども、ここでいう鉄に含まれる。
【0035】
(1h)延出部21は、支持部11から延びる構成である。このような構成によれば、例えば延出部21と支持部11との間に、両者を接続する中間部材が介在する構成と比較して、一体感のある外観を創出することができる。
【0036】
(1i)一対の側部11bの間の間隔L1は、延出部21の幅とほぼ等しく、僅かに大きい。このような構成によれば、複数の保持装置1をスタッキングすることができる。このとき、各保持装置1の支持部11と拡大部22とが上下に重なり、各保持装置1の延出部21が延出部21の厚さ方向に重なる。
【0037】
[2.第2実施形態]
第2実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0038】
第1実施形態の保持装置1では、拡大部22が、支持部11から間隔を空けた上方の位置において、延出部21に対して略水平に延びる部材である構成を例示した。一方、第2実施形態の保持装置100では、
図4A~4C,
図5A~5Eに示されるように、柱部112の有する拡大部122は、支持部11から間隔を空けた上方の位置において、延出部21に対して水平よりも上方に向かって延びる部材である。
【0039】
また、第1実施形態では、拡大部22が、略矩形の形状を有する構成を例示した。一方、第2実施形態では、拡大部122の形状は、三角形に構成されている。また、手掛け部124の形状も、三角形に構成されている。
【0040】
上述した構成によれば、実施形態1の効果に加えて、次の効果を奏する。
図6に示されるように、延出部21に保持対象物10を吸着させることで、複数人で保持対象物10を用いることができる。なお、拡大部122に保持対象物10を吸着させて用いることもできる。また、保持装置1を使用者が持ち運ぶときにも、三角形の手掛け部124に手指を挿入して手掛け部124を握ることで、容易に保持装置1を持ち運ぶことができる。
なお本実施形態においては、柱部112全体が吸着部に相当する。
【0041】
[3.第3実施形態]
第3実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0042】
第1実施形態では、巻取り部25が突起を有する構成を例示した。一方、第3実施形態の保持装置200では、
図7A,7B,
図8A~8Fに示されるように、柱部212の有する巻取り部225は、略矩形の本体部41と、2つの張出部42と、を備える。張出部42は、本体部41における第3折曲げ部15とは反対側の角部に設けられる。張出部42は、本体部41の角部から、延出部21の長さ方向と同じ方向、即ち上下に出っ張る部分である。この巻取り部225を用いて電線10aを保持する場合には、
図9に示されるように、延出部21と張出部42との間に形成される溝を通すように電線10aを巻き付けることができる。巻取り部225では、張出部42が上下に出っ張っていることにより、電線10aが本体部41から抜け落ちることを抑制できる。
【0043】
延出部21と巻取り部225とは、第3折曲げ部15を介して接続している。具体的には、延出部21と巻取り部225とは、第3折曲げ部15を中心にして90度に折れ曲がっている。より詳しくは、巻取り部225は、延出部21の左右の側面の一方から、外側にはみ出した位置に形成されている。よって、
図8A,8Fなどに示されるように、巻取り部225は延出部21の主たる部分よりも外側に外れて設けられる。
【0044】
上述した構成によれば、実施形態1の効果に加えて、次の効果を奏する。延出部21と巻取り部225とが同一材料から形成されるため、新たに巻取り部225を形成するための別の部品を取り付ける必要がなくなる。
【0045】
また、支持部11、延出部21、拡大部22及び巻取り部225は、全て同一材料から形成されている。本実施形態では、一枚の鉄板を第1折曲げ部13、第2折曲げ部14及び第3折曲げ部15でそれぞれ折り曲げることにより保持装置200が形成されている。これにより、上述した各部材を接続するための部材や機構が必要なくなる。
【0046】
また、支持部11における1対の側部11bの幅は、延出部21の幅よりも大きい。より詳しくは、延出部21の長さ方向と直交する方向の側面のうち、巻取り部225が形成されない方の側面と、支持部11の一方の側部11bとの間には隙間が形成されている。このような構成によれば、
図10A,10B,
図11に示されるように、巻取り部225を重ねた状態で、延出部21を密着させコンパクトに保持装置200をスタッキングすることができる。ここで、例えばスタッキングができない特許文献1の配線器具を複数収納する際には、収納スペースが増大してしまうという問題があった。しかし、本実施形態の保持装置200によれば、スタッキングすることにより、収納スペースを削減することができる。
【0047】
[第3実施形態の変形例]
図12A,12B,
図13A~13F,
図14A,14Bに示されるように、保持装置300は、拡大部22に替えて、第2実施形態と同様の拡大部122を有していてもよい。また、保持装置300は、手掛け部24に替えて、第2実施形態と同様の手掛け部124を有していてもよい。
【0048】
また、
図15に示されるように、保持装置300aは、上述した延出部21の側面から延び出す巻取り部25に替えて、延出部321から切り起こした2つの突出片325aを含む巻取り部325を有していてもよい。突出片325aは、柱部312が備える延出部321の一部を第4折曲げ部16で折り曲げることにより形成される。延出部321と突出片325aとは、第4折曲げ部16を中心にして90度に折れ曲がっている。巻取り部325は先端側が広くなったT字状に構成されてもよい。
【0049】
[4.第4実施形態]
第4実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0050】
第1実施形態では、柱部12が、全体として板状の部材である構成を例示した。一方、第4実施形態の保持装置400では、
図16A~16Cに示されるように、柱部312は、基礎部51と、延出部52と、を備える。基礎部51は、支持部411から上方に延びる、角柱状の部材である。延出部52は、基礎部51から上方に延びる。好ましくは、基礎部51の高さは、一般的な机の脚の長さと同等以下である。また、好ましくは、延出部52の高さは、机の天板の厚さと同等かそれ以上である。一例として、延出部52の高さは30mm程度である。また、一例として、延出部52は、支持部411からの高さが、600mmから800mmの間に設けられる。なお、本実施形態の支持部411は矩形である。孔部426は基礎部51に空けられた貫通孔である。また、基礎部51の側面の一部に、吸着部423が設けられる。
【0051】
上述した構成によれば、実施形態1の効果に加えて、次の効果を奏する。机と机との間に大きな間隙を空けることなく、延出部52を挟むことができる。よって、使用者が違和感をもつことなく、机と机との間に保持装置400を配置することができる。
【0052】
[5.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0053】
(5a)上記第1実施形態において、拡大部22が、延出部21に対して略水平に延びる構成を例示した。また、上記第2実施形態において、拡大部122が、延出部21に対して上方に向かって延びる構成を例示した。しかし、拡大部22,122と延出部21とがなす角度はこれに限定されるものではない。例えば、
図17A,17B及び
図18A~18Eに示される保持装置700のように、拡大部22は、延出部21に対して90°以上折れ曲がり、下方に向かって延びる構成であってもよい。保持装置700は、柱部712に、手掛け部24、巻取り部25及び孔部26を備えない構成であってもよい。手掛け部24を備えなくても、使用者は拡大部22の縁の部分を持つことで保持装置700を持ち運ぶことができる。なお、保持装置700においては、柱部712全体が吸着部に相当する。
【0054】
また、保持装置は、拡大部22,122を有しない構成であってもよい。また、延出部は、一律の幅でなくてもよい。
図19A~19Dに示される保持装置900は、拡大部を有しておらず、また、延出部921の幅が一律でない。延出部921は、上方の部分である平面部901の幅が、それより下の部分の幅よりも広い構成である。平面部901にシート状の保持対象物61を載置する際に、テープ等の補助部材を用いて位置が固定されるように構成されていてもよい。延出部921に手掛け部924が形成されていてもよい。この保持装置900においては、延出部921全体、すなわち柱部912全体が吸着部に相当する。
【0055】
また、
図20A~20Dに示される保持装置1000は、保持装置900の延出部921と同等の平面部1001を備える延出部1021を備えており、さらに、平面部1001の上端から水平方向に折れ曲がる拡大部1002を備えている。このような構成によれば、平面部1001にはシート状の保持対象物61を保持でき、拡大部1002には保持対象物10を置くように保持できる。なお、延出部1021及び拡大部1002を含む柱部1012全体が吸着部に相当する。なお拡大部1002は、平面部1001の上端から水平方向以外の角度に折れ曲がっていてもよい。
【0056】
また、拡大部22,122は、延出部21の上端部から延び出す構成でなくてもよい。例えば、拡大部22,122は、延出部21の高さ方向における中間部から延び出す構成であってもよい。
【0057】
また、延出部21の幅よりも、拡大部22,122の幅の方が大きい構成を例示したが、拡大部22,122の幅はこれに限定されるものではない。拡大部22,122の幅は、延出部21の幅と同等であってもよいし、延出部21の幅よりも小さくてもよい。
【0058】
(5b)上記第1~第3実施形態において、柱部12の全域が吸着部23に相当する構成を例示した。しかし、吸着部23が形成される位置はこれに限定されるものではない。例えば、吸着部23は、特定の位置にのみ設けられてもよい。例えば、吸着部23は、拡大部22,122のみに形成されてもよいし、延出部21のみに形成されてもよい。また、吸着部23は、拡大部22,122の一部のみに形成されてもよいし、延出部21の一部のみに形成されてもよい。
【0059】
また、保持装置は、保持部として、吸着部を有していなくてもよい。例えば、フックなど、保持対象物を引掛けて保持するように構成された保持部を有していてもよい。なお、巻取り部25,225,325には電線10a等を巻き付け保持することができるため、巻取り部25,225,325が保持部に相当することもある。また、保持部は、保持対象物を挟み込むことで保持するように構成されていてもよい。例えば
図21に示される保持装置500のように、拡大部522と、アクリル等の透明な板60とで保持対象物61を挟むことにより、シート状の保持対象物61を保持する機構を有していてもよい。この場合、拡大部522と板60が保持部に相当する。
【0060】
また例えば、保持部は、保持対象物を載置可能に構成されており、それにより保持対象物を保持可能に構成されていてもよい。また例えば、保持対象物を載置する際に、テープ等の補助部材を用いて位置が固定されるように構成されていてもよい。例えば
図22に示される保持装置600は、拡大部622に保持対象物61を載置し、さらに図示しないテープ等にて補助することで、保持対象物61が拡大部622に保持される構成であってもよい。この構成においては、拡大部622が保持部に相当する。
【0061】
(5c)上記第1~第3実施形態において、柱部12の板厚が3.2mm程度である構成を例示した。しかし、柱部12の板厚はこれに限定されるものではない。例えば、柱部12の板厚は、1.6mm以上とすることで、強度が低下しすぎることを抑制できる。また、板厚を8.0mm以下とすることで、薄さによる利点、すなわち、机と机との間に配置しても違和感がないという効果を得ることができる。もちろん、上記の範囲以外の厚さであってもよい。柱部12の板厚を1.6mm以上8.0mm以下とする場合、比較的流通量が多くて入手しやすい鉄板を使用することができる。
【0062】
(5d)上記実施形態において、手掛け部24,124が、貫通孔である構成を例示した。しかし、手掛け部24,124の形状はこれに限定されるものではない。例えば、手掛け部は、使用者が支持装置を持ち運ぶための手掛けとなる溝であってもよい。
【0063】
(5e)上記実施形態において、保持対象物10が電源タップであることを例示した。しかし、保持対象物10はこれに限定されるものではない。例えば、充電用のOAタップや、スイッチングハブが保持対象物10として保持されてもよい。
【0064】
(5f)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。
【符号の説明】
【0065】
1,100,200,300,300a,400,500,600,700,900,1000…保持装置、3…設置面、10,61…保持対象物、10a…電線、11,411…支持部、11a…主部、11b…側部、12,112,212,312,512,712,912,1012…柱部、13…第1折曲げ部、14…第2折曲げ部、15…第3折曲げ部、21,52,321,921,1021…延出部、22,122,522,622,1002…拡大部、23,423…吸着部、24,124,924…手掛け部、25,225,325…巻取り部、25a…突起、26,426…孔部、31…円柱部、32…係止部、41…本体部、42…張出部、51…基礎部、60…板,325a…突出片、901,1001…平面部。